JP2011172174A - 撮像装置、距離画像取得装置、及びこれらの製造方法 - Google Patents

撮像装置、距離画像取得装置、及びこれらの製造方法 Download PDF

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展弘 森田
Jun Watabe
順 渡部
Toshimichi Hagitani
利道 萩谷
Takeshi Maruyama
剛 丸山
Sadao Takahashi
禎郎 高橋
Shin Aoki
青木  伸
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Abstract

【課題】部品点数を削減すると共に、製造時における部品の把持や位置制御を容易にして、製品コストの低減、生産効率の増大、及び装置性能の向上を図ることができるように、各部品の構成や製造方法について工夫すること。
【解決手段】被写体に対向する位置に設けられ、複数のレンズがアレイ配列されたレンズアレイ(1)と、上記レンズアレイの像面側に設けられ、上記複数のレンズのそれぞれにより略結像される上記被写体の縮小像(個眼像という)の集合である複眼像を撮像する撮像手段(4)とから成る撮像装置を前提として、
レンズアレイの各レンズに一対一に対応する貫通孔(2a)を有し、かつ撮像光線に対して不透明性を有するレンズアレイ保持部材(筐体)(2)を備えることである。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズアレイと撮像素子を用いる超小型の撮像装置(カメラ)、距離画像取得装置、及びこれらの製造方法に関する。この超小型の撮像装置や距離画像取得装置は、車載カメラ、監視カメラ、産業用カメラ、医療用カメラ等の様々な分野に応用することができる。
超小型の撮像装置は上記のように様々な用途に利用されており、取り付け場所を選ばず、装置を目立たないように設置することができるように、装置の小型化や薄型化が要請されている。
超小型の撮像装置において、レンズアレイを撮像用のレンズとして用いて、超小型と薄型化を図った従来技術としては、特開2009−201008号公報(「複眼式撮像装置」、引用文献1)に記載されたものがある。この複眼式撮像装置では、レンズアレイ、遮光壁、及び撮像手段等の装置構成部材の相対位置を正確に調整しながら接合する装置の製造方法について、以下のような問題がある。
このような製造方法による製造時には、各構成部材を治具で保持し、位置調整しながら構成部材を接合していく。しかし、構成部材のうちの重要部品のひとつである遮光壁について、遮光壁の壁部分と対応する位置にある撮像手段の画素領域が、遮光壁の影により無効となることを鑑みると、壁厚み(貫通孔と貫通孔の間に介在する遮光壁の壁厚み)はできるだけ薄いことが望まれる。また、撮像手段における撮像面と基板とをつなぐ配線(ワイヤ)と干渉しないように、当該遮光壁の面積は撮像面とほぼ同面積の小ささが望ましい。その結果、製造時の遮光壁の保持をエア吸着により行おうとする場合は、吸着するだけの面積が確保できず、エア漏れを起こすため吸着保持が困難となる。また、他に機構部を用いて機械的に把持しようとする場合でも、その遮光壁の小ささと脆さのために、把持や位置制御が非常に困難である。そして、このような不具合により、装置品質の低下、部品点数の増加、製品コストの増大、及び生産効率の低下などの問題が発生していた。
また、車載カメラ、監視カメラ、又は産業用カメラ等の様々な用途において、自動車やロボット等の周辺環境をより高精度に認識するための距離画像取得装置(ステレオカメラ等)のニーズが高まっており、取り付け場所を選ばず、装置を目立たないよおうに設置することができるように、装置の超小型化の要請も併せて高まっている。
超小型の距離画像取得装置としては、特許第4246258号公報(「測距機能を有する複眼方式の撮像装置」、引用文献2)に記載されたものがある。この複眼方式の撮像装置は、レンズアレイをステレオレンズとして用いるものであるが、当該撮像装置おいても、レンズアレイや撮像手段の他に、遮光壁や各々の保持部材や筐体等の数多くの部品から構成されており、製品コスト増大、生産効率の低下、及び装置性能の低下などの問題を有している。
また、刊行物に記載されたものではないが、本件出願人の先の出願に係る特願2009−255064号の「距離画像取得装置及び距離画像取得処理方法」がある。このものは、レンズアレイを構成する一部のステレオレンズペアを用いた距離画像取得装置において、基線長の異なる2つのレンズペアそれぞれによる規格化視差を用いることにより、距離画像の取得精度を向上させるものである。
そこで、本発明の課題は、従来の撮像装置、距離画像取得装置、及びこれらの製造方法が有する問題点を解決するために、部品点数を削減すると共に、製造時における部品の把持や位置制御を容易にして、製品コストの低減、生産効率の増大、及び装置性能の向上を図ることができるように、各部品の構成や製造方法について工夫することである。
以下に、上記課題を解決するために講じた技術的手段を作用と共に説明する。
(1) 本発明に係る撮像装置(請求項1に対応)は、被写体に対向する位置に設けられ、複数のレンズがアレイ配列されたレンズアレイと、上記レンズアレイの像面側に設けられ、上記複数のレンズのそれぞれにより略結像される上記被写体の縮小像(個眼像という)の集合である複眼像を撮像する撮像手段とから成る撮像装置を前提として、
レンズアレイの各レンズに一対一に対応する貫通孔を有し、かつ撮像光線に対して不透明性を有するレンズアレイ保持部材(筐体)を備えることである。
レンズアレイを用いる超小型の撮像装置(カメラ)においては、重要部品の1つである遮光壁の把持やハンドリングの困難さから、製造コスト、生産効率、及び製品品質の面等で不利な点が生じる。
