JP2007318720A - リーダ用アンテナならびにアンテナ付き物品載置棚およびアンテナ付き物品載置台 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1のアンテナAに給電したときに第1のアンテナAから発生する磁界を受けて第2のアンテナBに発生する誘導電流が第2のアンテナBの有効アンテナパターン要素35、37、39、41、43、46、47、48において第2のアンテナBを共通の電流方向に流れるように、第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれのアンテナパターン31の形状と第1および第2のアンテナA、Bの相互の配置とがそれぞれ選定されている。
【選択図】 図21A
Description
(A)或る程度の面積を有する横長の棚板に複数個のループアンテナを配置するときには、これら複数個のループアンテナを互いにずらして配置した場合でも、多数個のループアンテナと多数個のアンテナ切替手段とが必要である。
(a)一般的に用いられる横長のほぼ長方形状の棚板にほぼ四角形状(ほぼ円形状、ほぼ直線形状などであっても良い。)のループアンテナを設ける場合には、通信不能領域をなくすために、少なくとも3個のループアンテナで構成されたアンテナ群または少なくとも2個のループアンテナで構成されたアンテナ群を複数個(換言すれば、4個以上のループアンテナ)を設ける必要がある。また、これら複数個のループアンテナを切り替えるために、その個数だけのアンテナ切替手段が必要である。
(B)共通の棚板面にループアンテナを3個以上配置する場合には、アンテナ切替手段の設置位置がリーダライタ用アンテナシステムの性能に影響を与えるために、アンテナ切替手段の位置に制約が生じる。
(b)アンテナ切替手段と、共通の棚板面上に配置される複数個のループアンテナのそれぞれとを接続する接続線の長さが、これら複数個のループアンテナごとに異なると、これら複数個のループアンテナごとに通信性能が変わるから、共通の棚板面上に配置される複数個のループアンテナの間で通信性能に差が生じる。特に、横長のほぼ長方形状の棚板面上に多数個のループアンテナを設ける場合には、棚板の左側端部付近のループアンテナと右側端部付近のループアンテナとで上記接続線の長さが極端に異なることなく、上記接続線の長さが互いにほぼ同一になるようにするためには、物品載置棚の背面側に配される背板の間口方向における中間位置にアンテナ切替手段を設ける必要がある。
(C)ループアンテナのそれぞれが電子タグと交差するように鋸形状の凹凸形状をそれぞれ有する2個のループアンテナを一部が互いに重なるように配置しても、アンテナパターン形状およびそれらの重ね合わせ形態によっては、電子タグに対するリーダライタ用アンテナの通信不能領域が存在する。このような問題点は、これら2個のループアンテナに対して時間的に重複しないように給電する給電切替システムを備えている場合でも、解決しない。
(c)通信不能領域は、電子タグのアンテナを通過する磁界が弱まる領域で発生する。磁界が弱まる領域としては、磁界の向きに対して電子タグが平行に位置する場合や、電子タグの両側から逆向きの等しい大きさまたはほぼ等しい大きさの磁界がはたらく場合などが、挙げられる。
(D)単一のループアンテナが線状の導電体を商品管理棚の棚板のアンテナ敷設面内で凹凸部が形成されるように屈曲させることによって構成されている場合には、上記ループアンテナが設けられている棚板上に載置されている電子タグ付きの商品と通信したときに、上記ループアンテナと通信できない電子タグがあるから、実用的な商品管理棚は得られない。(特許文献3には、読み取ることができない電子タグは、棚板上で3cm平行移動することにより読み取ることができたと記載されている。)
(d)電子タグ付き商品の電子タグが商品管理棚の棚板上でループアンテナと通信できない通信不能領域が存在するということは、実際の商品管理上、商品管理棚上に商品が存在するか否かが不明であるから、在庫管理としては利用できない。また、上述のような通信不能領域を避けて商品を置くことは、商品の配置上、非常に不便であって実用に耐えない。
(E)複数個のループアンテナを順次切替えて互いの通信不能領域を補完しあう場合には、この切替えによる読取りのために余分な時間が必要であるとともに、コスト的にも大きな負担になる。
(e)複数個のループアンテナを切替えて互いの通信不能領域を補完しあうことによって、商品管理棚上の全体を通して通信不能領域がない商品管理棚を構成する場合、
(ア)アンテナの切替えそのものに要する時間、
(イ)同一の商品を複数個のループアンテナによって重複して読み取るのに要する時間、
(ウ)複数個のループアンテナのそれぞれによって各電子タグから読みとった商品情報をソフトウエア上で集計するのに要する時間、
などが必要であるから、単一のループアンテナによって読み取る場合に較べて、余分な通信時間が必要である。また、1個のリーダライタによって制御できるループアンテナの総数が決まっているから、1個のリーダライタによって制御できる棚数は、1棚当りのループアンテナ数に対して反比例し、このために、1棚当りのループアンテナ数が増えるほどコストが掛かる。
