JP2007320228A - 画像消色方法及び消色装置 - Google Patents

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茂樹 小林
Akira Miyai
朗 宮井
Tadashi Asano
正 浅野
Tasuke Tsuchiya
太佑 土屋
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Abstract

【課題】1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を効率よく画像を消すことを可能とする画像消色方法及び消色装置を提供する。
【解決手段】記録媒体の表面に画像を有する印刷物の画像の色を消去する方法であって、前記画像が、一電子励起状態において、基底状態のオゾンと選択的に反応する色素を含み、前記画像に可視光を照射し、光照射によって前記色素の色素分子を励起状態にし、オゾン曝露するステップを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体の画像の画像消色方法及び消色装置に関する。
印刷又は塗布等により1又は複数の色素を含む画像を表面に形成した、紙、フィルム、布又はビニルシート等の記録媒体は、情報伝達等に利用されている。
文字や絵などの画像を印刷した紙や布などの印刷物を再利用するために、印刷物の表面の画像を消去することが望まれている。
印刷物の画像の消色方法としては、反応性ガスを用いる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−291638号公報(段落[0005])
しかし、上記のような従来の消色方法では、(1)画像が消えにくい、(2)画像を消すのに時間がかかる、(3)印字した色素に対する選択性がみられない、(4)高濃度の酸化性ガスを要する等の問題がある。
したがって、本発明の目的は、上記した課題を解決し、効率よく画像を消すことを可能とする画像消色方法及び消色装置を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、画像の色素とオゾンのそれぞれを量子力学に基づく分子軌道に注目し、それら分子の基底状態と一電子励起状態を計算化学的に予測した。ここでは、色素の最も反応性の高い分子軌道、例えば最高被占軌道(HOMO:Highest Occupied Molecular Orbital)ではなく、光励起下における反応性の高い一電子励起状態の電子軌道の位相が、基底状態のオゾンと反応しやすい位相を持つこと及び電子エネルギーを持つことを見出した。つまり、計算化学的に得られた標的色素の励起波長は可視光波長であることを見出し、この波長はオゾンを励起しないことから、色素を可視光励起下に置き、これをオゾンで分解するという新しい可視光励起消色方法を開発し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様は、上記目的を達成するため、1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を消去する方法であって、前記画像に光照射を行い、オゾン曝露するステップを有することを特徴とする画像消色方法を提供する。光照射とオゾン曝露との組み合わせにより、消色に相乗効果が得られる。光照射とオゾン曝露との組み合わせにより、画像が消えやすくなり、画像を消すのに要する時間が短くなるうえに、オゾン濃度が低くても消色可能となる。
なお、本発明において、「消色」には、記録媒体の表面の画像が目視にて認識できなくすることだけでなく、画像の色を初期よりも薄くすることをも含む。
前記光が、可視光を含むことが好ましい。色素の励起波長を含むため、オゾン暴露のみの消色のときよりも画像の色のみを効率よく消すことができる。とくに可視光は、オゾン分子を励起せず、色素分子を励起するため、色素分子を選択的に活性化させオゾンによる酸化分解をより効率的に進行させると考えられる。励起とは基底状態の分子の電子が反結合性分子軌道へ電子が遷移した状態であり、ここでは特に最も遷移確率の高い一電子励起状態を言い、幾つかの励起配置の混合した状態といえる。この状態をCI計算で分析した。その結果、色素の種類により、励起波長、すなわち吸収波長(nm)を予測することができ、この波長で励起し、これをオゾンで容易に酸化分解させるという本可視光励起消色方法の原理となる。
前記光照射が、前記色素の色素分子を励起状態にすることが好ましい。励起状態にすることによってオゾン曝露による消色効果を高めることができるので、より効率よく消色を行うことができる。
