JP2007321714A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料タンク内の燃料を新規の燃料に入替えた場合に新規の燃料の組成を迅速に把握することができる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料供給装置は、燃料を貯留するメインタンク61と、メインタンクに連通するサブタンク62と、燃料供給弁の全てに連通するデリバリパイプ65と、サブタンクとデリバリパイプとに連通される燃料供給パイプ64及び燃料リターンパイプ66とを具備する。そして、サブタンク内の燃料が燃料供給パイプ及びデリバリパイプを介して機関本体に供給されると共に、サブタンクから機関本体に供給された燃料分だけメインタンク内の燃料がサブタンク内に供給される。サブタンク及びデリバリパイプ内の燃料の一部は燃料供給パイプ及び燃料リターンパイプを介して循環せしめられ、よってサブタンク及びデリバリパイプ内の燃料中の既存の燃料と新規の燃料との混合比率がほぼ均一とされる。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料供給装置に関する。
近年、石油資源枯渇問題及び温暖化問題の対策として、代替燃料の研究が盛んに行われ、代替燃料の一種としてメタノールやエタノール等のアルコール類が注目されている。その結果、アルコール類のみから成るアルコール燃料や、ガソリンにアルコール燃料が混入されたアルコール混合燃料が開発され、これら燃料が内燃機関用の燃料として用いられるに至っている。
ここで、アルコール燃料は、ガソリンとは異なる物理的性質を有しており、特にその分子内に酸素を含んでいるためガソリンと比較して燃焼時の理論空燃比及び発熱量が小さく、気化潜熱が大きい。このため、燃料としてガソリンを用いているときと、アルコール燃料を用いているときとでは、内燃機関の制御形態を変更する必要がある。
例えば、燃焼室内に供給される混合気の空燃比が理論空燃比となるように内燃機関を制御している場合には、燃料としてガソリンを用いているときには筒内充填空気量と燃料との比率が14.7:1となるように燃料を供給する必要があるのに対し、燃料としてエタノールを用いているときには筒内充填空気量と燃料との比率が9:1となるように燃料を供給する必要がある。
ところが、例えば燃料タンクにガソリンが貯留されていて燃料としてガソリンが供給されていた後に、燃料タンクにアルコール燃料が給油されて急に供給される燃料がガソリンからアルコール燃料に変わると、燃料の変化に対して内燃機関の制御が追いつかず、よって燃料が変わってから或る程度の期間に亘って内燃機関の運転が適切に行われない場合がある。
そこで、特許文献1では、燃料タンクと燃料噴射弁との間にリザーバをバッファとして設けることとしている。すなわち、特許文献1に記載の燃料供給装置では、基本的にリザーバ内には燃料噴射弁からの噴射分だけ燃料タンクから燃料が流入することになっており、よってリザーバ内に既存の燃料が残った状態で燃料タンクに新たな燃料を給油すると、燃料噴射弁からの燃料噴射に伴って少量ずつ新たな燃料がリザーバ内に供給されることになる。リザーバ内では既存の燃料と新たな燃料が混合されることから、燃料噴射弁に供給される燃料は既存の燃料から急激に新たな燃料へは変化せず、徐々に変化していくことになる。
特許第3441770号明細書 特開平5−209565号公報
ところで、例えば機関始動時、高負荷運転時や触媒温度が高い時等に内燃機関の通常運転時に比べて燃料供給量を増量する増量制御においては、燃料としてガソリンを用いているときとアルコール燃料を用いているときとでは増量すべき燃料の量が異なる。例えば、アルコール燃料では発熱量が小さいことから、ガソリンに比べて機関始動時や高負荷運転時における増量分を多くする必要がある。このような増量制御等を適切に行うためには、燃料噴射弁から供給される燃料の組成を把握する必要があり、斯かる燃料の組成を把握できていない間は増量制御等を適切に行うことができない。このため、燃料を入替えた場合等には、新たな燃料の組成を迅速に把握する必要がある。
ところが、引用文献1に記載の燃料供給装置では、少なくともリザーバ内の燃料が完全に入れ替わるまでは新規な燃料の組成を把握することができない。すなわち、リザーバから燃料噴射弁までの経路を考慮すると、燃料入替え直後は燃料噴射弁から噴射される燃料の組成とリザーバ内の燃料の組成とは異なっており、例えリザーバ内の燃料の組成が把握できたとしても燃料噴射弁から供給される燃料の組成を把握することはできない。
そこで、本発明の目的は、燃料タンク内の燃料を組成の異なる新規の燃料に入替えた場合に新規の燃料の組成を迅速に把握することができる内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、機関本体に供給される燃料を貯留するメインタンクと、該メインタンクに連通するサブタンクと、機関本体の各気筒に燃料を供給する燃料供給弁の全てに連通する分岐部と、上記サブタンクと分岐部とに連通される燃料供給通路とを具備し、上記サブタンク内の燃料が燃料供給通路及び分岐部を介して機関本体に供給されると共に、上記サブタンクから機関本体に供給された燃料分だけメインタンク内の燃料がサブタンク内に供給される、内燃機関の燃料供給装置において、上記分岐部とサブタンクとに連通される燃料リターン通路をさらに具備し、該燃料リターン通路を介して上記分岐部内の燃料の一部がサブタンク内に戻される。
第1の発明によれば、サブタンク及び分岐部内の燃料の一部は燃料供給通路及び燃料リターン通路を介して循環することになるため、燃料タンク内の燃料を組成の異なる新規の燃料に入替えた場合にサブタンク及び分岐部内の燃料中の既存の燃料と新規の燃料との混合比率はほぼ均一となる。このため、燃料噴射弁から噴射される燃料中の既存の燃料と新規の燃料との混合比率を迅速に算出することができる。
第2の発明では、第1の発明において、燃料を加圧して上記サブタンク内から分岐部に送る燃料ポンプと、上記分岐部内の燃料の圧力をほぼ所定圧力に維持すると共に該所定圧力以上となる場合には分岐部内の燃料を上記燃料リターン通路を介してサブタンク内に戻すプレッシャーレギュレータと、上記メインタンクとサブタンクとの間に設けられると共にサブタンクからメインタンクへ燃料が流れるのを禁止するチェックバルブとを具備する。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記内燃機関は、パージ制御弁を制御して上記メインタンク又はサブタンク内に生じた蒸発燃料を燃焼室に供給するパージ制御と、フィードバック制御の実行中に生じる実際の空燃比と目標空燃比との間の定常的な誤差に対応する空燃比の学習値を算出すると共に該算出された空燃比の学習値に基づいて燃料噴射量を調整する空燃比学習制御とを実行可能であり、上記メインタンクには組成の異なる燃料を供給可能であり、上記メインタンク内に供給されていた既存の燃料とは組成の異なる新たな燃料が該メインタンクに供給された場合には、新たな燃料がメインタンクに供給されてからの積算噴射燃料量が少なくとも上記サブタンクと分岐部と燃料供給通路と燃料リターン通路との総容量以上となった時点で燃料入替え完了と判断し、上記新たな燃料がメインタンクに供給されてから燃料入替え完了まではパージ制御及び空燃比学習制御のうちの少なくともいずれか一方の制御を禁止する。
第4の発明では、第1〜第3のいずれか一つの発明において、上記内燃機関はパージ制御により生じる実際の空燃比と目標空燃比とのずれに基づいてベーパ濃度を学習すると共に該学習されたベーパ濃度に基づいて燃料噴射量を調整するベーパ濃度学習制御を実行可能であり、上記メインタンクには組成の異なる燃料を供給可能であり、上記メインタンク内に供給されていた既存の燃料とは組成の異なる新たな燃料が該メインタンクに供給された場合には、新たな燃料がメインタンクに供給されてからの積算噴射燃料量が少なくとも上記サブタンクと分岐部と燃料供給通路と燃料リターン通路との総容量以上となった時点で燃料入替え完了と判断し、上記燃料入替え完了後には上記ベーパ濃度学習制御において上記実際の空燃比と目標空燃比とのずれに対するベーパ濃度の学習量を大きくする。
