JPH07128215A - 懸濁粒子分析方法および装置 - Google Patents

懸濁粒子分析方法および装置

Info

Publication number
JPH07128215A
JPH07128215A JP5272780A JP27278093A JPH07128215A JP H07128215 A JPH07128215 A JP H07128215A JP 5272780 A JP5272780 A JP 5272780A JP 27278093 A JP27278093 A JP 27278093A JP H07128215 A JPH07128215 A JP H07128215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
particle size
zeta potential
size distribution
particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5272780A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshibumi Fukui
俊文 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP5272780A priority Critical patent/JPH07128215A/ja
Publication of JPH07128215A publication Critical patent/JPH07128215A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 媒液中に液体または固体粒子が存在する系に
おける粒子の凝集分散状態を従来より詳細に分析・評価
できる方法と、その実施に適した装置とを提供する。 【構成】 遠心沈降式粒度分布測定装置に装着される試
料セル4内に一対の電極21、21を設け、沈降または
浮上時にその電極間電位差を測定することで、粒度分布
とゼータ電位とを同時に測定し、その両測定結果を使っ
て粒子の凝集分散状態を分析・評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、媒液中に固体または液
体粒子が存在する系における粒子の凝集分散状態を分析
する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば懸濁液やコロイド溶液のよ
うに媒液中に固体粒子を分散させてなる系において固体
粒子(懸濁粒子)の凝集分散状態を分析する場合、固体
粒子のゼータ電位を測定して、そのゼータ電位の値より
経験的に固体粒子の凝集分散状態を分析・評価すること
を行っていた。ただし、その場合のゼータ電位として
は、系に存在する固体粒子のゼータ電位の平均値として
測定されたものを用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な固−液系あるいは液−液系における粒子のゼータ電位
と凝集状態は、互いに1対1に対応しているわけではな
い。例えば、凝集粒子の粒度分布が互いに異なった2つ
の系において、平均値としてのゼータ電位は同じ値を示
すことがあるが、その場合、測定されたゼータ電位の値
が同じであるからといって両系の凝集分散度合も同じで
あるかというと、必ずしもそうとは言えない。つまり、
懸濁液等の固−液系あるいは液−液系における粒子の凝
集分散状態は、その粒子の粒度分布にも依存するのであ
る。
【0004】したがって、この種の系における粒子の凝
集分散状態についてより高度な分析・評価を行うために
は、従来のように平均値としてのゼータ電位を測定して
いただけでは不十分であり、粒子の粒度分布とゼータ電
位の両方を考慮する必要がある。
【0005】本発明は、このような要請に応えるもの
で、媒液中に粒子が存在する系における粒子の凝集分散
状態を従来よりも高度に分析・評価できる方法と、その
方法の実施に適した装置とを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
願の第1発明に係る懸濁粒子分析方法は、媒液中に固体
または液体粒子が存在する系における粒子の凝集分散状
態を分析するに当たり、その粒子の粒度分布と粒径に応
じたゼータ電位とを測定し、その測定された粒度分布と
ゼータ電位とから粒子の凝集度合を分析することを特徴
とする。
【0007】また、本願の第2発明に係る懸濁粒子分析
装置は、媒液中に粒子を分散させてなる懸濁液を試料容
器内に封入し、その試料容器を回転円盤の所定部位に装
着して回転させることにより粒子の沈降または浮上を生
じさせ、上記所定部位に対応して配設された濃度検出手
段による懸濁液の濃度変化から粒子の粒度分布を測定す
ると同時に、上記移動に伴う粒子のゼータ電位を測定す
