JP2007321346A - エマージェンシー機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両における所定空間を開閉するリッド部材のロック機構において、簡易な構成であって、その駆動源故障時に容易に人力などの外力によってリッド部材の開閉が行えるエマージェンシー機構を提供する。
【解決手段】デッキパネル6を拘束するロック機構9は、車両側に設けられたセクターギヤ13と、デッキパネル6に設けられ、該セクターギヤ13が係合する被係合ピン92とを有する。セクターギヤ13は、被係合ピン92と係合するフック部91と、フック部91を被係合ピン92との係合が解除される方向に移動させる解除用押圧部93とを有する。ルーフ格納室7には、解除用押圧部93を押圧するジャッキレバー104を挿通させるための挿通空間Sが車室側に開口して形成されている。解除用押圧部93は、セクターギヤ13と被係合ピン92とが係合している状態において、挿通空間S内に位置するように設けられている。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両の所定空間を閉じた閉状態と開放した開状態との間で開閉自在に設けられたリッド部材のロック機構を緊急的に解除するエマージェンシー機構に関し、特に、該ロック機構を外力を加えることによって解除してリッド部材を開閉可能とするエマージェンシー機構に関する。
従来より、車両におけるトランクルームやルーフ格納室等の所定空間を自在に開閉するリッド部材が知られている。
例えば、特許文献1に係る車両は、車室の上方を覆うフロントルーフおよび車室後方を覆うバックルーフが可動式であるリトラクタブルルーフを備えていて、フロントルーフとバックルーフとが格納状態のときには2つのルーフが折り畳まれた状態で車両後方のルーフ格納室に格納される。そして、このルーフ格納室はリッド部材であるデッキパネルによって蓋をされる。一方、外気温が低い場合や雨の場合などは、ルーフ格納室のデッキパネルを開き、2つのルーフを使用状態として車室の上部全体を覆って、車室を密閉としている。
また、その他のリッド部材としてはトランクルームを遮蔽するトランクカバー等がある。
このようなリッド部材は、車両走行中に開かないようにロック機構によって閉状態で拘束されている。
例えば、特許文献2に係る車両では、ルーフ格納室内において、ガイド面上を摺動可能なフック部材と、デッキパネルに設けられたピンとを有するロック機構が備えられている。そして、フック部材をワイヤを介してモータ等の駆動源で駆動することによって、該ピンとの係合及び係合解除を行い、デッキパネルを拘束及び拘束解除するように構成されている。
特開平8−244465号公報 特開2003−205748号公報
前述のデッキパネルを備えた車両において、ロック機構の駆動源が故障して動かなくなることが考えられる。このような場合、例えばルーフが格納状態でルーフ格納室に格納されていることを想定すると、雨が降ってもルーフが閉じないので乗員および車室内が濡れてしまうという不都合が生じる。従って、このような緊急事態に備えて、乗員が手動でルーフの開閉を行うことができるエマージェンシー機構を車両に設置しておくことが必要である。特に格納状態では、まずルーフ格納室の蓋を手動で開けることから始めなければならない。
前記特許文献2に係るロック機構のような構成においては、フック部材に繋がる、手動で操作するためのワイヤを別途設け、そのワイヤを車室内等の乗員が手動で操作できる位置まで延設しておくことが考えられる。
しかしながら、このような構成では、ワイヤを車室側まで引き回す必要があり、組立性が低下すると共に、ルーフ格納室内等のレイアウトに制約を与えることになる。また、該ワイヤが切れた場合にはロック機構を乗員の操作では解除できない虞もある。
特に、ルーフ格納室のデッキパネルのロック機構が、ルーフを格納した状態のまま解除できなくなると、修理工場等で修理してもらうまでは乗員及び車室が雨ざらしの状態になってしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両における所定空間を開閉するリッド部材のロック機構において、簡易な構成であって、その駆動源故障時に容易に人力などの外力によってリッド部材の開閉が行えるエマージェンシー機構を提供することにある。
