JP2007324170A - 照射装置及び照射装置を用いた半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】Low−k膜を機械的強度と電気的特性の良好な膜に改質可能な紫外光または可視光を照射する照射装置を提供する。
【解決手段】照射装置に、Low−k膜の材料によって決まるLow−k膜吸収端に対応する波長以上の光を照射し、かつ、当該Low−k膜の水素が関係する結合基を切断するために必要な波長以下の光を照射する照射手段を有する。照射手段は石英パイプ4内に不活性ガス5を充填したランプ3と受光センサー9とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】照射装置に、Low−k膜の材料によって決まるLow−k膜吸収端に対応する波長以上の光を照射し、かつ、当該Low−k膜の水素が関係する結合基を切断するために必要な波長以下の光を照射する照射手段を有する。照射手段は石英パイプ4内に不活性ガス5を充填したランプ3と受光センサー9とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、照射装置及び照射装置を用いた半導体製造装置に関し、特に、互いに異なる二波長の紫外線等を照射可能な照射装置及び照射装置を用いた半導体製造装置に関する。
従来、半導体デバイスは、種々の絶縁膜を備えている。これらの絶縁膜には、ICの層間絶縁膜(例えば、低誘電率膜(以下、「Low−k膜」と称する。)、配線間に形成される配線材料のバリアー絶縁膜、高誘電率ゲート絶縁膜(以下、「High−k膜」と称する。)などがある。また、絶縁膜の材料には、SiN、SiON、SiOCH、SiOCNH、SiCH、SiCNH、SiOCF、SiCFなどが用いられる。
Low−k膜は、低誘電率及び高機械的強度であることが要求されている。低誘電率を実現するための一法は、Low−k膜に対して熱アニール処理を行うことである。高機械的強度を実現するための一法は、特許文献1に記載されているように、紫外光照射処理を行うことである。
具体的には、上記熱アニール処理は、400℃以上の温度で、30分以上アニールすることが必要とされている。また、上記紫外光照射処理は、200nm以下の波長の紫外光を照射することが必要とされている。
また、バリアー絶縁膜は、均一で高蜜度であることが要求されているが、薄膜化の要請もある。
さらに、High−k膜(HfO2膜)は、緻密なことと、リーク電流を流れにくくすることとが要求されている。このために、High−k膜形成後に行うアニール処理が重要になっている。従来、High−k膜は、有機金属化学気相蒸着法 (Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)などで形成されていた。具体的には、High−k膜の形成に先立って、シリコン上にO2ガスを供給しながら、425℃の温度で加熱することで境界層を形成する。その後、450℃〜550℃の温度下で有機金属化学気相蒸着により、High−k膜を形成する。その後700℃から900℃の温度下でN2、N2/O2ガスまたはNH3ガスを供給することにより、High−k膜中のSi−O結合のシリコンを窒素化(N化)を行いSiN結合を形成する。さらにアルゴン(Ar)中でアニール処理を行う(非特許文献1,2)。
しかし、従来の紫外線照射処理を行うと、Low−k膜は、その機械的強度が向上するものの、誘電率も増加するという問題があった。例えば、誘電率が2.4のLow−k膜に、波長が172nm、照度が14mW/cm2の紫外光を2分間照射すると、機械的強度であるヤング率は8GPaになるが、誘電率は2.6以上に増加した。
また、熱アニール処理を行うことによって2.3以下の誘電率を実現可能な回転塗布(Spin on Deposition:SOD)膜に対して、波長が172nm、照度が14mW/cm2の紫外光を4分間照射すると、機械的強度であるヤング率は8GPaになるが、誘電率が2.5に増加した。
さらに、上記熱アニール処理は、既述のように、400℃という高い温度で30分以上のアニールを行うため、例えば、半導体デバイスで使用される、銅(Cu)などの配線材料がLow−k膜へ拡散し、配線間のリーク電流が多くなる。また、上記熱アニール処理は30分以上の時間を要するのに対して、半導体デバイスの他の製造工程は5分程度である。したがって、上記熱アニール処理を行うと、半導体デバイスの製造スループットが低下するという問題がある。
また、バリアー絶縁膜を薄くして、さらに、その密度を高めることは困難であった。もっとも、従来、バリアー絶縁膜の密度を高める具体的手法は、存在していない。
さらに、High−k膜の場合には、High−k膜中に多くのチャージが存在し、ソース−ドレイン電流が小さくなることと、High−k膜のリーク電流が大きくなることとに問題があった。これらは、High−k膜中の酸素(O)の欠損によって生じた空孔に起因する問題である。
このように、絶縁膜に対しては、その用途に応じた改質が求められている。
そこで、本発明は、絶縁膜を改質可能な半導体製造装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の照射装置又は半導体製造装置は、
絶縁膜に対して第1の波長の紫外光を照射する第1照射手段と、
前記第1照射手段に近傍配置されており前記絶縁膜に対して第1の波長とは異なる第2の波長の紫外光または可視光を照射する第2照射手段とを備える。
絶縁膜に対して第1の波長の紫外光を照射する第1照射手段と、
前記第1照射手段に近傍配置されており前記絶縁膜に対して第1の波長とは異なる第2の波長の紫外光または可視光を照射する第2照射手段とを備える。
前記近傍配置とは、前記第1照射手段と前記第2照射手段との一方が他方に対して収容され、又は、前記第1照射手段と前記第2照射手段とが相互に隣接配置されていることを含む。
前記絶縁膜が配線間絶縁膜又はバリアー絶縁膜である場合には、
前記光の一方を、絶縁膜内の結合基を切断するために必要な波長以下の光とし、
前記光の他方を、吸収端以上の波長の光とするとよい。
前記光の一方を、絶縁膜内の結合基を切断するために必要な波長以下の光とし、
前記光の他方を、吸収端以上の波長の光とするとよい。
前記絶縁膜が高誘電率ゲート絶縁膜である場合には、
前記光の一方を、遷移金属の酸化に必要な波長またはC−H結合を切断するのに必要な波長以下の光とし、
前記各光の他方を、吸収端以上の波長の光とするとよい。
前記光の一方を、遷移金属の酸化に必要な波長またはC−H結合を切断するのに必要な波長以下の光とし、
前記各光の他方を、吸収端以上の波長の光とするとよい。
また、本発明の半導体デバイスは、化学的気相蒸着装置によって製造され、誘電率が2.4以下であって、ヤング率が5GPa以上である絶縁膜を備える。或いは、回転塗布成膜装置によって製造され、誘電率が2.3以下であって、ヤング率が6GPa以上である絶縁膜を備える。
さらに、本発明の照射方法は、
絶縁膜に対して第1の波長の紫外光を照射する第1照射工程と、
前記第1照射工程の後に第1の波長とは異なる第2の波長の紫外光または可視光を照射する第2照射工程とを含む。
絶縁膜に対して第1の波長の紫外光を照射する第1照射工程と、
前記第1照射工程の後に第1の波長とは異なる第2の波長の紫外光または可視光を照射する第2照射工程とを含む。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において、同様の部分には、同一の符号を付している。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の半導体製造装置の模式的な構成図である。本実施形態では、主として、Low−k膜を改質する装置について説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の半導体製造装置の模式的な構成図である。本実施形態では、主として、Low−k膜を改質する装置について説明する。
図1には、ウェハが収容されるフープ41と、フープ41から取り出されたウェハの位置決めを行うウェハアライメント42と、ロードロック機構を有する減圧チャンバーであるロードロックチャンバー43と、ウェハに対して相対的に長波長の光を照射する第一チャンバー1と、ウェハに対して相対的に短波長の光を照射する第二チャンバー2と、ロードロックチャンバー43と第一チャンバー1と第二チャンバー2との間でウェハを搬送するロボットアームを有するトランスファーチャンバー44とを示している。