る装置において、上記試料容器内に、移動方向において
所定の間隔を有するように一対の電極を設け、それらの
電極から試料容器の外部にそれぞれ電極線を導出し、そ
れらの電極線を介して移動時における上記一対の電極間
の電位差を測定し得る構成としたことを特徴とする。
【0008】
【作用】本願の第1発明によれば、媒液中に粒子が存在
する系において、その粒子の粒度分布と粒径に応じたゼ
ータ電位とが測定されるので、その両測定結果を用いる
ことで、例えば次のようにして固体粒子の凝集分散状態
を従来よりも高度な分析・評価を行うことができる。
【0009】いま、例えば図10の(A)〜(C)に示
すような測定結果が得られたものとする。同図の(A)
と(B)において、平均のゼータ電位が同じであった場
合、従来のように平均のゼータ電位のみから評価すると
(A)の系と(B)の系とは同じであると判断されるた
め、実際には凝集粒子の大きさに偏りがあったとして
も、それに関してはわからない。一方、(B)と(C)
において、粒度分布が同じであった場合、同じ凝集状態
であるかと言うと、そうは言えない。この場合、ゼータ
電位は(B)の系に比べて(C)の系の方が粒径ごとの
バラツキが少なくて平均しているので、(C)の系の方
が安定した状態、つまり凝集しにくい状態であると言え
る。(B)の系では、分子間力の影響が粒子間の静電力
よりも大きいため、放置しておくと粒子が凝集して沈降
するので、これを防止するには常時攪拌していなくては
ならないが、(C)の系では、静電力の方が分子間力よ
りも大きいので、放置しておいても分散状態が保たれ
る。このように、粒度分布とゼータ電位の関係から系の
凝集分散状態を分析・評価することにより、従来よりさ
らに詳しい知見が得られることになる。
【0010】また、本願の第2発明によれば、懸濁液を
封入した試料容器を回転させて固体粒子の沈降を生じさ
せた状態において、濃度検出手段による懸濁液の濃度変
化から固体粒子の粒度分布を測定すると同時に、試料容
器に設けられた一対の電極間の電位差を電極線により外
部に取り出して測定できる。言い換えれば、遠心場の下
で懸濁液中の固体粒子を沈降させることにより、その粒
度分布と粒径に応じたゼータ電位とを同時に測定できる
ので、この種の測定を別々に行う場合に比べて、測定デ
ータに統一性が与えられるとともに、測定の簡略化が図
られることになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。まず、本
実施例で用いる懸濁粒子分析装置について説明する。
【0012】この懸濁粒子分析装置は、いわゆる遠心沈
降式粒度分布測定装置を改良して粒度分布と同時にゼー
タ電位を測定できるようにしたもので、図1にその全体
構成を示す。
【0013】同図に示すように、懸濁粒子分析装置1
は、遠心力場での粒子の沈降(浮上)測定が行えるよう
に、試料セル回転用の駆動モータ2と、この駆動モータ
2の回転軸2aの先端部に取り付けられた回転円盤3と
を有する。ここで、駆動モータ3は、その回転軸2aが
水平になるように設置されている。
【0014】回転円盤3は中空であって、その内部の所
定位置に試料セル4が着脱可能に装着されるようになっ
ている。また、回転円盤3の回転中心から一定の距離の
ところに、光透過法による濃度測定装置5が配設されて
いる。この濃度測定装置5は、半導体レーザ、コリメー
タおよび1枚のスリットからなる測定光源部5aと、1
枚のスリットおよび1個の受光素子からなる測定受光部
5bとにより構成されている。そして、試料粒子を媒液
中に分散させてなる懸濁液を試料セル4内に封入し、そ
の試料セル4を回転円盤3の所定位置に装着して回転を
与える一方、測定光源部5aからの測定光束5cを測定
受光部5bに入射させ、その測定光束5cを回転中の試
料セル4が横切るタイミングで測定受光部5bの出力を
サンプリングすることにより、試料セル4内の懸濁液濃
度を所定の沈降位置において刻々と検出し、その濃度の
時間的変化から試料粒子の粒度分布を算出しうるように
なっている。
【0015】なお、濃度測定装置5が試料セル4内の懸
濁液濃度を測定し得る位置に、回転円盤3を固定した時
には、自然沈降による粒度分布測定が可能で、また遠心
沈降による測定の場合には回転円盤3を回転させるが、
この場合、試料セルはその1回転ごとに測定光束5cを
1回横切ることになり、その横切ったときの測定受光部
5bの出力だけが濃度測定のデータとして採用されるよ
うに構成されている。
【0016】また、回転円盤3の背後には、試料セル4
の位置や回転円盤3の回転速度を検出する装置(以下、
測定位置等検出装置という)6が設けられている。この
測定位置等検出装置6の出力信号は、増幅器7およひA
/D変換器8を介して制御部9に入力され、インバータ
10を介して駆動モータ2の回転を制御したり測定信号
の読み込みタイミングをとったりするのに使用される。
