JP2007319110A - 辛味増強方法 - Google Patents
辛味増強方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007319110A JP2007319110A JP2006154464A JP2006154464A JP2007319110A JP 2007319110 A JP2007319110 A JP 2007319110A JP 2006154464 A JP2006154464 A JP 2006154464A JP 2006154464 A JP2006154464 A JP 2006154464A JP 2007319110 A JP2007319110 A JP 2007319110A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- food
- pungent
- peptide
- drink
- amino
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
- Seasonings (AREA)
Abstract
【解決手段】ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物、例えば、分子量1,000〜20,000、好ましくは分子量1,000〜10,000、さらに好ましくは分子量1,000〜5,000のペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品に添加する。辛味成分を含有する飲食品の製造において該アミノ−カルボニル反応物を該飲食品の素材に添加する。
【選択図】 なし
Description
(1) ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品に添加することを特徴とする、飲食品の辛味増強方法。
(2) ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を有効成分として含有する辛味増強剤。
(3) 上記(2)の辛味増強剤を添加してなる飲食品。
(4) ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品の素材に添加することを特徴とする、飲食品の製造方法。
アミノ−カルボニル反応ペプチドとしては、分子量1,000〜20,000、好ましくは分子量1,000〜10,000、さらに好ましくは分子量1,000〜5,000のペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物があげられる。
ペプチドは、ペプチド合成により得ることもできるが、蛋白質を酸または蛋白質分解酵素を用いて加水分解した物をそのまま用いてもよく、得られた分解物を限外ろ過、ゲルろ過等により分子量に応じて分画したものを用いてもよい。
植物蛋白質としては、大豆蛋白質、小麦蛋白質、とうもろこし蛋白質等の種子蛋白質などがあげられる。
動物蛋白質としては、ホエー蛋白質、カゼイン等の乳蛋白質、卵白蛋白質、卵黄蛋白質等の卵蛋白質、血漿蛋白質、血球蛋白質等の血液蛋白質、食肉蛋白質、魚肉蛋白質等の筋肉蛋白質などがあげられる。
蛋白質としては、上記蛋白質に化学処理、酵素処理、物理処理等を施した蛋白質、例えばゼラチン、プラクアルブミン、メタプロテイン、プロテオース、ペプトン等を用いてもよい。
蛋白質としては、大豆蛋白質、小麦蛋白質、ホエー蛋白質、カゼイン、血漿蛋白質、卵白蛋白質、ゼラチンまたは酵母菌体由来の蛋白質が好適に用いられる。
蛋白質の加水分解に用いられる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、クエン酸等の有機酸が用いられる。
蛋白質分解酵素の使用量は、使用する酵素や蛋白質の種類等によって異なるため特に限定はないが、加水分解処理する蛋白質の0.05〜10%(w/w)であることが好ましく、0.1〜7%(w/w)であることがより好ましく、1〜5%(w/w)であることが特に好ましい。
pHは、塩酸、酢酸、乳酸、クエン酸、リン酸等の飲食品に許容される酸、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の飲食品に許容されるアルカリを添加することによって調整することができる。
加水分解処理後、反応液をそのまま次の処理に供することもできるが、加熱処理、酸処理等によって酵素を失活させた後に次の処理に供することもできる。
還元糖としては、単糖、還元性をもつ二糖以上の多糖類等があげられる。
単糖としては、トリオース、テトラオース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース等があげられ、ペントースまたはヘキソースが好適に用いられる。
ヘキソースとしては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等があげられ、グルコースまたはフルクトースが好適に用いられる。
還元糖をもつ二糖以上の多糖類とは、単糖が二個以上結合してできたカルボニル基をもつ多糖類であり、かつアルカリ性でフェーリング溶液を還元するものをいい、例えばマルトース、ラクトース、イソマルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース等があげられる。
アルデヒド化合物としては、飽和アルデヒド、不飽和アルデヒド等があげられる。
飽和アルデヒドとしては、プロパナール、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール等があげられ、ヘキサナールまたはノナナールが好適に用いられる。
アミノ−カルボニル反応工程について、以下に例示する。
ペプチドを水性媒体中に1〜60%(w/v)、好ましくは1〜10%(w/v)、また、カルボニル化合物を0.05〜30%(w/v)、好ましくは0.1〜10%(w/v)となるように溶解し、混合水溶液を調製する。
該混合水溶液をpH3〜9、好ましくはpH5〜7に調整し30〜180℃、好ましくは60〜120℃で、1時間〜数ヶ月、好ましくは1〜6時間反応させることにより、アミノ−カルボニル反応ペプチドを含有する溶液を調製することができる。