第5の発明では、第1又は第2の発明において、上記メインタンクには組成の異なる燃料を供給可能であり、上記メインタンク内に供給されていた既存の燃料とは組成の異なる新たな燃料が該メインタンクに供給された場合には、新たな燃料がメインタンクに供給されてからの積算噴射燃料量が少なくとも上記サブタンクと分岐部と燃料供給通路と燃料リターン通路との総容量以上となった時点で燃料入替え完了と判断し、上記新たな燃料がメインタンクに供給されてから燃料入替え完了までの間に、上記積算噴射燃料量と排気空燃比とに基づいて新たな燃料の組成を判別する。
第6の発明では、第5の発明において、上記メインタンクとサブタンクとの間に設けられた開放弁をさらに具備し、該開放弁が開弁されるとメインタンク内の燃料とサブタンク内の燃料とが混合せしめられ、上記新たな燃料の組成が判別されたときに上記開放弁が開弁される。
第7の発明では、第6の発明において、上記新たな燃料の組成が判別されたときであっても、機関運転状態が安定していないときには上記開放弁は開弁されない。
本発明によれば、燃料タンク内の燃料を組成の異なる新規の燃料に入替えた場合に燃料噴射弁から噴射される燃料中の既存の燃料と新規の燃料との混合比率を迅速に算出することができ、また燃料噴射弁から噴射される燃料の組成は通常容易に推定することができることから、新規の燃料の組成を迅速に把握することができるようになる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の筒内噴射型火花点火式内燃機関に適用した場合を示している。しかしながら、ポート噴射型火花点火式内燃機関等、他の内燃機関に本発明を適用することもできる。
図1を参照すると、機関本体1の各気筒1aはそれぞれ対応する吸気枝管2を介してサージタンク3に連結され、サージタンク3は吸気ダクト4を介してエアクリーナ5に連結される。吸気ダクト4内にはステップモータ6により駆動されるスロットル弁7が配置される。これら吸気枝管2、サージタンク3、吸気ダクト4、及びエアクリーナ5は吸気通路を構成している。また、各気筒1aは排気マニホルド8及び排気管9を介して触媒10を収容したケーシング11に連結され、ケーシング11は排気管9aに連結される。これら排気マニホルド8、排気管9、9a、及びケーシング11は排気通路を構成している。
各気筒1aを示す図2を参照すると、14はシリンダブロック、15はシリンダヘッド、16はピストン、17は燃焼室、18は点火プラグ、19は燃焼室17内に向けて配置された燃料噴射弁、20は一対の吸気ポート、21は一対の吸気弁、22は一対の排気ポート、23は一対の排気弁をそれぞれ示す。
図1に示される内燃機関には、燃料タンク60内で発生した蒸発燃料を一時的に蓄えるためのキャニスタ25が設けられている。このキャニスタ25は例えば活性炭からなる吸着層26と、吸着層26の一方の側に設けられた空気室27と、吸着層26の他方の側に設けられたベーパ室28とを有する。空気室27は大気に連通され、ベーパ室28は一方では燃料タンク60の上部空間に、他方では電磁式のパージ制御弁29を介してスロットル弁7下流の吸気ダクト4にそれぞれ接続されている。
パージ制御弁29は機関停止時には閉弁されている。このとき燃料タンク60内で発生した蒸発燃料はベーパ室28を介して吸着層26に至り、吸着層26に吸着される。機関運転時にパージ制御弁29が開弁されると、スロットル弁7下流の吸気ダクト4内に発生する負圧により大気が空気室27から吸着層26内を通過してベーパ室28内に流入し、このとき吸着層26内から蒸発燃料が離脱される。この蒸発燃料は空気と共にパージ制御弁29を介して吸気ダクト4内にパージされる。
電子制御ユニット(ECU)40はデジタルコンピュータから成り、双方向性バス41によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、電源が常時接続されているB−RAM(バックアップRAM)45、入力ポート46、及び出力ポート47を具備する。機関本体1には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生する水温センサ50が取り付けられ、サージタンク3にはサージタンク3内の圧力を検出するための圧力センサ51が取り付けられる。また、スロットル弁7上流の吸気ダクト4には吸入空気量を検出するためのエアフロメータ52が取付けられ、排気マニホルド8には排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ53が取付けられる。さらに、アクセルペダル(図示せず)にはアクセルペダルの踏込み量を検出するための踏込み量センサ54が取り付けられる。これらセンサ51、52、53、54の出力信号は対応するAD変換器48を介して入力ポート46に入力される。さらに、入力ポート46にはクランクシャフトが例えば15度回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ55が接続される。CPU40ではこの出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。一方、出力ポート47は対応する駆動回路49を介してステップモータ6、点火プラグ18、燃料噴射弁19、及びパージ制御弁29にそれぞれ接続される。
図3は、本実施形態に係る内燃機関の燃料供給装置を概略的に示す図である。燃料タンク60は、メインタンク61と、このメインタンク61内に設けられたサブタンク62とを具備する。メインタンク61とサブタンク62とは連通しており、その連通路にはチェックバルブ63が設けられる。チェックバルブ63は、サブタンク62からメインタンク61への燃料の移動を禁止し、メインタンク61からサブタンク62への燃料の移動のみを許可する。また、外部からの燃料はメインタンク61のみに給油され、サブタンク62には給油されない。
サブタンク62には燃料供給パイプ64が連結され、この燃料供給パイプ64はデリバリパイプ(分岐部)65に連結される。デリバリパイプ65は全ての燃料噴射弁19に連結される。さらに、デリバリパイプ65は、燃料リターンパイプ66に連結され、この燃料リターンパイプ66はサブタンク62に連結される。燃料供給パイプ64にはサブタンク62内に貯留されている燃料を加圧してデリバリパイプ65に向かって送り出す燃料ポンプ67が設けられ、燃料リターンパイプ66にはデリバリパイプ65及び燃料リターンパイプ66内の燃料の圧力が一定値以上である場合に開放されると共にこの一定値よりも低い場合には閉鎖されるプレッシャーレギュレータ68が設けられる。
なお、本実施形態では、サブタンクがメインタンク61内に設けられているが、メインタンク61の外部に設けられてもよい。
このように構成された燃料供給装置では、メインタンク61内に供給された燃料は下記のようにして燃料噴射弁19から各気筒1a内に噴射される。すなわち、メインタンク61内に供給された燃料は、まずチェックバルブ63を介してサブタンク62内へと流れる。ここで、サブタンク62、燃料供給パイプ64、デリバリパイプ65、燃料リターンパイプ66から成る系(以下、「燃料循環部」と称す)について考えると、この燃料循環部には基本的に燃料循環部から流出した燃料分のみしか流入できない。従って、チェックバルブ63を介してサブタンク62内へ流入する燃料の量は、燃料噴射弁19によって噴射された燃料量にほぼ等しい。
サブタンク62内に流入した燃料は燃料ポンプ67によって加圧されて燃料供給パイプ64を介してデリバリパイプ65へと送られ、一部の燃料は燃料噴射弁19から各気筒1a内に噴射される。なお、燃料噴射弁19によって噴射されなかった燃料は燃料リターンパイプ66を介してサブタンク62内へ戻される。ここで、燃料リターンパイプ66にはプレッシャーレギュレータ68が設けられているため、デリバリパイプ65及び燃料リターンパイプ66内の燃料の圧力はほぼ一定値に維持される。
