JP4289707B2 - 焦点検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀塩フィルムを使う一眼レフレックスカメラや、一眼レフレックス電子カメラあるいはビデオカメラなどに使用できる焦点検出装置、特に対物レンズ(撮影レンズ)の焦点調整状態を所謂像ずれ方式を用いて検出する光学機器に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、多くの写真用カメラあるいはビデオカメラは自動焦点調節のための焦点検出装置を内蔵している。またその測距範囲もファインダー中央のみならず、中央から左右方向や上下方向に距離が離れたところにも設定したものが実現されている。
【0003】
これは複数の焦点検出系を配置する事によって実現されている。特に一眼レフカメラのように厳しいピント精度が要求される焦点検出装置においては、対物レンズによる結像光束を一組の再結像レンズへ導き、これら再結像レンズにより形成された被写体像に関する複数の光量分布を光電変換素子の受光素子列(画素列)で受け、両光量分布の間隔から対物レンズの焦点調節状態を検出する装置が一般的に用いられている。
【0004】
しかしながらこの方法では焦点を検出するためには原理的に光電変換素子の画素列に垂直な方向にパターンを有する被写体の光量分布が必要で、場合によっては受光素子列に光量分布が生じないために焦点検出が出来ない欠点を有していた。
【0005】
これを解決するために、画素列を直交させるような二組の受光素子列を配置して、被写体の光量分布の方向によらずに焦点検出を可能とする焦点検出装置が提案され実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
焦点検出を被写体像の光量分布の方向によらない多様な被写体に対して可能とする為には受光手段として画素列を直交させた2組の光電変換素子を用いる必要がある。
【0007】
また焦点検出領域を撮影範囲の中央のみならず上下左右離れたところにも設定するには、焦点検出系を各焦点検出領域に対応させて多数設置する必要がある。
【0008】
撮影範囲の中央から上下左右離れたところに設定された焦点検出領域において、多様な被写体に対して焦点検出を可能とする為には、直交した二組の光電変換素子を配置しなければならないが、これは構成上、難しい。この理由は周辺の領域では撮影レンズのヴィネッティングによって撮影レンズの射出瞳が小さくなるために直交する二組の焦点検出光学系をレイアウトすることが困難だからである。
【0009】
一般にヴィネッティングによって撮影レンズの射出瞳の幅は像高を取る光軸から伸びる放射方向で像高が増すに従って急激に狭くなり、それに比して放射直線に垂直な方向の幅の減少は小さく放射状方向の幅よりも広くなる。従ってヴィネッティングの大きい撮影レンズに対応させようとすると、放射直線に垂直な方向に絞りを分割する方が焦点検出の精度や焦点検出系の明るさ等から容易である。しかしながら放射線に沿って絞りを分割することは難しい。
【0010】
本発明は、複数の焦点検出領域を有し、多様な被写体の焦点検出を可能としながらも、小型で簡易な構成の焦点検出装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の焦点検出装置は、
対物レンズの焦点面近傍に配置され、開口部を備える視野マスクと、
該視野マスクの開口部を通過した光束を集光するフィールドレンズと、
前記視野マスクの開口部及び前記フィールドレンズを通過した光束が入射し、前記対物レンズの焦点調節状態に応じて相対位置が変化する複数の光量分布を形成するレンズ対を備える再結像レンズと、
該再結像レンズにより形成される複数の光量分布を検出する受光手段とを有する焦点検出装置において、
前記視野マスクの画面周辺領域に形成された開口部は、該視野マスクの画面中心領域と該開口部を結ぶ直線に対して垂直方向に延びる第1の開口と、該第1の開口に直交する第2の開口とから成り、
前記再結像レンズは前記第1の開口が延びる方向に配列された第1のレンズ対と、前記第2の開口が延びる方向に配列された第2のレンズ対とを備えており、
前記再結像レンズの前記対物レンズ側に配置された絞りマスクは、前記第1のレンズ対に対応する一対の開口である第1絞りと、前記第2のレンズ対に対応する一対の開口である第2絞りとを備えており、
前記第2絞りの開口中心間隔が、前記第1絞りの開口中心間隔よりも長いことを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明は請求項1の発明において、
