以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の一側面の表示装置は、画像信号に対応する画像を、所定の表示領域に表示する表示装置(例えば、図17の液晶表示装置101)において、前記表示領域を分割した複数の領域に対応して個別に配置された複数の光源を有するバックライト(例えば、図17のバックライト12)と、前記表示領域に対応する複数の画素を有し、画素単位で前記光源からの光の透過率を変更するパネル(例えば、図17の液晶パネル11)と、前記複数の光源の発光輝度を前記画像信号に応じて個別に設定するとともに、個別に設定された前記複数の光源の発光輝度に対応して、前記画素の光の透過率を設定するパネル制御手段(例えば、図17の液晶パネル制御回路131)と、前記光源の発光輝度を前記バックライトのための光源制御値に変換する非線形な変換テーブルを記憶する記憶手段(例えば、図17のメモリ132)と、前記非線形な変換テーブルに従って、前記パネル制御手段により設定された前記光源の発光輝度を前記光源制御値に変換し、前記バックライトに供給するバックライト制御手段(例えば、図17の光源制御回路33)とを備える。
本発明の一側面の表示制御方法は、所定の表示領域を分割した複数の領域ごとに個別に配置された複数の光源を有するバックライトと、前記表示領域に対応する複数の画素を有し、画素単位で前記光源からの光の透過率を変更するパネルとを備え、画像信号に対応する画像を前記表示領域に表示する表示装置の表示制御方法において、前記複数の光源の発光輝度を前記画像信号に応じて個別に設定するとともに(例えば、図21のステップS24)、個別に設定された前記複数の光源の発光輝度に対応して、前記画素の光の透過率を設定し(例えば、図21のステップS25)、前記光源の発光輝度を前記バックライトのための光源制御値に変換する非線形な変換テーブルに従って、設定された前記光源の発光輝度を前記光源制御値に変換し、前記バックライトに供給する(例えば、図21のステップS27)ステップを含む。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
最初に、図3を参照して、本発明の基本となる液晶表示装置1について説明する。
図3の液晶表示装置1は、R,G、またはBの着色がされているカラーフィルタ基板、液晶層などを有する液晶パネル11、液晶パネル11の背面側に配置されるバックライト12、液晶パネル11およびバックライト12を制御する制御部13、およびメモリ14により構成されている。液晶表示装置1は、入力される画像信号に対応する原画像を所定の表示領域(表示部21)に表示する。なお、液晶表示装置1に入力される画像信号は、60Hzのフレームレートの画像(以下、フィールド画像という)に対応する。
液晶パネル11は、バックライト12からの光を透過させる画素としての開口部が複数配列されている表示部21、並びに、表示部21を構成する各画素に1対1に対応して設けられている図示しないトランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)に駆動信号を送出するソースドライバ22およびゲートドライバ23により構成されている。
バックライト12は、表示部21に対応する所定の点灯領域において白色の光を発する。バックライト12の点灯領域は複数の領域に分割されており、分割された複数の領域それぞれについて個別に点灯が制御される。
図3では、バックライト12の点灯領域が、水平方向に5分割、垂直方向に6分割の計30分割され、領域A11乃至A56により構成されている。バックライト12は、領域A11乃至A56に対応する光源BL11乃至BL56を有する。
領域Aij(i=1乃至5,j=1乃至6)に配置されている光源BLijは、例えば、所定の順序で配列された赤色の発光ダイオード、緑色の発光ダイオード、および青色の発光ダイオードにより構成される。光源BLijは、光源制御回路33から供給されるバックライト制御値BLctlijに対応する輝度で、赤色、緑色、および青色の混合により得られる白色の光を発生させる。
なお、領域A11乃至A56は、バックライト12の点灯領域を、仕切り板等を用いて物理的に分割したものではなく、光源BL11乃至BL56に対応する領域として仮想的に分割したものである。従って、光源BLijから出射された光は、図示しない散乱板や散乱シートによって拡散されて、光源BLijに対応する領域Aijだけでなく、その領域Aijの周辺の領域に対しても照射される。
制御部13は、液晶パネル11を制御する液晶パネル制御回路31、メモリ32、および、バックライト12を制御する光源制御回路33により構成される。
液晶パネル制御回路31には、フィールド画像に対応する画像信号が他の装置から供給される。液晶パネル制御回路31は、供給された画像信号からフィールド画像の輝度分布を求める。そして、液晶パネル制御回路31は、フィールド画像の輝度分布から、領域Aijで必要な表示輝度Areqijを算出する。
なお、上述したように、光源BLijから出射された光は、光源BLijの前方の領域Aijだけでなく、その領域Aijの周辺の領域に対しても照射される。逆に言うと、領域Aijで必要な表示輝度Areqijは、領域Aijの後方に配置されている光源BLijから出射された光と、領域Aijの周辺の領域にそれぞれ配置されている光源からの光との合成によって得られる。
