JP2007320228A - 画像消色方法及び消色装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録媒体の表面に画像を有する印刷物の画像の色を消去する方法であって、前記画像が、一電子励起状態において、基底状態のオゾンと選択的に反応する色素を含み、前記画像に可視光を照射し、光照射によって前記色素の色素分子を励起状態にし、オゾン曝露するステップを有する。
【選択図】図1
Description
(消色装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る消色装置の構成図である。本発明の第1の実施の形態に係る消色装置1は、光源21、オゾン発生装置3、印刷物5を入れる透明なケース7及び各部を制御する制御部6を有して構成されている。
本実施形態の消色方法で用いる記録媒体は、多孔質体の無機顔料に水性バインダーを添加した水性塗工液を調整して原紙にコーティングして作成する。より詳細には、シリカを顔料とし、ポリビニルアルコール(PVA)(商品名 117K、会社名 (株)クラレ製)とエチレンビニルアセテート(EVA)(商品名 スミカフレックスS−401HQ、会社名 住友化学(株)製)をバインダーに用いる。シリカとバインダーとの質量比が90/10となるように混合し、固形分比が20質量%となるように水を加えて攪拌する。これをA4普通紙上に乾燥後の質量が30g/m2となるようにロールコータ法で塗工し、熱風乾燥炉で110℃10分間乾燥して無機顔料含有表面層を得て作成する。
本実施形態で用いる画像は、インクを用いてインクジェット記録方法により上記した記録媒体に印刷して行った。インクジェット用インクは、上記のような種々の色材を水や有機溶媒に溶解、分散させて調製することができ、必要に応じて、結合材、pH調整剤、粘度調整剤、浸透材、表面張力調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防かび剤等を添加することができる。より詳細には、下記のインクを用いて、上記記録媒体にマイクロソフト製パワーポイントにて印字パターンを作成し、プリンタとしてキヤノン製PIXUS3100iを用い、印刷品質「きれい」(インク量多い)で印字を行って印刷物5として作成する。
次に、第1の実施の形態の画像消色方法の動作を説明する。消色には、上記第1の実施形態の消色装置を用いる。
本発明の第1の実施形態は、画像の色素分子を可視光照射により励起状態とし、励起状態の色素分子に基底状態のオゾンを反応させて消色するものである。
この第1の実施の形態によれば、1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を効率よく画像を消すことを可能とする。そのため、紙類の再利用に役立つ。
(消色実験)
次の5種の条件で、各消色装置のケース内に、上記第1の実施の形態の印刷物を載置し、消色実験を行った。
上記第1の実施の形態の消色装置で、5分間光照射及びオゾン曝露(オゾン濃度20ppm)を行った。
上記第1の実施の形態の消色装置の光源を蛍光灯の代わりに白熱電球レフランプとした消色装置で、5分間光照射及びオゾン曝露(オゾン濃度20ppm)を行った。
上記第1の実施の形態の消色装置の光源を蛍光灯の代わりに紫外線ランプとした消色装置で、5分間光照射及びオゾン曝露(オゾン濃度20ppm)を行った。
上記第1の実施の形態の消色装置の光源を外し、ケースをアルミホイルで遮光した装置で、5分間オゾン曝露(オゾン濃度20ppm)を行った。
上記第1の実施の形態の消色装置の光源を蛍光灯の代わりに白熱電球レフランプとし、オゾンを導入せず、光照射のみを行う装置で、5分間光照射を行った。
評価は、印字パターンの100%印字部分についての分光反射率(400nm〜700nm)を色差計(商品名 NF333、会社名 日本電色工業(株)製)を用いて測定し、消色の程度を定量的に比較して行った。印字する記録媒体は、色が白色の紙である。測定項目は、(1)印字前の分光反射率、(2)印字後の分光反射率、(3)消色操作後の分光反射率である。
(消色装置の構成)
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る消色装置の構成図である。本発明の第3の実施の形態に係る消色装置1は、光源ユニット2、オゾン発生装置3、印刷物載置台4及び各部を制御する制御部6を有して構成されている。
光源ユニット2は、オゾン発生装置3内に設けられ、それぞれ電圧印加部22a、22b、22cを有する光源21a、21b、21cからなる。各光源21は、可視光のランプである。ランプは、印刷物5に使用したインクの種類に応じて選択する。各電圧印加部22は、電圧印加制御を行う制御部6に接続されている。印刷物載置台4に置いた印刷物5に光が照射する位置に光源21があり、光に照射されている印刷物5にオゾンが接触する位置にオゾン発生装置3を有する。
本実施形態のオゾン発生装置3は、放電電極31、対向電極32、制御部6、接地部34、制御部33を有し、コロナ放電によりオゾンを発生する装置である。放電電極31とこれに対向する対向電極32との間に交流電圧又は直流電圧を印加して放電させる。接地部34は対向電極32に接続されている。本実施形態におけるオゾン発生装置3は、開放系でオゾン曝露を行う。
本実施形態の印刷物載置台4は、印刷物5の表面の画像に、上記光源ユニット2の光源21の光が照射でき、上記オゾン発生装置3で発生したオゾンが当るように印刷物5を載置する台である。印刷物載置台4は、ロール41により回転する導電性のベルト42により、印刷物5がベルト42に載って移動するしくみとなっている。ベルト42は、接地されている。ロール41には、ロール41を回転させるための電源部43、電源のON、OFF及び回転速度を制御する制御部6に接続されている。本実施形態では、ロール41は4本用いているが、本数はこれに限られない。また、他の手段でベルト42を移動させてもよい。本実施形態では、導電性のベルト42が、対向電極32となっている。