図2は、図1の第一チャンバー1の模式的な構成図である。図2には、Low−k膜の材料によって決定される高圧水銀ランプのように300nm以上の波長の光を照射する又はハロゲンランプのように400nm以上770nm以下の波長の光を照射する複数(例えば4つ)のランプ3と、減圧時にかかる応力から各ランプ3を保護するとともに各ランプ3への酸素の接触をことを防止する石英パイプ4と、石英パイプ4内に供給される窒素(N2)ガスなどの不活性ガス5と、絶縁物で覆われており半導体デバイスとなるウェハ7と、昇降ステージ上に位置しておりウェハ7を加熱する絶縁物(AlN)から成るヒーター6と、トランスファーチャンバー44によって搬送されてきたウェハ7を受けるピン8と、連続的・定期的・間歇的にランプ3からの照射光の照度を測定する石英パイプ4内或いは第一チャンバー1の内壁に取り付けられている受光センサー9と、第一チャンバー1内に窒素ガスを供給するための配管11と、ウェハ7を処理した後に第一チャンバー1内をクリーニングするための酸素(O2)ガスを供給するための配管12と、各配管11,12とガスタンクとの間に設けられたバルブ14と、各配管11,12を通るガス流量を計測するとともに計測結果に応じてバルブ14の開閉を制御するマスフロー13とを示している。なお、必要に応じて、窒素以外の不活性ガスを第一チャンバー1内に供給できるようにしてもよい。
また、第二チャンバー2の構成も、第一チャンバー1と同様であるが、各ランプ3に代えて、低圧水銀ランプまたはXe、Kr、I、KrBrなどのエキシマランプを用いている。低圧水銀ランプは、ランプのベース部温度が60℃付近で186nmの波長の光が相対的に強くなり、ランプのベース部温度が40℃付近で254nmの波長の光が相対的に強くなるものである。
なお、第一チャンバー1と第二チャンバー2との双方に、同じ波長の光を照射するランプを設けてもよい。この場合には、図1に示す半導体製造装置で処理されたウェハ7は、加熱時間が従来に比して2倍に増加するので、絶縁膜の機械的強度が高まるという点で改質効果が得られるためである。
また、第一チャンバー1のランプ3には、可視光ランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザを用いることもできる。さらに、第二チャンバー2のランプには、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザを用いることもできる。なお、絶縁膜内の安定状態にない結合基を切断するためには、ランプ3は、波長が770nm以下の光、つまり可視光を照射できるものとする必要がある。換言すると、ランプ3として、赤外領域の波長範囲の光を照射するランプを用いた場合には、絶縁膜内の安定状態にない結合基の大半に振動は生じるものの、これらが限定的な時間内では切断されない。なお、770nm以下の可視光であれば、Si−H結合及びC−H結合の結合基の大半が好適に切断でき、500nm以下の可視光であれば更に好適に切断できることを実験により確認した。
図3は、照射光の波長と物質の結合エネルギーとの関係を示す図である。図3の横軸が波長(nm)、縦軸が結合エネルギー(eV)である。例えば、Low−k膜の材料には、SiOCH、SiCFなどを、またCuのバリアー膜にはSiN、SiOCH、SiON、SiOCNH、SiCNH膜などを用いることが考えられる。
例えば、SiOCH膜には、C−H結合とSi−CH3結合とが存在する。これらは、300nm強の波長の光が照射されると結合基が切断される。したがって、SiOCH膜を絶縁膜に採用した場合には、350nm以下の波長の光を照射することで、上記結合基を切断することが可能となる。
同様に、SiN膜には、N−H結合とSi−H結合とが存在する。これらは、それぞれ300nm,400nm程度の波長の光が照射されると結合基が切断される。したがって、SiN膜を絶縁膜に採用した場合には、400nm以下の波長の光を照射することで、上記結合基を切断することが可能となる。
ここで、本発明者は、Low−k膜内の不安定な結合状態にある水素成分、フッ素成分などを低減することで、Low−k膜の誘電率を低くできることを見出した。
したがって、ランプ3からの350nm以下の波長の光を照射することによって、SiOCH膜内のC−H結合とSi−CH3結合とを除去できる。この結果、SiOCH膜内の水素成分等が低減され、SiOCH膜の誘電率が低くなる。
また、本発明者は、配線間絶縁膜又はバリアー絶縁膜の水素成分の結合基を切断することで、配線間絶縁膜等を均一で高密度とすることができることを見出した。さらに、本発明者は、High−k膜に、遷移金属の酸化に必要な波長或いはC−H結合を切断するのに必要な波長以下の光を照射すること、High−k膜を不活性ガス又はO2ガスを1〜2%程度、好ましくは1%以下含む不活性ガス雰囲気でUVアニールすることで、High−k膜を緻密とすることができ、かつ、リーク電流が流れにくくなることを見出した。
したがって、上記各絶縁膜の材料に応じて波長を選択したランプを用いれば、絶縁膜を、その要求条件をクリアした状態に改質することができる。
図4は、照射光の波長と吸収端と結合エネルギーとの関係を示す図である。図4の横軸が波長(nm)、左縦軸が吸収端(eV)、右縦軸が結合エネルギー(eV)である。例えば、SiO2膜の吸収端に対応する波長は156nmである。したがって、SiON膜に156nm以上の波長の光を照射すると、光が膜内に進入して、その結果、光が膜内の構造(結合の骨格)に吸収され、SiO2膜またはSiON膜の密度が向上し、機械的強度が高くなる。同様に、SiNの吸収端吸収端に対応する波長は275.6nmであるので、SiN膜に275.6nm以上の波長の光を照射すると、SiN膜の密度が向上する、又は、水素成分等が除去される。
図5は、図2に示すウェハ7の一部の模式的な断面図である。図5には、半導体デバイス内の信号を伝送する配線層31と、配線層31上に形成されていて配線層31の成分の漏れをバリアーするバリアー絶縁膜32と、バリアー絶縁膜32上に形成されていて後の工程でLow−k膜自体の上に形成される層とを絶縁するLow−k膜33とを示している。
配線層31は、Cuなどが材料として選択され、厚さは200〜300nm程度である。バリアー絶縁膜32は、SiOC、SiCH、SiOCH、SiOCNHなどが材料として選択され、厚さは20〜30nm程度である。Low−k膜33は、SiOCHなどが材料として選択され、厚さは200〜300nm程度である。
つぎに、SiOCH膜がLow−k膜33として選択されたウェハ7を例に、Low−k膜33の改質処理の手順について説明する。本実施形態では、まず、図示しないクリーンルーム内のCVD装置からフープ41に収容された状態で搬送されてくる。その後、ウェハは、フープ41から取り出され、ウェハアライメント42側へ搬送される。
ウェハアライメント42では、そのウェハの位置決めが行われる。その後、ウェハ7は、第一チャンバー1に搬送されるのに先立って、ロードロックチャンバー43に搬送される。
つぎに、ロードロックチャンバー43内が減圧される。そして、ロードロックチャンバー43内が所望の圧力になると、ロードロックチャンバー43とトランスファーチャンバー44との間を仕切っているゲートバルブが開かれる。
その後、ウェハ7は、トランスファーチャンバー44内に搬送される。つづいて、トランスファーチャンバー44内のロボットアームによって、ロードロックチャンバー43内から第一チャンバー1内へ、ウェハ7が搬送されていく。
第一チャンバー1内では、ウェハ7は、ヒーター6の上部に突出しているピン8上に載置される。その後、ヒーター6が上昇され、ピン8に載置されていたウェハ7は、ヒーター6に直に接触することになる。それから、ウェハ7は、ランプ3からの光の照射に先立って、ヒーター8によって、例えば、約90秒間、350〜400℃で加熱される。
また、この加熱と共に、図示しない排気手段によって第一チャンバー1内が排気され、かつ、マスフロー13によって窒素ガス側のバルブ14が開かれ、第一チャンバー1内が窒素雰囲気となる。上記加熱は、第一チャンバー1内が例えば1Torrとなる条件で行われ、バルブ14の開閉制御は、第一チャンバー1への窒素ガスの供給量が、例えば100cc/分となる条件で行われる。
なお、第一チャンバー1内は、減圧状態でなく、常圧状態であってもよい。また、必要に応じて、N2ガスに代えて他の不活性ガスを、第一チャンバー1内に供給してもよいし、N2ガスと他の不活性ガスとの混合ガスを用いてもよい。
ヒーター8の上昇は、ランプ3から照射される光がウェハ7に強度ムラがなく到達するように、ウェハ7とランプ3との距離が例えば100〜200mmとなる範囲で行うようにしている。
