JP2007322898A - 焦点検出装置およびカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロレンズ方式の焦点検出装置において、受光部と対応関係にあるマイクロレンズ以外のマイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射するのを防止する。
【解決手段】撮影光学系の予定焦点面から所定距離だけ離れた位置に複数のマイクロレンズmi(i=0,1,2・・)を所定ピッチで配列したマイクロレンズアレイ15bと、マイクロレンズアレイ15bの各マイクロレンズmiに対応して複数の光電変換素子(画素)を有する受光部piを配列し、各マイクロレンズmiを介して予定焦点面上の像を受光する受光部アレイ15cと、受光部アレイ15cの複数の受光部piの画素出力に基づいて撮影光学系の焦点調節状態を演算する焦点状態演算手段とを備える焦点検出装置において、受光部piと対応関係にあるマイクロレンズmi以外のマイクロレンズから当該受光部piへ被写体光束が入射するのを防止する遮光膜51,52を設ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、撮影光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出装置と、その焦点検出装置を備えたカメラに関する。
撮影光学系の予定焦点面にマイクロレンズアレイを配置するとともに、各マイクロレンズごとに光電変換素子対を有する受光部を設け、光電変換素子で得られる光電変換出力を相関演算することによって、撮影光学系の焦点調節状態を検出するようにした焦点検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開昭56−032126号公報
従来のものでは、マイクロレンズに関して光電変換素子と撮影レンズの射出瞳近傍とを共役関係にしていた。しかし今、仮に光電変換素子と予定焦点面近傍を共役とする等、上記共役関係を崩す構成を検討すると、受光部と対応関係にあるマイクロレンズ以外のマイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射して焦点検出精度が低下したり、焦点検出不能になることがある。
(1) 請求項1の発明は、撮影光学系の予定焦点面から所定距離だけ離れた位置に複数のマイクロレンズを所定ピッチで配列したマイクロレンズアレイと、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズに対応して複数の光電変換素子(画素)を有する受光部を配列し、各マイクロレンズを介して予定焦点面上の像を受光する受光部アレイと、受光部と対応関係にあるマイクロレンズ以外のマイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射するのを防止する遮光膜と、受光部アレイの複数の受光部の画素出力に基づいて撮影光学系の焦点調節状態を演算する焦点状態演算手段とを備える。
(2) 請求項2の焦点検出装置は、遮光膜をマイクロレンズアレイの被写体光束の入射面に設けたものである。
(3) 請求項3の焦点検出装置は、遮光膜をマイクロレンズアレイの被写体光束の入射面と射出面との間の中間位置に設けたものである。
(4) 請求項4の焦点検出装置は、遮光膜をマイクロレンズアレイの被写体光束の射出面に設けたものである。
(5) 請求項5の焦点検出装置は、遮光膜をマイクロレンズアレイの被写体光束の入射面、入射面と射出面の間の中間位置および射出面のいずれか複数の位置に複数枚設けたものである。
(6) 請求項6の焦点検出装置は、マイクロレンズアレイは複数のマイクロレンズが二次元状に配列され、隣り合う前記マイクロレンズにおける受光部の画素の並び方向を互いに異なる方向に配列したものである。
(7) 請求項7の焦点検出装置は、遮光膜がマイクロレンズアレイの各マイクロレンズの光軸を中心とする開口を有するものである。
(8) 請求項8の焦点検出装置は、開口を円形開口としたものである。
(9) 請求項9の焦点検出装置は、受光部の画素の並び方向の開口幅を受光部の画素の並び方向と直交する方向の開口幅よりも狭くしたものである。
(10) 請求項10の発明は、請求項1〜9のいずれかの焦点検出装置を備えたカメラである。
本発明によれば、マイクロレンズ方式の焦点検出装置において、受光部と対応関係にあるマイクロレンズ以外のマイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射するのを防止することができる。
本願発明の焦点検出装置を一眼レフレックス・デジタルスチルカメラに適用した一実施の形態を説明する。なお、本願発明は一眼レフカメラやデジタルカメラに限定されず、コンパクトカメラや銀塩フィルムカメラなどのすべての種類のカメラの他、望遠鏡や測量器などの光学機器に適用することができる。
図1は、一実施の形態の焦点検出装置を備えた一眼レフレックス・デジタルスチルカメラの横断面図を示す。なお、本願発明の焦点検出装置に関わる機器および装置以外のカメラの一般的な機器および装置については図示と説明を省略する。一実施の形態のカメラではカメラボディ1にレンズ鏡筒2が装着される。レンズ鏡筒2は各種の撮影レンズに交換可能である。
カメラボディ1はメインミラー11、サブミラー12、シャッター13、撮像素子14、焦点検出装置15、制御装置16、ペンタプリズム17、接眼レンズ18、接点19などを備えている。撮像素子14はCCDやCMOSなどから構成され、撮影レンズ(後述)により結像された被写体像を電気信号に変換して出力する。焦点検出装置15は撮影レンズの焦点調節状態を検出する。この焦点検出装置15については詳細を後述する。制御装置16は不図示のマイクロコンピューター、ROM、RAM、A/Dコンバーターなどから構成され、カメラの各種演算やシーケンス制御などを行う。