そこで、上記のように構成することによって、レンズアレイを通過する光線のクロストーク防止機能を持たせたレンズアレイ保持部材を備え、このレンズアレイ保持部材をエア吸着等で把持しながら位置調整や接合を行うことができるので、遮光壁を用いる必要はなく、遮光壁の把持やハンドリングから生じる問題、及びそれに起因して起こる問題を解消することができる。また、遮光壁を用いないことにより、部品点数や組立工程数を削減することができ、製造コストの低減を図ることが可能であり、信頼性を確保することができる。
(2) また、上記(1)の撮像装置において、上記レンズアレイ保持部材が、上記撮像手段における撮像素子と基板との結線部に対する逃げ部を有することができる。(請求項2に対応)
撮像手段における撮像素子を基板と配線するためににワイヤ配線(ワイヤボンディング)を用いることがある。その場合、撮像素子の周囲に非常に細い結線用のワイヤが存在することになるので、レンズアレイ保持部材や遮光部材等の部材が少しでも触れるとワイヤを切断してしまうため、撮像素子が動作しなくなる。
そこで、上記のように構成することによって、レンズアレイ保持部材の逃げ部が、レンズアレイ保持部材と結線部との干渉問題を解消するので、撮像素子にワイヤ配線を用いる場合でも、ワイヤを切断する心配がなく撮像素子の機能を確保することができる。
(3) また、上記(1)の撮像装置において、上記撮像手段による複眼像を単一像に再構成する再構成演算器を備えることができる。(請求項3に対応)
このような構成によって、上記撮像手段による複眼像から、相互の視差を利用して単一像を再構成することができるので、取得される像の解像度を向上させ、撮像装置の性能を向上させることができる。
(4) また、上記(1)の撮像装置において、上記レンズアレイの一部がステレオレンズペアを形成し、当該ステレオレンズペアにより得られる個眼像ペアから距離画像を生成する距離画像生成演算器を備えることができる。(請求項4に対応)
このような構成によって、上記レンズアレイの一部をステレオレンズペアとして作用させ、このステレオレンズペアによる個眼像ペアから距離画像を生成するための距離画像生成演算器を備えることにより、部品点数の削減を図り、超小型の距離画像取得装置の製造コストを低減し、性能の向上を図ることができる。
(5) また、上記(1)の撮像装置において、上記貫通孔が、被写体側から像面側に向かって孔サイズが拡大するテーパ形状を有することができる。(請求項5に対応)
このような撮像装置における貫通孔は、孔と孔の間の壁厚が薄い方が撮像手段の撮像領域を有効に活用するために都合が良い。しかし、貫通孔を有するレンズ保持部材をプラスチック材料で製作する場合、そのような薄い壁厚では、成形型からの成形品の離型性等に起因して製作が困難となる。その結果、厚い壁厚になり、撮像装置において壁と近接する位置にある撮像領域を使用できなくなるため、画素数が低減して撮像性能を低下させる。
そこで、上記のように構成することにより、上記貫通孔が、被写体側から像面側に向かって孔サイズが拡大するテーパ形状を有するので、撮像領域に近接する側は薄い壁厚となり、撮像領域を有効に活用し得ると共に、製造時に成形型からの離型性を確保することができ、撮像装置の性能低下を招くことはない。
(6) また、上記(1)の撮像装置において、上記貫通孔の貫通方向と略垂直な平面内での断面形状が、上記撮像手段と近接する部分において、略矩形形状であっても良い。(請求項6に対応)
上記レンズアレイ保持部材における貫通孔の貫通方向と略垂直な平面内での断面形状は、円形孔が製作容易であるが、一般には、取得画像として長方形や正方形の画像が求められるため、円形孔では撮像に寄与しない撮像領域が生じてしまい、解像度の低下を招くことになる。
そこで、上記のように構成することにより、上記貫通孔の貫通方向と略垂直な平面内での断面形状を、上記撮像領域と近接する部分において略矩形形状とすることにより、矩形の画像取得が可能となるので、撮像装置の性能低下を招くことはない。
(7) また、上記(1)の撮像装置において、上記レンズアレイの被写体側又は像面側の面における当該レンズアレイを構成するレンズの有効部以外の領域を、撮像光線に対して不透明な部材で覆うことができる。(請求項7に対応)
レンズアレイにおいて、像性能を保証するレンズ形状をレンズアレイ全体で形成するのは困難であるため、レンズアレイにおけるレンズの有効部を規定した方が効果的である。しかし、レンズアレイ保持部材における貫通孔によってレンズの有効部を規定するには、上記レンズアレイ保持部材に相当の製作精度が要求されるため、歩留まりや生産効率の低下を招くことになる。
そこで、上記のように構成することにより、上記レンズアレイの被写体側又は像面側の面において、当該レンズアレイを構成するレンズの有効部以外の領域を撮像光線に対して不透明な部材で覆うことにより、効果的にレンズ有効部の規定を図ったので、歩留まりや生産効率の低下を招くことなく、撮像装置の性能を保証することができる。
(8) また、上記(1)〜(7)のいずれかの撮像装置において、上記レンズアレイの像面側の面におけるレンズの有効部以外の領域の少なくとも2箇所に第1のマーク部を設け、上記レンズアレイ保持部材における上記第1のマーク部に略対応する部分に、当該第1のマーク部の断面サイズ以上のサイズを有する第2のマーク部を設けることができる。(請求項8に対応)
このような撮像装置において、レンズの光軸と略垂直な平面内における、上記レンズアレイ保持部材の貫通孔と上記レンズアレイのレンズとの位置関係は、撮像領域を有効に活用し距離検出性能を確保するために、厳密な精度が求められる。
そこで、上記のように構成することによって、上記レンズアレイの第1のマーク部と、上記レンズアレイ保持部材の第2のマーク部を用いて、レンズの光軸と略垂直な平面内での上記レンズアレイ保持部材の貫通孔と、上記レンズアレイのレンズとを高精度に位置合わせすることができる。