また、上述の濃度測定装置5の出力信号も、同じく増幅
器7およひA/D変換器8を介して制御部9に入力され
る。
【0017】制御部9はマイクロコンピュータによって
構成され、プログラムの実行や各周辺機器の制御を行う
CPU9a、プログラムが書き込まれたROM9b、濃
度測定データや後述の電極間電位差測定データさらには
CPU9aによる演算結果等を格納するエリアを有する
RAM9cを備えている。なお、図例のCPU9aにお
いては、図示しない入出力インターフェースを介してプ
リンタ11、CRT12、キーボード13およびスイッ
チ14が接続されているとともに、シリアルポート9d
を介して外部コンピュータに接続されるようになってい
る。
【0018】このような構成に加えて、懸濁粒子分析装
置1においては、本発明装置の特徴部分として、試料粒
体の粒度分布と同時にゼータ電位を測定するために次の
ような構成が採用されている。
【0019】すなわち、図2に示すように、上記試料セ
ル4内に、測定光束5cを挟んで対峙し且つ互いに絶縁
状態を保つように配置された一対の電極20、21が備
えられており、それらの電極20、21にはそれぞれ電
極線20a、21aが接続されている。これらの電極線
20a、21aは、図3に示すように試料セル4の上部
に着脱自在に装着されたセルキャップ4aを介して試料
セル4の外部に引き出されている。一方、回転円盤3の
回転軸の先端側には、図3および図4に示すように、互
いに絶縁された一対の銅製カム22、23が軸方向位置
を相対的に変位させた状態で同軸上に設けられている。
これらの銅製カム22、23には、絶縁材24により互
いに絶縁された状態で回転円盤3の外側に配置された一
対の銅プレート製電圧取出バー25、26の各一端部が
それぞれ接触されている。そして、上述の試料セル4か
ら外部に引き出された一対の電極線20a、21aの各
先端部がその対応する銅製カム22、23にそれぞれ接
触されていることにより、回転円盤3とともに回転する
試料セル4の一対の電極20、21から、それらに対応
する電極線20a、21a、銅製カム22、23および
電位差取出バー25、26を介して外部に電位が取り出
され、こうして取り出された一対の電極20、21間の
電位差を計測することによって、試料セル4内を移動す
る試料粒子のゼータ電位(沈降電位)の測定を上述の粒
度分布の測定と同時に行いうるようになっている。
【0020】なお、試料セル4は、懸濁液を封入した後
にセルキャップ4aを装着した状態で取り付けられる
が、その際、回転円盤3内に傾斜可能に設けられたセル
ホルダ3aに収容される。試料セル4の着脱時には図5
に示すようにセルホルダ3aの下部を押して前方に傾け
て出入を行い、測定時には図3に示すように直立させ、
セル押さえ3bを介してバネ3cによりセルキャップ4
aを押さえた状態にセットされる。
【0021】次に、このような懸濁粒子分析装置1を用
いて行われる本発明実施例方法について説明する。上述
の懸濁粒子分析装置1において、試料となる懸濁液を試
料セル4内に封入し、その試料セル4を回転円盤3の所
定位置に装着して回転を与えるとともに、測定光源部5
aからの測定光束5cを測定受光部5dに入射させ、そ
の状態で、回転中の試料セル4が測定光束5cを横切る
タイミングで測定受光部5bの出力をサンプリングする
ことにより、試料セル4内の懸濁液濃度を所定の沈降位
置において刻々と検出し、その濃度の時間的変化から試
料粒子の粒度分布を算出する。そして、この粒度分布の
測定と同時に、試料セル4内の一対の電極20、21間
に現れる電位差を電極線20a、21a、カム22、2
3および電位差取出バー24、25を介して外部に取り
出して測定し、その測定値を別途備えられたレコーダに
より記録する。これにより、遠心場の下で沈降または浮
上する試料粒子の粒度分布と沈降電位(つまりゼータ電
位)の両測定が同時に行われたことになる。
【0022】この場合の測定条件は、次の通りである。 <試料セル> 電極間隔:20mm、体積:2.4 CC、回転
数:1000rpm(一定) <試料> 溶媒:イオン交換水、溶質:TiO2 (0.0
5 wt%) 、調整剤:KCl(0.05 wt%) :ヘキサメタリ
ン酸ナトリウム(0.005 wt %) 導電率:0.0008(0hm-1・cm-1) 、粘性率:1.00(mPaS)、
誘電率:80.3 上述の方法によって得られた粒度分布測定結果および沈
降電位曲線を図6および図7にそれぞれ示す。これらの
測定データから、後述する「遠心場における沈降電位」
に述べる理論を用いて解析を行う。粒度分布の測定結果
より、この試料中の懸濁粒子の粒径は0.8μmより小
さいものであることがわかる。そこで、0〜0.8μm
の領域を0.2μmごとに4分割し、上記理論に基づい
た計算により粒子径ごとのゼータ電位を求める。この場
合、各領域ごとの代表粒子径は各領域の中心値として計