前記色素が、一電子励起状態において、基底状態のオゾンと選択的に反応する色素であることが好ましい。かかる色素では、光照射とオゾンとの相乗効果による消色効率がより高いからである。前記色素は、特に遷移確率の高い一電子励起状態であるHOMO−LUMO遷移に着目しており、励起された色素の最高被占軌道(HOMO)又は最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)が、基底状態のオゾンのHOMO又はLUMOと反応する色素分子を有するものとしてもよい。画像の色素とオゾンのそれぞれの基底状態と励起状態の各フロンティア軌道(HOMO、LUMO)の面から、光照射とオゾン曝露による消色に適した色素で、より効率よく消色を行うことができる。前記色素が、アントラキノン系色素を含むことが好ましい。
前記記録媒体が、紙、フィルム、布又はビニルシートであるものとしてもよい。また、前記記録媒体が、無機顔料を含む表面を有することが好ましい。色素が、無機顔料に吸着・染着することによる、基材への浸透防止現象により、よりよい消色性能が得られる。さらに、前記無機顔料が、アルミナ又はシリカであることがより好ましい。
本発明の第2の態様は、上記目的を達成するため、1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を消去する装置であって、前記画像に光を照射する光照射手段及び前記画像にオゾン曝露するオゾン曝露手段を含むことを特徴とする消色装置を提供する。光照射とオゾン曝露との組み合わせにより、消色に相乗効果が得られる。
前記光照射手段と前記オゾン曝露手段とが、前記画像に対して、光照射しながらオゾン曝露を行う構成であるものとしてもよい。光とオゾンを同時に作用させることで、光による触媒効果から相乗的に消色効果が高まる。
前記光照射手段が、自然光、冷陰極管、レーザー、蛍光灯又は白熱電球を有する光源を含むものとしてもよい。
前記オゾン曝露手段が、沿面放電又はコロナ放電によりオゾンを発生するオゾン発生装置を含むものとしてもよい。
本発明によれば、効率よく画像を消すことを可能とする。
[第1の実施の形態]
(消色装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る消色装置の構成図である。本発明の第1の実施の形態に係る消色装置1は、光源21、オゾン発生装置3、印刷物5を入れる透明なケース7及び各部を制御する制御部6を有して構成されている。
ケース7には、ガス導入用及び排気用のガスライン8a、8bが接続されている。ガス導入用のガスライン8aはオゾン発生装置3に接続され、オゾン発生装置3で発生させたオゾンはケース7内に導入される。ケース内では、導入されたオゾンによって、クローズドシステムでオゾン曝露する。制御部6でガスライン8a、8bに設けられた電磁弁9a、9bを制御することによりケース7内のオゾン濃度を一定に保つ。本実施形態では、ケース7はプラスチック製で、印刷物5をケース内に出し入れすることができる。
光源21は、本実施形態では、蛍光灯を用いる。光源21は、ケース7外側に設けられており、透明なケース7の内部まで光が到達する。光源21は、電圧印加部22を有し、電圧印加部22の制御を行う制御部6に接続されている。
本実施形態のオゾン発生装置3は、コンプレッサー及び酸素濃縮部、放電部を有し、酸素から放電によりオゾンを発生する装置である。発生したオゾンは、ガスライン8aを通じてケース7に導入される。
(記録媒体)
本実施形態の消色方法で用いる記録媒体は、多孔質体の無機顔料に水性バインダーを添加した水性塗工液を調整して原紙にコーティングして作成する。より詳細には、シリカを顔料とし、ポリビニルアルコール(PVA)(商品名 117K、会社名 (株)クラレ製)とエチレンビニルアセテート(EVA)(商品名 スミカフレックスS−401HQ、会社名 住友化学(株)製)をバインダーに用いる。シリカとバインダーとの質量比が90/10となるように混合し、固形分比が20質量%となるように水を加えて攪拌する。これをA4普通紙上に乾燥後の質量が30g/mとなるようにロールコータ法で塗工し、熱風乾燥炉で110℃10分間乾燥して無機顔料含有表面層を得て作成する。
(印刷物)
本実施形態で用いる画像は、インクを用いてインクジェット記録方法により上記した記録媒体に印刷して行った。インクジェット用インクは、上記のような種々の色材を水や有機溶媒に溶解、分散させて調製することができ、必要に応じて、結合材、pH調整剤、粘度調整剤、浸透材、表面張力調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防かび剤等を添加することができる。より詳細には、下記のインクを用いて、上記記録媒体にマイクロソフト製パワーポイントにて印字パターンを作成し、プリンタとしてキヤノン製PIXUS3100iを用い、印刷品質「きれい」(インク量多い)で印字を行って印刷物5として作成する。
本実施形態で用いるインクは、下記式(1)のアシッドブルー80からなる酸性染料0.2gをイオン交換水16.6gに溶解させ、グリセリン1.5gと、ジエチレングリコール1.5gと界面活性剤0.2gとを加えて混合し、30分攪拌して、Milliporeフィルターでろ過して調製する。