一方、レンズ鏡筒2は撮影レンズ21(21b〜21e)、絞り22、レンズ駆動制御装置23などを備えている。レンズ駆動制御装置23は不図示のマイクロコンピューター、メモリ、レンズ駆動用モーター、絞り駆動用モーターなどから構成され、撮影レンズ21の焦点調節や絞り22の開口調節などを行う。なお、カメラボディ1の制御装置16とレンズ鏡筒2のレンズ駆動制御装置23は交換レンズマウント部(不図示)に設けられた接点19を介して各種情報の授受を行う。
非撮影時には図に示すようにメインミラー11とサブミラー12が撮影光路中に置かれ、撮影レンズ21を透過した被写体光の一部はメインミラー11、ペンタプリズム17、接眼レンズ18を介して撮影者の目に導かれ、撮影者に被写体像が視認される。また、被写体光の残りの一部はメインミラー11、サブミラー12を介して焦点検出装置15へ導かれ、焦点検出装置15により撮影レンズ21の焦点調節状態、すなわちデフォーカス量が検出される。
図2は焦点検出装置15の詳細な構成を示す図であり、図3は焦点検出装置15周辺部の光路を示す図である。図3において、焦点検出装置15の焦点検出面15aは、サブミラー12の反射面12aに対して撮像素子14の撮像面14aと光学的に等価な撮影レンズ21(図1参照)の予定焦点面である。この焦点検出面15aに結像された被写体像によって撮影レンズ21の焦点調節状態を検出する。なお、21aは撮影レンズ21の射出瞳である。
焦点検出装置15は、図2に示すようにマイクロレンズアレイ15b、焦点検出センサー15c、A/Dコンバーター15d、CPU15e、メモリ15iを備えている。マイクロレンズアレイ15bは、図2に示すように複数のマイクロレンズmi(i=0、1、2、・・)が所定のピッチPmで一列に配列されており、図3に示すように焦点検出面15aから所定距離Lだけ離れた面に配置される。
このマイクロレンズアレイ15bの後方には焦点検出センサー15cが配置され、撮影レンズ21により結像された予定焦点面(焦点検出面)15a上の被写体像が各マイクロレンズmiにより焦点検出センサー15c上に結像される。なお、図2では説明を理解しやすくするためにマイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cとを離間して表しているが、実際は両者を密着して配置する。
焦点検出センサー15cは、各マイクロレンズmiからの焦点検出用光束を受光するために、各マイクロレンズmiごとに受光部pi(i=0、1、2、・・)を備えている。各受光部piはそれぞれ複数個、図2に示す例では6個の光電変換素子(以下、画素という)ai〜fi(i=0、1、2、・・)が直線上に等間隔に配列されている。なお、図2では一部の画素の符号を省略している。ここで、受光部piの並び方向および画素ai〜fiの並び方向はともにマイクロレンズmiの並び方向と同一である。
なお、図2と図3では簡単のために受光部piごとに6個の画素を備えた絵で示すが、受光部piごとの画素の個数は実際は18個である。なお、これは本実施の形態の場合であり、18個に限定されるものではない。なお、この明細書ではその時々の説明を解りやすくするために受光部piごとの画素数をその都度変えて表す。また、すべての受光部piに対応して多くの画素を直線上に等間隔に配列した1本のイメージセンサーを用い、各受光部ごとに対応する画素の範囲を決めてもよい。
A/Dコンバーター15dは、焦点検出センサー15cから出力される各受光部piの画素ai〜fiごとの信号をデジタル信号に変換してCPU15eへ出力する。メモリ15iは画素ai〜fiの出力信号を一時的に記憶するバッファーメモリである。
CPU15eはマイクロコンピューターのソフトウエア形態により構成する複数像列作成部15f、像ズレ量演算部15g、デフォーカス量演算部15hを備え、焦点検出センサー15cの出力信号に基づいて撮影レンズ21の焦点調節状態を検出し、デフォーカス量を制御装置16へ出力する。
一実施の形態の撮影光学系と焦点検出光学系は、撮像素子14の撮像面14aと光学的に等価な撮影レンズ21の予定焦点面15aを焦点検出面とし、この焦点検出面15aから所定距離Lだけ離間した位置に、複数のマイクロレンズmi(i=0、1、2、・・)を所定のピッチPmで一列に配列したマイクロレンズアレイ15bを配置する。さらに、マイクロレンズアレイ15bの背後(焦点検出面15aと反対側)に各マイクロレンズmiに対応して複数の画素(ここでは18個)ai〜riを有する受光部piを配置する。
これに対し一実施の形態の撮影光学系と焦点検出光学系は、各マイクロレンズmiを介して受光部piと撮影レンズ21の予定焦点面(焦点検出面)15aとが結像関係(共役関係)となるように、各マイクロレンズmiの曲率および/または各マイクロレンズmiから対応する受光部piまでの距離を設定している。これにより、各マイクロレンズmiに対応する受光部piが各マイクロレンズmiによって撮影レンズ21の予定焦点面15aに逆投影される。
なお、一実施の形態における受光部piと撮影レンズ21の焦点検出面(予定焦点面)15aとの結像関係(共役関係)は、各マイクロレンズmiの曲率を変えても実現できるし、各マイクロレンズmiと受光部piとの間の距離を変えても実現でき、さらに、両者を変えても実現できる。
図3において、撮像面14aと光学的に等価な予定焦点面(焦点検出面)15aには、撮影レンズ21により被写体像が結像される。一方、予定焦点面(焦点検出面)15aには、各マイクロレンズmiにより各マイクロレンズmiに対応する受光部piの画素ai〜fiの像ai”〜fi”が逆投影される。焦点検出面15aに逆投影された各画素像ai”〜fi”は、撮影レンズ21の射出瞳21a上の焦点検出用瞳領域A〜Fに対応する。
