JP2007319229A - パチンコ機 - Google Patents

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Abstract

【課題】前枠の背面にメインセットが取り付けられるパチンコ機において、連通路の形成部位におけるメインセットの前枠への固定強度を確保して、不正行為を有効に防止し得る、新規な構造のパチンコ機を提供すること。
【解決手段】メインセット62を前枠16に押し付ける押付手段118,120,122を、該メインセット62を該前枠16に取り付ける取付手段86,88、94,96よりも連通路58に近い位置に設けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、遊技盤が取り付けられた前枠の裏面に対して、払出通路を有するメインセットが取り付けられたパチンコ機に関するものである。
従来から、パチンコ機は、一般的に、遊技盤が取り付けられた前枠が外枠に対してヒンジ等の軸着手段によって開閉可能に連結されると共に、かかる前枠の裏面に対して、賞球としての遊技球を案内する払出通路等が形成されたメインセットが取り付けられた構造とされている。そして、前枠における遊技盤の下方には、表裏方向に貫通する連通路が形成されており、連通路の表側の開口部が前枠の表面に設けられた打球供給皿に開口せしめられる一方、連通路の裏側の開口部がメインセットに設けられた払出通路の出口と接続されることによって、払出通路を案内された遊技球が、連通路を通じて打球供給皿内に案内されるようになっている。
ところで、メインセットは、ボルトやヒンジなどの簡易な取付手段で前枠に固定されていることが多く、前枠とメインセットとの間に隙間が生じ易いことから、かかる隙間からピアノ線等を挿し込んでパチンコ機の内部を這わせて、遊技盤に設けられた入賞装置を入賞し易い状態に変換させるという不正行為が行われることがある。特に、連通路と払出通路との接続部位は、入賞装置にも近いことから、ピアノ線等が挿し込まれ易い部位となっている。
このような問題に対処するために、例えば特許文献1に開示されているように、前枠に形成された連通路の周囲に凹溝を形成する一方、メインセットに形成された払出通路の出口の周囲に突片を形成してかかる凹溝に入り込ませることによって、ピアノ線等の侵入を困難にすることが考えられる。
ところが、メインセットは、上下端部で前枠に取り付けられていることが多い。従って、払出通路の出口が形成されるメインセットの高さ方向略中間部分は、前枠への取付位置から離れていることから、前枠への固定強度が弱く、撓み易くなっている。それ故、連通路と払出通路との接続部位における前枠とメインセットとの間に冶具等を挿し込んで容易にこじ開けることが出来、こじ開けて形成した隙間から前記同様にピアノ線等が挿し込まれるおそれがあることから、特許文献1に記載の如き構造では、未だ不十分であった。
実開平6−75573号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、連通路の形成部位におけるメインセットの前枠への固定強度を有効に確保し得る、新規な構造のパチンコ機を提供することにある。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明は、払出通路を備えたメインセットを遊技盤が取り付けられる前枠の裏面に取り付けると共に、前枠を貫通して、前枠の前面に設けられた打球供給皿と払出通路とを連通せしめる連通路が形成されたパチンコ機において、メインセットを前枠に押し付ける押付手段を、メインセットを前枠に取り付ける取付手段よりも連通路に近い位置に設けたことを、特徴とする。
このようにすれば、押付手段によってメインセットを前枠に押し付けることから、メインセットの前枠への固定強度を有効に確保することが出来る。そして、特に本発明によれば、メインセットが撓み易い部位である連通路に近い位置に押付手段を配設したことによって、メインセットの撓みを有効に抑えることが出来る。これにより、連通路の形成部位における前枠とメインセットとの間に隙間を生じ難くして、前枠とメインセットの間に冶具を挿し込んでこじ開けられるような不正行為を有効に防止することが出来る。