(9) また、上記(8)の撮像装置において、上記第1のマーク部をレンズアレイの他の部分と透過率の異なる膜により形成することができる。(請求項9に対応)
このような構成によって、上記第1のマーク部をレンズアレイの他の部分と透過率の異なる膜で形成することにより、余分な構成を付加することなく簡便に形成することができる。
(10) また、上記(8)の撮像装置において、上記第1のマーク部を凹形状、凸形状、又はそれらの組み合わせにより形成することができる。(請求項10に対応)
このような構成によって、上記第1のマーク部を凹形状、凸形状、又はそれらの組み合わせにより形成することにより、レンズアレイのレンズ形状の製作過程において同時に形成可能であり、当該第1のマーク部を効率的に形成することができる。
(11) また、上記(8)の撮像装置において、上記第2のマーク部を開口部により形成することができる。(請求項11に対応)
このような構成によって、上記第2のマーク部を開口部により形成することにより、レンズアレイと相対する面と逆側の面からの光の通過を許容することができるので、第1のマーク部と第2のマーク部の位置関係を調整する場合に、操作性と精度を確保することができる。
(12) また、上記(8)〜(11)のいずれかの撮像装置において、上記レンズアレイ保持部材と撮像手段との間の略レンズの光軸方向における空間に、上記レンズアレイ保持部材や撮像手段とは異なる媒質を介在させることができる。(請求項12に対応)
このような撮像装置においては、上記レンズアレイのレンズと撮像手段との略レンズの光軸方向における位置関係は、レンズの結像関係を保証し、像品質を確保する上で厳密な精度が求められる。
そこで、上記のように構成することによって、上記レンズアレイ保持部材と撮像手段との間の空間に介在させた媒質の略レンズの光軸方向における厚みを厳密に調整することができるので、上記レンズアレイのレンズと撮像手段との略レンズの光軸方向における位置関係を厳密に調整することが可能であり、レンズの結像関係を保証すると共に、像品質を確保することができる。
(13) 本発明に係る上記(12)の撮像装置の製造方法(請求項13に対応)は、接合しようとするレンズアレイ保持部材とレンズアレイに光を照射して、上記第1のマーク部と第2のマーク部における通過光量を検知しながら、上記レンズアレイとレンズアレイ保持部材を接合する第1の工程と、
上記レンズアレイ保持部材と撮像手段の間に介在させた媒質の厚みを、上記撮像手段による複眼像から抽出した特徴量に基づき調整しながら、上記レンズアレイ保持部材と撮像手段を結合する第2の工程とから成ることである。
このように構成することによって、第1の工程により、上記レンズアレイ保持部材とレンズアレイを重ね合わせて光を照射し、第1及び第2のマーク部における通過光量を検知しながら、両者を相対的に位置合わせをして接合することができる。また、第2の工程により、上記レンズアレイ保持部材と撮像手段の間に媒質を介在させ、撮像手段によって撮像される複眼像をモニターしながら、全ての個眼像が略合焦するように両者の間に介在させた媒質の厚みを調整して、両者を結合することができる。
これにより、撮像装置を効率的、かつ高精度に製造することができる。
(14) また、上記(1)〜(7)のいずれかの撮像装置において、上記レンズアレイ保持部材の少なくとも2箇所に第2のマーク部を設け、上記撮像手段における第2のマーク部に対応する部分に、その周辺部分と異なる反射率を有する第3のマーク部を設けることができる。(請求項14に対応)
このような構成によって、上記レンズアレイ保持部材の第2のマーク部と、上記撮像手段の第3のマーク部を用いて、レンズの光軸と略垂直な平面内での上記レンズアレイ保持部材と撮像手段との相対的位置を厳密に調整することができる。
(15) また、上記(14)の撮像装置において、上記レンズアレイ保持部材とレンズアレイとの間の略レンズの光軸方向における空間に、上記レンズアレイ保持部材やレンズアレイとは異なる媒質を介在させることができる。(請求項15に対応)
このような構成によって、上記レンズアレイ保持部材とレンズアレイとの間の空間に介在させた媒質における、略レンズの光軸方向の厚みを厳密に調整することができるので、上記レンズアレイのレンズと撮像手段との略レンズの光軸方向における位置関係を厳密に調整することが可能であり、レンズの結像関係を保証し、像品質を確保することができる。
(16) 本発明に係る上記(15)の撮像装置の製造方法(請求項16に対応)は、接合しようとする上記レンズアレイ保持部材と撮像手段に光を照射して、上記第3のマーク部で反射され上記第2のマーク部を通過する光量を検知しながら、上記レンズアレイ保持部材と撮像手段を接合する第1の工程と、
上記レンズアレイ保持部材とレンズアレイの間に介在させた媒質の厚みを、上記撮像手段による複眼像から抽出した特徴量に基づき調整しながら、上記レンズアレイ保持部材とレンズアレイを結合する第2の工程とから成ることである。
このように構成することによって、第1の工程により、上記レンズアレイ保持部材と撮像手段を重ねて光を照射し、上記第2及び第3のマーク部における光量を検知しながら、両者を相対的に位置合わせをして接合することができる。また、第2の工程により、上記レンズアレイ保持部材とレンズアレイとの間に媒質を介在させ、上記撮像手段によって撮像される複眼像をモニターしながら、全ての個眼像が略合焦するように両者の間に介在させた媒質の厚みを調整して、両者を結合することができる。
これにより、撮像装置を効率的、かつ高精度に製造することができる。
本発明の効果を請求項に従って整理すると、次のとおりである。
(1) 請求項1に係る発明
本発明の撮像装置は、レンズアレイの各レンズに一対一に対応する貫通孔を有し、撮像光線に対して不透明なレンズアレイ保持部材を備えることにより、遮光壁を用いる必要がないので、当該遮光壁の把持や調整から生じる問題、及びそれに起因して生じる問題を解消することができる。また、遮光壁を用いないことにより、部品点数や組み付け工程数を削減することができ、その結果、超小型で薄型の撮像装置において、製造コストを低減し、性能の向上を図ることができる。
