JP2007319110A - 辛味増強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲食品の辛味増強方法、辛味増強剤および辛味の増強された飲食品またはその製造方法に関する。
【解決手段】ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物、例えば、分子量1,000〜20,000、好ましくは分子量1,000〜10,000、さらに好ましくは分子量1,000〜5,000のペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品に添加する。辛味成分を含有する飲食品の製造において該アミノ−カルボニル反応物を該飲食品の素材に添加する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、飲食品の辛味増強方法、辛味増強剤および飲食品の製造方法に関する。
飲食品の基本味としては塩味、甘味、酸味、苦味およびうま味が知られているが、これに加えて、唐辛子に多く含まれるカプサイシン等によって口内で引き起こされる感覚の一種である辛味も重要な味の一つである。例えば、カレーやマーボ豆腐等では、辛味そのものが重要であるが、そばやうどん等の特に辛味を必要としない食品においても、辛味成分を少量添加することにより食欲が増進され、おいしく食べることができる。
しかし、辛味は、辛味成分の揮発、分解等により弱くなってしまう。この場合、辛味成分を飲食品中にあらかじめ多めに含有させることや、辛味成分をさらに添加することも可能であるが、辛味成分の有する辛味以外の風味が付与されてしまうことがあり、その場合は他の手段で辛味を増強させる必要がある。また、辛味が損なわれない場合であっても、手軽に辛味を増強できる方法があれば好ましい。
辛味を増強する方法として、直鎖脂肪酸(特許文献1参照)、シュクラロース(特許文献2参照)、カプサイシン含有オレオレジン(特許文献3参照)、ソーマチン(特許文献4参照)、1−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン等(特許文献5参照)、キナ酸またはその誘導体(特許文献6参照)等を用いる方法が知られているが、これらの方法では、辛味を十分に増強できない場合や、好ましくない風味が付与される場合がある。
一方、分子量1000〜5000のペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物が、持続性のあるうま味であるこく味の増強効果や、塩味の抑制効果を有すること(特許文献7参照)が知られているが、辛味の強さに関する効果は知られていない。
特開昭62−100258 特開平8−242805 特開2000−14370 特開2005−124456 特開2005−143308 特開2005−204555 特許第3623753号
本発明の目的は、飲食品の辛味増強方法、辛味増強剤、または辛味の増強された飲食品およびその製造方法に関する。
本発明は、以下の(1)〜(4)に関する。
(1) ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品に添加することを特徴とする、飲食品の辛味増強方法。
(2) ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を有効成分として含有する辛味増強剤。
(3) 上記(2)の辛味増強剤を添加してなる飲食品。
(4) ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品の素材に添加することを特徴とする、飲食品の製造方法。
本発明により、飲食品の辛味増強方法、辛味増強剤または辛味の増強された飲食品およびその製造方法を提供することができる。
本発明において用いられるペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物(以下、単にアミノ−カルボニル反応ペプチドともいう)は、ペプチドとカルボニル化合物とをアミノ−カルボニル反応させて得られるものであればいずれのものであってもよい。
アミノ−カルボニル反応ペプチドとしては、分子量1,000〜20,000、好ましくは分子量1,000〜10,000、さらに好ましくは分子量1,000〜5,000のペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物があげられる。