算を行った。こうして求めた各領域における値を表にし
てまとめたものを図8に示す。
【0023】同図の表からもわかるように、平均値のゼ
ータ電位は若干大きめではあるがオーダーとして一般的
な値(60mV前後)が得られた。粒径ごとの値は広い
範囲で変動しており、この方法を用いると凝集度合(粒
子径)とゼータ電位の関係に新たな知見が得られること
を示唆していると思われる。
【0024】次に、上述の測定データを解析する際に用
いた「遠心場における沈降電位」の理論について説明す
る。一般に、加速度αである遠心場におかれた半径aの
均一な球形粒子が液体中に分散している系の沈降電位は
次式(1)によって示される。
【0025】
【数1】
【0026】ここで、ρ2 は粒子密度、ρ1 は液密度、
Nは単位体積中の粒子の個数、αは粒子に作用する遠心
場の加速度、εは液の誘電率、ζはゼータ電位、λは液
の導電率、ηは液の粘度である。
【0027】いま、ある時刻tにおける1個の粒子に作
用する遠心場での加速度αは、加速回転の場合は角加速
度をβ、t=0における角加速度をω0 、回転の中心か
ら粒子までの距離をx(t)とすると、 α=(βt+ω0 2 x(t) ・・・(2) とおける。一方、定速回転の場合は角速度をω、回転の
中心から粒子までの距離をx(t)として、 α=ω2 x(t) ・・・(3) とおける。
【0028】加速回転の場合、次式
【0029】
【数2】
【0030】が成立し、t=0のときx(t)=x
(0)として、これを解くと
【0031】
【数3】
【0032】となり、時刻tにおける粒子の位置が求ま
る。定速回転の場合、次式
【0033】
【数4】
【0034】が成立し、t=0のときx(t)=x
(0)とおいて解くと
【0035】
【数5】
【0036】となり、時刻tにおける粒子の位置が求ま
る。遠心回転の中心から距離x1 、x2 (x2 >x1
1 に電極を設置し、この電極間について議論を行う。
粒子は均一に分散しているとし、実際には粒子径aは分
布を持つが、簡単のため半径aなる粒子について着目
し、粒子径aにより異なると思われる値には添字aを付
けることにする。
【0037】加速回転の場合、t=0において沈降方向
に対して最初x0 の位置とx0 +δの位置にあった粒子
の間隔δは時刻tで12δ(At+1)/{12(At
+1)−B}倍に広がることになり、同様に定速回転の
場合は、時刻tにおいて粒子の間隔はEXP(k1 2
ω2 t)倍に広がることになる。したがって、時刻t=
tのときの電極間の粒子の総数Na(t)は、加速回転
の場合は
【0038】
【数6】
【0039】となり、定速回転の場合は
【0040】
【数7】
【0041】となる。Mをt=0のときに電極間に存在
する粒子の総重量とすると、t=0のときの電極間の粒
子の総数Na(0)は Na(0)=3M/4πρ2 3 とおける。時刻tにおける粒子iの位置をx i(t)と
すると、x i(t)なる位置にある粒子の個数na
i(t)は均一分散としてよい場合には、
【0042】
【数8】
【0043】で示される。したがって、時刻t=tにお
いて電極間に生じる電位差Ea(t)は、(1)式のα
に(2)または(3)およびNに(6)を代入し、xに
ついて積分して求められ、加速回転の場合は
【0044】
【数9】
【0045】で求められる。また、定速回転の場合は
【0046】
【数10】
【0047】と書ける。次に、n個の異なる粒子径をも
った粒子が存在する場合、粒子径aを添字n(nは自然
数)を用いてan (an <an-1 とする)と表わすと、
時刻tにおいて電極間に生じる電位差E(t)は
【0048】
【数11】
【0049】となる。いま、一例として沈降する粒子の
モデルとその時の電極間電位差曲線を図9の(a)と
(b)に示す。これらに示すように、粒径の大きなもの
から先に沈降していき、それとともに電極間電位が減少
していく。この場合、粒子径anなる粒子が全て電極間
より下に沈降した時間をtn とおいて、各時刻tn にお
ける電極間電位差E(tn )は次のように表わすことが
できる。
【0050】
【数12】
【0051】したがって、E(tn-1 ) を測定することに
よってEan (tn-1 ) が求まるので、ζa(n) がわか
る。これより式(7)または式(8)を用いてEan (t
n-2 ) を求め、E(tn-2 ) を測定すれば、Ean-1 (t
n-2)がわかり、ζa(n-1) が求められる。これを繰り返
して順次ゼータ電位を求める。
【0052】Ean (tn ) の計算を行うに当たっては次
のように各条件を決定していくことになる。ρ1
ρ2 、ε、λ、ηは物性値より、x1 、x2 、ω(t)
は装置側の設計より決定する。x(t)は式(4)また
は(5)より計算で求める。また、粒子の個数Na
n (0)は粒度分布重量百分率φan と最初の電極間試
料重量Mがわかれば次式(9)より求めることができ