(2) 請求項2に係る発明
レンズアレイ保持部材が、撮像手段における撮像素子と基板との結線部に対する逃げ部を備えることにより、上記レンズアレイ保持部材と結線部との干渉を解消することができるので、撮像素子と基板の間にワイヤ配線を用いる場合でも、ワイヤを切断する心配がなく撮像素子の機能を確保することができる。
(3) 請求項3に係る発明
撮像手段による複眼像から、相互の視差を利用して単一像を再構成する演算器を備えることにより、取得される像の解像度を向上させ、撮像装置の性能を向上させることができる。
(4) 請求項4に係る発明
撮像装置におけるレンズアレイの一部をステレオレンズペアとして作用させ、当該ステレオレンズペアによる個眼像ペアから距離画像を生成するための距離画像生成演算器を備えることにより、部品点数を削減することが可能であり、超小型の距離画像取得装置の製造コストを低減し、性能の向上を図ることができる。
(5) 請求項5に係る発明
レンズアレイ保持部材に設けた貫通孔が、被写体側から像面側に向かって孔サイズが拡大するテーパ形状を有することにより、撮像領域に近接する側は薄い壁厚になり撮像領域を有効活用でき、かつ製造時の成形型からの離型も良好に行うことができる。これにより、撮像装置の性能低下を招くことはない。
(6) 請求項6に係る発明
レンズアレイ保持部材の貫通孔における貫通方向と略垂直な平面内での断面形状を、撮像領域と近接する領域において略矩形形状とすることにより、矩形の画像取得が可能となるので、撮像装置の性能低下を招くことはない。
(7) 請求項7に係る発明
レンズアレイの被写体側、又は像面側の面において、当該レンズアレイを構成するレンズの有効部以外の領域を、撮像光線に対して不透明な部材で覆うことにより、効果的にレンズ有効部の規定を図ることができる。これにより、歩留まりや生産効率の低下を招くことなく、撮像装置の性能を保証することができる。
(8) 請求項8に係る発明
レンズアレイの像面側の面におけるレンズ有効部以外の領域の少なくとも2箇所に第1のマーク部を設け、レンズアレイ保持部材における上記第1のマーク部に略対応する部分に、当該第1のマーク部の断面サイズ以上のサイズを有する第2のマーク部を設けることにより、上記第1及び第2のマーク部を用いて、レンズの光軸と略垂直な平面内での上記レンズアレイ保持部材の貫通孔とレンズアレイのレンズとを高精度に位置合わせすることが可能であり、撮像装置の性能を保証することができる。
(9) 請求項9に係る発明
第1のマーク部をレンズアレイの他の部分と透過率の異なる膜により形成することにより、余分な構成を付加することなく簡便に形成することができる。
(10) 請求項10に係る発明
レンズアレイに形成する第1のマーク部を凹形状、凸形状、又はこれらの組み合わせによって形成することにより、上記レンズアレイにおけるレンズ形状の製作過程において、同時に形成することが可能であるので、上記第1のマーク部を効率的に形成することができる。
(11) 請求項11に係る発明
レンズアレイ保持部材に形成する第2のマーク部を開口部により形成することにより、レンズアレイと相対する面と逆側の面からの光の通過を許容することができるので、第1のマーク部と第2のマーク部の位置関係を調整する場合に、操作性と精度を確保することができる。
(12) 請求項12に係る発明
レンズアレイ保持部材と撮像手段との間の略レンズの光軸方向における空間に、上記レンズアレイ保持部材や撮像手段とは異なる媒質を介在させることにより、当該媒質の略レンズの光軸方向における厚みを厳密に調整することができるので、レンズアレイにおけるレンズと上記撮像手段の略レンズの光軸方向における位置関係を厳密に調整することが可能である。これにより、レンズの結像関係を保証し、像品質を確保することができる。
(13) 請求項13に係る発明
第1の工程により、レンズアレイ保持部材とレンズアレイとを相対的に位置合わせをして接合することができ、また第2の工程により、レンズアレイ保持部材の撮像手段に対する位置と傾きを調整して両者を結合することができるので、撮像装置を効率的、かつ高精度に製造することができる。
(14) 請求項14に係る発明
レンズアレイ保持部材の少なくとも2箇所に第2のマーク部を設け、撮像手段における上記第2のマーク部に対応する部分に、その周辺部分と異なる反射率を有する第3のマークを設けることにより、上記第2及び第3のマーク部を用いて、レンズの光軸と略垂直な平面内での上記レンズアレイ保持部材と撮像手段との相対的位置を厳密に調整することが可能であり、撮像装置の性能を保証することができる。
(15) 請求項15に係る発明
レンズアレイ保持部材とレンズアレイとの間の略レンズの光軸方向における空間に、上記レンズアレイ保持部材やレンズアレイとは異なる媒質を介在させ、この介在させた媒質の略レンズの光軸方向における厚みを厳密に調整することにより、上記レンズアレイと撮像手段との略レンズの光軸方向における位置関係を厳密に調整することが可能であり、レンズの結像関係を保証し、像品質を確保することができる。
(16) 請求項16に係る発明
第1の工程により、レンズアレイ保持部材と撮像手段とを相対的に位置合わせをして接合することができ、また第2の工程により、上記レンズアレイ保持部材とレンズアレイとの間に媒質を介在させ、上記レンズアレイの上記撮像手段に対する位置と傾きを調整して、上記レンズアレイ保持部材とレンズアレイとを結合することができるので、撮像装置を効率的、かつ高精度に製造することができる。
