JP2007318857A - 電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機が複雑化することを抑制しつつ、容易かつ適切に誘起電圧定数を可変とすることで、運転可能な回転数範囲およびトルク範囲を拡大し、運転効率を向上させると共に高効率での運転可能範囲を拡大する。
【解決手段】各回転子11,12において軸方向に沿って各ロータ鉄心21,22からずれた位置に各回転子11、12と一体に固定された各バイアス永久磁石装着部31,32を設け、各バイアス永久磁石装着部31,32に各バイアス永久磁石31a,32aを装着した。内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態において、内周側バイアス永久磁石31aと外周側バイアス永久磁石32aとが、互いの同極の磁極同士が径方向で対向するように、つまり互いに反発し合うように設定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機に関する。
従来、例えば電動機の回転軸の周囲に同心円状に設けた第1および第2回転子を備え、電動機の回転速度に応じて、あるいは、固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の周方向の相対位置つまり位相差を制御する電動機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この電動機では、例えば電動機の回転速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、遠心力の作用により径方向に沿って変位する部材を介して第1および第2回転子の周方向の相対位置を変更するようになっている。また、例えば固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、各回転子が慣性により回転速度を維持する状態で固定子巻線に制御電流を通電して回転磁界速度を変更することによって、第1および第2回転子の周方向の相対位置を変更するようになっている。
特開2002−204541号公報
ところで、上記従来技術の一例に係る電動機において、例えば電動機の回転速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、電動機の作動状態つまり回転速度に応じた遠心力が作用する状態でのみ第1および第2回転子の位相差を制御可能であり、電動機の停止状態を含む適宜のタイミングで位相差を制御することができないという問題が生じる。また、この電動機を駆動源として車両に搭載した場合等のように、この電動機に外部からの振動が作用し易い状態においては、遠心力の作用のみによって第1および第2回転子の位相差を適切に制御することが困難であるという問題が生じる。しかも、この場合には、モータに対する電源での電源電圧の変動に拘わらずに位相差が制御されることから、例えば電源電圧と電動機の誘起電圧との大小関係が逆転してしまうという不具合が生じる虞がある。
また、例えば固定子に発生する回転磁界の速度に応じて第1および第2回転子の位相差を制御する場合には、回転磁界速度が変更されることから、電動機の制御処理が複雑化してしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電動機が複雑化することを抑制しつつ、容易かつ適切に誘起電圧定数を可変とすることで、運転可能な回転数範囲およびトルク範囲を拡大し、運転効率を向上させると共に高効率での運転可能範囲を拡大することが可能な電動機を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明の電動機は、周方向に沿って配置された内周側永久磁石(例えば、実施の形態での内周側永久磁石11a)を具備する内周側回転子(例えば、実施の形態での内周側回転子11)および周方向に沿って配置された外周側永久磁石(例えば、実施の形態での外周側永久磁石12a)を具備する外周側回転子(例えば、実施の形態での外周側回転子12)の互いの回転軸が同軸に配置され、少なくとも前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方を前記回転軸周りに回動させることによって前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な位相を変更可能な回動手段(例えば、実施の形態での位相制御装置15)を備える電動機であって、前記外周側回転子と一体に固定された第1永久磁石(例えば、実施の形態での外周側バイアス永久磁石32a、羽根側バイアス永久磁石81a,81b)と、前記内周側回転子と一体に固定された第2永久磁石(例えば、実施の形態での内周側バイアス永久磁石31a、突出側バイアス永久磁石82b,82a)とを備え、前記外周側永久磁石と前記内周側永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される状態で、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、互いの同極の磁極同士が対向するように配置されていることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、回動手段によって外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を変更可能とすることで、例えば外周側永久磁石による界磁磁束が固定子巻線を鎖交する鎖交磁束量を、内周側永久磁石による界磁磁束によって効率よく増大あるいは低減させることができる。そして、例えば界磁強め状態では、電動機のトルク定数(つまり、トルク/相電流)を相対的に高い値に設定することができ、電動機運転時の電流損失を低減すること無しに、または、固定子巻線への通電を制御するインバータの出力電流の最大値を変更すること無しに、電動機が出力する最大トルク値を増大させることができ、電動機の運転効率の最大値を増大させることができる。
