JP2007321999A - 偽装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】
軽量でレーダー偽装性能に優れた偽装材料を提供する。
【解決手段】
本発明の偽装材料は、その少なくとも一部が導電性短繊維を含む不織布で構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】なし
軽量でレーダー偽装性能に優れた偽装材料を提供する。
【解決手段】
本発明の偽装材料は、その少なくとも一部が導電性短繊維を含む不織布で構成されていることを特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、例えば航空機、船舶、車輌などの防衛用途装置を偽装するための偽装材料に関し、詳しくは軽量で、特にレーダー波を用いた偵察装置に対して優れた偽装効果を発揮する偽装材料に関するものである。
従来、防衛分野の装備として、レーダー波偵察装置等に対して偽装効果を有する偽装材料が採用されている。これら偽装材料は、人や車輌などの器材を覆うことにより偵察レーダー波を背景環境のレーダー反射量と等しくすることで偵察を困難にするために使用される。偽装材料は、使用の都度運搬したり携帯したりするため軽量であることが望まれている。
従来このような偽装材料として、金属繊維が編みこまれたシートや、金属粉や導電樹脂層が一体化されたシートを用いた偽装材料が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、金属繊維のフィラメントを含む糸を含む経編布から成る経編偽装材料が開示されている。しかし、この偽装材料は、レーダーに対し偽装材料性能を発現できるものの、金属繊維を含む糸をループ状に編み込むため、多くの金属繊維を使用しなければならず、その結果、偽装材としての重量が重くなるという課題があった。
また、特許文献2には、内部に金属粉を含む高分子フィルムを使用した偽装材料が、特許文献3には、導電性樹脂層を有する基布を用いた偽装材料が開示されている。しかし、これらの偽装材料が目標とするレーダー偽装性能を得るためには、金属粉や導電樹脂材料を多く使用しなければならず、これら偽装材も重量が重くなるという課題があった。
特表平8−500896号公報(請求項1、図1A〜図2)
実開昭63−159697号公報(実用新案登録請求の範囲第1項、第4図)
特開平3−28697号公報(特許請求の範囲第1項、第1図)
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点を解消し、航空機、船舶、車輌などの防衛用途装置を偽装するための偽装材料において、軽量で、特にレーダー波を用いた偵察装置に対する偽装性能に優れた偽装材料を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は次の手段を採用する。
すなわち、本発明は、導電性短繊維を含む不織布を有してなることを特徴とする偽装材料である。
本発明によれば、軽量でかつ安定したレーダー偽装性能を有する偽装材料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
前述したように、本発明の偽装材料は、偽装材料の少なくとも一部が導電性短繊維を含む不織布で構成されていることが必要である。偽装材料は、到来するレーダー波の反射量を背景の自然環境の反射に近似した反射量にする必要があり、これは偽装材料に含まれる導電性短繊維によって、到来するレーダー波を完全に反射することなく、乱反射あるいは吸収することによりその性能を得ることができる。本発明の偽装材料に用いる導電性短繊維は、従来の例えばカーボンブラック、グラファイト粉等からなる粒状体の導電体よりも電波透過減衰の効率が高い。
導電性短繊維は、不織布中を構成する一部として含まれており、その内部において導電性短繊維が3次元的にランダムに分散されていることが好ましい。そうすることで、導電性短繊維同士の接触点を増加させ、その短繊維によるネットワーク構造により、不織布全体の比抵抗値を低く保つことができる。このため導電性短繊維の使用量が少なくて済み、偽装材料として軽量化に資する。
本発明で使用する導電性短繊維の比抵抗は、1×101Ω・cm以下のものを採用することが好ましい。比抵抗を1×101Ω・cm以下とすることで、不織布全体の比抵抗値を低く保つことができ、目標とするレーダー偽装性能を得ることができるからである。また、比抵抗が低いほど使用する導電性短繊維の量を少なくすることができるため、軽量化も同時に図ることができる。
本発明で使用する導電性短繊維としては、金属短繊維、合成繊維の表面を金属および/または金属酸化物薄膜で被覆した短繊維、合成繊維に硫化銅を化学結合させた短繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイルなどを挙げることができる。中でも、錆びず、軽く、しかも金属メッキ等も必要でない炭素繊維が特に好ましい。また、導電性短繊維は、1種を単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
導電性短繊維の平均繊維長としては、0.5〜50mmが好ましい。平均繊維長を0.5mmより長くすることで、シートにした際に繊維同士が重なりやすくなり、不織布全体の比抵抗値を低く保つことができため、レーダー偽装効果を効率良く発現することができる。一方、平均繊維長を50mmより短くすることで、不織布加工時に導電性短繊維が折れたり切れたりすることなく少量で加工できる。このような観点で言うとさらに好ましくは、2〜20mmであり、より加工性が良好で、性能に方向性を生じることなく加工できるため好ましい。