つぎに、ランプ3からウェハ7に対して光を照射する。この際、光の照度を受光センサー9で測定し、その照度が高圧水銀ランプの場合は例えば8mW/cm2、ハロゲンランプの場合は例えば15mW/cm2となるように、ランプ3を制御する。
この際、ウェハ7に対して上記照度で光を照射すると、ウェハ7内の絶縁膜に、脱離ガスによるクラックが生じたり、当該絶縁膜の剥離が生じたりする場合がある。そこで、受光センサー9の測定結果に基づいて、5〜10秒程度の時間で、連続的に、或いは、階段状に、ランプ3の照度を上昇させている。照度の上昇は、例えば、線形的であってもよいし、指数関数的であっても、さらには別の形態でもよい。
その後、照射開始から所定時間(例えば1〜2分)が経過したら、照射を完了するとともに、窒素ガス側のバルブ14を閉じる。こうして、バリアー絶縁膜32及びLow−k膜33内の不安定なC−H結合、Si−CH3結合およびH−CH2Si(CH3)3結合等を除去し、Low−k膜33の誘電率を低下させる。
引き続き、例えば1Torrの減圧下を維持しながら、酸素ガス側のバルブ14を開けて、O2ガスを100cc/分の割合で第一チャンバー1内に約1分間供給することで第一チャンバー1内をクリーニングする。
つぎに、トランスファーチャンバー44によって、第一チャンバー1内から第二チャンバー2内へ、ウェハ7が搬送される。ウェハ7は、第二チャンバー2においても、第一チャンバー1での処理の場合と同様に処理されるが、低圧水銀ランプからウェハ7に対して光を照射する条件は、その照度を3mW/cm2とする。また、照射時間は、例えば1〜4分とする。この照射によって、Low−k膜33の誘電率の上昇を抑えることができ、機械的強度が高めることができる。
第二チャンバー2から取り出したウェハ7は、例えば、Low−k膜33のヤング率は約5GPa以上、誘電率は2.5以下となる。また、バリアー絶縁膜32のヤング率は約60GPa、誘電率は約4.0、密度は約2.5g/cm3となる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2の半導体製造装置の模式的な構成図である。図7は、図6のチャンバー15の模式的な構成図である。本実施形態では、図1に示した第一チャンバー1と第二チャンバー2とを一つのチャンバー15で実現している。
図6は、本発明の実施形態2の半導体製造装置の模式的な構成図である。図7は、図6のチャンバー15の模式的な構成図である。本実施形態では、図1に示した第一チャンバー1と第二チャンバー2とを一つのチャンバー15で実現している。
チャンバー15は、複数(例えば5つ)のランプ3と、複数(例えば4つ)のランプ21とを備えている。ここでは、ランプ21とウェハ7との距離は、チャンバー15の使用時に、約100mmとなるようにしてある。一方、ランプ3とウェハ7との距離は、約120mmとなるようにしてある。ランプ3と低圧水銀ランプ21との数は同じであってもよいし、ランプ3とランプ21とは2次元に並べてもよい。
ウェハ7に対しては、ランプ3とランプ21とのいずれから先に、紫外線を照射してもよい。ただし、同時に照射しても、Low−k膜33の誘電率を低下させ、かつ、機械的強度を向上させることはできないので留意されたい。
半導体デバイスの製造プロセスは、実施形態1と同様である。ランプ3とランプ21との各照射時間も、実施形態1と同様とすればよい。この条件であれば、照射前のウェハ7の加熱時間は1分、照射時間の総計は5分、クリーニング時間は1分であるので、他の工程も7分であれば、製造スループットが低下することはない。
(実施形態3)
実施形態1,2では、主として、Low−k膜33の処理について説明した。本実施形態では、歪シリコンデバイスのSiN膜のストレスを大きくする処理について説明する。
実施形態1,2では、主として、Low−k膜33の処理について説明した。本実施形態では、歪シリコンデバイスのSiN膜のストレスを大きくする処理について説明する。
半導体デバイスにおける絶縁膜を用いる技術に歪みシリコン技術がある。歪みシリコン技術とは、ソース−ドレインにシリコンゲルマニウム(SiGe)層を設けて電子の密度を高め、ゲート下のチャネル領域におけるシリコン原子の格子が互いに整列しようとする性質を利用してシリコン原子の間隔を広げ、ソースドレイン電流の担い手である電子とシリコン原子の衝突を少なくし、電子の移動度を大きくする技術のことである。
この技術によると、電子が流れる際の抵抗が少なくなるので、電子を高速移動させることが可能となる。したがって、歪みシリコン技術をトランジスタに用いると、高速動作が可能なトランジスタを実現できる。歪みシリコン技術をトランジスタに用いるためには、Nチャネルトランジスタ上に例えばSiN膜を形成し、次いで、例えば熱アニールまたはハロゲン光を照射して、シリコン基板に歪を加えるという手法が採用されている。
本実施形態においても、図1或いは図6に示す半導体製造装置を用いることができる。ただし、ランプ3に代えて例えば341nmの波長の光を照射するI2ランプを用い、ランプ21に代えて例えば282nmの波長の光を照射するXeBrランプ或いは例えば308nmの波長の光を照射するXeClランプを用いる。
本実施形態では、I2ランプからの照射光によってSiN膜から水素を脱離させ、その後、XeBrランプからの照射光によってSiN膜のストレスを増加させる。
図8は、図2に示すウェハ7の一部の模式的な断面図である。図8には、P型シリコン層51と、P型シリコン層51内に作成されたN型ウェル領域52と、N型ウェル領域52内に形成されたSiGeなどのソース領域53及びドレイン領域54と、N型ウェル領域52上に形成されたゲート絶縁膜62と、ゲート絶縁膜62に形成されたゲート電極55と、P型シリコン層51内に形成されたSiGeなどのソース領域58及びドレイン領域59と、シリコン層51上に形成されたゲート絶縁膜63と、ゲート絶縁膜63に形成されたゲート電極60と、ゲート電極55,60上に形成されたSiO2膜56,61と、SiO2膜56,61上に形成されたサイドウォールとなるSiN膜57とを示している。
ソース領域53及びドレイン領域54側のトランジスタはPチャネルトランジスタであり、ソース領域58及びドレイン領域59側のトランジスタはNチャネルトランジスタである。このようなウェハ7は、拡散炉、イオン注入装置、さらに化学的気相蒸着(Chemical Vapor Deposition System:CVD)装置によって形成される。
このウェハ7は、上記I2ランプからの照射光によって、SiN膜57内の水素成分等が70%程度低減し、XeBrランプからの照射光によって、更にSiN膜57内の残りの水素が除去され、SiN膜57内には、ほぼ完全に水素がない状態となる。この結果、SiN膜57の機械的強度が高まる。
図9は、図8に示すウェハ7のSiN膜57の一部除去後の模式的な断面図である。上記光照射処理の後に、SiN膜57のうちPチャネルトランジスタ側を除去する。こうして、歪シリコンデバイスを作成する。
なお、本実施形態の場合と同じ条件で、半導体製造装置を用いて処理を行うと、SiNカバー絶縁膜の水素濃度も低減でき、DRAMのカバー膜中の水素に起因するゲート−ドレインリーク電流を低減でき、リテンション不良を減少させることができる。
(実施形態4)
図10は、本発明の実施形態4の第一チャンバー1の模式的な構成図である。この第一チャンバー1は、波長が400nm以上のハロゲンランプを用いた場合に好適なものである。
図10は、本発明の実施形態4の第一チャンバー1の模式的な構成図である。この第一チャンバー1は、波長が400nm以上のハロゲンランプを用いた場合に好適なものである。
図10に示すように、本実施形態では、ハロゲンランプ3を冷却するために、冷却水22を用いている。ここで、ハロゲンランプ3は、ランプの光により、短時間にSiウェハ上の絶縁膜を加熱して水素を除去する。
その後、第二のチャンバー2で308nmのXeClランプからUV光を照射して、ストレスを大きくする。
(実施形態5)
図11は、本発明の実施形態5の半導体製造装置の模式的な構成図である。ここでは、Low−k膜を、SOD膜で作成する場合の例について説明する。
図11は、本発明の実施形態5の半導体製造装置の模式的な構成図である。ここでは、Low−k膜を、SOD膜で作成する場合の例について説明する。
まず、SOD膜を回転塗布するコーターを備えるチャンバー101内で、例えば300nmの厚さのウェハに形成された配線上に、SOD膜を例えば500nm塗布する。
次に、このウェハを、SOD膜の溶剤を飛ばすためのべークステージを備えるチャンバー102に移して、約200℃の温度でべークを行うことによって溶剤を飛ばす。