ところで、本実施形態の内燃機関では、燃料としてガソリンのみならず、アルコール類のみから成るアルコール燃料(例えば、メタノール、エタノール)や、ガソリンにアルコール燃料が混入されたアルコール混合燃料を用いることができる。すなわち、本実施形態の内燃機関では、ガソリンとアルコール燃料との組成比率が様々な比率となっている燃料を用いることができる。従って、例えば、ガソリン濃度100%の燃料によっても内燃機関を運転させることができるし、アルコール燃料濃度100%の燃料によっても内燃機関を運転させることができる。このため、燃料タンク60には、ガソリンとアルコール燃料との組成比率が異なる様々な燃料を給油可能である。
ここで、アルコール燃料は、ガソリンとは異なる物理的性質を有しており、特にその分子内に酸素を含んでいるためガソリンと比較して燃焼時の理論空燃比及び発熱量が小さく、気化潜熱が大きい。このため、例えば燃料中のガソリンの比率が高いときとアルコール燃料の比率が高いときとでは内燃機関の制御形態を変更する必要がある。
特に、例えば機関始動時、高負荷運転時や触媒温度が高い時等に内燃機関の通常運転時に比べて燃料供給量を増量する増量制御においては、燃料中のガソリンの比率(又はアルコール燃料の比率)に応じて増量すべき燃料の量が異なる。例えば、アルコール燃料の比率が高い燃料は発熱量が小さく且つ気化潜熱が大きいことから、ガソリンの比率が高い燃料に比べて機関始動時や高負荷運転時における増量分を多くする必要がある。このような増量制御等を適切に行うためには、燃料噴射弁から供給される燃料の組成、すなわち燃料中のガソリンとアルコール燃料との比率(以下、「組成比率」と称す)を把握する必要があり、斯かる燃料の組成比率を把握できていない間は増量制御等を適切に行うことができない。
ここで、既存の燃料と組成比率の異なる新規の燃料を供給した場合、従来では既存の燃料と新規の燃料との混合比率を迅速に把握するのが困難であり、よって増量制御等を適切に行うことができなかった。以下、このことについて説明する。
図4は、従来の燃料供給装置の例を示す図3と同様な図である。図4に示した燃料供給装置には、リターンパイプが設けられておらず、またプレッシャーレギュレータ68’が燃料ポンプ67よりもデリバリパイプ65側において燃料供給パイプ64に設けられている。従って、燃料ポンプ67によって加圧された燃料の一部は燃料供給パイプ64及びデリバリパイプ65を通ることなくプレッシャーレギュレータ68’によってサブタンク62内に戻される。
ここで、図4に示した燃料供給装置において、既存の燃料とは組成比率の異なる新規の燃料をメインタンク61に供給した場合を考える。なお、ここで、「新規の燃料」とは、メインタンク61に新たに燃料を給油したときにメインタンク61内に残っていた燃料とメインタンク61内に給油された燃料とが混合された燃料を意味し、「既存の燃料」とは、メインタンク61に新たに燃料を給油する前からサブタンク62内に貯留されていた燃料を意味するものとする。
図5は、既存の燃料としてアルコール燃料の比率が100%の燃料を用いていて、新規の燃料としてガソリンの比率が100%の燃料を供給した場合において燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率の推移を示す図である。図5において、横軸はメインタンク61に新規の燃料を供給してからの燃料噴射弁19からの積算燃料噴射量を示している。
図4に示した燃料供給装置では、図5に破線で示したように、新規の燃料を供給した直後はガソリン比率がほとんど上昇しない。すなわち、メインタンク61に供給された新規の燃料は、燃料噴射弁19から噴射された燃料量に等しい量だけチェックバルブ63を介してサブタンク62内に流入する。このようにサブタンク62内に流入した新規の燃料は、サブタンク62内に貯留されていた既存の燃料と混ざり合い、よってサブタンク62内の燃料のガソリン比率は僅かに上昇する。しかしながら、このように流入した新規の燃料は燃料供給パイプ64内に既に流入した燃料とはあまり混ざり合わない。このため、サブタンク62内に新規の燃料が流入しても、燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率は直ぐには上昇しない。
その後、燃料噴射弁19からの積算燃料噴射量が増大して燃料供給パイプ64の容量を超えると、燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率が急激に上昇し、燃料噴射弁19からの積算燃料噴射量がサブタンク62、燃料供給パイプ64、及びデリバリパイプ65の総容積に対応する量q1になると、これらサブタンク62、燃料供給パイプ64、及びデリバリパイプ65内の燃料はほぼ完全に新規の燃料に入れ替わっており、よって燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率はほぼ100%となる。
ここで、図4に示した燃料供給装置では、燃料タンクに新規の燃料を供給した場合、サブタンク62、燃料供給パイプ64、及びデリバリパイプ65内の燃料が完全に新規の燃料に入れ替わって、燃料噴射弁19から完全に新規の燃料が噴射されるようになるまで、すなわち燃料の入替え中は燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率を推定することができない。すなわち、燃料ポンプ67、プレッシャーレギュレータ68’を介して燃料供給パイプ64に流入する燃料は、後から流入するほどそのガソリン比率が高いものとなっており、これが順次燃料噴射弁19から噴射されれば、燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率を推定することができる。しかしながら、車両の振動等により燃料供給パイプ64内を流れる燃料は或る程度混ざり合ってしまう。このため、燃料の入替え中には燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率を推定することはできない。
これに対して、図3に示した本実施形態の燃料供給装置によれば、図5に実線で示したように、新規の燃料を供給してからガソリン比率は積算燃料噴射量に比例して上昇する。この理由について以下に説明する。
本実施形態の燃料供給装置では、燃料リターンパイプ66を介して燃料がサブタンク62内に戻されることから、燃料は燃料循環部(サブタンク62、燃料供給パイプ64、デリバリパイプ65、燃料リターンパイプ66)循環していると考えられる。特に、一般的に新規の燃料の供給は機関停止時に行われることから、新規の燃料の供給後の機関運転時は機関始動時に該当すると考えられ、よって燃料噴射弁19からの燃料噴射量が少ないことが多い。このため、デリバリパイプ65に供給された燃料の多くは噴射されずに燃料リターンパイプ66を介してサブタンク62に戻されることになる。
このように、燃料が燃料循環部において循環していると、燃料循環部全体で燃料が均質になり、よって燃料循環部全体において燃料のガソリン比率が均一になる。このため、メインタンク61に供給された新規の燃料がサブタンク62内に流入すると、直ぐに燃料循環部全体の燃料のガソリン比率が上昇し、これに伴って燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率も上昇することになる。こうして、新規の燃料がサブタンク62内に流入した量、すなわち積算燃料噴射量に比例してガソリン比率が上昇する。このため、積算燃料噴射量からガソリン比率を算出することができる。そして、積算燃料噴射量が燃料循環部の総容積に対応する量q1になると、すなわち燃料の入替えが完了すると、これら燃料循環部内の燃料はほぼ完全に新規の燃料となっており、よってその後燃料噴射弁19から噴射される燃料のガソリン比率はほぼ100%となる。