図1は、本発明の実施例1による撮像装置の模式図であり、(a)は撮像装置を被写体側からみた正面図であり、(b)は撮像装置の模式的な断面図と演算器のブロック図である。 図2は、同じく実施例1による撮像装置により取得される複眼像の例を示し、この複眼像から距離画像を取得する処理方法の一部を説明する図である。 図3は、同じく実施例1による撮像装置により取得される複眼像から、解像度を保証した単一像を再構成する処理方法を模式的に説明する図である。 図4は、同じく実施例1による撮像装置により取得される複眼像から、解像度を保証した単一像を再構成する処理フローを説明するフロー図である。 図5は、同じく実施例1による撮像装置により取得される複眼像から、距離画像を取得する演算器のブロック図である。 図6は、同じく実施例1による撮像装置の製造工程を説明するフロー図である。 図7は、本発明の実施例2による撮像装置の模式的な断面図である。 図8は、同じく実施例2による撮像装置において、筐体と撮像手段の相対位置関係の調整方法を説明する模式図であり、(a)は筐体と撮像手段が正しい相対位置にある場合、(b)は相対位置がずれている場合を示す。 図9は、同じく実施例2による撮像装置の製造工程を説明するフロー図である。
本発明は、撮像装置、距離画像取得装置、及びこれらの製造方法において、製品コストの低減、生産効率の増大、及び装置性能の向上を図るという目的を、部品点数を削減すると共に、製造時における部品の把持や位置制御を容易にすることにより、遮光壁を用いることなしに実現することである。
以下に、本発明の実施例1による撮像装置について、図1〜図6に基づいて説明する。
先ず、本実施例1の撮像装置の構成について、図1を参照しながら説明する。図1(a)は、撮像装置を被写体側からみた模式図であり、図1(b)は、撮像装置の模式的な断面図と演算器のブロック図である。これらの図面では、同じ部品に同じ符号を付けている。
図1における符号1はレンズアレイであって、被写体側の面と像側の面から成り、それぞれに所定形状の曲面1a,1bがアレイ配列されて形成されている。そして、これらのレンズ作用により被写体からの光線が略像面上にて結像する。上記所定形状の曲面1a,1bは、結像特性に応じて球面又は非球面のいずれをも使用でき、また回折レンズであっても良い。
符号2は筐体(レンズアレイ保持部材)であり、レンズアレイ1と接着剤を介して接合され、このレンズアレイ1を所定位置に保持する機能と、装置内に粉塵等を侵入させない保護機能を有するものである。この筐体2は、黒色等の撮像光線に対して不透明性を有するプラスチック材料の成形加工により作製されており、レンズアレイ1におけるレンズと一対一に対応する位置に貫通孔2aが開けられている。この貫通孔2aは、レンズアレイ1を通過する光線の像面上でのクロストークを防止する作用を有している(請求項1)。また、上記貫通孔2aのレンズの光軸と略垂直な平面における断面形状は、略矩形形状をなしており(請求項6)、当該矩形形状で区切られることによって、像面では略矩形の個眼像(被写体の縮小像)がアレイ配列して構成される複眼像が形成される。
さらに、上記筐体2の貫通孔2aは、被写体側から像面側に(図の上から下に)向かうにつれて、貫通孔2aと貫通孔2aの間に介在する壁部2bが細くなるテーパ形状を有している(請求項5)。この貫通孔2aのテーパ形状には、以下の2つの意義が存在する。即ち、後述するように当該壁部2bと近接する位置にある画素領域には、壁部2bによる影像が生じ、当該画素は画像の無効領域となる。像面側で壁部2bの厚みが細くなるような上記貫通孔2aのテーパ形状は、そのような画像の無効領域をより少なくするという第一の意義がある。また、当該筐体2は、成形加工によって金型の形状を転写した成形品として得られるが、金型から成形品を離型する際に離型し易くなるという第二の意義がある。即ち、図に示すような壁部2bの構造は溝を切った金型から得られるが、深さが溝幅に対して相対的に深く、アスペクト比(溝幅と深さの比)が高い場合には、離型時に壁部2bが折れてしまい、金型から正確な形状で取り外せなくなることを防ぐ趣旨である。
レンズアレイ1の被写体側の面には、レンズの有効径内以外の領域を通過する光線が、撮像面に到達することを防ぐために、不透過性の黒インク薄膜3が塗布されている(請求項7)。当該黒インク薄膜3は、いわゆる開口絞りとして作用する。
レンズアレイ1を通過した被写体からの光線は、レンズの略像面位置で結像し、撮像手段4により被写体像が撮像される。撮像手段4は、CMOSセンサ(撮像素子)4aと、CMOSセンサ4aが貼り付けられ、所定の回路を施した基板4bとから構成されており、これらはワイヤ4cにより結線されている。CMOSセンサ4aの画素信号はワイヤ4cを介して基板4bに送られ、画像信号として演算器20に転送される。当該ワイヤ4cは非常に細い金属線からなるため、僅かに触れただけでも切断して信号伝送の機能を果たさなくなる。そこで、ワイヤ4cに触れることのないように、図1(b)に示されるように、筐体2における壁は、CMOSセンサ4aの撮像面の上方のみをカバーするように位置されており、また、筐体2にはワイヤ4cの逃げ部として作用する空間2cが設けられている(請求項2)。
CMOSセンサ4aによる信号は、複眼像として画像キャプチャ部21によりキャプチャされる(図1(b))。本実施例1の撮像装置により撮像された複眼像の例を図2に示す。図2における符号7a〜7dが、レンズアレイ1の各レンズに対応する個眼像であり、各個眼像7a〜7dの集合として複眼像が形成される。各個眼像7a〜7dは、それぞれのレンズの位置に応じて、被写体の異なる方向から観察した像であり、それぞれの個眼像は相互に視差を有している。符号8は、筐体2における壁部2bの影に相当する画素領域であり、この壁部2bの影部分は取得される画像情報に寄与しない無効領域となる。そのため、上述したように壁部2bがテーパ形状になって、影領域がより細くなった方が画素を有効に使用できることになる。上記画像キャプチャ部21にキャプチャされた複眼像において、壁部2bの影による無効領域が閾値処理等により除去されて、各個眼像7a〜7dが独立して取得される。