まず、本発明の第1の実施例を、「(1)物品載置棚の全体的構成」、「(2)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状」、「(3)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状」および「(4)リーダライタ用アンテナへの給電方法」に項分けして、図1〜図16を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施例における物品載置棚1は、図1に示すように、向かって左側の側板2、向かって右側の側板3、背板4、天板5および底板6から構成されたほぼ箱蓋形状(換言すれば、ほぼ直方体形状)を有している。これら左右一対の側板2、3、背板4、天板5および底板6は、ガラス、合成樹脂、木などの適当な材料からそれぞれ構成されることができ、底板6は、最下段の棚板を兼用している。物品載置棚1は、ガラス、合成樹脂などからほぼ透明に構成されているのが好ましい前面板(図示せず)をさらに備えていてもよく、このような前面板は、例えば、左右一対の引き戸構造であってよい。なお、左右一対の側板2、3、背板4、天板5、底板6および前面板の1つまたは複数もしくは全部は金属であってもよく、その表面にリーダライタ用アンテナを形成する場合には、この表面を絶縁層で被覆してから形成すればよい。また、図示の実施例においては、左右一対の側板2、3は底板6から下方に多少突出するように構成され、これら左右一対の突出部によって、左右一対の支持脚7、8がそれぞれ形成されている。
物品18に設けられている電子タグ19と無線通信により交信するためのリーダ用アンテナ15は、図6Cに示すように、第1のアンテナAと第2のアンテナBとから成っている。これら第1および第2のアンテナA、Bは、いずれも、図6Aおよび図6Bに示すように、ほぼループ形状のアンテナパターン31と、このほぼループ形状のアンテナパターン31の両端部にそれぞれ連設されて互いに近接している一対の端子部32a、32bとから成っている。これら一対の端子部32a、32bの間には、隙間33が設けられているので、ほぼループ形状のアンテナパターン31の両端部の間にも、同様に隙間33が存在している。これら一対の端子部32a、32bは、前記ツイストケーブル(図示せず)によって前記マッチング調整器(図示せず)に接続されていてよい。
(ア)各屈曲部44の第1の立上り部46と第2の立上り部47との間隔L4:約150mm(この間隔L4は、第1の屈曲部44の第2の立上り部47と、この第1の屈曲部44の右側に隣接している第2の屈曲部44の第1の立上り部46との間隔(換言すれば、各ベースライン部43の長さ)と実質的に同一であってよい。)、
(イ)各屈曲部44の第1および第2の立上り部46、47のそれぞれの長さL5:約180mm、
(ウ)第1のパターン部分35とベースライン部43との間隔L6:約250mm、および
(エ)第1のパターン部分35と連結部48との間隔L7:約70mm(この数値は、式(L6−L5=L7)からも求めることができる)。
リーダライタ用アンテナ15は、上記(2)項において説明した基本的単位パターン形状Cと実質的に同一のアンテナパターン形状31および/または類似のアンテナパターン形状31をそれぞれ有する第1および第2のアンテナA、Bを組み合わせて配置することによって、構成されている。そして、これら第1および第2のアンテナA、Bについての間口方向xの磁界成分が弱くなるそれぞれの鎖線領域49が互いに重なり合うことなく互い違いに配されるように、第1および第2のアンテナA、Bがそれぞれ配置されている。つぎに、このような配置例を、「(ア)配置例1」、「(イ)配置例2」および「(ウ)配置例3」に項分けして、図6〜図16を参照しつつ説明する。
図6Cに示すリーダライタ用アンテナ15は、図6Aに示す第1のアンテナAと図6Bに示す第2のアンテナBとを組み合わせて配置したものである。図6Aに示す第1のアンテナAは、図4Aに示す基本的単位パターン形状Cと同一のアンテナパターン形状を有しているから、図4Bに示す基本的単位パターン形状Cの斜線領域49と同一の斜線領域49aを有している。また、図6Bに示す第2のアンテナBは、図4Aに示す基本的単位パターン形状C(換言すれば、第1のアンテナA)と実質的に同一であるほぼループ形状のアンテナパターン31を有していて、一対の端子部32a、32bの位置だけが図4Aに示す基本的単位パターン形状C(換言すれば、第1のアンテナA)と異なっているだけである。このために、図6Bに示す第2のアンテナBも、図4Bに示す基本的単位パターン形状Cの斜線領域49(換言すれば、第1のアンテナAの斜線領域49a)と実質的に同一の斜線領域49bを有している。したがって、第1のアンテナAと第2のアンテナBとは、全体として、互いに類似したアンテナパターン形状を有している。