本発明は、車両側に設けられ、リッド部材の被係合部材と係合する係合部材に解除用押圧部を設け、該解除用押圧部を車室側から任意の棒状の部材を挿入することでアクセス可能な位置に設け、該棒状の部材で解除用押圧部を押圧することによって該係合部材と被係合部材との係合が解除されるようにしたものである。
第1の発明は、車両の所定空間を閉じた閉状態と開放した開状態との間で開閉自在に設けられたリッド部材と、前記所定空間内に設けられ、前記リッド部材を前記閉状態において拘束するロック機構とを備え、該ロック機構による拘束を解除することで該リッド部材を開閉可能とするエマージェンシー機構が対象である。そして、前記ロック機構は、車両側に設けられた係合部材と、前記リッド部材に設けられ、該係合部材が係合する被係合部材とを有し、前記係合部材は、前記被係合部材と係合する係合本体と、押圧することで該係合本体を前記被係合部材との係合が解除される方向に移動させる解除用押圧部とを有し、前記所定空間には、前記解除用押圧部を押圧する棒状の部材を挿通させるための挿通空間が該所定空間から外側に開口して設けられ、、前記解除用押圧部は、前記係合部材と前記被係合部材とが係合している状態において、前記挿通空間内に位置するように設けられているものとする。
前記の構成の場合、前記リッド部材で閉じられる所定空間には、車室側に開口する前記挿通空間が形成され、この挿通空間内には車両側に設けられた係合部材の解除用押圧部が位置している。かかる構成によれば、該挿通空間内に所定空間の外側から任意の棒状の部材を挿通させることで、該棒状の部材によって該解除用押圧部を押圧することができる。その結果、ロック機構によるリッド部材の拘束が解除され、リッド部材を手動で開閉させることができるようになる。
つまり、前記のように、解除用押圧部を車室側に開口する挿通空間内に位置させることによって、乗員が手動で操作して係合部材の係合を解除させるためのワイヤ等の部品を別途設ける必要がなく、エマージェンシー機構を簡易な構成とすることができると共に、該挿通空間に挿通可能な棒状の部材さえあれば、ロック機構を容易に解除することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記挿通空間には、前方の開口から前記解除用押圧部まで該解除用押圧部を押圧する棒状の部材を案内するガイド部材が設けられているものとする。
前記挿通空間の開口から棒状の部材を挿通させて前記解除用押圧部を押圧する場合、棒状の部材が安定せず、解除用押圧部を棒状の部材で上手く押圧することができない虞がある。そこで、前記の構成では、該挿通空間内に前記ガイド部材を設けることによって、挿通空間内に挿通する棒状の部材が解除用押圧部まで案内されるため、該解除用押圧部を確実に押圧操作することができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記ガイド部材は、車両に搭載されたジャッキレバーが挿通可能な内径を有するパイプ部材であるものとする。
前記の構成の場合、該解除用押圧部を押圧する棒状の部材として、ジャッキレバーが想定されている。つまり、ジャッキレバーは通常、車両に搭載されているため、ロック機構を解除するための専用の棒状の部材を車両に別途搭載させる必要がなく、部品点数の増加を防止することができる。
本発明によれば、所定空間内に車室側に開口する前記挿通空間を形成し、前記係合部材の解除用押圧部を該挿通空間内に配置することによって、該挿通空間に棒状の部材を挿通して該解除用押圧部を押圧することでリッド部材の拘束を容易に解除することができる。また、ワイヤ等の部材を設ける必要もないため、組立性及びレイアウト性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2はリトラクタブルルーフ5を備えている車両1を示す模式的な側面図である。
リトラクタブルルーフ5は、乗務員室の天井となるフロントルーフ2と乗務員室後部側のミドルルーフ3とバックウインドウ4とを備えており、図1に示す車室上方を覆う全閉状態と、図2に示すルーフ格納室7内に格納された格納状態との間で開閉自在な構成となっている。図1においては、リトラクタブルルーフ5が全閉の状態が実線で示されており、半開(半閉)の状態が一点鎖線で表されている。格納状態においては、フロントルーフ2、ミドルルーフ3、バックウインドウ4が折りたたまれてルーフ格納室7に格納される。