次に、取得した複眼像から単一像を再構成するための演算処理について、図2〜図4を参照しながら説明する。図2は撮像装置により撮像される複眼像であり、図3は複眼像から単一像を再構成する処理方法を説明する模式図であり、図4は処理方法を説明するフロー図である。
各レンズの位置に伴う像の視差は、レンズ主平面から被写体までの距離(被写体距離)と、レンズ主平面から撮像面までの距離(像面距離)との比に基づく光学倍率、及びレンズアレイ1における各レンズ間隔(基線長)により決定される。個眼像内に複数の被写体が存する場合は、被写体ごとで異なる視差となるが、平均的な視差で代用される場合や、撮像装置に一番近い被写体にフォーカスしたい場合など、被写体距離を一意的に決められる場合は、レンズ間隔と像面距離を用いて視差は一意的に決定される。
再構成処理では、図4に示されるように、先ず複眼像を取得し(ステップS1)、この複眼像の中から上記壁部2bの影を除去した個眼像7a〜7dを抽出する(ステップS2)。個眼像の中の1つのペア、例えば個眼像7aと個眼像7dのように垂直方向と水平方向に視差を有するペアから、上記の一意的に決まる視差を相互相関演算等により取得し(ステップS3)、視差を用いた複眼像から単一像への変換演算を行った後(ステップS4)、再構成像を出力する(ステップS5)。単一像への変換演算は、図3に示されるように、複眼像における個眼像から画素輝度を取り出し、個眼像の位置と視差に応じて、演算器内の仮想空間における再構成像11の所定位置に、その取り出した画素輝度を配置する。各個眼像の全画素に対して上記画素輝度の配置を繰り返すことにより、再構成像を取得することができる。仮想空間における再構成像11のサイズを個眼画像10aのサイズより大きくしておき、サブピクセルの視差を利用して上記再構成処理を実施すれば、個眼像の解像力より高い解像力で再構成像を取得することができる。(請求項3)
次に、本撮像装置で得られる複眼像の別の利用形態として、距離検出を行う場合について、図1、図2及び図5参照しながら説明する。撮像装置のレンズアレイ1等のハードウェアの構成は、図1に示したものと同じであるが、演算器は図5にブロック図で示した演算器30に変更する。この演算器30では、画像キャプチャ部31によりキャプチャされた複眼像(図2の複眼像と同じ)のうち、1対の個眼像ペア、例えば個眼像7cと個眼像7dが2つの画像データとして抽出される。これらの画像データは視差検出部32に転送される。ここでの視差検出は、一方の個眼像7c内の微小ブロック(例えば、図2の符号9で示した微小ブロック)を他方の個眼像7d内の微小ブロック(図2の符号9'で示した微小ブロック)と対比させながら、例えば相互相関を利用したブロックマッチング演算により実施される。そして、微小ブロック9を個眼像7c内で図2の矢印方向に走査することにより、個眼像全体の微小ブロック(画素ごとにずらせば全画素)での視差を検出することができる。微小ブロック又は画素ごとに検出された視差量を、次の(1)式に代入することによって、微小ブロック又は画素ごとでの距離が算出され、これらを画像として結合することにより距離画像を取得することができる。


上記(1)式において、Bはレンズペアを構成するレンズの配列軸方向の距離、即ち基線長、fはレンズアレイにおけるレンズの焦点距離、Sは上記微小ブロックごとで検出される視差(単位は画素)、iは微小ブロ ック番号、pはCMOSセンサの画素ピッチ(画素サイズ)である。(請求項4)
次に、上記実施例1による撮像装置(図1を参照)の製造方法の一例について、図1及び図6を参照しながら説明する。図6は撮像装置の製造方法を説明するフロー図である。
図1に示された撮像装置おいて、レンズアレイ1には、結像に寄与しない領域の2箇所に、黒インクを塗布して形成された略円形の第1のマーク部5が施されている(請求項9)。一方、筐体2の当該第1のマーク部5に対応する所定位置には、第2のマーク部である略円形形状の開口部6が開けられている(請求項11)。この撮像装置を製造する工程では、レンズアレイ1と筐体2を接合する際に、両者を略重ね合わせた被写体側の面、又は像側の面のいずれか一方の方向から光を照射し、他方の方向から各開口部6,6を通過してくる光量を検知しながら、その通過光量が最も少なくなるように、レンズアレイ1と筐体(レンズアレイ保持部材)2を面内シフト及び面内回転をさせて相対的位置を調整する。調整が完了したらレンズアレイ1と筐体2を突き当て(ほぼ完全に重ね合わせ)、両者の接触部の一部又は全部に接着剤を塗布して接合する。これによって、両者の相対的な位置合わせを厳密に行った上で、両者を接合することができる。
なお、上記第1のマーク部5と開口部(第2のマーク部)6の直径を厳密に一致させなくても、開口部6の直径を第1のマーク部5の直径より大きくしておけば、上記の通過光量の変化は検出可能である(請求項8)。また、上記の方法では第1のマーク部5を黒インクにより形成したが、そのような透過率の異なる材質のものを塗布しなくても、凹面もしくは凸面形状、又はそれらの組み合わせにより第1のマーク部5を形成しても良い。さらに、面形状による光の屈折作用により、マーク位置が観察又は検知することができるため、それらの形状を位置合わせ用の第1のマーク部5として用いても良い(請求項10)。
また、図1に示された撮像装置において、筐体2と基板4bの間のレンズ光軸方向には隙間が空いており、接着剤2dが充填されている(請求項12)。この隙間は、レンズアレイ1におけるレンズを介して、被写体と像が所定の結像関係を有するように調整されている。即ち、レンズアレイ1と筐体2を位置決めして接合した後、筐体2の所定の面、例えば2e面をエア吸着し、筐体2を把持する。そして、所定の被写体距離に撮像ターゲットとなるチャートを設置し、それをレンズアレイ1で結像させる。撮像手段4により撮像された当該ターゲットチャートの複眼像をモニターしながら、全ての個眼像が略合焦するように(「複眼像から抽出した特徴量」に基づいて)、筐体2の略レンズの光軸方向における位置と傾きを調整する( 請求項13における「複眼像から抽出した特徴量」は、上記個眼像の合焦の程度に相当する)。複眼像の合焦調整ができたら、図1(b)に示すように、筐体2と基板4bとの間の位置に接着剤2dを塗布し、筐体2と撮像手段4を接合する。
