JP2007320187A - インクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 支柱製造の際の加工性および作業性を向上することができるインクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】 本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、積層体形成工程と、溝形成工程などを具備する。積層体形成工程では、平板状の第1のセラミックス層22に、第1のセラミックス層22よりも被削性の良い平板状の第2のセラミックス層23を接着して積層基板12を構成する。この積層基板12に圧電部材36,37を接着することにより積層体34を形成する。溝形成工程では、圧電部材36,37の表層33Aから積層基板12の第2のセラミックス層23に達する深さの溝35を研削加工することにより、圧電部材36,37を分断してインク滴吐出用の支柱24を複数個形成する。
【選択図】図5
【解決手段】 本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、積層体形成工程と、溝形成工程などを具備する。積層体形成工程では、平板状の第1のセラミックス層22に、第1のセラミックス層22よりも被削性の良い平板状の第2のセラミックス層23を接着して積層基板12を構成する。この積層基板12に圧電部材36,37を接着することにより積層体34を形成する。溝形成工程では、圧電部材36,37の表層33Aから積層基板12の第2のセラミックス層23に達する深さの溝35を研削加工することにより、圧電部材36,37を分断してインク滴吐出用の支柱24を複数個形成する。
【選択図】図5
Description
本発明は、オンデマンド型のインクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッドに関する。
例えば、インクジェットヘッドの製造方法として、平板状の圧電部材を切断して、インクの吐出駆動用の支柱を作成する方法がある。この製造方法では、板状の圧電部材と、板状の基板とを接着剤を介して張り合わせた後、カッタを用いてこの圧電部材を所定間隔で切断して複数の支柱を作成する。このように、材質の異なる圧電部材と基板とを例えば高温接着で張り合わせる場合には、通常、圧電部材と基板との間の線膨張係数差による歪みが発生する。この歪みにより、圧電素子と基板とに反りが生ずるとともに、両者の間に内部応力が残存することになる。
この従来例では、圧電部材の表面から接着剤に至る溝や、圧電部材の表面から基板の表層に至る溝を形成して、各圧電部材同士を分割するようにする。この圧電部材の分割により、前記圧電素子と前記基板との反りを解消するとともに、これらの間の内部応力を除去するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−100421号公報
しかし、基板の表層に至る溝を形成するようにすると、加工性の悪い材質で基板が構成されている場合には、溝加工が困難になるのみならず、溝加工に用いる研削工具に早期に摩耗を生ずる問題がある。一方、接着剤の層まで溝を止めるには、溝の深さに対する高い加工精度が求められる。このため、前記のように圧電素子と基板とが反っている場合には、高精度の加工に時間と費用がかかり、作業効率もよくない問題がある。
本発明の目的は、支柱製造時の加工性および作業性を向上することができるインクジェットヘッドの製造方法およびインクジェットヘッドを得ることにある。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、第1のセラミックス層と、この第1のセラミックス層よりも被削性の良い第2のセラミックス層とを接合して積層基板を構成するとともに、この積層基板の前記第2のセラミックス層が設けられた面に圧電部材を接着して積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体に対して、前記圧電部材の表層から前記積層基板の前記第2のセラミックス層に達する深さの溝を研削加工することにより、前記圧電部材を分断してインク滴吐出用の支柱を複数個形成する溝形成工程と、前記支柱の表面に電極を形成する電極形成工程と、前記溝が形成された積層体に天板を接合する天板接合工程と、前記溝が開口した面にノズルプレートを接合するノズルプレート接合工程と、を具備する。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、第1のセラミックス層と、この第1のセラミックス層よりも被削性の良い第2のセラミックス層とを接合して積層基板を構成するとともに、この積層基板の前記第2のセラミックス層が設けられた面に、互いに分極方向が対向するように2枚の圧電部材を積層状態で接着して、積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体に対して、前記圧電部材の表層から前記積層基板の前記第2のセラミックス層に達する深さの溝を研削加工することにより形成するとともにこれらの溝の両側に支柱を複数個形成する溝形成工程と、前記支柱の表面に電極を形成する電極形成工程と、前記溝が形成された積層体に天板を接合する天板接合工程と、前記溝が開口した面にノズルプレートを接合するノズルプレート接合工程と、を具備する。