図11に示すリーダライタ用アンテナ15は、図6Aに示す第1のアンテナAと、図6Bに示す第2のアンテナBのほぼループ形状のアンテナパターン31を仮想の中心線45を中心として奥行き方向yにおいて反転させたアンテナ(換言すれば、中心線45を対称軸として第2のアンテナBと線対称であるアンテナ)から成る第2のアンテナBとを、図6Cの場合と同様にして、組み合わせて配置したものである。この第1のアンテナAおよび第2のアンテナBは、図11に示すように、上下方向zに互いに重複する長手状重複部位63〜68を有している。
図14に示すリーダライタ用アンテナ15は、第1のアンテナAの第1のパターン部分35と第2のアンテナBの第1のパターン部分35とが第2のアンテナBのベースライン部43と第1のアンテナAのベースライン部43とに重複する長手状重複部位63〜68(図11参照)が無くなるように、第1のアンテナAと第2のアンテナBとを組み合わせて配置したものである。この場合、第1のアンテナAおよび第2のアンテナBは、図14に示すように、上下方向zに互いに重複する長手状重複部位71〜74を有している。
(a)第1のアンテナAに対する第2のアンテナBのずれの量=0(図15Cの場合)、
(b)第1のアンテナAに対する第2のアンテナBのずれの量<0.5L4(図15Bの場合)、
(c)第1のアンテナAに対する第2のアンテナBのずれの量=0.5L4(図14、図15Aおよび図16Aの場合)、および
(d)第1のアンテナAに対する第2のアンテナBのずれの量>0.5L4(図16Bおよび図16Cの場合)。
第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナに給電した際に、他方のアンテナに発生する誘導電流が一方向(換言すれば、共通の電流方向)のみに流れ易いように、第1および第2のアンテナA、Bを組み合わせて配置した場合には、一方のアンテナのみに給電するだけでリーダライタ用アンテナ15を電子タグ19と良好に交信させることができる。ただし、第1および第2のアンテナA、Bに交互に給電を行うことによって、リーダライタ用アンテナ15をさらに安定した状態で良好に通信させることができる。
本発明においては、棚板6、11〜14に設けられるリーダライタ用アンテナ15を構成する第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれのアンテナパターン31の形状などは、図1〜図16に示す第1の実施例のものに限定されるものではなく、図17〜図24に示す第2の実施例によって例示するように、各種の変更および修正が可能である。したがって、以下において、本発明の第2の実施例を、「(1)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状」、「(2)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状」、「(3)リーダライタ用アンテナへの給電方法」および「(4)リーダライタ用アンテナの動作実験」に項分けして、図17〜図24を参照しつつ説明する。なお、図17〜図24に示す第2の実施例における棚板11は、以下に記載する点を除いて、上述の第1の実施例における棚板11と実質的に同一の構成であってよい。したがって、図17〜図24において、図1〜図16と共通の部分には、同一の符号を付してその説明を必要に応じて省略する。また、以下の記載においては、棚板11についてのみ説明するが、残りの棚板6、12〜14は、棚板11と実質的に同一の構成であってもよいし、同一の構成でなくてもよい。
図18に示すリーダライタ用アンテナ15を構成している第1および第2のアンテナA、Bの基本的な単位パターン形状Cが、図17Aに示されている。この基本的単位パターン形状Cは、図18に示す第1のアンテナAのパターン形状と実質的に同一である。この基本的単位パターン形状Cのアンテナパターン31は、第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aと、第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bとを有している。そして、第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aおよびと第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bは、交差部位81において、上下2箇所で互いに接続されている。なお、これら上下2箇所の接続箇所の間は、適当な絶縁材料から成る絶縁層によって絶縁されていればよい。
リーダライタ用アンテナ15は、上記(1)項において説明した基本的単位パターン形状Cと実質的に同一のアンテナパターン形状31および/または類似のアンテナパターン形状31をそれぞれ有する第1および第2のアンテナA、Bを組み合わせ配置することによって、構成されている。そして、これら第1および第2のアンテナA、Bについての間口方向xの磁界成分の弱くなるそれぞれの鎖線領域49が、互いに重なり合うことなく互い違いに配されるように、第1および第2のアンテナA、Bが、それぞれ配置されている。つぎに、このような配置例を、図18〜図22を参照しつつ説明する。