ペプチドとしては、分子量1,000〜20,000、好ましくは分子量1,000〜10,000、さらに好ましくは分子量1,000〜5,000のペプチドが好適に用いられる。
ペプチドは、ペプチド合成により得ることもできるが、蛋白質を酸または蛋白質分解酵素を用いて加水分解した物をそのまま用いてもよく、得られた分解物を限外ろ過、ゲルろ過等により分子量に応じて分画したものを用いてもよい。
蛋白質としては、植物蛋白質、動物蛋白質、酵母菌体由来の蛋白質等、いずれの蛋白質も用いられる。
植物蛋白質としては、大豆蛋白質、小麦蛋白質、とうもろこし蛋白質等の種子蛋白質などがあげられる。
動物蛋白質としては、ホエー蛋白質、カゼイン等の乳蛋白質、卵白蛋白質、卵黄蛋白質等の卵蛋白質、血漿蛋白質、血球蛋白質等の血液蛋白質、食肉蛋白質、魚肉蛋白質等の筋肉蛋白質などがあげられる。
酵母菌体由来の蛋白質としては、ビール酵母、パン酵母等の酵母の菌体をそのまま用いてもよいし、菌体に含まれる蛋白質を単離、精製したものを用いてもよい。
蛋白質としては、上記蛋白質に化学処理、酵素処理、物理処理等を施した蛋白質、例えばゼラチン、プラクアルブミン、メタプロテイン、プロテオース、ペプトン等を用いてもよい。
ゼラチンには、酸処理により得られるゼラチン(タイプA)と、アルカリ処理により得られるゼラチン(タイプB)の二種類があるが、いずれのタイプのものを用いてもよい。
蛋白質としては、大豆蛋白質、小麦蛋白質、ホエー蛋白質、カゼイン、血漿蛋白質、卵白蛋白質、ゼラチンまたは酵母菌体由来の蛋白質が好適に用いられる。
蛋白質の加水分解に用いられる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、クエン酸等の有機酸が用いられる。
蛋白質分解酵素としては、エンドペプチダーゼ(プロテイナーゼともいう)およびエキソペプチダーゼがあげられるが、エンドペプチダーゼを用いることが好ましい。エンドペプチダーゼとしては、エキソペプチダーゼ活性を有するエンドペプチダーゼを用いることが好ましい。エキソペプチダーゼ活性が低いエンドペプチダーゼを用いる場合、エキソペプチダーゼを別途混合して使用してもよい。
エンドペプチダーゼとしては、例えばトリプシン、キモトリプシン、ズブチリシン等のセリンプロテアーゼ、パパイン、ブロメライン、フィシン等のチオールプロテアーゼ、ペプシン、キモシン等のカルボキシプロテアーゼ、サーモリシン等のメタルプロテアーゼ等があげられる。市販されているエンドペプチダーゼとしては、例えばトリプシン、キモトリプシン、ペプシン、スミチームLP(新日本化学社製)、ビオプラーゼ(長瀬産業社製)、アルカラーゼ(ノボザイムズ社製)等があげられる。
エキソペプチダーゼ活性を有するエンドペプチダーゼとしては、例えばウマミザイム(天野製薬社製)、アクチナーゼ(科研製薬社製)等があげられる。
蛋白質分解酵素の使用量は、使用する酵素や蛋白質の種類等によって異なるため特に限定はないが、加水分解処理する蛋白質の0.05〜10%(w/w)であることが好ましく、0.1〜7%(w/w)であることがより好ましく、1〜5%(w/w)であることが特に好ましい。
蛋白質の加水分解処理のpHや反応温度は、使用する酵素の最適条件またはそれに近い条件を適宜用いればよい。
pHは、塩酸、酢酸、乳酸、クエン酸、リン酸等の飲食品に許容される酸、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の飲食品に許容されるアルカリを添加することによって調整することができる。
蛋白質の加水分解処理時間は、使用する蛋白質分解酵素の種類、その使用量、温度、pH条件等で異なるが、通常は1〜100時間であることが好ましく、6〜72時間であることがより好ましい。
加水分解処理後、反応液をそのまま次の処理に供することもできるが、加熱処理、酸処理等によって酵素を失活させた後に次の処理に供することもできる。
カルボニル化合物としては、カルボニル基をもつ有機化合物であればいずれも用いられるが、好ましくは還元糖、脂質の酸化によって生成するカルボニル化合物が、特に好ましくは還元糖が用いられる。
還元糖としては、単糖、還元性をもつ二糖以上の多糖類等があげられる。
