JP2007323881A - 光源装置及び光源装置を備えたプロジェクタ - Google Patents

光源装置及び光源装置を備えたプロジェクタ Download PDF

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Satoru Tokuda
哲 徳田
Naoki Ebisu
直紀 蝦子
Nobuaki Ozoe
伸明 尾添
Jinichi Ogawa
仁一 小川
Satoshi Komatsubara
聡 小松原
Toshiyuki Ueno
敏之 上野
Kenichi Fukuda
健一 福田
Hisashi Yoshioka
尚志 吉岡
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Abstract

【課題】光源装置に備えられた発光管の封止部と熱伝導部との熱伝導性を向上させ、また、ファンを用いないでプロジェクタを構成し、ファンの騒音をなくすと共に、光源装置からの光が筐体外部へ漏れないプロジェクタを提供する。
【解決手段】光源装置1を、リフレクタ2と、これに固定された放熱部5と、封止部3bに設けられた銅板からなる固定部3dを備えた発光管3と、封止部3bの外周面に摺動自在に配置され、固定部3dに対応するスリット4aを備えた熱伝導部4(銅スリーブ)と、コイル状のバネ5b(付勢手段)と、ストッパ5cとで構成する。また、固定部3dはリフレクタ2のガイド部2bに固定する。
熱伝導部4の端部は発光部3aと密着するように断面が半円状に形成されており、熱伝導部4を、このバネ5b(付勢手段)が発光部3aの方向へ付勢している。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクタなど使用される発光管を備えた光源装置の放熱構造に関し、より詳細には、発光管から発生する熱をヒートシンクに伝熱するための構造に関する。
従来、光源ランプを使用した光源装置を備えたプロジェクタである液晶プロジェクタ装置の光学系の構造は、例えば図6に示すブロック構成になっている。
この液晶プロジェクタ装置には、液晶画素がマトリクス状に設けられた液晶パネル21R、21G、21Bと、その前後に偏光手段22Rと23R、22Gと23G、22Bと23Bが設けられている。そしてこれらの液晶パネル21R、21G、21Bに、例えば入力端子24R、24G、24Bからの3原色の映像信号(R、G、B)が供給されることによって、これらの信号に応じて各液晶画素を通過する光線の偏光軸が変化され、偏光手段22Rと23R、22Gと23G、22Bと23B間で明暗の画像が形成されるものである。
また、この液晶プロジェクタ装置には、例えば放電式のランプからなる光源装置8が設けられている。この光源装置8で発生される光線がインテグレータレンズ7を通過した後、光線のS偏光成分とP偏光成分をどちらか一方の偏光成分に変換する偏光変換素子6に入射される。
そしてこれらの偏光変換素子6を通過した光線が、赤色の光線を分離するダイクロイックミラー11Rに入射され、このダイクロイックミラー11Rからの赤色の反射光線がミラー12Rで反射されて赤の原色信号(R)で制御される液晶パネル21Rに入射する。そしてこの液晶パネル21Rでは、入射された光線の偏光軸が原色信号(R)に応じて変化され、この偏光軸の変化が偏光手段22Rと23R間での明暗に変換されて、原色信号(R)に対応する映像光が形成される。
また、ダイクロイックミラー11Rを透過した光線を緑色と青色の光線に分離するダイクロイックミラー11Gに入射され、このダイクロイックミラー11Gからの緑色の反射光線が緑の原色信号(G)で制御される液晶パネル21Gに入射する。そしてこの液晶パネル21Gでは、入射された光線の偏光軸が原色信号(G)に応じて変化され、この偏光軸の変化が偏光手段22Gと23G間での明暗に変換されて、原色信号(G)に対応する映像光が形成される。