液晶パネル制御回路31は、光源BLijによる発光輝度の領域Aijに対する寄与分を光源BL11乃至BL56まで寄せ集めることにより領域Aijの表示輝度Areqijが得られるとする式を、領域A11乃至A56それぞれについて立てた連立方程式(連立不等式)を解くことにより、光源BL11乃至BL56の発光輝度を設定する輝度設定値BLset11乃至BLset56を算出し、光源制御回路33に供給する。
なお、光源BLijによる発光輝度の領域Aijに対する寄与分を光源BL11乃至BL56まで寄せ集めることにより領域Aijの表示輝度Areqijが得られるとする式は、光源BL11乃至BL56の輝度設定値BLset11乃至BLset56と、光源BL11乃至BL56の領域Aijに対する寄与率との積和が表示輝度Areqij(以上)であるとする式で表すことができる。ここで、光源BL11乃至BL56それぞれの領域Aijに対する寄与率は、領域Aijから照射される光に含まれる光源BL11乃至BL56それぞれの光の割合を表し、予めメモリ14に記憶されている。
さらに、液晶パネル制御回路31は、輝度設定値BLset11乃至BLset56が決定されると、メモリ14に記憶されている設定階調変換テーブルに基づいて、輝度設定値BLset11乃至BLset56から、表示部21を構成する各画素の設定階調S_data’を算出する。設定階調S_data’は、画素の開口率を決定する8ビットの値である。そして、液晶パネル制御回路31は、算出された設定階調S_data’を駆動制御信号として、液晶パネル11のソースドライバ22およびゲートドライバ23に供給する。
メモリ32は、液晶パネル制御回路31からの出力である、8ビット(bit)、256階調の輝度設定値BLsetを、バックライト12が受け付け可能な制御信号である、10ビット、1024階調のバックライト制御値BLctlに変換するバックライト制御値変換テーブルを記憶している。
光源制御回路33は、液晶パネル制御回路31から供給される輝度設定値BLset11乃至BLset56それぞれを、メモリ32に記憶されているバックライト制御値変換テーブルに基づいて、バックライト制御値(光源制御値)BLctl11乃至BLctl56に変換し、バックライト12に供給する。これにより、バックライト12の領域Aijに配置されている光源BLijは、バックライト制御値BLctlijに応じた発光輝度で発光する。バックライト制御値BLctlijは、例えば、電流値またはPWM(Pulse Width Modulation)幅である。
メモリ14は、上述したように、例えば、予め実験等により求められた、領域A11乃至A56それぞれに対する光源BL11乃至BL56それぞれの寄与率を記憶する。また、メモリ14は、輝度設定値BLset11乃至BLset56を設定階調S_data’に変換するための設定階調変換テーブルを記憶する。設定階調変換テーブルについては、図5を参照して後述する。
次に、図4のフローチャートを参照して、図3の液晶表示装置1の表示制御処理について説明する。
初めに、ステップS1において、液晶パネル制御回路31は、他の装置から供給された画像信号を受信する。この画像信号は、1枚のフィールド画像に対応する。
ステップS2において、液晶パネル制御回路31は、フィールド画像の輝度分布を求める。また、ステップS2において、液晶パネル制御回路31は、フィールド画像の輝度分布から、領域Aijで必要な表示輝度Areqijを算出する。
ステップS3において、液晶パネル制御回路31は、光源BL11乃至BL56の輝度設定値BLset11乃至BLset56と、光源BL11乃至BL56の領域Aijに対する寄与率との積和が表示輝度Areqijであるとした式を、領域A11乃至A56それぞれについて立てた連立方程式を解くことにより、光源BL11乃至BL56それぞれの輝度設定値BLset11乃至BLset56を算出し、光源制御回路33に供給する。
ステップS4において、液晶パネル制御回路31は、メモリ14に記憶されている設定階調変換テーブルに基づいて、輝度設定値BLset11乃至BLset56から、表示部21の各画素の設定階調S_data’を算出する。
ステップS5において、液晶パネル制御回路31は、算出された設定階調S_data’を駆動制御信号として、液晶パネル11のソースドライバ22およびゲートドライバ23に供給する。
ステップS6において、光源制御回路33は、液晶パネル制御回路31から供給された、8ビットの輝度設定値BLset11乃至BLset56それぞれを、メモリ32に記憶されているバックライト制御値変換テーブルに基づいて、10ビットのバックライト制御値BLctl11乃至BLctl56に変換し、バックライト12に供給する。
ステップS7において、液晶パネル制御回路31は、画像信号が供給されなくなったかを判定する。ステップS7で、画像信号が供給されたと判定された場合、処理はステップS1に戻り、ステップS1乃至S7の処理が実行される。これにより、液晶表示装置1は、次のフィールド画像を表示する。
一方、ステップS7で、画像信号が供給されなくなったと判定された場合、処理は終了する。
以上のように、光源BL11乃至BL56それぞれがフィールド画像に対して最適な(最低限の)発光輝度となるようにバックライト12を制御する方式を、以下では、バックライト部分制御という。これに対して、光源BL11乃至BL56がほぼ最大、かつ、同一の発光輝度となるようにバックライト12を制御する従来の方式を、以下では、バックライト全体制御という。
具体的な数値例で、従来のバックライト全体制御と図3の液晶表示装置1によるバックライト部分制御とを簡単に説明する。なお、実際の制御は、R,G,Bそれぞれについて求められるが、簡単のため、0乃至255階調(8ビット)のグレイスケール(白黒)で説明する。