導電性短繊維の不織布に対する配合量としては、0.1〜20重量%であることが好ましい。0.1重量%以上とすることでレーダー偽装効果が発現でき、20重量%もあれば十分である。特に好ましい範囲は、0.4〜10重量%であり、レーダー偽装特性を損なうことなく、また形態も安定したものができるため好ましい。
導電性短繊維を含む不織布において、導電性短繊維以外を構成する繊維の種類としては、特に制限はなく、例えば、絹、羊毛、綿、麻などの天然繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維、或はガラス繊維等の無機繊維を挙げることができる。また、上記繊維中に熱可塑性繊維を含ませても良い。熱可塑性繊維としては、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレンなどが好ましい。また鞘部の融点または軟化点を芯部の融点または軟化点よりも低くした芯鞘型複合繊維を用いても良い。
これら導電性短繊維と、繊維導電性短繊維以外の繊維とが混合されて導電性単繊維を含む不織布が構成される。
本発明に用いる導電性短繊維を含む不織布は、5GHz〜100GHzの帯域のいずれかにおいて、電波透過減衰量が−5dB〜−20dBであることが好ましい。特に、対象とするレーダーの周波数から、10GHz、35GHz、94GHzのいずれかの周波数における電波透過減衰量が−5dB〜−20dBであることが好ましい。また、電波透過減衰量が、−5dB〜−20dBの範囲であると、実際に偽装材料として使用した際に、到来したレーダー波を背後の自然環境に近いレーダー反射量で反射することができ、偽装効果を発現することができる。特に好ましい電波透過減衰量の範囲としては、−6dB〜−13dBであり、実際に偽装材料として使用した際に最もレーダー偽装効果を発揮することができる。
本発明に用いる導電性短繊維を含む不織布において、最大の電波透過減衰量(P)を示す方向に対し、直行する方向で測定した電波透過減衰量(Y)の比(Y/P)が0.35〜1の範囲であることが好ましい。この電波透過減衰量の比が0.35〜1の範囲であると、偏光性を持つレーダー波に対し、不織布の方向によるレーダー偽装性能に差が生じにくくなることから好ましい。特に好ましい範囲としては、0.7〜1の範囲であり、この範囲であれば使用の際、偏光性を持つレーダー波に対しその方向を気にすることなく使用することができ、種々の形状に加工してもレーダー偽装性能を十分に得られるため好ましい。
本発明に用いる導電性短繊維を含む不織布は、難燃性であることが好ましい。難燃性であることで、難燃性を必要とするところや、防火基準が高い場所での使用が可能となる。難燃性を付与する方法としては特に限定されないが、例えば、難燃性繊維や難燃加工された繊維を含ませることにより付与することができる。難燃性繊維としては、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などであることが好ましい。難燃加工された繊維としては、繊維成分が非難燃性の繊維に難燃剤を含む樹脂混合物を含浸などして付与することで得られた繊維を好適に用いることができる。ここで難燃剤としては、環境負荷の大きいハロゲン元素を含まないものであることが好ましく、縮合燐酸エステル、燐酸エステル、芳香族ジフォスフェート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよび赤リンから選ばれる少なくとも一種であると添加量が少なくても高い効果が得られるため好ましい。また、難燃性を持たせる1つの方法として導電性短繊維を含む不織布に上記のような難燃加工をしても良い。難燃性の測定方法としては、JIS A 1322(45°メッケルバーナー法)に規定される防炎3級以上を満足するものであることが好ましい。
本発明の偽装材料は、前記不織布の少なくとも片面に金属薄膜層を積層してなることが好ましい。前記金属薄膜層を積層することにより、レーダー偽装性に加え、さらに遠赤外線偽装効果を付与することができる。前記金属薄膜層に用いる金属は、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、亜鉛、鉛などや、これらの合金などを使用することができるが、性能、軽量性の面からアルミニウムが好ましく用いられる。
また、本発明の偽装材料は、前記不織布の少なくとも片面に迷彩用着色剤含有樹脂層を積層してなることも好ましい。前記不織布の少なくとも片面に迷彩用着色剤含有樹脂層を積層してなることにより、人間による目視や、暗闇下でも探知可能な近赤外線を用いた偵察に対し、優れた偽装性を付与することが出来るためである。本発明で言う迷彩用着色剤含有樹脂層とは、ポリプロピレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等およびこれらの変性樹脂からなる合成樹脂に、迷彩用着色剤を含有せしめたものが使用される。迷彩着色剤は、通常に用いられる迷彩用顔料や染料を使用することができる。特に、顔料は無機系顔料であっても、有機系顔料であってもよい。例えば、迷彩着色剤としては、自然環境すなわち樹木、草、土などに調和した色相および近赤外線反射率を有する淡緑色、濃緑色、茶色および影部に相当する黒色などの顔料を用いることができる。なお、背景が建築物など人工的な環境の場合は、その環境に応じた色相、例えば灰色系などを選択するのが好ましい。