Figure 2007320228
(動作例)
次に、第1の実施の形態の画像消色方法の動作を説明する。消色には、上記第1の実施形態の消色装置を用いる。
オゾン発生装置3においてオゾンを発生させ、ケース7内を一定のオゾン濃度に保つ。また、制御部6において光源21の電源をONにする。電圧印加部22から光源21に交流電圧が印加され、光源21が点灯する。上記記録媒体に上記画像を印刷した印刷物5を、画像を表面側にして、ケース7内に置く。
印刷物5に光源21から光を照射させながらオゾン曝露を行う。本実施形態では、CT(Concentration Time)値はおよそ100となるように曝露を行う。すなわち、オゾン濃度20ppmでは曝露時間はおよそ5分間とする。
光照射及びオゾン曝露後、印刷物5を取り出す。
上記のように調整された印刷物5は、消色装置1で、画像に光照射させると同時にオゾン曝露を行うことにより、印刷物上の画像は消色される。
(作用)
本発明の第1の実施形態は、画像の色素分子を可視光照射により励起状態とし、励起状態の色素分子に基底状態のオゾンを反応させて消色するものである。
本実施形態で用いた色素であるアシッドブルー80の場合の消色の作用を説明する。アシッドブルー80の第一および第二励起波長は、測定の結果582〜626nmの可視光領域にある。励起状態の最高被占軌道(HOMO)のエネルギー準位は、基底状態のときのときより高く、不安定な状態となっている。また、励起によって、2つの電子のうち1つが最低空軌道(LUMO)に移っている。これにより、励起状態の最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位は、基底状態のときのときより低くなっている。
オゾンの励起波長は234nmである。オゾンは、817nmも励起波長であるが、遷移確率が極めて低いので、無視できる。
HOMOに入っている電子はエネルギーが高いので、励起したときに容易にエネルギーの高い空軌道に遷移することが可能である。また、LUMOは電子が入っていない軌道のうち一番エネルギーが低いので、電子を受け入れやすい。したがって、HOMOとLUMOは分子の反応性を考えるうえで非常に重要である。
実験による計算結果から、アシッドブルー80の励起状態の最高被占軌道(HOMO)は、オゾンの基底状態の最高被占軌道(HOMO)及び最低空軌道(LUMO)いずれとも反応性が高く、アシッドブルー80の励起状態の最低空軌道(LUMO)は、オゾンの基底状態の最高被占軌道(HOMO)と反応性が高いことが分かった。
したがって、光を照射することにより色素の分子を励起状態にしてオゾンと反応させることにより、効率よく消色させることができることが分かった。
また、上記計算結果では、オゾンが励起状態より、基底状態の方が励起状態のアシッドブルー80と反応性が高いことが分かった。
本実施形態の消色装置の光源である蛍光灯から照射される光には、色素の分子は励起させるがオゾン分子は励起させない可視光を多く含むので、本実施形態の消色装置は、光照射とオゾン曝露を行うことにより色素の分子が励起されてオゾンと反応し、効率よく消色させることができる。
アシッドブルー80は、アントラキノン骨格を有する色素で、一電子励起状態において、基底状態のオゾンと選択的に反応する。より詳細には、アシッドブルー80は、一電子励起状態の最高被占軌道(HOMO)が、基底状態であるオゾンの最高被占軌道(HOMO)又は最低空軌道(LUMO)と反応する色素分子を有する。このような色素を含む画像と可視光励起消色法の方法で処理することによって、光照射とオゾン曝露の相乗効果をより高め、消色効果を向上させることができる。
(第1の実施の形態の効果)
この第1の実施の形態によれば、1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を効率よく画像を消すことを可能とする。そのため、紙類の再利用に役立つ。
なお、本実施形態では、色素は、アシッドブルー80を例として示したが、例えば、アシッドグリーン25(励起波長524nm)、紫芋色素(励起波長540nm)、クチナシ黄色素(励起波長497nm)等であってもよい。
[第2の実施の形態]
(消色実験)
次の5種の条件で、各消色装置のケース内に、上記第1の実施の形態の印刷物を載置し、消色実験を行った。
<実施例1>
上記第1の実施の形態の消色装置で、5分間光照射及びオゾン曝露(オゾン濃度20ppm)を行った。
<実施例2>
上記第1の実施の形態の消色装置の光源を蛍光灯の代わりに白熱電球レフランプとした消色装置で、5分間光照射及びオゾン曝露(オゾン濃度20ppm)を行った。
<実施例3>
上記第1の実施の形態の消色装置の光源を蛍光灯の代わりに紫外線ランプとした消色装置で、5分間光照射及びオゾン曝露(オゾン濃度20ppm)を行った。
<比較例1>