尚、リトラクタブルルーフ5およびデッキパネル6はリンク機構によって開閉するが、リンク機構を図に描くと図が複雑になり見にくくなるため、リンク機構は図1,図2には示していない。
そして、リトラクタブルルーフ5が全閉状態及び格納状態のときには、デッキパネル6が閉状態となってルーフ格納室7を遮蔽している。このデッキパネル6は、図3に示すように、その両側端縁及び後端縁がそれぞれ左右のリアフェンダ101(図3では左側のみ図示)及びトランクリッド102の前端縁とウェザストリップ(図示省略)を介して当接してルーフ格納室7を遮蔽している。こうして遮蔽されるルーフ格納室7は、車室100内のシート103の後方位置において、デッキパネル6前端縁に沿って車室側に開口している。
図4,5は、デッキパネル6を開閉するリンク機構を示した図である。図4は、デッキパネル6が閉じているときの状態の図であり、図5は、デッキパネル6が完全に開いた状態の図である。なお、これらの図ではリンク機構をわかりやすく示すためにデッキパネル6を一点鎖線で表示しており、図5ではモータ12およびモータブラケット11を省略している。
このリンク機構はモータ12を駆動源としてデッキパネル6の開閉を行う機構であり、ベースであるメインブラケット21と、デッキパネル6に固定されたリッドブラケット31と、メインブラケット21及びリッドブラケット31に両端が枢支連結されていてリンク機構を作動させる原動レバー14と、メインブラケット21及びリッドブラケット31に両端が枢支連結されていてデッキパネル6の開閉範囲及び開閉の動きを規制する従動レバー15とを備えている。メインブラケット21はルーフ格納室7の底面に固定されることにより車体に固定されている。また、デッキパネル6は、ルーフ格納室7を遮蔽した閉状態においてロック機構9により拘束される。尚、本実施形態ではデッキパネル6とリッドブラケット31とを併せてリッドと言うことができる。
以下、図6を元にリンク機構の構造を説明する。
このリンク機構において、原動レバー14はセクターギヤ13によって駆動される。原動レバー14に取り付けられた長孔付きカム33の長孔34に、セクターギヤ13に取り付けられたピンが嵌り、セクターギヤ13の回転に伴ってピンが長孔34内を移動しながら長孔の内壁に力を加えて原動レバー14を駆動するのである。このセクターギヤ13は、ベースであるメインブラケット21にセクターギヤ取付ボルト41によって回転自在に取り付けられており、ピニオン22(図6ではモータ12裏側に隠れている)を介してモータ12により駆動される。つまり、セクターギヤ取付ボルト41がセクターギヤ13の回転軸となっている。
モータ12はモータブラケット11に固定されており、モータブラケット11は2本のボルト(棒部材)42,43によってメインブラケット21に取り付けられている。これらのボルト42,43のうち、ボルト42はモータブラケット11に開けられた孔45に差し込まれ、ボルト43はモータブラケット11に開けられた長孔46に差し込まれ、いずれもモータブラケット11との間に樹脂製のワッシャ51を挟み込んでメインブラケット21に開けられた雌ねじ付き孔に螺合されている。さらにメインブラケット21には、モータブラケット11が取り付けられている面から折り曲げられて該面に対して略垂直に延びる折り曲げ部52が設けられており、この折り曲げ部52に開けられた取付孔53にエマージェンシー部材であるエマージェンシーボルト44を差し込んでモータブラケット11に螺合させて固定されている。また、取付孔53の上には後述するエマージェンシー孔54が折り曲げ部52に設けられている。このエマージェンシー孔54にはエマージェンシーボルト44と螺合可能な雌ねじが形成されている。
次にロック機構9について説明する。ロック機構9は、セクターギヤ13と、デッキパネル6に設けられた被係合ピン92とで構成される。
すなわち、セクターギヤ13には、図4に示すように、一方のギア端部に鉤状のフック部91が形成されており、このフック部91が前記デッキパネル6が閉状態において前記被係合ピン92と係合する。また、フック部91の先端には、該フック部91と被係合ピン92との係合を手動で解除するための解除用押圧部93が形成されている。この解除用押圧部93を後方に押圧すると、セクターギヤ13がフック部91と被係合ピン92との係合が解除される方向(図3では時計回り)に回動する。すなわち、このセクターギヤ13がフック本体に相当する。