例えば、従来のバックライト全体制御において、供給された画像信号から、表示部21の所定の画素PIXの表示輝度を128にする必要がある場合、バックライト12は、表示部21の全画素について均一に100%の出力、即ち発光輝度255で発光させ、画素PIXについては開口率を50%とすることによって128(255階調の50%)の表示輝度を実現していた。
一方、図3の液晶表示装置1によるバックライト部分制御では、例えば、画素PIXが含まれる領域Aijの光源BLijの輝度設定値BLsetijを128(即ち、光源BLijの50%の出力)に設定し、画素PIXについては開口率を100%とすることによって128の表示輝度を実現する。
これにより、光源BLijを最大の発光輝度255で発光させる必要がないので消費電力を低減させることが可能となる。なお、この例は、領域Aij内の画素の最大表示輝度が画素PIXの128である場合である。
バックライト部分制御において、画素PIXの開口率をバックライト全体制御と同様の50%としたときの画素PIXの表示輝度は128の半分の64であるが、バックライト部分制御では、液晶パネル制御回路31が、画素PIXの開口率を50%から100%とすることによって、残りの64の表示輝度を見かけ上発光させたと言える。このように、開口率をバックライト全体制御時の設定から変更することによって増大した輝度、換言すれば、開口率制御によって見かけ上発光した輝度を、本明細書では、液晶補正輝度という。
図5を参照して、従来のバックライト全体制御とバックライト部分制御についてさらに説明する。
図5は、開口率に対応する設定階調と表示輝度 [nit=cd/m2]との関係を表す表示輝度特性を示している。
図5においては、設定階調が256階調とされており、例えば、設定階調を0に設定したときが開口率0%となり、設定階調を255に設定したときが開口率100%となる。
図5において、実線の曲線で示される表示輝度特性f1は、バックライト全体制御における表示輝度特性を示している。即ち、表示輝度特性f1は、光源BLijが100%の出力で照明されている状態において、設定階調を0乃至255にそれぞれ設定したときの表示輝度を表す。
一方、点線の曲線で示される表示輝度特性fLOWは、バックライト部分制御における表示輝度特性を示している。即ち、表示輝度特性fLOWは、光源BLijが100%よりもε%だけ出力を抑制した輝度設定値BLsetijで照明されている状態において、設定階調を0乃至255にそれぞれ設定したときの表示輝度を表す。
図3の液晶表示装置1では、上述したように、領域Aijで必要な表示輝度Areqijから光源BL11乃至BL56それぞれの輝度設定値BLset11乃至BLset56が求められる。
いま、画素PIXにおいて表示輝度をL_dataにすることを考えると、光源BLijを100%の出力で照明するバックライト全体制御においては、表示輝度特性f1に従い、設定階調を65(=S_data)に設定すればよいことがわかる。
一方、バックライト部分制御では、光源BLijは、ε%だけ出力を抑制した輝度設定値BLsetijで照明しているので、画素PIXにおいて表示輝度をL_dataにするためには、図5に示されるように、設定階調を165(=S_data')とする必要がある。
実際には、液晶表示装置1では、表示輝度特性f1に対応する設定階調変換テーブルのみがメモリ14に記憶されており、液晶パネル制御回路31は、その表示輝度特性f1に対応する設定階調変換テーブルから、以下のようにして、設定階調S_data’を算出する。
まず、液晶パネル制御回路31は、光源BLijの出力の比率を算出する。即ち、液晶パネル制御回路31は、開口率についてはともに100%の同一条件とし、光源BLijを100%の出力で照明したときの表示輝度L_peakと、光源BLijをε%だけ出力を抑制した輝度設定値BLsetijで照明したときの表示輝度L_setijとの比γijを、式(1)により求める。
γij=L_peak/L_setij・・・・・(1)
次に、液晶パネル制御回路31は、画素PIXの設定階調S_data’を、表示輝度L_peakと表示輝度L_setijとの比γij及び表示輝度L_dataに基づいて、式(2)により算出する。
S_data’=f-1(γij×L_data)・・・・・(2)
式(2)は、バックライト部分制御において、ε%だけ抑制して出力している光源BLijによって表示輝度L_dataとするためには、光源BLijが100%で出力したときに表示輝度を(γij×L_data)にするときと同一の設定階調S_data'(=165)にする必要があることを表している。
次に、図6と図7を参照して、メモリ32に記憶されているバックライト制御値変換テーブルについて説明する。
バックライト制御値変換テーブルは、上述したように、液晶パネル制御回路31から供給される8ビットの輝度設定値BLsetijを、バックライト12が受け付け可能な制御信号である、10ビットのバックライト制御値BLctlijに変換するテーブルである。
バックライト制御値変換テーブルは、図6に示すように、液晶パネル制御回路31から供給される輝度設定値BLsetijをバックライト制御値BLctlijに線形変換する。
換言すれば、バックライト制御値変換テーブルによれば、液晶パネル制御回路31から供給される輝度設定値BLsetijを4倍した値が、バックライト制御値BLctlijとされる。
図7は、図6のバックライト制御値変換テーブルに従って輝度設定値BLsetijをバックライト制御値BLctlijに変換した場合の、発光輝度の輝度変化率ηを示している。