しかも、外周側永久磁石と内周側永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される状態、つまり強め界磁の状態で、互いの同極の磁極同士が対向するように、つまり互いに反発し合うように配置される各第1永久磁石および第2永久磁石を各外周側回転子および内周側回転子に備えることで、この強め界磁状態から弱め界磁状態へと外周側回転子と内外周側回転子との間の相対的な位相を回動手段によって変更する際に要するトルクを低減することができる。これにより、電動機の誘起電圧定数を変更する際に回動手段において消費されるエネルギーが増大してしまうことを防止し、電動機の運転効率を向上させることができると共に、回動手段が大型化してしまったり、構成が複雑化してしまうことを防止することができる。
また、請求項2に記載の発明の電動機は、周方向に沿って配置された内周側永久磁石(例えば、実施の形態での内周側永久磁石11a)を具備する内周側回転子(例えば、実施の形態での内周側回転子11)および周方向に沿って配置された外周側永久磁石(例えば、実施の形態での外周側永久磁石12a)を具備する外周側回転子(例えば、実施の形態での外周側回転子12)の互いの回転軸が同軸に配置され、少なくとも前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方を前記回転軸周りに回動させることによって前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な位相を変更可能な回動手段(例えば、実施の形態での位相制御装置15)を備える電動機であって、前記外周側回転子と一体に固定された第1永久磁石(例えば、実施の形態での外周側バイアス永久磁石32a、羽根側バイアス永久磁石81a,81b)と、前記内周側回転子と一体に固定された第2永久磁石(例えば、実施の形態での内周側バイアス永久磁石31a、突出側バイアス永久磁石82b,82a)とを備え、前記外周側永久磁石と前記内周側永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される状態で、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、互いの異極の磁極同士が前記回動手段の回動方向に沿った方向で対向するように配置されていることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、回動手段によって外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を変更可能とすることで、例えば外周側永久磁石による界磁磁束が固定子巻線を鎖交する鎖交磁束量を、内周側永久磁石による界磁磁束によって効率よく増大あるいは低減させることができる。そして、例えば界磁強め状態では、電動機のトルク定数(つまり、トルク/相電流)を相対的に高い値に設定することができ、電動機運転時の電流損失を低減すること無しに、または、固定子巻線への通電を制御するインバータの出力電流の最大値を変更すること無しに、電動機が出力する最大トルク値を増大させることができ、電動機の運転効率の最大値を増大させることができる。
しかも、外周側永久磁石と内周側永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される状態、つまり強め界磁の状態で、互いの異極の磁極同士が回動手段の回動方向に沿った方向で対向するように、つまり互いに吸引し合うように配置される各第1永久磁石および第2永久磁石を各外周側回転子および内周側回転子に備えることで、この強め界磁状態から弱め界磁状態へと外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を回動手段によって変更する際に要するトルクを低減することができる。これにより、電動機の誘起電圧定数を変更する際に回動手段において消費されるエネルギーが増大してしまうことを防止し、電動機の運転効率を向上させることができると共に、回動手段が大型化してしまったり、構成が複雑化してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項3に記載の発明の電動機では、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、前記外周側回転子および前記内周側回転子の径方向で対向配置されていることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、外周側永久磁石と内周側永久磁石との強め界磁状態において、径方向で対向配置された第1永久磁石と第2永久磁石との同極の磁極同士が対向するように、あるいは、径方向で対向配置された複数対の第1永久磁石および第2永久磁石が周方向に沿って配置された際に、回動手段の略回動方向に沿った方向で第1永久磁石と第2永久磁石との互いの異極の磁極同士が隣り合うように配置されることで、外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を強め界磁状態から弱め界磁状態へと回動手段によって変更する際に要するトルクを低減することができる。
さらに、請求項4に記載の発明の電動機では、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、前記外周側回転子および前記内周側回転子の軸方向で対向配置されていることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、外周側永久磁石と内周側永久磁石との強め界磁状態において、軸方向で対向配置された第1永久磁石と第2永久磁石との同極の磁極同士が対向するように、あるいは、軸方向で対向配置された複数対の第1永久磁石および第2永久磁石が周方向に沿って配置された際に、回動手段の略回動方向に沿った方向で第1永久磁石と第2永久磁石との互いの異極の磁極同士が隣り合うように配置されることで、外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を強め界磁状態から弱め界磁状態へと回動手段によって変更する際に要するトルクを低減することができる。