次に、このウェハを、溶剤およびポロジェンを飛ばす又は膜を強固にするためのキュアーステージを備えるチャンバー103に移して、約400℃の温度で、5分間の時間ベークを行う。こうして、SOD膜中の溶剤またはポロジェンを飛ばすなどして、膜を緻密化する。その後は、実施形態1等と同様の処理を行う。この場合、Low−k膜は、誘電率が2.3以下であって、ヤング率が6GPa以上となる。
(実施形態6)
図12は、本発明の実施形態6の半導体デバイスとなるウェハ7の一部の模式的な断面図である。ここでは、ウェハ7内のHigh−k膜73を、UVアニール処理する例について説明する。
図12は、本発明の実施形態6の半導体デバイスとなるウェハ7の一部の模式的な断面図である。ここでは、ウェハ7内のHigh−k膜73を、UVアニール処理する例について説明する。
このウェハ7は、シリコンウェハ71上に、例えば1nmの厚さのSiO2リッチの境界層72が形成されている。境界層72上には、HfO2などからなるHigh−k膜73が例えば5nmの厚さで形成されている。High−k膜73上には、ポリシリコンなどからなる電極74が形成されている。なお、High−k膜73は、例えば800℃の温度下で、約10分間N2ガス/O2ガスを供給することによって形成される。
第一チャンバー1では、ウェハから100〜200mm離した、波長が約308nmのXeClランプ4灯から、約5〜15mW/cm2の照度で、2〜4分程度の時間、光を照射する。
つぎに、第二チャンバー2では、ウェハから100〜200mm離した、波長が約172nmのXeランプ4灯から、約4〜8mW/cm2の照度で、1〜3分程度の時間、光を照射する。
第一チャンバー1及び第二チャンバー2は、圧力が約1Torrの減圧状態、温度が約500℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気である。
さらに、クリーニングは、約1Torrの減圧下において、酸素ガス供給量を例えば100cc/分の割合で供給し、UVランプを点灯させることによって処理する。その後、例えば、425℃でフォーミングガス(N2ガス/H2ガス)処理を30分程度の時間行う。
その結果、境界層72中のチャージ密度を、1×1012/cm3に減少させることができ、またHfO2膜のリーク電流も低減できる。
(実施形態7)
ところで、上記各実施形態では、2種類の波長の光を照射するランプを用いた半導体製造装置等について説明したが、図3,図4を用いて説明したように、ランプの波長を規定することで、絶縁膜の改質を行うことは可能である。
ところで、上記各実施形態では、2種類の波長の光を照射するランプを用いた半導体製造装置等について説明したが、図3,図4を用いて説明したように、ランプの波長を規定することで、絶縁膜の改質を行うことは可能である。
SiN膜の場合、H−N、H−Siなどの水素が関係する結合基が存在する。これらの結合基を切断するために必要な波長は、それぞれ、353nm、399nmである。また、約240nmが吸収端に対応する波長である。これらのことから、SiN膜に対して、180nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、絶縁膜の機械的強度を高め、かつ、誘電率を低くすることができる。
SiCH膜の場合、H−N、C−H、H−Siなどの水素が関係する結合基が存在する。これらの結合基を切断するために必要な波長は、それぞれ353nm、353nm、399nmである。また、約265nmが吸収端に対応する波長である。これらのことから、SiCH膜に対して、180nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、絶縁膜の機械的強度を高め、かつ、誘電率を低くすることができる。
SiCNH膜の場合には、H−N、C−H、H−Siなどの水素が関係する結合基が存在する。これらの結合基を切断するために必要な波長は、それぞれ、274nm、353nm、353nm、399nmである。また、約265nmが吸収端に対応する波長である。これらのことから、SiCNH膜に対して、274nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、絶縁膜の機械的強度を高め、かつ、誘電率を低くすることができる。
SiOCNH膜の場合には、H−O、H−N、C−H、H−Siなどの水素が関係する結合基が存在する。これらの結合基を切断するために必要な波長は、それぞれ、280nm、353nm、353nm、399nmである。また、約156から263nmが吸収端に対応する波長であるが、CやNの濃度がある数パーセント以上あることを考えて吸収端に対応する波長は180nm程度と考えられる。したがって、SiOCNH膜に対して、180nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、絶縁膜の機械的強度を高め、かつ、誘電率を低くすることができる。
SiOCH膜の場合には、H−O、H−N、C−H、H−Siなどの水素が関係する結合基が存在する。これらの結合基を切断するために必要な波長は、それぞれ、280nm、353nm、353nm、399nmである。また、約156nmが吸収端に対応する波長である。これらのことから、SiOCH膜に対して、156nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、絶縁膜の機械的強度を高め、かつ、誘電率を低くすることができる。
SiON膜の場合には、H−O、N−H、H−Siなどの水素が関係する結合基が存在する。この結合基を切断するために必要な波長は、280nm、353nm、399nmである。また、約263nmが吸収端に対応する波長である。これらのことから、SiON膜に対して、263nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、絶縁膜の機械的強度を高め、かつ、誘電率を低くすることができる。
(実施形態8)
図17は、第一チャンバー1及び第二チャンバー2内に設けたウェハ7の位置ズレを防止する防止リング8Aの模式的な構成図である。なお、図17には、既述のウェハ7及びヒーター6も示している。
図17は、第一チャンバー1及び第二チャンバー2内に設けたウェハ7の位置ズレを防止する防止リング8Aの模式的な構成図である。なお、図17には、既述のウェハ7及びヒーター6も示している。
本発明の実施形態8に係る第一チャンバー1及び第二チャンバー2は、ウェハ7が静電気を帯びて位置ズレしようとすることを防止するものである。なお、静電気自体を除去するために防止リング8Aを、除電リングとしてもよい。防止リング8Aは、ヒーター6上であって、ウェハ7の周辺を囲う態様で使用される。
ここで、ランプ3から紫外光などをウェハ7に対して照射すると、これに起因してウェハ7とヒーター6との間に正負の電荷、すなわち静電気が発生する。この結果、ウェハ7とヒーター6とが相互に引き合うことになる。この状態で、所定の処理後にウェハ7をヒーター6から離すために昇降ステージを降下させると、当該静電気によってウェハ7がヒーター6に対して位置ズレする場合がある。
通常、チャンバーには、この位置ズレを検知するセンサーが設けられている。したがって、上記位置ズレが所定量以上となると、このセンサーが反応して、製造工程がストップする。これでは、継続的な処理ができなくなり、製造スループットが低下する。
そこで、上記のように、第一チャンバー1及び第二チャンバー2内に、ウェハ7がずれても上記センサーが反応しないように防止リング8Aを設け、ウェハ7を防止リング8Aの内壁で止められるようにしている。なお、除電リング8Aとする場合には、少なくとも表面をポリシリコン、単結晶シリコン又はアルミニウムなどとすればよい。
なお、除電リング8Aの形状は、図17に示す態様に限定されず、例えば直方体、立方体などの形状としてもよい。この種の除電体は、ヒーター6上であってウェハ7の搬入/搬出に邪魔にならない位置に載置すればよい。ただし、例えば、図18に示すように、略虹状の複数の除電リング片8Bとすると、除電リング片8Bで囲まれた位置にウェハ7が搬入されやすくなるため、ウェハ7の位置ズレが生じにくい。直方体等の除電体、除電リング片8Bのいずれの場合であっても、除電リング8Aに比して、作成は容易である。
さらに、発生した静電気を除去することができれば、除電リング8A等を備えることは必須ではない。たとえば、除電リング8A等を備えることに代え又はこれと共に、ピン8を除電ピンとすることもできる。除電ピンは、少なくとも表面がポリシリコン、単結晶シリコン又はアルミニウムなどとすればよい。