一方、前記被係合ピン92は、デッキパネル6に取り付けられたリッドブラケット31に固定されている。換言すれば、該被係合ピン92は、リッドブラケット31を介してデッキパネル6に取り付けられている。
そして、図4に示すように、デッキパネル6が閉状態のときに、セクターギヤ13のフック部91が、前記被係合ピン92に係合してデッキパネル6が開かないように拘束している。
そして、前記セクターギヤ13の解除用押圧部93は、図3,9に示すように、デッキパネル6の閉状態において、ルーフ格納室7内であって、格納されたフロントルーフ2の車幅方向外側の領域である挿通空間S内に位置する。
この挿通空間Sは、リトラクタブルルーフ5格納状態においては、車幅方向内側をフロントルーフ2(図7では図示省略)で画成され、上方をデッキパネル6で画成され、下方をミドルルーフ3で画成され、ルーフ格納室7前部において車室側に開口している。尚、本実施形態においては、リトラクタブルルーフ5格納状態においてミドルルーフ3がロック機構9の下方に位置するため、該挿通空間Sの下方は該ミドルルーフ3により画成されているが、ミドルルーフ3の車幅方向外側端部がロック機構9の下方位置に位置しない場合には、挿通空間Sの下方はルーフ格納室7のフロアによって画成されることになる。
さらに詳しくは、リッドブラケット31がこの挿通空間S内に位置するようにデッキパネル6に取り付けられており、解除用押圧部93が該リッドブラケット31の車幅方向外側であって格納されたミドルルーフ4の上側且つ車幅方向内側の位置に位置するようにセクターギヤ13がメインブラケット21に取り付けられている。
こうして、解除用押圧部93が、ルーフ格納室7前部の開口からアクセス可能な位置に配置されている。
また、挿通空間S内には、ルーフ格納室7の前部の開口から解除用押圧部93へ向かって延びるガイドパイプ8が設けられている。このガイドパイプ8は、ガイド取付部材81、81を介してリッドブラケット31に取り付けられている。また、このガイドパイプ8は、ジャッキレバー104(図8参照)が挿通可能な内径を有している。
こうして、解除用押圧部93とルーフ格納室7の開口との間には、棒状の部材が干渉することなく挿通できる空間が形成されている。
ここでモータ12が故障して作動しなくなった場合(モータ12の停止)を考える。リトラクタブルルーフ5が全開状態でルーフ格納室7に格納され、デッキパネル6がルーフ格納室7を覆っていると、雨が降ったときにはリトラクタブルルーフ5を閉じることができないので車室内に雨が降り込んで乗員が濡れてしまうとともに種々の計器が濡れて故障してしまう虞がある。この場合、セクターギヤ13とピニオン22とが噛み合っているので、モータ軸が回転しない限りセクターギヤ13が動くことはない。セクターギヤ13を外部から無理矢理動かすことによって作動しないモータ軸を回そうとすると、非常に大きな力が必要なためリンク機構が破損してしまう。またこの場合、人力ではモータ軸を回転させることは不可能なので、モータ軸を回転させるためには専門の修理工場に作業を依頼する必要がある。さらに、仮にセクターギヤ13とピニオン22の噛み合いが解除されても、デッキパネル6に取り付けられた被係合ピン92にセクターギヤ13のフック部91が係合しているため、そのままではデッキパネル6を開けることができない。
しかしながら本実施形態のリトラクタブルルーフ5のロック機構9にはエマージェンシー機構が備え付けられているので、モータ12が作動しなくなっても手動にてデッキパネル6を開けられるようになる。以下に本実施形態に係るエマージェンシー機構に関して説明をする。
本実施形態では、図4に示すようにデッキパネル6がルーフ格納室7を覆って閉まっているとき、モータ12が停止していてセクターギヤ13とピニオン22とが噛み合っている状態では、上述のようにピニオン22が繋がっているモータ軸を無理矢理動かさない限りデッキパネル6が開かない。この状態において手動でデッキパネル6を開けられるようにするために、まずエマージェンシーボルト44をモータブラケット11との螺合を解除して取り外す。それから折り曲げ部52に設けられたエマージェンシー孔54にエマージェンシーボルト44をねじ込んで螺合させる。
