JP2007322329A - 粒子特性計測装置および粒子特性計測方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶媒中に分散したブラウン運動を行う粒子を含む液体試料が収容された試料室(16a)と、前記試料室(16a)内に配置された一対の電極(17)と、前記一対の電極(17)間に電界を発生させる電界発生回路(12)と、前記電界中を電気泳動する前記粒子の移動を計測する粒子移動計測手段(P13a)と、電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を検出する粒子径検出手段(P13b)と、前記粒子の電気泳動による電気泳動移動度と前記粒子径とに基づいて、ゼータ電位を検出するゼータ電位検出手段(P13c)と、を備えた粒子特性計測装置(D0)。
【選択図】図2
Description
前記溶液中の粒子径の測定法として様々な方法が実施されているが、顕微鏡で観察した像の大きさから粒子径を測定する方法や、粒子にレーザー光を照射してその散乱光の強度から粒子径を計測する動的光散乱法(例えば、非特許文献1参照)等が知られている。このほかにも、粒子のブラウン運動の移動量を顕微鏡で観察して粒子径を計測する方法として、特許文献1(特開2005−164560号公報)記載の技術が従来公知である。
前記非特許文献2,3に記載されているように、ゼータ電位は、一般的に、液体試料に対して電界を作用させた時の電気泳動移動度に基づいて測定される。
また、前記電気泳動移動度を検出する際に、レーザー光を粒子に照射し、散乱光の周波数がドップラー効果により変化することを利用して電気泳動速度を検出する電気泳動光散乱測定法(レーザードップラー法)として、非特許文献4記載の技術も従来公知である。
前記従来技術では、粒子径と、ゼータ電位は別々の測定法により個別に測定されており、測定装置も個別に必要になっていた。各測定装置を1つの装置としたものも存在するが、単純に、別々の測定原理の装置を1つに組み上げただけで、粒子径とゼータ電位の測定は個別に行われ、一度に測定することはできなかった。
特に、粒子界面の電位であるゼータ電位ζを精確に導出するためには、粒子径aを精確に導出する必要がある。代表的なヘンリーの式では、電気泳動移動度u、比誘電率εr、真空誘電率ε0、粘度η、電気二重層の厚さ1/κ、粒子半径a及びヘンリー関数f(κ・a)から、ヘンリー(Henry)の式:u=εr・ε0・ζ・f(κ・a)/ηから導出される。したがって、粒子径とゼータ電位を別々に測定していた従来技術では、精確なゼータ電位を測定する場合には、まず別の装置で粒子径aを測定してから、電気泳動移動度uを計測して、ゼータ電位を演算、測定する必要があった。
また、本発明は、ゼータ電位を精確に測定することを第2の技術的課題とする。
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために第1発明の粒子特性計測装置は、
溶媒中に分散したブラウン運動を行う粒子を含む液体試料が収容された試料室と、
前記試料室内に配置された一対の電極と、
前記一対の電極間に電界を発生させる電界発生回路と、
前記電界中を電気泳動する前記粒子の移動を計測する粒子移動計測手段と、
電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を検出する粒子径検出手段と、
前記粒子の電気泳動による電気泳動移動度と前記粒子径とに基づいて、ゼータ電位を検出するゼータ電位検出手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記構成要件を備えた第1発明の粒子特性計測装置は、試料室には、溶媒中に分散したブラウン運動を行う粒子を含む液体試料が収容されている。電界発生回路は、試料室内に配置された一対の電極間に電界を発生させる。粒子移動計測手段は、前記電界中を電気泳動する前記粒子の移動を計測する。粒子径検出手段は、電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を検出する。ゼータ電位検出手段は、粒子の電気泳動による電気泳動移動度と前記粒子径とに基づいて、ゼータ電位を検出する。
したがって、第1発明の粒子特性計測装置では、電気泳動中の粒子の移動を計測することで、粒子径とゼータ電位を一度に検出(測定)することができる。この結果、粒子径とゼータ電位を同じ装置で測定することができる。
第1発明の形態1の粒子特性計測装置は、前記第1発明において、
前記粒子のブラウン運動によるブラウン運動平均自乗距離に関するアインシュタインの関係式と、ストークス−アインシュタインの式とに基づいて、前記粒子の粒子径を演算して検出する前記粒子径検出手段、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態1の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態1の粒子特性計測装置では、前記粒子径検出手段により、前記粒子のブラウン運動によるブラウン運動平均自乗距離に関するアインシュタインの関係式と、ストークス−アインシュタインの式とに基づいて、前記粒子の粒子径を演算して検出できる。