また、ダイクロイックミラー11Gを透過した青色の光線が全反射ミラー12a、及び全反射ミラー12bで反射されて青の原色信号(B)で制御される液晶パネル21Bに入射する。そしてこの液晶パネル21Bでは、入射された光線の偏光軸が原色信号(B)に応じて変化され、この偏光軸の変化が偏光手段22Bと23B間での明暗に変換されて、原色信号(B)に対応する映像光が形成される。このようにしてそれぞれ原色信号(R、G、B)に応じて変調された映像光が形成される。
さらに液晶パネル21R、21G、21Bで形成された原色信号(R、G、B)の映像光がダイクロイッククロスプリズム13に入射されて、これらの映像光が合成される。そしてこの合成された映像光が投射レンズ14を通じてスクリーン(図示せず)に投射される。このようにして、例えば入力端子24R、24G、24Bに供給される赤、緑、青の3色の原色信号(R、G、B)に応じた映像光が液晶パネル21R、21G、21Bで形成され、この形成された映像光が合成されてスクリーンに投射される。
ところで、このような液晶プロジェクタ装置は、離れた映写面に比較的大きな画面で映写するため、光源装置8には非常に明るい光が求められる。このため、高圧水銀ランプやキセノンランプなどの高圧放電灯が使用されている。ところが、このような光源は明るい光を発生する一方、非常に高温になるという特性がある。このため、これらを使用する機器では光源から発生する熱を筐体外部へ排出するための放熱構造が重要になる。
図7はこの放熱構造を説明する液晶プロジェクタ装置の筐体断面図である。図7は筐体を上方から見た図であり、発光管93をリフレクタ92の内部空間に固定した光源装置8と、一方の筐体側面の開放口から空気を吸い込む冷却ファン94と、他方の筐体側面の開放口から空気を排出する冷却ファン95と、冷却ファン94と冷却ファン95との間に空気通路を形成する通風路用の壁とが筐体内部に設けられている。
光源装置8では、発光管93の左右に設けられた円柱形の封止部93bの一方が、リフレクタ92の外部に備えられた固定部92aを挿通して固定される構造になっている。リフレクタ92は、略碗状の可視光反射膜を備えたガラス成形品で形成されており、この内部空間に発光管93が配置されている。
冷却ファン94から吸い込まれた空気の流れは、図7の矢印で示すように、リフレクタ92の縁からリフレクタ92の内部に流入し、リフレクタ92と発光管93とを冷却し、そして冷却ファン95に吸い込まれて筐体外部へ排出される。また、冷却ファン95は、リフレクタ92の外面周辺の空気を吸込み、同様に筐体外部へ排出するようになっている。
このような構造は冷却ファン94と冷却ファン95とが必要であり、ファンによる騒音と共に、光源装置8からの光が冷却ファンを通過して筐体外部に漏れてしまう問題があり、騒音対策や光漏れ対策に余計なコストが必要であった。
一方、このような冷却ファンを用いない方法として、図8に示す構造が開示されている。
図8は光源装置を示す断面図であり、光源装置は放射光源としての発光管110と、リフレクタ112Aとを有している。発光管110の封止部114のうち、リフレクタ112Aの首状部121A側の第1封止部114Aの外面には、円筒状の熱伝導部214Aが接着剤で取り付けられている。
この熱伝導部214Aは、第1封止部114Aの外面に沿って取り付けられており、その一方の端部は、発光部113近傍まで延びている。また、熱伝導部214Aの他方の端部には放熱フィン115Aが取り付けられている。
つまり、発光管110から発生する熱を第1封止部114Aの外周に配置された熱伝導部214Aを介して放熱フィン115Aへ熱伝導させて放熱する構造になっている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、発光管に備えられている封止部はガラスで形成されており、一方、放熱フィンへ熱伝導させる熱伝導部は金属で形成されている。従って、発光管の温度が上昇したときに、それぞれの熱膨張率が異なるために封止部に応力がかかり、最悪の場合に発光管が破損してしまう場合があった。また、この現象を避けるためには熱伝導部を薄く形成し、熱膨張による応力を小さくする必要があるが、薄い熱伝導部では熱伝導効率が悪いという問題があった。