単糖としては、トリオース、テトラオース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース等があげられ、ペントースまたはヘキソースが好適に用いられる。
ペントースとしては、アラビノース、キシロース、リボース、2−デオキシリボース等があげられ、キシロースまたはリボースが好適に用いられる。
ヘキソースとしては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等があげられ、グルコースまたはフルクトースが好適に用いられる。
還元糖をもつ二糖以上の多糖類とは、単糖が二個以上結合してできたカルボニル基をもつ多糖類であり、かつアルカリ性でフェーリング溶液を還元するものをいい、例えばマルトース、ラクトース、イソマルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース等があげられる。
脂質の酸化によって生成するカルボニル化合物としては、脂質の酸化によって生じるハイドロパーオキサイドが分解して生成するアルデヒド化合物等があげられる。
アルデヒド化合物としては、飽和アルデヒド、不飽和アルデヒド等があげられる。
飽和アルデヒドとしては、プロパナール、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール等があげられ、ヘキサナールまたはノナナールが好適に用いられる。
不飽和アルデヒドとしては、2−ブテナール(クロトンアルデヒド)、2−ヘキセナール、2−デセナール、2−ウンデセナール、2,4−ヘプタジエナール、2,4−デカジエナール等があげられ、2−ブテナールまたは2−ヘキセナールが好適に用いられる。
アミノ−カルボニル反応工程について、以下に例示する。
ペプチドを水性媒体中に1〜60%(w/v)、好ましくは1〜10%(w/v)、また、カルボニル化合物を0.05〜30%(w/v)、好ましくは0.1〜10%(w/v)となるように溶解し、混合水溶液を調製する。
なお、水性媒体とは、水または水を主成分とし、他の成分、例えばアルコール、アミノ酸、金属イオン、有機酸、食塩等を含む溶媒をいう。
該混合水溶液をpH3〜9、好ましくはpH5〜7に調整し30〜180℃、好ましくは60〜120℃で、1時間〜数ヶ月、好ましくは1〜6時間反応させることにより、アミノ−カルボニル反応ペプチドを含有する溶液を調製することができる。
上記方法により調製された溶液は、そのまま辛味成分を含有する飲食品またはその素材に添加してもよいし、辛味増強剤として用いてもよい。また、該溶液を活性炭、限外ろ過等による脱色処理、クロマトグラフィー、膜分離等による分離精製処理、減圧濃縮等による濃縮処理などの処理に供して脱色液、精製液、濃縮液等の液体を調製し、これを辛味成分を含有する飲食品またはその素材に添加してもよいし、辛味増強剤として用いてもよい。さらに、該溶液を減圧乾燥、噴霧乾燥等の乾燥処理などの処理に供して固形物、粉末等の固体を調製し、これを辛味成分を含有する飲食品またはその素材に添加してもよいし、辛味増強剤として用いてもよい。
アミノ−カルボニル反応工程は、以下の方法により行うこともできる。
ペプチドを水性媒体中に1〜60%(w/v)、好ましくは1〜10%(w/v)、また、カルボニル化合物を0.05〜30%(w/v)、好ましくは0.1〜10%(w/v)となるように溶解し混合水溶液を調製する。該混合水溶液をpH3〜9、好ましくはpH5〜7に調整した後、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥処理などを行い、乾燥粉末を得る。得られた乾燥粉末を、相対湿度50〜90%、好ましくは60〜80%に調整し、30〜180℃、好ましくは60〜120℃で、数時間〜数ヶ月間、好ましくは3〜10日間反応させることにより、アミノ−カルボニル反応ペプチドを調製することができる。
上記方法により調製されたアミノ−カルボニル反応ペプチドは、そのまま、またはさらに加工した後に、辛味成分を含有する飲食品またはその素材に添加してもよいし、辛味増強剤として用いてもよい。