本発明のインクジェットヘッドは、第1のセラミックス層と、この第1のセラミックス層よりも被削性の良い第2のセラミックス層とを有する積層基板と、前記積層基板の第2のセラミックス層に接着された圧電部材と、前記圧電部材の表層から前記積層基板の前記第2のセラミックス層に達するように研削加工で形成されるとともに、前記圧電部材をインク滴吐出用の複数の支柱として分断する溝と、を具備する。
本発明のインクジェットヘッドは、第1のセラミックス層と、この第1のセラミックス層よりも被削性の良い第2のセラミックス層とを有する積層基板と、前記積層基板の第2のセラミックス層に接着され、互いに分極方向が対向するように積層された2枚の圧電部材と、前記圧電部材の表層から前記積層基板の前記第2のセラミックス層に達するように研削加工で形成されるとともに、前記圧電部材をインク滴吐出用の複数の支柱として分断する溝と、を具備する。
本発明によれば、積層基板の一部を被削性の良い平板状の第2のセラミックス層で構成し、この第2のセラミックス層の途中まで至る溝を研削して圧電部材を分断することで、支柱が形成される。これにより、積層基板と圧電部材と間に残存する内部応力を除去することができる。また、被削性の劣る第1のセラミックス層を研削するのを避けて、被削性の良い第2のセラミックス層のみを研削するようにできるため、研削工具が早期に摩耗してしまうことを回避できる。さらに、被削性の良い第2のセラミックス層に対して溝を研削すれば、溝加工が容易となり、作業効率の向上を図ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
図1と図2に示すように、インクジェットヘッド11は、いわゆるシェアモードタイプのもので構成される。このインクジェットヘッド11は、積層基板である基板12と、基板12の1つの面に接着された「コ」字状の側壁13と、側壁13に接着された天板14と、基板12と側壁13と天板14とにまたがるように接着されたノズルプレート15と、を備えている。
図1と図2に示すように、インクジェットヘッド11は、いわゆるシェアモードタイプのもので構成される。このインクジェットヘッド11は、積層基板である基板12と、基板12の1つの面に接着された「コ」字状の側壁13と、側壁13に接着された天板14と、基板12と側壁13と天板14とにまたがるように接着されたノズルプレート15と、を備えている。
インクジェットヘッド11は、基板12、側壁13、天板14、およびノズルプレート15で囲まれる領域に、複数の支柱24と、これら複数の支柱24で仕切られた複数の圧力室17とを有している。天板14は、平板形状を有している。天板14に、インクの供給口18が設けられている。
ノズルプレート15は、例えば、10μmから100μmの厚さを有している。ノズルプレート15は、例えば一列に並んだ複数個のノズル21を有している。各ノズル21は、各圧力室17に対応しており、基板12と平行な方向に開口している。
基板12は、第1のセラミックス層22と、第2のセラミックス層23とを積層して構成されている。第1のセラミックス層22は、例えば、安価で熱伝導性に優れたセラミックスであるアルミナを主成分に構成されている。第2のセラミックス層23は、快削性セラミックスで構成されている。この快削性セラミックスの一例としては、窒化アルミを主成分とするものがある。窒化アルミは、被削性が良好なセラミックスであり、高い熱伝導性を有している。本実施形態では、窒化アルミを主成分とするものを第2のセラミックス層23に用いている。第2のセラミックス層23は、例えば、10μmから100μmの厚さで形成される。
なお、第2のセラミックス層23は、窒化アルミを主成分にするものに限定されるものではなく、例えばフッ素金雲母を主成分とするものなどであってもよい。すなわち、被削性が良好な快削性セラミックスであって、適度な熱伝導性を有していれば、どのようなセラミックスであってもよい。
熱伝導率について、より具体的には、アルミナの熱伝導率は、24〜39(W/m・K)となっている。また、窒化アルミの熱伝導率は、90(W/m・K)となっている。さらに、フッ素金雲母の熱伝導率は、1.6(W/m・K)となっている。したがって、フッ素金雲母を用いる場合には、熱伝導性がアルミナよりも劣るため、インクジェットヘッド11の熱伝導性が低下するのを防止する観点から、第2のセラミックス層23を第1のセラミックス層22よりも薄く形成する。
図3に示すように、支柱24に隣接して、電極25が設けられている。支柱24は、研削形成された溝である圧力室17により、完全に分断されている。電極25は、例えば、ニッケルにより形成されている。この電極25は、支柱24の表面に対して、例えば無電解ニッケルメッキ法を施して形成される。本実施形態では、無電解ニッケルメッキ法を用いて電極25を形成しているが、これに限られるものではない。電極25は、例えば金や銅によっても形成することができる。