第2の実施例の場合にも、第1の実施例の場合と同様に、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナのみに給電することができ、また、第1および第2のアンテナA、Bに交互に給電することもできる。
図23は、図1に示す物品18に設けられた電子タグ19と、図21Aに示す棚板11に設けられたリーダライタ用アンテナ15のほぼループ形状のアンテナパターン31と、磁力線101との関係を示している。この図23において、アンテナパターン31は、紙面に対してほぼ垂直に延在している。この図23に示す動作実験において用いられた図2に示す電子タグ19は、横方向の長さL8が85.6mmで縦方向の長さL9が54mmであった。
つぎに、本発明の第3の実施例を、「(1)物品載置棚の全体的構成」、「(2)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状」、「(3)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状」、「(4)リーダライタ用アンテナへの給電方法」および「(5)リーダライタ用アンテナの効果」に項分けして、図25および図26を参照しつつ説明する。なお、図25および図26に示す第3の実施例における棚板11は、以下に記載する点を除いて、既述の第1の実施例における棚板11と実質的に同一の構成であってよい。したがって、図25および図26において、図1〜図16と共通の部分には、同一の符号を付してその説明を必要に応じて省略する。また、以下の記載においては、棚板11についてのみ具体的に説明するが、残りの棚板6、12〜14は、棚板11と実質的に同一の構成であってもよいし、同一の構成でなくてもよい。
本発明の第1の実施例における物品載置棚1の棚板11は、図6C(すなわち、本発明の実施例1の配置例1)の棚板11に較べて、奥行き方向の長さL2に対する間口方向の長さL1が十分に大きくなっている。この点は、棚板11以外の棚板6、12〜14や、天板5についても同様であり、また、背板4も間口方向の長さが同様に大きくなっている。この場合、上記長さL2は、例えば約350mmであってよく、上記長さL1は、例えば1380mmであってよい。
図25に示すリーダライタ用アンテナ15を構成している第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれの基本的な単位パターン形状は、つぎの(a)項〜(f)項に記載の点を除いて、図16Bに示すリーダライタ用アンテナ15を構成している第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれの基本的な単位パターン形状と実質的に同一であってよい。
(a)第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれの屈曲部44の個数が2個から5個に増加していること、
(b)第1のアンテナAの第1のパターン部分35および第2のアンテナBの第3のパターン部分39のそれぞれの長さがかなり大きくなっていること、
(c)第1および第2のアンテナA、Bの第2および第4のパターン部分37、41のそれぞれの長さが多少大きくなっていること、
(d)第1および第2のアンテナA、Bのベースライン部43および連結部48のそれぞれの長さが多少小さくなっていること、
(e)第1および第2のアンテナA、Bの第1および第2立上り部46、47のそれぞれの長さが多少長くなっていること、および
(f)第1のアンテナAの一対の端子部32a、32bが棚板11の後縁部34付近のうちの向って右側の縁部40付近に配置されるとともに、第2のアンテナBの一対の端子部32a、32bが棚板11の後縁部34付近のうちの向って左側の縁部36付近に配置されていること。
図25に示すリーダライタ用アンテナ15は、つぎの(g)項および(h)項に記載の点で、図16Bに示すリーダライタ用アンテナ15とは相違していてよい。
(g)第1のアンテナAの第1のパターン部分35と、第1のアンテナAの連結部48および第2のアンテナBのベースライン部43との相互の間隔L7がかなり小さくなっていること、および
(h)第2のアンテナBの第3のパターン部分39と、第2のアンテナBの連結部48および第1のアンテナAのベースライン部43との相互の間隔L7がかなり小さくなっていること。
(i)第1のアンテナAのベースライン部43のそれぞれが、一部分を除いて、第2のアンテナBの第3のパターン部分39にほぼ完全に重なっていること、
(j)第2のアンテナBのベースライン部43のそれぞれが、一部分を除いて、第1のアンテナAの第1のパターン部分35にほぼ完全に重なっていること、および
(k)第1および第2のアンテナA、Bの第1および第2の立上り部46、47のそれぞれの長さL5が、或る程度短くなっていること。
(l)第1のアンテナAのベースライン部43を第2のアンテナBの第3のパターン部分39よりも棚板11の後縁部34側に或る程度ずらしたこと、