さらに、請求項5に記載の発明の電動機では、前記回動手段は、前記外周側回転子に対して一体回転可能に設けられた第1部材(例えば、実施の形態でのベーンロータ52)と、前記内周側回転子に対して一体回転可能に設けられると共に、前記第1部材とで圧力室(例えば、実施の形態での第1圧力室76、第2圧力室77)を前記内周側回転子の内側に形成する第2部材(例えば、実施の形態でのハウジング53)とを有し、前記圧力室への作動流体の供給で前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な位相を変更可能であり、前記第1部材は前記第1永久磁石を具備し、前記第2部材は前記第2永久磁石を具備することを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、回動手段は、外周側回転子に対して一体回転可能に設けられた第1部材と、内周側回転子に対して一体回転可能に設けられた第2部材とで内周側回転子の内側に形成された圧力室に作動流体を供給することによって、外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を変更するものであるため、外周側永久磁石と内外周側永久磁石との強め界磁状態において、第1部材の第1永久磁石と第2部材の第2永久磁石との同極の磁極同士が対向するように、あるいは、回動手段の略回動方向に沿った方向で第1永久磁石と第2永久磁石との互いの異極の磁極同士が隣り合うように配置されることで、外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を強め界磁状態から弱め界磁状態へと回動手段によって変更する際に要するトルクを低減することができる。
さらに、請求項6に記載の発明の電動機では、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、固定子巻線を鎖交する前記外周側永久磁石および前記内周側永久磁石の界磁磁束に対して前記第1永久磁石および前記第2永久磁石の各磁束が干渉する干渉量が所定値未満となる位置に配置されていることを特徴としている。
上記構成の電動機によれば、固定子巻線を鎖交する外周側永久磁石および内周側永久磁石の界磁磁束に対して第1永久磁石および第2永久磁石の各磁束が干渉する干渉量が所定値未満となるように設定することで、電動機の運転可能な回転数範囲およびトルク範囲が縮小してしまうことを防止し、所望の運転性能を確保することができる。
請求項1または請求項2に記載の発明の電動機によれば、電動機の誘起電圧定数を変更する際に回動手段において消費されるエネルギーが増大してしまうことを防止し、電動機の運転効率を向上させることができると共に、回動手段が大型化してしまったり、構成が複雑化してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項3または請求項4に記載の発明の電動機によれば、第1永久磁石と第2永久磁石との間の反発力または吸引力により、外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を強め界磁状態から弱め界磁状態へと回動手段によって変更する際に要するトルクを低減することができる。
さらに、請求項5に記載の発明の電動機によれば、圧力室への作動流体の供給量を制御することで内周側回転子と外周側回転子との間の相対的な位相を所望の位相に設定可能な回動手段において、圧力室を形成する各第1部材および第2部材に具備される各第1永久磁石と第2永久磁石との間の反発力または吸引力により、外周側回転子と内周側回転子との間の相対的な位相を強め界磁状態から弱め界磁状態へと変更する際に要するトルクを低減することができる。
さらに、請求項6に記載の発明の電動機によれば、、固定子巻線を鎖交する外周側永久磁石および内周側永久磁石の界磁磁束に対して第1永久磁石および第2永久磁石の各磁束が干渉する干渉量が所定値未満となるように設定することで、電動機の運転可能な回転数範囲およびトルク範囲が縮小してしまうことを防止し、所望の運転性能を確保することができる。
以下、本発明の電動機の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による電動機10は、例えば図1に示すように、周方向に沿って配置された各永久磁石11a,12aを具備する略円環状の各内周側回転子11および外周側回転子12と、内周側回転子11および外周側回転子12を回転させる回転磁界を発生する複数相の固定子巻線13aを有する固定子13と、内周側回転子11および外周側回転子12に接続され、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相を制御する位相制御装置15とを備えたブラシレスDCモータであって、例えばハイブリッド車両や電動車両等の車両に駆動源として搭載され、この電動機10の出力軸はトランスミッション(図示略)の入力軸に接続され、電動機10の駆動力がトランスミッションを介して車両の駆動輪(図示略)に伝達されるようになっている。
なお、車両の減速時に駆動輪側から電動機10に駆動力が伝達されると、電動機10は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、例えばハイブリッド車両において、この電動機10の出力軸Oが内燃機関(図示略)のクランクシャフトに連結されている状態では、内燃機関の出力が電動機10に伝達された場合にも電動機10は発電機として機能して発電エネルギーを発生可能である。
内周側回転子11および外周側回転子12は、互いの回転軸が電動機10の出力軸Oと同軸となるように配置され、略円筒状の各ロータ鉄心21,22の周方向に所定間隔をおいて設けられた各複数の内周側磁石装着部23,…,23および外周側磁石装着部24,…,24には各永久磁石11a,…,11aおよび12a,…,12aが装着されている。
そして、内周側回転子11の各磁石装着部23,…,23と外周側回転子12の各磁石装着部24,…,24とは、各回転子11,12の径方向で互いに対向配置可能となるように配置されている。
これにより、内周側回転子11と外周側回転子12との出力軸O周りの相対位置に応じて、電動機10の状態を、内周側回転子11の内周側永久磁石11aと外周側回転子12の外周側永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置(つまり、内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとが対極配置)される弱め界磁状態から、内周側回転子11の内周側永久磁石11aと外周側回転子12の外周側永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置(つまり、内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとが同極配置)される強め界磁状態に亘る適宜の状態に設定可能とされている。