ただし、A〜Fは受光部の画素と共役関係にないので各画素のボケ像であり、後述のようにAとB、CとDなど隣接する領域は実際はボケ部分どおしが互いに重なりあうが、図3では解りやすくするためボケを略し互いに離反させて描写している。また、図3は解りやすくするために部分的に尺度を変えて示した模式図であって、撮影レンズ付近に比べ予定焦点面を拡大して示し、また焦点検出センサー付近はさらに拡大して示している。さらに、図3においては各マイクロレンズm0とm3におけるA〜Fをそれぞれ共通しているように描いたが、実際はm0とm3に対応するAどうし、Bどうしなどはマイクロレンズの3ピッチ分ずれる。しかし、後述のように、一般にこれはA、B間距離などに比べて極めて小さいので、近似して図3では一致させて描いている。なお、上記のように予定焦点面付近を相対的に大きく拡大して描画した関係で、m0に入射する光が斜入射しているように見えるが、実際はm3に入射する光線と平行である。
焦点検出センサー15cの各受光部piの各画素ai〜fiは、撮影レンズ21の射出瞳21a内の各焦点検出用瞳領域A〜Fを通過した被写体からの光束によって焦点検出面15aに結像された被写体像の内の、焦点検出面15aに逆投影された各画素像ai”〜fi”の範囲内の被写体像を捕捉する。換言すれば、焦点検出センサー15cの各受光部piの各画素ai〜fiは、撮影レンズ21の射出瞳21aの各焦点検出用瞳領域A〜Fを睨み、各焦点検出用瞳領域A〜Fを通過した被写体からの光束により結像される被写体像の光強度分布に応じた信号を出力する。
図4は、図2および図3に示す隣接する6個のマイクロレンズm1〜m6による受光部p1〜p6と焦点検出面15aとの結像関係(共役関係)を拡大して示した図である。なお、図4では受光部piごとに備えた18個の画素を12個の画素ai〜liに短縮して示し、各マイクロレンズmiによって焦点検出面15a上に逆投影される受光部piの画素ai〜liの像を符号ai”〜li”で表す。また、図4では、説明を理解しやすくするために、焦点検出面15a上に逆投影される受光部piの画素ai〜liの像ai”〜li”を撮影レンズ21の光軸方向にずらして表す。なお、図4において、各受光部piの画素ai〜liと焦点検出面15a上の画素像ai”〜li”とは並び順が反転する(図2参照)。
この一実施の形態では、図4に拡大して示すように、マイクロレンズmiの画素piの焦点検出面15aにおける画素像ai”〜li”(実際はai”〜ri”)が、マイクロレンズmiの配列ピッチPm(図2参照)の中に3画素像ずつ入るように、換言すれば、隣接するマイクロレンズmiとmi+1の受光部piとpi+1の焦点検出面15aにおける画素像ai”〜li”とai+1”〜li+1”が、3画素像ずつずれるように、各マイクロレンズmiの曲率および/または各マイクロレンズmiから対応する受光部piまでの距離を設定する。
一実施の形態の焦点検出光学系の具体例を示すと、マイクロレンズmiの配列ピッチPmを60μmとし、焦点検出面15aからマイクロレンズアレイ15bまでの距離Lを約1300μmとして、焦点検出面15aにおける18個の画素像ai”〜ri”のピッチPd=20μmを実現する。
また、マイクロレンズの厚さLdは250μm、受光部の画素ピッチは2.5μmである。この具体例の構成を相似に近く描画したのが図5で、説明上不要な部分は略してある。この図においてマイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cは、接近していて分離して描画するのが困難なので、一本の太い線分で表している。このとき、撮影レンズの射出瞳を予定焦点面から100mmとして、ここにある瞳領域A、B、〜R(図3におけるA、B、〜Fに相当)の各中心位置をAo、Bo、〜Roで示し、A、B、〜Rのボケ部分まで含めた形状を紙面の上にずらして描画してある。これにより、図3の説明で述べたように、隣り合う瞳領域が実際は一部重なりあうことがわかる。なお、マイクロレンズごとに対応するA、B、〜Rの位置は異なり、隣接するマイクロレンズに対応するAどうし、BどうしなどはPmだけずれる。図5に描いたAo〜Roは、例として中心付近のマイクロレンズに対応した瞳領域の位置を示した。この例で、隣接する瞳領域AとBなどの間隔は、約1.5mmとなる。したがって、上記Pm(=60μm)はこれに比べて極めて小さい。上述の図3の説明において、m0とm3の間隔(=3Pm)が、瞳領域間にくらべ極めて小さいと記したのはこのような事情によるものである。なお、図4で説明したマイクロレンズのピッチPm内に、画素像が3画素づつ入るというのは、実際のこの実施の形態の通りの描写である。
図4において、焦点検出面15a上の画素像ai”〜li”のピッチをPdとすると、マイクロレンズピッチPmの中に3・Pdが入る。隣接する受光部piとpi+1はそれぞれ、焦点検出面15a上のマイクロレンズmiの配列ピッチPm、すなわち3画素像ピッチ3・Pdだけずれた検出領域の被写体像に応じた光量分布を検出する。そして、隣接する受光部piとpi+1の画素像ai”〜li”とai+1”〜li+1”が重なった部分の画素出力とを比較し、光量分布パターンのズレ量を算出することによって、撮影レンズ21の焦点調節状態を検出する。
例えば図4に示す例では、隣接する受光部p1とp2の画素像a1”〜l1”とa2”〜l2”が重なった部分Dに対応する画素出力d1’〜l1’とa2’〜i2’とを比較し、光量分布パターンのズレ量を算出して撮影レンズ21の焦点調節状態を検出する。なお、さらに間隔のあいた受光部どうし、例えば図4に示す受光部p1とp4の画素像a1”〜l1”とa4”〜l4”が重なった部分に対応する画素出力j1’〜l1’とa4’〜c4’とを比較し、光量分布パターンのズレ量を算出して撮影レンズ21の焦点調節状態を検出することもできる。後者の場合は受光部piから撮影レンズ21の射出瞳21a上における焦点検出領域を睨む開角が前者に比べて大きいので、前者に比べて高い精度で焦点検出を行うことができる。