(m)第2のアンテナBのベースライン部43を第1のアンテナAの第1のパターン部分35よりも棚板11の前縁部38側に或る程度ずらしたこと、
(n)上記(l)項および(m)項に記載の結果として、第1のアンテナAのベースライン部43を、棚板11の奥行き方向yにおいて、第2のアンテナBの連結部48とほぼ同一の位置に配置し、このために、両者をその長さ方向(換言すれば、間口方向x)には部分的にかつその幅方向(換言すれば、奥行き方向y)にはほぼ完全に重ならせたこと、および
(o)上記(l)項および(m)項に記載の結果として、第2のアンテナBのベースライン部43を、棚板11の奥行き方向yにおいて、第1のアンテナAの連結部48とほぼ同一の位置に配置し、このために、両者をその長さ方向には部分的にかつその幅方向にはほぼ完全に重ならせたこと。
第3の実施例におけるリーダライタ用アンテナ15の場合にも、第1および第2の実施例の場合と同様に、第1および第2のアンテナA、Bに交互に給電することができる。
第3の実施例における図25および図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15によれば、一方のアンテナ(例えば、第1のアンテナA)を給電アンテナにするとともに、他方のアンテナ(例えば、第2のアンテナB)を非給電アンテナにすることができる。したがって、少ない(具体的には、1個の)給電アンテナ数で電子タグ19との交信を行うことができる。また、特に図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15によれば、電子タグ19の向きや大きさに特に依存することなく、電子タグ19と良好に交信することができる。さらに、図25および図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、給電アンテナとしての第1のアンテナAに給電したときに、非給電アンテナBの各有効アンテナパターン要素(特に、第1および第2の立上り部46、47)に発生する誘導電流が、図16Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合と大よそ同様に、大よそ共通の電流方向に流れる。換言すれば、非給電アンテナBが給電アンテナAと重複している長手状重複部位または最も近接している長手状近接部位に発生する誘導電流の向きが、非給電アンテナBの大よそ全部のアンテナパターン部位で同一になるように、第1および第2のアンテナA、Bの形状と相互の配置とを選定した。したがって、第1および第2のアンテナA、Bを順次切替えてこれら両者のアンテナに順次給電しなくても、給電アンテナAの放出磁界による電子タグ19の読取り可能領域と、非給電アンテナBの誘導磁界による電子タグ19の読取り可能領域とによって、両方のアンテナA、Bの互いの通信不能領域を補完しあうことができる。
B 第2のアンテナ
x 間口方向(第2の方向)
y 奥行き方向(第1の方向)
1 物品載置棚
6 最下段の棚板(アンテナ形成対象部材)
11 最上段の棚板(アンテナ形成対象部材)
12 2段目の棚板(アンテナ形成対象部材)
13 3段目の棚板(アンテナ形成対象部材)
14 4段目の棚板(アンテナ形成対象部材)
15 リーダライタ用アンテナ(リーダ用アンテナ)
23 上側ガラス板(主要構成要素)
24 下側ガラス板(主要構成要素)
25 中間膜(絶縁層)
31 ほぼループ形状のアンテナパターン(アンテナパターン)
31a 第1のほぼループ形状のアンテナパターン
31b 第2のほぼループ形状のアンテナパターン
32a 端子部
32b 端子部
34 後縁部(背面側の縁部)
35 第1のパターン部分(有効アンテナパターン要素)
36 向って左側の縁部
37 第2のパターン部分(有効アンテナパターン要素)
39 第3のパターン部分(有効アンテナパターン要素)
40 向って右側の縁部
41 第4のパターン部分(有効アンテナパターン要素)
43 ベースライン部(有効アンテナパターン要素)
43a ベースライン部(有効アンテナパターン要素)
43b ベースライン部(有効アンテナパターン要素)
44 屈曲部
44a 屈曲部
44b 屈曲部
46 第1の立上り部(有効アンテナパターン要素)
47 第2の立上り部(有効アンテナパターン要素)
48 連結部(有効アンテナパターン要素)
101 磁界(磁力線)
161 共振回路用コンデンサ
Claims (25)
- 互いに絶縁されかつ互いに重ね合わせられた状態でアンテナ形成対象部材にそれぞれ形成されている第1および第2のアンテナを備えているリーダ用アンテナにおいて、
上記第1のアンテナに給電したときに上記第1のアンテナによって発生する磁界を受けて上記第2のアンテナに発生する誘導電流が上記第2のアンテナの有効アンテナパターン要素において上記第2のアンテナを共通の電流方向に流れるように、上記第1および第2のアンテナのそれぞれのアンテナパターンの形状と上記第1および第2のアンテナの相互の配置とがそれぞれ選定されていることを特徴とするリーダ用アンテナ。 - 上記第1のアンテナのアンテナパターンと、上記第2のアンテナのアンテナパターンとは、互いに実質的に同一または互いに類似のアンテナパターン形状を有し、