同様に、ヒーター6等の表面に、ポリシリコン薄膜、アモーファスシリコン薄膜、SiN薄膜、SiC膜又はSiOC膜を形成することもできる。薄膜の厚さは、限定的ではないが、一例としては、500〜10000オングストローム程度とすることができる。
例えば、ポリシリコン薄膜は、プラズマCVD法、スパッタ法又は減圧CVD法により、例えば、380KHzの高周波562Wをヒーター6に印加して、基板温度表面350℃、圧力0.6Torr環境下で、SiH4を100cc/min流すことで、約5000〜10000オングストロームの厚さのものを形成可能である。SiN薄膜は、プラズマCVD法、スパッタ法又は減圧CVD法により、例えば、380KHzの高周波562Wをヒーター6に印加して、基板温度表面350℃、圧力0.6Torr環境下で、SiH4を100cc/min、NH3を5000cc/minの割合で流すことで、3000〜5000オングストロームの厚さのものを形成可能である。
ヒーター6等の表面にSiN薄膜を形成した場合には、シリコンリッチなものを用いると、電流が流れやすくなるため、ウェハ7がヒーター6へ吸着しにくく望ましい。特に、ヒーター6等の表面にSiC膜やSiOC膜を形成した場合には、ヒーター6又は除電リング8Aのアルミニウム成分などがウェハ7を汚染しないようにすることができるという副次的効果を得ることもできる。
(実施形態9)
図19〜図21は、図8,図9に示したウェハ7の製造工程の変形例を示す図である。ここでは、Pチャネルトランジスタをコンプレッシブ膜とし、かつ、Nチャネルトランジスタにテンスル膜とする手法について説明する。
図19〜図21は、図8,図9に示したウェハ7の製造工程の変形例を示す図である。ここでは、Pチャネルトランジスタをコンプレッシブ膜とし、かつ、Nチャネルトランジスタにテンスル膜とする手法について説明する。
本実施形態では、まず、ウェハ7のソース領域53及びドレイン領域54側のトランジスタ、つまり、Pチャネルトランジスタに、紫外光吸収材であるところの約100nmの厚さのポリシリコン薄膜64を形成する。この状態で、Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタに、低圧水銀のUV光を、例えば、400℃で照度14mW/cm2で5分間照射する(図19)。
これにより、Nチャネルトランジスタ側のSiN膜57は、約1.5GPaのテンスルストレスとなる。なお、紫外光吸収材の条件は、当該吸収を実現するためのバンドギャップを有していて、約400℃という加熱に耐えられるものであれば、ポリシリコンに限定されるものではない。
つづいて、Pチャネルトランジスタに形成したポリシリコン薄膜64を除去する(図20)。これにより、Nチャネルトランジスタ側のSiN膜57だけがテンスルストレスとなる。
その後、Nチャネルトランジスタを、厚いレジスト膜65で覆い、イオン注入機を用いて、例えば、5×1015ドーズでN+イオンをPチャネルトランジスタ側のSiN膜57の中心に打ち込む(図21)。このとき、Nチャネルトランジスタ側のSiN膜57は、レジスト膜65によって保護されているためにストレスの変化は生じない。 一方、Pチャネルトランジスタ側のSiN膜57は、ストレスがコンプレッシブとなり約1GPaの大きさとなる。
それから、Nチャネルトランジスタを覆っているレジスト膜65を除去することで、図8に示すウェハ7となる。
(実施形態10)
図22は、それぞれ、図7に示す2種類のランプ3,21を備えたランプ装置の説明図である。図7では、例えば5つのランプ3と、例えば4つのランプ21とを取り付けた例を示した。しかし、チャンバーが小型である場合には、そこに多数のランプの取り付け位置を用意することは困難である。
図22は、それぞれ、図7に示す2種類のランプ3,21を備えたランプ装置の説明図である。図7では、例えば5つのランプ3と、例えば4つのランプ21とを取り付けた例を示した。しかし、チャンバーが小型である場合には、そこに多数のランプの取り付け位置を用意することは困難である。
そこで、チャンバーの規模等に限定されることなく、所望の絶縁膜を有する半導体デバイスを提供できるように、形状・構造を工夫した、いわばランプ3,21を備えるランプ装置を製造した。
図22には、ランプ装置におけるランプ3部分(以下、「ランプ3」と称する。)の短手方向の側面図とランプ3の長手方向の側面図とを示している。ランプ3は、概形が筒状の石英ガラス管2’を備えている。ランプ3の外径は60mm程度、長手方向の長さは450〜500mm程度としている。石英ガラス管2’内には、高圧Hgが封入されている。また、石英ガラス管2’の外壁にはタングステンコイルなどから成る網目状の外部電極1’が巻きつけられており、石英ガラス管2’の内壁には網目状の内部電極4’が巻きつけられている。外部電極1’及び内部電極4’が網目状であるので、ランプ3の発光部からの光が外部電極1’及び内部電極4’によって遮られることなく絶縁膜まで到達する。
図23は、図22の示すランプ3の石英ガラス管2’の製造工程の説明図である。図23に示すように、石英ガラス管2’は、その内壁部分となるパーツAと、その外壁部分となるパーツBと、パーツAとパーツBとの上端部をつなぐパーツC1と、パーツAとパーツBとの下端部をつなぐパーツC2とを用いて製造される。
パーツC2には、石英ガラス管2’内を真空引きし、かつ、石英ガラス管2’内に高圧Hgを封入するための管Dが一体形成で設けられている。また、パーツC1,C2は、端部にアールを設けていて、上記真空引きによって生じる応力によって、石英ガラスが破損することを防止している。
石英ガラス管2’は、パーツAをパーツB内に収容し、これらの上端部とパーツC1との境界を、ガスバーナなどを用いて溶着する。その後、パーツA及びパーツBの下端部とパーツC2との境界を、ガスバーナなどを用いて溶着する。そして、管Dを通じて、石英ガラス管2’内を真空引きし、かつ、石英ガラス管2’内に高圧Hgを封入する。その後、管DとパーツCとの境界を、ガスバーナなどを用いて加熱して封じる。これにより、図22に示した石英ガラス管2’が完成する。もっとも、上記製造工程は一例であり、溶着の順番等は上記内容に限定されない。
図24は、図23の変形例である。図24には、パーツAとパーツC1とが一体形成されているパーツEと、パーツBとパーツC2とが一体形成されているパーツFとを示している。パーツE,Fを用いると、溶着箇所が少なくなるため、製造時間の短縮化が実現できる。
図25には、図22に示すランプ3の筒内に収容されるランプ21部分(以下、「ランプ21」と称する。)の短手方向の側面図とランプ21の長手方向の側面図とを示している。ランプ21は、概形が円柱状の石英ガラス管7’を備えている。ランプ21の外径は40mm程度、長手方向の長さは500〜550mm程度としている。石英ガラス管7’内には、Xe及びCl2、さらには選択的にHgが封入されている。石英ガラス管7’の外壁には網目状の外部電極5’が巻きつけられており、石英ガラス管7’の内壁には棒状の直径5〜7mm程度の内部電極8’が位置する。外部電極5’が網目状であるので、ランプ21の発光部からの光が外部電極5’によって遮られることなく絶縁膜まで到達する。
図26は、図25に示すランプ21の変形例を示す図である。図26には、外部電極5’に代えて、一対の電極板31’,32’と、電極板31’,32’の配線35’を設けている。このような構成のランプ21も、その発光部からの光が電極板31’,32’によって遮られることなく絶縁膜まで到達する。
図27は、図22に示すランプ3の筒内に図25に示すランプ21を収容した状態のランプ装置を示す図である。ランプ3の外部電極1’と内部電極4’との間、及び、ランプ21の外部電極5’と内部電極8’との間に、それぞれ、例えば1MHzの高周波をかけて放電させる。この結果、石英ガラス管7’内にXe及びCl2が封入されている場合には、308nmまたは365nm以上の波長の紫外光が照射される。石英ガラス管7’内にXe、Cl2及びHgが封入されている場合には、172nmさらに308nm又は185nm及び256nmの波長の光が照射される。もっとも、ランプ21は、図26に示したものを用いてもよい。
図28(a)は、ランプ装置の長手方向の端部に位置するキャップo付近の模式的な斜視図である。図28(b)は、図28(a)に示すキャップoを受ける受け口eの断面図である。図28(c)は、図28(b)の下方向から見た図である。
キャップoの外側面には、ランプ3の外部電極1’ に電気的に接続されている薄膜状の端子jと、ランプ21の外部電極5’ に電気的に接続されている薄膜状の端子mとが取り付けられている。キャップoの内底面には、ランプ3の内部電極4’に電気的に接続されている棒状の端子kと、ランプ21の内部電極8’に電気的に接続されている棒状の端子lとが取り付けられている。