さらに、同様の理由により、熱伝導部を最も高温が発生する発光部に密着させることが困難であった。
以上の理由により、熱伝導部を用いて発光管から発生する熱をヒートシンクへ伝熱する構造では、発光管の最適使用温度まで冷却することができなかった。また、冷却ファンを用いた構成では、ファンの騒音が発生すると共に、光源装置からの光が冷却ファンを通過して筐体外部に漏れてしまう問題があった。
特開2004−301945号公報(第7−8頁、図2)
本発明は以上述べた問題点を解決し、光源装置に備えられた発光管の封止部と熱伝導部との熱伝導性を向上させ、また、ファンを用いないでプロジェクタを構成し、ファンの騒音をなくすと共に、光源装置からの光が筐体外部へ漏れないプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、放電発光が行なわれる発光部の前後に1対の封止部を備えた発光管と、同発光管からの光を前方に反射させるリフレクタと、前記発光管の発熱を放熱する放熱部と、前記発光管の発熱を前記放熱部へ伝熱する熱伝導部とを備えた光源装置において、
前記熱伝導部は、前記封止部の外周に摺動自在に配置されると共に、同熱伝導部の一方の端部が前記発光部に接するように構成されている。
また、前記光源装置に、前記熱伝導部を前記発光部に押圧する付勢手段を設けてなる構成にする。
また、前記一方の封止部に、高伝熱性部材からなり、前記リフレクタに固定される板状ないし柱状の固定部を設ける一方、前記熱伝導部に前記固定部と対応するスリットを設けてなる構成にする。
また、前記発光管を前記リフレクタの反射面側に配置し、一方の封止部を、前記リフレクタで前方に反射される光の進行方向に向け、他方の封止部を、前記リフレクタに挿通させ、前記光源装置から出力される前記発光部からの光が最も明るくなる前後方向の前記発光管の位置で他方の前記封止部に備えられた前記固定部が前記リフレクタに固定され、同リフレクタの反射面と逆側に前記放熱部が固定されてなり、
前記熱伝導部を他方の前記封止部へ装着すると共に、同熱伝導部を前記放熱部内で摺動自在にしてなる構成にする。
また、前記発光部の一方の前記封止部が前記リフレクタに固定され、他方の前記封止部の端部にストッパが固定されてなり、
前記熱伝導部は、前記発光部と前記ストッパの間に配置され、他方の前記封止部の外周に摺動自在に配置されたスリーブ部と、一方の端部が同スリーブ部の外周面に固定され、他方の端部に前記放熱部が固定され、前記リフレクタに摺動自在に保持される板状ないし柱状の保持部とからなり、前記ストッパと、同ストッパと対向する前記スリーブ部の端部との間に前記付勢手段を設けてなる構成にする。
そして、プロジェクタに、前述の光源装置を搭載する。
以上の手段を用いることにより、本発明による光源装置によれば、
請求項1に係わる発明は、熱伝導部を封止部の外周に摺動自在に配置し、この熱伝導部の端部を最も高温となる発光部に接するようにしたので、発光部からの発熱を効率よく放熱部へ伝熱できる。
また、発光管や熱伝導部が熱膨張しても、熱伝導部が封止部上で摺動するので、熱膨張による応力を吸収し、発光管の破損や熱伝導部の亀裂を防止することができる。
請求項2に係わる発明は、熱伝導部を発光部に押圧する付勢手段を設けたので、常に熱伝導部を発光部に密着できるため、発光部からの発熱を効率よく放熱部へ伝熱できる。
請求項3に係わる発明は、封止部に伝熱性部材の固定部を設けてリフレクタに固定する構成にし、光源装置の組立時に、固定部とリフレクタとの位置関係を調整することにより、発光管とリフレクタとの位置関係を、最もリフレクタからの反射光が大きい位置に調整することができる。