なお、本発明において、メインセットを前枠に取り付ける取付手段の具体的な構造は特に限定されるものではなく、従来公知の構造が適宜に採用可能である。例えば、ネジやボルトなどで固定したりしても良いし、ラッチ機構を採用する等して特に工具を用いずに着脱可能にする等しても良い。また、メインセットは必ずしもその全体が前枠から取り外される必要は無く、例えば、ヒンジ機構などを用いて前枠に対して蝶着せしめて、メインセットの何れか一方の側を前枠に対して着脱可能にする等しても良い。
また、押付手段の具体的な態様についても、前記取付部材と同様に、従来公知の構造が適宜に採用可能である。例えば、ネジやボルト、ラッチ機構等が好適に採用され得る。
なお、押付手段は、取付手段の配設位置よりも連通路に近い位置に配設されていれば特に限定されるものではないが、より好適には、連通路の周辺部で、連通路よりも外側位置に配設されることが望ましい。このようにすれば、前枠とメインセットの間に亘る取付手段自体をピアノ線や冶具等を挿し込む際の障害物として用いることが出来て、不正行為をより有効に阻止することが出来る。
また、本発明においては、メインセットにおいて押付手段を覆蓋する覆部を設けた態様が、好適に採用され得る。
このようにすれば、外部から冶具などが不正に挿し入れられた場合にも、それらの冶具が取付手段に接触することを覆部で阻止することによって、取付手段が外部から操作されて、固定状態が解除されるようなおそれを低減することが出来る。なお、本態様における覆部は、メインセットに対して着脱可能に設けても良いし、固定的に設けても良い。また、覆部は必ずしも取付手段の全体を覆う必要はない。従って、例えば、取付手段の上下左右および背面の全体を囲むようなカバー部材をメインセットと別体形成して取付手段の背面から被せるように取り付ける等しても良いし、或いは、冶具等の不正な挿し込みはパチンコ機の側面から行われることが多いことから、取付手段の背面を覆うことなく、取付手段の側面のみを覆う壁部をメインセットに一体的に形成する等しても良い。このような壁部として覆部を形成すれば、側面からの冶具等の不正な接触を有効に防止しつつ、例えばホールの従業員等がパチンコ機の背面から取付手段を操作する際には、覆部を取り外すことなく操作することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下方向および左右方向とは、原則として、遊技者から見た上下方向および左右方向をいうものとし、表面、裏面および前面、後面についても、原則として、遊技者側を表面および前面というものとする。
先ず、図1に、本発明の一実施形態としてのパチンコ機10を示す。パチンコ機10は、縦長な方形状に枠組み形成された外枠12に対して、遊技盤14を保持すると共に、パチンコ機10の主要な構成の略全てが集約して設けられる前枠としての基枠16が、外枠12の幅方向一方(本実施形態においては、左側)の端部を中心に回動可能に取り付けられている。そして、基枠16の前面には、前扉18が、基枠16の幅方向一方(本実施形態においては、左側)の端部を中心に回動可能に設けられている。
図2に、前扉18の裏面を示し、図3に、前扉18を取り外した状態のパチンコ機10を示す。図2にも示すように、前扉18は、基枠16と略等しい幅寸法をもった略枠体形状とされており、透視板としてのガラス板20が取り付けられた窓としてのガラス窓22が形成されている。また、前扉18の左側の上下端部には、ヒンジ24a,24bが設けられており、かかるヒンジ24a,24bが基枠16の左側端部に設けられた前扉用ヒンジ26a,26bにそれぞれ連結されることによって、前扉18は、基枠16に対して左側端部を中心に回動可能に取り付けられている。そして、前扉18を閉じた状態で、ガラス窓22を通して、基枠16に取り付けられた遊技盤14の遊技領域28が外部から視認可能とされている。なお、遊技領域28には、液晶表示器やCRTなどの表示画面や、入賞装置、多数の遊技釘等が設けられているが、それらの図示は省略する。