ここで、隣接する受光部piとpi+1の焦点検出面15a上の同一の検出位置へ入射する被写体からの光束は、図3に示すように、撮影レンズ21の射出瞳21a上の異なる瞳領域(A〜F;各受光部piに6個の画素ai〜fiを設けた場合)の内の異なる瞳領域を通過した光束である。例えば図4に示す例では、隣接する受光部p1とp2の焦点検出面15a上の同一の検出位置Pxへ入射する被写体からの光束は、撮影レンズ21の射出瞳21a上の異なる瞳領域(A〜Lの内のEとB;不図示)を通過した光束である。
なお、上記のように構成した焦点検出装置において、マイクロレンズアレイ15bの各マイクロレンズpiに対応する画素(ai〜li)から出力される信号を用いて撮影レンズ21の焦点調節状態、すなわちデフォーカス量を算出する方法は、撮影レンズの射出瞳面の互いに異なる一対の焦点検出用瞳領域を通過した一対の光束により結像される一対の被写体像の像ズレ量を求め、この像ズレ量をデフォーカス量に変換するものであり、像ズレ検出方式あるいは位相差検出方式として周知であるから説明を省略する。
なお、本実施の形態と同じように、後述のフィールドレンズがない場合も含めた原理説明は応用物理学会分科会、日本光学会刊「光学」第18巻第11号(1989年11月)掲載の鈴木著「一眼レフカメラのオートフォーカス技術」などに示されている。
ところで、上述した一実施の形態の焦点検出装置において、撮影レンズ21の開口が大きい場合、あるいは焦点検出センサー15cの各受光部piが長い場合には、あるマイクロレンズmiに対応する受光部piへ、隣接するマイクロレンズmi-1、mi+1を通過した被写体光が入射することになる。
また、マイクロレンズとマイクロレンズの間は、平面になっているか、あるいは巨視的に見てレンズの曲面どうしが接しており、後者の場合は製造上の理由から、局部的には本来のレンズ曲面とは異なる不規則な曲面となっている。このようなマイクロレンズどうしの境界部分を通過した被写体光を焦点検出に用いると、検出不能になったり焦点検出精度が低下してしまうため、マイクロレンズどうしの境界部分を通過した迷光を排除しなければならない。
このような迷光が受光部piへ入射するのを防止する方法として、撮影レンズ21の光軸と平行な平面で構成した遮光壁を設けることが考えられるが、遮光壁を薄肉にしなければならず、製造上の難点がある。また、マイクロレンズmiと対応する受光部piごとに、薄肉の遮光壁を正確に位置決めして設置しなければならないので、工数や時間がかかる。さらに、このような遮光壁を用いて十分な効果を上げるためにはマイクロレンズmiを薄くする必要があり、マイクロレンズmiの製作が困難である。
そこで、この一実施の形態では、マイクロレンズアレイ15bの焦点検出面15a側の表面(以下、単に表面という)に第1遮光膜51を設けるとともに、マイクロレンズアレイ15bの内部に第2遮光膜52を設ける。
図6(a)は、撮影レンズ21の光軸を含む面でマイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cを切断した断面図である。また、図6(b)は、撮影レンズ21の予定焦点面(焦点検出面)15aからマイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cを見た図、図6(c)は、図6(a)に示すS1〜S1断面図である。なお、図6では各受光部piに対して10個の画素ai〜jiを備えた絵に略して示す。実際は前述のように10ではなく18画素である。また、受光部Piの長さは、ピッチ2.5μmと画素数18をかけた45μmであり、すなわち、マイクロレンズのピッチ60μmの約75%である。図6でもほぼ75%に描画してある。
第1遮光膜51は、図6(a)、(b)に示すように、マイクロレンズアレイ15bの焦点検出面15a側の表面(被写体光束の入射面)に設置され、各マイクロレンズmiの光軸を中心とする円形開口を有し、各マイクロレンズmiへ入射する被写体からの光束を部分的に遮るように構成する。この第1遮光膜51は、マイクロレンズアレイ15bにおけるマイクロレンズmiの縁とレンズ曲面を構成していない平面部とを覆うように設置する。
また、第2遮光膜52は、図6(a)、(c)に示すように、マイクロレンズアレイ15bの内部(被写体光束の入射面と射出面との間の中間位置)に設置され、各マイクロレンズmiの光軸を中心とする円形開口を有し、各受光部piへ入射する被写体からの光束を部分的に遮るように構成する。この第2遮光膜52は、各マイクロレンズmiの光軸に垂直な平面上に設置する。なお、図6(b)には、各マイクロレンズmiに対して同心円状の二つの円形開口が表されているが、大きい方の円形開口が第1遮光膜51の開口であり、小さい方の開口が第2遮光膜52の開口である。これらの遮光膜51,52の円形開口の大小関係は必ずしもこの一実施の形態の大小関係に限定されるものではなく、受光部piと対応関係にあるマイクロレンズmi以外のマイクロレンズから当該受光部piへ被写体光束が入射するのを防止するために、遮光膜51,52ごとに最適な開口径を設定する。
図7は、図6(a)の一部を拡大した図である。この一実施の形態では、撮影レンズ21の絞りF5.6に相当する射出瞳21aを通過した被写体光束を受光して焦点検出を行う場合に、絞りF5.6相当の射出瞳21aの縁部を通過して受光部piの両端へ入射する光束をJ1、J2とする。撮影レンズ21の絞り22(図1参照)がF5.6より明るい(F値が5.6より小さい)ときには、第1遮光膜51および第2遮光膜52がないと、焦点検出センサー15cの各受光部piに、対応するマイクロレンズmi以外のマイクロレンズを通過した被写体光束すなわち迷光が入射してしまう。
撮影レンズ21の絞りがF5.6より明るい(F値が5.6より小さい)場合には、例えば絞りF2.8相当の射出瞳21aの縁部を通過した被写体光束J3〜J3が、透過したマイクロレンズmiに対応する受光部piの隣の受光部pi-1に入射してしまう。また、図8に示すように、マイクロレンズmiの境界部分を通過する被写体光束J4が隣接する受光部pi-1に入射してしまう。