発光輝度の輝度変化率ηは、輝度設定値BLsetijが1増加したときのバックライト制御値BLctlijの変化率を表し、輝度設定値BLsetijがBLsetn-1からBLsetnに変化したときの発光輝度の輝度変化率ηn(1≦n≦255)は、次式(3)で表すことができる。
ηn=BLctln/BLctln-1・・・・・・・(3)
式(1)において、バックライト制御値BLctlnは、図6に示したバックライト制御値変換テーブルによって得られる輝度設定値BLsetnのときのバックライト制御値BLctlijであり、同様に、バックライト制御値BLctln-1は、輝度設定値BLsetn-1のときのバックライト制御値BLctlijである。
図7に示されるように、発光輝度の輝度変化率ηは、輝度設定値BLsetijが小さい値のときほど大きく、輝度設定値BLsetijが大きくなるに従い、輝度変化率ηは小さくなる。
以上のように、液晶表示装置1においては、表示輝度は、バックライト12を構成する光源BL11乃至BL56の発光輝度と、設定階調に対応する各画素の開口率によって決定される。このバックライト12を構成する光源BL11乃至BL56の発光輝度と各画素の開口率を決定する処理は、図4を参照して説明したように、フィールド画像単位で繰り返し実行される。
従って、原画像の所定の画素または複数の画素からなる領域(以下、所定領域と称する)において、原画像自体の輝度は複数枚のフィールド画像間で変わらない場合であっても、所定領域の周辺の輝度の影響により、複数枚のフィールド画像それぞれの所定領域の表示輝度が、異なる光源BL11乃至BL56の発光輝度と各画素の開口率の組み合わせによって実現されることが多い。
図8Aに示される原画像P3と図8Bに示される原画像P3’は、いずれも輝度の高い明部R3と、輝度の低い暗部R4とにより構成されている。但し、原画像P3とP3’は、明部R3の位置だけが異なる。原画像P3の明部R3は、原画像P3の中央上部に配置されているのに対し、原画像P3’の明部R3は、原画像P3’の右側上部に配置されている。
ここで、原画像P3およびP3’における、暗部R4内の所定領域Qに注目する。
図8Cは、原画像P3(図8A)を表示するときのバックライト12による発光輝度の分布を示している。一方、図8Dは、原画像P3’(図8B)を表示するときのバックライト12による発光輝度の分布を示している。
原画像P3では、明部R3が所定領域Qの近傍にあるため、所定領域Qの発光輝度は、図8Cに示されるように明るくなっており、明部R3を表示するための強い発光輝度の影響を受けている。
一方、原画像P3’では、明部R3は所定領域Qから離れているため、明部R3を表示するための強い発光輝度の影響を受けない。
従って、原画像P3における所定領域Qの表示輝度Panel_Vが、バックライト12による発光輝度BL_V1と、画素の開口率LC_V1とから決定され、原画像P3’における所定領域Qの表示輝度Panel_Vが、バックライト12による発光輝度BL_V2と、画素の開口率LC_V2とから決定されるとすると、発光輝度BL_V1とBL_V2、および画素の開口率LC_V1とLC_V2との間には、発光輝度BL_V1はBL_V2より明るく(BL_V1>BL_V2)、開口率LC_V1はLC_V2よりも低い(LC_V1<LC_V2)という関係が成り立つ。
例えば、第0フィールド時刻乃至第10フィールド時刻の11フィールド時間(1フィールド時間は、1/60秒=約16.7ミリ秒)の間に、図9に示されるように、明部R3が、図8Aの原画像P3と同様の位置(中央上部)を開始位置として、図8Bの原画像P3’と同様の位置(右側上部)に移動し、再び図8Aの原画像P3と同様の位置に戻るような動きをする動画像について、所定領域Qの発光輝度BL_Vと画素の開口率LC_Vとの関係をグラフにすると、図10に示すようになる。
なお、図10では、第0フィールド時刻乃至第10フィールド時刻のフィールド画像の発光輝度BL_V、画素の開口率LC_V、および表示輝度Panel_Vを、第5フィールド時刻のフィールド画像の発光輝度BL_V、画素の開口率LC_V、および表示輝度Panel_Vを基準とする相対値で表している。
図10において、菱型印の実線で示されるバックライト12による発光輝度BL_Vは、明部R3が図8Aの原画像P3と同様の位置(中央上部)にいるとき、即ち、第0フィールド時刻と第11フィールド時刻が最も高く、図8Bの原画像P3’と同様の位置(右側上部)にいるとき、即ち、第5フィールド時刻が最も低くなる。
これに対して、三角印の実線で示される画素の開口率LC_Vは、明部R3が図8Aの原画像P3と同様の位置(中央上部)にいるとき、即ち、第0フィールド時刻と第11フィールド時刻が最も低く、図8Bの原画像P3’と同様の位置(右側上部)にいるとき、即ち、第5フィールド時刻が最も高くなる。
丸印の実線で示される所定領域Qの表示輝度Panel_Vは、当然ながら、11フィールド時間の間、一定である。
ところで、これまで、表示輝度は、バックライト12の発光輝度と画素の開口率によって決定され、バックライト12の発光輝度が変化した場合であっても、図10に示したように、画素の開口率を対応して変更することによって、同一の表示輝度を継続的に表示することができると説明したが、実は、図10に示したバックライト12による発光輝度BL_Vと画素の開口率LC_Vとの関係は、その理想状態を示したものであり、実際の制御では、図10に示したようにはならない。
その理由として、2点挙げられる。1点は、液晶制御の応答の遅れであり、もう1点は、メモリ14に記憶されている設定階調変換テーブルの設定誤差である。
最初に、前者の理由である液晶制御の応答の遅れについて説明する。