請求項4に係わる発明は、熱伝導部を後方、つまり、リフレクタで反射される光の進行方向と逆の封止部へ装着した構成により、熱伝導部を前方の封止部へ装着した場合に比較して、熱伝導ブロックを省略したり、光源装置の左右方向のサイズを小さくすることができる。
請求項5に係わる発明は、熱伝導部を前方、つまり、リフレクタで反射される光の進行方向の封止部へ装着した構成により、保持部の厚みを薄くすることができれば、リフレクタで反射された発光部からの光を有効に活用でき、結果的に光源装置から出力される光量を多くすることができる。
また、この構成により、放熱部がリフレクタの左右に配置されるため、光源装置の前後方向を小さくすることができる。
請求項6に係わる発明は、プロジェクタに本発明の光源装置を搭載することにより、冷却ファンがなくても効率よく放熱が可能である。このため、プロジェクタの騒音をなくしたり、また、光源の光が筐体外部に漏れることを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。なお、液晶プロジェクタ装置の光学系は背景技術で説明しており、また、本実施例でも同様の構造であるため、詳細な説明を省略する。
本発明の特徴は発光管の発熱を効率よくヒートシンクからなる放熱部へ伝熱させるために、光源装置に備えられた発光管の発光部と熱伝導部とを密着させる構造にある。そして、熱膨張による応力を小さくするため、熱伝導部と封止部との間に隙間を設けて摺動自在とし、さらに、熱伝導部を発光管の発光部へ密着させる付勢手段を設けたことにある。
図1は高圧放電灯からなる光源装置1の断面図である。図1において、リフレクタ2で反射した光の進行方向を前方(図1での左方向)と呼称し、逆方向を後方(図1での右方向)と呼称する。また、図2は、この光源装置1の分解斜視図である。この2つの図を用いて本発明による光源装置1の構造を説明する。
この光源装置1は、お碗型のリフレクタ2の内部空間に、球状のガラス管からなる発光部3aの前後に円筒状の封止部3b、3cを備えた発光管3が配置されており、この発光管3の一方の封止部3bがリフレクタ2の中心を挿通し、リフレクタ2背面に突出している。また、封止部3bには金属板からなる固定部3dが封止部3bの外周面を貫くように固定されている。そして、この固定部3dの両端はガイド部2bのスリット2cに嵌合すると共に、このガイド部2bに固定されている。なお、固定部3dは必ずしも板状である必要はなく柱状や円柱、三角柱状などであってもよい。
なお、発光管3の内部には放電発光のための電極が備えられており、この電極へ接続された2本のリード線が、封止部3b、及び封止部3cの端部からそれぞれ1本ずつ発光管3の外部に引き出されているが、本実施例では図示及び説明を省略する。
この封止部3bの外周面には熱伝導率に優れた材質(伝熱性部材)、例えば銅スリーブからなる熱伝導部4が装着されており、この熱伝導部4の外周面がリフレクタ2の背面中心に備えられたガイド部2bの内周面を挿通している。また、この熱伝導部4の端部付近の外周面は、放熱部5(ヒートシンク)の挿通孔5dを挿通し、かつ、接触している。なお、放熱部5には複数のフィン5aが備えられており、熱伝導部4を経由する発光管3の発熱を効率よく放熱する構成になっている。
また、図1では板状のフィン5aが光源装置1の後方に向かって立設されているが、これに限るものでなく、図1における上下方向に向かって立設してもよい。さらに、隣接するフィン5a同士の間の空間からなるスリットは、フィン5aの表面からの放熱により高温となった空気の通路となるため、図示しない液晶プロジェクタ装置筐体の排熱用空気通路に対応させてフィン5aの形状や立設方向が決定されている。
また、放熱部5と接するガイド部2bとは固定されており、また、この放熱部5の挿通孔5d内の所定の位置に、円板状のストッパ5cが固定されており、このストッパ5cの一方の端面と熱伝導部4の一方の端面との間には、付勢手段であるコイル状のバネ5bが配置されている。従って、封止部3bの外周面と、ガイド部2b、及び放熱部5の挿通孔5dの内面との間で摺動自在の熱伝導部4を、このバネ5b(付勢手段)が発光部3aの方向へ付勢している。