前記再結像レンズは、前記対物レンズ側の面にプリズム部が形成されており、該プリズム部により偏向された光束が、前記受光手段側の面に形成されたレンズ部に入射することを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明は請求項1の発明において、
前記再結像レンズの前記第1のレンズ対または前記第2のレンズ対に対応する各レンズ部は、前記再結像レンズの互いに反対側の面に形成されていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を一眼レフレックスカメラに適用した実施形態の構成図である。図1において、21は脱着可能または固定の対物レンズ(撮影レンズともいう)、8は対物レンズ1の瞳、1は対物レンズ1の光軸である。光軸1 にそって入射する光束は半透過部を備えるクイックリターンミラー22に達し、二つの光束に分割される。反射される光軸にそってフォーカシングスクリーン23、ペンタプリズム24、接眼レンズ25が配置され、ファインダー像の視認のためファインダー系を構成する。
【0016】
一方クイックリターンミラー22を透過する光軸にそって、可動なサブミラー26、ついで図中2乃至7の各要素で示される焦点検出系が配置され、焦点検出系の出力にもとづき、図示されていない駆動機構によって対物レンズ21の焦点状態が調節される。
【0017】
図2は図1の焦点検出系を反射ミラー4を省略して展開した形で図示したものである。図3〜図7は図2の一部分の説明図である。次に図2乃至図7を使って本発明の焦点検出装置の構成を説明する。2は対物レンズの焦点面近傍におかれる視野絞り(視野マスク)である。
【0018】
図3は正面から、視野マスク2を見たときの図であり、3つの十字形状の開口部2a,2b,2cを持ち、横手方向(光軸中心から放射方向)に長い3つの焦点検出領域(開口)2a2,2b2,2c2と、縦方向に長い3つの焦点検出領域(開口)2a1,2b1,2c1を備えている。
【0019】
ここで焦点検出領域2b1は第1の焦点検出領域(第1の開口)、焦点検出領域2b2は第2の焦点検出領域(第2の開口)を形成している。ここで第1の開口2b1は視野マスク2の画面中心領域と開口部2bを結ぶ直線に対して垂直方向に延びている。第2の開口2b2は第1の開口2b1に直交している。
【0020】
焦点検出領域2a1,2b1,2c1の視野の長手方向は、図2の紙面垂直方向に長く、紙面上下方向に3つの開口部2a,2b,2cが並んで配置されている。
【0021】
3は三分割されたフィールドレンズ部3a,3b,3cを有するフィールドレンズで、視野マスク2の近傍に、対物レンズ21の焦点面から少し離れて配置されている。
【0022】
図4はフィールドレンズ3を正面から見た図である。フィールドレンズ3は焦点距離の異なる第1のフィールドレンズ部3a,および2つの第2のフィールドレンズ部3b,3cからなっている。図4では点線で焦点検出領域を示している。
【0023】
5は焦点検出光学系の絞りマスク(絞り)である。図5は絞りマスク5を正面から見た図で、視野マスク2上の焦点検出領域(2a、2b、2c)に対する3組の2対4つのレンズからなる2次結像レンズ6の有効領域を決める為の3組(5a,5b,5c)の2対4つの開口部(絞り開口)を有している。ここで、絞りマスク5の開口部5b11,5b12は第1絞り、開口部5b21,5b22は第2絞りである。
【0024】
6は再結像レンズであり、2対を1組のレンズ部(2つのレンズ対)を3カ所に有し、視野マスク2の開口部を通して対物レンズ1の像をセンサー(受光手段)7上に再び結像する作用を有する。
【0025】
図6は再結像レンズ6の正面図および側面図である。レンズ6b11とレンズ6b12は第1の再結像レンズ(第1のレンズ対)、レンズ6b21とレンズ6b22は第2の再結像レンズ(第2のレンズ対)である。7は光電変換デバイス(受光手段)である。
【0026】
図7は光電変換デバイス7を正面から見た図で受光素子列の長手並び方向が図1の紙面上下方向に対応している。
【0027】
視野マスク2の開口部2a,2b,2cを通った光束はフィールドレンズ3のフィールドレンズ部3a,3b,3cを透過し、光電変換デバイス7上に対物レンズ21による物体像の2次像を形成する。
【0028】