る。
【0053】
【数13】
【0054】したがって、粒子半径aと時間tを決定す
れば、電極間電位差Ea( t ) の実測値から式(7)ま
たは式(8)を用いてζan 、つまり粒径ごとのゼータ
電位を求めることができる。
【0055】実際には、測定できる電極間電位差はE(
t ) であるから、上述のようにn種類の粒子径に分けて
考えた場合、 Ean (tn ) =m(tn , an ) ・ζan と書き直せば、E(t) はn*n型の行列式で次のように
表わすことができる。
【0056】
【数14】
【0057】これを解いてζaを得ることとなる。この
ように、遠心場における沈降電位を測定することによっ
て粒子径ごとに粒子のもつゼータ電位を求めることがで
きる。また、粒度分布とゼータ電位とから媒液の条件ご
との粒子の凝集分散状態の評価ができる。
【0058】なお、上述した実施例においては、遠心沈
降法により粒度分布とゼータ電位とを同時に測定した
が、本発明方法は、この例に限られるものではない。す
なわち、他の公知の方法で粒度分布とゼータ電位とを別
々に測定して、それらの測定データを用いて凝集分散状
態を分析・評価することも可能である。例えば、電気泳
動速度から試料粒子のゼータ電位を求め、その時の粒子
の粒径を顕微鏡等を介して測定したり、あるいは、あら
かじめ粒径を測定しておいた試料粒子のゼータ電位を電
気泳動法等によって別途測定したりすれば、遠心沈降法
によらなくても粒径に対応したゼータ電位を求めること
が可能である。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明方法によれば、媒
液中に固体または液体粒子が存在する系において、その
粒子の粒度分布と粒径に応じたゼータ電位とが測定され
るので、系の凝集分散状態を評価する際に、その粒度分
布とゼータ電位の関係から従来よりさらに詳しい知見が
得られることになる。したがって、例えばプロセスにお
いて目的とする分布状態を懸濁液内で得ようとする場合
に、その液状態を制御するための有効な指標が得られる
ことになる。また、粒径ごとのゼータ電位が得られるの
で、系におけるゼータ電位の分布の有無がわかり、その
結果、そのようなゼータ電位の分布があった場合には、
電気泳動速度の差を利用して目的の粒径のものをスクリ
ーニングするといったことも可能となる。このように、
本発明方法は、凝集分散状態の単なる評価に止まらず、
積極的なプロセス制御において重量な役割を果たすこと
ができる。
【0060】また、本発明装置によれば、遠心沈降(浮
上)法を利用して上述の粒度分布と粒径に応じたゼータ
電位とを同時に測定できるので、この種の測定を別々に
行う場合に比べて、測定データに統一性を与えることが
できるとともに、測定の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る懸濁粒子分析装置の全
体構成を示すブロック図
【図2】同装置に装着される試料セル(試料容器)に一
対の電極を設けた状態を示す断面図
【図3】同装置における回転円盤に装着された試料セル
の周辺構造を示す一部切欠側面図
【図4】同じく試料セルの周辺構造を示す正面図
【図5】上記回転円盤に対する試料セルの脱着方法を説
明するために使用した試料セル装着部の一部切欠側面図
【図6】本発明実施例における試料粒子の粒度測定結果
を示すグラフ
【図7】同じく測定結果として得られた試料粒子の沈降
電位曲線を示すグラフ
【図8】上記測定結果から粒径に応じた領域分けを行っ
て、その各領域ごとのゼータ電位等の値を示す表
【図9】上記測定結果を分析するに当たり用いた「遠心
場における沈降電位」理論において、その説明のために
使用した粒子モデルとその時の電極間電位差曲線の一例
を示す図
【図10】本発明方法の作用を説明するために使用した
もので、異なる系において粒度分布とゼータ電位との関
係が互いに異なっている状態を例示したグラフ
【符号の説明】
1・・・懸濁粒子分析装置 3・・・回転円盤 4・・・試料容器(試料セル) 5・・・濃度検出手段(濃度測定装置) 20、21・・・一対の電極 20a、21a・・・電極線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒液中に液体または固体粒子が存在する
    系における粒子の凝集分散状態を分析する方法であっ
    て、上記固体粒子の粒度分布と粒径に応じたゼータ電位
    とを測定し、その測定された粒度分布とゼータ電位とか
    ら粒子の凝集度合を分析することを特徴とする懸濁粒子
    分析方法。
  2. 【請求項2】 媒液中に液体または固体粒子を分散させ
    てなる懸濁液を試料容器内に封入し、その試料容器を回
    転円盤の所定部位に装着して回転させることにより粒子
    の沈降または浮上を生じさせ、上記所定部位に対応して