この一実施の形態では、撮影レンズ21の絞り22が少なくともF2.8に設定された場合の焦点検出光束を、これらの第1遮光膜51と第2遮光膜52で遮光して、上記の迷光による影響を防止する。これにより、撮影レンズ21の絞り22がF2.8まで空いていても、迷光による影響を排除して良好な焦点検出を実現できる。
次に、遮光膜51,52の形成方法について説明する。マイクロレンズアレイ15bのマイクロレンズ曲面は板状のガラスの片面に周知のフォトリソグラフィを用いた方法により形成し、その後に第1遮光膜51を形成する。また、板状ガラスの他方の面は平面であるが、この平面に第2遮光膜52を形成し、その上に薄板上の同組成のガラス板を接着することによってマイクロレンズアレイ15bを形成する。なお、ガラス板を接着するための接着剤にはガラス板と同じ屈折率の接着剤を用い、接着後のガラス板が一つのマイクロレンズとして光学的に機能するマイクロレンズアレイ15bを構成する。
なお、上記薄板上のガラスに代えて、比較的厚いガラスを貼った後に機械的または化学的に除去、研磨してもよい。これにより、割れやすい薄板ガラスの取り扱い上の問題を解決することができる。また、薄板ガラスを貼り合わせる代わりに、樹脂を注入硬化させて第2遮光膜52より焦点検出センサー15c側の部分を形成してもよい。この場合も、硬化後の屈折率がガラスと同じ屈折率の樹脂を用い、硬化後に一つのマイクロレンズとして光学的に機能するマイクロレンズアレイ15bを構成する。なお、第2遮光膜52の上下で意図的に異なる屈折率とすることもできる。
遮光膜51,52の形成には、感光性樹脂(ポジティブタイプのレジスト)をガラス板の全面に塗布後、パターンマスクを通して光を照射し、遮光部としたい部分のみに光を当てて化学分解させる。次に、分解部の樹脂を除去した後にクロムを蒸着し、その後に残った透過部の樹脂を溶かして除去する。レジスト上のクロムはレジストとともに除去され、円形開口を有するクロム膜すなわち遮光膜が形成される。
なお、第2遮光膜52については、張り合わせる薄板ガラスの方に第2遮光膜52を形成し、各円形開口の中心を各マイクロレンズmiの光軸に位置合わせして張り合わせるようにしてもよい。
また、上記説明では遮光膜51,52としてクロム膜を用いた例を示したが、遮光膜はクロム膜に限定されず、光を遮光する材料であればよく、アルミ膜などの他の金属膜や樹脂膜を用いてもよい。さらに、遮光膜51,52の形成方法も、遮光膜51,52自体の材料に応じた形成方法とすればよい。
さらに、焦点検出センサー15cのチップ面に反射した光が遮光膜51,52の下面、すなわち焦点検出センサー15c側の面に反射して迷光となるのを防ぐため、遮光膜51,52を低反射性の物質で形成するか、あるいは低反射性の膜と遮光性の膜とを有する二層構造にすることが望ましい。
上述した一実施の形態では、マイクロレンズmiと受光部piとを1方向に配列した例を示したが、マイクロレンズmiと受光部piを二次元状に配列するとともに、隣り合う受光部piの画素の並び方向を互いに異なる方向に配列した焦点検出装置に遮光膜を設置することも可能である。
図9、図10は、マイクロレンズと受光部を二次元状に配列するとともに、隣り合う受光部の画素の並び方向を互いに異なる方向に配列した焦点検出装置に遮光膜を設置した例を示す図であり、図9は焦点検出面15a側からマイクロレンズアレイ15bを見た図であり、図10は図6(a)に示すS1〜S1断面図である。この例では、マイクロレンズmiと受光部piを二次元状に配列するとともに、隣り合う受光部piの画素の並び方向を互いに異なる縦と横の2方向に配列したものである。
図9において、第1遮光膜51Aは、マイクロレンズ15bの被写体光束の入射面に配置し、各マイクロレンズmiの光軸を中心とする円形開口を備え、各マイクロレンズmiへ入射する被写体からの光束を部分的に遮るように構成する。この第1遮光膜51Aは、マイクロレンズmiの縁とレンズ局面を構成していない平面部とを覆うように設置する。なお、この例では各マイクロレンズmiの境界55を円形に形成している。
図10において、第2遮光膜52Aは、マイクロレンズアレイ15bの内部(被写体光束の入射面と射出面との間の中間位置)に配置し、各マイクロレンズmiの光軸を中心とする円形開口を備え、各受光部piへ入射する被写体からの光束を部分的に遮るように構成する。この第2遮光膜52Aは、各マイクロレンズmiの光軸に垂直な平面上に設置する。
なお、図9、図10に示すように、マイクロレンズmiと受光部piとを二次元平面上に密に配列し、隣り合う受光部piの画素の並び方向を互いに異なる方向に配列することによって、焦点検出面15a上の任意の位置の撮影レンズの焦点調節状態を互いに異なる方向について検出することができる。
上述した一実施の形態では第1遮光膜51と第2遮光膜52の2枚の遮光膜を設置する例を示したが、3枚以上の遮光膜を設置することによって遮光効果をさらに向上させてもよい。図11は、上述した第1遮光膜51と第2遮光膜52の他に、マイクロレンズアレイ15bの内部(被写体光束の入射面と射出面との間の中間位置)に第3遮光膜53と第4遮光膜54を設置した例を示す。図11において、図7および図8に示す構成要素と同様な要素に対しては同一の符号を付して説明する。また、レンズや受光部の寸法は図7と共通である。
撮影レンズ21の絞りがF5.6より明るい(F値が5.6より小さい)場合には、例えば絞りF2.8相当の射出瞳21aの縁部を通過した被写体光束J3〜J3やF2相当の被写体光束J5〜J5が、マイクロレンズmiに対応する受光部piの隣の受光部pi-1に入射してしまう。撮影レンズ21の絞り22が少なくともF2に設定された場合の焦点検出用光束を、これらの4枚の遮光膜51〜54で遮光して、上記の迷光による影響を防止する。これにより、撮影レンズ21の絞り22がF2まで開いていても、迷光による影響を確実に排除してさらに良好な焦点検出を実現できる。