エマージェンシー孔54は貫通孔であるので、エマージェンシーボルト44をさらにねじ込んでいくとエマージェンシーボルト44の先端が折り曲げ部52を突き抜けてモータブラケット11の当接面47に当接し、モータブラケット11をモータ12の駆動軸に対して垂直な方向に押していく。モータブラケット11は、メインブラケット21に2本のボルト42,43によって取り付けられているが、この取付は樹脂製のワッシャ51,51を介して行われており、ボルト43はモータブラケット11の長孔46に差し込まれているため、ボルト42を回転軸としてモータブラケット11は回転していく。このときワッシャ51,51は樹脂製のため変形してモータブラケット11が回転できるようになる。ここでモータブラケット11は、モータ12駆動軸に垂直な方向に回転していく。
長孔46はボルト42が差し込まれている孔45を中心とする同一円弧上に延びるように形成されているので、当接面47がエマージェンシーボルト44に押されていってモータブラケット11が回転していくのに連れて、ボルト43は固定されたままであるが長孔46がボルト43に対して位置を変えていく。エマージェンシーボルト44に押されることによるモータブラケット11の回転は、図4において、ボルト42よりも上側が右方向に回転し下側が左方向に回転するものである。
このようにモータブラケット11が回転するとモータブラケット11に固定されているモータ12も一緒に回転する。この回転によってピニオン22がセクターギヤ13から離れていき、両者の噛み合わせが外れる。
ピニオン22とセクターギヤ13との噛み合わせを外すにはピニオン22の部分で歯の長さ分だけ移動させればよい。本実施形態では、モータブラケット11の回転軸となるボルト42からピニオン22の軸までの距離と、ボルト42から当接面47までの距離とがほぼ同じであるので、エマージェンシーボルト44により当接面47をピニオン22の歯の長さ相当の距離だけ移動させれば噛み合わせが外れる。
ピニオン22とセクターギヤ13との噛み合わせが外れたら、次に、セクターギヤ13のフック部91と被係合ピン92との係合を解除する。
詳しくは、図8に示すように、前記ルーフ格納室7前部の開口から前記挿通空間S内に車両に搭載されたジャッキレバー104を挿通する。このとき、ジャッキレバー104がガイドパイプ8内を通るように挿通する。そうすると、ジャッキレバー104は、ガイドパイプ8に案内されて、その先端が解除用押圧部93に当接する。その状態で、ジャッキレバー104をさらに挿通して、解除用押圧部93を後方に押圧すると、セクターギヤ13とピニオン22との噛み合わせが既に解除された後であるため、セクターギヤ13がフック部91と被係合ピン92との係合が解除される方向(図8では時計回り)に回動する。その結果、セクターギヤ13のフック部91と、リッドブラケット31の被係合ピン92との係合が解除される(図中の二点鎖線参照)。
こうして、フック部91と被係合ピン92との係合が外れたら、図9に示すように、デッキパネル6を人力にて持ち上げることができる。
したがって、前記実施形態によれば、ロック機構9の駆動源が故障した場合等に、ルーフ格納室7前端の開口から挿通空間S内にジャッキレバー104を挿通して、前記解除用押圧部93を押圧するという簡単な操作で、セクターギヤ13のフック部91と被係合ピン92との係合を解除することができるため、乗員により容易に且つ短時間で作業を行うことができる。その結果、ロック機構9を解除させるためのワイヤ等の部材を別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができると共に、ワイヤ等の配設によるレイアウト上の制約を受けることもない。
また、前記エマージェンシー機構によれば、解除用押圧部93の配置と、棒状の部材を案内するためのガイド部材という簡易な構成だけで、ロックを解除することができるため、ワイヤ等を用いて別のエマージェンシー機構のようにエマージェンシー機構自体の故障を考慮する必要がない。
また、前記実施形態のようにセクターギヤ13をモータ12で駆動する構成においては、フック部91と被係合ピン92との係合解除に先だって、モータ12のピニオン22とセクターギヤ13との噛合を解除しているため、解除用押圧部93を押圧するのに大きな力が必要なく、弱い力で係合を解除することができる。