一方、受け口eの内壁面には、キャップoが挿入されたときに端子jに対して接触する薄膜状の端子aと、端子mに対して接触する薄膜状の端子dとが取り付けられている。受け口eの内底面には、端子kが挿入される端子bと、端子lが挿入される端子cとが取り付けられている。
端子b,cは、スイッチfを介して電源手段iに接続されている。端子a,dは、スイッチgを介して電源手段iに接続されている。スイッチfは、端子b,cのいずれか一方が、電源手段iに対して選択的に電気的接続されるようにするものである。スイッチgは、端子a,dのいずれか一方が、電源手段iに対して選択的に電気的接続されるようにするものである。
スイッチf,gのスイッチ制御は、制御手段hによってなされる。制御手段hは、例えば、先にランプ3から紫外線が照射されるようにするために、ランプ3に係る端子j,kと電源手段iとを電気的に接続する切替信号をスイッチf,gに対して出力する。その後、所要の照射時間が経過したら、ランプ21から紫外線が照射されるようにするために、ランプ21に係る端子l,mと電源手段iとを電気的に接続する切替信号をスイッチf,gに対して出力する。
なお、ランプ3用の電源手段とランプ21用の電源手段とをそれぞれ用意し、各電源手段のオン/オフのタイミングを制御することで、スイッチf,gを割愛することも可能である。係る場合には、制御手段hからの切替信号に対応するオン/オフ制御信号を、各電源手段に出力すればよい。具体的には、まず、制御手段hからランプ3用の電源手段に対してオン制御信号を出力すると共に、制御手段hからランプ21用の電源手段に対してオフ制御信号を出力する。その後、所要の照射時間が経過したら、制御手段hからランプ3用の電源手段に対してオフ制御信号を出力すると共に、制御手段hからランプ21用の電源手段に対してオン制御信号を出力する。
なお、ランプ装置は、図22等に示した態様に限定されるのでなく、例えば、図29に示すようにランプ3とランプ21とを長手方向に並べて配置したもの、或いは、図30に示すように長手方向に直交する断面が半円状のものを用いてもよい。
(実施例1)
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でLow−k膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でLow−k膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
第一チャンバー1のランプ3:波長が約300nm以上770nm以下となる高圧水銀ランプを4灯、照度が約8mW/cm2、照射時間約4分、
第二チャンバー2の低圧水銀ランプ:波長が約186nm及び約254nmとなるもの4灯、照度が約3mW/cm2、照射時間約1分、
第一チャンバー1及び第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmで、厚さが約300nmのSiOCH膜が形成されている。
第二チャンバー2の低圧水銀ランプ:波長が約186nm及び約254nmとなるもの4灯、照度が約3mW/cm2、照射時間約1分、
第一チャンバー1及び第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmで、厚さが約300nmのSiOCH膜が形成されている。
この結果、ウェハ7の機械的強度を示すヤング率は8GPaになった。誘電率は2.4になった。
(実施例2)
図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でLow−k膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でLow−k膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
ランプ3:波長が約300nm以上770nm以下となる高圧水銀ランプ4灯、照度が約4mW/cm2、照射時間約4分、
ランプ21:波長が約186nm及び約254nmとなる低圧水銀ランプ4灯、照度が約3mW/cm2、照射時間約1分、
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約250℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmで、厚さが約300nmのSiOCH膜が形成されている。
ランプ21:波長が約186nm及び約254nmとなる低圧水銀ランプ4灯、照度が約3mW/cm2、照射時間約1分、
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約250℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmで、厚さが約300nmのSiOCH膜が形成されている。
この結果、ウェハ7の機械的強度を示すヤング率は8GPaになった。誘電率は2.4になった。
(実施例3)
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でSiN膜57の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でSiN膜57の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
第一チャンバー1内のランプ3:波長が約341nmのI2ランプ4灯、照度が約13mW/cm2、照射時間約2分、
第二チャンバー2内のランプ:波長が約282nmのXeBrランプ4灯、照度が約13mW/cm2、照射時間約2分、
第一チャンバー1:1Torrの減圧状態、温度が約400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、DRAMが形成されていて、カバーSiO2膜上には、カバーSiN膜が約300 nmの厚さで形成されている。
第二チャンバー2内のランプ:波長が約282nmのXeBrランプ4灯、照度が約13mW/cm2、照射時間約2分、
第一チャンバー1:1Torrの減圧状態、温度が約400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、DRAMが形成されていて、カバーSiO2膜上には、カバーSiN膜が約300 nmの厚さで形成されている。
その結果、カバーSiN膜57の水素濃度を低減することができ、DRAMのゲート−ドレイン領域のリーク電流を低減でき、データリテンションタイムを長くすることができ、不良率を低減できた。
(実施例4)
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でSiN膜57の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でSiN膜57の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
第一チャンバー1内のランプ3:波長が約341nmのI2ランプ4灯、照度が約13mW/cm2、照射時間約2分、
第二チャンバー2内のランプ:波長が約308nmのXeClランプ4灯、照度が約13mW/cm2、照射時間約2分、
第一チャンバー1:1Torrの減圧状態、温度が約250℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約350℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、DRAMが形成されていて、トランジスタにサイドウォールSiN膜が約300nmの厚さで形成されている。
第二チャンバー2内のランプ:波長が約308nmのXeClランプ4灯、照度が約13mW/cm2、照射時間約2分、
第一チャンバー1:1Torrの減圧状態、温度が約250℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約350℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、DRAMが形成されていて、トランジスタにサイドウォールSiN膜が約300nmの厚さで形成されている。
半導体製造装置の処理前後の機械的強度を測定した結果、処理前には2×109dyne/cm2の引っ張り応力であったのに対して、処理後には2×1010dyne/cm2の引っ張り応力であった。この結果、ソース−ドレイン電流が増大した。
(実施例5)