第1発明の形態2の粒子特性計測装置は、前記第1発明の形態1において、
予め設定された所定の粒子移動計測間隔毎に前記粒子の移動を計測する前記粒子移動計測装置と、
前記各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に垂直な方向の成分の平均に基づいて、前記ブラウン運動による平均自乗距離を演算するブラウン運動平均自乗距離演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態2の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態2の粒子特性計測装置では、前記粒子移動計測装置は、予め設定された所定の粒子移動計測間隔毎に前記粒子の移動を計測する。ブラウン運動平均自乗距離演算手段は、前記各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に垂直な方向の成分の平均に基づいて、前記ブラウン運動による平均自乗距離を演算する。したがって、電界に垂直な方向の成分の移動距離の平均に基づいて、ブラウン運動による平均自乗距離を演算できる。
第1発明の形態3の粒子特性計測装置は、前記第1発明の形態1において、
予め設定された所定の粒子移動計測間隔毎に前記粒子の移動を計測する前記粒子移動計測装置と、
前記各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に平行な方向の成分の平均に基づいて、前記粒子の電気泳動による電気泳動平均移動距離を導出する電気泳動平均移動距離演算手段と、
前記各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に平行な方向の成分の平均と、前記電気泳動平均移動距離とに基づいて、前記ブラウン運動による平均自乗距離を演算するブラウン運動平均自乗距離演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記構成要件を備えた第1発明の形態3の粒子特性計測装置では、前記粒子移動計測装置は、予め設定された所定の粒子移動計測間隔毎に前記粒子の移動を計測する。電気泳動平均移動距離演算手段は、各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に平行な方向の成分の平均に基づいて、前記粒子の電気泳動による電気泳動平均移動距離を導出する。ブラウン運動平均自乗距離演算手段は、前記各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に平行な方向の成分の平均と、前記電気泳動平均移動距離とに基づいて、前記ブラウン運動による平均自乗距離を演算する。したがって、第1発明の形態3の粒子特性計測装置では、移動距離の電界に平行な方向の成分の平均を利用して、ブラウン運動による平均自乗距離を演算できる。
第1発明の形態4の粒子特性計測装置は、前記第1発明および第1発明の形態1〜3のいずれかにおいて、
前記粒子径と、前記電気泳動移動度と、ゼータ電位、粒子径および電気泳動移動度に関するヘンリーの式とに基づいて、前記ゼータ電位を検出するゼータ電位検出手段、
を備えたことを特徴とする。
(第1発明の形態4の作用)
前記構成要件を備えた第1発明の形態4の粒子特性計測装置では、ゼータ電位検出手段は、前記粒子径と、前記電気泳動移動度と、ゼータ電位、粒子径および電気泳動移動度に関するヘンリーの式とに基づいて、前記ゼータ電位を検出する。したがって、ヘンリーの式と、粒子径とに基づいて、精確なゼータ電位を検出、測定することができる。
前記技術的課題を解決するために第2発明の粒子特性計測方法は、
溶媒中に分散したブラウン運動を行う粒子を含む液体試料に電界を作用させて、前記電界中をブラウン運動しながら電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を計測し且つ、前記電界中を電気泳動する前記粒子の前記ブラウン運動による移動度を除いた電気泳動移動度に基づいて、ゼータ電位を検出することを特徴とする。
前記構成要件を備えた第2発明の粒子特性計測方法では、溶媒中に分散したブラウン運動を行う粒子を含む液体試料に電界を作用させて、前記電界中をブラウン運動しながら電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を計測し且つ、前記電界中を電気泳動する前記粒子の前記ブラウン運動による移動度を除いた電気泳動移動度に基づいて、ゼータ電位を検出する。したがって、電気泳動中の粒子の移動を計測することで、粒子径とゼータ電位を一度に検出(測定)することができる。この結果、粒子径とゼータ電位を同じ装置で測定することができる。
また、本発明は、ゼータ電位を精確に測定することができる。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
