JP2007324459A - 窒化物系半導体素子の製造方法 - Google Patents

窒化物系半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化物系半導体素子構造が形成された半導体ウエハを歩留よく各素子チップへ分断する新たな方法を含む窒化物系半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】窒化物系半導体素子の製造方法において、結晶構造に由来してレーザ光が進入し易い方向とレーザ光が進入し難い方向を有する支持基板11の第1主面上に複数の窒化物系半導体層3,6を含む半導体素子構造形成し、その支持基板11の第1主面に対向する第2主面側からレーザ光を照射して、支持基板11のブレーキングに利用可能な改質領域をその基板内部に形成し、この際に、レーザ光が侵入し易い方向に比べて侵入し難い方向においてレーザ光の強度を高めて照射し、これによってレーザ光が侵入し易い方向と侵入し難い方向において改質領域の深さが同等になり、その後に改質領域に沿って支持基板11をブレーキングして窒化物系半導体素子を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物系半導体素子の製造方法に関し、特に、支持基板としての大型の結晶基板上に複数の窒化物系半導体層を含む半導体素子構造を貼り合せたウエハを形成した後に、このウエハを個々の窒化物系半導体素子へ分断(チップ化)するための技術に関する。
窒化物系半導体素子はその主要構造部分に窒化物系半導体を利用しており、発光素子、受光素子、パワーデバイスなどの種々の窒化物系半導体素子が例示され得る。より具体的な例として、LED(発光ダイオード)やLD(レーザダイオード)などの発光素子の場合、発光層に用いられる窒化物系半導体の組成を選択することによって、青色光から紫外光に至る短波長の光を発光させることが可能である。
窒化物系半導体は一般的には式AlaInbGa1-a-bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で表される3族窒化物からなる化合物半導体であって、たとえばGaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN、AlN、InNなどの種々の具体的組成を含み得る。
窒化物系半導体素子の製造において、半導体素子構造が付与された半導体ウエハを各素子チップへ分断するための方法の1つとして、ダイヤモンドスクライブが利用されている。ダイヤモンドスクライブは、半導体ウエハの分断予定ラインに沿ってダイヤモンド製ツールの先端で傷を入れ、その後に応力を加えることによってその傷から破断を発生させて、個々のチップへ分断する方法である。
ダイヤモンドスクライブの問題点として、ツールであるダイヤモンドの摩耗が激しくて、コストが高くなることがある。また、ツールによる傷の入れ方が容易ではなく、チップの外周(通常方形である)の四辺全てが所定の分断予定ラインに正確に沿って割れた正常なチップを歩留まり良く得ることが難しいという問題もある。特に、基板がサファイアである場合には、直交する格子状のパターンにスクライブして立方体または直方体の形状のチップを切り出すときに、一つの側面が劈開面(結晶構造に由来した割れ易い面)になるように選択すれば、これに直交する他方の側面が劈開面ではなくなる。したがって、劈開面でない側面を形成するときに分断予定ライン通りに割ることが容易ではなく、ひどい場合には電極形成部に達する割れが発生して、多数のチップが使用不可能となることもある。
また、半導体ウエハを各素子チップへ分断する他の方法として、レーザ光を用いるレーザスクライブやレーザ割断法も利用されている(たとえば、特許文献1の特開平11−224866号公報参照)。これらの方法では、半導体ウエハの分断予定ラインに沿ってレーザ光を照射し、ウエハ表面を局所的に溶融させて分断用溝を形成する。その後に、必要に応じて応力を加えることによって、その分断用溝に沿って破断を発生させて個々の素子チップへ分断する。
特開平11−224866号公報
しかし、本発明者の検討実験の結果として、従来のレーザスクライブ法にも次のような問題点があることが分かった。すなわち、レーザスクライブ法にて支持基板を素子チップ(発光素子)ごとに分割する際のブレーキング(外力を加えて破断すること)において、分割がやり易い方向とやり難い方向があり、ブレーキングのやり難い方向ではチップが分断できずにバー状に繋がったままになることがある。