一方、発光部3aと接する熱伝導部4の端部は、発光部3aの曲面に対応して断面が円弧状またはC面状に切削されており、バネ5bによる付勢のため、熱伝導部4の端部と発光部3aとは密着する構成になっている。また、熱伝導部4の端部の表面には酸化防止膜が設けられており、発光部3aに酸化物が付着することによる異常高温を防止するようになっている。
なお、熱伝導部4の側面には、封止部3bの固定部3dと対応するスリット4aが設けられている。このスリット4aは、発光部3a側の熱伝導部4の端部から熱伝導部4の長手方向に向かって2カ所設けられている。
図1の構造ではバネ5bによる付勢手段を設けているが、これに限るものではない。例えば付勢手段がない構造の場合は、発光管3が点灯し、発光管3と熱伝導部4とが通常使用状態の温度となった時に、それぞれが熱膨張する寸法を考慮してストッパ5cの位置を予め決定し、ストッパ5cをそこに固定しておく。従って、通常使用状態の時に熱伝導部4の端部と発光部3aとは密着する。そして、発光が停止され、温度が低下すると発光管3と熱伝導部4とは収縮を開始し、熱伝導部4は封止部3b上を摺動しながら収縮する。
つまり、この摺動により発光管3と熱伝導部4との熱膨張率の差からなる応力を吸収する構成にすることができる。
次に図2を用いて、各部の構造説明の補足と各部の組立方法とを説明する。
リフレクタ2の背面には、円筒状のガイド部2bが備えられており、このガイド部2bには、2カ所にスリット2cが設けられている。
発光管3は、球状の発光部3aの左右に円筒状の封止部3bと封止部3cとが設けられており、封止部3bには、封止部3bと直交するように固定部3dが設けられている。そして、円筒状の熱伝導部4の長手方向にはスリット4aが2カ所に設けられている。
放熱部5は複数の放熱用のフィン5aを備えており、発光管3の長手方向と同じ方向に挿通孔5dが設けられている。この挿通孔5dの一方の端部からバネ5bを挿入し、次にこの一方の端部にストッパを圧入して固定している。
そして、リフレクタ2の背面のガイド部2b側から、封止部3cを先頭にして発光管3を挿入する。次に、ガイド部2bのスリット2cに発光管3の固定部3dを差し込んで固定する。そして、発光管3の固定部3dに熱伝導部4のスリット4aを合わせながら差し込む。
なお、ガイド部2bのスリット2cに発光管3の固定部3dを差し込んで固定する前に、一時的に発光管3に通電し、発光管3を前後に移動させながら、最もリフレクタ2からの光量が多い場所で固定するようにしてもよい。これにより、光源装置1を構成する部品に寸法誤差があったとしても、位置調整により光量の低下を低減させることができる。
次に、放熱部5を熱伝導部4が挿通孔5dを挿通するように装着する。この時、バネ5bは挿通孔5d内に配置されている。そして、放熱部5をリフレクタ2の背面のガイド部2bに固定する。この構造により、熱伝導部4は封止部3bの長手方向に摺動自在になっており、また、熱伝導部4の端部はバネ5bに押圧されて発光部3aに密着している。
このように組み立てられた光源装置1において、発光管3が通電されると、図示しない発光部3a内部の電極が放電を開始して発光すると共に、発光管3が900℃〜950℃程度に発熱する。すると、発光部3aに密着している熱伝導部4も同程度の温度まで上昇する。ガラスで形成されている発光部3aと、例えば銅で形成されている熱伝導部4との熱膨張率は異なるが、発光部3aや熱伝導部4がそれぞれ膨張したとしても、熱伝導部4がバネ5bを押し戻すことにより、熱膨張による長手方向の応力を吸収することができる。
熱膨張は封止部3bの直径方向にも発生するが、前述のように、封止部3bの表面と熱伝導部4の内面とは一定の隙間を備えているため、この隙間で応力を吸収する。