なお、3枚以上の遮光膜を設置する場合でも、焦点検出センサー15cに最も近い遮光膜を低反射性の物質で形成するか、あるいは低反射性の膜と遮光性の膜とを有する二層構造にすることが望ましい。なお、焦点検出センサー15cの表面(被写体光束入射面)の、受光部piの画素のない部分に反射防止膜を貼り付けるか、またはマイクロレンズアレイ15bの裏面に反射防止膜を貼り付けてもよい。
上述した一実施の形態では各マイクロレンズmiの境界が円形である例を示したが、図12に示すように、各マイクロレンズmiのレンズ曲面を広くとって境界56をほぼ四角形にしてもよい。図12に示す例では、マイクロレンズmiと受光部piを二次元状に配列するとともに受光部piを2方向に配列し、各マイクロレンズmiの境界をほぼ四角形に形成したマイクロレンズアレイ15bの表面(被写体光束入射面)に、第1遮光膜51Bを設置する。
第1遮光膜51Bは、各マイクロレンズmiの光軸を中心とする円形開口を有し、各マイクロレンズmiへ入射する被写体からの光束を部分的に遮るように構成する。この第1遮光膜51Bは、マイクロレンズアレイ15b上におけるマイクロレンズmiの縁とレンズ局面を構成していない平面部とを覆うように設置する。
上述した一実施の形態では遮光膜の開口部を円形とする例を示したが、遮光膜の開口は円形に限らず、光学系の特性と用途に合わせて多角形や矩形などの種々の形状にしてもよい。図13は、マイクロレンズmiの境界56を略四角形にしたマイクロレンズアレイ15bにおいて、マイクロレンズmiの境界56近くまで開口を広くした第1遮光膜51Cを示す。このように開口を広くとることによって受光部piの画素に注ぐ光量が多くなり、より暗い被写体に対しても焦点検出が可能になる。
図14は、マイクロレンズmiの境界56の近くまで開口を広げる際に、受光部piの画素の並び方向の開口幅を画素の並び方向と直交する方向の開口幅よりも狭くした第1遮光膜51Dを示す。このように開口を広くとることによって受光部piの画素に注ぐ光量が多くなり、より暗い被写体に対しても焦点検出が可能になる上に、画素の並び方向の開口幅を狭くすることによって、マイクロレンズmiに対向する受光部pi以外の受光部に被写体光束が入射する、いわゆる迷光の発生を防止しやすくすることができる。
次に、マイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cのパッケージング例を説明する。図15は、マイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cを収納するパッケージの断面図である。マイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cを開口部61aを有するセラミックパッケージ61内に接着し、ボンディングワイヤー62で焦点検出センサー15cの出力端子とパッケージ61内の端子とを接続し、開口部61aにカバーガラス63を接着して封止する。
図16は、マイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cをCOG(Chip On Glass)構造で形成した断面図である。マイクロレンズアレイ15bは、フォトリソグラフィによりガラス板の一方の面にマイクロレンズmiのレンズ曲面を形成し、またガラス板の他方の面を掘り下げて第2遮光膜52を形成する。さらに、第2遮光膜52の下部にガラスと同じ屈折率の樹脂64を所定の厚さだけ貼り付ける。マイクロレンズアレイ15bの下面には通常のCOGと同様に導電性材料でパターンを形成し、焦点検出センサー15cと金属バンプ65により導通するとともに、FPC基板66も接合して焦点検出センサー15cとFPC基板66とを電気的に接続する。なお、67はガラス板保護用の金属枠である。
上述した一実施の形態では、マイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cとを密着して形成する例を示したが、所定距離だけ離間して両者の間に空気層を設けた構成としてもよい。この構成では、第2遮光膜52をマイクロレンズアレイ15bの裏面(焦点検出センサー15c側の表面)に設置することもできる。また、この構成は、マイクロレンズアレイ15bの裏面(焦点検出センサー15c側の表面)の四隅に脚状の凸部を設けるか、あるいはマイクロレンズ15bの周辺に額縁状の凸部を設け、凸部の先端面に焦点検出センサー15cを接着して形成する。
上述した一実施の形態は、撮影レンズ21の予定焦点面(焦点検出面)15aから所定距離Lだけ離れた位置に、複数のマイクロレンズmi(i=0,1,2,・・)を所定ピッチPmで配列したマイクロレンズアレイ15bと、マイクロレンズアレイ15bの各マイクロレンズmiごとに複数の画素ai〜liを有する受光部piを配列し、各マイクロレンズmiを介して予定焦点面(焦点検出面)15a上の像を受光する焦点検出センサー15cとを備えており、予定焦点面(焦点検出面)15aには各マイクロレンズmiによって各マイクロレンズmiに対応する受光部piの複数の画素の像ai”〜ri”が逆投影され、予定焦点面(焦点検出面)15aにおいてマイクロレンズmiの配列ピッチPmの中に画素の像が3個入るように、マイクロレンズmiの曲率および/またはマイクロレンズmiと受光部piとの距離を設定する例を示した。
しかし、予定焦点面(焦点検出面)15aにおいて必ずしもマイクロレンズmiの配列ピッチPmの中に画素の像が3個入る構成とする必要はなく、予定焦点面(焦点検出面)15a上でマイクロレンズmiの配列ピッチPmの中に画素の像が少なくとも1個よりも多く入る構成とすればよい。
上述した一実施の形態では、マイクロレンズアレイ15bの裏面(焦点検出センサー15c側の表面)を平面とする例を示したが、裏面にレンズ曲面を形成してもよい。図17は各マイクロレンズmiを両凸レンズとしたマイクロレンズアレイ15bを示す。この例では、マイクロレンズアレイ15bの裏面側のマイクロレンズ曲面に第1遮光膜51と同様な第5遮光膜68を設置する。