図1は、本発明の実施の形態1の粒子特性計測装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施の形態1の粒子特性計測装置D0は、粒子観察装置D1と、情報処理装置D2とを有する。前記粒子観察装置D1は、光学顕微鏡と同様に構成されており、上下方向に延びる観察装置本体1を有する。前記観察装置本体1の底部右側には、光源装置2が配置されている。前記光源装置2から照射された光2aは、コレクターレンズ3を通過して、反射鏡4で反射され、コンデンサレンズ6で観察領域7に照射される。
図1,図2において、前記観察装置本体1の上下方向中央部には、左方に延びるホルダ支持台8が支持されている。前記ホルダ支持台8には、中央部にコンデンサレンズ6を通過した光2aが通過できるように開口8aが形成されている。前記ホルダ支持台8の右部には、前後一対のクリップ支持部9が支持されている。前記クリップ支持部9には、左方に延びる板バネ状のホルダ保持クリップ11が支持されている。なお、実施の形態1のホルダ保持クリップ11は、金属等の導電性材料により構成されており、クリップ支持部9を介して、観察装置本体1内に配置された電界発生回路12に電気的に接続されている。
前記ホルダ支持台8には、角板状で透光性のある試料ホルダ16がクリップ11により着脱可能に支持される。前記試料ホルダ16は、中央部に角形の凹部により構成され、試料が収容可能な試料室16aが形成されている。前記試料室16aの前後両端部には、前後一対のプレート状の電極17が支持されている。前記電極17には外側に延びる端子部17aを有しており、試料ホルダ16がホルダ支持台8に支持された状態で、端子部17aがホルダ保持クリップ11に接触して、電界発生回路12に電気的に接続される。
粒子観察装置D1とケーブル24で接続された情報処理装置D2は、粒子観察装置D1の電界発生回路12や光源装置2等の動作を制御するとともに、撮像装置23から送信された画像データの処理を行う。実施の形態1の情報処理装置D2は、パーソナルコンピュータにより構成されており、コンピュータ本体31と、情報表示画面を有するディスプレイ32と、入力装置としてのキーボード33およびマウス34とを有する。
(粒子特性計測装置D0の制御部の説明)
図3は実施の形態1の粒子特性計測装置の制御部分が備えている各機能をブロック図(機能ブロック図)で示した図である。
図3において、情報処理装置D2のコンピュータ本体31は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有している。
前記構成の情報処理装置D2は、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。前記情報処理装置D2の粒子特性計測プログラムPの機能(制御手段)を以下に説明する。
光源装置制御手段P1は、粒子観察装置D1の光源装置2を制御して像観察用の光2aのオン、オフを制御する。
P2:電界発生回路制御手段
電界発生回路制御手段P2は、粒子観察装置D1の電界発生回路12を制御して試料室16aに電気泳動用の電界を発生させる。
P3:撮像装置制御手段
撮像装置制御手段P3は、撮像装置23から送信された撮像データを受信する撮像データ受信手段P3aを有し、撮像装置23を制御してデータ通信を行う。
P4:画像表示制御手段
画像表示制御手段P4は、キーボード33やマウス34からの入力や、撮像装置23から送信されたデータ、粒子特性計測プログラムPの各種処理に応じて、ディスプレイ32に画像を表示する。図4において、粒子特性計測プログラムPが起動されると、ディスプレイ32に図4に示す粒子特性測定画像41が表示される。粒子特性測定画像41は、撮像装置23から送信された画像の所定の範囲を表示する粒子画像表示欄42と、粒子径およびゼータ電位の測定を開始するための測定開始アイコン43と、測定された粒子径を表示する粒子径表示欄44と、測定されたゼータ電位を表示するゼータ電位表示欄46とを有する。前記粒子画像表示欄42では、粒子画像42aが表示され、粒子画像42aの中からマウス34等の入力により測定対象として設定された測定対象粒子のみ、測定対象であることを表示するために濃度の濃い測定対象粒子画像42bに表示が変更される。なお、粒子画像表示欄42の画像は、撮像装置23から送信される画像に応じて随時更新される。
P5:画像処理手段
画像処理手段P5は、画像濃度抽出手段P5aと、粒子判別閾値記憶手段P5bと、粒子判別手段P5cと、重心検出手段P5dとを有し、受信した撮像データの画像処理を行う。
P5a:画像濃度抽出手段
画像濃度抽出手段P5aは、マウス34等で入力されたディスプレイ32上の座標や、測定対象粒子画像42bを中心として予め設定された範囲の移動先判別領域51(図5参照)内の画像の濃度を抽出する。前記移動先判別領域51は、粒子画像42bの重心位置(xn,yn)を中心としてX、Y方向にそれぞれ、例えば100画素ずつの範囲と設定することができる。
P5b:粒子判別閾値記憶手段
粒子判別閾値記憶手段P5bは、液体試料中の粒子であるか否かを判別するための閾値である粒子判別閾値を記憶する。即ち、画像中、光2aが遮られて暗い粒子画像42a、42bと、光2aが透過する明るい溶媒部分とを判別するための粒子判別閾値を記憶する。