このように、いかなる場合でも、発光部3aと熱伝導部4とを密着させる構造により、高温となる発光部3aの発熱をリフレクタ2や放熱部5に熱伝導部4を介して効率よく熱伝導させることができ、結果的に放熱部5を背景技術で説明したプロジェクタ装置における空冷用のファンを廃止し、ファン騒音をなくし、また、ファンから漏れる光をなくすことができる。
次に図3を用いて発光管3と熱伝導部4との別の実施例を説明する。図3(A)は発光管を、図3(B)はこれと対応する熱伝導部4を示す斜視図である。
図2の発光管3と異なる点は、固定部3dを2つ備えていることである。この固定部3dは、封止部3bと直角に設けられているが、この固定部3d同士は、封止部3bを軸として90度の角度、いわゆる十字型に構成されている。一方、熱伝導部4はこの固定部3dと対応して、スリット4aが4カ所に設けられている。
このように固定部3dを十字型に設けて固定部3dの数を増加した構造により、発光管3をリフレクタ2に取り付けた時の強度を向上させることができる。
図4は図1の変形例を示す光源装置の断面図である。図1との相違点は、放熱部において、放熱用のフィン5aと熱伝導部4との間に熱伝導ブロック5eを設けたことにある。
この光源装置1はリフレクタ2の内部空間に、球状のガラス管からなる発光部3aの前後に円筒状の封止部3b、3cを備えた発光管3が配置されており、この発光管3の一方の封止部3bがリフレクタ2を挿通し、リフレクタ2背面に突出している。また、この封止部3bの外周面には、円筒状の銅スリーブからなる熱伝導部4が配置されている。
一方、放熱部5は、リフレクタ2の背面左右にそれぞれ配置されたフィン5aと、このフィン5aを接続する熱伝導ブロック5eとで構成され、また、熱伝導ブロック5eは厚みのある矩形の板で形成されている。そして、熱伝導部4の端部は、放熱部5の熱伝導ブロック5eに設けられた孔に挿入されている。また、この熱伝導ブロック5eはリフレクタ2の背面に固定されている。
また、熱伝導部4は封止部3bの外周面を摺動自在に移動できると共に、放熱部5の熱伝導ブロック5eに設けられた孔に配置されたバネ5bによって、発光部3aの方向に付勢されている。従って、熱伝導部4と発光部3aとは押圧されて密着している。
なお、熱伝導ブロック5eは、熱伝導性に優れた銅やアルミニウムで形成する。または、熱伝導ブロック5eをカーボンファイバーと金属、例えば銅との複合部材で形成するとさらに熱伝導率が高くなる。
この様な構成により、放熱部5のフィン5aをリフレクタ2の背面左右に配置することができるため、光源装置1の前後方向(封止部3b、3cの軸方向)を小さくすることができる。
以上の実施例において、リフレクタ2の背面にあるガイド部2bと放熱部5とが固定され、これらの内部で熱伝導部4が摺動する構造を説明したが、このに構造に限るものでなく、ガイド部2bと放熱部5とを固定しないで、熱伝導部4と放熱部5とを固定し、ガイド部2bの内部で熱伝導部4が摺動する場合に放熱部5の同時に摺動する構造にしてもよい。この場合、バネ5bを放熱部5の内部に配置するのでなく、例えばガイド部2bの周囲にコイル状のバネ5bを挿通して配置し、バネ5bの一方の端部をリフレクタ2の背面に固定し、バネ5bの他方の端部を放熱部5に固定し、放熱部5をリフレクタ2の背面に引き付ける方向にバネ5bで付勢する。この結果、熱伝導部4の端部が発光部3aを押圧して密着する。
この構造は熱伝導部4と放熱部5とが固定されているため、熱伝導部4と放熱部5との間の熱抵抗を小さくすることができる。
図5は、本発明による光源装置の別の実施例を説明する斜視図である。なお、実施例1と同じ機能を有する部品には同じ名称と番号を付与する。
この光源装置は、お碗状のリフレクタ2と発光部3aの前後に円筒状の封止部3b、3cを備えた発光管3と、封止部3cの外周に摺動自在に装着された銅のスリーブ部4c及びこのスリーブ部4cに設けられた板状の保持部4eとからなる熱伝導部4と、付勢手段であるコイル状のバネ4bと、保持部4eの端部に固定され、複数の放熱用のフィン5aを設けたヒートシンクである放熱部5とを備えている。
