JP2007323879A - 光源装置及び光源装置を用いたプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】光源装置に備えられた発光管の封止部と熱伝導部との熱伝導性を向上させ、また、ファンの騒音をなくすと共に、光源装置からの光が筐体外部へ漏れないプロジェクタを提供する。
【解決手段】図2(A)に示すように封止部3bの熱伝導部4を、銅の粉体を放電プラズマ焼結法を用いて、封止部3bの外周面に熱伝導層4aとして形成する。または、図2(B)に示すように封止部3bの熱伝導部4を、混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に装着した金属スリーブ4cとで形成する。または、図2(C)に示すように封止部3bの熱伝導部4を、混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に形成した金属層4dとで形成する。または、図2(D)に示すように封止部3bの熱伝導部4を、多層化した混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に装着した金属スリーブ4cとで形成する。
【選択図】図2
【解決手段】図2(A)に示すように封止部3bの熱伝導部4を、銅の粉体を放電プラズマ焼結法を用いて、封止部3bの外周面に熱伝導層4aとして形成する。または、図2(B)に示すように封止部3bの熱伝導部4を、混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に装着した金属スリーブ4cとで形成する。または、図2(C)に示すように封止部3bの熱伝導部4を、混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に形成した金属層4dとで形成する。または、図2(D)に示すように封止部3bの熱伝導部4を、多層化した混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に装着した金属スリーブ4cとで形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、プロジェクタなど使用される発光管を備えた光源装置の放熱構造に関し、より詳細には、発光管から発生する熱をヒートシンクに伝熱するための構造に関する。
従来、光源ランプを備えた光源装置を用いたプロジェクタである液晶プロジェクタ装置の光学系の構造は、例えば図6に示すブロック構成になっている。
この液晶プロジェクタ装置には、液晶画素がマトリクス状に設けられた液晶パネル21R、21G、21Bと、その前後に偏光手段22Rと23R、22Gと23G、22Bと23Bが設けられている。そしてこれらの液晶パネル21R、21G、21Bに、例えば入力端子24R、24G、24Bからの3原色の映像信号(R、G、B)が供給されることによって、これらの信号に応じて各液晶画素を通過する光線の偏光軸が変化され、偏光手段22Rと23R、22Gと23G、22Bと23B間で明暗の画像が形成されるものである。
また、この液晶プロジェクタ装置には、例えば放電式のランプからなる光源装置8が設けられている。この光源装置8で発生される光線がインテグレータレンズ7を通過した後、光線のS偏光成分とP偏光成分をどちらか一方の偏光成分に変換する偏光変換素子6に入射される。
そしてこれらの偏光変換素子6を通過した光線が、赤色の光線を分離するダイクロイックミラー11Rに入射され、このダイクロイックミラー11Rからの赤色の反射光線がミラー12Rで反射されて赤の原色信号(R)で制御される液晶パネル21Rに入射する。そしてこの液晶パネル21Rでは、入射された光線の偏光軸が原色信号(R)に応じて変化され、この偏光軸の変化が偏光手段22Rと23R間での明暗に変換されて、原色信号(R)に対応する映像光が形成される。
また、ダイクロイックミラー11Rを透過した光線を緑色と青色の光線に分離するダイクロイックミラー11Gに入射され、このダイクロイックミラー11Gからの緑色の反射光線が緑の原色信号(G)で制御される液晶パネル21Gに入射する。そしてこの液晶パネル21Gでは、入射された光線の偏光軸が原色信号(G)に応じて変化され、この偏光軸の変化が偏光手段22Gと23G間での明暗に変換されて、原色信号(G)に対応する映像光が形成される。