粒子判別手段P5cは、画像濃度抽出手段P5aで抽出された画像濃度と、粒子判別閾値とを比較して、粒子であるか否かを判別する。実施例1の粒子判別手段P5cでは、マウス34等により座標が指定された場合は、座標の指定があった画素52が粒子(の一部)であるか否かを判別し、粒子特性の計測が実行されている場合は、移動先判別領域51内にある画素52それぞれが粒子判別閾値以上であるか否か、即ち、粒子の一部であるか否かを判別する。
P5d:重心検出手段
重心検出手段P5dは、複数の画素が粒子判別閾値以上である場合に、その複数の画素で特定される粒子の重心位置53(図5参照)を検出する。実施の形態1では、粒子判別閾値以上の各点の座標(xn0,yn0),(xn1,yn1),…,(xnm-1,ynm-1)と、下記の数1とから重心座標53(xn,yn)を検出する。
粒子重心位置記憶手段P6は、設定された計測対象の粒子の重心位置(xn,yn)を記憶する。実施の形態1の粒子重心位置記憶手段P6は、粒子が移動した履歴(プロファイル)に応じて、初期の重心位置(x0,y0)〜n番目に計測した重心位置(xn,yn)を順に記憶する。
P7:対象粒子設定手段
対象粒子設定手段P7は、マウス34等からの入力に応じて、粒子径やゼータ電位の計測を行う対象の粒子を設定する。実施の形態1の対象粒子設定手段P7は、計測対象粒子の設定がされた場合に、初期の重心位置(x0,y0)を検出して、粒子重心位置記憶手段P6に記憶させるとともに、粒子画像表示欄42の粒子画像42aを測定対象粒子画像42bに変更させる。
P8:粒子設定有無判別手段
粒子設定有無判別手段P8は、粒子重心位置記憶手段P6に初期の重心位置(x0,y0)が記憶されているか否かに基づいて計測対象の粒子が設定されているか否かを判別する。
移動先判別領域内粒子有無判別手段P9は、電気泳動およびブラウン運動により移動した後の測定対象粒子が存在するか否かを判別する移動先判別領域を記憶する移動先判別領域記憶手段P9aを有し、所定の粒子計測間隔が経過した後に、粒子判別手段P5cの判別結果に基づいて、移動先判別領域51内に粒子が存在するか否かを判別する。例えば、図5において、重心位置53を中心とした元の位置から、重心位置53′を中心とした位置に粒子が移動した場合には、移動後の粒子が元の位置を中心とする移動先判別領域51内に存在すると判別する。
P10:計測回数カウント手段
計測回数カウント手段P10は、終了判別回数記憶手段P10aを有し、測定対象粒子の重心位置(xn,yn)の移動を計測した回数である計測回数nをカウントする。前記終了判別回数記憶手段P10aは、計測を終了するか否かを判別するための計測回数である終了判別回数nfを記憶する。なお、実施の形態1では、前記終了判別回数nf(即ち、重心位置(xn,yn)のサンプリング回数)は500(回)に設定されている。
計測間隔記憶手段P11は、測定対象粒子の重心位置を計測する時間間隔である計測間隔t1を記憶する。なお、実施の形態1では、計測間隔t1が1/10秒に設定されている。
P12:計測間隔計時タイマ
計測間隔計時タイマP12は、前記計測間隔t1がセットされ、計測間隔t1が経過したらタイムアップする。
P13:粒子特性測定手段
粒子特性測定手段P13は、粒子移動計測手段P13aと、粒子径検出手段P13bと、ゼータ電位検出手段P13cとを有し、液体試料中の粒子の特性(粒子径やゼータ電位)を計測する。
粒子移動計測手段P13aは、電界方向移動距離演算手段P13a1と、電気泳動平均移動距離演算手段P13a2と、ブラウン運動平均自乗距離演算手段P13a3とを有し、前記電界中を電気泳動する前記粒子の移動を計測する。実施の形態1の粒子移動計測手段P13aは、撮像装置23から送信された画像を画像処理し、検出された重心位置の移動の履歴から粒子の移動を計測する。
P13a1:電界方向移動距離演算手段
電界方向移動距離演算手段P13a1は、粒子重心位置記憶手段P6に記憶された前記重心位置(xn,yn)の履歴から、計測間隔t1の間の重心位置(xn,yn)の電界方向(一対の電極17が対向する方向、X方向)の移動距離Xn(=xn−xn−1)を、計測間隔t1毎に演算する。
P13a2:電気泳動平均移動距離演算手段
電気泳動平均移動距離演算手段P13a2は、電界方向移動距離演算手段P13a1で演算された移動距離Xnに基づいて、計測間隔t1間での電気泳動による粒子の移動距離の平均である電気泳動平均移動距離<XE>を演算する。図6において、電界方向移動距離演算手段P13a1で演算された移動距離Xn(X1〜X6)は、印加された電界によって電気泳動したことによる移動距離XE(XE1〜XE6)と、ブラウン運動による移動距離XB(XB1〜XB6)との和である。そして、電気泳動による移動距離XEは一定であり、且つ、ブラウン運動による移動のベクトルの総和は確率分布的には0であることを利用して、電気泳動平均移動距離<XE>は下記の数2から演算できる。