また、前扉18の前面におけるガラス窓22の下方には、打球供給皿としての上皿30が設けられている。上皿30は、前扉18の表裏方向に貫通する連通孔32によって、前扉18の裏側と連通せしめられている。連通孔32は、略矩形の開口形状をもってガラス窓22の左側下方に形成されており、上皿30の左側端部に開口せしめられている。そして、連通孔32の裏側には、筒状に突出せしめられた筒状部33が形成されている。なお、筒状部33は、後方に行くに連れてやや上方に傾斜せしめられている。また、筒状部33には、例えば鉄やアルミニウムなどの高剛性材から形成されて筒状部33の上面と左右側面を覆うコの字状の保護板35が被せられており、ドリル等の工具で不正に穴が開けられたりすることのないようにされている。更に、前扉18の回動中心軸と反対側の端部(本実施形態においては、右側)には、切欠34が形成されており、かかる切欠34から、基枠16に装着された枠鍵36が外部に露出せしめられている。かかる枠鍵36は、前扉18を基枠16に対して密着した状態に保持するのみならず、基枠16を外枠12に対して密着した状態に保持するようになっている。
一方、基枠16は、遊技盤14の遊技領域28に略対応する形状を有する貫通窓38が貫設された略枠体形状とされており、左側の上下端部に設けられた軸着手段としてのヒンジ40a,40bを介して外枠12に対して開閉可能に取り付けられている。そして、図4に示すように、基枠16の裏面から遊技盤14が重ね合わされて、遊技盤14の下端部が貫通窓38の下端面42で支持されると共に、基枠16の裏面における貫通窓38の周囲(本実施形態においては、基枠16の裏面における略四隅部)に複数(本実施形態では、4つ)設けられたスライドレバー44が遊技盤14の側にスライドされることによって、遊技盤14が基枠16とスライドレバー44の間で狭持されて、遊技盤14が基枠16に取り付けられるようになっている。これにより、貫通窓38によって遊技領域28の周縁部が形成されると共に、貫通窓38を通して遊技領域28が視認可能とされている。なお、図4においては、理解を容易とするために、遊技盤14の裏側に取り付けられる液晶表示器113や演出制御基板114などを省略して示す。
そして、基枠16の表面における下側中央部分には、下皿46が前方に突出して設けられている。なお、詳細な図示は省略するが、下皿46は基枠16の裏側において上皿30と連通せしめられており、上皿30内から溢れた遊技球が下皿46内に排出されるようになっている。
また、基枠16の表面における下皿46の右側には、発射ハンドル48が回動可能に設けられており、発射ハンドル48の裏側には、発射モータ50が配設されている。発射モータ50の回転軸には、図示しないクランク機構を介して打球槌52が連結されており、発射ハンドル48が周方向一方の側に回動操作せしめられることによって発射モータ50に電源が与えられ、打球槌52が上皿30内に貯留された遊技球を弾き出すようになっている。
さらに、基枠16における貫通窓38の左側下方には、略矩形状をもって後方に突出せしめられた凹状部54が形成されており、かかる凹状部54における後側壁部56に、貫通孔58が貫設されている。貫通孔58は、前扉18に設けられた筒状部33の後側開口部よりもやや小さな略矩形状をもって後側壁部56の表裏方向に貫設されている。なお、貫通孔58の裏側の周縁部には、貫通孔58の全周に亘って僅かに後方に突出する嵌合用リブ59が形成されている。また、凹状部54の上端部および左端部には、前方に僅かに突出するL字状の位置決めリブ60が形成されている。そして、前扉18が閉じられた場合には、筒状部33が凹状部54に差し入れられて、筒状部33の後端面が後側壁部56に当接乃至は極近い位置に接近せしめられる。これにより、連通孔32と貫通孔58が接続されて、上皿30と基枠16の裏側が連通せしめられるようになっており、本実施形態においては、貫通孔58を含んで、連通路が構成されている。
このような構造とされた基枠16の裏面には、メインセット62が取り付けられる。図5に、メインセット62の背面図を示し、図6に、メインセット62の前面の斜視図を示す。メインセット62は、中央窓64を有する略枠体形状とされた枠部材65に後述するタンクレール70や賞球通路68が一体的に設けられた構造とされている。