また、ダイクロイックミラー11Gを透過した青色の光線が全反射ミラー12a、及び全反射ミラー12bで反射されて青の原色信号(B)で制御される液晶パネル21Bに入射する。そしてこの液晶パネル21Bでは、入射された光線の偏光軸が原色信号(B)に応じて変化され、この偏光軸の変化が偏光手段22Bと23B間での明暗に変換されて、原色信号(B)に対応する映像光が形成される。このようにして、それぞれ原色信号(R、G、B)に応じて変調された映像光が形成される。
さらに液晶パネル21R、21G、21Bで形成された原色信号(R、G、B)の映像光がダイクロイッククロスプリズム13に入射されて、これらの映像光が合成される。そしてこの合成された映像光が投射レンズ14を通じてスクリーン(図示せず)に投射される。このようにして、例えば入力端子24R、24G、24Bに供給される赤、緑、青の3色の原色信号(R、G、B)に応じた映像光が液晶パネル21R、21G、21Bで形成され、この形成された映像光が合成されてスクリーンに投射される。
ところで、このような液晶プロジェクタ装置は、離れた映写面に比較的大きな画面で映写するため、光源装置8には非常に明るい光が求められる。このため、高圧水銀ランプやキセノンランプなどの高圧放電灯が使用されている。ところが、このような光源は明るい光を発生する一方、非常に高温になるという特性がある。このため、これらを使用する機器では光源から発生する熱を筐体外部へ排出するための放熱構造が重要になる。
図7はこの放熱構造を説明する液晶プロジェクタ装置の筐体断面図である。図7は筐体を上方から見た図であり、発光管93をリフレクタ92の内部空間に固定した光源装置8と、一方の筐体側面の開放口から空気を吸い込む冷却ファン94と、他方の筐体側面の開放口から空気を排出する冷却ファン95と、冷却ファン94と冷却ファン95との間に空気通路を形成する通風路用の壁とが筐体内部に設けられている。
光源装置8では、発光管93の左右に設けられた円柱形の封止部93bの一方が、リフレクタ92の外部に備えられた固定部92aを挿通して固定される構造になっている。リフレクタ92は、略碗状の可視光反射膜を備えたガラス成形品で形成されており、この内部空間に発光管93が配置されている。
冷却ファン94から吸い込まれた空気の流れは、図7の矢印で示すように、リフレクタ92の縁からリフレクタ92の内部に流入し、リフレクタ92と発光管93とを冷却し、そして冷却ファン95に吸い込まれて筐体外部へ排出される。また、冷却ファン95は、リフレクタ92の外面周辺の空気を吸込み、同様に筐体外部へ排出するようになっている。
このような構造は冷却ファン94と冷却ファン95とが必要であり、ファンによる騒音と共に、光源装置8からの光が冷却ファンを通過して筐体外部に漏れてしまう問題があり、騒音対策や光漏れ対策に余計なコストが必要であった。
一方、このような冷却ファンを用いない方法として、図8に示す構造が開示されている。
図8は光源装置を示す断面図であり、光源装置は放射光源としての発光管110と、リフレクタ112Aとを有している。発光管110の封止部114のうち、リフレクタ112Aの首状部121A側の第1封止部114Aの外面には、円筒状の熱伝導部214Aが、例えばシリカ・アルミナ系又は窒化アルミニウム系の接着剤で取り付けられている。なお、これらの熱伝導率は大きくても数十W/mK程度である。
この熱伝導部214Aは、第1封止部114Aの外面に沿って取り付けられており、その一方の端部は、発光部113近傍まで延びている。また、熱伝導部214Aの他方の端部には放熱フィン115Aが取り付けられている。