支柱24は、第1の圧電素子31と、第1の圧電素子31と分極方向を対向するようにして第1の圧電素子31に接着された第2の圧電素子32と、を含んでいる。第1の圧電素子31と、第2の圧電素子32とは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系の圧電セラミックス材料でそれぞれ形成されている。
インクジェットヘッド11には、支柱24を駆動するドライバIC、インクジェットプリンタに設けられた制御部に連なるケーブルや、電源に連なる電力ケーブルが接続されている。
上記インクジェットヘッド11を有するインクジェットプリンタを用いて印刷を行うには、予め、インクジェットヘッド11の圧力室17にインクを供給しておく必要がある。インクの供給は、供給口18を介して行う。この状態で、ユーザがインクジェットプリンタに対して印刷を指示すると、制御部は、インクジェットヘッド11に対してケーブルおよび電源ケーブルを介して印字信号をドライバICに出力する。印刷信号を受けたドライバICは、駆動パルス電圧を支柱24に印加する。
これにより、左右一対の支柱24は、第1の圧電素子31と第2の圧電素子32とのシェアモード変形により湾曲するように離反する。そして、これらを初期位置に復帰させて圧力室17のインクを加圧することで、ノズル21からインク滴が勢い良く吐出される。
図4と図5を参照して、実施形態に係るインクジェットヘッド11の製造方法について説明する。本実施形態のインクジェットヘッド11の製造方法は、積層体形成工程、溝形成工程、電極形成工程、天板接合工程、ノズルプレート接合工程を有している。
図4に示すように、積層体形成工程では、まず、第1のセラミックス層22と、第2のセラミックス層23とを接着によって積層し、積層基板である基板12を形成する。さらに、この基板12の第2のセラミックス層23が設けられた面に対して、互いに分極方向が対向するように積層された2枚の圧電部材36、37を接着する。基板12と圧電部材36、37の接着は、例えば熱硬化性の接着剤を利用して行う。この接着により、圧電部材36、37と基板12とが一体になった積層体34を形成する。
図5に示すように、溝形成工程では、積層体34に対して、圧電部材36、37の表層33Aを起点とする溝35を研削することにより、支柱24を形成する。溝35は、例えば、ICウェハーの切断等に用いられているダイシングソーのダイヤモンドホイールを用いた研削加工によって形成される。この溝35は、圧電部材36、37を貫いて、基板12の第2のセラミックス層23の途中まで至るように形成される。この溝35により、圧電部材36、37が完全に分断され、複数の支柱24が形成される。圧電部材36、37が完全に分断されることにより、圧電部材36、37と基板12との接着部分に残存する内部応力が除去される。電極形成工程では、このように形成された基板12および支柱24に、電極25を形成する。天板接合工程では、さらに、溝35が形成された積層体34に対して、側壁13や天板14を接合する。ノズルプレート接合工程では、ノズルプレート15を接着し、インクジェットヘッド11が完成する。
以上が、本発明の第1の実施形態である。第1の実施形態によれば、圧電部材36、37が溝35によって完全に分断されるため、基板12と圧電部材36、37との接着部分に残存する内部応力を除去することができる。これにより、内部応力に起因する支柱24の変位特性への悪影響を排除することができる。基板12の一部を被削性の良い第2のセラミックス層23で構成しているため、溝35を研削形成する際に加工性がよくなるのみならず、研削工具を早期に摩耗してしまうことを防止できる。また、研削加工も短時間で終了するため、作業効率も向上する。
第2のセラミックス層23は、快削性セラミックスで構成されている。このため、溝加工がさらに容易になって、加工時間を短縮することができる。また、研削工具を早期に摩耗してしまうことを防止することができる。この快削性セラミックスとしては、窒化アルミを主成分とするものを用いることが好ましい。
本実施形態の快削性セラミックス(窒化アルミ)は、高熱伝導性を有している。このため、支柱24から発生した熱がインクに影響を及ぼすことを軽減できる。具体的には、基板12において温度のムラが少なくなり、インクの吐出量、吐出速度、および着弾精度への影響を少なくすることができる。これにより、印刷結果に濃度ムラが発生するのを防止して、印刷品質の向上を図ることができる。
また、第2のセラミックス層23を同じく快削性セラミックスであるフッ素金雲母を主成分とするものを用いる場合には、第2のセラミックス層23を、第1のセラミックス層22よりも薄く形成する。この構成によれば、熱伝導性に劣るフッ素金雲母を用いた場合でも、この熱伝導性が吐出性能に影響することを極力少なくできる。したがって、特に加工性および製造コストを重視する場合には、フッ素金雲母を主成分とするものを用いることも有効である。