以上のようにして、レンズを介して被写体と像が所定の結像関係を有するように調整した上で、レンズアレイ1を取り付けた筐体2と撮像手段4とを接合させることができる(請求項9における「媒質」は、上記接着剤に相当する)。接着剤2dを筐体2と撮像手段4との間に塗布せず、筐体2の側面に塗布して、筐体2と撮像手段4とを接合することも可能である(この場合は、筐体2と撮像手段4との間に介在する空気が「媒質」に相当する)。
なお、レンズアレイ1を取り付けた筐体2と撮像手段4との、レンズの光軸と略垂直な平面内でのシフトや回転調整は、上記壁部2bの影の画像をモニターしながら、上記レンズの光軸方向の調整と並行して実施可能である。以上の製造工程の処理フローを図6に示す。(請求項13)
本発明の実施例2による撮像装置について、図7〜図9に基づいて説明する。
先ず、本実施例2の撮像装置の構成について、図7を参照しながら説明する。図7は撮像装置の模式的な断面図であって、図1(b)と同様な図であり、図1と同じ部品は同じ符号を付しており、同じ機能や作用を有する。
図7に示された本実施例2の撮像装置と、上記実施例1の撮像装置(図1を参照)との相違点は、主に2点である。第1の相違点は、撮像手段4の基板4bと筐体(レンズアレイ保持部材)2との間に、接着剤(媒質)2d(図1(b)を参照)を介在させず、両者を略接触させた状態で接着剤12により接合している点である。しかし、これではレンズアレイ1と撮像手段4との結像関係を保証できないので、第2の相違点として、レンズアレイ1と筐体2の間に接着剤(媒質)13を介在させ、当該接着剤13の厚みを規定することによって、上記結像関係を保証している点である(請求項15)。
次に、本実施例2による撮像装置の製造方法について、図7〜図9を参照しながら説明する。図7は撮像装置の模式的断面図、図8は製造工程での筐体と撮像手段の相対位置関係の調整方法を説明する模式図、図9は製造工程の処理フローを説明するフロー図である。
図7には図示されていないが、撮像手段4において、図1(a)における第1のマーク部5と開口部(第2のマーク部)6に対応する位置には、開口部6の直径以下の直径を有し、円形ミラーとして作用する第3のマーク部であるアルミ薄膜14が蒸着されている(請求項14)。このアルミ薄膜14は、撮像手段4と筐体2のレンズ光軸と略垂直な平面内での位置調整のために用いる。図8を用いてその様子を説明する。図8において、符号4a及び4bは撮像手段4の撮像素子(CMOSセンサ)及び基板、2は筐体、2a及び2bは筐体2の貫通孔及び壁部、6は筐体2に形成された位置合わせ用開口部(第2のマーク部)、14は撮像手段4に蒸着されたアルミ薄膜であり、レンズアレイ1を取り付けずに、筐体2のみを撮像手段4に重ねたときの様子が示されている。
また、図8(a)は、筐体2が撮像手段4に対して正しい相対的位置にある場合であり、図8(b)は、筐体2が撮像手段4に対してレンズ光軸と略垂直な平面内で回転及びシフトした場合である。両者を略重ね合わせた状態で、筐体2の開口部6の方向(筐体2を挟んで撮像手段4に対し反対側の方向)から光を照明したときに、図8(a)のように、正常な状態であって開口部6とアルミ薄膜14がほぼ同じ位置にあれば、照明光はアルミ薄膜14の全体で反射され、開口部6を照明方向とは逆方向に戻ってくる。そして、その場合の戻り光の光量は最大となる。しかし、図8(b)のように、筐体2と撮像手段4との間に上記の回転及びシフトがあり、それに伴って開口部6とアルミ薄膜14の相対位置がずれていると、照明光はアルミ薄膜14の一部でしか反射されないので、その戻り光の光量は低下する。そのとき、筐体2をエア吸着などで把持し、当該戻り光の光量を検知しながら筐体2と撮像手段4の相対位置を調整することにより、上記正常な状態(図8(a))を作り出すことができる。このようにして調整ができたら、図7に示されるように接着剤12を塗布し、筐体2と撮像手段4を接合する。
次に、レンズアレイ1をエア吸着等で把持しながら筐体2に近づけ、レンズアレイ1により結像され、撮像手段4により撮像されたターゲットチャートの複眼像をモニターする。そして、複眼像を構成する全ての個眼像で焦点の合ったターゲットチャート像が得られるように、レンズアレイ1の略レンズ光軸方向における位置及び傾きを調整する。レンズの光軸と略垂直な面内でのレンズアレイ1の回転及びシフトの調整については、被写体方向から光を照明し、撮像手段4に形成されたアルミ薄膜14により反射され、筐体2の開口部6を通過してくる戻り光が、レンズアレイ1における黒インク薄膜(図1(a)の第1のマーク部5を参照)により最も遮られる位置を、当該戻り光の光量を検知しながら見つけるようにすれば、当該回転及びシフトの誤差が除去される。そして、レンズの光軸と略平行な方向及び垂直な方向における所定位置にレンズアレイ1を位置決めできたら、図7に示されるように、接着剤13をレンズアレイ1と筐体2の接触部分に塗布し、固化して両者を接合させる。(請求項16)
以上により、レンズアレイ1、筐体2、及び撮像手段4について、所定の相対位置関係を確保しつつ、撮像装置を効率良く製造することができる。以上の製造工程のフローを図9に示す。
1…レンズアレイ 1a,1b…所定形状の曲面
2…筐体(レンズアレイ保持部材) 2a…貫通孔 2b…壁部 2c…空間(逃げ部)
2d…接着剤 2e…(筐体の所定の)面
3…黒インク薄膜(不透明な膜) 4…撮像手段
4a…CMOSセンサ(撮像素子) 4b…基板
