JP2007324635A - 列車無線システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基地局1には無線アダプタ機能を搭載した統合型FA5を、また車上局9には無線アダプタ機能を搭載した統合型MR11を設ける。FA5及びMR11は、ともに無線レイヤとIPレイヤを一元管理することによって、基地局ゾーン間移動時のIPハンドオーバ手順(処理に要する通信回数)が簡略化される。これによりハンドオーバ時間を短縮する。
【選択図】 図1
Description
ハンドオーバの方法には、切替前と切替後のリンクの接続状態からmakeafter break方式とmake before break方式の2通りがあるが、本発明はmake after break方式のものに関する。
従来の列車無線システムは、例えば特許文献1にその構成が開示され、ハンドオーバするときの動作が説明されている。また、特許文献2には列車無線システムに限らず、携帯電話などのハンドオーバについて説明されている。
本願発明のものの動作の理解を助けるため、特許文献2に開示された従来の無線機のハンドオーバ動作について説明する。
即ち、基地局=FA+無線アダプタ+LCX無線機の構成である。
一方、車上局は、列車上に設置された1つ以上の電話端末装置との間で通信データを授受するモバイルルータ(以下MRという)と、MRに接続されて信号授受その他制御を行う無線アダプタと、無線アダプタとの間で信号を授受して、基地局との間で無線通信を行う無線機とを含んでいる。
即ち、車上局=MR+無線アダプタ+無線機である。
基地局の無線機から送信されている電波には、各基地局ごとに異なっていて基地局を識別するための情報であるカラーコードが含まれている。ある基地局がカバーする通信可能ゾーンから、他の基地局がカバーする通信可能ゾーンへと列車(端末無線機、以下車上局という)が移動すると、車上局は、受信したカラーコードの変化により通信可能ゾーンが変化したこと(以下、基地局間移動という)を検出する。そして、以下の手順でハンドオーバが実行される。
1) 基地局から受信している信号に含まれるカラーコードに変化があったことを車上局の無線機で検出し、基地局間移動を検知する。
2) 基地局間移動を検出した車上局の無線機はMRに切替通知を行う。MRは送信していたデータの送信を停止して、データをバッファに蓄積する。無線アダプタは基地局の無線アダプタにスロット要求を行うとともに基地局のFAにルータ広告を促す。
3) 基地局のFAは車上局のMRにルータ広告を行う。
4) ルータ広告を受信した車上局のMRは位置登録情報を基地局のFAに送信する。
5) 基地局のFAは位置登録が完了したら、車上局のMRに応答する。
6) 車上局のMRはバッファに蓄積したデータのトラヒック量を基地局側のFAに通知する。
7) 基地局のFAはトラヒック量に応じた帯域を指定してスロット割当を行う。そして車上局のMRは蓄積していたデータを新しい基地局に対して送信を開始し、ようやく新たな基地局と車上局間での通信が再開される。
以上の1)〜7)の切替シーケンスは0.5〜2秒程度の時間で行われる。この時間は短時間であるとはいうものの、その間のデータはバッファに蓄積されて途切れるのであるから、しばしば途切れると通話者に不快な感を与えるなどの課題があった。
また、切替後の新しい基地局は送信データをハンドオーバ完了後に通信回線から取り込まなければならず、時間的ロスが生じるという課題があった。
また、ハンドオーバ完了後の基地局から車上局へのデータ送信をより短時間で行うことのできる列車無線システムを提供することを目的とする。
通信回線に接続され、IPアドレスを用いて通信するサーバ、このサーバに接続された第1のルータ、
前記第1のルータに接続されるとともに、それぞれが通信データの授受の制御を行う無線アダプタ機能を含んだ統合型の第2のルータと、この統合型第2のルータに接続されるとともに前記鉄道線路に沿って設置された漏洩同軸ケーブルに接続された漏洩同軸ケーブル無線機とを有する複数の基地局、
前記複数の基地局間を移動する前記列車に搭載され、前記漏洩同軸ケーブル無線機と通信する無線機と、この無線機に接続されて通信データの授受、その他の制御を行う無線アダプタ機能を含んだ統合型モバイルルータとを有し、前記複数の基地局のおのおのが有する基地局ゾーン間をハンドオーバにより切替移動する車上局とを備え、
前記統合型第2のルータと前記統合型モバイルルータは、ともに、前記ハンドオーバ時の無線レイヤのスロット割当およびIPレイヤの位置登録を同時に1つのパケット内で行うものである。
また、ハンドオーバ完了後に、ハンドオーバ中に送信が遅れたデータの基地局から車上局へのデータ送信を、より短時間で行うことができる。