図6と図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態のインクジェットヘッド41は、圧電素子を用いた支柱を利用する点では共通するが、第1の実施形態のインクジェットヘッド11とは基本構造が異なっている。このため、第2の実施形態では、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通の部分には、共通の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態のインクジェットヘッド41は、いわゆるダイレクトモードタイプのものである。このインクジェットヘッド41は、開口42Aを有するヘッドプレート42と、この開口42Aを覆うようにヘッドプレート42に接着されたノズルプレート43と、ヘッドプレート42に固定された側壁13と、側壁13に固着された振動板44と、振動板44に接して設けられた複数の隔壁51と、支柱45が固定されるとともに振動板44が接着される積層基板である基板46と、を具備している。支柱45に、図示しない電極が形成されている。
インクジェットヘッド41は、ヘッドプレート42、ノズルプレート43、側壁13、および振動板44で囲まれる領域に、複数の隔壁51で仕切られた圧力室47と、各圧力室47に連なる共通液室48と、を有している。ノズルプレート43は、複数のノズル21を有している。各ノズル21は、各圧力室47に対応しており、ヘッドプレート42と直交する方向に開口している。複数の支柱45は、各圧力室47にそれぞれ対応している。
基板46は、アルミナを主成分とする第1のセラミックス層22と、快削性セラミックスである例えば窒化アルミを主成分とする第2のセラミックス層23と、を備えている。第2のセラミックス層23は、フッ素金雲母を主成分とするもので構成してもよい。
第2の実施形態のインクジェットヘッド41を用いて印刷を行う際には、支柱45に対して駆動パルス電圧を印加する。この電圧の印加により、支柱45が変形し、圧力室47の容積が減少する。これにより、圧力室47内のインクが高圧になって、ノズル21からインク滴が勢い良く吐出される。
続いて、図8と図9を参照して、第2の実施形態に係るインクジェットヘッド41の製造方法について説明する。第2の実施形態に係るインクジェットヘッド41の製造方法は、積層体形成工程と、溝形成工程、電極形成工程、天板接合接合工程、ノズルプレート接合工程を含んでいる。
図8に示すように、積層体形成工程では、第1のセラミックス層22に対して、第2のセラミックス層23を積層して基板46を形成する。また、この基板46の第2のセラミックス層23に対して、板状の圧電部材49を例えば熱硬化性の接着剤を介した接着によって積層し、積層体52を形成する。第2の実施形態の圧電部材49は、分極方向が異なる2枚を接着するのではなく、単一の圧電部材を用いている。なお、圧電部材49は、積層圧電部材を用いてもよい。
溝形成工程では、研削工具である例えばダイヤモンドホイールを用いて溝35を研削加工する。溝35は、圧電部材49の表面49Aを起点とし圧電部材49を貫くとともに基板46の第2のセラミックス層23の途中まで至るように形成される。この溝35により、圧電部材49が支柱45として完全に分断され、接着時に発生する内部応力が除去される。
電極形成工程では、このように溝35が形成された積層体52に、電極を形成する。天板接合接合工程では、溝35が形成された積層体52に振動板44、隔壁51、天板14を接合する。ノズルプレート接合工程では、これらにさらにノズルプレート43を接合し、インクジェットヘッド41を完成させる。
第2の実施形態によれば、溝35によって圧電部材49が完全に支柱45として分断されるため、基板46と圧電部材49との接着時に生ずる内部応力を除去できる。また、被削性の優れる第2のセラミックス層23を設けたため、溝加工が容易になり、研削工具の早期摩耗も防止できる。以上により、インクジェットヘッド41の製造にかかるコストを削減することができる。
図10と図11を参照して、第3の実施形態に係るインクジェットヘッド61について説明する。第3の実施形態のインクジェットヘッド61は、圧電素子を用いた支柱を利用する点では共通するが、第1の実施形態や第2の実施形態のインクジェットヘッド11、41とは基本構造が異なっている。このため、第3の実施形態では、主としてこれらと異なる部分について説明し、これらと共通の部分には、共通の符号を付して説明を省略する。
第3の実施形態のインクジェットヘッド61は、いわゆるシェアモードタイプのものであって、サイドシュータ型のインクジェットヘッドである。このインクジェットヘッド61は、積層基板である基板62と、基板62に接着された側壁13と、側壁13に固定されたノズルプレート63と、を備えている。ノズルプレート63は、基板62と直交する方向に開口する複数のノズル21を有している。
インクジェットヘッド61は、基板62、側壁13、およびノズルプレート63で囲まれる領域に、複数の支柱24で仕切られた圧力室64を有している。基板62は、インクの供給口65を有している。支柱24の表面に例えば無電解ニッケルメッキ法でメッキ加工された電極25が設けられている。
基板62は、アルミナを主成分とする第1のセラミックス層22と、第1のセラミックス層22に接着される第2のセラミックス層23と、を備えている。第2のセラミックス層23は、例えば窒化アルミを主成分としているが、フッ素金雲母であってもよい。