つまり、発光管110から発生する熱を第1封止部114Aの外周に配置された熱伝導部214Aを介して放熱フィン115Aへ熱伝導させて放熱する構造になっている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、発光管に備えられている封止部はガラスで形成されており、その表面は微細に見ると均一な平面や曲面となっていない。従って、封止部の外周に均一な加工で形成された熱伝導部を装着しても点接触となり、接触熱抵抗が大きくなるという問題があった。また、熱伝導部と封止部とを無機系の接着剤で固定しているために、銅などの金属と比較して熱抵抗が大きかった。
さらに、熱伝導部は発光管とは別部材で形成されているため、最も高温が発生する発光部に密着させることが困難であった。
以上の理由により、熱伝導部を用いて発光管から発生する熱をヒートシンクへ伝熱する構造では、発光管の最適使用温度まで冷却することができなかった。また、冷却ファンを用いた構成では、ファンの騒音が発生すると共に、光源装置からの光が冷却ファンを通過して筐体外部に漏れてしまう問題があった。
特開2004−301945号公報(第7−8頁、図2)
本発明は以上述べた問題点を解決し、光源装置に備えられた発光管の封止部と熱伝導部との熱伝導性を向上させ、また、ファンを用いないでプロジェクタを構成し、ファンの騒音をなくすと共に、光源装置からの光が筐体外部へ漏れないプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、放電発光が行なわれる発光部に封止部を備えた発光管と、同発光管の発熱を放熱する放熱部と、前記発光管の発熱を前記放熱部へ伝熱する熱伝導部とを備えた光源装置において、
前記熱伝導部は、前記封止部の表面に、伝熱性部材の焼結によって形成された熱伝導層を備えてなる構造にする。
前記熱伝導部は、前記封止部の表面に、伝熱性部材の焼結によって形成された熱伝導層を備えてなる構造にする。
また、前記熱伝導部は、前記熱伝導層の表面を覆うように装着された金属スリーブ、もしくは、前記熱伝導層の表面に焼結によって形成した金属層を、さらに備えてなる構造にする。
また、前記熱伝導層は、複数の材料を混合して形成した混合熱伝導層を積層して形成されると共に、前記混合熱伝導層の材料混合比をそれぞれの層毎に異なるようにする。
また、前記熱伝導部は、積層された前記熱伝導層の表面を覆うように装着された金属スリーブ、もしくは、積層された前記熱伝導層の表面に焼結によって形成した金属層を備えてなり、
前記混合熱伝導層を、前記金属スリーブ又は前記金属層と、前記伝熱性部材とのそれぞれの材料の混合材で形成すると共に、前記封止部の表面側から前記金属スリーブ又は、前記金属層の内面側の層に向かうにしたがって、同混合熱伝導層の膨張率を順次前記金属スリーブ又は、前記金属層の膨張率に近づける前記材料混合比とする。
前記混合熱伝導層を、前記金属スリーブ又は前記金属層と、前記伝熱性部材とのそれぞれの材料の混合材で形成すると共に、前記封止部の表面側から前記金属スリーブ又は、前記金属層の内面側の層に向かうにしたがって、同混合熱伝導層の膨張率を順次前記金属スリーブ又は、前記金属層の膨張率に近づける前記材料混合比とする。
また、前記金属スリーブ、もしくは前記金属層は、それぞれの長手方向にスリットを備えてなる構造にする。
また、前記熱伝導層は、前記発光部に接してなる構成にする。
そして、プロジェクタ装置に上述した光源装置を搭載する。
以上の手段を用いることにより、本発明による光源装置によれば、
請求項1に係わる発明は、伝熱性部材の焼結によって形成された熱伝導層で熱伝導部を構成しているため、封止部の表面に凹凸があっても熱伝導層を封止部に密着できる。このため、発光管の封止部と熱伝導部との熱抵抗を低減させることができる。
請求項1に係わる発明は、伝熱性部材の焼結によって形成された熱伝導層で熱伝導部を構成しているため、封止部の表面に凹凸があっても熱伝導層を封止部に密着できる。このため、発光管の封止部と熱伝導部との熱抵抗を低減させることができる。
請求項2に係わる発明は、熱伝導層の表面に、伝熱性の高い金属を任意の大きさや形状で、装着、または形成できるため、発光部の発熱を効率よく放熱部へ伝達することができる。
請求項3に係わる発明は、熱伝導層を複数の材料を混合して形成し、これを複数積層し、かつ、混合熱伝導層の材料混合比をそれぞれの層毎に異なる構成にしている。つまり、、熱伝導率と熱膨張率が高い材料と、これらが低い材料とを適宜混在させることにより、熱伝導率を高めつつ、一方で、発光部の発熱による熱伝導層の熱膨張が発生しても、それぞれの層毎で熱膨張による応力を分散し、熱伝導層の亀裂や剥離を防止することができる。