4c…ワイヤ 5…第1のマーク部
6…開口部(第2のマーク部)
7a,7b,7c,7d…個眼像(被写体の縮小像)
8…壁部の影部分の画像領域
9,9’…微小ブロック(個眼像内の)
10…複眼画像 10a…個眼画像
11…再構成像 12,13…接着剤
14…アルミ薄膜(第3のマーク部) 20,30…演算器
21,31…画像キャプチャ部 22,32…視差検出部
23…再構成処理部 33…距離画像生成部
特開2009−201008号公報 特許第4246258号公報

Claims (16)

  1. 被写体に対向する位置に設けられ、複数のレンズがアレイ配列されたレンズアレイと、前記レンズアレイの像面側に設けられ、前記複数のレンズのそれぞれにより略結像される前記被写体の縮小像(個眼像という)の集合である複眼像を撮像する撮像手段とから成る撮像装置において、
    レンズアレイの各レンズに一対一に対応する貫通孔を有し、かつ撮像光線に対して不透明性を有するレンズアレイ保持部材を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記レンズアレイ保持部材が、前記撮像手段における撮像素子と基板との結線部に対する逃げ部を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像手段による複眼像を単一像に再構成する再構成演算器を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記レンズアレイの一部がステレオレンズペアを形成し、当該ステレオレンズペアにより得られる個眼像ペアから距離画像を生成する距離画像生成演算器を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記貫通孔が、被写体側から像面側に向かって孔サイズが拡大するテーパ形状を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記貫通孔の貫通方向と略垂直な平面内での断面形状が、前記撮像手段と近接する部分において、略矩形形状であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記レンズアレイの被写体側又は像面側の面における当該レンズアレイを構成するレンズの有効部以外の領域を、撮像光線に対して不透明な部材で覆うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  8. 前記レンズアレイの像面側の面におけるレンズの有効部以外の領域の少なくとも2箇所に第1のマーク部を設け、前記レンズアレイ保持部材における前記第1のマーク部に略対応する部分に、当該第1のマーク部の断面サイズ以上のサイズを有する第2のマーク部を設けることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の撮像装置。
  9. 前記第1のマーク部を前記レンズアレイの他の部分と透過率の異なる膜により形成することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記第1のマーク部を凹形状、凸形状、又はそれらの組み合わせにより形成することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  11. 前記第2のマーク部を開口部により形成することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  12. 前記レンズアレイ保持部材と前記撮像手段との間の略レンズの光軸方向における空間に、前記レンズアレイ保持部材や前記撮像手段とは異なる媒質を介在させることを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれかに記載の撮像装置。
  13. 接合しようとする前記レンズアレイ保持部材と前記レンズアレイに光を照射して、前記第1のマーク部と第2のマーク部における通過光量を検知しながら、前記レンズアレイと前記レンズアレイ保持部材を接合する第1の工程と、
    前記レンズアレイ保持部材と前記撮像手段の間に介在させた媒質の厚みを、前記撮像手段による複眼像から抽出した特徴量に基づき調整しながら、前記レンズアレイ保持部材と前記撮像手段を結合する第2の工程とから成ることを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の製造方法。
  14. 前記レンズアレイ保持部材の少なくとも2箇所に第2のマーク部を設け、前記撮像手段における前記第2のマーク部に対応する部分に、その周辺部分と異なる反射率を有する第3のマーク部を設けることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の撮像装置。
  15. 前記レンズアレイ保持部材と前記レンズアレイとの間の略レンズの光軸方向における空間に、前記レンズアレイ保持部材や前記レンズアレイとは異なる媒質を介在させることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
  16. 接合しようとする前記レンズアレイ保持部材と前記撮像手段に光を照射して、前記第3のマーク部で反射され前記第2のマーク部を通過する光量を検知しながら、前記レンズアレイ保持部材と前記撮像手段を接合する第1の工程と、
    前記レンズアレイ保持部材と前記レンズアレイの間に介在させた媒質の厚みを、前記撮像手段による複眼像から抽出した特徴量に基づき調整しながら、前記レンズアレイ保持部材と前記レンズアレイを結合する第2の工程とから成ることを特徴とする請求項15に記載の撮像装置の製造方法。
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