さらに、各回転子11,12において、例えば出力軸Oに平行な方向(軸方向)に沿って各ロータ鉄心21,22からずれた位置には、各回転子11、12と一体に固定された各バイアス永久磁石装着部31,32が設けられ、各バイアス永久磁石装着部31,32には、各バイアス永久磁石31a,32aが装着されている。
そして、内周側バイアス永久磁石装着部31と、外周側バイアス永久磁石装着部32とは、例えば各回転子11,12の径方向で互いに対向配置可能となるように配置されている。
さらに、内周側回転子11の内周側永久磁石11aと外周側回転子12の外周側永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置(つまり、内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとが同極配置)される強め界磁状態において、内周側バイアス永久磁石装着部31の内周側バイアス永久磁石31aと、外周側バイアス永久磁石装着部32の外周側バイアス永久磁石32aとは、互いの同極の磁極同士が径方向で対向するように、つまり互いに反発し合うように設定されている。
また、内周側回転子11の内周側永久磁石11aと外周側回転子12の外周側永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置(つまり、内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとが対極配置)される弱め界磁状態において、内周側バイアス永久磁石装着部31の内周側バイアス永久磁石31aと、外周側バイアス永久磁石装着部32の外周側バイアス永久磁石32aとは、互いの異極の磁極同士が径方向で対向するように、つまり互いに吸引し合うように設定されている。
例えば図2に示すように、各バイアス永久磁石31a,32a間に作用する相対トルクαは、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相を位相制御装置15によって変更する際に要するトルク(つまり内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対トルクβ)を打ち消すように設定されている。
これにより、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相を位相制御装置15によって変更することで内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとを強め界磁状態から弱め界磁状態へと移行させる際に要するトルクは、各バイアス永久磁石31a,32aを備える場合には、相対トルクαと相対トルクβとを合成して得た合成トルクγとなり、例えば各バイアス永久磁石31a,32aを備えない場合に比べて、より小さな値となる。
なお、各バイアス永久磁石31a,32aが装着される各バイアス永久磁石装着部31,32は、固定子13の固定子巻線13aを鎖交する内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aの界磁磁束に対して各バイアス永久磁石31a,32aの各磁束が干渉する干渉量が所定値未満となる位置に配置されている。
また、内周側回転子11と外周側回転子12との間に作用する相対トルクの大きさは、例えば図3に示すように、外周側回転子12の外周側ロータ鉄心22の径方向厚さDに応じて変化し、例えば径方向厚さDが増大することに伴い、相対トルクの大きさが増大傾向に変化するようになっている。
なお、固定子13は、外周側回転子12の外周部に対向配置される略円筒状に形成され、例えば車両のトランスミッションのハウジング(図示略)等に固定されている。
また、位相制御装置15は、例えば内周側回転子11の内周側の中空部に配置され、電動あるいは油圧駆動等によって、少なくとも内周側回転子11および外周側回転子12の何れか一方を回転軸O周りに回動させることによって内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相を変更するアクチュエータを備えている。
上述したように、本実施の形態による電動機10によれば、内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置される強め界磁の状態で、互いの同極の磁極同士が対向するように、つまり互いに反発し合うように配置される各バイアス永久磁石31a,32aを各回転子11,12に備えることで、この強め界磁状態から弱め界磁状態へと外周側回転子12と内外周側回転子11との間の相対的な位相を位相制御装置15によって変更する際に要するトルクを低減することができる。これにより、電動機10の誘起電圧定数を変更する際に位相制御装置15において消費されるエネルギーが増大してしまうことを防止し、電動機10の運転効率を向上させることができると共に、位相制御装置15が大型化してしまったり、構成が複雑化してしまうことを防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、内周側バイアス永久磁石装着部31と、外周側バイアス永久磁石装着部32とは、各回転子11,12の径方向で互いに対向配置可能となるように配置されるとしたが、これに限定されず、例えば図4に示すように、内周側バイアス永久磁石装着部31と、外周側バイアス永久磁石装着部32とは、各回転子11,12の軸方向で互いに対向配置可能となるように配置されてもよい。
この第1変形例において、内周側回転子11の内周側永久磁石11aと外周側回転子12の外周側永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態において、内周側バイアス永久磁石装着部31の内周側バイアス永久磁石31aと、外周側バイアス永久磁石装着部32の外周側バイアス永久磁石32aとは、互いの同極の磁極同士が軸方向で対向するように、つまり互いに反発し合うように設定される。
また、内周側回転子11の内周側永久磁石11aと外周側回転子12の外周側永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態において、内周側バイアス永久磁石装着部31の内周側バイアス永久磁石31aと、外周側バイアス永久磁石装着部32の外周側バイアス永久磁石32aとは、互いの異極の磁極同士が軸方向で対向するように、つまり互いに吸引し合うように設定される。