図7にこの様子が示してある。3つの領域7A,7B,7C内に、各々多数の画素より成る画素列(受光素子列)が2対で4列のセンサー列を有している。これらの画素列に対応して視野マスク2の開口2a1,2a2,2b1,2b2の像が図7の画素列を囲む点線で示す領域に投影され、この内部に物体の2次像が形成される。
【0029】
一つの開口部2aにつき、2組のレンズ対(6a11,6a12,6a21,6a22)によって4つの2次像(7a11,7a12,7a21,7a22)が図7の点線のように形成され、物体像の2次像は対物レンズ21の焦点調節状態によってそれぞれのセンサー列の長手方向に移動する。
【0030】
同一直線上に並ぶ各画素列の組はそれぞれに対応する同じ視野マスク2の開口部の像について、光電変換素子7上の2次像の相対的間隔をそれぞれ検出する事により、視野マスク2の開口部それぞれについて、対物レンズ1の焦点調節状態を検出する事が出来る。
【0031】
フィールドレンズ3は3つに分割された焦点距離の異なるフィールドレンズ部(3a、3b、3c)より成っている。焦点検出装置のフィールドレンズ3の役割は、焦点検出の対象となる対物レンズ21の射出瞳8と焦点検出装置の絞りマスク5を共役の関係で結ぶ事にある。
【0032】
言い換えれば焦点検出装置の絞りマスク5を対物レンズ21の射出瞳位置8に投影するように設定される。
【0033】
ここで焦点検出領域の方向と、絞りマスク5の絞り開口、2次結像レンズ6,センサー列7の方向との関係を説明する。図3の中央部の一方の焦点検出領域2a1に対応する絞り開口は図5の絞り開口5a11,5a12であり、図中の直線51の方向に対物レンズ21の入射瞳8を分割している。同じく図3の他方の焦点検出領域2a2に対応する絞り開口は図5の絞り開口5a21,5a22であり、図中の直線52の方向に対物レンズ21の入射瞳を分割している。
【0034】
二つの直線51,52は絞り開口の重心間隔を示していて、この距離が焦点検出系の精度を決定するパラメータになり、絞り開口の大きさが焦点検出系の光学系としての明るさを決定する。これらの瞳分割方向は視野マスク2の開口が直交する方向と一致しており、これはセンサー列7の方向とも一致している。
【0035】
中央部の焦点検出領域2a1に対応する2次結像レンズ6のレンズ対は図6のレンズ対6a11,6a12で図5の絞りマスク5の絞り開口5a11,5a12の位置に一致している。その他の2次結像レンズも同様にそれぞれの絞りマスク5の絞り開口に一致して配置されている。
【0036】
図6の2次結像レンズ6のレンズ対6a11、6a12によって図3の視野マスク2の中央部分の十字開口部の一方2a1がセンサー7上に図7の像7a11,7a12のごとく投影され、センサー列上に撮影レンズによる開口部中の像が2次結像され、センサー7で光量分布として検出される。
【0037】
同様に2次結像レンズ6のレンズ対6a21、6a22によって図3の視野マスク2の中央部分の十字開口部の他方2a2がセンサー7上に図7の像7a21,7a22の如く投影され、センサー列上に撮影レンズによる開口部中の像が2次結像され、センサーに光量分布として検出される。
【0038】
図7の像7a11,7a12又は像7a21,7a22の二つの像が撮影レンズのピント変化によってセンサー列方向に移動する為、この間隔を測定することによってピントの位置を検出することができる。
【0039】
次に本発明による画面周辺の焦点検出領域の絞りマスク5の絞り開口を視野の方向によって異ならせることの効果を説明する。
【0040】
正確な焦点検出を行う為には焦点検出を行う対物レンズ21の射出瞳8の中に焦点検出光学系の絞りマスク(入射瞳)5を投影する必要がある。言い換えれば焦点検出光学系の絞りマスク5をフィールドレンズ3によって撮影レンズ21の射出瞳8上に結像して、その像が撮影レンズ21の射出瞳8からはみ出さないようにしておかなければならない。
【0041】
このような瞳の結合関係が保たれない場合、所謂焦点検出系の瞳にけられが生じ、十分な光束がセンサー上に到達しない為、センサー上の光量分布に不均一性が生じることになる。
【0042】
従って、センサー上の2像の光量分布から2次像の間隔を検出して焦点検出を行う焦点検出装置では正確な焦点検出が行えないことになる。
【0043】
従って同方式の焦点検出光学系では撮影レンズと焦点検出光学系の瞳結合はフィールドレンズ3の適切なパワーの設定と絞りマスク5の絞り開口の適切な大きさの設定によって厳密に保たれることが必要とされる。
【0044】