より詳細には、枠部材65は、基枠16と略等しい幅寸法を有すると共に、基枠16の高さ寸法よりもやや小さな高さ寸法をもって形成されている。そして、枠部材65の背面における上端部には、多量の賞球としての遊技球を貯留する賞球タンク66が設けられている。更に、賞球タンク66の下方には、賞球タンク66に貯留された遊技球を整列して賞球通路68に案内するタンクレール70が傾斜状に設けられて、賞球タンク66と連通せしめられている。なお、賞球タンク66は、必ずしもメインセット62に設けられる必要は無く、例えば、賞球タンク66を基枠16に設けて、メインセット62の取付状態においてタンクレール70と接続する等しても良い。
賞球通路68は、上端部がタンクレール70と接続されて外方へ湾曲せしめられた後に、中央窓64の側方(本実施形態においては、図5中、右側)において鉛直下方に延びる案内路とされている。かかる賞球通路68の下端部は導入部72と接続されており、導入部72を介して、枠部材65の内部に形成された内部通路73と連通せしめられている。
内部通路73は、メインセット62の内部を鉛直上下方向成分をもって延びる案内路とされている。かかる内部通路73の上側端部は、導入部72を通じて賞球通路68と接続されている一方、下側端部は、枠部材65の前方における中央窓64の下方に開口せしめられた開口部74とされている。開口部74は、略矩形状をもって開口せしめられており、基枠16に形成された貫通孔58の嵌合用リブ59の外形形状と略等しい大きさとされている。
このように、賞球通路68、導入部72、内部通路73が連通せしめられており、メインセット62の裏側に配設された賞球タンク66からメインセット62の前方に開口せしめられた開口部74に亘る遊技球の案内路が構成されている。このように、本実施形態においては、賞球通路68、導入部72、内部通路73を含んで、払出通路が構成されている。
なお、導入部72の上方には、賞球払出装置76が配設されている。賞球払出装置76内には、パルスモータ等からなる賞球モータを駆動源とする賞球払出機構が収容されており、賞球モータの回転軸が単位量回転する毎に賞球払出装置76から導入部72へ1個ずつ賞球としての遊技球が払い出されるようになっている。また、枠部材65において賞球払出装置76が取り付けられる部位の前面には、枠部材65の厚さ方向に貫通する排出口78が開口せしめられており、賞球払出装置76の図示しない排出用孔と接続されている。これにより、賞球タンク66に貯留された遊技球を排出する際には、賞球払出装置76によって遊技球が排出口78から排出されるようになっている。なお、排出口78が形成された部位は、遊技盤14が遊技球が通れる程度の隙間を隔てて重ね合わされており、排出口78から排出された遊技球は、遊技盤14の裏側を通って、図示しないはずれ玉の排球路に案内されるようになっている。
さらに、枠部材65の裏面における中央窓64の下方には、遊技動作を制御する主制御基板を収容する主制御基板ケース80、外部から電力を得ると共に、各制御基板や駆動装置へ電力を分配して供給する電源基板を収容する電源基板ケース82が設けられている。なお、主制御基板ケース80には、従来公知の封止手段84が設けられており、容易に開封されないようになっている。このように、本実施形態においては、複数の機種に共通して用いることの出来る遊技球の払出通路や電源基板、主制御基板がメインセット62に設けられることによって、メインセット62を複数の機種に共通して用いることが可能とされている。
このような構造とされたメインセット62は、図7に示すように、基枠16の裏面に取り付けられる。特に本実施形態においては、基枠16の裏面における幅方向一方の側(本実施形態においては、図7中、右側)の上下端部には、所定寸法に亘って後方に突出する軸受86,88が設けられている。これらの軸受86,88には、図8にモデル的に示すように、軸受86,88の厚さ方向に貫設して基枠16の表裏方向に延びる長孔形状の軸孔90、92が形成されている。一方、メインセット62において軸受86,88と同じ側(本実施形態においては、図7中、右側)の上下端部には、下方に突出する軸94,96が設けられている。そして、これらの軸94.96が、軸孔90,92に対して上方から挿通されて軸受86,88と軸94,96が連結されることによってヒンジ機構が構成されており、メインセット62が基枠16に対して着脱可能且つ開閉可能に蝶着されている。このように、本実施形態においては、軸受86,88および軸94,96によって取付手段が構成されている。