請求項4に係わる発明は、熱膨張率が異なる封止部と金属スリーブ、もしくは、金属層との間に、積層された混合熱伝導層からなる熱伝導層が、金属スリーブ、もしくは、金属層に近づくにつれ、これらと同じ熱膨張率となるように熱膨張率が順次大きくなる材料混合比で形成して配置されているため、それぞれの層毎で熱膨張による応力を分散し、熱伝導層や金属スリーブ、もしくは、金属層の亀裂や剥離を防止することができる。
請求項5に係わる発明は、金属スリーブ、もしくは金属層にスリットを備えているため、熱膨張による応力をスリットで吸収し、亀裂や剥離の発生を防止することができる。
請求項6に係わる発明は、熱伝導層が発光部に接するように形成されているため、最も高温となる発光部の発熱を熱伝導部を介して効率よく放熱部へ伝熱できる。
請求項7に係わる発明は、プロジェクタに本発明の光源装置を搭載することにより、冷却ファンがなくても効率よく放熱が可能である。このため、プロジェクタの騒音をなくしたり、また、光源の光が筐体外部に漏れることを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。なお、液晶プロジェクタ装置の光学系は背景技術で説明しており、また、本実施例でも同様の構造であるため、詳細な説明を省略する。
本発明の特徴は発光管の発熱を効率よくヒートシンクからなる放熱部へ伝熱させるために、発光管の封止部表面に熱伝導に優れた材料、例えば銅(Cu)などを焼結により、直接封止部表面上に形成したことにある。
図1は高圧放電灯からなる光源装置1の断面図である。なお、図1において、リフレクタ2で反射した光の進行方向を前方(図1での左方向)と呼称し、逆方向を後方(図1での右方向)と呼称する。
この光源装置1は、お碗型のリフレクタ2の内部空間に、球状のガラス管からなる発光部3aの左右に円筒状の封止部3b、3cを備えた発光管3が配置されており、この発光管3の一方の封止部3bが、お碗型のリフレクタ2の底部を挿通し、リフレクタ2背面に突出している。
なお、発光管3の内部には放電発光のための電極が備えられており、この電極へ接続された2本のリード線が、封止部3b、及び封止部3cの端部からそれぞれ1本ずつ発光管3の外部に引き出されているが、本実施例では図示及び説明を省略する。
この封止部3bの外周面には熱伝導に優れた材質(伝熱性部材)からなる熱伝導部4が形成されており、この熱伝導部4の外周面がリフレクタ2の背面に備えられた固定部2bの内周面に固定されている。また、この熱伝導部4の端部付近の外周面は、放熱部を構成するヒートシンク5の内周面に嵌合して固定されている。なお、ヒートシンク5には複数のフィン5aが備えられており、熱伝導部4を経由する発光管3の発熱を効率よく放熱する構成になっている。
また、図1では板状のフィン5aが光源装置1の後方に向かって立設されているが、これに限るものでなく、図1における上下方向に向かって立設してもよい。さらに、隣接するフィン5a同士の間の空間からなるスリットは、フィン5aの表面からの放熱により高温となった空気の通路となるため、図示しない液晶プロジェクタ装置筐体の排熱用空気通路に対応させてフィン5aの形状や立設方向が決定されている。
図2は熱伝導部4の構造を示す封止部3b、及び熱伝導部4の要部断面図であり、図2(A)〜図2(D)はそれぞれ異なる熱伝導部4の構成を示している。
図2(A)では封止部3bの熱伝導部4を、封止部3bの外周面に厚さが約2.5ミリメートルの熱伝導層4aとして形成している。これは、銅の粉体を放電プラズマ焼結法を用いることにより焼結して実現している。なお、焼結法としてはこれに限るものでなく、パルス通電加圧焼結法やプラズマ活性化焼結法などを用いてもよい。
また、焼結を行なう場合に、銅の粉体を型に入れ、この粉体に一定の圧力を印可するが、この圧力の加減により熱伝導層4aの気孔率が変化する。このため、熱伝導部4を形成する場合に、熱伝導層4aの熱膨張を緩和するため、この気孔率の最適化を行なう。実際の焼結時には、この熱膨張率を考慮して銅の粉体に印可する圧力と温度とを決定している。