以下、この発明の実施の形態1の列車無線システムを図1について説明する。図1では、図示しない一般電話回線(ここでいう一般とは広い意味であり、電話専用回線だけでなくインターネット回線なども含む)と接続されたサーバ8、及びサーバ8に接続されたホームエージェント(以下HAという)7が設けられている。HA7には基地局1および基地局4を含む複数の基地局(図では1と4の2つのみ記載)が接続されており、移動している車上局9と通信を行っているという設定で説明する。白抜き矢印は車上局9の移動を表している。
基地局4および他の図示していない複数の基地局も同様の構成であるので詳細な説明は省略する。
統合型FA2の持つ具体的な機能は、ルーティング機能、トラヒック制御、位置管理、スロット割当管理、無線状態監視である。
即ち、補助線200は基地局4との通信を、補助線201は統合型FA2の状態を、補助線202はLCX無線機3の状態を、補助線203は無線機10の状態を、補助線204は統合型MRの状態を示している。
11) 基地局1のLCX無線機3と、基地局4のLCX無線機6とからは異なるカラーコードが送信され、車上局9の無線機10は最初は基地局4のカラーコードを受信している。(図2の符号100、図3のステップS01)
12) 車上局9が移動して基地局のゾーン間を越えた(ゾーンシフトという)とき、統合型MR11は、受信しているカラーコードが基地局4のものから基地局1のものへと変化したことを検知する。(図2の符号101、図3のステップS02)。
13) これにより車上局9が2つの基地局の通信ゾーンの間を移動したことを検出する。(図3のステップS03)
14) 統合型MR11はそれまで送信していたデータの送信を停止して、データを図示しないバッファに蓄積し始める(図2の符号102、図3のステップS04)。
15) MR11は、基地局1の統合型FA2に対し、位置登録と無線区間のスロット要求、およびトラヒック通知を同時に実施する(図2の符号103、図3のステップS05)。同時にと言う意味は1回のデータ通信の中でこれら全てを通信すると言う意味である。
17) 車上局9の統合型MR11はバッファに蓄積されたデータの送信を開始する(図2の符号106、図3のステップS07)。即ち、切替後の基地局との間で、ゾーン切替後の通信を開始する。
実施の形態1で説明した列車無線システムにより、ハンドオーバの時間は短縮される。さて、実施の形態1では、車上局9側から、基地局側へとデータが送信される例について説明した。実施の形態1の例では、車上局9がハンドオーバ中に蓄積したデータを、ハンドオーバ完了後に送信するのに特別な不都合はない。しかし、基地局側から車上局側へデータを送信する場合は、背景技術の欄で説明したように、新しい基地局にはデータの蓄積がないから、ハンドオーバ完了後に改めてHA7からデータを取り込まなければならないという課題がある。これによりパケット送信に遅延が生じる。これを以後の説明の都合上パケット遅延という。
補助線401はHA7の状態を、補助線402は基地局1の状態を、補助線403は基地局4の状態を、補助線404は車上局9の状態を示している。また、理解を助けるため図5に図4の流れをフローチャート化して示した。
22) HA7は、次のハンドオーバが近づいたとき、車上局9が基地局4との通信をまだ継続しているうちに、それまで基地局4のFA5に通知して登録していた統合型MR11の位置情報(ここでいう位置情報とはデータを送信すべき先のアドレス番号を示す情報のことを言う)を、次の切替予定である基地局(図4の例では基地局1のFA2)にも通知して登録する。(図4の符号411)
23) これにより、HA7は、前記通知以後はデータの送信先を基地局4のFA5だけでなく、基地局1のFA2にも送信する、即ち、シーケンス番号を付与したデータの2基地局への同報送信を開始する。(図4の符号412)
24) 同報通信を開始するタイミングは、原理的には、ハンドオーバが開始される直前(例えば数秒前)に開始されればよいのであるが、ハンドオーバ直前であるかどうかというタイミングは、列車の速度変動により影響されて、かならずしも正確には把握できない場合もあるから、例えばあるゾーンへの進入の後、所定の時間が経過した後に開始するということでもよい。ここでいう所定の時間は、次に進入する基地局ゾーンが近いか遠いかによって異なるから、そのような物理的距離の差に基づいて基地局ごとに異なる値に設定するほうが好ましい。無論、距離には関係なしにハンドオーバ完了後直ちに同報通信を開始してもよい。(図4の符号411)
26) ハンドオーバが完了(ハンドオーバは実施の形態1で説明した手順で実行)したとき、基地局1は蓄積しているデータを順次吐き出そうとするが、#1#2のデータはすでに車上局9は受信済みであり、再送するのは無駄である。
27) そこで、本発明では、ハンドオーバが完了(ハンドオーバは実施の形態1で説明した手順で実行)するとき、統合型MR11はFA2に対し、ハンドオーバ開始前に受信済みのデータのシーケンス番号を通知する。即ち図4の例では#2まで受信済みで、#3から受信すればよいことを通知する。(図4の符号414)