本発明は、このような問題を解消するために、窒化物系半導体素子構造が形成された半導体ウエハを各素子チップへ分断する新たな方法を含む窒化物系半導体素子の製造方法を提供することを目的としている。
本発明による窒化物系半導体素子の製造方法においては、結晶構造に由来してレーザ光が進入し易い方向とレーザ光が進入し難い方向を有する支持基板の第1主面上に複数の窒化物系半導体層を含む半導体素子構造形成し、その支持基板の第1主面に対向する第2主面側からレーザ光を照射することによって、支持基板のブレーキングに利用可能な改質領域をその基板内部に形成し、この際に、レーザ光が侵入し易い方向に比べて侵入し難い方向においてはレーザ光の強度を高めて照射し、これによってレーザ光が侵入し易い方向と侵入し難い方向において改質領域の深さが同等になり、その後に、改質領域に沿って支持基板をブレーキングすることによって窒化物系半導体素子を得ることを特徴としている。
なお、支持基板は、レーザ光照射に先立って、研削と研磨の少なくともいずれかによって200μm以下の厚さにされることが好ましい。また、支持基板の第2主面の表面において、少なくともレーザ光が入射する領域は、そのレーザ光照射に先立って鏡面にされることが好ましい。
さらに、支持基板の第1主面上に形成された窒化物系半導体素子構造の少なくとも所定深さまで至る分断用溝を形成し、改質領域は分断用溝に対向するように形成されることが好ましい。その分断用溝の幅は、5〜50μmの範囲内になるように形成されることが好ましい。
レーザ光照射では、支持基板の第2主面からその基板の厚さの70%以内までの範囲内の位置において改質領域が形成されることが好ましい。支持基板は、SiまたはGeからなることが好ましい。
以上のような本発明による窒化物系半導体素子の製造方法においては、支持基板においてレーザ光が侵入し易い方向と侵入し難い方向に関して改質領域の深さが同等になるようにレーザ光が照射されるので、均質で良好なチップ分割が可能となり、チップ分割の歩留まりを98%程度に高くすることができる。
前述のように、本発明者は、従来のレーザスクライブ法にて支持基板を半導体素子チップごとに分割する際のブレーキングにおいて分割のやり易い方向とやり難い方向があり、ブレーキングのやり難い方向ではチップが分断できずにバー状に繋がったままになることがあることを経験した。そこで、本発明者がレーザスクライブ法にて支持基板をチップ状(発光素子)に分割した際のチップ断面を観察したところ、レーザの進入する深さ、換言すれば改質領域の深さがレーザの走査方向に依存して異なることを見出した。すなわち、支持基板の結晶面を走査する方向に依存してレーザ光の進入深さに違いがあることを見出した。
そして、本発明では、結晶構造に由来してレーザ光が進入易い方向と進入難い方向を有する支持基板にレーザ光を照射するに際し、レーザ光が侵入し易い走査方向に比べて進入難い方向においてレーザ光強度を高めて照射し、これによって両方向において深さが同等と成る改質領域を形成することを特徴としている。
以下において、本発明による一実施例が、窒化物系半導体発光素子の製造方法の例に関して、より具体的に説明される。すなわち、この実施例では、GaN系LEDが製作される。
(窒化物系LED積層構造の結晶成長)
図2を参照して、サファイア基板上に複数の窒化物系半導体層を結晶成長させる過程が模式的な断面図で示されている。なお、本願の各図において長さ、幅、厚さなどの寸法関係は図面の簡略化と明瞭化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。
図2において、まず直径2インチで厚さ430μmのC面[(0001)面]サファイア基板1がMOCVD(有機金属化学気相堆積)装置の反応室内にセットされ、水素雰囲気下で1100℃において熱洗浄される。
次に、基板温度を300℃まで下げ、III族原料としてのトリメチルアルミニウム(TMA)およびN原料としてのアンモニアを反応室内に導入して、厚さ20nmのGaN低温バッファ層2を成長させる。
続いて、基板温度を1000℃に昇温して、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア、およびSiH4を反応室内に導入し、Siドープのn型GaN層3を厚さ6μmに成長させる。
その後、基板温度を800℃に低下させた後に、TMG、トリメチルインジウム(TMI)、NH3、およびSiH4を反応室内に導入して、複数のGaN障壁層(厚さ10nm)と複数のInGaN井戸層(発光波長465nm、厚さ3nm)とからなる6周期の多重量子井戸(MQW)活性層(発光層)4を形成する。