さらに、基枠16の背面における四隅に近接した位置には、後述するナイラッチ104を取り付けるための取付穴98a,98b,98c,98dが設けられている(図4参照)。なお、取付穴98は、基枠16に取り付けられるメインセット62の四隅に近接した位置に形成されることが望ましいが、取付穴98の形成位置はメインセット62の固着強度や他部材との配設スペースなどを考慮して設定されるものである。特に本実施形態においては、取付穴98aは、基枠16の背面視において上端部における右端部よりもやや内方に形成されていると共に、取付穴98dは、基枠16の背面視において下端部における左端部よりもやや内方に形成されている。
そして、基枠16に対して軸受86,88および軸94,96によって開閉可能に蝶着せしめられたメインセット62が閉じられることによって基枠16の背面に重ね合わされるようになっており、枠部材65において取付穴98a,98b,98c,98dと重なり合う部位には、それぞれ、枠部材65を貫通する挿通穴100a,100b,100c,100dが貫設されている。なお、特に本実施形態においては、取付穴98a,98c,98dは、図9に取付穴98aを例にモデル的に示すように、後方に突出する円筒状部101の後方端面に貫設された貫通孔によって形成されている一方、挿通穴100a,100c,100dの前面には、前方に突出する円筒形状の外嵌部102が形成されている。そして、外嵌部102の内径寸法が、円筒状部101の外径寸法より僅かに大きくされている。これにより、メインセット62が閉じられた状態で、外嵌部102が円筒状部101に外嵌せしめられるようになっている。
そして、メインセット62が閉じられた状態で、挿通穴100a,100b,100c,100dの背面からナイラッチ104が挿通されて取付穴98a,98b,98c,98dに取り付けられることによって、メインセット62が基枠16に対して閉状態で固定される。本実施形態におけるナイラッチ104は、図10に概略を示すように、グロメット105とプランジャ106によって構成されている。
グロメット105は、円板形状とされた円板部107と、周方向で4つに分割された先端部108が円筒部109によって接続された一体成形部品とされており、部材の弾性によって先端部108が開閉可能とされている。そして、グロメット105の中心軸上には、円板部107と円筒部109を貫通する挿通孔110が形成されている。一方、プランジャ106には、軸方向中間部分が縮径せしめられた裁頭円錐形状を有する操作部111と、操作部111から略円柱形状をもって軸方向に延びる作用部112が形成されている。なお、作用部112の先端部および基端部は僅かに径寸法が大きくされており、作用部112の先端部および基端部の径寸法が、挿通孔110の内径寸法と略等しくされている。
そして、グロメット105の挿通孔110に対して、軸方向後方からプランジャ106の作用部112が挿通されるようになっており、作用部112が先端方向に押し込まれることによって、グロメット105の先端部108を内部から押し開くようにされている。
このような構造とされたナイラッチ104が、図9に挿通穴100aを例に示すように、枠部材65の背面から挿通穴100aに挿通されて、グロメット105の先端部108が取付穴98aに挿通される。そして、プランジャ106が先端方向に押し込まれることによって、先端部108が開かれて開状態に保持されることによって、先端部108と円板部107の間で枠部材65と円筒状部101の後端面が挟持される。これにより、基枠16に対して枠部材65が押し付けられた状態で固定されることとなる。