本発明の偽装材料には、切り込みまたは穴が付与されていることが好ましい。切り込みまたは穴を付与することにより、通気性を与えることができたり、穴を開けることによりさらなる軽量化を図ることができるからである。また、切り込みを付与することで、展張した際、3次元構造を有した偽装材料となり、この構造によりレーダー波に対し乱反射性あるいは吸収性を飛躍的に向上させることができる。この構造による性能向上を図る方法として切り込みの他に、偽装材料にシワ加工、プリーツ加工を付与することもできる。
前記金属薄膜層と着色剤含有樹脂層を適宜選択、組合せることにより、レーダー波に加え、可視、近赤外線、遠赤外線に対する偽装を全て兼ね備えた極めて高度な偽装材料を得ることもできる。
また、運搬時や展張時の、取り扱い性を向上させるため、本発明による偽装材料に、ポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン66成分を共重合した共重合ポリアミドなどからなるポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリパラフェニレンテレフタルアミドやポリメタフェニレンテレフタルアミドに代表される芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維や、綿、麻、ウールといった天然繊維、レーヨンなどの半合成繊維を用いたひも、ロープ、リボンなどを接合して使用してもよい。
次に、本発明の偽装材料の製造方法を説明する。
まず、導電性短繊維と、繊維導電性短繊維以外の繊維とを導電性短繊維の不織布に対する配合量が0.1〜20重量%の範囲となるように準備し、両繊維をオープナー装置や水中攪拌装置、マットフォーマー装置などにより開繊しつつ混綿する。この場合、偽装材料に難燃性を付与する場合は前述の難燃性繊維や難燃加工された繊維を含ませる。
次にこれら原料繊維を不織布の形態に加工する。
導電性短繊維を含む不織布の製造方法としては特に限定されないが、繊維と水とを混合したスラリーを抄きあげる湿式抄紙法や、繊維を空気中で攪拌混合し、これをシート状に捕集する乾式抄紙法を用いても良い。湿式抄紙法と乾式抄紙法とでは、湿式抄紙法が、導電性短繊維を傷つけることなくその性質を保持したまま均一に抄くことができる点で好ましい。
また、湿式抄紙法と乾式抄紙法のいずれの場合も、抄きあげ手段に連動するネットコンベアの速度により、シートのロール方向、巾方向における電波透過減衰量の異方性を調整することができる。すなわちネットコンベアの速度を速くすれば、シートのロール方向の電波透過減衰量が巾方向に比べ大きくなり、逆に遅くすれば両方向の電波透過減衰量はほぼ等しくなり、異方性は生じにくい。このようなことが起こる原因は、導電性短繊維が細長いため、材料の押し出し方向に繊維長が平行に並びやすく、その配向具合がネットコンベアの速度によって変化するためである。このため、本発明の偽装材料は、電波透過減衰量の異方性を小さくするため100m/min以下の速度で加工することが好ましい。
また、このような方法を用いることにより、導電性短繊維を直接混抄・混合することが可能であり、従来の金属繊維の編み込み加工や導電樹脂の塗布加工を要さずに偽装材料として使用することができる。
また、湿式抄紙法と乾式抄紙法のいずれの場合も、抄きあげ手段に連動するネットコンベアの速度により、シートのロール方向、巾方向における電波透過減衰量の異方性を調整することができる。すなわちネットコンベアの速度を速くすれば、シートのロール方向の電波透過減衰量が巾方向に比べ大きくなり、逆に遅くすれば両方向の電波透過減衰量はほぼ等しくなり、異方性は生じにくい。このようなことが起こる原因は、導電性短繊維が細長いため、材料の押し出し方向に繊維長が平行に並びやすく、その配向具合がネットコンベアの速度によって変化するためである。このため、本発明の偽装材料は、電波透過減衰量の異方性を小さくするため100m/min以下の速度で加工することが好ましい。
また、このような方法を用いることにより、導電性短繊維を直接混抄・混合することが可能であり、従来の金属繊維の編み込み加工や導電樹脂の塗布加工を要さずに偽装材料として使用することができる。
これらの抄紙法においては、必要に応じて水酸化アルミニウムなどの無機結合材や、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、パラフィン、アクリル繊維等の有機結合材を添加することも好ましい。結合材を添加することにより、紙の機械的強度が向上しシートとしての形状を保つことができる。さらに中でも水酸化アルミニウムは、耐火性、耐熱性に優れた物質であり、これを添加することで、難燃性を持たせることができるため好ましい。
その他の製造方法の例として、熱可塑性繊維等を含んでなる複数枚の不織布や、例えばフィルムなどのシートの間に導電性短繊維を分散させ、加熱圧着または接着剤により相互に接着させて狭持させた不織布としてもよい。また、各種の繊維の短繊維と導電性短繊維を混合し、ニードルパンチなどを用いて不織布としてもよい。
次に、上記方法にて製造された不織布に導電性短繊維を保護するために、必要に応じて撥水性樹脂等を含浸または塗布する。
また、必要に応じて少なくとも片面に金属薄膜層や迷彩用着色剤含有樹脂層を積層する。