一眼レフカメラのように焦点距離、Fnoの違う多くの種類の撮影レンズやズームレンズのように焦点距離、Fno共に変化する撮影レンズが焦点検出光学系に組み合わされたりする場合、前述の瞳結合を厳密に成り立たせることが大変困難になる。一眼レフカメラの場合は多くの撮影レンズに対応させるため適合する撮影レンズの最小FnoをF5.6程度にすることが多い。
【0045】
従って焦点検出光学系もF5.6の射出瞳に合わせる形で絞り開口を決定する。
【0046】
焦点検出領域が撮影レンズの光軸付近、画面の中央であればほぼ撮影レンズのFnoによって焦点検出光学系の取り込むことができる光束が決定される。しかしながら、画面の中心以外の周辺領域に焦点検出範囲を設定しようとすればFnoだけでなく射出瞳の光軸方向の位置や、ヴィネッティングの影響も考慮しなければならない。
【0047】
例えば、Fnoが同じでも射出瞳の光軸方向の位置が異なる複数の撮影レンズで焦点検出光学系に取り込む光束を決定しようとすると焦点検出光学系の絞り開口を分割する方向に制約を受けるようになる。
【0048】
このことを図8を用いて説明する。1は撮影レンズ21の光軸、30は撮影レンズ21の結像面、31,32は同じFno(ここでは仮にF5.6とする)で光軸方向の位置が異なる射出瞳を摸式的に示している。
【0049】
5は焦点検出光学系の絞りマスク及びそれが置かれる面(絞り面)を示している。33は撮影レンズ21の画面中央35に入射する点線L1,L2で示す光束が絞り面5に到達する範囲を摸式的に示し、その中に焦点検出光学系の絞りマスク5の絞り開口33a1,33a2,33b1,33b2を示している。光束L1,L2は撮影レンズ21の光束を決定する射出瞳8を模した絞り31,32に制限されて結像面30の光軸上35に結像する。
【0050】
射出瞳31,32は同じF5.6であり、光束L1,L2を同じように制限している。
【0051】
F5.6の光束は絞り面5上に結像面30と絞りマスク5の距離に応じた円(範囲)33を描くことになる。この円33の内側に焦点検出光学系の絞り開口を設ければ、撮影レンズ21の射出瞳8と焦点検出光学系の入射瞳を適切に結合させる条件が整う。
【0052】
実際の焦点検出光学系では、撮影レンズ21の結像面30近傍にフィールドレンズ3等を配置して、絞りマスク5を射出瞳31,32近傍に結像させる作用を持たせる。
【0053】
このとき図のように撮影レンズのFnoの光束の円33内に絞り開口を設定しておけば、撮影レンズからの光束をケラレることなく焦点検出光学系に取り込むことができる。
【0054】
次に焦点検出領域が画面中心にない場合を考える。光束L3,L4はF5.6に相当する射出瞳31,32によって制限され像面上に点36に到達する光束を示している。実際の撮影レンズではFno光束を決定する絞りや個々のレンズ径などによって複数の光束を制限する部材が存在する。
【0055】
図中では下方の光束L3は射出瞳31によって制限され、上方光束L4は射出瞳32によって制限され、絞り面5において34で示すような楕円形状の光束断面となる。
【0056】
従って明るさ、焦点検出精度共に良好な焦点検出光学系を得るためには絞り開口34a1,34a2で示すような方向の分割をすることが望ましい。ここに画面中央と同じように直交する十字の焦点検出領域を確保しようとすれば紙面を上下に分割する絞り開口を設置する必要がある。
【0057】
しかし楕円34で示すように使用できる光束が楕円形状であるため紙面上下方向に分割する絞り開口は面積が小さく、間隔の狭いものになってしまう。これはこの焦点検出光学系が暗さに弱く、精度の悪いことを意味している。
【0058】
本発明ではこの点に鑑み周辺の直交する二つの焦点検出領域の焦点検出光学系をそれぞれ異なる撮影レンズFnoに対応させることによって、明るく検出精度の良い焦点検出光学系を実現している。
【0059】
図9は本発明の焦点検出装置の画面周辺部の焦点検出光学系に用いる絞りマスク5の絞り開口を説明する図である。
【0060】
光束L3,L4,光束有効部34,絞り開口34a1,34a2は図8と同一であり、撮影レンズの射出瞳31,32によって決定される絞り開口を示している。
【0061】
39,40は射出瞳31,32よりも明るい(Fnoの小さな)撮影レンズの射出瞳を示し、像面上の点36に到達する光束L5は射出瞳39によって制限され、光束L6は射出瞳40によって制限されている。
【0062】
図8の楕円34と同様に光束L5,L6は絞り面上5に楕円形状の撮影レンズの有効部37を形成する。ここに紙面を上下方向に分割する絞り開口37a1,37a2を設定する。
【0063】