なお、図18に示すように、マイクロレンズアレイ15bの裏面のレンズ曲面を表面のレンズ曲面と異なるレンズ曲面に形成してもよい。また、マイクロレンズアレイ15bの一方の面にマイクロレンズmiのレンズ曲面を形成し、他方の面を単一のレンズ曲面に形成してもよい。さらに、図17、図18において、マイクロレンズアレイ15bの裏面側レンズ曲面と焦点検出センサー15cの表面との間に樹脂などの透明媒質を充填してもよい。
上述の一実施の形態では、マイクロレンズによって対応する瞳領域位置が異なるので、例えば図5に示したマイクロレンズに対する瞳領域Aに比べ、紙面向かって左端のマイクロレンズに対応する瞳領域は、Aより左側、すなわち周辺に位置する。したがって、端部の瞳が撮影レンズによりけられて、この部分の対応画素出力が焦点検出に使えなくなる場合もある。このような不具合を避けるために、マイクロレンズアレイ15bの前(撮影レンズ21側)にフィールドレンズを設置してもよい。
上述した一実施の形態では、マイクロレンズアレイ15bと焦点検出センサー15cとを接着する前は、焦点検出センサー15cの受光部piが直に露出している例を示したが、通常の撮像用二次元イメージセンサーのように、各画素(光電変換素子)ごとにマイクロレンズが形成されたラインセンサーを用い、それにさらに一実施の形態の数画素当たり一つのマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイを接合してもよい。
上述した一実施の形態では、マイクロレンズアレイ15bのレンズ曲面部分をガラスで形成する例を示したが、2P法などの公知の手法を応用して平面ガラス基板上に樹脂でレンズ曲面を形成し、マイクロレンズアレイを形成してもよい。
また、マイクロレンズアレイ15b全体をプラスチックで形成してもよい。ただし、全体をプラスチックで形成すると、熱膨張の焦点検出センサー15cのそれとの差が大きくなるので、例えば上述した一眼レフカメラのように、温度変化の大きな環境で用いる機器にはガラスを基板とする構成が適している。さらにBOEや屈折率分布型レンズ等、種々の製法のマイクロレンズアレイを用いる事ができる。
上述した一実施の形態では迷光を遮光する目的のためだけに遮光膜を設置する例を示したが、COG式のセンサーにおいて導電材質で遮光膜を形成し、そこに電気回路を形成してもよい。
このように、一実施の形態によれば、撮影レンズ21の予定焦点面15aから所定距離Lだけ離れた位置に、複数のマイクロレンズmiを所定ピッチPmで配列したマイクロレンズアレイ15bと、マイクロレンズアレイ15bの各マイクロレンズmiに対応して複数の光電変換素子(画素)を有する受光部piを配列し、各マイクロレンズmiを介して予定焦点面15a上の像を受光する焦点検出センサー(受光部アレイ)15cと、焦点検出センサー15cの複数の受光部の画素出力に基づいて撮影レンズ21の焦点調節状態を演算するCPU15eとを備えた焦点検出装置15において、受光部piと対応関係にあるマイクロレンズmi以外のマイクロレンズから当該受光部piへ被写体光束が入射するのを防止する遮光膜51〜54を備えたので、受光部と対応関係にあるマイクロレンズ以外のマイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射して焦点検出精度が低下したり、焦点検出不能になるのを防止することができ、小型で高精度の焦点検出装置を安価にかつ容易に実現できる。
また、一実施の形態によれば、遮光膜51をマイクロレンズアレイ15bの被写体光束の入射面に設けたので、マイクロレンズmiの境界部分を通過する被写体光束が当該マイクロレンズmiと対応関係にある受光部pi以外の受光部へ入射して迷光となるのを防止することができる(図8参照)。
一実施の形態によれば、遮光膜51,52を、マイクロレンズアレイの被写体光束の入射面と射出面との間の中間位置に設けたので、撮影レンズ21の絞り22を小さいF値(明るい値)、例えばF2.8に設定しても、受光部と対応関係にあるマイクロレンズ以外のマイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射して焦点検出精度が低下したり、焦点検出不能になるのを防止することができる(図7、図11参照)。
一実施の形態によれば、遮光膜68を、マイクロレンズアレイ15bの被写体光束の射出面に設けたので、撮影レンズ21の絞り22を小さいF値(明るい値)、例えばF2に設定しても、受光部と対応関係にあるマイクロレンズ以外のマイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射して焦点検出精度が低下したり、焦点検出不能になるのを防止することができる(図17参照)。
一実施の形態によれば、遮光膜51〜54、68を、マイクロレンズアレイ15bの被写体光束の入射面、入射面と射出面の間の中間位置および射出面のいずれか複数の位置に複数枚設けたので、マイクロレンズmiの境界部分を通過する被写体光束が当該マイクロレンズmiと対応関係にある受光部pi以外の受光部へ入射して迷光となるのを防止することができる上に、撮影レンズ21の絞り22を小さいF値(明るい値)、例えばF2.8に設定しても、受光部と対応関係にあるマイクロレンズ以外のマイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射して焦点検出精度が低下したり、焦点検出不能になるのを防止することができる。
一実施の形態によれば、マイクロレンズアレイ15bは複数のマイクロレンズmiを二次元状に配列し、隣り合うマイクロレンズmiにおける受光部piの画素の並び方向を互いに異なる方向に配列するようにしたので、撮影画面内の例えば十時型の焦点検出領域などの異なる複数の方向において焦点検出を行うことができる。