銅は熱伝導率が約400W/mKと高く、また、銅の粉体を焼結して熱伝導層4aを形成するため、ガラスで形成された封止部3bの外周表面に微細な凹凸があったとしても、この凹凸を埋めるように熱伝導層4aを形成できるため、封止部3bの外周面に密着して熱抵抗の小さい熱伝導部4を形成することができる。
さらに、高温となる発光部3aにも密着して熱伝導層4aを形成することができる。このため、発光部3aや封止部3bの熱をリフレクタ2の固定部2bやヒートシンク5に効率的に熱伝導させることができ、結果的に発光管3の放熱を効率よく行なうことができる。
なお、以上の説明では、熱伝導部4を銅の粉体を焼結して形成しているが、これに限らず、例えば後述するように、銅と二酸化シリコン(SiO2)の粉体を混合したものを焼結して形成してもよい。
図2(B)では、封止部3bの熱伝導部4を、厚さ0.5ミリメートルの混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に装着した円筒形の銅からなる厚さ2.5ミリメートルの金属スリーブ4cとで形成している。混合熱伝導層4bは二酸化シリコンと金属スリーブ4cを構成する銅との混合粉体を焼結して形成されているため、金属スリーブ4cとの親和性が高く、封止部3bの熱を効率的に金属スリーブ4cに伝えることができる。また、金属スリーブ4cは熱抵抗が小さく、さらに、任意の大きさや形状で設計できるため、図2(A)の場合よりもさらに発光管3の放熱を効率よく行なうことができる。
図2(C)では、封止部3bの熱伝導部4を、混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に形成した銅からなる金属層4dとで形成している。混合熱伝導層4bは二酸化シリコンと銅との混合粉体を焼結して形成されており、金属層4dはこの混合熱伝導層4bの表面に、銅の粉体を焼結して形成されている。
従って、混合熱伝導層4bと金属層4dとは一体で焼結が可能であるため、混合熱伝導層4bと金属層4dとの間の焼結された部分の熱抵抗が低く、図2(B)の場合よりもさらに発光管3の放熱を効率よく行なうことができる。また、高温となる発光部3aにも密着して熱伝導部4を形成することができるため、熱抵抗を低くすることができる。
図2(D)では、封止部3bの熱伝導部4を、多層化した混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に形成した金属スリーブ4cとで形成している。混合熱伝導層4bは二酸化シリコンと銅との混合粉体を、それぞれ所定の混合比で混合した3つの層として焼結により形成されている。
この3つの層は封止部3bに近い方から第1混合熱伝導層4b1、第2混合熱伝導層4b2、第3混合熱伝導層4b3となっている。第1混合熱伝導層4b1は、例えば二酸化シリコンと銅との混合比率を体積比で4:1、第2混合熱伝導層4b2は混合比率を体積比で2:1、第3混合熱伝導層4b3は混合比率を体積比で1:1とし、それぞれの層が段階的に混合比率が変わるように各層を焼結により形成している。
なお、上記説明は多層化した混合熱伝導層4bの傾斜構造を示しているが、この構造は無段階傾斜であってもよい。
このように、封止部3bに近い方の層から金属スリーブ4cに近い方の層に向かって銅の混合比率を高める、つまり、二酸化シリコンの熱膨張率よりも順次高くなるようにし、最終的には金属スリーブ4c、つまり銅の熱膨張率になるようにしている。一般的に金属やガラスなどは、それぞれ固有の熱膨張率があり、異なる材料を貼り合わせて固定すると、熱膨張率の違いにより亀裂が入ったり剥離してしまう問題がある。
従って、本実施例のように二酸化シリコンと銅との混合比率を順次変化させて、混合熱伝導層4bを形成することにより、互いに異なる二酸化シリコンと銅との熱膨張率による伸縮を、これらの中間層である第1混合熱伝導層4b1、第2混合熱伝導層4b2、第3混合熱伝導層4b3で順次分散させることにより、混合熱伝導層4bや金属スリーブ4cの亀裂や剥離を防止することができる。