図9で説明したように、画面周辺の焦点検出領域を直交する二つで構成する場合、対応するFnoを異なるものとして撮影レンズの有効光束が、より狭くなる方向にFnoの小さな明るいレンズを対応させ、それに直交する方向にFnoの大きな暗いレンズを対応させれば良い。
【0064】
本発明では図5の絞り開口5b11,5b12,5b21,5b22で示すように、絞り開口(第1絞り)5b11,5b12が構成する焦点検出光学系は比較的暗い撮影レンズのF5.6以上の明るさを有する撮影レンズに対応し、絞り開口(第2絞り)5b21,5b22はF28以上の明るい撮影レンズに対応している。勿論、絞り開口5b11,5b12で構成する焦点検出光学系はF5.6以上の明るさを持つ撮影レンズであれば焦点検出が可能である。
【0065】
そこで図5に示すように絞り開口の重心間隔を示す直線53,54は直交し、直線54>直線53なる関係にしている。
【0066】
従って絞り開口(第2絞り)5b21,5b22で構成する焦点検出光学系の方が焦点検出精度が高く、明るい撮影レンズが要求する焦点検出精度との適合性に優れている。また絞り開口の開口面積を大きく取って焦点検出光学系としての明るさも確保し、これも明るい撮影レンズとの適合性に優れている。
【0067】
図10は本発明の実施形態2の一部分の説明図である。106は2次結像レンズであり、これ以外の構成、作用は実施形態1と同じなので説明を省略する。実施形態2では2次結像レンズ106のレンズ部を絞りマスク5の直後側としている。
【0068】
これは絞りマスク5とレンズ部が離れた構成では多数のレンズ部を有する2次結像レンズでは有効部の広がりから光束のオーバーラップが生じ、ゴースト光となって著しい焦点検出精度の低下をもたらすからである。
【0069】
実施形態2のように絞り開口の直後にレンズ部を設けることにより各絞り開口を通る光束が広がる前に収束作用のあるレンズ部を通過させることができ、光束のオーバーラップが解消される。
【0070】
図11は本発明の実施形態3の一部分の説明図である。116は2次結像レンズであり、これ以外の構成、作用は実施形態1と同じなので説明を省略する。
【0071】
実施形態3では2次結像レンズ116の絞りマスク5側にプリズム部を有しており、センサー上の2次結像面の補正を行うと同時に、プリズム部で光束を外側に曲げることによりレンズ部での光束のオーバーラップを防ぐ効果を有している。
【0072】
図12は実施形態3に用いる2次結像レンズ116の拡大図である。基板の一方に設けたプリズム部123を通過した光束がプリズム作用によって外側(紙面左)に偏向されつつ、基板の他方に設けたレンズ部121に入射する。同様にプリズム部124を通過した光束がプリズム作用によって外側(紙面右)に偏向されつつレンズ部122に入射する。周辺のレンズについても同様にプリズム部127を通過した光束がプリズム作用によって外側(紙面右)に偏向されつつレンズ部126に入射する。このような偏向作用を与えるプリズム部123,124,127,128等を設けることによってレンズ部での光束のオーバーラップを回避することができる。
【0073】
図13は本発明の実施形態4の説明図である。136は2次結像レンズであり、これ以外の構成、作用は実施形態1と同じである為説明を省略する。2次結像レンズ136は直交する視野を担当するレンズ部を部材(基板)の表裏に分けて配置することにより、各レンズに入射する光束のオーバーラップを回避している。
【0074】
図14は実施形態4に用いる2次結像レンズ136の拡大図で、図14(A)は上方から見た図、図14(B)は側面図、図14(C)は下方から見た図である。
【0075】
本実施形態では絞りマスク5側に図14(A)で示す側をセンサー7側に図14(C)で示す側を向けて2次結像レンズ136を配置している。絞りマスク5近傍の図14(A)に配置されたレンズ部141aに入射した光束は絞りマスク5とレンズ部141aが近い為、ほとんど広がることなく収斂作用をすぐに受けてセンサー7に入射する。
【0076】
従って光束が他のレンズ部に入射するようなオーバーラップが生じない。センサー7に近い図14(C)側に配置されたレンズ部143cに入射する光束は、絞り5とレンズ部143cが離れている為光束がある程度広がりながらレンズ部143cに入射することになる。
【0077】