また、内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態において、内周側バイアス永久磁石31aと外周側バイアス永久磁石32aとの互いの異極の磁極同士が、位相制御装置15による内周側回転子11または外周側回転子12の回動方向に沿った方向で対向するように配置されてもよい。
以下に、上述した実施の形態の第2変形例に係る電動機10として、油圧駆動によって内側回転子11または外周側回転子12を回転軸O周りに回動させる位相制御装置15を備える電動機10について説明する。
この第2変形例に係る電動機10において、内周側回転子11は、その回転軸線が電動機10の回転軸線と同軸となるように配置されるもので、図5に示すように、略円筒状の内周側ロータ鉄心41を有しており、この内周側ロータ鉄心41には、その外周側の部分に周方向に所定の等ピッチで複数(具体的には16箇所)の内周側磁石装着部43,…,43が設けられている。また、内周側ロータ鉄心41の外周面41A上には、周方向で隣り合う内周側磁石装着部43,43のすべての間位置に、回転軸線に平行に伸びる凹溝41aが半径方向に凹むように形成されている。この内周側ロータ鉄心41は、例えば焼結等により形成される。
各内周側磁石装着部43,…,43は、内周側ロータ鉄心41を回転軸線に平行に貫通する一対の磁石装着孔43a,43aをそれぞれ備えている。一対の磁石装着孔43a,43aは回転軸線に平行な方向に対する断面が略長方形状に形成されており、互いにセンターリブ43bを介して周方向で隣り合うように同一平面内に配置されている。なお、この平面はセンターリブ43bと回転軸線とを結んだ半径線に対し直交する。各磁石装着孔43a,43aには回転軸線に平行に伸びる略板状の内周側永久磁石11aがそれぞれ装着されている。
磁石装着孔43a,…,43aにそれぞれ装着される内周側永久磁石11aは、すべて厚さ方向(つまり各回転子11,12の径方向)に同様に磁化されており、同一の内周側磁石装着部43に設けられた一対の磁石装着孔43a,43aに装着される一対の内周側永久磁石11a,11aは、互いに磁化方向が同方向となるように設定されている。そして、すべての内周側磁石装着部43,…,43において、周方向で隣り合う内周側磁石装着部43,43同士は、一方に装着される一対の内周側永久磁石11a,11aおよび他方に装着される一対の内周側永久磁石11a,11aが、互いに磁化方向が異方向となるように設定される。すなわち外周側がN極とされた一対の内周側永久磁石11a,11aが装着された内周側磁石装着部23には、外周側がS極とされた一対の内周側永久磁石11a,11aが装着された内周側磁石装着部43が、凹溝41aを介して周方向で隣接するようになっている。
以上により、内周側回転子11は、周方向に沿って配置された複数の永久磁石11a,…,11aを具備している。
外周側回転子12も、回転軸線が電動機10の回転軸線と同軸となるように配置されるもので、略円筒状の外周側ロータ鉄心42を有しており、この外周側ロータ鉄心42には、その外周側の部分に周方向に所定の等ピッチで、上記した内周側磁石装着部43,…,43と同数の外周側磁石装着部44,…,44が設けられている。また、外周側ロータ鉄心42の外周面42A上には、周方向で隣り合う外周側磁石装着部44,44のすべての間位置に、回転軸線に平行に伸びる凹溝42aが半径方向に凹むように形成されている。
さらに、外周側ロータ鉄心22の各凹溝42a,…,42aの各内径側つまり外周側磁石装着部44,…,44の隣り合うもの同士の各間位置には、各ボルト挿入穴が軸線方向に沿って貫通形成されている。この外周側ロータ鉄心42も、例えば焼結等により形成される。
各外周側磁石装着部44,…,44は、回転軸線に平行に貫通する一対の磁石装着孔44a,44aをそれぞれ備えている。一対の磁石装着孔44a,44aは回転軸線に平行な方向に対する断面が略長方形状に形成されており、互いにセンターリブ44bを介して周方向で隣り合うように同一平面内に配置されている。なお、この平面はセンターリブ44bと回転軸線とを結んだ半径線に対し直交する。各磁石装着孔44a,44aには回転軸線に平行に伸びる略板状の外周側永久磁石12aがそれぞれ装着されている。
各磁石装着孔44a,…,44aにそれぞれ装着される外周側永久磁石12aは、すべて厚さ方向(つまり各回転子11,12の径方向)に同様に磁化されており、同一の外周側磁石装着部44に設けられた一対の磁石装着孔44a,44aに装着される一対の外周側永久磁石12a,12aは、互いに磁化方向が同方向となるように設定されている。そして、すべての外周側磁石装着部44,…,44において、周方向で隣り合う外周側磁石装着部44,44同士は、一方に装着される一対の外周側永久磁石12a,12aおよび他方に装着される一対の外周側永久磁石12a,12aが、互いに磁化方向が異方向となるように設定される。すなわち外周側がN極とされた一対の外周側永久磁石12a,12aが装着された外周側磁石装着部44には、外周側がS極とされた一対の外周側永久磁石12a,12aが装着された外周側磁石装着部44が、凹溝42aを介して周方向で隣接するようになっている。
以上により、外周側回転子12も、周方向に沿って配置された複数の外周側永久磁石12a,…,12aを具備している。
そして、内周側回転子11の各内周側磁石装着部43,…,43と外周側回転子12の各外周側磁石装着部44,…,44とは、各回転子11,12の径方向で互いに対向配置可能となるように配置されている。この対向配置状態のとき、すべての一対の内周側永久磁石11a,11aが、いずれか対応する一対の外周側永久磁石12a,12aと一対一で回転方向の位相を合わせる状態となる。また、内周側回転子11の各凹溝41a,…,41aと外周側回転子12の各凹溝42a,…,42aとについても、すべての凹溝41a,…,41aが、いずれか対応する凹溝42aと一対一で回転方向の位相を合わせる状態となる。
これにより、内周側回転子11と外周側回転子12との回転軸線周りの相対位置に応じて、電動機10の状態を、内周側回転子11のすべての内周側永久磁石11a,…,11aと外周側回転子12のすべての外周側永久磁石12a,…,12aとにおいて、対をなす内周側永久磁石11a,11aと対をなす外周側永久磁石12a,12aとの同極の磁極同士が対向配置(つまり、対をなす内周側永久磁石11a,11aと対をなす外周側永久磁石12a,12aとが対極配置)されて界磁が最も弱められる弱め界磁状態から、対をなす内周側永久磁石11a,11aと対をなす外周側永久磁石12a,12aとの異極の磁極同士が対向配置(つまり、対をなす内周側永久磁石11a,11aと対をなす外周側永久磁石12a,12aとが同極配置)されて界磁が最も強められる強め界磁状態に亘る適宜の状態に設定可能とされている。