このように本実施形態の燃料供給装置では、燃料循環部内の燃料がほぼ完全に新規の燃料となるまでに、すなわち燃料入替えが完了するまでに積算燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁から噴射される燃料の混合比率(新規の燃料と既存の燃料との比率)を算出することができる。
一方、ガソリンとエタノールとの混合燃料の場合、その組成比率に応じて理論空燃比が14.7〜9.0の間で変化する。例えば、ガソリンとエタノールとの組成比率が1:1である場合には、理論空燃比は約11.85となる。従って、上述したように新規の燃料と既存の燃料との混合燃料の場合でも、同様にその混合比率に応じて理論空燃比が変化する。逆に考えると、既存の燃料の組成(特に、既存の燃料中のガソリンとアルコール燃料との組成比率)が分かっている場合、燃料入替え中の或る時点における混合比率とそのときの理論空燃比とが分かれば新規の燃料の組成を特定することができる。
ここで、本実施形態の内燃機関では、後述するように排気空燃比がリッチとリーンとの間で上下動するように、すなわち排気空燃比がほぼ理論空燃比となるように燃料噴射量(燃料噴射時間)がフィードバック制御されている。このフィードバック制御では、燃料噴射弁19から噴射される燃料の組成比率が如何なる値であったとしても、すなわち燃料の理論空燃比が如何なる値であったとしても、基本的に排気空燃比がほぼ理論空燃比となるように制御される。逆に言うと、本実施形態のフィードバック制御における制御量等に基づいて燃料噴射弁19から噴射される燃料の理論空燃比を推定することができるようになる。
このように本実施形態の燃料供給装置では、燃料入替え中において燃料入替え開始からの積算燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁19から噴射される燃料中の新規の燃料の混合比率を算出することができ、またフィードバック制御における制御量等に基づいて燃料噴射弁19から噴射された燃料の理論空燃比を算出することができる。このため、本実施形態の燃料供給装置では、燃料入替え中に新規の燃料の組成、特に新規の燃料の組成比率を判別することができ、よって新規の燃料の発熱量、気化潜熱等を判別することができるようになる。また、これに伴って、燃料入替え中においても燃料噴射弁19から噴射される新規の燃料と既存の燃料とが混合した燃料の発熱量、気化潜熱等を算出することができるようになる。
ところで、図1及び図2に示す内燃機関では、上述したように排気空燃比がほぼ理論空燃比となるように燃料噴射量(燃料噴射時間)がフィードバック制御されていると共に、パージ制御及び空燃比学習制御が行われている。以下、これら制御について説明する。
図1及び図2に示す内燃機関では基本的には次式(1)に基づいて燃料噴射時間TAUが算出される。
TAU=TP・FW・(FAF+KGj−FPG) …(1)
ここで各係数は次のものを表わしている。
TP:基本燃料噴射時間
FW:補正係数
FAF:フィードバック補正係数
KGj:空燃比の学習係数
FPG:パージ空燃比補正係数(以下、パージA/F補正係数と称する)
基本燃料噴射時間TPは空燃比を目標空燃比とするのに必要な実験により判別された噴射時間であってこの基本燃料噴射時間TPは機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機関回転数N)および機関回転数Nの関数として予めROM42内に記憶されている。
補正係数FWは暖機増量係数や加速増量係数を一まとめにして表わしたもので増量補正する必要がないときにはFW=1.0となる。補正係数FWは、例えば燃料の組成等に応じて異なる値とされる。
フィードバック補正係数FAFは空燃比センサ53の出力信号に基づいて空燃比を目標空燃比に制御するために設けられている。
パージA/F補正係数FPGは機関の運転が開始されてからパージ作用が開始されるまでの間はFPG=0とされ、パージ作用が開始されると燃料ベーパ濃度(吸気ガス中に混入される蒸発燃料の濃度)が高くなるほど大きくなる。なお、機関運転中においてパージ作用が一時的に停止されたときはパージ作用の停止期間中、FPG=0とされる。
ところで上述したようにフィードバック補正係数FAFは空燃比センサ53の出力信号に基づいて空燃比を目標空燃比に制御するためのものである。この場合、目標空燃比としてはどのような空燃比を用いてもよいが図1及び図2に示す実施形態では目標空燃比が理論空燃比とされており、従って以下目標空燃比を理論空燃比とした場合について説明する。なお、目標空燃比が理論空燃比であるときには空燃比センサ53として排気ガス中の酸素濃度に応じ出力電圧が変化するセンサが使用され、従って以下空燃比センサ53をO2センサと称する。このO2センサ53は空燃比が過濃側のとき、即ちリッチのとき0.9(V)程度の出力電圧を発生し、空燃比が希薄側のとき、即ちリーンのとき0.1(V)程度の出力電圧を発生する。
図6は空燃比が目標空燃比に維持されているときのO2センサ53の出力電圧Vとフィードバック補正係数FAFとの関係を示している。図6に示されるようにO2センサ53の出力電圧Vが基準電圧、例えば0.45(V)よりも高くなると、即ち空燃比がリッチになるとフィードバック補正係数FAFはスキップ量Sだけ急激に低下せしめられ、次いで積分定数Kでもって徐々に減少せしめられる。これに対してO2センサ53の出力電圧Vが基準電圧よりも低くなると、即ち空燃比がリーンになるとフィードバック補正係数FAFはスキップ量Sだけ急激に増大せしめられ、次いで積分定数Kでもって徐々に増大せしめられる。
即ち、空燃比がリッチになるとフィードバック補正係数FAFが減少せしめられるので燃料噴射量が減少せしめられ、空燃比がリーンになるとフィードバック補正係数FAFが増大せしめられるために燃料噴射量が増大せしめられ、斯くして空燃比が理論空燃比に制御されることになる。図6に示されるようにこのときフィードバック補正係数FAFは基準値、即ち1.0を中心として上下動する。
また、図6においてFAFLは空燃比がリーンからリッチになったときのフィードバック補正係数FAFの値を示しており、FAFRは空燃比がリッチからリーンになったときのフィードバック補正係数FAFの値を示している。本実施形態ではフィードバック補正係数FAFの変動平均値(以下、単に平均値という)としてこれらFAFLとFAFRとの平均値が用いられている。
図7はパージ作用の概略を示している。なお、図7においてPGRは燃料ベーパのパージ率を示している。図7に示されるように本実施形態では機関の運転開始後、初めてパージ作用が開始されたときにはパージ率PGRは零から徐々に増大せしめられ、パージ率PGRが一定値、例えば6パーセントに達するとその後はパージ率PGRが目標パージ率に維持される。
次いで例えば減速運転時に燃料の供給が停止されたような場合にはXで示されるようにパージ率PGRが一時的に零にされる。次いでパージ作用が停止される直前のパージ率PGRでもってパージ作用が再開される。
次に図8を参照しつつ燃料ベーパ濃度の学習方法について説明する。燃料ベーパ濃度の学習は、パージ制御により生じる実際の空燃比と理論空燃比(目標空燃比)とのずれに基づいて行われる。
燃料ベーパ濃度の学習は単位パージ率当りのベーパ濃度を正確に求めることから始まる。この単位パージ率当りのベーパ濃度が図8においてFGPGで示されている。パージA/F補正係数FPGはFGPGにパージ率PGRを乗算することによって得られる。
単位パージ率当りのベーパ濃度FGPGはフィードバック補正係数FAFがスキップ(図6のS)する毎に次式(2)、(3)に基づいて算出される。
tFG=(1−FAFAV)/(PGR・a) …(2)
FGPG=FGPG+tFG …(3)