発光管3は、リフレクタ2の内部空間に配置され、また、一方の封止部3bはリフレクタ2を貫通してリフレクタ2に固定されている。また、発光部3aの他方の封止部3cの端部には、リング状の銅板からなるストッパ3eが固定されている。一方、スリーブ部4cの外周面から垂直に立設された一対の保持部4eは、それぞれの端部付近がリフレクタ2のスリットに差し込まれて摺動自在に保持されている。また、保持部4eは熱伝導率に優れた材質(伝熱性部材)である銅やアルミニウムで形成されている。なお、保持部4eは必ずしも板状である必要はなく柱状や円柱などであってもよい。
そして熱伝導部4のスリーブ部4cは、発光部3aとストッパ3eとの間に配置され、他方の封止部3cの外周に摺動自在に配置されている。また、熱伝導部4のスリーブ部4cは、発光部3aと密着するように端部が断面半円状、またはC面状に形成されており、また、スリーブ部4cの内径は封止部3cの外径よりもやや大きくなっている。従ってスリーブ部4cは封止部3cの長手方向に摺動自在となっている。
また、ストッパ3eと、同ストッパ3eと対向するスリーブ部4cの端部との間に付勢手段であるバネ4bを設けた構造になっている。バネ4bはコイル状になっており、内部の空間を封止部3cが挿通している。そして、バネ4bはスリーブ部4c、つまり、熱伝導部4全体を発光部3a側へ付勢している。
このため、実施例1で説明したように、発光管3が通電されると、図示しない発光部3a内部の電極が放電を開始して発光すると共に、発光管3が900℃〜950℃程度に発熱する。すると、発光部3aに密着している熱伝導部4も同程度の温度まで上昇する。ガラスで形成されている発光部3aと、銅で形成されている熱伝導部4との熱膨張率は異なるが、熱伝導部4が長手方向に膨張したとしても、この応力をバネ4bが吸収することにより、発光部3aの破壊や熱伝導部4の亀裂や剥離を防止することができる。
このように、発光部3aが高熱になっても熱伝導部4と発光部3aとは密着状態であるため、発光部3aの発熱を熱伝導部4と保持部4eとを介して放熱部5へ効率よく伝えることができるために放熱効果が高い。従って、結果的にプロジェクタ装置の冷却ファンを廃止して装置の騒音を低減させると共に、筐体からの光漏れを防止できる。なお、この実施例では、ストッパ3eを独立して設けた構造にしているが、これに限るものでなく、ストッパ3eの代わりに、リフレクタ2の前面側に装着される図示しないガラス板を用いてもよい。
ところで、発光部3aから放射される光は、その光軸の方向が定まっていない。この光軸を平行にするのがリフレクタ2である。そして、プロジェクタ装置では、主としてこの光軸が平行になった光、つまり、発光部3aがリフレクタ2と対向する部分(発光部3aの後ろ半分)からの光を用いる。従って、リフレクタ2で反射されない発光部3aの光はあまり重要ではない。
本発明では、このように熱伝導部4をリフレクタ2の前面側に配置した構造により、この発光部3aの前半分からの光を熱伝導部4が邪魔したとしても、光源装置1の発光量の低下は微小であり、保持部4eの厚さによもよるが、図1の構造に比較して輝度を高くすることができる場合もある。
また、放熱部5がリフレクタ2の左右に配置されているため、光源装置1の前後方向(封止部3b、3cの軸方向)を小さくすることができる。
なお、実施例1及び2において、封止部3bや封止部3cの外周面と、熱伝導部4の内周面との間に熱伝導率の高いグリス、例えばシリコングリスなどを充填しておくことにより、さらに熱伝導率を向上させることができる。なお、このグリスは接触熱抵抗を下げるものならどのような種類でもよく、シリコングリスに限るものでない。
また、本実施例の構造は放熱効率が高く、リフレクタ2の前面にガラスを装着して密閉できるため、仮に発光管3が破損しても破片が光源装置から外部へ飛散することがない。
また、固定部3dを銅により形成しているが、これに限るものでなく、熱伝導性に優れた他の金属、例えばアルミニウム、金、ニッケルなどやこれらを含む合金を用いてもよいし、二酸化シリコンや二酸化シリコンと銅との混合部材、また、カーボンファイバーと金属、例えば銅との混合部材で形成してもよい。