続いて、基板温度を1000℃に昇温後に、TMG、TMA、NH3、およびドーパントとしてのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を反応室内に導入して厚さ30nmのp型AlGaN蒸発防止層5を形成し、その後にTMAの導入を停止して厚さ200nmのp型GaNコンタクト層6を形成する。こうして、図2に示されているように、発光波長465nmの青色LED積層構造を備えた半導体ウエハが作製され得る。
この場合に、製造すべき個々のLEDチップの素子構造部分としての設計上の平面的外形寸法は一辺が350μmの正方形であり、分断予定ラインの方向はサファイア基板1の<1−100>方向および<11−20>方向とし得る。すなわち、これらの方向は、C面サファイア基板1の主面に平行であって、相互に直交する方向である。
(LED積層構造と支持基板との貼付け)
図3の模式的断面図に示されているように、p型GaNコンタクト層6上には、厚さ3.5nmのPdオーミック電極7、厚さ200nmのAg−Nd反射金属層8、厚さ100nmのNi−Tiバリア層9、および厚さ3μmのAuSn接合金属層10が順次に蒸着されて形成される。これらの蒸着には、EB(電子ビーム)蒸着法や抵抗加熱蒸着法を利用することができる。なお、AuSn合金の組成としては、たとえば20質量%Snを含み得る。
他方、図4の模式的断面図に示されているように、Si支持基板11上に厚さ50nmのTi層12と厚さ1μmのAu接合金属層13が、EB蒸着法にて順次堆積される。その後、この図4に示されたAu接合金属層13と図3に示されたAuSn接合金属層10とを対向接触させ、共晶接合法を用いて、温度310℃で圧力300N/cm2にて相互に接合させる。
(サファイア基板の剥離除去)
前述の共晶接合後において、鏡面研磨したサファイア基板1側からYAG−THG(イットリウムアルミニウムガーネット3次高調波)レーザ(波長355nm)を照射し、サファイア基板1と接しているGaNバッファ層2とn型GaN層3の一部とを熱分解させることによって、サファイア基板1を剥離して除去する(図2参照)。このとき、n型GaN層3の表面が露出させられる。
(チップ分割用溝の形成)
サファイア基板1の除去後において、矩形格子状の開口パターンを有するレジストマスクを利用してn型GaN層3側からRIE(反応性イオンエッチング)を行って、その矩形格子状開口パターンでp型GaNコンタクト層6までの半導体層を完全に除去する。こうして、窒化物系半導体積層構造を貫通するチップ分割用の溝(分断シロ)を形成し、その溝内で反射金属層8を露出させる。ここで、窒化物系半導体積層構造を貫通するチップ分割用溝の幅は、たとえば約20μmにすることができる。
(n側電極の形成)
窒化物系半導体積層構造を貫通するチップ分割用溝が形成された後に、清浄にされたn型GaN層3の露出表面上に厚さ150nmの透明導電体(ITO:インジュウム錫酸化物)層14を形成し、その上にn側ボンディングパッド電極(Au/Ti/Al/Ti)15を形成する。
(レーザスクライブ線の形成)
まず、後のチップ分割をより容易にするために、支持基板11の厚さが削減される。すなわち、市販の研削/研磨機を用いて、支持基板11の厚さが200μmになるように、その支持基板11の自由表面側を研削/研磨する。
この研削/研磨後に、前述のRIEによって窒化物系半導体積層構造を貫通するように形成された溝内にYAG−THGレーザ(波長355nm)を照射して、Si支持基板11の途中までの深さの分割用溝を形成する。そして、赤外線透過型スクライブ装置を用いて、その分割用溝に対向するようにSi支持基板11の自由表面側からレーザスクライブ線を入れる。なお、赤外線透過型スクライブ装置とは、赤外線を透過させて画像をモニタしながら、必要な領域にスクライブ線を入れるための装置である。
すなわち、本実施例では、Si支持基板11の自由表面側から分断予定ラインに沿ってレーザ光を照射し、分断に利用可能な改質領域17を形成する(図1参照)。その改質領域17は、支持基板11の自由表面から内部へ深さ140μmに至り得る。
レーザ光の照射に際しては、基本波長が1064nmであるパルス波型のYAGレーザから出射されるレーザ光の3倍高調波(波長355nm)用い、これを集光レンズによってSi支持基板11の自由表面に集光させる。