ここでtFGはFAFのスキップ毎に行われるFGPGの更新量を示しており、FAFAVはフィードバック補正係数の平均値(=(FAFL+FAFR)/2)を示しており、本実施形態ではaは2に設定されている。
即ち、パージが開始されると空燃比がリッチとなるために空燃比を理論空燃比とすべくフィードバック補正係数FAFが小さくなる。次いで時刻t1においてO2センサ53により空燃比がリッチからリーンに切替ったと判断されるとフィードバック補正係数FAFは増大せしめられる。この場合、パージが開始されてから時刻t1に至るまでのフィードバック補正係数FAFの変化量ΔFAF(ΔFAF=(1.0−FAF))はパージ作用による空燃比の変動量を表しており、この変動量ΔFAFは時刻t1における燃料ベーパ濃度を表わしている。
時刻t1に達すると空燃比は理論空燃比に維持され、その後空燃比が理論空燃比からずれないようにフィードバック補正係数の平均値FAFAVを1.0まで戻すために単位パージ率当りのベーパ濃度FGPGがフィードバック補正係数FAFのスキップ毎に徐々に更新される。このときのFGPGの一回当りの更新量tFGは1.0に対するフィードバック補正係数の平均値FAFAVのずれ量の半分とされ、従ってこの更新量tFGは上述したようにtFG=(1−FAFAV)/(PGR・2)となる。
図8に示されるようにFGPGの更新作用が数回繰返されるとフィードバック補正係数の平均値FAFAVは1.0に戻り、その後は単位パージ率当りのベーパ濃度FGPGは一定となる。このようにFGPGが一定になるということはこのときのFGPGが単位パージ率当りのベーパ濃度を正確に表わしていることを意味しており、従ってベーパ濃度の学習が完了したことを意味している。一方、実際の燃料ベーパ濃度は単位パージ率当りのベーパ濃度FGPGにパージ率PGRを乗算した値となる。従って実際の燃料ベーパ濃度を表わすパージA/F補正係数FPG(=FGPG・PGR)は図8に示されるようにFGPGが更新される毎に更新され、パージ率PGRが増大するにつれて増大する。
パージ開始後におけるベーパ濃度の学習が一旦完了した後においてもベーパ濃度が変化すればフィードバック補正係数FAFは1.0からずれ、このときにも上述のtFG(=(1−FAFAV)/(PGR・a))を用いてFGPGの更新量が算出される。
次に図9および図10を参照しつつパージ制御ルーチンについて説明する。なお、このルーチンは一定時間毎の割込みによって実行される。
図9および図10を参照するとまず初めにステップ100においてパージ制御弁29の開度の計算時期か否かが判別される。本実施形態では開度の計算は100msec毎に行われる。開度の計算時期でないときにはステップ113にジャンプしてパージ制御弁29の駆動処理が実行される。これに対して開度の計算時期であるときにはステップ101に進んでパージ条件1が成立しているか否か、例えば暖機が完了したか否かが判別される。パージ条件1が成立していないときにはステップ114に進んで初期化処理が行われ、次いでステップ1155では開度DPGおよびパージ率PGRが零とされる。これに対してパージ条件1が成立しているときにはステップ102に進んでパージ条件2が成立しているか否か、例えば空燃比のフィードバック制御が行われているか否かおよび燃料の供給が停止されていないか否かが判別される。パージ条件2が成立していないときにはステップ115に進み、パージ条件2が成立しているときにはステップ103に進む。
ステップ103では全開パージ量PGQと吸入空気量QAとの比である全開パージ率PG100(=(PGQ/QA)・100)が算出される。ここで全開パージ量PGQはパージ制御弁29を全開にしたときのパージ量を表わしている。全開パージ率PG100は例えば機関負荷Q/N(吸入空気量QA/機関回転数N)と機関回転数Nの関数であって予め実験により求められており、マップとして予めROM42内に記憶されている。
機関負荷Q/Nが低くなるほど吸入空気量QAに対する全開パージ量PGQは大きくなるので全開パージ率PG100は機関負荷Q/Nが低くなるほど大きくなり、また機関回転数Nが低くなるほど吸入空気量QAに対する全開パージ量PGQは大きくなるので全開パージ率PG100は機関回転数Nが低くなるほど大きくなる。
次いでステップ104ではフィードバック補正係数FAFが上限値KFAF15(=1.15)と下限値KFAF08(=0.85)との間にあるか否かが判別される。KFAF15>FAF>KFAF08のときには、即ち空燃比が理論空燃比にフィードバック制御されているときにはステップ105に進んでパージ率PGRが零であるか否かが判別される。既にパージ作用が行われているときにはPGR>0であるのでこのときにはステップ107にジャンプする。これに対してまだパージ作用が開始されていないときにはステップ106に進んでパージ率PGROが再開パージ率PGRとされる。機関の運転が開始されてから初めてパージ条件1およびパージ条件2が成立したときには初期化処理(ステップ114)によりパージ率PGROは零とされているのでこのときにはPGR=0となる。これに対してパージ作用が一旦中止され、その後パージ制御が再開されたときにはパージ制御が中止される直前のパージ率PGROが再開パージ率PGRとされる。
次いでステップ107ではパージ率PGRに一定値KPGRuを加算することによって目標パージ率tPGR(=PGR+KPGRu)が算出される。即ち、KFAF15>FAF>KFAF08のときには目標パージ率tPGRが100msec毎に徐々に増大せしめられることがわかる。なお、この目標パージ率tPGRに対しては上限値P(Pは例えば6%)が設定されており、従って目標パージ率tPGRは上限値Pまでしか上昇できない。次いでステップ109に進む。
一方、ステップ104においてFAF≧KFAF15であるか又はFAF≦KFAF08であると判別されたときにはステップ108に進み、パージ率PGRから一定値KPGRdを減算することによって目標パージ率tPGR(=PGR−KPGRd)が算出される。即ち、燃料ベーパのパージ作用により空燃比を理論空燃比に維持しえないときには目標パージ率tPGRが減少せしめられる。なお、目標パージ率tPGRに対しては下限値S(S=0%)が設定されている。次いでステップ109に進む。
ステップ109では目標パージ率tPGRを全開パージ率PG100により除算することによってパージ制御弁29の開度DPG(=(tPGR/PG100)・100)が算出される。従ってパージ制御弁29の開度は全開パージ率PG100に対する目標パージ率tPGRの割合に応じて制御されることになる。このようにパージ制御弁29の開度を全開パージ率PG100に対する目標パージ率tPGRの割合に応じて制御すると目標パージ率tPGRがどのようなパージ率であったとしても機関の運転状態にかかわらず実際のパージ率が目標パージ率に維持される。
例えば今、目標パージ率tPGRが2%であり、現在の運転状態における全開パージ率PG100が10%であったとすると開度DPGは20%となり、このときの実際のパージ率は2%となる。次いで運転状態が変化し、変化後の運転状態における全開パージ率PG100が5%になったとすると開度DPGは40%となり、このときの実際のパージ率は2%となる。即ち、目標パージ率tPGRが2%であれば機関の運転状態にかかわらずに実際のパージ率は2%となり、目標パージ率tPGRが変化して4%になれば機関の運転状態にかかわらずに実際のパージ率は4%に維持される。
次いでステップ110では全開パージ率PG100に開度DPGを乗算することによって実際のパージ率PGR(=PG100・(DPG/100))が算出される。即ち、前述したように開度DPGは(tPGR/PG100)・100で表わされ、この場合目標パージ率tPGRが全開パージ率PG100よりも大きくなると開度DPGは100%以上となる。しかしながら開度DPGは100%以上にはなりえず、このとき開度DPGは100%とされるために実際のパージ率PGRは目標パージ率tPGRよりも小さくなる。従って実際のパージ率PGRは上述したようにPG100・(DPG/100)で表わされることになる。