ペプチドを水性媒体中に1〜60%(w/v)、好ましくは1〜10%(w/v)、また、カルボニル化合物を0.05〜30%(w/v)、好ましくは0.1〜10%(w/v)となるように溶解し混合水溶液を調製する。該混合水溶液をpH3〜9、好ましくはpH5〜7に調整した後、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥処理などを行い、乾燥粉末を得る。得られた乾燥粉末を、相対湿度50〜90%、好ましくは60〜80%に調整し、30〜180℃、好ましくは60〜120℃で、数時間〜数ヶ月間、好ましくは3〜10日間反応させることにより、アミノ−カルボニル反応ペプチドを調製することができる。
辛味成分としては、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ピペリン、シャビシン、α−サンショール、β−サンショール、ジンゲロン、ショウガオール、タデナール、タデオン、ジアリルサルファイド、ジアリルジサルファイド、p-ヒドロキシベンジル・イソチオシアネート、アリル・イソチオシアネート、メチルチオ−3−ブチニール・イソチオシアネート等があげられるが、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ピペリン、シャビシン、α−サンショールおよびβ−サンショールが好ましくあげられ、カプサイシンおよびジヒドロカプサイシンがさらに好ましくあげられる。
本発明の辛味増強方法としては、例えばアミノ−カルボニル反応ペプチドをそのまま、または辛味増強剤として上記の辛味成分を含有する飲食品を製造する際に該飲食品の素材の一部として添加する方法、製品となっている辛味成分を含有する飲食品を加熱調理、電子レンジ調理、真空調理等の調理する際または摂食の際に添加する方法等があげられる。
また、本発明の辛味増強剤は、辛味成分を、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜30重量%含有させて辛味増強用の調味料として用いてもよい。
アミノ−カルボニル反応ペプチドの辛味成分を含有する飲食品またはその素材への添加量は、該飲食品中のアミノ−カルボニル反応ペプチドが、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%となる量が好ましい。
以下に本発明の実施例を示す。
反応終了後、塩酸でpHを6に調整し、85〜90℃で20分間加熱して酵素を失活させた後、遠心分離した。得られた上清をろ過し、透明な液を得た。該液を限外ろ過(分画分子量1000および5000の限外ろ過膜を使用)に供し、分子量1000〜5000の画分を得た。得られた画分を凍結乾燥させて粉末を得た。
ブイヨン、カレー末、ホワイトペッパー末等を用いて100gのカレースープベースを調製した。該カレースープベース100gを4000gの湯に溶解し、カレースープを調製した。
官能評価は14名の熟練したパネルにより行った。メイラードペプタイドを添加したカレースープとメイラードペプタイドを添加しないカレースープとを各項目について比較し、強く感じた方を1点、弱く感じた方を2点とした。各パネルの評点の合計値を各評価区の評点とした。
第1表に示されるとおり、メイラードペプタイドを添加して得られたカレースープでは、明らかに辛味が増強されていた。
なお、上記の分子量1000〜5000の画分を凍結乾燥させて得られた粉末、およびキシロースを、それぞれカレースープに添加し同様の官能評価を行ったところ、いずれの試験区においても、辛味の有意な増強は認められなかった。
該コンソメスープに実施例1で調製したメイラードペプタイドを0.2%(w/v)となるように添加して溶解させ、辛味および嗜好性について実施例1と同様の方法および基準で官能評価した。なお、メイラードペプタイドを添加しないコンソメスープをコントロールとした。
第2表に示されるとおり、メイラードペプタイドを添加して得られたコンソメスープでは、明らかに辛味が増強されていた。
なお、上記の分子量1000〜5000の画分を凍結乾燥させて得られた粉末、およびキシロースを、それぞれコンソメスープに添加し同様の官能評価を行ったところ、いずれの試験区においても、辛味の有意な増強は認められなかった。
該キムチスープにメイラードペプタイドを0.2%(w/v)となるように添加して溶解させ、辛味および嗜好性について、パネルの人数を10名とする以外は、実施例1と同様の方法および基準で官能評価した。なお、メイラードペプタイドを添加しないキムチスープをコントロールとした。
第3表に示されるとおり、メイラードペプタイドを添加して得られたキムチスープでは、明らかに辛味が増強されていた。
なお、上記の分子量1000〜5000の画分を凍結乾燥させて得られた粉末、およびキシロースを、それぞれキムチスープに添加し同様の官能評価を行ったところ、いずれの試験区においても、辛味の有意な増強は認められなかった。
Claims (4)
- ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品に添加することを特徴とする、飲食品の辛味増強方法。
- ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を有効成分として含有する辛味増強剤。
- 請求項2記載の辛味増強剤を添加してなる飲食品。
- ペプチドとカルボニル化合物とのアミノ−カルボニル反応物を辛味成分を含有する飲食品の素材に添加することを特徴とする、飲食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006154464A JP2007319110A (ja) | 2006-06-02 | 2006-06-02 | 辛味増強方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006154464A JP2007319110A (ja) | 2006-06-02 | 2006-06-02 | 辛味増強方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007319110A true JP2007319110A (ja) | 2007-12-13 |
JP2007319110A5 JP2007319110A5 (ja) | 2009-05-07 |
Family
ID=38852419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006154464A Pending JP2007319110A (ja) | 2006-06-02 | 2006-06-02 | 辛味増強方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007319110A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010107019A1 (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-23 | キリン協和フーズ株式会社 | 苦味抑制剤 |