さらに、解除用押圧部93は、ルーフ格納室7内であって視認し難い場所に位置する場合であっても、前記ガイドパイプ8が設けられているため、該ガイドパイプ8にジャッキレバー104を挿通させれば、ガイドパイプ8によって解除用押圧部93までジャッキレバー104が案内されるため、ジャッキレバー104の先端を解除用押圧部93に簡単に押し当てることができる。
さらにまた、前記実施形態では、解除用押圧部93をジャッキレバー104で押圧操作するため、解除用押圧部93を押圧するための専用の工具を車両に搭載しておく必要がなく、エマージェンシー機構の部品点数を削減することができる。
また、フック部91と被係合ピン92との係合解除の前提となるピニオン22とセクターギヤ13との噛合解除も、エマージェンシーボルト44をメインブラケット21から外してエマージェンシー孔45に螺合させるという簡単な動作でピニオン22とセクターギヤ13との噛み合わせを外すことができるので、車の修理に未熟練な人であっても容易に且つ短時間で作業を行うことができる。また、エマージェンシーボルト44をエマージェンシー孔45に螺合させるのには大きな力は必要ではないので、力の弱い人でも作業が可能である。モータ修理後はエマージェンシーボルト44をエマージェンシー孔45から取り外して、元の取付孔53に差し込んでメインブラケット21と螺合させるだけで修理前の元の状態に容易に復帰させることができる。このエマージェンシー機構は、エマージェンシー機構を備えていないリンク機構にエマージェンシー孔45と長孔46とを設けてワッシャ51,51を樹脂製とするだけで構成できるので、製造コストを低く抑えることができ、設計変更も少しで済むため、新たな設計コストもほとんど生じない。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態においては、解除用押圧部93をジャッキレバー104によって押圧操作しているが、これに限られるものではない。つまり、挿通空間S内に挿通可能な棒状の部材であれば、任意の棒状の部材を採用することができる。
また、前記実施形態では、デッキパネル6の前端においてルーフ格納室7が前方に開口しており、この開口に挿通空間Sが開口しているが、ルーフ格納室7の前部が仕切パネル等で仕切られる構成においては、該仕切パネル等に、挿通空間Sに臨む開口を形成するようにすればよい。さらに、エマージェンシーボルト44の操作と解除用押圧部93の操作とを同じ開口から行えるように構成すると、作業効率を向上させることができる。
また、前記実施形態では、フック部材であるセクターギヤ13がモータ12によって駆動されているが、油圧系で駆動されるものであってもよい。さらに、セクターギヤ13は回動することで被係合ピン92に対して係合するフック部材であるが、これに限られるものではなく、直動して被係合ピン92に係合するフック部材であってもよい。
さらにまた、挿通空間S内において解除用押圧部93まで棒状の部材を案内するガイド部材としてガイドパイプ8が採用されているが、これに限られるものではない。つまり、断面円形である必要はなく、断面方形であっても、断面半円形であってもよい。また、パイプ部材のように連続的に案内するガイド部材である必要はなく、複数箇所に断続的に複数のガイド部材が設けられる構成であってもよい。さらには、挿通空間S内において、解除用押圧部93が、ガイド部材なしでも押圧操作が可能な場所に位置する場合には、ガイド部材を設けなくてもよい。
前記実施形態では、リッド部材としてデッキパネルを採用しているが、これに限定されず、トランクリッドなどでも構わない。また、エマージェンシー機構を働かせた後にリッドに加える外力は人力に限定されず、機械的な力を用いても構わない。
尚、例えばモータブラケット11の位置や形状、メインブラケット21の位置や形状、セクターギヤ13及び解除用押圧部93の形状、エマージェンシーボルト44の設置位置や操作位置などはエマージェンシー操作によりセクターギヤ13とピニオン22との噛み合わせが外れる位置や形状であればどのようなものであっても構わない。