ここにおいて、図7に示すように、メインセット62に中央窓64が設けられていることから、メインセット62が閉じられた際に、遊技盤14の裏面に配設される例えば液晶表示器113や演出制御基板114、音・光制御基板116などの部材は、メインセット62の中央窓64内に配設されて、メインセット62と干渉することのないようにされている。更に、特に本実施形態においては、ヒンジ機構を構成する軸孔90,92が基枠16の表裏方向に延びる長孔形状とされている。これにより、メインセット62を開く際には、先ずメインセット62の全体を軸孔90,92に沿って後方に移動せしめて、軸94,96が軸孔90,92の後端部に位置せしめられた状態で、即ち、メインセット62を基枠16から所定距離を隔てた状態で回動せしめることが出来る。これにより、メインセット62を開く際に、遊技盤14の裏面に配設された液晶表示器113等と干渉することのないようにされている。また、メインセット62を閉じる場合も同様に、軸94,96を軸孔90,92の後端部に位置せしめた状態で予めメインセット62を閉じる方向に回動せしめた後に、メインセット62の全体を基枠16に対して接近せしめられることから、メインセット62が液晶表示器113等に対して斜め方向から重ね合わされることがなく、互いに干渉するおそれが軽減されているのである。
さらに、特に本実施形態においては、基枠16における貫通孔58の右側下方に、前記取付穴98a等と同様の構造とされた取付穴118が形成されている(図4参照)。それと共に、枠部材65において取付穴118と重なる位置には、前記挿通穴100aと同様の構造とされた挿通穴120が枠部材65の厚さ方向に貫設されている。そして、メインセット62が閉じられた状態で、挿通穴120が取付穴118に重ね合わされて、取付穴118の背面から前述のナイラッチ104と同様の構造とされたナイラッチ122が取り付けられることによって、メインセット62における開口部74が形成された部位が基枠16に対して押し付けられるように固定される。このように、本実施形態においては、取付穴118、挿通穴120、ナイラッチ122を含んで押付手段が構成されている。
このような構造とされたパチンコ機10においては、メインセット62が、貫通孔58に近接した位置でナイラッチ122によって基枠16に押し付けられることから、貫通孔58が形成された部位におけるメインセット62の基枠16への固定強度を有効に確保して、基枠16との間に隙間を生じ難くすることが出来る。即ち、メインセット62を基枠16に取り付ける軸受86、88および軸94,96がメインセット62の略上下端部に設けられていることから、貫通孔58が形成された部位では、メインセット62と、基枠16との間の固着強度が弱くなって、隙間が生じ易い。そこで、軸受86、88および軸94,96よりも貫通孔58に近い位置にナイラッチ122を設けることによって、貫通孔58が形成された部位におけるメインセット62の基枠16への固定強度を有効に確保することが出来るのである。これにより、貫通孔58の付近の隙間からピアノ線や冶具等が挿し込まれるおそれを軽減することが出来ると共に、冶具等でこじ開けられるおそれも軽減することが出来て、不正行為を有効に防止することが出来る。
さらに、特に本実施形態においては、ナイラッチ122が貫通孔58の外側の近接した位置に設けられている。これにより、例えばピアノ線が挿し込まれるような不正行為が行われた場合には、ピアノ線を連通孔32に到達せしめる際にナイラッチ122自体が障害物となって、ピアノ線の挿し込みを困難にすることが出来る。このように、本実施形態におけるパチンコ機10においては、特定位置にナイラッチ122を配設したことによって、より有効に不正行為を防止することが可能とされているのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって何等限定的に解釈されるものではない。
例えば、前述のパチンコ機10において、ナイラッチ122が外部から不正に操作されることを防止するために、ナイラッチ122を覆う覆部を形成する等しても良い。そのような覆部としては、例えば、図11に示すような、一方に開口部124を有する箱形状のカバー部材126が好適に用いられる。図12に示すように、かかるカバー部材126をナイラッチ122の背面から被せることによって、枠部材65の背面に露出せしめられたナイラッチ122の全体を覆うことが出来る。これにより、外部からナイラッチ122を操作不能にすることが出来る。特に本態様においては、枠部材65においてナイラッチ122が取り付けられる取付板部127から後方に所定距離を隔てた位置に、薄板状の鍔状部128が形成されており、これら取付板部127と鍔状部128に挟まれることによってカバー部材126が枠部材65に取り付けられるようになっている。これにより、カバー部材126の着脱を何等特別な工具を用いることなく容易に行うことが可能とされている。