金属薄膜層は、不織布上に箔状にして積層するが、圧延法により作製された箔を接着剤で貼着してもよいし、蒸着法、メッキ法、スパッタリング法などの薄膜形成方法によりシート上に被覆してもよい。また、蒸着法については、一旦、別なシート、例えばフィルムに金属蒸着した後、金属薄膜層を接着剤を介して布帛に転写することもできる。また、不織布上に箔状にして積層する際、全面に積層しても、部分的に積層してもよいが、部分的に積層したものが優れた偽装効果を発揮する。部分的に積層する場合は、不織布の面積に対し、30〜90%の割合となるように積層するのが好ましい。
一方、迷彩用着色剤含有樹脂は、プリント方式、コーティング方式、スプレー方式、印刷方式などで金属薄膜層の表面に塗布する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[測定方法]
(1)難燃性
JIS A 1322:1966に拠って測定した。
(試験体)
試験体の形状は約30×20cmとした。
試験体の前処理にはA法を採用し、およそ気乾状態の試験体を50±2℃で48時間乾燥し、ついでこれを乾燥用シリカゲルを入れたデシケータ中に24時間放置してから加熱試験を行った。
(加熱試験装置)
加熱試験は、本規定に則った加熱試験装置を用い、容器内で行った。
加熱試験に用いるバーナは、高さ160mm、内径20mmのメッケルバーナを用い、1次空気を混入しないでガスだけを送入した。
加熱試験に用いる燃料は、JIS K 2240に規定された液化石油ガス5号を用いた。
試験体は本規定に則った支持わくにはさみ、たるみのないようにして、加熱試験装置に取り付けた。
(加熱試験)
加熱試験装置の所定の位置にバーナを置き、支持わくを取り付けない状態で、炎の長さが65mmになるように調整した。
バーナの点火には感応コイルを使用し、加熱の終了時には燃料コックを閉じた。
加熱時間は10秒とした。
測定項目として、残炎は、加熱終了時から試験体が炎をあげて燃え続ける時間を測定した。
測定項目として、残じんは、加熱終了時から1分後に無炎燃焼している状態を観察によって判定した。
測定項目として、炭化長は、試験体の加熱面の炭化部分について、支持わくの長手方向の最大長さを測定した。
試験の回数は3回とし、上記の各測定項目について、3回のうちの最大の値を採用し、次の基準にて難燃性の区分付けを行った。
防炎1級:炭化長が5cm以下であり、残炎がなく(大体1秒以下)、かつ、残じんが1分後に存していなかった。
防炎2級:炭化長が10cm以下であり、残炎が5秒以下であり、かつ、残じんが1分後に存していなかった。
防炎3級:炭化長が15cm以下であり、残炎が5秒以下であり、かつ、残じんが1分後に存していなかった。
(1)難燃性
JIS A 1322:1966に拠って測定した。
(試験体)
試験体の形状は約30×20cmとした。
試験体の前処理にはA法を採用し、およそ気乾状態の試験体を50±2℃で48時間乾燥し、ついでこれを乾燥用シリカゲルを入れたデシケータ中に24時間放置してから加熱試験を行った。
(加熱試験装置)
加熱試験は、本規定に則った加熱試験装置を用い、容器内で行った。
加熱試験に用いるバーナは、高さ160mm、内径20mmのメッケルバーナを用い、1次空気を混入しないでガスだけを送入した。
加熱試験に用いる燃料は、JIS K 2240に規定された液化石油ガス5号を用いた。
試験体は本規定に則った支持わくにはさみ、たるみのないようにして、加熱試験装置に取り付けた。
(加熱試験)
加熱試験装置の所定の位置にバーナを置き、支持わくを取り付けない状態で、炎の長さが65mmになるように調整した。
バーナの点火には感応コイルを使用し、加熱の終了時には燃料コックを閉じた。
加熱時間は10秒とした。
測定項目として、残炎は、加熱終了時から試験体が炎をあげて燃え続ける時間を測定した。
測定項目として、残じんは、加熱終了時から1分後に無炎燃焼している状態を観察によって判定した。
測定項目として、炭化長は、試験体の加熱面の炭化部分について、支持わくの長手方向の最大長さを測定した。
試験の回数は3回とし、上記の各測定項目について、3回のうちの最大の値を採用し、次の基準にて難燃性の区分付けを行った。
防炎1級:炭化長が5cm以下であり、残炎がなく(大体1秒以下)、かつ、残じんが1分後に存していなかった。
防炎2級:炭化長が10cm以下であり、残炎が5秒以下であり、かつ、残じんが1分後に存していなかった。
防炎3級:炭化長が15cm以下であり、残炎が5秒以下であり、かつ、残じんが1分後に存していなかった。
尚、樹脂コートを施したレーダー偽装材料に対しては、樹脂コートした面を加熱面とした。
(2)電波透過減衰量
大きさが30mm×15mmの方形導波管を用い試料を挿入したとき、周波数9.8GHzの電波の透過減衰量を、アジレントテクノロジー株式会社製のネットワークアナライザー(型式:HP8719ES)を用いて測定した。
大きさが30mm×15mmの方形導波管を用い試料を挿入したとき、周波数9.8GHzの電波の透過減衰量を、アジレントテクノロジー株式会社製のネットワークアナライザー(型式:HP8719ES)を用いて測定した。
(3)偽装性能
軽トラックに大きさが7m×10mの偽装材(試料)を展張し、森林を背景に観察し、次のA〜Dの性能について判定した。なお、判定基準は次の4種類とした。
◎:識別困難
○:識別やや困難
△:偽装効果あり
×:識別容易。
軽トラックに大きさが7m×10mの偽装材(試料)を展張し、森林を背景に観察し、次のA〜Dの性能について判定した。なお、判定基準は次の4種類とした。
◎:識別困難
○:識別やや困難
△:偽装効果あり
×:識別容易。
A.レーダー偽装性能
偽装材が展張された軽トラックを、25m離れた位置から周波数が9.8GHzのレーダー探索装置を用いてレーダー画像を観察し、軽トラックがレーダー画像で識別されるかどうかを判定した。