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でLow−k膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でLow−k膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
第一チャンバー1のハロゲンランプ:波長が約400以上770nm以下となるもの4灯、照度が約15mW/cm2、照射時間約2分、
第二チャンバー2の低圧水銀ランプ:波長が約186nm及び約254nmとなるもの4灯、照度が約3mW/cm2、照射時間約2分、
第一チャンバー1及び第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、SiOCH膜が約300nmの厚さで形成されている。
第二チャンバー2の低圧水銀ランプ:波長が約186nm及び約254nmとなるもの4灯、照度が約3mW/cm2、照射時間約2分、
第一チャンバー1及び第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、SiOCH膜が約300nmの厚さで形成されている。
この結果、ウェハ7の機械的強度を示すヤング率は8GPaになった。誘電率は2.4になった。
(実施例6)
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でSOD膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でSOD膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
第一チャンバー1内のランプ3:波長が約308nmのXeClランプ4灯、
照度が約10mW/cm2、照射時間約4分、
第二チャンバー2内のランプ:波長が約172nmのXeランプ4灯、照度が約4mW/cm2、照射時間約1分、
第一チャンバー1及び第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約350℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、SOD膜33が約300nmの厚さで形成されている。
照度が約10mW/cm2、照射時間約4分、
第二チャンバー2内のランプ:波長が約172nmのXeランプ4灯、照度が約4mW/cm2、照射時間約1分、
第一チャンバー1及び第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約350℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、SOD膜33が約300nmの厚さで形成されている。
この結果、ウェハ7の機械的強度を示すヤング率は8GPaになった。誘電率は2.3になった。
(実施例7)
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でHfO2膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
図1又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でHfO2膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
第一チャンバー1内のランプ3:波長が約308nmのXeClランプ4灯、照度が約10mW/cm2、照射時間約4分、
第二チャンバー2内のランプ:波長が約172nmのXeランプ4灯、照度が約4mW/cm2、照射時間約1分、
第一チャンバー1及び第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約500℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmであり、厚さ約1nmのSiO2リッチの境界層と、境界層上に形成された約5nmの厚さのHfO2膜とが形成されている。
第二チャンバー2内のランプ:波長が約172nmのXeランプ4灯、照度が約4mW/cm2、照射時間約1分、
第一チャンバー1及び第二チャンバー2:1Torrの減圧状態、温度が約500℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmであり、厚さ約1nmのSiO2リッチの境界層と、境界層上に形成された約5nmの厚さのHfO2膜とが形成されている。
その結果、境界層中のチャージ密度を、1×1012/cm3に減少させることができ、またHfO2膜のリーク電流も低減できた。
(実施例8)
図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、実際に半導体デバイスを製造した。本実施例では、図13に示すCu配線層21上に形成されたバリアー絶縁膜(SiOC膜)22を高密度にする例について説明する。
図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、実際に半導体デバイスを製造した。本実施例では、図13に示すCu配線層21上に形成されたバリアー絶縁膜(SiOC膜)22を高密度にする例について説明する。
ランプ:波長が約222nmであるKrCl2ランプ4灯、照度が約4〜15mW/cm2、照射時間約1〜2分、ウェハ7までの距離が約10〜20cm、
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約300〜400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmであり、図13に示すように、Cu配線層21上に、厚さが約30nmのバリアー膜であるところのSiOC膜22が形成されている。
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約300〜400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmであり、図13に示すように、Cu配線層21上に、厚さが約30nmのバリアー膜であるところのSiOC膜22が形成されている。
こうして改質したSiOC膜22に対して、約400℃の温度で、3時間の加熱処理を行っても、SiOC膜22が高密度であるので、SiOC膜22からほとんどリーク電流が流れなかった。
(実施例9)
図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、実際に半導体デバイスを製造した。本実施例では、図14に示すCu配線層21上にLow−k膜(SiOC膜)22を介して形成されたバリアー絶縁膜23を開口してから堆積したPE−CVDSiN膜24を、高密度にする例について説明する。
図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、実際に半導体デバイスを製造した。本実施例では、図14に示すCu配線層21上にLow−k膜(SiOC膜)22を介して形成されたバリアー絶縁膜23を開口してから堆積したPE−CVDSiN膜24を、高密度にする例について説明する。
ランプ:波長が約308nmであるXeClランプ4灯、照度が約4〜15mW/cm2、照射時間約1〜2分、ウェハ7までの距離が約10〜20cm、
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約300〜400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmであり、図14に示すように、基板側からCu配線層21、厚さが約30nmのLow−k膜であるところのSiOC膜22、バリアー絶縁膜23、PE−CVDSiN膜24が形成されている。
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約300〜400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmであり、図14に示すように、基板側からCu配線層21、厚さが約30nmのLow−k膜であるところのSiOC膜22、バリアー絶縁膜23、PE−CVDSiN膜24が形成されている。
こうして改質したPE−CVDSiN膜24に対して、図15に示すように、拡散防止メタル25,26であるタンタル/窒化タンタル(Ta/TaN)膜を形成し、ビア内にCu配線層27を形成したウェハ7に対して、約400℃の温度で、3時間の加熱処理を行っても、ビアホールの側面を形成するPE−CVDSiN24が高密度であるので、SiOC膜22に対して拡散防止メタル25,26内のTaが拡散しなかった。