WO2010107020A1 (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-23 | キリン協和フーズ株式会社 | 食塩味増強剤 |
JP2016158507A (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-05 | Mcフードスペシャリティーズ株式会社 | 香辛料感向上剤 |
WO2021172219A1 (ja) * | 2020-02-25 | 2021-09-02 | 三菱商事ライフサイエンス株式会社 | 香辛料感増強方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002335904A (ja) * | 2001-05-14 | 2002-11-26 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | 調味料 |
-
2006
- 2006-06-02 JP JP2006154464A patent/JP2007319110A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002335904A (ja) * | 2001-05-14 | 2002-11-26 | Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd | 調味料 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010107019A1 (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-23 | キリン協和フーズ株式会社 | 苦味抑制剤 |
WO2010107020A1 (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-23 | キリン協和フーズ株式会社 | 食塩味増強剤 |
CN102341001A (zh) * | 2009-03-16 | 2012-02-01 | 麒麟协和食品株式会社 | 苦味抑制剂 |
CN102340999A (zh) * | 2009-03-16 | 2012-02-01 | 麒麟协和食品株式会社 | 食盐味增强剂 |
CN102340999B (zh) * | 2009-03-16 | 2013-10-30 | 麒麟协和食品株式会社 | 食盐味增强剂 |
JP2016158507A (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-05 | Mcフードスペシャリティーズ株式会社 | 香辛料感向上剤 |
WO2021172219A1 (ja) * | 2020-02-25 | 2021-09-02 | 三菱商事ライフサイエンス株式会社 | 香辛料感増強方法 |
KR20220142519A (ko) | 2020-02-25 | 2022-10-21 | 미츠비시 쇼지 라이프사이언스 가부시키가이샤 | 향신료감(感) 증강 방법 |
CN115443073A (zh) * | 2020-02-25 | 2022-12-06 | 三菱商事生命科学株式会社 | 香辛料感增强方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5667439B2 (ja) | 塩味増強剤及びそれを含有する飲食品 | |
JP4445691B2 (ja) | 食塩味増強方法、食塩味増強剤、食塩味調味料および食塩味増強食品 | |
JP5057492B2 (ja) | 塩味増強剤及びそれを含有する飲食品 | |
JP5925345B2 (ja) | 食塩味増強剤 | |
JP3623753B2 (ja) | 調味料 | |
JP4476219B2 (ja) | 調味料 | |
JP5628499B2 (ja) | 塩味増強剤を含有する低食塩醤油又は低食塩醤油調味料 | |
JP2009148216A (ja) | 塩味増強剤及びその製造方法 | |
JP2007319110A (ja) | 辛味増強方法 | |
JP2011062172A (ja) | 食塩及び塩味増強剤を含有する食塩代替調味料 | |
JP5759366B2 (ja) | 苦味抑制剤 | |
JP4821888B2 (ja) | 天然こく味調味料の製造方法及び同方法により得られる天然こく味調味料並びにその用途 | |
JP4562663B2 (ja) | ミルク感増強方法 | |
KR100859099B1 (ko) | 음식품 또는 조미료의 코쿠미 증강제 | |
JP2018074967A (ja) | 塩味および旨味増強剤 | |
JP5628501B2 (ja) | 塩味増強剤を含有する低食塩味噌又は低食塩味噌調味料 | |
JP6113098B2 (ja) | 塩味増強剤 | |
JP4863859B2 (ja) | 蛋白質の加水分解物の製造方法 | |
JP2011062169A (ja) | 塩味増強剤を含有する米飯類又は麺類の調理品 | |
JP5628500B2 (ja) | 塩味増強剤を含有する麺類用スープ又は麺類用つゆ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20081128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090325 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090325 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20090421 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100810 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100817 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101214 |