偽装材が展張された軽トラックを、25m離れた位置から周波数が9.8GHzのレーダー探索装置を用いてレーダー画像を観察し、軽トラックがレーダー画像で識別されるかどうかを判定した。
B.可視偽装性能
偽装材が展張された軽トラックを、視力1.5の観察者が100m離れた位置から観察し、識別されるかどうかを目視判定した。
偽装材が展張された軽トラックを、視力1.5の観察者が100m離れた位置から観察し、識別されるかどうかを目視判定した。
C.近赤外線偽装性能
偽装材が展張された軽トラックを、25m離れた位置から赤外線写真法(カメラに近赤外線用フィルターを装着)で撮影し、軽トラックが画像として識別されるかどうかを写真観察して判定した。
偽装材が展張された軽トラックを、25m離れた位置から赤外線写真法(カメラに近赤外線用フィルターを装着)で撮影し、軽トラックが画像として識別されるかどうかを写真観察して判定した。
D.遠赤外線偽装性能
偽装材が展張された軽トラックを、25m離れた位置から検出波長8〜14μmの遠赤外線画像装置を用いて観察し、画像のコントラストにより軽トラックの形状が識別されるかどうかを判定した。
偽装材が展張された軽トラックを、25m離れた位置から検出波長8〜14μmの遠赤外線画像装置を用いて観察し、画像のコントラストにより軽トラックの形状が識別されるかどうかを判定した。
[実施例1]
導電性短繊維として、平均繊維長が6mmである炭素繊維(比抵抗:2×10-3Ω・cm)1重量%と、チョップドガラス繊維(平均繊維長:6mm、繊維径:7μm)を65重量%、アラミドパルプ14重量%、鞘部が変性ポリエステル樹脂からなり芯部がポリエステル樹脂からなる芯鞘複合繊維(平均繊維長7mm、繊度2.2dtex、芯部と鞘部の比率が芯部50%、鞘部50%)20重量%を混合して、抄紙速度50m/minにて湿式抄紙し、厚み0.15mm、米坪量100g/m2の導電性短繊維を含む不織布を得た。得られた不織布の9.8GHzにおける電波透過減衰量を、不織布の抄紙ロール方向と抄紙巾方向とで測定した結果、抄紙ロール方向が10dB、抄紙巾方向が12dBでその比は0.83であり、方向による性能の差が小さい不織布であった。また、得られた不織布の難燃性は防炎2級であり、難燃性を有していた。
導電性短繊維として、平均繊維長が6mmである炭素繊維(比抵抗:2×10-3Ω・cm)1重量%と、チョップドガラス繊維(平均繊維長:6mm、繊維径:7μm)を65重量%、アラミドパルプ14重量%、鞘部が変性ポリエステル樹脂からなり芯部がポリエステル樹脂からなる芯鞘複合繊維(平均繊維長7mm、繊度2.2dtex、芯部と鞘部の比率が芯部50%、鞘部50%)20重量%を混合して、抄紙速度50m/minにて湿式抄紙し、厚み0.15mm、米坪量100g/m2の導電性短繊維を含む不織布を得た。得られた不織布の9.8GHzにおける電波透過減衰量を、不織布の抄紙ロール方向と抄紙巾方向とで測定した結果、抄紙ロール方向が10dB、抄紙巾方向が12dBでその比は0.83であり、方向による性能の差が小さい不織布であった。また、得られた不織布の難燃性は防炎2級であり、難燃性を有していた。
次に、上記不織布の片面に、ポリエステルフィルムに蒸着した膜厚50nmのアルミニウム蒸着膜を、ポリエステル系接着剤を介して、不織布全体に対するアルミニウム蒸着膜の面積比が85%となるように部分的に転写した。その後、アルミニウム蒸着膜上に森林と同系の緑色顔料を含有した塩化ビニル・酢酸ビニル共重合系樹脂を7.5g/m2の塗布量になるようにドクターナイフでコーティングし、厚さ0.17mmのレーダー偽装材料を得た。得られた偽装材料の平米あたりの重量は、116g/m2で、その内導電性短繊維の量は1g/m2であり、導電性短繊維が占める割合は0.86%と軽量な偽装材料であった。なお、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量、難燃性に変化はなかった。
次に、かかるレーダー偽装材料を葉形状に切り込みを入れ、緑色面を上にして目合い85mmのメッシュ上に結合し、偽装材料を作成した。作成した偽装材についてレーダー偽装性、さらに可視偽装性、近赤外線偽装性、遠赤外線偽装性を測定した。結果は後述の表1に示すように、いずれの偽装性についても良好な偽装性を示すことが確認できた。
[実施例2]
導電性短繊維として、平均繊維長が3mmである炭素繊維(比抵抗:2×10-3Ω・cm)1重量%と、チョップドガラス繊維(平均繊維長:6mm、繊維径:7μm)を65重量%、アラミドパルプ14重量%、水酸化アルミニウム(平均粒径2μm)20重量%を混合して、抄紙速度50m/minにて湿式抄紙し、厚み0.15mm、米坪量130g/m2の導電性短繊維を含む不織布を得た。得られた不織布の9.8GHzにおける電波透過減衰量を、不織布の抄紙ロール方向と抄紙巾方向とで測定した結果、抄紙ロール方向が9.0dB、抄紙巾方向が11dBでその比は0.82であり、方向による性能の差が小さい不織布であった。また、得られた不織布の難燃性は防炎1級であり、非常に高い難燃性を有していた。
導電性短繊維として、平均繊維長が3mmである炭素繊維(比抵抗:2×10-3Ω・cm)1重量%と、チョップドガラス繊維(平均繊維長:6mm、繊維径:7μm)を65重量%、アラミドパルプ14重量%、水酸化アルミニウム(平均粒径2μm)20重量%を混合して、抄紙速度50m/minにて湿式抄紙し、厚み0.15mm、米坪量130g/m2の導電性短繊維を含む不織布を得た。得られた不織布の9.8GHzにおける電波透過減衰量を、不織布の抄紙ロール方向と抄紙巾方向とで測定した結果、抄紙ロール方向が9.0dB、抄紙巾方向が11dBでその比は0.82であり、方向による性能の差が小さい不織布であった。また、得られた不織布の難燃性は防炎1級であり、非常に高い難燃性を有していた。