また、ナイラッチ122を覆う覆部は、必ずしも枠部材65と別体として構成されている必要はなく、枠部材65に一体的に構成する等しても良い。例えば、不正行為はパチンコ機の側面から行われることが多いことから、図13に示すように、枠部材65におけるナイラッチ122が挿通される挿通穴120の上下及び外方において、後方に突出するコの字形状の壁部130を一体的に形成して覆部を構成する等しても良い。このようにすれば、ナイラッチ122の背面を覆うことなく側面のみを覆うことが出来て、例えばホールの従業員などによる背面からの操作性を阻害することなく、不正行為を有効に防止することが出来る。
また、押付手段の配設位置や個数も、前記実施形態の如き構造に限定されるものではない。例えば、連通路の外側位置のみならず、内側や上側、或いは下側などに設けても良いし、また、複数設けるなどしても良い。
また、メインセット62を基枠16に着脱可能に取り付ける取付手段の具体的な構造も、何等限定されない。例えば、前述の実施形態においては、軸受86、88および軸94,96を含んで構成されたヒンジ機構によって取付手段が構成されていたが、このようなヒンジ機構を用いることなく、取付穴98a,98b,98c,98dに取り付けられるナイラッチ104、104,104、104によって取付手段を構成する等しても良い。或いは、取付手段として、ネジやボルトを用いる等しても良い。
また、特に前述の実施形態におけるパチンコ機10においては、上皿30は、前扉18に一体的に取り付けられていたが、例えば、前扉18とは別体として、基枠16の幅寸法と略等しい幅寸法を有する皿板を基枠16に対してヒンジやネジ等で取り付けて、かかる皿板に上皿30を取り付ける等しても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としてのパチンコ機の正面図。 同パチンコ機の前扉の背面図。 同パチンコ機の前扉を取り外した状態の正面図。 同パチンコ機のメインセットを取り外した状態の背面図。 同パチンコ機のメインセットの背面図。 同メインセットの正面側の斜視図。 図1に示したパチンコ機の背面図。 同パチンコ機の取付手段を説明するための説明図。 基枠へのメインセットの取付方法を説明するための説明図。 ナイラッチを説明するための説明図。 本発明の覆部を説明するための説明図。 同覆部の取付状態を説明するための説明図。 本発明の覆部の異なる態様を説明するための説明図。
符号の説明
10: パチンコ機、12:外枠、14:遊技盤、16:基枠、18:前扉、30:上皿、58:貫通孔、62:メインセット、65:枠部材、66:賞球タンク、68:賞球通路、70:タンクレール、73:内部通路、74:開口部、86:軸受、88:軸受、94:軸、96:軸、118:取付穴、120:挿通穴、122:ナイラッチ、126:カバー部材、130:壁部

Claims (2)

  1. 外枠に対して側端部が軸着手段によって開閉可能に連結されて遊技盤が取り付けられる前枠を備えると共に、該前枠の裏面側に配設されたタンクと連通せしめられて該タンクに貯留された遊技球を案内するタンクレール及び該タンクレールと連通せしめられて該タンクレールを案内された該遊技球を案内する払出通路が設けられたメインセットを該メインセットの少なくとも一方の側方上下端部に設けられた取付手段によって前記前枠の裏面側に対して着脱可能に取り付ける一方、前記遊技球を貯留する打球供給皿を該前枠の表面に取り付けて、該前枠における前記取付手段が配設された側の前記遊技盤の下方において該前枠を貫通して前記払出通路と前記打球供給皿とを連通せしめる連通路が形成されたパチンコ機において、
    前記メインセットを前記前枠に対して押し付ける押付手段を、前記取付手段よりも前記連通路に近い位置に設けたことを特徴とするパチンコ機。
  2. 前記メインセットにおいて、前記押付手段を覆蓋する覆部を設けた請求項1に記載のパチンコ機。
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