上記第1の実施の形態の消色装置の光源を外し、ケースをアルミホイルで遮光した装置で、5分間オゾン曝露(オゾン濃度20ppm)を行った。
<比較例2>
上記第1の実施の形態の消色装置の光源を蛍光灯の代わりに白熱電球レフランプとし、オゾンを導入せず、光照射のみを行う装置で、5分間光照射を行った。
(評価)
評価は、印字パターンの100%印字部分についての分光反射率(400nm〜700nm)を色差計(商品名 NF333、会社名 日本電色工業(株)製)を用いて測定し、消色の程度を定量的に比較して行った。印字する記録媒体は、色が白色の紙である。測定項目は、(1)印字前の分光反射率、(2)印字後の分光反射率、(3)消色操作後の分光反射率である。
各実施例及び各比較例ともに、400nm〜700nmの波長領域において、印字後吸収率(%)=(印字前の分光反射率)−(印字後の分光反射率)、消色後吸収率(%)=(印字前の分光反射率)−(消色操作後の分光反射率)を算出した。そして、各波長について、Δ反射率(%)=(消色後吸収率)−(印字後吸収率)=(印字後の分光反射率)−(消色操作後の分光反射率)を算出した。
図2は、実施例及び比較例による各波長におけるΔ反射率を示す図である。Δ反射率が大きいほど消色効果が高い。オゾン曝露による消色効果は光照射することにより向上した。特に可視光領域の光を照射した実施例1及び実施例2は、光を当てなかった比較例1に比べ、消色効果が飛躍的に向上した。実施例1及び実施例2は、紫外光を照射した実施例3に比べて、消色効果が高かった。オゾン曝露しなかった比較例2では、消色効果はほとんど見られなかった。
したがって、上記実施例によれば、光照射とオゾン曝露の相乗効果により、1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を効率よく画像を消すことを可能とする。とくに、照射する光が可視光を含むと、相乗効果が高まり、より効率よく画像を消すことを可能とする。
[第3の実施の形態]
(消色装置の構成)
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る消色装置の構成図である。本発明の第3の実施の形態に係る消色装置1は、光源ユニット2、オゾン発生装置3、印刷物載置台4及び各部を制御する制御部6を有して構成されている。
(各部の構成:光源ユニット)
光源ユニット2は、オゾン発生装置3内に設けられ、それぞれ電圧印加部22a、22b、22cを有する光源21a、21b、21cからなる。各光源21は、可視光のランプである。ランプは、印刷物5に使用したインクの種類に応じて選択する。各電圧印加部22は、電圧印加制御を行う制御部6に接続されている。印刷物載置台4に置いた印刷物5に光が照射する位置に光源21があり、光に照射されている印刷物5にオゾンが接触する位置にオゾン発生装置3を有する。
(各部の構成:オゾン発生装置)
本実施形態のオゾン発生装置3は、放電電極31、対向電極32、制御部6、接地部34、制御部33を有し、コロナ放電によりオゾンを発生する装置である。放電電極31とこれに対向する対向電極32との間に交流電圧又は直流電圧を印加して放電させる。接地部34は対向電極32に接続されている。本実施形態におけるオゾン発生装置3は、開放系でオゾン曝露を行う。
(各部の構成:印刷物載置台)
本実施形態の印刷物載置台4は、印刷物5の表面の画像に、上記光源ユニット2の光源21の光が照射でき、上記オゾン発生装置3で発生したオゾンが当るように印刷物5を載置する台である。印刷物載置台4は、ロール41により回転する導電性のベルト42により、印刷物5がベルト42に載って移動するしくみとなっている。ベルト42は、接地されている。ロール41には、ロール41を回転させるための電源部43、電源のON、OFF及び回転速度を制御する制御部6に接続されている。本実施形態では、ロール41は4本用いているが、本数はこれに限られない。また、他の手段でベルト42を移動させてもよい。本実施形態では、導電性のベルト42が、対向電極32となっている。
(記録媒体)
本実施形態の消色方法で用いる記録媒体は、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスC、日産化学(株)製)とポリビニルアルコール(商品名「SMR−10HH」、信越化学工業(株)製)を質量比で90/10となるように混合し、固形分比が20質量%となるように水を加えて攪拌する。これをA4普通紙上に乾燥後の質量が30g/mとなるようにロールコータ法で塗工し、熱風乾燥炉で110℃10分間乾燥して無機顔料含有表面層を得て作成する。
(印刷物)
本実施形態で用いる画像は、下記式(2)のアシッドグリーン25からなる酸性染料0.2gをイオン交換水16.6gに溶解させ、グリセリン1.5gと、ジエチレングリコール1.5gと界面活性剤0.2gとを加えて混合し、30分攪拌して、Milliporeフィルターでろ過して調製したインクを用いてインクジェット記録方法により上記した記録媒体に、マイクロソフト製パワーポイントにて印字パターンを作成し、プリンタとしてキヤノン製PIXUS3100iを用いて、印刷品質「標準」(インク量普通)で印字を行って印刷物5として作成する。