しかし、オーバーラップが懸念される一方のレンズ部は反対面の絞り5側にある為、オーバーラップが生じない。実施形態2,3,4のような構成を取ることによって直交する焦点検出領域を設けても、光束オーバーラップが起こらない焦点検出光学系が実現できる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば以上説明したように、撮影画面の中心部だけでなく、画面の周辺にも焦点検出領域として直交する二つの焦点検出範囲を設ける場合、適応する撮影レンズのFnoを異なるものとすることによって高精度な焦点検出光学系を構成することを可能としている。
【0079】
特に本発明によれば、複数の焦点検出領域を有し、多様な被写体の焦点検出を可能としながらも、小型で簡易な構成の焦点検出装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のカメラへの適用例を示す図
【図2】本発明の実施形態1の焦点検出装置の構成を示す図
【図3】本発明の実施形態1が適用される視野マスクを示す図
【図4】本発明の実施形態1が適用されるフィールドレンズを示す図
【図5】本発明の実施形態1が適用される絞りマスクを示す図
【図6】本発明の実施形態1が適用される再結像レンズを示す図
【図7】本発明の実施形態1が適用される光電変換素子を示す図
【図8】本発明の実施形態1の絞りマスクの決定方法の説明図
【図9】本発明の実施形態1の絞りマスクの決定方法の説明図
【図10】本発明の実施形態2の焦点検出装置の要部概略図
【図11】本発明の実施形態2の焦点検出装置の要部概略図
【図12】本発明の実施形態3の一部分の説明図
【図13】本発明の実施形態4の焦点検出装置の要部概略図
【図14】本発明の実施形態4の一部分の説明図
【符号の説明】
1 光軸
2 視野マスク
3 分割されたフィールドレンズ
4 反射ミラー
5 絞りマスク
6 再結像レンズ
7 光電変換素子
8 瞳
21 対物レンズ
22 クイックリターンミラー
2b1 第1の焦点検出領域
2b2 第2の焦点検出領域
5b11,5b12 第1絞り
5b21,5b22 第2絞り
6b11,6b12 第1の再結像レンズ
6b21,6b22 第2の再結像レンズ
Claims (3)
- 対物レンズの焦点面近傍に配置され、開口部を備える視野マスクと、
該視野マスクの開口部を通過した光束を集光するフィールドレンズと、
前記視野マスクの開口部及び前記フィールドレンズを通過した光束が入射し、前記対物レンズの焦点調節状態に応じて相対位置が変化する複数の光量分布を形成するレンズ対を備える再結像レンズと、
該再結像レンズにより形成される複数の光量分布を検出する受光手段とを有する焦点検出装置において、
前記視野マスクの画面周辺領域に形成された開口部は、該視野マスクの画面中心領域と該開口部を結ぶ直線に対して垂直方向に延びる第1の開口と、該第1の開口に直交する第2の開口とから成り、
前記再結像レンズは前記第1の開口が延びる方向に配列された第1のレンズ対と、前記第2の開口が延びる方向に配列された第2のレンズ対とを備えており、
前記再結像レンズの前記対物レンズ側に配置された絞りマスクは、前記第1のレンズ対に対応する一対の開口である第1絞りと、前記第2のレンズ対に対応する一対の開口である第2絞りとを備えており、
前記第2絞りの開口中心間隔が、前記第1絞りの開口中心間隔よりも長いことを特徴とする焦点検出装置。 - 前記再結像レンズは、前記対物レンズ側の面にプリズム部が形成されており、該プリズム部により偏向された光束が、前記受光手段側の面に形成されたレンズ部に入射することを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
- 前記再結像レンズの前記第1のレンズ対または前記第2のレンズ対に対応する各レンズ部は、前記再結像レンズの互いに反対側の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の焦点検出装置。
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JP36379698A JP4289707B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 焦点検出装置 |
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JP36379698A JP4289707B2 (ja) | 1998-12-07 | 1998-12-07 | 焦点検出装置 |
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