次に、上記不織布にスパッタリング装置を用いて表面にチタンの膜厚が0.05μmになるように調整し、アルゴン雰囲気中で蒸着加工を施し不織布の表面にチタン薄膜層を形成した。次いで、チタン薄膜層上に、淡緑色、濃緑色、茶色および黒色の顔料とビヒクルからなる4色のインキ組成液を用い、各色の膜厚が2〜5μmになるように凸版印刷(フレキソ印刷)法により塗布乾燥し、迷彩模様を有する着色剤含有樹脂を形成し、厚さ0.17mmの偽装材料を得た。得られたレーダー偽装材の平米あたりの重量は135g/m2で、その内導電性短繊維の量は1.3g/m2であり、導電性短繊維が占める割合は1%と軽量な偽装材料であった。なお、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量、難燃性に変化はなかった。
次に、かかる不織布を葉形状に切り込みを入れ、印刷面を上にして目合い85mmのメッシュ上に結合し偽装材を作成した。作成した偽装材について実施例1と同様にレーダー偽装性、可視偽装性、近赤外線偽装性、遠赤外線偽装性を測定した。結果を表1に示すようにいずれの偽装性についても良好な偽装性を示すことが確認できた。
[実施例3]
目付50g/m2のポリエステル繊維からなる不織布を用意した。また導電性繊維として平均繊維長が6mmである炭素繊維(比抵抗:2×10-3Ω・cm)を用意した。また、鞘部が変性ポリエステル樹脂からなり芯部がポリエステル樹脂からなる熱可塑性芯鞘型複合繊維(平均繊維長:7mm、繊度:2.2dtex、芯部と鞘部の比率:芯部50%、鞘部50%)を準備した。次に上記炭素繊維と熱可塑性芯鞘型複合繊維を重量比1:2になるように混合し、炭素繊維と熱可塑性芯鞘型複合繊維との混合物を得た。次にポリエステル不織布の上に上記炭素繊維が1g/m2、熱可塑性芯鞘型複合繊維が2g/m2になるように炭素繊維と熱可塑性芯鞘型複合繊維との混合物を散布し、最後にもう1枚のポリエステル不織布を重ね合わせ、重ね合わせ体を120℃のニップロール間に通して加工速度40m/minにて加熱、加圧し、103g/m2の導電性短繊維を含む不織布を得た。得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量を、不織布のロール流れ方向とロール巾方向とで測定した結果、ロール流れ方向が10dB、ロール巾方向が12dBでその比は0.83であり方向による性能の差が小さい不織布であった。
目付50g/m2のポリエステル繊維からなる不織布を用意した。また導電性繊維として平均繊維長が6mmである炭素繊維(比抵抗:2×10-3Ω・cm)を用意した。また、鞘部が変性ポリエステル樹脂からなり芯部がポリエステル樹脂からなる熱可塑性芯鞘型複合繊維(平均繊維長:7mm、繊度:2.2dtex、芯部と鞘部の比率:芯部50%、鞘部50%)を準備した。次に上記炭素繊維と熱可塑性芯鞘型複合繊維を重量比1:2になるように混合し、炭素繊維と熱可塑性芯鞘型複合繊維との混合物を得た。次にポリエステル不織布の上に上記炭素繊維が1g/m2、熱可塑性芯鞘型複合繊維が2g/m2になるように炭素繊維と熱可塑性芯鞘型複合繊維との混合物を散布し、最後にもう1枚のポリエステル不織布を重ね合わせ、重ね合わせ体を120℃のニップロール間に通して加工速度40m/minにて加熱、加圧し、103g/m2の導電性短繊維を含む不織布を得た。得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量を、不織布のロール流れ方向とロール巾方向とで測定した結果、ロール流れ方向が10dB、ロール巾方向が12dBでその比は0.83であり方向による性能の差が小さい不織布であった。
次に、上記不織布にスパッタリング装置を用いて表面にアルミニウムの膜厚が0.05μmになるように調整し、アルゴン雰囲気中で蒸着加工を施し不織布の表面にアルミニウム薄膜層を形成した。次いで、アルミニウム薄膜層上に、淡緑色、濃緑色、茶色および黒色の顔料とビヒクルからなる4色のインキ組成液を用い、各色の膜厚が2〜5μmになるように凸版印刷(フレキソ印刷)法により塗布乾燥し、迷彩模様を有する着色剤含有樹脂を形成し、偽装材料を得た。得られたレーダー偽装材の平米あたりの重量は108g/m2で、その内導電性短繊維の量は1g/m2であり、導電性短繊維が占める割合は0.9%と軽量な偽装材料であった。
次に、かかる不織布を葉形状に切り込みを入れ、印刷面を上にして目合い85mmのメッシュ上に結合し偽装材を作成した。作成した偽装材について実施例1同様にレーダー偽装性、可視偽装性、近赤外線偽装性、遠赤外線偽装性を測定した。結果を表1に示すようにいずれの偽装性についても良好な偽装を示すことが確認された。
[実施例4]
実施例1の導電性短繊維を含む不織布の片面に、淡緑色、濃緑色、茶色および黒色の顔料とビヒクルからなる4色のインキ組成液を用い、各色の膜厚が2〜5μmになるように凸版印刷(フレキソ印刷)法により塗布乾燥し、迷彩模様を有する着色剤含有樹脂を形成し、厚さ0.17mmの偽装材料を得た。得られたレーダー偽装材の平米あたりの重量は105g/m2で、その内導電性短繊維の量は1g/m2であり、導電性短繊維が占める割合は1%と軽量な偽装材料であった。得られた偽装材料の難燃性は防炎2級であり、難燃性を有していた。