なお、この実施例では熱伝導部4を、多層化した混合熱伝導層4bと、この混合熱伝導層4bの上に形成した金属スリーブ4cとで形成した例を説明しているが、金属スリーブ4cがなくてもよい。つまり、混合熱伝導層4bは、それぞれの層の熱膨張率が異なるように材料の混合比率を変えるのみでもよい。
このように、熱伝導層を複数の材料を混合して形成し、これを複数積層し、かつ、混合熱伝導層の材料混合比をそれぞれの層毎に異なる構成にしている。つまり、熱伝導率と熱膨張率が高い材料と、これらが低い材料とを適宜混在させることにより、熱伝導率を高めつつ、一方で、発光部の発熱による熱伝導層の熱膨張が発生しても、それぞれの層毎で熱膨張による応力を分散し、熱伝導層の亀裂や剥離を防止することができる。
図3は発光管3の斜視図であり、図2(B)で説明した構造を示している。封止部3bの外周には混合熱伝導層4bが形成され、この混合熱伝導層4bの外周には金属スリーブ4cが装着されている。金属スリーブ4cの外周面には長手方向の左右から交互にスリット4c1が形成されており、金属スリーブ4cが熱により膨張した場合でも、この熱膨張による応力をスリット4c1が変形することにより吸収し、亀裂や破損が生じないようになっている。
図4は図1の変形例を示す光源装置の断面図である。図1との相違点は、放熱部において、放熱用のフィン5aと熱伝導部4との間に熱伝導ブロック5bを設けたことにある。
この光源装置1はリフレクタ2の内部空間に、球状のガラス管からなる発光部3aの左右に円筒状の封止部3b、3cを備えた発光管3が配置されており、この発光管3の一方の封止部3bがリフレクタ2を挿通し、リフレクタ2背面に突出している。
この封止部3bの外周面には熱伝導部4が形成されており、この熱伝導部4の外周面がリフレクタ2の背面に固定されている。また、この熱伝導部4の端部付近の外周面は、放熱部を構成するヒートシンク5の熱伝導ブロック5bに固定されている。
このヒートシンク5は、リフレクタ2の背面左右にそれぞれ配置されたフィン5aと、このフィン5aを接続する熱伝導ブロック5bとで構成されている。熱伝導ブロック5bは厚みのある矩形の板で形成されている。なお、熱伝導ブロック5bの材質は、熱伝導性に優れたものであれば、銅やアルミニウムに限らず、前述した二酸化シリコンや二酸化シリコンと銅との混合部材でもよい。
また、前述した放電プラズマ焼結法を用いれば、熱伝導部4と熱伝導ブロック5bとを同時に形成できるため、別体で形成する場合に比べて熱抵抗が低くなる。さらに、熱伝導ブロック5bをカーボンファイバーと金属、例えば銅との混合部材で形成するとさらに熱抵抗が低くなる。
この様な構成により、ヒートシンク5のフィン5aをリフレクタ2の背面左右に配置することができるため、光源装置1の前後方向(封止部3b、3cの軸方向)を小さくすることができる。
図5は、本発明による光源装置の別の実施例を説明する斜視図である。なお、実施例1と同じ機能を有する部品には同じ名称と番号を付与する。
この光源装置1は、リフレクタ2と発光部3aの左右に円筒状の封止部3b、3cを備えた発光管3と、封止部3cに装着された銅スリーブからなる熱伝導部4と、複数の放熱用のフィン5aを設けたヒートシンク5とを備えている。
発光管3は、リフレクタ2の内部空間に配置され、また、封止部3bはリフレクタ2を貫通して固定されている。そして、熱伝導部4は実施例1の図2(B)で説明したように混合熱伝導層4bの上に装着した円筒形の銅からなる金属スリーブ4cとで形成されている。
そして、熱伝導部4の外周面には、半径方向に立設した板状の熱伝導固定部4eが2つ対称に備えられており、それぞれの熱伝導固定部4eの端部にはヒートシンク5がそれぞれ固定されている。そして、熱伝導固定部4eはリフレクタ2の左右に設けられたスリットに差し込まれ、リフレクタ2に固定されている。なお、熱伝導固定部4eは、図4で説明した熱伝導ブロック5bと同じ材料で形成されている。
ところで、発光部3aから放射される光は、その光軸の方向が定まっていない。この光軸を平行にするのがリフレクタ2である。そして、プロジェクタ装置では、主としてこの光軸が平行になった光、つまり、発光部3aがリフレクタ2と対向する部分(発光部3aの後ろ半分)からの光を用いる。従って、リフレクタ2で反射されない発光部3aの光はあまり重要ではない。