図5の模式的な平面図に示されているように、まずSi支持基板11のオリエンテーションフラット面[(110)面]OLに平行な方向に第1のレーザ光(パルスの繰り返し周波数30kHz、出力8.5W、レーザ光スポット径2μm)を走査して、第1方向の複数のレーザスクライブ線17aを入れる。次に、第1方向のレーザスクライブ線17aと直交する方向に第2のレーザ光(パルスの繰り返し周波数30kHz、出力12.5W、レーザ光スポット径2μm)を走査して、第2方向の複数のレーザスクライブ線17bを入れる。
このように、オリエンテーションフラット面OLに平行な第1方向のレーザスクライブ線17aを形成するときのレーザ出力8.5Wに比べて、それに直交する第2方向のレーザスクライブ線17bを形成する時のレーザ出力を12.5Wに高めることによって、それらの互いに直交する第1方向と第2方向のレーザスクライブ線17aと17bとにおいてほぼ同じ深さの改質領域が形成され得る。
(チップ分割とワイヤボンディング)
市販のブレーキング装置を用いて、これらのレーザスクライブ線17a、17bに沿って支持基板11を分割することによって、LED素子のチップ化が完了する。そして、そのチップ化されたLED素子のn型ボンディングパッド15上に、Auワイヤ16がボールボンディングされる。これによって、窒化物系半導体LED素子が完成する。図1の模式的な断面図は、こうして完成した窒化物系半導体LED素子を示している。
(評価)
前述のように支持基板上に青色LED積層構造が貼り付けられたウエハに対して本発明によるレーザ照射を行った後に、市販のブレーキング装置を用いてチップ分割を行って得られたチップに関して、分断シロに沿って分断されているチップを合格品とし、分断シロの外で割れたりチッピングが発生したチップを不合格品として、チップ分割における合格品の割合(歩留り)を評価したところ、約98%まで高めることが可能であった。
(考察)
以上から明らかなように、レーザ光の照射によって支持基板の内部に形成される「分断に利用可能な改質領域」とは、半導体ウエハに対して通常のブレーキングに用いる方法で外力を印加したときに、その改質領域を起点として割れが発生して半導体ウエハが分断に至る程度にそのウエハの機械的強度が低下された領域を意味する。
そして、半導体ウエハをチップに分断する際において、分断は支持基板の内部に形成した改質領域を起点として割れを生じさせて行う。この分断工程では、半導体ウエハに外部から人為的な力を印加して曲げ応力やせん断応力を作用させることによって分断すればよく、従来公知のブレーキングの方法たとえば加圧用のローラやニードルを用いる方法や半導体ウエハを三点支持しておいて加圧部材を作用させる方法などを採用することができる。
ここで、窒化物系半導体積層構造を貫通する分断シロの帯幅は、レーザ光のスポット径、集光用レンズの倍率、およびレーザ光が通過する支持基板材料の屈折率を考慮して、照射されるレーザ光が支持基板を通過するときのビーム幅(分断シロの帯幅方向のビーム幅)を包含し得る幅とすることが好ましい。分断シロの帯幅を過度に狭くすれば、レーザ光と支持基板上の窒化物系半導体積層構造とがオーバラップが生じる。また、分断シロの帯幅を過度に広くすれば、1枚の半導体ウエハから得られる半導体素子チップの数が少なくなる。
分断時に改質領域を起点として発生する割れは、分岐や進行方向の変更を生じながら進むので、支持基板の横方向にも広がりをもってその基板内部に達する。従って、分断シロの帯幅を適当に設けることによって、割れが窒化物系半導体積層構造内あるいは窒化物系半導体積層構造内の発光機能を担う層内に入り込むことが抑制されるので、発光素子が受ける影響をより低く押さえることができる。このような観点から、分断シロの帯幅は5〜50μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。
分断シロ部分を形成するために半導体積層構造体を部分的に除去する方法は限定されないが、エッチングを利用することが好ましく、ドライエッチングまたはウェットエッチングのいずれを利用することも可能である。なかでも、分断シロに対応する開口部を有するエッチングマスクをフォトリソグラフィによって形成し、その開口部に露出した窒化物系化合物半導体積層構造をドライエッチングによって除去することが特に好ましい。
他方、レーザ加工方法は、支持基板の表面に集光点を合わせてレーザ光を照射して、分断予定ラインに沿って支持基板内部において分断に利用可能な改質領域を形成し得るものであり、従来公知のレーザ加工方法を参照することができる。