実施例1の導電性短繊維を含む不織布の片面に、淡緑色、濃緑色、茶色および黒色の顔料とビヒクルからなる4色のインキ組成液を用い、各色の膜厚が2〜5μmになるように凸版印刷(フレキソ印刷)法により塗布乾燥し、迷彩模様を有する着色剤含有樹脂を形成し、厚さ0.17mmの偽装材料を得た。得られたレーダー偽装材の平米あたりの重量は105g/m2で、その内導電性短繊維の量は1g/m2であり、導電性短繊維が占める割合は1%と軽量な偽装材料であった。得られた偽装材料の難燃性は防炎2級であり、難燃性を有していた。
次に、かかる不織布を葉形状に切り込みを入れ、印刷面を上にして目合い85mmのメッシュ上に結合し偽装材を作成した。次に、この偽装材料について実施例1と同様にレーダー偽装性、可視偽装性、近赤外線偽装性、遠赤外線偽装性を測定した。結果は表1に示すようにレーダー偽装性、可視偽装性、近赤外線偽装性について良好な偽装性能を示すことが確認された。
[比較例1]
ポリエステル繊維からなる目付150g/m2の平織物の織物の片面に、ポリウレタン樹脂にカーボンブラックを混合した導電性樹脂を、実施例1の導電性短繊維の配合比に合わせ、1.5g/m2ドクターナイフでコーティングした。この積層織物の片面にポリエステルフィルムに蒸着した50nmのアルミニウム蒸着膜をポリエステル系接着剤を介して織物全体に対するアルミ蒸着膜の面積比が85%となるように部分的に転写した。しかる後、アルミニウム蒸着膜面に森林と同系の緑色顔料30部を含有した塩化ビニル・酢酸ビニル共重合系樹脂を7.5g/m2の塗布量になるようにドクターナイフでコーティングし、レーダー偽装材料を得た。
ポリエステル繊維からなる目付150g/m2の平織物の織物の片面に、ポリウレタン樹脂にカーボンブラックを混合した導電性樹脂を、実施例1の導電性短繊維の配合比に合わせ、1.5g/m2ドクターナイフでコーティングした。この積層織物の片面にポリエステルフィルムに蒸着した50nmのアルミニウム蒸着膜をポリエステル系接着剤を介して織物全体に対するアルミ蒸着膜の面積比が85%となるように部分的に転写した。しかる後、アルミニウム蒸着膜面に森林と同系の緑色顔料30部を含有した塩化ビニル・酢酸ビニル共重合系樹脂を7.5g/m2の塗布量になるようにドクターナイフでコーティングし、レーダー偽装材料を得た。
得られたシートの平米あたりの重量は168g/m2で、その内導電性樹脂の量は1.5g/m2であり、導電性短繊維が占める割合は0.9%であった。また、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量を不織布の抄紙ロール方向と抄紙巾方向とで測定した結果、抄紙ロール方向が0.5dB、抄紙巾方向が0.2dBでその比は0.79であった。
次にかかる積層織物を葉形状に切り込みを入れ、緑色コート面を上にして目合い85mmのメッシュ上に結合し、偽装材を作成した。次に、この偽装材料について実施例1と同様にレーダー偽装性、可視偽装性、近赤外線偽装性、遠赤外線偽装性を測定した。結果は表1に示すように、レーダー偽装性能効果が得られなかった。
[比較例2]
比較例1の導電樹脂量を30g/m2とした偽装材料を得た。得られたシートの平米あたりの重量は、197g/m2で、その内導電性樹脂の量は30g/m2であり、導電性樹脂が占める割合は15.2%であった。また、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量を不織布の抄紙ロール方向と抄紙巾方向とで測定した結果、抄紙ロール方向が7.0dB、抄紙巾方向が11.0dBでその比は0.63であった。
比較例1の導電樹脂量を30g/m2とした偽装材料を得た。得られたシートの平米あたりの重量は、197g/m2で、その内導電性樹脂の量は30g/m2であり、導電性樹脂が占める割合は15.2%であった。また、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量を不織布の抄紙ロール方向と抄紙巾方向とで測定した結果、抄紙ロール方向が7.0dB、抄紙巾方向が11.0dBでその比は0.63であった。
次にかかる積層織物を葉形状に切り込みを入れ、これを緑色コート面を上にして目合い85mmのメッシュ上に結合し偽装材を作成した。この偽装材について実施例1と同様にレーダー偽装性、可視偽装性、近赤外線偽装性、遠赤外線偽装性を測定した。結果は表1に示すように、すべてについて偽装効果は確認できたものの、重量が実施例1の偽装材料に比べ1.7倍重たいものであった。
[比較例3]
ポリエステル繊維からなる目付150g/m2の平織物の両面に、ポリエステルフィルムに蒸着した50nmのアルミニウム蒸着膜をポリエステル系接着剤を介して織物全体に対するアルミ蒸着膜の面積比が85%となるように部分的に転写した。しかる後、アルミニウム蒸着膜面に森林と同系の緑色顔料を含有した塩化ビニル・酢酸ビニル共重合系樹脂を7.5g/m2の塗布量にした。次にポリエステル繊維(380dtex)と繊維直径12μmステンレス繊維トウ30本(デシテックス換算で繊度243dtex)とを混撚した比抵抗1×10-4Ω・cmの糸を、縦方向と横方向に10mm間隔になるように縫い込んだシートを得た。得られたシートの平米あたりの重量は、212g/m2で、その内導電性繊維の量は45g/m2であり、導電性繊維が占める割合は21.4%であった。また、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量をシートのロール流れ方向とロール巾方向とで測定した結果、ロール流れ方向が3.0dB、ロール巾方向が2.8dBでその比は0.93であった。