本実施形態の消色方法で用いる記録媒体は、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスC、日産化学(株)製)とポリビニルアルコール(商品名「SMR−10HH」、信越化学工業(株)製)を質量比で90/10となるように混合し、固形分比が20質量%となるように水を加えて攪拌する。これをA4普通紙上に乾燥後の質量が30g/m2となるようにロールコータ法で塗工し、熱風乾燥炉で110℃10分間乾燥して無機顔料含有表面層を得て作成する。
本実施形態で用いる画像は、下記式(2)のアシッドグリーン25からなる酸性染料0.2gをイオン交換水16.6gに溶解させ、グリセリン1.5gと、ジエチレングリコール1.5gと界面活性剤0.2gとを加えて混合し、30分攪拌して、Milliporeフィルターでろ過して調製したインクを用いてインクジェット記録方法により上記した記録媒体に、マイクロソフト製パワーポイントにて印字パターンを作成し、プリンタとしてキヤノン製PIXUS3100iを用いて、印刷品質「標準」(インク量普通)で印字を行って印刷物5として作成する。
次に、第3の実施の形態の画像消色方法の動作を説明する。消色には、上記第3の実施形態の消色装置を用いる。
この第3の実施の形態によれば、1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を効率よく画像を消すことを可能とする。そのため、紙類の再利用に役立つ。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。
2 光源ユニット
21 光源
22 電圧印加部(光源)
3 オゾン発生装置
31 放電電極
32 対向電極
33 電圧印加部(オゾン発生装置)
34 接地部
4 印刷物載置台
41 ロール
42 ベルト
43 電源部
5 印刷物
6 制御部
7 ケース
8 ガスライン
9 電磁弁
Claims (13)
- 1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を消去する方法であって、前記画像に光照射を行い、オゾン曝露するステップを有することを特徴とする画像消色方法。
- 前記光が、可視光を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像消色方法。
- 前記光照射が、前記色素の色素分子を励起状態にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像消色方法。
- 前記色素が、一電子励起状態において、基底状態のオゾンと選択的に反応する色素であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像消色方法。
- 前記色素は、一電子励起状態の最高被占軌道(HOMO)が、基底状態であるオゾンの最高被占軌道(HOMO)又は最低空軌道(LUMO)と反応する色素分子を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像消色方法。
- 前記色素が、アントラキノン系色素を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像消色方法。
- 前記記録媒体が、紙、フィルム、布又はビニルシートであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像消色方法。
- 前記記録媒体が、無機顔料を含む表面を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像消色方法。
- 前記無機顔料が、アルミナ又はシリカであることを特徴とする請求項8に記載の画像消色方法。
- 1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を消去する装置であって、前記画像に光を照射する光照射手段及び前記画像にオゾン曝露するオゾン曝露手段を含むことを特徴とする消色装置。
- 前記光照射手段と前記オゾン曝露手段とが、前記画像に対して、光照射しながらオゾン曝露を行う構成であることを特徴とする請求項10に記載の消色装置。
- 前記光照射手段が、自然光、冷陰極管、レーザー、蛍光灯又は白熱電球を有する光源を含むことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の消色装置。
- 前記オゾン曝露手段が、沿面放電又はコロナ放電によりオゾンを発生するオゾン発生装置を含むことを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれかに記載の消色装置。
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JP2006154577A JP2007320228A (ja) | 2006-06-02 | 2006-06-02 | 画像消色方法及び消色装置 |
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Citations (1)
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JP2005274679A (ja) * | 2004-03-23 | 2005-10-06 | Seiko Epson Corp | 印刷物の脱色方法及び脱色装置 |
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