前記実施形態では、モータ12を移動させることによりピニオン22とセクターギヤ13との噛み合わせを外しているが、セクターギヤ13の側を移動させることによりピニオン22とセクターギヤ13との噛み合わせを外す機構としても構わない。また、ピニオン22とセクターギヤ13との間にアイドルギヤを挿入しても構わない。この場合、アイドルギヤを移動させることによりピニオン22とセクターギヤ13との間の噛み合いを外してもよい。さらに、モータ12やセクターギヤ13、アイドルギヤを、モータ駆動軸と水平な方向に移動させてピニオン22とセクターギヤ13との噛み合いを外しても構わない。さらに実施形態を含む以上の場合において、セクターギヤ13ではなく通常のギヤを用いても構わない。
モータ12を移動させるエマージェンシー部材は、ボルトに限定されない。単なる棒状の部材であってモータブラケット11を押して移動させるものであってもよいし、鉤状の部材であってモータブラケット11の一部に係合させてモータブラケット11を押してあるいは引いて移動させるものであっても構わない。つまり、エマージェンシー部材はモータブラケット11に当接、係合、嵌合等してモータブラケット11を移動させることができる形状のものであればどのようなものでも構わない。
解除用押圧部93及びエマージェンシーボルト44の操作は車室側から行うことに限られず、収納スペースの後方側(例えばトランク)や下側、側方から操作を行っても良い。
以上説明したように、本発明に係るエマージェンシー機構は、簡単な構造であってロック機構を容易に解除することができるので、車両のリッド部材のロック機構のエマージェンシー機構等として有用である。
リトラクタブルルーフを備えている車両の後部を示す模式的な側面図である。 リトラクタブルルーフを備えている車両の後部を示す別の模式的な側面図である。 リトラクタブルルーフが格納状態における車両の後部を示す模式的な斜視図である。 デッキパネルを開閉するリンク機構の、デッキパネルが閉まっている状態での模式的な側面図である。 デッキパネルを開閉するリンク機構の、デッキパネルが全開となっている状態での模式的な側面図である。 リンク機構を構成部品に分解して示した図である。 挿通空間内を車両前方から見た図である。 ロック状態を解除するときの、デッキパネルのロック機構の模式的な側面図である。 デッキパネルを開閉するリンク機構の、エマージェンシ機構を働かせた状態での模式的な側面図である。
符号の説明
13 セクターギヤ(係合部材、係合本体)
6 デッキパネル(リッド部材)
7 ルーフ格納室(所定空間)
8 ガイドパイプ(ガイド部材)
9 ロック機構
92 被係合ピン(被係合部材)
93 解除用押圧部

Claims (3)

  1. 車両の所定空間を閉じた閉状態と開放した開状態との間で開閉自在に設けられたリッド部材と、前記所定空間内に設けられ、前記リッド部材を前記閉状態において拘束するロック機構とを備え、該ロック機構による拘束を解除することで該リッド部材を開閉可能とするエマージェンシー機構であって、
    前記ロック機構は、車両側に設けられた係合部材と、前記リッド部材に設けられ、該係合部材が係合する被係合部材とを有し、
    前記係合部材は、前記被係合部材と係合する係合本体と、押圧することで該係合本体を前記被係合部材との係合が解除される方向に移動させる解除用押圧部とを有し、
    前記所定空間には、前記解除用押圧部を押圧する棒状の部材を挿通させるための挿通空間が該所定空間から外側に開口して設けられ、
    前記解除用押圧部は、前記係合部材と前記被係合部材とが係合している状態において、前記挿通空間内に位置するように設けられていることを特徴とするエマージェンシー機構。
  2. 請求項1に記載のエマージェンシー機構において、
    前記挿通空間には、前方の開口から前記解除用押圧部まで該解除用押圧部を押圧する棒状の部材を案内するガイド部材が設けられていることを特徴とするエマージェンシー機構。
  3. 請求項2に記載のエマージェンシー機構において、
    前記ガイド部材は、車両に搭載されたジャッキレバーが挿通可能な内径を有するパイプ部材であることを特徴とするエマージェンシー機構。
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JP2014194135A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Toshintec Kk 車両用スライドドアのクロージャ
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