ブラウン運動平均自乗距離演算手段P13a3は、電界方向移動距離演算手段P13a1で演算された移動距離Xnに基づいて、計測間隔t1間でのブラウン運動による粒子の移動距離の平均であるブラウン運動平均自乗距離<XB 2>を演算する。図6において、電界方向移動距離演算手段P13a1で演算された移動距離Xn(X1〜X6)から、一定の値である電気泳動による移動距離XE(=電気泳動平均移動距離<XE>)を減算した値が、ブラウン運動による移動距離XB(XB1〜XB6)であり、二乗平均を利用して、ブラウン運動平均自乗距離<XB 2>は下記の式3から演算できる。
粒子径検出手段P13bは、電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を検出する。実施の形態1の粒子径検出手段P13bは、ストークス−アインシュタインの式に基づいて、粒子半径aを演算する。即ち、ブラウン運動平均自乗距離演算手段P13a3により演算されたブラウン運動平均自乗距離<XB 2>と、計測間隔t1から、アインシュタインの関係式:拡散係数D=<XB 2>/(2・t1)が導出され、ストークス−アインシュタインの式:a=kBT/(6πηD)から粒子半径aが導出できる。なお、kBはボルツマン定数、Tは溶媒の絶対温度、πは円周率、ηは溶媒(例えば、水)の粘度、Dは拡散係数である。実施の形態1では、Tやηはユーザにより図示しない入力画面から予め入力、登録されているが、自動的に検出するように構成することも可能である。
ゼータ電位検出手段P13cは、粒子の電気泳動による電気泳動移動度と前記粒子径とに基づいて、ゼータ電位を検出する。実施の形態1のゼータ電位検出手段P13cは、ヘンリーの式に基づいて、ゼータ電位ζを演算する。即ち、導出された電気泳動平均移動距離<XE>と、計測間隔t1と、作用する電界E(=(電界発生回路12で印加した電圧V)÷(電極17の既知の間隔d))とから、電気泳動移動度u=<XE>/(t1・E)が導出される。そして、ヘンリーの式:u=εr・ε0・ζ・f(κ・a)/ηから、ゼータ電位ζが導出できる。なお、εrは比誘電率、ε0は真空の誘電率、f(κ・a)はヘンリー関数、κは電気二重層の厚さの逆数、aは粒子径、ηは粘度である。なお、ヘンリー関数f(κ・a)は、前記非特許文献2や公知文献(「北原文雄、他3名、“ゼータ電位 微粒子界面の物理化学”、サイエンティスト社、1995年1月31日発行、p26−p27」)に詳細に説明されており、公知であるため、詳細な説明は省略する。また、実施の形態1では、電解質濃度が既知の液体試料を使用しており、κは、既知の電解質の濃度と、デバイ−ヒュッケルの式から導出されている。なお、デバイ−ヒュッケルの式は、従来公知(例えば、公知文献(Hiroyuki Ohshima他、“Electrical Phenomena at Interfaces(界面における電気的現象)”、Marcel dekker Inc.、p19−p37)や、”デバイ−ヒュッケルの式”、[online]、フリー百科事典ウィキペディア、ウィキメディア財団、[平成18年5月29日検索]、インターネット<URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%90%E3%82%A4-%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%BC%8F>、等参照)であるため、詳細な説明は省略する。
P14:エラー処理手段
エラー処理手段P14は、エラーが発生した場合に、ディスプレイ32にエラー表示を行う。実施の形態1のエラー処理手段P14は、マウス34により入力された座標に粒子が存在しない場合や、測定対象粒子が設定されていない状態で測定が開始された場合、移動先判別領域51に粒子が存在しなくなり測定が継続できなくなった場合にエラー表示を行う。
(メインのフローチャートの説明)
図7は実施の形態1の粒子特性計測装置に組み込まれた粒子特性計測プログラムによる粒子特性計測処理のメインフローチャートである。
図7のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、コンピュータ本体31のハードディスク等に記憶された粒子特性計測プログラム(アプリケーションプログラム)に従って行われる。また、この処理は情報処理装置D2の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図7に示すフローチャートは情報処理装置D2において、粒子特性計測プログラムが起動されたときに開始される。
(1)粒子観察装置D1の光源装置2の電源をオンにする。
(2)CCDカメラ(撮像装置23)をオンにして、撮像装置23からの画像の受信を開始する。
ST2において、撮像装置23から送信された画像データに基づいて、粒子特性測定画像41(図4参照)をディスプレイ32に表示する。そして、ST3に進む。
ST3において、マウス34等の入力により粒子特性測定画像41の粒子画像表示欄42で測定対象粒子を選択する入力があったか否かを判別する。即ち、例えば、粒子画像表示欄42上にマウス34のポインタが移動している状態でクリックされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に進み、ノー(N)の場合はST5に進む。