1フィールド時間ごとに、画素の開口率LC_V、即ち、表示部21の各画素の設定階調S_data’が算出され、設定階調S_data’に対応する駆動制御信号が液晶パネル11に供給されるが、液晶パネル11において、開口率の変更動作が1フィールド時間内に100%の完了度で完了していれば図10の理想状態を実現できるが、実験的なデータによれば、実際の開口率の変更動作は、1フィールド時間内に70%程度の完了度となることがある。
図11は、開口率の変更動作が1フィールド時間内に70%程度の完了度で実行される場合の、所定領域Qの発光輝度BL_Vと画素の開口率LC_Vとの関係を示している。
図11において、菱型印の実線で示されるバックライト12による発光輝度BL_Vは、図10における場合と同一である。
一方、液晶制御の応答の遅れにより、三角印の実線で示される画素の開口率LC_Vは、発光輝度BL_Vが暗くなる傾向の第5フィールド時刻までは、図10に示される理想の状態よりも低い値となっており、その結果、丸印の実線で示される所定領域Qの表示輝度Panel_Vも、図10に示される理想の状態よりも低い値となっている。また、画素の開口率LC_Vは、発光輝度BL_Vが明るくなる傾向の第6フィールド時刻以降は、図10に示される理想の状態よりも高い値となっており、その結果、丸印の実線で示される所定領域Qの表示輝度Panel_Vも、図10に示される理想の状態よりも高い値となっている。
図12は、図11の各フィールド時刻における所定領域Qの表示輝度の輝度変化率を示している。
1フィールド時刻前と現フィールド時刻との表示輝度の変化率を表す、表示輝度の輝度変化率は、図12に示されるように、バックライト12による発光輝度BL_Vの傾向が変化したフィールド時刻、即ち、バックライト12による発光輝度BL_Vが暗くなる傾向から明るくなる傾向に変化した第6フィールド時刻に、最も大きくなる。
環境や個人差もあるが、実験または経験的に、表示輝度の輝度変化率が5%以上であると、人間にとって、その表示輝度の変化を、画像のちらつきとして感じるとされており、図12の第6フィールド時刻の表示輝度の輝度変化率は約12%(1.12)となっているので、液晶制御の応答の遅れにより、人間が画像のちらつきと感じてしまう状態であることを示している。
次に、後者の理由である設定階調変換テーブルの設定誤差について説明する。
上述したように、液晶パネル制御回路31は、図5の表示輝度特性f1に対応する設定階調変換テーブルに基づいて、輝度設定値BLset11乃至BLset56から、各画素の設定階調S_data’を算出するが、設定階調変換テーブルの設定誤差とは、メモリ14に記憶させた設定階調変換テーブルの、表示輝度特性f1の真値からのずれのことである。
図13は、バックライト12の輝度変化10%あたりに設定階調変換テーブルの設定誤差が3%あるとした場合の、所定領域Qの発光輝度BL_Vと画素の開口率LC_Vとの関係を示している。また、図14は、図13の各フィールド時刻における表示輝度の輝度変化率を示している。
図14に示されるように、設定階調変換テーブルの設定誤差によっても、バックライト12による発光輝度BL_Vの傾向が変化したフィールド時刻、即ち、発光輝度BL_Vが暗くなる傾向から明るくなる傾向に変化した第6フィールド時刻に表示輝度の輝度変化率が最も大きくなり、第6フィールド時刻の表示輝度の輝度変化率は、約2.5%(1.025)である。
図15は、液晶制御の応答の遅れと設定階調変換テーブルの設定誤差の両方が含まれる場合の、所定領域Qの発光輝度BL_Vと画素の開口率LC_Vとの関係を示している。図16は、図15の各フィールド時刻における表示輝度の輝度変化率を示している。
図15では、液晶制御の応答の遅れと設定階調変換テーブルの設定誤差の両方が含まれるため、所定領域Qの表示輝度Panel_Vの誤差、即ち、図10に示した理想状態との差は、さらに大きくなっている。同様に、図16の表示輝度の輝度変化率も、図12と図14の輝度変化率よりさらに大きくなっており、最大の輝度変化率は、第6フィールド時刻の11.4%である。
以上のように、所定領域Qでは、液晶制御の応答の遅れと設定階調変換テーブルの設定誤差により、発光輝度BL_Vと画素の開口率LC_Vとの関係が、図10に示したようにはならず、その結果、表示輝度の輝度変化率が5%以上となり、画像のちらつきが発生する。
以下では、上述した液晶制御の応答の遅れと設定階調変換テーブルの設定誤差は避けられないという前提の上で、表示輝度の輝度変化率を5%以下に抑えることで、画像のちらつきを低減させる。
図17は、表示輝度の輝度変化率を5%以下に抑えるようにして、画像のちらつきを低減させるようにした液晶表示装置101の構成例を示している。
即ち、図17の液晶表示装置101は、本発明を適用した液晶表示装置の一実施の形態の構成例を示している。なお、図17において、図3と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
液晶表示装置101は、図3の液晶表示装置1と同様に、液晶パネル11、バックライト12、制御部13、およびメモリ14により構成されている。
制御部13は、液晶パネル制御回路131、光源制御回路32、およびメモリ132により構成されている。制御部13は、液晶パネル制御回路31に代えて液晶パネル制御回路131が設けられている点と、図6に示したバックライト制御値変換テーブルと異なるバックライト制御値変換テーブルを記憶したメモリ132とが設けられている点において、図3の液晶表示装置1と相違する。