Figure 2007320228
(動作例)
次に、第3の実施の形態の画像消色方法の動作を説明する。消色には、上記第3の実施形態の消色装置を用いる。
まず、オゾン発生装置3でコロナ放電によりオゾンを発生させる。また、制御部6において、光源ユニット2中の光源21a、21b、21cのうち選択した1又は複数の光源の電源をONにする。電圧印加部22から光源21に交流電圧が印加され、光源21が点灯する。
次に、上記記録媒体に上記画像を印刷した印刷物5を、画像を表面側にして、印刷物載置台4の導電性ベルト42上に置く。導電性のベルト42をロール41により回転させて、オゾン発生装置3と光源ユニット2の直下へ印刷物5を移動させる。
印刷物5を移動させながら、印刷物5の表面に、光源21から光を照射する。また、光照射と同時にオゾン曝露を行う。上記ロール41の回転により、画像に一定時間光照射及びオゾン曝露が行われる。
光照射及びオゾン曝露後、印刷物5を取り出す。
上記のように調整された印刷物5は、消色装置1で、画像に光照射させてオゾン曝露を行うことにより、印刷物上の画像は消色される。
(第3の実施の形態の効果)
この第3の実施の形態によれば、1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を効率よく画像を消すことを可能とする。そのため、紙類の再利用に役立つ。
なお、本実施形態では、光源として3つ使用する例を示したが、光源は3つに限らず、例えば、蛍光灯1つでもよい。同じ種類のランプを複数本並べても良いし、1種類のランプを1又は複数本用いてもよい。
また、本実施形態では、印刷物載置台のベルトは、接地されているが、正又は負の電圧を印加してもよい。ベルトは、必要に応じて非導電性ベルトでもよい。移動は、ロール搬送のほか、ドラム搬送等でもよい。本実施形態では、印刷物載置台は、ロールにより回転する導電性ベルトにより、印刷物が台に載って移動するしくみとなっていたが、光照射及びオゾン曝露ができる位置に印刷物を静置するものであってもよい。例えば、上記光源ユニットの光源の光が照射でき、上記オゾン発生装置で発生したオゾンが当る位置に印刷物を一定時間静置するものであってもよい。また、印刷物載置台の一部又は全部がオゾン発生装置の内部にあってもよい。
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。
例えば、上記実施の形態では、光源の例として、蛍光灯、白熱電球レフランプを挙げたが、自然光、冷陰極管、レーザー、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、ナトリウムランプ、水銀ランプ、発光ダイオード等であってもよい。また、印刷物の画像によって照射する光源を選択するものであってもよい。光源の光には、可視光以外の光が含まれてもよい。
上記実施の形態では、コロナ放電等によるオゾン発生装置を用いたが、沿面放電によるオゾン発生装置やプラズマ放電によるオゾン発生装置などの無声放電によるもの、水電解によるオゾン発生装置等、電解法によるもの、あるいは、紫外線法や化学生成法によるものであってもよい。
上記実施の形態では、記録媒体としてシリカを表面にコーティングした紙を用いたが、コーティング材は、コロイダルシリカや、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ、ゼオライト、クレイ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、ケイソウ土、酸性白土等の無機顔料であってもよい。無機顔料は、多孔質体であることが望ましいが、これに限られない。水性バインダーには、ポリビニルアルコールのほか、カゼイン、スチレンブタジエンラバー、デンプン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド等が挙げられ、これらを1又は複数種類組み合わせて用いることができる。塗工方法は、ロールコータ法のほか、ブレードコーター法等でもよい。乾燥手段は、熱風乾燥炉のほか、熱ドラム等でもよい。乾燥前に亜鉛等の硝酸塩等を含む水溶液で表面層を処理してもよい。水性塗工液に顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、離型剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料等を適宜配合してもよい。
コーティング紙以外に、無機顔料を表面に有する紙でもよい。無機顔料を含む層を基材上に具備している記録媒体が好適である。