次いでステップ111では開度DPGがDPGOとされ、パージ率PGRがPGROとされる。次いでステップ112ではパージが開始されてからの時間を表しているパージ実行時間カウンタCPGRが1だけインクリメントされる。次いでステップ113においてパージ制御弁29の駆動処理が行われ、パージ制御弁29の開度が上記開度DPGとされる。
次に図11に示すフィードバック補正係数FAFの算出ルーチンについて説明する。このルーチンは例えば一定時間毎の割込みによって実行される。
図11を参照するとまず初めにステップ120において空燃比のフィードバック制御条件が成立しているか否かが判別される。フィードバック制御条件が成立していないときにはステップ133に進んでフィードバック補正係数FAFが1.0に固定され、次いでステップ134においてフィードバック補正係数の平均値FAFAVが1.0に固定される。次いでステップ132に進む。これに対してフィードバック制御条件が成立しているときにはステップ121に進む。
ステップ121ではO2センサ53の出力電圧Vが0.45(V)よりも高いか否か、即ちリッチであるか否かが判別される。V≧0.45(V)のとき、即ちリッチのときにはステップ122に進んで前回の処理サイクル時にリーンであったか否かが判別される。前回の処理サイクル時にリーンのとき、即ちリーンからリッチに変化したときにはステップ123に進んでフィードバック補正係数FAFがFAFLとされ、ステップ124に進む。ステップ124ではフィードバック補正係数FAFからスキップ値Sが減算され、従って図6に示されるようにフィードバック補正係数FAFはスキップ値Sだけ急激に減少せしめられる。次いでステップ125ではFAFLとFAFRの平均値FAFAVが算出される。次いでステップ126ではスキップフラグがセットされる。次いでステップ132に進む。一方、ステップ122において前回の処理サイクル時にはリッチであったと判別されたときはステップ127に進んでフィードバック補正係数FAFから積分値K(K≪S)が減算され、次いで132に進む。従って図6に示されるようにフィードバック補正係数FAFは徐々に減少せしめられる。
一方、ステップ121においてV<0.45(V)であると判断されたとき、即ちリーンのときにはステップ128に進んで前回の処理サイクル時にリッチであったか否かが判別される。前回の処理サイクル時にリッチのとき、即ちリッチからリーンに変化したときにはステップ129に進んでフィードバック補正係数FAFがFAFRとされ、ステップ130に進む。ステップ130ではフィードバック補正係数FAFにスキップ値Sが加算され、従って図6に示されるようにフィードバック補正係数FAFはスキップ値Sだけ急激に増大せしめられる。次いでステップ125ではFAFLとFAFRの平均値FAFAVが算出される。一方、ステップ128において前回の処理サイクル時にはリーンであったと判別されたときはステップ131に進んでフィードバック補正係数FAFに積分値Kが加算される。従って図6に示されるようにフィードバック補正係数FAFは徐々に増大せしめられる。
ステップ132ではフィードバック補正係数FAFが変動許容範囲の上限1.2と下限0.8によりガードされる。即ち、FAFが1.2よりも大きくならず、0.8よりも小さくならないようにFAFの値がガードされる。上述したように空燃比がリッチとなってFAFが小さくなると燃料噴射時間TAUが短くなり、空燃比がリーンとなってFAFが大きくなると燃料噴射時間TAUが長くなるので空燃比が理論空燃比に維持されることになる。
図11に示すフィードバック補正係数FAFの算出ルーチンが完了すると図12に示される空燃比の学習ルーチンに進む。空燃比の学習ルーチンでは、実際の空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射量を調整するフィードバック制御の実行中に生じる実際の空燃比と目標空燃比との間の定常的な誤差に対応する空燃比の学習値KGjが算出される。
図12を参照するとまず初めにステップ140において空燃比の学習条件が成立しているか否かが判別される。空燃比の学習条件が成立していないときにはステップ148にジャンプし、空燃比の学習条件が成立しているときにはステップ141に進む。ステップ141ではスキップフラグがセットされているか否かが判別され、スキップフラグがセットされていないときにはステップ148にジャンプする。これに対してスキップフラグがセットされているときにはステップ142に進んでスキップフラグがリセットされ、次いでステップ143に進む。即ち、フィードバック補正係数FAFがスキップせしめられる毎にステップ143に進むことになる。
ステップ143ではパージ率PGRが零であるか否か、即ちパージ作用が行われているか否かが判別される。パージ率PGRが零でないとき、即ちパージ作用が行われているときには図13に示されるベーパ濃度の学習ルーチンへ進む。これに対してパージ率PGRが零のとき、即ちパージ作用が行われていないときにはステップ144に進んで空燃比の学習が行われる。
即ち、まず初めにステップ144においてフィードバック補正係数の平均値FAFAVが1.02以上であるか否かが判別される。FAFAV≧1.02のときにはステップ147に進んで学習領域jに対する空燃比の学習値KGjに一定値Xが加算される。即ち、本実施形態では機関負荷に応じて複数個の学習領域jが予め定められており、各学習領域jに対してそれぞれ空燃比の学習値KGjが設けられている。従ってステップ147では機関負荷に応じた学習領域jの空燃比の学習値KGjが更新される。次いでステップ148に進む。
一方、ステップ144においてFAFAV<1.02であると判別されたときにはステップ145に進んでフィードバック補正係数の平均値FAFAVが0.98以下であるか否かが判別される。FAFAV≦0.98のときにはステップ146に進んで機関負荷に応じた学習領域jの空燃比の学習値KGjから一定値Xが減算される。一方、ステップ145においてFAFAV>0.98であると判別されたとき、即ちFAFAVが0.98と1.02との間にあるときには空燃比の学習値KGjを更新することなくステップ148にジャンプする。
ステップ148およびステップ149ではベーパ濃度を学習するための初期化処理が行われる。即ち、ステップ148では機関始動中であるか否かが判別され、機関始動中のときにはステップ149に進んで単位パージ率当りのベーパ濃度FGPGが零とされ、パージ実行時間カウント値CPGRがクリアされる。次いで図14に示される燃料噴射時間の算出ルーチンに進む。一方、始動時でない場合には図14に示される燃料噴射時間の算出ルーチンに直接進む。
上述したようにステップ143においてパージ作用が行われていると判断されたときには図13に示されるベーパ濃度の学習ルーチンに進む。次にこのベーパ濃度の学習ルーチンについて説明する。
図13を参照すると、まず初めにステップ160において、フィードバック補正係数の平均値FAFAVが一定範囲内にあるか否か、即ち1.02>FAFAV>0.98であるか否かが判別される。フィードバック補正係数の平均値FAFAVが設定範囲内にあるとき、即ち1.02>FAFAV>0.98であるときにはステップ162に進んで単位パージ率当りのベーパ濃度FGPGの更新量tFGが零とされ、次いでステップ163に進む。従ってこのときにはベーパ濃度FGPGは更新されない。
一方、ステップ160においてフィードバック補正係数の平均値FAFAVが一定範囲を越えていると判断されたとき、即ちFAFAV≧1.02であるか又はFAFAV≦0.98であるときにはステップ161に進んで次式(4)に基づきベーパ濃度FGPGの更新量tFGが算出される。
tFG=(1.0−FAFAV)/PGR・a …(4)