ST5において、測定開始の入力がされたか否かを判別する。即ち、粒子特性測定画像41の測定開始アイコン43を選択する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に進み、ノー(N)の場合はST7に進む。
ST6において、測定対象粒子の粒子径やゼータ電位を測定する測定処理(後述する図9,図10のサブルーチン参照)を実行して、ST3に戻る。
ST7において、粒子特性計測プログラムを終了する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST8に進み、ノー(N)の場合はST3に戻る。
ST8において、次の処理(1)、(2)を実行して、粒子特性計測プログラムPを終了する。
(1)光源装置2の電源をオフにする。
(2)撮像装置23をオフにし、画像の受信を停止する。
図8は実施の形態1の対象粒子設定処理のフローチャートであり、図7のST4のサブルーチンである。
図8のST11において、受信した画像データに基づいて、マウス34等で粒子を選択する入力がされた位置の画像濃度を抽出する。そして、ST12に進む。
ST12において、抽出された画像濃度は粒子判別閾値以上であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST13に進み、イエス(Y)の場合はST14に進む。
ST13において、粒子でない部分を選択する入力がされたことをユーザに告知する非粒子選択のエラー告知を行い、図8の対象粒子設定処理を終了して、図7の粒子特性計測処理に戻る。
ST15において、抽出された粒子判別閾値以上の粒子画像の座標から粒子画像42bの重心位置(x、y)を計算する。そして、ST16に進む。
ST16において、次の処理(1)、(2)を実行し、図8の対象粒子設定処理を終了して、図7の粒子特性計測処理に戻る。
(1)計算された重心位置(x,y)を初期の重心位置(x0,y0)に設定する。
(2)入力された位置の粒子画像42aを測定対象粒子画像42bに更新する。
図9は実施の形態1の測定処理のフローチャートであり、図7のST6のサブルーチンである。
図10は実施の形態1の測定処理のフローチャートであり、図9の続きのフローチャートである。
図9のST21において、初期の重心位置(x0,y0)の設定がされているか否かを判別する。ノー(N)の場合はST22に進み、イエス(Y)の場合はST23に進む。
ST22において、測定対象の粒子が選択、設定されていないことを告知するエラー表示をディスプレイ32に表示する。そして、図9、図10の測定処理を終了して、図7の粒子特性測定処理に戻る。
ST24において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST25に進む。
(1)電界発生回路12をオンにして、所定の電界Eを作用させる。
(2)計測回数nを0にリセットする。
ST25において、計測間隔t1を計測間隔計時タイマTM1にセットする。そして、ST26に進む。
ST26において、計測間隔計時タイマTM1がタイムアップしたか否かを判別する。すなわち、計測間隔t1が経過したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST26を繰り返し、イエス(Y)の場合はST27に進む
ST28において、移動先判別領域51内に粒子判別閾値以上の画像濃度を有する画素が存在するか否かを判別する。ノー(N)の場合はST29に進み、イエス(Y)の場合はST30に進む。
ST29において、移動先判別領域51から粒子が外側に移動してしまい計測が失敗したことを告知するエラー表示を行う。そして、図9、図10の測定処理を終了して、図7の粒子特性測定処理に戻る。
ST31において、抽出された粒子範囲の重心位置(xn,yn)を検出する(計算する)。そして、ST32に進む。
図10のST32において、計測回数nに対応させて重心位置(xn,yn)を記憶する。そして、ST33に進む。
ST33において、計測回数nが終了判別回数nf以上であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はSTの34に進み、ノー(N)の場合はST35に進む。
図9のST34において、重心位置(xn,yn)を中心とした移動先判別領域51を設定する。そして、ST25に戻る。
ST36において、記憶された重心位置(xn,yn)のデータに基づいて、電界方向移動距離Xn=xn−xn−1を計算する。そして、ST37に進む。
ST37において、前記数2に基づいて、電気泳動平均移動距離<XE>を計算する。そして、ST38に進む。
ST38において、前記数3に基づいて、ブラウン運動平均自乗距離<XB 2>を計算する。そして、ST39に進む。
ST40において、電気泳動移動度u=v/E=<XE>/(t1・E)と、粒子半径aと、ヘンリーの式:u=εr・ε0・ζ・f(κ・a)/ηから、ゼータ電位ζを演算する。そして、ST41に進む。
ST41において、次の処理(1)、(2)を実行し、図9、図10の測定処理を終了して、図7の粒子特性測定処理に戻る。