再利用可能な紙であれば、印画紙や宅配便の伝票等であってもよい。酸性紙、中性紙、アルカリ性紙のいずれでもよく、原紙は、LBKP、NBKP等のパルプ及び、炭酸カルシウムやカオリン、タルク、二酸化チタン等の填料を主体とし、サイズ剤や抄紙助剤を必要に応じて添加し、常法により抄紙する。親水性バインダーや界面活性剤等をさらに添加してもよい。
紙以外に、フィルム、布、ビニルシート等の各種プラスチック製品、金属、ガラス等でもよい。また、シール、ラベル、コンパクトディスク等、複合物であってもよい。
上記実施の形態では、色素として、酸性染料であるアシッドブルー80、アシッドグリーン25を用いたが、下記式(3)を主成分とする紫芋色素、下記式(4)のインジゴカーミン、下記式(5)のベニバナ黄色素、下記式(6)を主成分とするクチナシ黄色素を含む色材でもよい。上記実施の形態では、色素として、アントラキノン系色素を挙げたが、他の色素であってもよい。色素は、天然色素、合成色素を問わない。
Figure 2007320228
Figure 2007320228
Figure 2007320228
Figure 2007320228
上記実施の形態では、インクを用いて記録媒体上へ印刷する方法として、インクジェットによるプリント方式を用いたが、その他のプリント方式でも、またペン等の文具を用いてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る消色装置の構成図である。 実施例及び比較例による各波長におけるΔ反射率を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る消色装置の構成図である。
符号の説明
1 消色装置
2 光源ユニット
21 光源
22 電圧印加部(光源)
3 オゾン発生装置
31 放電電極
32 対向電極
33 電圧印加部(オゾン発生装置)
34 接地部
4 印刷物載置台
41 ロール
42 ベルト
43 電源部
5 印刷物
6 制御部
7 ケース
8 ガスライン
9 電磁弁

Claims (13)

  1. 1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を消去する方法であって、前記画像に光照射を行い、オゾン曝露するステップを有することを特徴とする画像消色方法。
  2. 前記光が、可視光を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像消色方法。
  3. 前記光照射が、前記色素の色素分子を励起状態にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像消色方法。
  4. 前記色素が、一電子励起状態において、基底状態のオゾンと選択的に反応する色素であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像消色方法。
  5. 前記色素は、一電子励起状態の最高被占軌道(HOMO)が、基底状態であるオゾンの最高被占軌道(HOMO)又は最低空軌道(LUMO)と反応する色素分子を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像消色方法。
  6. 前記色素が、アントラキノン系色素を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像消色方法。
  7. 前記記録媒体が、紙、フィルム、布又はビニルシートであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像消色方法。
  8. 前記記録媒体が、無機顔料を含む表面を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像消色方法。
  9. 前記無機顔料が、アルミナ又はシリカであることを特徴とする請求項8に記載の画像消色方法。
  10. 1又は複数の色素を含む画像を表面に有する記録媒体から前記画像の色を消去する装置であって、前記画像に光を照射する光照射手段及び前記画像にオゾン曝露するオゾン曝露手段を含むことを特徴とする消色装置。
  11. 前記光照射手段と前記オゾン曝露手段とが、前記画像に対して、光照射しながらオゾン曝露を行う構成であることを特徴とする請求項10に記載の消色装置。
  12. 前記光照射手段が、自然光、冷陰極管、レーザー、蛍光灯又は白熱電球を有する光源を含むことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の消色装置。
  13. 前記オゾン曝露手段が、沿面放電又はコロナ放電によりオゾンを発生するオゾン発生装置を含むことを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれかに記載の消色装置。
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