ここでaは2である。即ちフィードバック補正係数の平均値FAFAVが設定範囲(0.98と1.02との間)を越えると1.0に対するFAFAVのずれ量の半分が更新量tFGとされる。次いでステップ163に進む。ステップ163ではベーパ濃度FGPGに更新量tFGが加算される。次いでステップ164ではベーパ濃度FGPGの更新回数を表している更新回数カウンタCFGPGが1だけインクリメントされる。次いで図14に示される燃料噴射時間の算出ルーチンに進む。
次に図14に示される燃料噴射時間の算出ルーチンについて説明する。
図14を参照するとまず初めにステップ140において機関負荷Q/Nおよび機関回転数Nに基づき基本燃料噴射時間TPが算出される。次いでステップ141では暖機増量等のための補正係数FWが算出される。次いでステップ142では単位パージ率当りのベーパ濃度FGPGにパージ率PGRを乗算することによってパージA/F補正係数FGR(=FGPG・PGR)が算出される。次いでステップ143では次式(5)に基づいて燃料噴射時間TAUが算出される。
TAU=TP・FW・(FAF+KGj−FPG) …(5)
ところで、燃料の入替え中は燃料の理論空燃比が既存の燃料の理論空燃比から新規の燃料の理論空燃比へと徐々に変動する。上述したように、本実施形態の内燃機関では、フィードバック制御により排気空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射量を制御するようにしているが、燃料の入替え中は燃料の理論空燃比が変動することからフィードバック制御の追従が遅れて、実際の空燃比が理論空燃比からずれ易い。
このように実際の空燃比が理論空燃比からずれ易い状態で図12に示した空燃比の学習制御を行うと、燃料の入替えによって生じる空燃比の一時的なずれにより空燃比の学習値KGjが更新され、空燃比の学習値KGjが不適切な値となってしまう。
そこで、本実施形態では、燃料の入替え中、すなわち新規の燃料をメインタンク61に供給してから燃料の入替えが完了するまでの間は空燃比の学習値KGjの更新を行わず、すなわち空燃比の学習制御を禁止することとしている。具体的には、図12のステップ140において、燃料の入替え中は学習条件が成立していないものとして判別される。従って、これにより、空燃比の学習値KGjが不適切な値に更新されるのが防止される。
また、燃料の入替え完了後には一定期間に亘って空燃比の学習速度が早められる。この場合、具体的には、図12のステップ146及びステップ147において減算又は加算されるXの値を通常時よりも大きな値とする。これにより、燃料の入替え完了後に空燃比制御を早くから最適に行うことができるようになる。
また、上述したように、燃料の入替え中は燃料の理論空燃比が変動することからフィードバック制御の追従が遅れて、空燃比が理論空燃比からずれ易い。このため、燃料の入替え中にパージ制御を行うと、ますます空燃比の制御が困難になり、燃焼の悪化や排気エミッションの悪化を招いてしまう。
そこで、本実施形態では、燃料の入替え中にはパージ制御を禁止することとしている。具体的には、図9のステップ102において燃料の入替え中はパージ条件2が成立していないものとして判別される。これにより、燃料の入替え中にはパージ制御が実行されず、よって燃焼の悪化や排気エミッションの悪化が抑制される。
また、燃料を入れ替えると燃料タンク60内の燃料の性状、すなわち燃料の組成比率が大きく変わる。このため、燃料を入れ替えると燃料タンク60内での蒸発燃料の発生量が変化したり、キャニスタ25の吸着層26からの蒸発燃料の離脱量が変化したりするため、燃料入替えの前後で単位パージ率当たりの燃料ベーパ濃度が大きく変動する場合がある。
そこで、本実施形態では、燃料の入替え完了後一定期間に亘って燃料ベーパ濃度FGPGの学習速度を早めることとしている。具体的には、図13のステップ161において、値aを通常運転時よりも小さい値とする。本実施形態では、通常運転時に値aが2とされるため、燃料入替え完了後一定期間に亘って値aを2よりも小さい値、例えば1.5とする。これにより、燃料の入替え完了後に燃料ベーパ濃度FGPGの値を早期に適切な値にすることができるようになる。
次に、図15を参照して本発明の第二実施形態の燃料供給装置について説明する。図15は、第二実施形態の燃料供給装置を概略的に示す図である。図15から分かるように、第二実施形態の燃料供給装置の構成は、基本的に第一実施形態の燃料供給装置の構成と同様であるが、電磁弁(開放弁)69が設けられている点で第一実施形態の燃料供給装置の構成とは異なる。
電磁弁69は、メインタンク61とサブタンク62との間にチェックバルブ63と並列して設けられる。電磁弁69が開弁されるとメインタンク61内及びサブタンク62内の燃料はこれらタンク61、62内を自由に行き来することができるようになり、一方、電磁弁69が閉弁されるとこれらタンク61、62内の燃料はチェックバルブ63を介してのみしかこれらタンク61、62間で移動することができなくなる。
ここで、本実施形態の燃料供給装置においておも、上記第一実施形態と同様に、ガソリンとアルコール燃料との組成比率が異なる様々な燃料が給油される。本実施形態では、基本的に電磁弁60は閉弁されており、新規の燃料が供給された直後においても電磁弁60は閉弁されている。このため、新規の燃料が供給された直後は、燃料噴射弁19から噴射される燃料中の新規の燃料の比率は、新規の燃料が供給されてからの積算燃料噴射量に比例して上昇する。
従って、本実施形態においても、燃料入替え中において燃料入替え開始からの積算燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁19から噴射される燃料中の新規の燃料の混合比率を算出することができる。また、フィードバック制御における制御量等に基づいて燃料噴射弁19から噴射された燃料の理論空燃比を算出することができる。このため、本実施形態の燃料供給装置においても、燃料入替え中に新規の燃料の組成、特に新規の燃料の組成比率を判別することができ、よって新規の燃料の発熱量、気化潜熱等を求めることができる。
そして、本実施形態では、燃料入替え中に新規の燃料の組成が判別されると、燃料入替え中であっても電磁弁69が開弁せしめられる。
図16は、噴射燃料の組成のタイムチャートである。図16に示した例では、積算燃料噴射量が所定量q2となったときに新規の燃料の組成比率が判別され、このとき電磁弁69が開弁せしめられる。これにより、メインタンク61内の燃料とサブタンク62内の燃料とが混合せしめられる。特に、サブタンク62内の燃料がメインタンク61内の燃料に比べて少量であると考えられることから、これらタンク61、62内の燃料は新規の燃料とほぼ同一の組成比率の燃料となる。これにより、燃料循環部には新規の燃料が流れることになり、よって図16に示したように燃料噴射弁19からは新規の燃料が噴射されるようになる。
ここで、上述したように、上記第一実施形態では、燃料の入替え中には実際の空燃比が理論空燃比からずれ易いため空燃比の学習制御及びパージ制御を禁止することとしている。これに対して、本実施形態では、新規の燃料の組成比率が判別されると直ぐに燃料噴射弁19から新規の燃料の噴射が開始される。その後、空燃比のフィードバック制御により、実際の空燃比が理論空燃比へと近づく。このため、燃料噴射弁19から新規の燃料の噴射が開始されるようになってから、すなわち電磁弁69が開弁されてからは、空燃比の学習制御及びパージ制御を禁止する必要がなくなる。従って、本実施形態では、新規の燃料の組成比率が判別されると、電磁弁69が開弁されると共に空燃比の学習制御及びパージ制御の禁止が解除される。このため、本実施形態によれば、燃料の入替えが行われても、パージ制御及び空燃比の学習制御を早期に再開することができる。