本発明による光源装置の実施例を示す断面図である。 図1の構成と組立とを説明する光源装置の分解斜視図である。 本発明による発光管の他の構造を示す斜視図である。 本発明による光源装置の他の実施例を示す断面図である。 本発明による光源装置の第2実施例を示す斜視図である。 従来のプロジェクタの光学系を示すブロック図である。 従来の光源装置を備えたプロジェクタを示す断面図である。 従来の他の光源装置を示す断面図である。
符号の説明
1 光源装置
2 リフレクタ
2b ガイド部
2c スリット
3 発光管
3a 発光部
3b 封止部
3c 封止部
3d 固定部
3e ストッパ
4 熱伝導部
4a スリット
4b バネ
4c スリーブ部
4e 保持部
5 放熱部(ヒートシンク)
5a フィン
5b バネ
5c ストッパ
5d 挿通孔
5e 熱伝導ブロック

Claims (6)

  1. 放電発光が行なわれる発光部の前後に1対の封止部を備えた発光管と、同発光管からの光を前方に反射させるリフレクタと、前記発光管の発熱を放熱する放熱部と、前記発光管の発熱を前記放熱部へ伝熱する熱伝導部とを備えた光源装置において、
    前記熱伝導部は、前記封止部の外周に摺動自在に配置されると共に、同熱伝導部の一方の端部が前記発光部に接してなることを特徴とする光源装置。
  2. 前記熱伝導部を前記発光部に付勢する付勢手段を設けてなることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
  3. 一方の前記封止部に、伝熱性部材からなり、前記リフレクタに固定される板状ないし柱状の固定部を設ける一方、前記熱伝導部に前記固定部と対応するスリットを設けてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光源装置。
  4. 前記発光管の一方の前記封止部が前記リフレクタに挿通されると共に、同一方の前記封止部に備えられた前記固定部が前記リフレクタに固定され、同リフレクタの反射面と逆側に前記放熱部が固定されてなり、
    前記熱伝導部を一方の前記封止部へ装着すると共に、同熱伝導部を前記放熱部内で摺動自在にしてなることを特徴とする請求項3記載の光源装置。
  5. 前記発光部の一方の前記封止部が前記リフレクタに固定され、他方の前記封止部の端部にストッパが固定されてなり、
    前記熱伝導部は、前記発光部と前記ストッパの間に配置され、他方の前記封止部の外周に摺動自在に配置されたスリーブ部と、一方の端部が同スリーブ部の外周面に固定され、他方の端部に前記放熱部が固定され、前記リフレクタに摺動自在に保持される板状ないし柱状の保持部とからなり、前記ストッパと、同ストッパと対向する前記スリーブ部の端部との間に前記付勢手段を設けてなることを特徴とする請求項2記載の光源装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光源装置を備えたプロジェクタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011210555A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Iwasaki Electric Co Ltd 高圧放電ランプのスクリーニング方法、製造方法、及びスクリーニング用装置
KR101078810B1 (ko) 2008-11-22 2011-11-04 신동현 방열 강제냉각 쿨러 시스템이 구비된 차량용 led 헤드램프
KR101108238B1 (ko) * 2011-08-31 2012-01-31 에스피반도체통신 주식회사 히트파이프를 채용한 방열구조를 갖는 led 조명장치

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