本発明では、このように熱伝導部4をリフレクタ2の前面側に配置した構造により、熱伝導固定部4eの厚さによっては図1の構造に比較して輝度を高くすることもできる。
また、ヒートシンク5がリフレクタ2の左右に配置されているため、光源装置1の前後方向(封止部3b、3cの軸方向)を小さくすることができる。
なお、以上説明した2つの実施例では、熱伝導層を放電プラズマ焼結法を用いた焼結により形成しているが、これに限るものでなく、熱伝導層を他の焼結法により形成しても、同様の効果を得ることができる。
また、金属スリーブや金属層を銅により形成しているが、これに限るものでなく、熱伝導性に優れた他の金属、例えばアルミニウム、金、ニッケルなどやこれらを含む合金を用いてもよい。
1 光源装置
2 リフレクタ
2b 固定部
3 発光管
3a 発光部
3b 封止部
3c 封止部
4 熱伝導部
4a 熱伝導層
4b 混合熱伝導層
4b1 第1混合熱伝導層
4b2 第2混合熱伝導層
4b3 第3混合熱伝導層
4c 金属スリーブ
4c1 スリット
4d 金属層
4e 熱伝導固定部
5 ヒートシンク(放熱部)
5a フィン
5b 熱伝導ブロック
2 リフレクタ
2b 固定部
3 発光管
3a 発光部
3b 封止部
3c 封止部
4 熱伝導部
4a 熱伝導層
4b 混合熱伝導層
4b1 第1混合熱伝導層
4b2 第2混合熱伝導層
4b3 第3混合熱伝導層
4c 金属スリーブ
4c1 スリット
4d 金属層
4e 熱伝導固定部
5 ヒートシンク(放熱部)
5a フィン
5b 熱伝導ブロック
Claims (7)
- 放電発光が行なわれる発光部に封止部を備えた発光管と、同発光管の発熱を放熱する放熱部と、前記発光管の発熱を前記放熱部へ伝熱する熱伝導部とを備えた光源装置において、
前記熱伝導部は、前記封止部の表面に、伝熱性部材の焼結によって形成された熱伝導層を備えてなることを特徴とする光源装置。 - 前記熱伝導部は、前記熱伝導層の表面を覆うように装着された金属スリーブ、もしくは、前記熱伝導層の表面に焼結によって形成した金属層を、さらに備えてなることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
- 前記熱伝導層は、複数の材料を混合して形成した混合熱伝導層を積層して形成されると共に、前記混合熱伝導層の材料混合比をそれぞれの層毎に異なるようにしてなることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
- 前記熱伝導部は、積層された前記熱伝導層の表面を覆うように装着された金属スリーブ、もしくは、積層された前記熱伝導層の表面に焼結によって形成した金属層を備えてなり、
前記混合熱伝導層を、前記金属スリーブ又は前記金属層と、前記伝熱性部材とのそれぞれの材料の混合材で形成すると共に、前記封止部の表面側から前記金属スリーブ又は、前記金属層の内面側の層に向かうにしたがって、同混合熱伝導層の膨張率を順次前記金属スリーブ又は、前記金属層の膨張率に近づける前記材料混合比としてなることを特徴とする請求項3記載の光源装置。 - 前記金属スリーブ、もしくは前記金属層は、それぞれの長手方向にスリットを備えてなることを特徴とする請求項2または請求項4記載の光源装置。
- 前記熱伝導層は、前記発光部に接してなることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項4記載の光源装置。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかの光源装置を用いたプロジェクタ。
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-
2006
- 2006-05-31 JP JP2006151098A patent/JP2007323879A/ja active Pending
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