ただし、本実施形態では、新規の燃料の組成比率が判別されても、内燃機関の運転が安定していないときには電磁弁69は開弁されない。すなわち、電磁弁69を開弁して燃料噴射弁19から噴射される燃料の組成比率が急に変わると、燃料の理論空燃比が急に変わることとなる。このように燃料の理論空燃比が急に変わり、フィードバック制御による燃料噴射量の制御が遅れる場合がある。このように、フィードバック制御の遅れが生じると、実際の空燃比が理論空燃比から大きくずれてしまい、燃焼の悪化やドライバビリティの悪化を招く虞がある。特に、電磁弁69の開弁前に内燃機関の運転が安定していないと、電磁弁69の開弁直後に生じる燃焼の悪化やドライバビリティの悪化が大きなものとなってしまう。そこで、本実施形態のように、新規の燃料の組成比率が判別されても内燃機関の運転が安定していないときには電磁弁69を開弁しないようにすることにより、燃焼及びドライバビリティの悪化を抑制することができる。
ここで、内燃機関の運転が安定していない場合とは、例えば内燃機関が定常運転を行っていない場合や、フィードバック制御を行っているにも関わらず空燃比の変動が激しい場合等が挙げられる。
なお、新規の燃料の組成比率の算出は、理論上、燃料の入替え開始後直ぐに行うことができる。これは、積算燃料噴射量に基づく新規の燃料の混合比率の算出が燃料の入替え開始直後から可能であり、またフィードバック制御における制御量等に基づく噴射燃料の理論空燃比の算出も燃料の入替え開始直後から可能であるためである。しかしながら、実際には燃料の混合比率や噴射燃料の理論空燃比の算出には多少の誤差が生じるため、燃料の入替え開始から或る程度の時間に亘ってデータを取得し、このデータから新規の燃料の組成比率を算出するのが好ましい。
また、電磁弁69が開弁されて燃料噴射弁19から噴射される燃料の組成比率が急に変わると、燃料の理論空燃比が急に変わることとなる。このため、フィードバック制御による燃料噴射量の制御が遅れる場合がある。従って、空燃比の学習制御及びパージ制御の禁止の解除を、電磁弁69が開弁されてから多少の程度の時間が経過してから行うようにしてもよい。
内燃機関の全体図である。 気筒の拡大断面図である。 燃料供給装置の概略図である。 従来の燃料供給装置の概略図である。 噴射燃料の組成のタイムチャートである。 フィードバック補正係数FAFの変化を示す図である。 パージ率PGRの変化を示す図である。 パージ作用開始時におけるフィードバック補正係数FAF等の変化を示す図である。 パージ制御を行うためのフローチャートである。 パージ制御を行うためのフローチャートである。 フィードバック補正係数FAFを算出するためのフローチャートである。 空燃比の学習を行うためのフローチャートである。 ベーパ濃度の学習を行うためのフローチャートである。 燃料噴射時間の算出を行うためのフローチャートである。 第二実施形態の燃料供給装置の概略図である。 噴射燃料の組成のタイムチャートである。
符号の説明
60 燃料タンク
61 メインタンク
62 サブタンク
63 チェックバルブ
64 燃料供給パイプ
65 デリバリパイプ
66 燃料リターンパイプ
67 燃料ポンプ
68 プレッシャーレギュレータ

Claims (7)

  1. 機関本体に供給される燃料を貯留するメインタンクと、該メインタンクに連通するサブタンクと、機関本体の各気筒に燃料を供給する燃料供給弁の全てに連通する分岐部と、上記サブタンクと分岐部とに連通される燃料供給通路とを具備し、上記サブタンク内の燃料が燃料供給通路及び分岐部を介して機関本体に供給されると共に、上記サブタンクから機関本体に供給された燃料分だけメインタンク内の燃料がサブタンク内に供給される、内燃機関の燃料供給装置において、
    上記分岐部とサブタンクとに連通される燃料リターン通路をさらに具備し、該燃料リターン通路を介して上記分岐部内の燃料の一部がサブタンク内に戻される、内燃機関の燃料供給装置。
  2. 燃料を加圧して上記サブタンク内から分岐部に送る燃料ポンプと、上記分岐部内の燃料の圧力をほぼ所定圧力に維持すると共に該所定圧力以上となる場合には分岐部内の燃料を上記燃料リターン通路を介してサブタンク内に戻すプレッシャーレギュレータと、上記メインタンクとサブタンクとの間に設けられると共にサブタンクからメインタンクへ燃料が流れるのを禁止するチェックバルブとを具備する、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  3. 上記内燃機関は、パージ制御弁を制御して上記メインタンク又はサブタンク内に生じた蒸発燃料を燃焼室に供給するパージ制御と、フィードバック制御の実行中に生じる実際の空燃比と目標空燃比との間の定常的な誤差に対応する空燃比の学習値を算出すると共に該算出された空燃比の学習値に基づいて燃料噴射量を調整する空燃比学習制御とを実行可能であり、
    上記メインタンクには組成の異なる燃料を供給可能であり、上記メインタンク内に供給されていた既存の燃料とは組成の異なる新たな燃料が該メインタンクに供給された場合には、新たな燃料がメインタンクに供給されてからの積算噴射燃料量が少なくとも上記サブタンクと分岐部と燃料供給通路と燃料リターン通路との総容量以上となった時点で燃料入替え完了と判断し、上記新たな燃料がメインタンクに供給されてから燃料入替え完了まではパージ制御及び空燃比学習制御のうちの少なくともいずれか一方の制御を禁止する、請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 上記内燃機関はパージ制御により生じる実際の空燃比と目標空燃比とのずれに基づいてベーパ濃度を学習すると共に該学習されたベーパ濃度に基づいて燃料噴射量を調整するベーパ濃度学習制御を実行可能であり、
    上記メインタンクには組成の異なる燃料を供給可能であり、上記メインタンク内に供給されていた既存の燃料とは組成の異なる新たな燃料が該メインタンクに供給された場合には、新たな燃料がメインタンクに供給されてからの積算噴射燃料量が少なくとも上記サブタンクと分岐部と燃料供給通路と燃料リターン通路との総容量以上となった時点で燃料入替え完了と判断し、上記燃料入替え完了後には上記ベーパ濃度学習制御において上記実際の空燃比と目標空燃比とのずれに対するベーパ濃度の学習量を大きくする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 上記メインタンクには組成の異なる燃料を供給可能であり、上記メインタンク内に供給されていた既存の燃料とは組成の異なる新たな燃料が該メインタンクに供給された場合には、新たな燃料がメインタンクに供給されてからの積算噴射燃料量が少なくとも上記サブタンクと分岐部と燃料供給通路と燃料リターン通路との総容量以上となった時点で燃料入替え完了と判断し、上記新たな燃料がメインタンクに供給されてから燃料入替え完了までの間に、上記積算噴射燃料量と排気空燃比とに基づいて新たな燃料の組成を判別する、請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  6. 上記メインタンクとサブタンクとの間に設けられた開放弁をさらに具備し、該開放弁が開弁されるとメインタンク内の燃料とサブタンク内の燃料とが混合せしめられ、上記新たな燃料の組成が判別されたときに上記開放弁が開弁される、請求項5に記載の内燃機関の燃料供給装置。
  7. 上記新たな燃料の組成が判別されたときであっても、機関運転状態が安定していないときには上記開放弁は開弁されない、請求項6に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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JP2010001752A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射装置
CN102251884A (zh) * 2010-05-19 2011-11-23 杜俊坤 柴油发动机增温供油补偿系统及其供油补偿器

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