この変形例での位相制御装置15は、外周側回転子12の軸線方向両側に外周側回転子12の内側の空間を覆うように固定される円板状の一対のドライブプレート(図示略)と、これらドライブプレートで挟持されることで外周側回転子12の内側に一体に設けられるベーンロータ52と、内周側回転子11の内側に一体に固定されてこの内周側回転子11とともにベーンロータ52、外周側回転子12およびドライブプレートの間に配置されるハウジング53とを有している。ベーンロータ52およびハウジング53は、例えば焼結等により形成される。
ベーンロータ52は、円筒状のボス部55と、このボス部55の外周面における円周方向の等間隔位置から半径方向外側に延出する複数の羽根部56,…,56とを有している。
ボス部55の軸線方向両側は、羽根部56,…,56と同じ軸線方向長さの挟持ベース部57が外周側に、この挟持ベース部57よりも軸線方向内側に段差状に凹む段差部58が内周側に形成された形状をなしている。ボス部55の内径側には、その軸線方向中間位置に連結用スプラインが形成されており、連結用スプラインよりも軸線方向一側に各羽根部56,…,56の位置の内周側から最も近い羽根部56の基端の回転方向における同じ一側にそれぞれ貫通する通路穴55c,…,55cが形成され、連結用スプラインよりも軸線方向逆側に、各羽根部56,…,56の位置の内周側から最も近い羽根部56の基端の回転方向における同じ逆側にそれぞれ貫通する通路穴55d,…,55dが形成されている。
各羽根部56,…56は、略板状をなしており、中間位置に軸線方向に貫通するネジ穴56aがそれぞれ形成されている。また、円周方向の両側面には、それぞれ、ネジ穴56aの形成位置よりも外周側に一対の凹状部56b,56bが軸線方向の全長に亘って形成されており、ネジ穴56aの形成位置よりも内側にも凹状部56c,56cが軸線方向の全長に亘って形成されている。さらに、各羽根部56,…56のそれぞれの外周面には、外周面から中心側に向けて凹むシール保持溝56dが軸線方向の全長に亘って形成されている。これらシール保持部56d,…,56dには、ハウジング53との隙間をシールするスプリングシール64がそれぞれ配置される。各スプリングシール64,…,64は、外側に設けられてハウジング53に摺接するシール64aと、内側に設けられてシール64aを半径方向外方のハウジング53側に押圧するスプリング64bとで構成されている。
内周側回転子11の内側に所定の位相関係となるように一体に嵌合されるハウジング53は、径方向厚さの薄い円筒状のベース部66と、このベース部66の内周面における円周方向の等間隔位置から半径方向内側に突出する、羽根部56と同数の突出部67,…,67とを有している。ここで、ベース部66は、突出部67よりも軸線方向両側に全周にわたって突出している。各突出部67,…,67は、それぞれ、軸線方向視で先細の略二等辺三角形状をなしており、すべての突出部67,…,67において、円周方向に隣り合う突出部67,67同士の各間に上記したベーンロータ52の羽根部56を配置可能な凹部68が形成される。各突出部67,…,67には、それぞれの内端面に、外径側に向けて凹むシール保持溝67bが軸線方向の全長に亘って形成されている。これらシール保持部67b,…,67bには、ベーンロータ52のボス部55の外周面との隙間をシールするスプリングシール70がそれぞれ配置される。
これらのスプリングシール70,…,70は、内周側に設けられてベーンロータ52のボス部55に摺接するシール70aと、外径側に設けられてシール70aをベーンロータ52側に押圧するシールスプリング70bとで構成されている。なお、ハウジング53を内周側回転子11にボルト等の締結で一体に連結しても良い。
そして、ハウジング53には、外周面53Aに、周方向に沿って延在し、しかも延在方向先端側ほど軸線方向一側に徐々に変位するように螺旋状をなす流路形成溝53aが形成されている。この流路形成溝53aは、ハウジング53の軸線方向一側の端面53Bから形成され、ハウジング53の外周面53Aを複数回回って軸線方向他側の端面53Bまで形成されている。また、ハウジング53には、すべての凹部68,…,68のそれぞれの半径方向外側の底壁面68aの円周方向の中央位置に、半径方向に沿って貫通し流路形成溝53aに連通する貫通穴53bが穿設されている。なお、各貫通穴53b,…,53bは、螺旋状の流路形成溝53aに連通することからハウジング53の軸線方向における位置はそれぞれ異なっている。このハウジング53が内周側回転子11の内側に嵌合されると、流路形成溝53aと内周側回転子11の内周面11Aとで、各貫通穴53b,…,53bに連通する螺旋状の流路71が形成されることになる。この流路71は、内周側回転子11とハウジング53との間に形成されることになり、ハウジング53の周方向に延びる螺旋状をなし、両端部がそれぞれ内周側回転子11のハウジング53の軸線方向の端面53Bで開口している。
ハウジング53と一体とされた内周側回転子11が、外周側回転子12の内側且つベーンロータ52の外側であってドライブプレートの間の空間78に設けられることになり、ドライブプレートの環状溝に入り込むベース部66の軸線方向両側部分で回転可能に保持されることになる。さらに、ハウジング53の凹部68,…,68それぞれに一枚ずつベーンロータ52の羽根部56が配置される。また、ベーンロータ52にスプライン結合される出力軸Oは、外周側回転子12、ドライブプレートおよびベーンロータ52と一体回転可能となり、具体的には一体に固定される。なお、一体に設けられた外周側回転子12およびドライブプレートに対して回動可能となることから、内周側回転子11の軸線方向の両端面は、対向するドライブプレートとの間に隙間を形成可能であり、また、外周面4 1Aも外周側回転子12との間に若干のギャップを有している。
さらに、例えば各羽根部56の周方向両端部には、羽根側バイアス永久磁石81a,81bが設けられ、例えば各突出部67の周方向両端部には、突出側バイアス永久磁石82a,82bが設けられ、周方向で隣り合う羽根部56および突出部67の各羽根側バイアス永久磁石81a,81bと突出側バイアス永久磁石82b,82aとは、周方向で対向するように配置されている。