(1)粒子径aおよびゼータ電位ζを、粒子特性測定画像41の粒子径表示欄44およびゼータ電位表示欄46に表示する。
(2)重心位置(xn,yn)の記憶データを全て消去する。
前記構成を備えた実施の形態1の粒子特性計測装置D0では、電界Eにより電気泳動する粒子の移動を計測することにより、電気泳動による平均移動距離<XE>と、ブラウン運動による平均自乗距離<XB 2>を導出することができ、粒子径aと、ゼータ電位ζを両方とも測定することができる。したがって、1つの粒子特性計測装置D0で粒子径aとゼータ電位ζを1回の測定で一度に測定でき、異なる測定装置や、測定方法で、個別に粒子径やゼータ電位を導出していた場合に比べ、装置の構成をシンプルにでき、装置および測定のコストを低減することができる。また、実施の形態1では、ブラウン運動による平均自乗距離<XB 2>から精度良く粒子径(ストークス径)aを測定でき、測定された粒子径からゼータ電位ζを導出できるので、精確なゼータ電位ζを測定することができる。
なお、実施の形態1では、粒子のY方向(電界に垂直な方向)の移動距離は使用しないので、重心位置はx方向成分のみを取得するように構成することが可能である。この場合、処理を高速化でき、記憶するメモリーの容量も減らすことができる。
次に本発明の実施の形態2の粒子特性計測装置D0の説明を行うが、この実施の形態2の説明において、前記実施の形態1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施の形態2は、下記の点で前記実施の形態1と相違しているが、他の点では前記実施の形態1と同様に構成されている。
(実施の形態2の制御部の説明)
(情報処理装置D2の制御部の説明)
図11において、実施の形態2の情報処理装置D2では、粒子移動計測手段P13a′は、実施の形態1と同様の電界方向移動距離演算手段P13a1および電気泳動平均移動距離演算手段P13a2と、追加された電界垂直方向移動距離演算手段P13a4と、実施の形態1とは異なるブラウン運動平均自乗距離演算手段P13a3′とを有する。そして、実施の形態2では、粒子径検出手段P13b′は、実施の形態1とは異なる式に基づいて粒子径を演算する。
P13a4:電界垂直方向移動距離演算手段
電界垂直方向移動距離演算手段P13a4は、粒子重心位置記憶手段P6に記憶された前記重心位置(xn,yn)の履歴から、計測間隔t1の間の重心位置(xn,yn)の電界方向に垂直な電界垂直方向(一対の電極17が対向する方向に垂直な方向、Y方向)の移動距離Yn(=yn−yn−1)を、計測間隔t1毎に演算する。
P13a3′:ブラウン運動平均自乗距離演算手段
ブラウン運動平均自乗距離演算手段P13a3′は、電界垂直方向移動距離演算手段P13a4で演算された移動距離Ynに基づいて、計測間隔t1間でのブラウン運動による粒子の移動距離の平均であるブラウン運動平均自乗距離<YB 2>を演算する。図12において、電界垂直方向移動距離演算手段P13a4で演算された移動距離Yn(Y1〜Y6)には、電気泳動による移動距離が含まれず、全てブラウン運動による移動距離であるため、二乗平均を利用して、ブラウン運動平均自乗距離<YB 2>は下記の数4から演算できる。
粒子径検出手段P13b′は、電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を検出する。実施の形態2の粒子径検出手段P13b′は、ストークス−アインシュタインの式に基づいて、粒子半径aを演算する。即ち、ブラウン運動平均自乗距離演算手段P13a3′により演算されたブラウン運動平均自乗距離<YB 2>と、計測間隔t1と、アインシュタインの関係式から、拡散係数D=<YB 2>/(2・t1)が導出され、後は、実施の形態1と同様に、ストークス−アインシュタインの式:a=kBT/(6πηD)から粒子半径aが導出できる。
図13は実施の形態2の測定処理のフローチャートであり、実施の形態1の図10に対応するフローチャートである。
次に実施の形態2のフローチャートの説明を行うが、実施の形態1と同様の処理については、図示および詳細な説明を省略する。
実施の形態2の粒子特性測定処理では、実施の形態1の図7〜図9に示す処理は同様であり、図10の測定処理のST36、ST38、ST39のみが異なり、ST36′、ST38′、ST39′の処理が実行される
(1)電界方向移動距離Xn=xn−xn−1を計算する。
(2)電界垂直方向移動距離Yn=yn−yn−1を計算する。
次に、ST37の処理を実行して、ST38′に進む。
ST38′において、電界垂直方向移動距離および前記数4に基づいて、ブラウン運動平均自乗距離<YB 2>を計算する。そして、ST39′に進む。
ST39′において、アインシュタインの式:拡散係数D=<YB 2>/(2・t1)と、ストークス−アインシュタインの式:a=kBT/(6πηD)から、粒子半径aを演算する。そして、ST40に進む。
前記構成要件を備えた実施の形態2の粒子特性計測装置D0では、電界方向に垂直な方向の移動距離Ynに基づいてブラウン運動の平均自乗距離<YB 2>を導出することができる。したがって、実施の形態1に比べ、ブラウン運動の平均自乗距離<YB 2>の計算式、導出が容易になり、また、電気泳動平均移動距離<XE>と並行して同時に演算することもできる。