ポリエステル繊維からなる目付150g/m2の平織物の両面に、ポリエステルフィルムに蒸着した50nmのアルミニウム蒸着膜をポリエステル系接着剤を介して織物全体に対するアルミ蒸着膜の面積比が85%となるように部分的に転写した。しかる後、アルミニウム蒸着膜面に森林と同系の緑色顔料を含有した塩化ビニル・酢酸ビニル共重合系樹脂を7.5g/m2の塗布量にした。次にポリエステル繊維(380dtex)と繊維直径12μmステンレス繊維トウ30本(デシテックス換算で繊度243dtex)とを混撚した比抵抗1×10-4Ω・cmの糸を、縦方向と横方向に10mm間隔になるように縫い込んだシートを得た。得られたシートの平米あたりの重量は、212g/m2で、その内導電性繊維の量は45g/m2であり、導電性繊維が占める割合は21.4%であった。また、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量をシートのロール流れ方向とロール巾方向とで測定した結果、ロール流れ方向が3.0dB、ロール巾方向が2.8dBでその比は0.93であった。
次にかかる積層織物を葉形状に切り込みを入れ、これを緑色コート面を上にして目合い85mmのメッシュ上に結合し偽装材を作成した。この偽装材について実施例1と同様にレーダー偽装性、可視偽装性、近赤外線偽装性、遠赤外線偽装性を測定した。結果は表1に示すように、レーダー偽装性能効果が得られなかった。また縫いこんだ金属繊維により、可視、近赤外線、遠赤外線偽装効果が実施例1より劣り、重量が実施例1の偽装材料に比べ1.8倍重たいものであった。
[比較例4]
比較例3のポリエステル繊維とステンレス繊維とを混撚した糸を縫いこむ間隔を、縦方向と横方向に5mm間隔になるように縫いこんだ偽装材料を得た。得られたシートの平米あたりの重量は、230g/m2(実施例1重量比:2)で、その内導電性繊維の量は65g/m2であり、導電性繊維が占める割合は28.2%であった。また、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量をシートのロール流れ方向とロール巾方向とで測定した結果、ロール流れ方向が9.0dB、ロール巾方向が10dBでその比は0.93であった。
比較例3のポリエステル繊維とステンレス繊維とを混撚した糸を縫いこむ間隔を、縦方向と横方向に5mm間隔になるように縫いこんだ偽装材料を得た。得られたシートの平米あたりの重量は、230g/m2(実施例1重量比:2)で、その内導電性繊維の量は65g/m2であり、導電性繊維が占める割合は28.2%であった。また、得られた偽装材料の9.8GHzにおける電波透過減衰量をシートのロール流れ方向とロール巾方向とで測定した結果、ロール流れ方向が9.0dB、ロール巾方向が10dBでその比は0.93であった。
次にかかる積層織物を葉形状に切り込みを入れたシート片に切断してこれを緑色コート面を上にして目合い85mmのメッシュ上に結合し偽装材を作成した。この偽装材料について実施例1と同様にレーダー偽装性、可視偽装性、近赤外線偽装性、遠赤外線偽装特性を測定した。
結果は表1に示すように、レーダー偽装性能効果は得られたものの、縫いこんだ金属繊維により、可視、近赤外線、遠赤外線偽装効果が実施例1より劣り、重量が実施例1の偽装材料に比べ2倍重たいものであった。
この偽装材料は、例えば、航空機、船舶、車輌などの防衛装置を偽装するため偽装網の他に、衣服、テント、バッグ、カバー類などの用途にも好ましく用いることができる。
Claims (7)
- 導電性短繊維を含む不織布を有してなることを特徴とする偽装材料。
- 前記導電性短繊維の比抵抗が1×101Ω・cm以下である、請求項1記載の偽装材料。
- 導電性短繊維が炭素繊維である、請求項1または2記載の偽装材料。
- 前記導電性短繊維の平均繊維長が0.5〜50mmである、請求項1〜3のいずれか記載の偽装材料。
- 前記導電性短繊維の不織布に対する含有量が0.1〜20重量%である、請求項1〜4いずれか記載の偽装材料。
- 前記不織布の少なくとも片面に金属薄膜層および/または着色剤含有樹脂層を積層した請求項1〜5のいずれか記載の偽装材料。
- 切り込みまたは穴を有する請求項1〜6のいずれか記載の偽装材料。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006149337A JP2007321999A (ja) | 2006-05-30 | 2006-05-30 | 偽装材料 |
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JP2012117766A (ja) * | 2010-12-01 | 2012-06-21 | Nippon Naturock Kk | 遮蔽具 |
JP5791062B1 (ja) * | 2014-12-26 | 2015-10-07 | 三信製織株式会社 | 多色方形迷彩柄帯状織物及びその製造方法 |
WO2022153751A1 (ja) * | 2021-01-18 | 2022-07-21 | 東洋紡株式会社 | 加飾成形体およびその製造方法 |
-
2006
- 2006-05-30 JP JP2006149337A patent/JP2007321999A/ja active Pending
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