第3の実施形態のインクジェットヘッド61を用いて印刷を行う場合には、圧力室64に予めインクを供給した状態で、支柱24に駆動パルス電圧を印加する。これにより、左右一対の支柱24は、第1の圧電素子31と第2の圧電素子32とのシェアモード変形により湾曲するように離反する。そして、これらを初期位置に復帰させて圧力室64のインクを加圧することで、ノズル21からインク滴が勢い良く吐出される。
第3の実施形態のインクジェットヘッド61は、第1の実施形態で説明した製造方法によって製造することができる。
第3の実施形態のインクジェットヘッド61によれば、溝35を第2のセラミックス層23まで加工することにより、圧電部材が支柱24として完全に分断される。これにより、圧電部材と基板62との間に残存する応力を完全に除去でき、溝35の加工も容易にできる。よってインクジェットヘッド61の製造にかかるコストを低減させることができる。
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではない。このほか、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
11、41、61…インクジェットヘッド、12、46、62…基板、22…第1のセラミックス層、23…第2のセラミックス層、24、45…支柱、33A、49A…表層、34、52…積層体、35…溝、36、37、49…圧電部材
Claims (9)
- 第1のセラミックス層と、この第1のセラミックス層よりも被削性の良い第2のセラミックス層とを接合して積層基板を構成するとともに、この積層基板の前記第2のセラミックス層が設けられた面に圧電部材を接着して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体に対して、前記圧電部材の表層から前記積層基板の前記第2のセラミックス層に達する深さの溝を研削加工することにより形成するとともにこれらの溝の両側に支柱を複数個形成する溝形成工程と、
前記支柱の表面に電極を形成する電極形成工程と、
前記溝が形成された積層体に天板を接合する天板接合工程と、
前記溝が開口した面にノズルプレートを接合するノズルプレート接合工程と、
を具備することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 第1のセラミックス層と、この第1のセラミックス層よりも被削性の良い第2のセラミックス層とを接合して積層基板を構成するとともに、この積層基板の前記第2のセラミックス層が設けられた面に、互いに分極方向が対向するように2枚の圧電部材を積層状態で接着して、積層体を形成する積層体形成工程と、
前記積層体に対して、前記圧電部材の表層から前記積層基板の前記第2のセラミックス層に達する深さの溝を研削加工することにより形成するとともにこれらの溝の両側に支柱を複数個形成する溝形成工程と、
前記支柱の表面に電極を形成する電極形成工程と、
前記溝が形成された積層体に天板を接合する天板接合工程と、
前記溝が開口した面にノズルプレートを接合するノズルプレート接合工程と、
を具備することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 第1のセラミックス層と、この第1のセラミックス層よりも被削性の良い第2のセラミックス層とを有する積層基板と、
前記積層基板の第2のセラミックス層に接着された圧電部材と、
前記圧電部材の表層から前記積層基板の前記第2のセラミックス層に達するように研削加工で形成されるとともに、前記圧電部材をインク滴吐出用の複数の支柱として分断する溝と、
を具備することを特徴とするインクジェットヘッド。 - 第1のセラミックス層と、この第1のセラミックス層よりも被削性の良い第2のセラミックス層とを有する積層基板と、
前記積層基板の第2のセラミックス層に接着され、互いに分極方向が対向するように積層された2枚の圧電部材と、
前記圧電部材の表層から前記積層基板の前記第2のセラミックス層に達するように研削加工で形成されるとともに、前記圧電部材をインク滴吐出用の複数の支柱として分断する溝と、
を具備することを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記第2のセラミックス層は、快削性セラミックスで構成されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のインクジェットヘッド。
- 前記快削性セラミックスは、高熱伝導性を有することを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
- 前記快削性セラミックスは、窒化アルミを主成分とすることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
- 前記快削性セラミックスは、フッ素金雲母を主成分とすることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
- 前記第2のセラミックス層は、前記第1のセラミックス層よりも薄く形成されることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッド。
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