    配設された濃度検出手段による懸濁液の濃度変化から粒
    子の粒度分布を測定すると同時に、上記沈降または浮上
    に伴う粒子のゼータ電位を測定する装置であって、上記
    試料容器内に、沈降または浮上方向において所定の間隔
    を有するように設置された一対の電極を介して沈降また
    は浮上時における上記一対の電極間の電位差が測定可能
    とされていることを特徴とする懸濁粒子分析装置。
JP5272780A 1993-10-29 1993-10-29 懸濁粒子分析方法および装置 Pending JPH07128215A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5272780A JPH07128215A (ja) 1993-10-29 1993-10-29 懸濁粒子分析方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5272780A JPH07128215A (ja) 1993-10-29 1993-10-29 懸濁粒子分析方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07128215A true JPH07128215A (ja) 1995-05-19

Family

ID=17518651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5272780A Pending JPH07128215A (ja) 1993-10-29 1993-10-29 懸濁粒子分析方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07128215A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322329A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Univ Of Tsukuba 粒子特性計測装置および粒子特性計測方法
CN102692368A (zh) * 2012-05-23 2012-09-26 华北电力大学 一种可视化窄矩形通道气溶胶运动沉积系统
JP2012530924A (ja) * 2009-06-26 2012-12-06 イエフペ エネルジ ヌヴェル 改良型粒径分析器
JP2013076670A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Hitachi Chemical Co Ltd ゼータ電位測定方法及びゼータ電位測定システム
CN104568685A (zh) * 2015-01-09 2015-04-29 中国计量学院 一种箱体内超细微粒沉积系数及平均凝并系数的测试系统及方法
WO2017069250A1 (ja) * 2015-10-23 2017-04-27 株式会社堀場製作所 粒子分析装置、及び、粒子分析方法
WO2022131289A1 (ja) 2020-12-16 2022-06-23 昭和電工株式会社 沈降分析用光学セル、遠心沈降分析装置および遠心沈降分析方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322329A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Univ Of Tsukuba 粒子特性計測装置および粒子特性計測方法
JP2012530924A (ja) * 2009-06-26 2012-12-06 イエフペ エネルジ ヌヴェル 改良型粒径分析器
JP2013076670A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Hitachi Chemical Co Ltd ゼータ電位測定方法及びゼータ電位測定システム
CN102692368A (zh) * 2012-05-23 2012-09-26 华北电力大学 一种可视化窄矩形通道气溶胶运动沉积系统
CN104568685A (zh) * 2015-01-09 2015-04-29 中国计量学院 一种箱体内超细微粒沉积系数及平均凝并系数的测试系统及方法
WO2017069250A1 (ja) * 2015-10-23 2017-04-27 株式会社堀場製作所 粒子分析装置、及び、粒子分析方法
WO2022131289A1 (ja) 2020-12-16 2022-06-23 昭和電工株式会社 沈降分析用光学セル、遠心沈降分析装置および遠心沈降分析方法
KR20230119655A (ko) 2020-12-16 2023-08-16 가부시끼가이샤 레조낙 침강 분석용 광학 셀, 원심 침강 분석 장치 및 원심 침강 분석 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4602989A (en) Method and apparatus for determining the zeta potential of colloidal particles