たとえば、支持基板内部の集光点において多光子吸収現象が起こり、熱ひずみが誘起されまたは局所的加熱による溶融が生じる結果として、分断に利用可能な改質領域が形成され得る。このとき、パルス状レーザ光の幅を1μm以下にすれば、多光子吸収を生じさせて対象物表面に余計なダメージを与えずに、支持基板内部のみに改質領域を形成することができる。この方法に用い得るレーザ光源としては、Nd:YAGレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YLFレーザ、またはチタンサファイアレーザが好適であり、多光子吸収を起こさせることができるならばパルスレーザでも連続波レーザであってもよい。
ここで、多光子吸収現象とは、被照射材料のバンドギャップよりも照射レーザ光の光子エネルギ(振動数とプランク定数の積で表される)が小さい場合であっても、すなわち被照射材料が照射レーザ光に対して透明であっても、ピークパワー密度条件が満たされれば複数の光子を同時に吸収して励起が生じる現象である。
なお、上述の実施例ではSi支持基板を用いた場合について説明されたが、本発明の製造方法はGe支持基板を用いた場合でも同様の効果を発揮することができる。
以上のように、本発明による窒化物系半導体素子の製造方法によれば、支持基板においてレーザ光が侵入し易い方向と侵入し難い方向に関して改質領域の深さが同等になるようにパワー和調整されたレーザ光が照射されるので、均質で良好なチップ分割が可能となり、チップ分割の歩留まりを98%程度に高くすることができる。すなわち、本発明は、窒化物系半導体素子の品質と生産効率を高めることができる。
本発明の一実施例おける製造方法によって完成した窒化物系半導体素子の模式的断面図である。 図1の窒化物系半導体素子のための窒化物系半導体積層構造を形成する過程を説明するための模式的断面図である。 図2の窒化物系半導体積層構造上に金属積層体を形成する過程を説明するための模式的断面図である。 図3の金属積層体に接合させるための他の金属積層体を支持基板上に形成する過程を説明するための模式的断面図である。 レーザスクライブラインと支持基板との関係を示す模式的平面図である。
符号の説明
1 サファイア基板、2 GaNバッファ層、3 n型GaN層、4 MQW発光層、5 蒸発防止層、6 p型GaN層、7 オーミック電極、8 反射層、9 バリア層、10 接合金属層、11 支持基板、12 Ti層、13 接合金属層、14 透明導電体層、15 パッド電極、16 Au線ワイヤ、17 改質領域。

Claims (7)

  1. 窒化物系半導体素子の製造方法であって、
    結晶構造に由来してレーザ光が進入し易い方向とレーザ光が進入し難い方向を有する支持基板の第1主面上に複数の窒化物系半導体層を含む半導体素子構造を形成し、
    前記支持基板の前記第1主面に対向する第2主面側からレーザ光を照射することによって、前記支持基板のブレーキングに利用可能な改質領域をその基板内部に形成し、
    この際に、前記レーザ光が侵入し易い方向に比べて前記侵入し難い方向においては前記レーザ光の強度を高めて照射し、これによって、前記レーザ光が侵入し易い方向と前記侵入し難い方向において前記改質領域の深さが同等になり、
    その後に、前記改質領域に沿って前記支持基板をブレーキングして前記窒化物系半導体素子を得ることを特徴とする製造方法。
  2. 前記支持基板は、前記レーザ光照射に先立って、研削と研磨の少なくともいずれかによって200μm以下の厚さにされることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記支持基板の前記第2主面の表面において、少なくとも前記レーザ光が入射する領域は、そのレーザ光照射に先立って鏡面にされることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記支持基板の前記第1主面上に形成された前記窒化物系半導体素子構造の少なくとも所定深さまで至る分断用溝を形成し、前記改質領域は前記分断用溝に対向するように形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記分断用溝の幅は5〜50μmの範囲内になるように形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記支持基板の前記第2主面からその基板の厚さの70%以内までの範囲内の位置において前記改質領域が形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記支持基板は、SiまたはGeからなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
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