上記第1のアンテナの上記アンテナパターンと、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンとは、上記有効アンテナパターン要素のうちの少なくとも第1の方向に大よそ沿って延在する有効アンテナパターン要素においては互いに上下に重ならないように、互いにずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第1および第2のアンテナのうちのいずれの一方のアンテナに給電したときにも、上記アンテナ形成対象部材のアンテナ形成面と上記第1の方向に直交する第2の方向との両方にそれぞれ平行に生じる第1の磁界成分が上記第2の方向において大よそ一定間隔で増減するように、上記第1および第2のアンテナがそれぞれ構成され、
上記第1のアンテナの上記アンテナパターンの上記第1の磁界成分の上記第2の方向において弱くなる領域と、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンの上記第1の磁界成分の上記第2の方向において弱くなる領域とが交互に生じるように、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとがそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項2に記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第1の磁界成分が、上記第1の方向においては大よそ均一であることを特徴とする請求項3に記載のリーダ用アンテナ。
- 上記第1および第2のアンテナのうちのいずれの一方のアンテナに給電したときにも、上記アンテナ形成対象部材のアンテナ形成面と上記第1の方向との両方にそれぞれ平行に生じる第2の磁界成分が上記第1の方向において増減するように、上記第1および第2のアンテナがそれぞれ構成され、
上記第1のアンテナの上記アンテナパターンの上記第2の磁界成分の上記第1の方向において弱くなる領域と、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンの上記第2の磁界成分の上記第1の方向において弱くなる領域とが交互に生じるように、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとがそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項3に記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第2の磁界成分が、上記第2の方向においては大よそ均一であることを特徴とする請求項5に記載のリーダ用アンテナ。
- 互いに絶縁されかつ互いに重ね合わせられた状態でアンテナ形成対象部材にそれぞれ形成された第1および第2のアンテナを備え、
上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、少なくとも1個のほぼループ形状のアンテナパターンを備えるリーダ用アンテナにおいて、
上記第1のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの少なくとも1個と、上記第2のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの少なくとも1個とのそれぞれは、上記アンテナ形成対象部材の第1の方向における第1の側に設けられた第1のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第1の方向とは直交する第2の方向における第1の側に設けられた第2のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第1の方向における上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第3のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第2の方向における上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第4のパターン部分とを備え、
上記第1のアンテナの上記第1〜第4のパターン部分のうちの少なくとも1個と、上記第2のアンテナの上記第1〜第4のパターン部分のうちのこの少なくとも1個のパターン部分に大よそ対応する少なくとも1個とは、互いに間欠的に配置されている複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、
上記屈曲部のそれぞれは、第1および第2の立上り部をそれぞれ備えるほぼ凸形状に構成され、