US4456513A (en) Method of and apparatus for measuring electrophoretic mobility
WO2008051308A2 (en) A nanopore particle analyzer, method of preparation and use thereof
Sartori et al. Sieving mechanisms in polymeric matrices
JPH07128215A (ja) 懸濁粒子分析方法および装置
US4679439A (en) Method and apparatus for measuring the unsteady sedimentation potential of colloidal particles
Uzgiris Laser Doppler methods in electrophoresis
Smith et al. Influence of operating parameters on reproducibility in capillary electrophoresis
US4370885A (en) Method for controlling the dispersing of solids in drilling mud
Thormann et al. Capillary isoelectric focusing: Effects of capillary geometry, voltage gradient and addition of linear polymer
JP2002071645A (ja) 懸濁させた磁性微粒子の磁化率測定方法及び装置
CN103954537B (zh) 一种干式颗粒粒度测量方法
Schmitz et al. Quasielastic light‐scattering studies on dinucleosomal‐sized DNA: Ionic‐strength dependence
Novotny Particle charges and particle‐substrate forces by optical transients
JP3291580B2 (ja) 液中粒子の電荷測定装置、血球測定方法および電荷検出方法
Dobashi et al. Erythrocyte sedimentation rate I. Volume fraction dependence in saline solution
Novotny Measurement of mobilities of particles in liquids by optical and electrical transients
JP4113945B2 (ja) キャピラリ電磁泳動吸脱着クロマトグラフィおよびその装置
Koretskii et al. Determination of the probability characteristics of perturbation moments in gyroscopes with an electrostatic suspension
Wada et al. Electric charge measurement on a single microparticle using thermodynamic analysis of electrostatic forces
Zhou et al. Electrochemistry at a rotating disc electrode in heavy metal fluoride melts
GóRSKI Polarographic method of measurement of surface of finely divided solids
Imai et al. Studies on the Vibrated Dropping Mercury Electrode. I. The Theory of the Limiting Current and its Application to the Electrocapillarity
Disselnkötter et al. Seeding of electrohydrodynamic convection flows for light scattering experiments
Wei et al. Determination of size and charge distributions by combination of quasi-elastic light scattering and band transport