液晶パネル制御回路131は、液晶パネル制御回路31と同様に、光源BL11乃至BL56の輝度設定値BLset11乃至BLset56と、光源BL11乃至BL56の領域Aijに対する寄与率との積和が表示輝度Areqijであるとした式を、領域A11乃至A56それぞれについて立てた連立方程式を解くことにより、光源BL11乃至BL56それぞれの輝度設定値BLset11乃至BLset56を算出する。
そして、液晶パネル制御回路131は、算出された輝度設定値BLsetijを、1フィールド時間前に光源制御回路33に供給した輝度設定値*BLsetij’と比較して、現在のフィールド時刻(以下、現フィールド時刻という)の輝度設定値BLsetij’を決定する。
より具体的には、算出された輝度設定値BLsetijが1フィールド時間前の輝度設定値BLset* ij’より大きい(BLsetij>*BLsetij’)場合には、液晶パネル制御回路131は、現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’を、1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’に1を加算した値とする(BLsetij’=*BLsetij’+1)。
一方、算出された輝度設定値BLsetijが1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’より小さい(BLsetij<*BLsetij’)場合には、液晶パネル制御回路131は、現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’を、1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’に1を減算した値とする(BLsetij’=*BLsetij’−1)。
即ち、液晶パネル制御回路131は、光源制御回路33に供給する現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’を、1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’の1階調以内となるように決定する。なお、算出された輝度設定値BLsetijが1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’と同一である場合には、算出された輝度設定値BLsetijが、そのまま現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’(=*BLsetij)となる。
決定された現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’は、光源制御回路33に供給されるとともに、メモリ14にも供給され、メモリ14では、輝度設定値BLsetij’が1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’に上書きして、記憶される。
また、液晶パネル制御回路131は、光源制御回路33に供給する輝度設定値BLsetij’に対して下限値を設定する。本実施の形態では、図19を参照して後述するが、発光輝度の輝度変化率ηが約4%を超えないように下限値を10とすることとし、液晶パネル制御回路131は、決定された現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’が10より小さい値である場合、算出された輝度設定値BLsetij’ではなく、下限値である10を輝度設定値BLsetij’として光源制御回路33に供給する。
図3に示した液晶表示装置1の光源制御回路33では、図6のバックライト制御値変換テーブルを用いて、液晶パネル制御回路31から供給される8ビットの輝度設定値BLsetijが、10ビットのバックライト制御値BLctlijに線形変換される。その結果、図7を参照して説明したように、液晶パネル制御回路131から供給された輝度設定値BLsetijが小さいとき、即ち、バックライト12の発光輝度BL_Vが低い(暗い)ときに、輝度変化率ηnが大きくなる制御となっていた。
図17に示す液晶表示装置101の光源制御回路33は、図6のバックライト制御値変換テーブルとは異なる、図18に示すバックライト制御値変換テーブルを用いて、液晶パネル制御回路131から供給される8ビットの輝度設定値BLsetij’を、10ビットのバックライト制御値BLctlijに変換し、バックライト12に供給する。
図18は、メモリ132に記憶されているバックライト制御値変換テーブルを示している。このバックライト制御値変換テーブルを、図6のバックライト制御値変換テーブルと区別して、以下では、バックライト制御値非線形変換テーブルという。
このバックライト制御値非線形変換テーブルは、液晶パネル制御回路131から供給される8ビットの輝度設定値BLsetij’を、10ビットのバックライト制御値BLctlijに、非線形に変換する。
より具体的には、図18のバックライト制御値非線形変換テーブルによれば、輝度設定値BLsetij’が0乃至155のうちの小さいところでは、輝度設定値BLsetij’が1増加したときのバックライト制御値BLctlijの変化量が小さく、輝度設定値BLsetij’が大きくなるに従い、バックライト制御値BLctlijの変化量も大きくなるような変換がなされる。
図18のバックライト制御値非線形変換テーブルは、例えば、次の式(4)により決定することができる。
式(4)において、λ、rは所定の定数であり、Roundは、カッコ内の値を四捨五入する関数である。また、XaおよびXbは、1より大きく255より小さい整数である。