(実施例10)
ところで、シャロートレンチ構造の素子分離(Shallow Trench Isolation:STI)領域を有するDRAMでは、ワードラインにネガティブバイアスをかけると、ゲート−ドレイン間のリーク電流が大きくなるため、データのリテンション不良が発生している。また、250℃のパッケージ処理を行ったときにも、これらの現象が起きることが知られている。
ところで、シャロートレンチ構造の素子分離(Shallow Trench Isolation:STI)領域を有するDRAMでは、ワードラインにネガティブバイアスをかけると、ゲート−ドレイン間のリーク電流が大きくなるため、データのリテンション不良が発生している。また、250℃のパッケージ処理を行ったときにも、これらの現象が起きることが知られている。
このような現象の原因は、カバーSiN膜中の水素が起因していることがわかってきた。この水素がゲートとドレインとの重なりあう領域のチャネル領域の禁制帯中にトラップを発生させるものと思われる。
本実施例では、図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、実際に半導体デバイスを製造した。ここでは、図16に示すシリコンウェハ81に形成したトランジスタ82上のカバーSiO2膜83を覆うカバーPE−CVDSiN膜84を、高密度にする例について説明する。
ランプ:波長が約308nmであるXeClランプ4灯、照度が約4〜15mW/cm2、照射時間約1〜2分、ウェハ7までの距離が約10〜20cm、
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約300〜400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmであり、図15に示すように、トランジスタ82等が形成されている。
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約300〜400℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mmであり、図15に示すように、トランジスタ82等が形成されている。
こうして改質した、カバーPE−CVDSiN膜84内の水素濃度を測定した結果、改質前には約30%あったのに対して、改質後には約10%になった。ちなみに、カバーPE−CVDSiN膜84のCVD工程での圧力を変更することによって、カバーLP−CVDSiN膜に代えると、改質前には約25%あったのに対して、改質後には約1%になった。
(実施例11)
本実施例では、実施例4の変形例について説明する。図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でHfO2膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
本実施例では、実施例4の変形例について説明する。図6又は図17などに示す半導体製造装置を用いて、以下の条件でHfO2膜33の処理を経て、実際に半導体デバイスを製造した。
ランプ:波長が約282nmのXeBrランプ4灯、照度が約5〜13mW/cm2、照射時間約3分、
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約250℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、サイドウォールとなるLP−SiN膜が約300nmの厚さで形成されている。
チャンバー:1Torrの減圧状態、温度が約250℃、窒素ガスを含む種々の不活性ガス雰囲気、さらに、クリーニング条件が1Torrの減圧下において酸素ガス供給量を100cc/分、
ウェハ7:直径約300mm、サイドウォールとなるLP−SiN膜が約300nmの厚さで形成されている。
半導体製造装置の処理前後の機械的強度を測定した結果、実施例4と同様に、処理前には2×109dyne/cm2の引っ張り応力であったのに対して、処理後には2×1010dyne/cm2の引っ張り応力であった。この結果、ソース−ドレイン電流が増大した。
1 第一チャンバー
2 第二チャンバー
3 ランプ
4 石英パイプ
5 不活性ガス
7 ウェハ
6 ヒーター
8 ピン
9 受光センサー
11 配管
12 配管
13 マスフロー
14 バルブ
41 フープ
42 ウェハアライメント
43 ロードロックチャンバー
44 トランスファーチャンバー
2 第二チャンバー
3 ランプ
4 石英パイプ
5 不活性ガス
7 ウェハ
6 ヒーター
8 ピン
9 受光センサー
11 配管
12 配管
13 マスフロー
14 バルブ
41 フープ
42 ウェハアライメント
43 ロードロックチャンバー
44 トランスファーチャンバー
Claims (8)
- 絶縁膜に対して第1の波長の紫外光を照射する第1照射手段と、
前記第1照射手段に近傍配置されており前記絶縁膜に対して第1の波長とは異なる第2の波長の紫外光または可視光を照射する第2照射手段と、
を備える、照射装置。 - 前記近傍配置は、
前記第1照射手段と前記第2照射手段との一方が他方に対して収容され、又は、
前記第1照射手段と前記第2照射手段とが相互に隣接配置されている、
請求項1記載の照射装置。 - 前記絶縁膜は、配線間絶縁膜又はバリアー絶縁膜であり、
前記光の一方は、絶縁膜内の結合基を切断するために必要な波長以下の光であり、
前記光の他方は、吸収端以上の波長の光である、
請求項1記載の照射装置。 - 前記絶縁膜は、高誘電率ゲート絶縁膜であり、
前記光の一方は、遷移金属の酸化に必要な波長またはC−H結合を切断するのに必要な波長以下の光であり、
前記各光の他方は、吸収端以上の波長の光である、
請求項1記載の照射装置。 - 請求項1から4のいずれか記載の照射装置と、
前記第1照射手段と前記第2照射手段との電源供給タイミングを制御する制御手段と、
を備える、半導体製造装置。 - 化学的気相蒸着装置によって製造され、誘電率が2.4以下であって、ヤング率が5GPa以上である絶縁膜を備える、半導体デバイス。
- 回転塗布成膜装置によって製造され、誘電率が2.3以下であって、ヤング率が6GPa以上である絶縁膜を備える、半導体デバイス。
- 絶縁膜に対して第1の波長の紫外光を照射する第1照射工程と、
前記第1照射工程の後に第1の波長とは異なる第2の波長の紫外光または可視光を照射する第2照射工程と、
を含む、照射方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006149501A JP2007324170A (ja) | 2006-05-30 | 2006-05-30 | 照射装置及び照射装置を用いた半導体製造装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014007416A (ja) * | 2008-03-06 | 2014-01-16 | Tokyo Electron Ltd | 有孔性低誘電率誘電膜の硬化方法 |
WO2015119001A1 (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-13 | 富士フイルム株式会社 | シリコンオキシナイトライド膜およびその製造方法、トランジスタ |
TWI567796B (zh) * | 2013-08-08 | 2017-01-21 | 斯克林集團公司 | 光照射裝置及光照射方法 |
-
2006
- 2006-05-30 JP JP2006149501A patent/JP2007324170A/ja not_active Withdrawn
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WO2015119001A1 (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-13 | 富士フイルム株式会社 | シリコンオキシナイトライド膜およびその製造方法、トランジスタ |
JP2015149404A (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-20 | 富士フイルム株式会社 | シリコンオキシナイトライド膜およびその製造方法、トランジスタ |
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