辛味成分としては、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ピペリン、シャビシン、α−サンショール、β−サンショール、ジンゲロン、ショウガオール、タデナール、タデオン、ジアリルサルファイド、ジアリルジサルファイド、p-ヒドロキシベンジル・イソチオシアネート、アリル・イソチオシアネート、メチルチオ−3−ブチニール・イソチオシアネート等があげられるが、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ピペリン、シャビシン、α−サンショールおよびβ−サンショールが好ましくあげられ、カプサイシンおよびジヒドロカプサイシンがさらに好ましくあげられる。
辛味成分として、例えばカプサイシンまたはジヒドロカプサイシンはトウガラシに、ピペリンまたはシャビシンはコショウに、α−サンショールまたはβ−サンショールはサンショウに、ジンゲロンまたはショウガオールはショウガに、タデナールまたはタデオンはタデに、ジアリルサルファイドまたはジアリルジサルファイドはタマネギまたはニンニクに、p-ヒドロキシベンジル・イソチオシアネート、アリル・イソチオシアネートまたはメチルチオ−3−ブチニール・イソチオシアネートはカラシ、西洋ワサビまたは大根にそれぞれ含有される成分である。
辛味成分を含有する飲食品としては、辛味成分を好ましくは1X10-5重量%以上含有する飲食品であればいずれでもよく、例えば、カレー、マーボ豆腐、マーボナス、坦々麺、エビチリ等の調理品、明太子、チョリソー等の魚介類、畜肉類の加工品、キムチ等の漬物、ラー油、タバスコソース、シーズニングスパイス等の調味料等があげられる。
本発明の辛味増強方法としては、例えばアミノ−カルボニル反応ペプチドをそのまま、または辛味増強剤として上記の辛味成分を含有する飲食品を製造する際に該飲食品の素材の一部として添加する方法、製品となっている辛味成分を含有する飲食品を加熱調理、電子レンジ調理、真空調理等の調理する際または摂食の際に添加する方法等があげられる。
本発明の辛味増強剤は、アミノ−カルボニル反応ペプチドを含有し、必要に応じて、塩化ナトリウム等の無機塩、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、脂肪酸等のカルボン酸等の酸、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、アラニン等のアミノ酸、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の核酸、ショ糖、ブドウ糖、乳糖等の糖、醤油、味噌、畜肉エキス、家禽エキス、魚介エキス、酵母エキス、蛋白質加水分解物等の天然調味料、スパイス類、ハーブ類等の香辛料、デキストリン、各種澱粉等の賦形剤等の飲食品に使用可能な添加物を含有してもよい。
本発明の辛味増強剤中のアミノ−カルボニル反応ペプチドの含有量は、好ましくは0.5〜50重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。
また、本発明の辛味増強剤は、辛味成分を、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%含有させて辛味増強用の調味料として用いてもよい。
アミノ−カルボニル反応ペプチドの辛味成分を含有する飲食品またはその素材への添加量は、該飲食品中のアミノ−カルボニル反応ペプチドが、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%となる量が好ましい。
また、本発明の飲食品の製造法としては、上記の辛味成分を含有する飲食品の素材にアミノ−カルボニル反応ペプチドを、そのまま、または本発明の辛味増強剤として、該飲食品中のアミノ−カルボニル反応ペプチドの含有量が上記の範囲内となる量添加する以外は通常の飲食品の製造方法が用いられる。
以下に本発明の実施例を示す。
分離脱脂大豆蛋白質200gを水1800mlに分散させ、アルカラーゼ(ノボザイムズ社製)を4ml加えてpHを調整せずに、50℃で30分間反応させた。さらに水酸化ナトリウムでpH8に維持しながら50℃で20時間反応させた。
反応終了後、塩酸でpHを6に調整し、85〜90℃で20分間加熱して酵素を失活させた後、遠心分離した。得られた上清をろ過し、透明な液を得た。該液を限外ろ過(分画分子量1000および5000の限外ろ過膜を使用)に供し、分子量1000〜5000の画分を得た。得られた画分を凍結乾燥させて粉末を得た。