ここで、外周側回転子12の外周側永久磁石12a,…,12aと内周側回転子11の内周側永久磁石11a,…,11aとが異極同士を対向させる強め界磁状態のとき、すべての羽根車56,…,56がそれぞれ対応する凹部68内で回転方向における同じ一側に隣り合う突出部67に当接することになり、当接する突出部67との間に第1圧力室76を形成するとともに、それぞれが回転方向における同じ逆側に隣り合う突出部67との間に第1圧力室76よりも広い第2圧力室77を形成することになる(言い換えれば、凹部68,…,68および凹部68,…,68に収容される羽根車56,…,56で第1圧力室76,…,76および第2圧力室77,…,77が形成される)。その結果、これらの第1圧力室76,…,76および第2圧力室77,…,77は、内周側回転子11の内側に画成される。
逆に、外周側回転子12の外周側永久磁石12a,…,12aと内周側回転子11の内周側永久磁石11a,…,11aとが同極同士を対向させる弱め界磁状態のとき、すべての羽根車56,…,56がそれぞれ対応する凹部48内で回転方向における同じ上記逆側に隣り合う突出部67に当接して第2圧力室77を縮小することになり、それぞれが回転方向における同じ上記一側に隣り合う突出部67との間の第1圧力室76を拡大することになる。なお、各第1圧力室76,…,76にベーンロータ52の各通路穴55c,…,55cが一対一で常時開口するように設けられ、各第2圧力室77,…,77にベーンロータ52の各通路穴55d,…,55dが一対一で常時開口するように設けられている。
さらに、第1圧力室76を介して対向する羽根側バイアス永久磁石81aと突出側バイアス永久磁石82bとは、互いの異極の磁極同士が周方向で対向するように、つまり互いに吸引し合うように配置され、第2圧力室77を介して対向する羽根側バイアス永久磁石81bと突出側バイアス永久磁石82aとは、互いの同極の磁極同士が周方向で対向するように、つまり互いに反発し合うように配置されている。
これにより、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相を位相制御装置15によって変更することで内周側永久磁石11aと外周側永久磁石12aとを強め界磁状態から弱め界磁状態へと移行させる際に要するトルクは、例えば各バイアス永久磁石81a,81b,82a,82bを備えない場合に比べて、より小さな値となる。
なお、ハウジング53に形成された各貫通穴53b,…,53bは、羽根車56の位置によって第1圧力室76に開口する状態と第2圧力室77に開口する状態とに切り換えられることになり、第1圧力室76に開口する状態では第1圧力室76からハウジング53の外周面53A側に貫通し、しかもすべての第1圧力室76,…,76それぞれに対し形成された状態となる。また、各貫通穴53b,…,53bは、第2圧力室77に開口する状態では第2圧力室77からハウジング53の外周面53A側に貫通し、しかもすべての第2圧力室77,…,77それぞれに対し形成された状態となる。
ここで、外周側回転子12および内周側回転子11は、外周側永久磁石12a,…,12aおよび内周側永久磁石11a,…,11aが互いに異なる極性で対向し吸引し合う強め界磁の位置を、第1圧力室76,…,76および第2圧力室77,…,77が実質的に作動油圧を受けないときの原点位置に設定している。なお、第1圧力室76,…,76および第2圧力室77,…,77は作動油圧を受けない状態でも作動油で満たされている。そして、この原点位置にある状態から、各第1圧力室76,…,76に各通路穴55c,…,55cを介して作動油を導入する(つまり第1圧力室76,…,76に作動油圧を導入する)と同時に各第2圧力室77,…,77から各通路穴55d,…,55dを介して作動油を排出させると、外周側回転子12および内周側回転子11は、磁力に反して相対回転し、弱め界磁状態となる。逆に、各第2圧力室77,…,77に各通路穴55d,…,55dを介して作動油を導入すると同時に各第1圧力室76,…,76から各通路穴55c,…,55cを介して作動油を排出させると、外周側回転子12および内周側回転子11は、原点位置に戻って強め界磁状態となるが、このときは、外周側回転子12の外周側永久磁石12a,…,12aと内周側回転子11の内周側永久磁石11a,…,11aとが磁力で吸引し合うことになるため、各第2圧力室77,…,77に導入する作動油の圧力は、弱め界磁状態に位相変更する場合に必要な圧力よりも低くて済み、場合によっては油圧を導入しなくても作動油の給排のみで済む。
ここで、電動機10は、内周側回転子11が、外周側回転子12に対して外周側永久磁石12a,…,12aおよび内周側永久磁石11a,…,11aを互いに同じ極性を対向させた弱め状態から原点位置に戻る際の回転方向と、減速回転時に生じる慣性モーメントの方向とを一致させている。つまり、電動機10は、車両の前進走行時に外周側回転子12および内周側回転子11を、例えば図5に示す時計回り方向に回転させるように設定されており、例えば図5に示す弱め界磁状態から外周側回転子12が減速するとフローティング状態にある内周側回転子11に強め界磁状態に戻ろうとする慣性モーメントが生じるのである。
ここで、作動油が非圧縮性であることから、上記のような強め界磁状態および弱め界磁状態の両限界端への位相の変更は勿論、これら両限界端の間の中間位置であっても、図示略の油圧制御装置が、例えば、図示略の開閉弁の遮断ですべての第1圧力室76,…,76および第2圧力室77,…,77からの作動油の給排を停止させることで、外周側回転子12および内周側回転子11はその時点での位相関係を維持することになり、任意の界磁状態で位相変更を停止させることができる。