一実施の形態によれば、遮光膜51〜54に、マイクロレンズアレイ15bの各マイクロレンズmiの光軸を中心とする開口を設けたので、受光部piと対応関係にあるマイクロレンズmi以外のマイクロレンズから当該受光部piへ被写体光束が入射するのを確実に防止することができる。
一実施の形態によれば、遮光膜51〜54の開口を円形開口としたので、受光部piと対応関係にあるマイクロレンズmi以外のマイクロレンズから当該受光部piへ被写体光束が入射するのを確実に防止することができる。
一実施の形態によれば、受光部piの画素の並び方向の開口幅を、受光部piの画素の並び方向と直交する方向の開口幅よりも狭くしたので、受光部piの画素に注ぐ光量が多くなり、より暗い被写体に対しても焦点検出が可能になる上に、画素の並び方向の開口幅を狭くすることによって、マイクロレンズmiに対向する受光部pi以外の受光部に被写体光束が入射する、いわゆる迷光の発生を確実に防止することができる。
さらに、上述した一実施の形態とその変形例の焦点検出装置をカメラに装備することによって、小型の装置で撮影レンズの焦点調節における精度、安定性、信頼性を向上させることができる。
一実施の形態の焦点検出装置を備えた一眼レフレックス・デジタルスチルカメラの横断面図 焦点検出装置の詳細な構成を示す図 焦点検出装置周辺部の光路図 図2および図3に示す隣接する6個のマイクロレンズによる受光部と焦点検出面との結像関係(共役関係)を拡大して示した図 マイクロレンズの受光部と焦点検出面との関係を示す図 一実施の形態の遮光膜を示す図 図5(a)に示す遮光膜の一部を拡大した図 マイクロレンズどうしの境界部を通って受光部へ入射する迷光を示す図 縦方向と横方向の2方向にマイクロレンズと受光部を配列した焦点検出装置に遮光膜を設置した例を示す図 縦方向と横方向の2方向にマイクロレンズと受光部を配列した焦点検出装置に遮光膜を設置した例を示す図 第1遮光膜と第2遮光膜の他に、マイクロレンズアレイの内部に第3遮光膜と第4遮光膜を設置した例を示す図 各マイクロレンズのレンズ曲面を広くとって境界をほぼ四角形にした図 マイクロレンズの境界近くまで開口を広くした遮光膜を示す図 マイクロレンズの境界の近くまで開口を広げる際に、受光部の画素の並び方向の開口幅を画素の並び方向と直交する方向の開口幅よりも狭くた遮光膜を示す図 マイクロレンズアレイと焦点検出センサーを収納するパッケージの断面図 マイクロレンズアレイと焦点検出センサーをCOG(Chip On Glass)構造で形成した断面図 各マイクロレンズを両凸レンズとしたマイクロレンズアレイを示す図 マイクロレンズアレイの裏面のレンズ曲面を表面のレンズ曲面と異なるレンズ曲面に形成した図
符号の説明
15 焦点検出装置
15a 焦点検出面
15b マイクロレンズアレイ
15c 焦点検出センサー
15e CPU
21 撮影レンズ
51、51A、51B、51C、51D 第1遮光膜
52、52A 第2遮光膜
53 第3遮光膜
54 第4遮光膜
55、56 境界
Pi 受光部
mi マイクロレンズ

Claims (10)

  1. 撮影光学系の予定焦点面から所定距離だけ離れた位置に、複数のマイクロレンズを所定ピッチで配列したマイクロレンズアレイと、
    前記マイクロレンズアレイの各マイクロレンズに対応して複数の光電変換素子(以下、画素という)を有する受光部を配列し、前記各マイクロレンズを介して前記予定焦点面上の像を受光する受光部アレイと、
    前記受光部と対応関係にある前記マイクロレンズ以外の前記マイクロレンズから当該受光部へ被写体光束が入射するのを防止する遮光膜と、
    前記受光部アレイの複数の受光部の画素出力に基づいて前記撮影光学系の焦点調節状態を演算する焦点状態演算手段とを備えることを特徴とする焦点検出装置。
  2. 請求項1に記載の焦点検出装置において、
    前記遮光膜を、前記マイクロレンズアレイの被写体光束の入射面に設けることを特徴とする焦点検出装置。
  3. 請求項1に記載の焦点検出装置において、
    前記遮光膜を、前記マイクロレンズアレイの被写体光束の入射面と射出面との間の中間位置に設けることを特徴とする焦点検出装置。
  4. 請求項1に記載の焦点検出装置において、
    前記遮光膜を、前記マイクロレンズアレイの被写体光束の射出面に設けることを特徴とする焦点検出装置。
  5. 請求項1に記載の焦点検出装置において、
    前記遮光膜を、前記マイクロレンズアレイの被写体光束の入射面、入射面と射出面の間の中間位置および射出面のいずれか複数の位置に複数枚設けることを特徴とする焦点検出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
    前記マイクロレンズアレイは複数のマイクロレンズが二次元状に配列され、隣り合う前記マイクロレンズにおける前記受光部の画素の並び方向を互いに異なる方向に配列することを特徴とする焦点検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の焦点検出装置において、
    前記遮光膜は、前記マイクロレンズアレイの各マイクロレンズの光軸を中心とする開口を有することを特徴とする焦点検出装置。
  8. 請求項7に記載の焦点検出装置において、
    前記開口を円形開口とすることを特徴とする焦点検出装置。
  9. 請求項7に記載の焦点検出装置において、
    前記受光部の画素の並び方向の開口幅を、前記受光部の画素の並び方向と直交する方向の開口幅よりも狭くすることを特徴とする焦点検出装置。
  10. 請求項1〜9に記載の焦点検出装置を備えることを特徴とするカメラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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