なお、バックライト制御値非線形変換テーブルは、式(4)に限定されるものではなく、輝度設定値BLsetijが大きくなるに従い、輝度設定値BLsetij’が1増加したときのバックライト制御値BLctlの変化量も大きくなるような変換がなされるものであればよい。
図19は、図18のバックライト制御値非線形変換テーブルにおける発光輝度の輝度変化率ηを示している。
図18に示したバックライト制御値非線形変換テーブルを使用して、輝度設定値BLsetij’をバックライト制御値BLctlijに変換した場合であっても、発光輝度の輝度変化率ηの抑制には限界がある。そこで、液晶パネル制御回路131では、発光輝度の輝度変化率ηが所定の値以上となる輝度設定値BLset’については光源制御回路33に供給しないように、上述した下限値が設けられている。本実施の形態では、上述したように、発光輝度の輝度変化率ηが約4%(1.04)を超えないように、下限値が10に設定される。
図20は、図7の輝度変化率ηと図19の輝度変化率ηを比較するための図である。
図20によれば、図18のバックライト制御値非線形変換テーブルを使用したことにより、輝度設定値BLsetij’が0乃至155のうちの小さい範囲で、発光輝度の輝度変化率ηが抑制されていることが分かる。
換言すれば、図18のバックライト制御値非線形変換テーブルは、発光輝度の輝度変化率ηが所定の比率以下(図20では、約5%(1.05))となるテーブルであるということができる。
また、発光輝度の輝度変化率ηが約4%(1.04)を超える10より小さい輝度設定値BLsetij’については、液晶パネル制御回路131は光源制御回路33に供給しないようにするので、発光輝度の輝度変化率ηが約4%(1.04)以下となるテーブルであるということもできる。
なお、液晶表示装置1において、液晶表示装置101と同様に、発光輝度の輝度変化率ηが約4%を超える輝度設定値BLsetijについては光源制御回路33に供給しないようにした場合、図20に示されるように、輝度設定値BLsetijが25より小さいところで使用できなくなる。
輝度設定値BLsetijが25のとき、バックライト制御値BLctlijは100(図6参照)となり、輝度設定値BLsetij’が10のとき、バックライト制御値BLctlijは25(図18参照)となるので、図6のバックライト制御値変換テーブルを用いた液晶表示装置1よりも、図18のバックライト制御値非線形変換テーブルを用いた液晶表示装置101の方が、原画像輝度の低い(暗い)部分を表示するときに、バックライト12の発光輝度をより落とすことができる。これにより、低消費電力を実現し、かつ、画像のコントラストを向上させることができる。
次に、図21のフローチャートを参照して、図17の液晶表示装置101の表示制御処理について説明する。
初めに、ステップS21において、液晶パネル制御回路131は、他の装置から供給された画像信号を受信する。この画像信号は、1枚のフィールド画像に対応する。
ステップS22において、液晶パネル制御回路131は、フィールド画像の輝度分布を求める。また、ステップS22において、液晶パネル制御回路131は、フィールド画像の輝度分布から、領域Aijで必要な表示輝度Areqijを算出する。
ステップS23において、液晶パネル制御回路131は、光源BL11乃至BL56それぞれの輝度設定値BLset11乃至BLset56と、光源BL11乃至BL56の領域Aijに対する寄与率との積和が表示輝度Areqijであるとした式を、領域A11乃至A56それぞれについて立てた連立方程式を解くことにより、光源BL11乃至BL56それぞれの輝度設定値BLset11乃至BLset56を算出する。
ステップS24において、液晶パネル制御回路131は、算出された輝度設定値BLsetijを、1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’と比較して、現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’を決定する。
即ち、算出された輝度設定値BLsetijが1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’より大きい(BLsetij>*BLsetij’)場合、液晶パネル制御回路131は、現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’を、1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’に1を加算した値とする(BLsetij’=*BLsetij’+1)。
一方、算出された輝度設定値BLsetijが1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’より小さい(BLsetij<*BLsetij’)場合、液晶パネル制御回路131は、現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’を、1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’に1を減算した値とする(BLsetij’=*BLsetij’−1)。
また、算出された輝度設定値BLsetijが1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’と同一である場合、液晶パネル制御回路131は、算出された輝度設定値BLsetijを、そのまま現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’(=*BLsetij)とする。