以上により、上記したベーンロータ52は、外周側回転子12に対して一体に固定されて一体回転可能となり、内周側回転子11の内側に配置されることになる。しかも、ベーンロータ52は、外周側回転子12および内周側回転子11の軸線方向の両端面を覆うように外周側回転子12に固定されたドライブプレートを介して外周側回転子12に一体に固定され、外周側回転子12の駆動力を出力する出力軸16にも一体に設けられている。また、上記したハウジング53は、内周側回転子11に対して一体に嵌合されて一体回転可能となり、その凹部68がベーンロータ52とで第1圧力室76および第2圧力室77を内周側回転子11の内側に画成する。さらに、これら第1圧力室76および第2圧力室77への作動油の給排つまり作動油圧の導入制御で、ハウジング53に対するベーンロータ52の相対的な位相を変更し、その結果、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相を変更することになる。ここで、内周側回転子11と外周側回転子12との間の相対的な位相は、少なくとも電気角の180°だけ進角側または遅角側に変化可能となり、電動機10の状態は、内周側回転子11の内周側永久磁石11aと外周側回転子12の外周側永久磁石12aとの同極の磁極同士が対向配置される弱め界磁状態と、内周側回転子11の内周側永久磁石11aと外周側回転子12の外周側永久磁石12aとの異極の磁極同士が対向配置される強め界磁状態との間の適宜の状態に設定可能となる。
加えて、外周側回転子12の駆動力を出力軸16に伝達するドライブプレートが外周側回転子12およびベーンロータ52の軸線方向両端面にそれぞれ固定されることで包囲されるこれら外周側回転子12、ベーンロータ52および両ドライブプレートの間の空間78に、一体とされた内周側回転子11およびハウジング53が、周方向に回転可能に配置されている。なお、内周側回転子11およびハウジング53の一体品は、空間78内にフローティング状態で回転自在に設けられている(つまり、ドライブプレートおよび出力軸Oには固定されていない)。
本発明の一実施形態に係る電動機の構成を模式的に示す図である。 各バイアス永久磁石間に作用する相対トルクと、内周側回転子と外周側回転子との間の相対トルクとの一例を示すグラフ図である。 外周側回転子の外周側ロータ鉄心の径方向厚さDに応じた、内周側回転子と外周側回転子との間に作用する相対トルクの大きさの変化の一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態の第1変形例に係る電動機の構成を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態の第2変形例に係る電動機の内周側回転子および外周側回転子と固定子と位相制御装置とを示す要部断面図である。
符号の説明
10 電動機
11 内周側回転子
11a 内周側永久磁石
12 外周側回転子
12a 外周側永久磁石
15 位相制御装置(回動手段)
31a 内周側バイアス永久磁石(第2永久磁石)
32a 外周側バイアス永久磁石(第1永久磁石)
52 ベーンロータ(第1部材)
53 ハウジング(第2部材)
76 第1圧力室(圧力室)
77 第2圧力室(圧力室)
81a,81b 羽根側バイアス永久磁石(第1永久磁石)
82b,82a 突出側バイアス永久磁石(第2永久磁石)

Claims (6)

  1. 周方向に沿って配置された内周側永久磁石を具備する内周側回転子および周方向に沿って配置された外周側永久磁石を具備する外周側回転子の互いの回転軸が同軸に配置され、少なくとも前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方を前記回転軸周りに回動させることによって前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な位相を変更可能な回動手段を備える電動機であって、
    前記外周側回転子と一体に固定された第1永久磁石と、前記内周側回転子と一体に固定された第2永久磁石とを備え、
    前記外周側永久磁石と前記内周側永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される状態で、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、互いの同極の磁極同士が対向するように配置されていることを特徴とする電動機。
  2. 周方向に沿って配置された内周側永久磁石を具備する内周側回転子および周方向に沿って配置された外周側永久磁石を具備する外周側回転子の互いの回転軸が同軸に配置され、少なくとも前記内周側回転子および前記外周側回転子の何れか一方を前記回転軸周りに回動させることによって前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な位相を変更可能な回動手段を備える電動機であって、
    前記外周側回転子と一体に固定された第1永久磁石と、前記内周側回転子と一体に固定された第2永久磁石とを備え、
    前記外周側永久磁石と前記内周側永久磁石との異極の磁極同士が対向配置される状態で、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、互いの異極の磁極同士が前記回動手段の回動方向に沿った方向で対向するように配置されていることを特徴とする電動機。
  3. 前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、前記外周側回転子および前記内周側回転子の径方向で対向配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機。
  4. 前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、前記外周側回転子および前記内周側回転子の軸方向で対向配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機。
  5. 前記回動手段は、前記外周側回転子に対して一体回転可能に設けられた第1部材と、前記内周側回転子に対して一体回転可能に設けられると共に、前記第1部材とで圧力室を前記内周側回転子の内側に形成する第2部材とを有し、前記圧力室への作動流体の供給で前記内周側回転子と前記外周側回転子との間の相対的な位相を変更可能であり、
    前記第1部材は前記第1永久磁石を具備し、前記第2部材は前記第2永久磁石を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機。
  6. 前記第1永久磁石と前記第2永久磁石とは、固定子巻線を鎖交する前記外周側永久磁石および前記内周側永久磁石の界磁磁束に対して前記第1永久磁石および前記第2永久磁石の各磁束が干渉する干渉量が所定値未満となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかひとつに記載の電動機。

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