その他、実施の形態2の粒子特性計測装置D0は、実施の形態1と同様の作用効果を有する。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、前記実施の形態において、粒子の移動の計測は、CCDを使用して光学的に検出したが、これに限定されず、粒子の粒子径により、一般的な光学顕微鏡で観測できない場合には、白色光や単色光、偏光を使用可能な限外顕微鏡や暗視野顕微鏡と呼ばれる顕微鏡を使用することも可能である。
また、前記実施の形態において、測定対象粒子を1つの場合を例示したが、これに限定されず、情報処理装置D2の処理速度がカバーできる範囲で、複数の粒子の移動を同時に計測し、粒子径やゼータ電位を測定することも可能である。このとき、粒子径やゼータ電位を個別に表示したり、平均を表示したりすることも可能である。
また、前記実施の形態において、情報処理装置D2と粒子観察装置D1とを別体に構成したが、これに限定されず、一体的に構成することも可能である。即ち、具体的な構成は設計等に応じて任意に変更可能である。
さらに、前記実施の形態において、ゼータ電位を導出する際に、ヘンリーの式を使用したが、これに限定されず、他に提案されている電気泳動の式、例えば、Ohshima−Healy-Whiteの式やOhshimaらの式、Hermans-Fujitaの式等(公知文献(「北原文雄、他3名、“ゼータ電位 微粒子界面の物理化学”、サイエンティスト社、1995年1月31日発行、p30−p27」)等参照)を使用してゼータ電位を導出することも可能である。
さらに、前記実施の形態において、電解質の濃度が既知の液体試料を使用して、κをデバイーヒュッケルの式を使用して導出したが、これに限定されず、例えば、電気伝導度を測定して電解質の濃度を測定(概算)することも可能である。
また、前記実施の形態において、粒子の重心位置から移動量の検出を行ったが、これに限定されず、重心以外の任意の位置(例えば、電極に対向する境界部等)に基づいて移動量を検出とすることも可能である。
Claims (6)
- 溶媒中に分散したブラウン運動を行う粒子を含む液体試料が収容された試料室と、
前記試料室内に配置された一対の電極と、
前記一対の電極間に電界を発生させる電界発生回路と、
前記電界中を電気泳動する前記粒子の移動を計測する粒子移動計測手段と、
電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を検出する粒子径検出手段と、
前記粒子の電気泳動による電気泳動移動度と前記粒子径とに基づいて、ゼータ電位を検出するゼータ電位検出手段と、
を備えたことを特徴とする粒子特性計測装置。 - 前記粒子のブラウン運動によるブラウン運動平均自乗距離に関するアインシュタインの関係式と、ストークス−アインシュタインの式とに基づいて、前記粒子の粒子径を演算して検出する前記粒子径検出手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の粒子特性計測装置。 - 予め設定された所定の粒子移動計測間隔毎に前記粒子の移動を計測する前記粒子移動計測装置と、
前記各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に垂直な方向の成分の平均に基づいて、前記ブラウン運動による平均自乗距離を演算するブラウン運動平均自乗距離演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の粒子特性計測装置。 - 予め設定された所定の粒子移動計測間隔毎に前記粒子の移動を計測する前記粒子移動計測装置と、
前記各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に平行な方向の成分の平均に基づいて、前記粒子の電気泳動による電気泳動平均移動距離を導出する電気泳動平均移動距離演算手段と、
前記各粒子移動計測間隔の間の移動距離の前記電界に平行な方向の成分の平均と、前記電気泳動平均移動距離とに基づいて、前記ブラウン運動による平均自乗距離を演算するブラウン運動平均自乗距離演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の粒子特性計測装置。 - 前記粒子径と、前記電気泳動移動度と、ゼータ電位、粒子径および電気泳動移動度に関するヘンリーの式とに基づいて、前記ゼータ電位を検出するゼータ電位検出手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の粒子特性計測装置。 - 溶媒中に分散したブラウン運動を行う粒子を含む液体試料に電界を作用させて、前記電界中をブラウン運動しながら電気泳動する前記粒子のブラウン運動による移動量に基づいて粒子径を計測し且つ、前記電界中を電気泳動する前記粒子の前記ブラウン運動による移動度を除いた電気泳動移動度に基づいて、ゼータ電位を検出することを特徴とする粒子特性計測方法。
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