決定された現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’は、光源制御回路33に供給されるとともに、メモリ14にも供給され、記憶される。メモリ14は、供給された輝度設定値BLsetij’を、1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’として上書き記憶する。
なお、決定された現フィールド時刻の輝度設定値BLsetij’が10より小さい値である場合には、決定された輝度設定値BLsetij’ではなく、下限値である10が輝度設定値BLsetij’として光源制御回路33に供給される。また、1フィールド時間前の輝度設定値*BLsetij’がメモリ14にまだ記憶されていない最初のフィールド画像の処理では、算出された輝度設定値BLsetijがそのまま輝度設定値BLsetij’として光源制御回路33およびメモリ14に供給される。
ステップS25において、液晶パネル制御回路131は、メモリ14に記憶されている設定階調変換テーブルに基づいて、輝度設定値BLset11’乃至BLset56’から、表示部21の各画素の設定階調S_data’を算出する。
ステップS26において、液晶パネル制御回路131は、算出された設定階調S_data’を駆動制御信号として、液晶パネル11のソースドライバ22およびゲートドライバ23に供給する。
ステップS27において、光源制御回路33は、液晶パネル制御回路131から供給された、8ビットの輝度設定値BLset11’乃至BLset56’それぞれを、メモリ132に記憶されているバックライト制御値非線形変換テーブルに基づいて、10ビットのバックライト制御値BLctl11乃至BLctl56に変換し、バックライト12に供給する。
ステップS28において、液晶パネル制御回路131は、画像信号が供給されなくなったかを判定する。ステップS28で、画像信号が供給されたと判定された場合、処理はステップS21に戻り、ステップS21乃至S28の処理が実行される。これにより、液晶表示装置101は、次のフィールド画像を表示する。
一方、ステップS28で、画像信号が供給されなくなったと判定された場合、処理は終了する。
図22と図23は、図9を参照して説明した動画像を、液晶表示装置101が表示したときの図15と図16と同様の結果を示す図である。
図22は、図15と同様の、所定領域Qの発光輝度BL_Vと画素の開口率LC_Vとの関係を示しており、図23は、図22の各フィールド時刻における表示輝度の輝度変化率を示している。なお、液晶制御の応答の遅れと設定階調変換テーブルの設定誤差の条件は、図15および図16における場合と同様である。
液晶表示装置101では、輝度設定値BLsetij’が1階調ずつ変更されるので、発光輝度の輝度変化率ηnは、図20を参照して説明したように、必ず4%(1.04)以下となり、図22に示すように、菱型印の実線で示される発光輝度BL_Vの変化率が抑制される。その結果、図23に示すように、各フィールド時刻の表示輝度の輝度変化率も抑制され、表示輝度の輝度変化率が最大となっている第6フィールド時刻でも4.5%(1.045)となっている。
従って、図17の液晶表示装置101によれば、表示輝度の輝度変化率を5%以下に抑えることができるので、画像のちらつきを低減させることができる。
なお、図19を参照して説明したように、輝度設定値BLsetij’が下限の10としたときに、輝度変化率ηが最も大きく4%となるので、図22において菱型印の実線で示される発光輝度BL_Vの輝度変化率は最大で4%である。
これに対して、液晶表示装置1では、図20に示されるように、輝度設定値BLsetが10である場合の輝度変化率ηは10%であるので、図15を参照して説明した発光輝度BL_Vの輝度変化率は最大で10%である。
なお、輝度設定値BLsetijのビット数を増やし、階調数を増大させることにより、輝度設定値BLsetijが1増加したときのバックライト制御値BLctlijの変化量を小さくすることもできるが、その場合、発光輝度の変化量に対する追従が遅くなり効率が悪くなる。上述した例は、輝度設定値BLsetijの階調数を変えなくて良いという点にもメリットがある。
上述した例では、液晶表示装置101は60Hzのフレームレートで画像を表示したが、液晶表示装置101が表示する画像のフレームレート(表示レート)は、60Hzに限らず、60Hzより小さい、または、60Hzより大きくてもよい。
また、領域A11乃至A56は、バックライト12の点灯領域を仮想的に分割した領域としたが、領域A11乃至A56それぞれの間に仕切り板等を設け、物理的に分割したものとしてもよい。
本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
本発明は、分割された複数の領域個別に点灯が制御可能なバックライト12が、液晶パネル11の背面側に配置され、バックライト12のバックライト部分制御と、液晶パネル11の画素の開口率の制御により、画像を表示する液晶表示装置に適用することができる。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 液晶表示装置, 11 液晶パネル, 12 バックライト, 13 制御部, 14 メモリ, 21 表示部, 31 液晶パネル制御回路, 32 メモリ, 33 光源制御回路, 101 液晶表示装置, 131 液晶パネル制御回路, 132 メモリ