該粉末4gを、0.8gのキシロースを含む水溶液100mlに溶解し、95℃で4時間反応させた。得られた反応液を限外ろ過(分画分子量1000の限外ろ過膜を使用)に供し、分子量1000以上の画分を得た。該画分を凍結乾燥して約2gのアミノ−カルボニル反応物(以下、メイラードペプタイドという)を得た。
ブイヨン、カレー末、ホワイトペッパー末等を用いて100gのカレースープベースを調製した。該カレースープベース100gを4000gの湯に溶解し、カレースープを調製した。
該カレースープにメイラードペプタイドを0.2%(w/v)となるように添加して溶解させ、辛味および嗜好性について官能評価した。なお、メイラードペプタイドを添加しないカレースープをコントロールとした。
官能評価は14名の熟練したパネルにより行った。メイラードペプタイドを添加したカレースープとメイラードペプタイドを添加しないカレースープとを各項目について比較し、強く感じた方を1点、弱く感じた方を2点とした。各パネルの評点の合計値を各評価区の評点とした。
結果を第1表に示す。なお、数値の低い方が、評価が高いことを示す。
Figure 2007319110
*は1%の危険率で有意差があることを示す。
第1表に示されるとおり、メイラードペプタイドを添加して得られたカレースープでは、明らかに辛味が増強されていた。
なお、上記の分子量1000〜5000の画分を凍結乾燥させて得られた粉末、およびキシロースを、それぞれカレースープに添加し同様の官能評価を行ったところ、いずれの試験区においても、辛味の有意な増強は認められなかった。
オニオンエキス、ビーフエキス、ホワイトペッパー等を用いて100gのコンソメスープベースを調製した。該コンソメスープベース15gを1000gの湯に溶解し、コンソメスープを調製した。
該コンソメスープに実施例1で調製したメイラードペプタイドを0.2%(w/v)となるように添加して溶解させ、辛味および嗜好性について実施例1と同様の方法および基準で官能評価した。なお、メイラードペプタイドを添加しないコンソメスープをコントロールとした。
Figure 2007319110
*は1%の危険率で有意差があることを示す。
第2表に示されるとおり、メイラードペプタイドを添加して得られたコンソメスープでは、明らかに辛味が増強されていた。
なお、上記の分子量1000〜5000の画分を凍結乾燥させて得られた粉末、およびキシロースを、それぞれコンソメスープに添加し同様の官能評価を行ったところ、いずれの試験区においても、辛味の有意な増強は認められなかった。
キムチ発酵調味料(キムチベースEX、協和発酵フーズ社製)、チリペッパー、ガーリックペースト、ジンジャーペースト等を用いて150gのキムチスープベースを調製した。該キムチスープベース150gを1000gの湯に溶解し、キムチスープを調製した。
該キムチスープにメイラードペプタイドを0.2%(w/v)となるように添加して溶解させ、辛味および嗜好性について、パネルの人数を10名とする以外は、実施例1と同様の方法および基準で官能評価した。なお、メイラードペプタイドを添加しないキムチスープをコントロールとした。
結果を第3表に示す。なお、数値の低い方が、評価が高いことを示す。
Figure 2007319110
*は1%の危険率で有意差があることを示す。
第3表に示されるとおり、メイラードペプタイドを添加して得られたキムチスープでは、明らかに辛味が増強されていた。
なお、上記の分子量1000〜5000の画分を凍結乾燥させて得られた粉末、およびキシロースを、それぞれキムチスープに添加し同様の官能評価を行ったところ、いずれの試験区においても、辛味の有意な増強は認められなかった。

Claims (4)

  1. ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品に添加することを特徴とする、飲食品の辛味増強方法。
  2. ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を有効成分として含有する辛味増強剤。
  3. 請求項2記載の辛味増強剤を添加してなる飲食品。
  4. ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品の素材に添加することを特徴とする、飲食品の製造方法。
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