28) FA2は、通知されたシーケンス番号から、未送信で次に送信するべきデータ、即ち図4の例では#3のデータを選択し、MR11に対して送信する。(図4の符号415)
図5のステップS51では次のハンドオーバが間近であることをHA7が検知する。
ステップS52で、次の切替予定の基地局にも位置登録を行う。
ステップS53で、HA7から2つの基地局に同報送信を開始。切り替え後に使用される基地局にはデータが蓄積される。
ステップS54でハンドオーバ開始、
ステップS55で、ハンドオーバ完了、車上局は受信済みのデータ番号を通知。
ステップS56で、新しい基地局は蓄積しているデータの中から、車上局が未受信のデータを選択して送信する。
21)から28)の手順によれば、従来なら、送信するべきシーケンス番号が判明した時点で、改めてHA7から基地局1にパケットデータをとりおろさなければならなかったのが、事前に同報送信されて、新しい基地局にデータが蓄積されているので、改めて取り込む手間が不要となり、その分の時間が短縮される。
実施の形態2の方法にて、IPハンドオーバ前後で過不足のない効率的なデータ通信を行うことができ、パケット遅延の削減を可能とする。
3 LCX無線機、 4 基地局、
5 統合型FA(Foregin Agent)、
6 LCX無線機、 7 HA(Home Agent)、 8 サーバ、
9 車上局、 10 無線機、
11 統合型MR(Mobile Router)、
12 基地局、 13 FA(Foregin Agent)、
14 無線アダプタ、
15 LCX無線機、 16 車上局、 17 無線機、 18 無線アダプタ、
19 MR(Mobile Router)。
Claims (5)
- 鉄道線路を走行する列車に搭載された車上局と、前記鉄道線路に沿って配置された複数の基地局のいずれか一つとの間でIPアドレスを用いて通信する列車無線システムであって、
通信回線に接続され、IPアドレスを用いて通信するサーバ、このサーバに接続された第1のルータ、
前記第1のルータに接続されるとともに、それぞれが通信データの授受の制御を行う無線アダプタ機能を含んだ統合型の第2のルータと、この統合型第2のルータに接続されるとともに前記鉄道線路に沿って設置された漏洩同軸ケーブルに接続された漏洩同軸ケーブル無線機とを有する複数の基地局、
前記複数の基地局間を移動する前記列車に搭載され、前記漏洩同軸ケーブル無線機と通信する無線機と、この無線機に接続されて通信データの授受、その他の制御を行う無線アダプタ機能を含んだ統合型モバイルルータとを有し、前記複数の基地局のおのおのが有する基地局ゾーン間をハンドオーバにより切替移動する車上局とを備え、
前記統合型第2のルータと前記統合型モバイルルータは、ともに、前記ハンドオーバ時の無線レイヤのスロット割当およびIPレイヤの位置登録を同時に1つのパケット内で行うものであることを特徴とする列車無線システム。 - 前記第1のルータは、前記列車が次に進入する基地局ゾーンの基地局に対し、前記ハンドオーバの開始に先行して位置登録を行い、前記車上局が現に存在する基地局ゾーンの基地局と、前記車上局が次に進入する基地局ゾーンの基地局とにデータを同報送信することを特徴とする請求項1に記載の列車無線システム。
- 前記第1のルータが前記基地局に対して行う前記位置登録は、前回のハンドオーバ完了後からあらかじめ定めた所定の時間の経過後に開始することを特徴とする請求項2に記載の列車無線システム。
- 前記所定の時間は前記次に進入する基地局ゾーンごとに異なる値に設定されていることを特徴とする請求項3に記載の列車無線システム。
- 前記第1のルータは、前記基地局の統合型第2のルータに送信するデータにはシーケンス番号を付与して送信し、当該車上局が新たな基地局ゾーンに進入して前記ハンドオーバが完了したとき、前記統合型モバイルルータは、その時点以前に受信済みの前記シーケンス番号を前記統合型第2のルータに通知し、前記統合型第2のルータは通知されたシーケンス番号に基づいて前記統合型モバイルルータに送信を開始するデータのシーケンス番号を決定することを特徴とする請求項2に記載の列車無線システム。
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JP2000165312A (ja) * | 1998-11-24 | 2000-06-16 | Hitachi Ltd | 列車制御装置 |
JP2005143086A (ja) * | 2003-10-17 | 2005-06-02 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 移動検知方法および移動端末 |
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