上記第1のアンテナの上記第1の立上り部または上記第2の立上り部は、上記第2のアンテナのこれと対応する第1の立上り部と、これと対応する第2の立上り部との間に配置されていることを特徴とするリーダ用アンテナ。 - 上記屈曲部のそれぞれは、これらの屈曲部のそれぞれを上記ほぼ凸形状に構成するために、上記第1の立上り部と上記第2の立上り部とを連結している連結部を備え、
上記連結部のそれぞれは、大よそ上記第2の方向に沿って延在していることを特徴とする請求項7に記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第1および第2の立上り部のそれぞれは、大よそ上記第1の方向に沿って延在していることを特徴とする請求項7または8に記載のリーダ用アンテナ。
- 上記第1および第2の立上り部の幾つか、または、全部は、上記第1の方向に対して傾斜して延在し、
上記傾斜角度は、15°〜45°の範囲であることを特徴とする請求項7または8に記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、上記ほぼループ形状のアンテナパターンを1個備え、
上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のパターン部分は、大よそ上記第2の方向に沿ってそれぞれ延在し、
上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれは、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、
上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のパターン部分は、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、
上記屈曲部のそれぞれは、上記第1のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成されていることを特徴とする請求項7〜10のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、上記ほぼループ形状のアンテナパターンを1個備え、
上記第1のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のパターン部分は、大よそ上記第2の方向に沿って延在し、
上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれは、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、
上記第2のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のパターン部分は、大よそ上記第2の方向に沿って延在し、
上記第1のアンテナの上記第3のパターン部分と、上記第2のアンテナの上記第1のパターン部分とのそれぞれは、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、
上記第1のアンテナの上記屈曲部は、上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成され、
上記第2のアンテナの上記屈曲部は、上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成されていることを特徴とする請求項7〜10のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分と、上記第1のアンテナの上記連結部および上記第2のアンテナの上記ベースライン部との平均的な相互の間隔と、上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分と、上記第2のアンテナの上記連結部および上記第1のアンテナの上記ベースライン部との相互の間隔とのそれぞれは、上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分と上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分との平均的な相互の間隔の1/40〜1/10の範囲であることを特徴とする請求項12に記載のリーダ用アンテナ。
- 上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、上記第1の方向にほぼ沿って順次配置されている第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンを備え、
上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンは、上記第1の方向における上記第1の側に配置されるとともに、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンは、上記第1の方向における上記第2の側に配置され、
上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第1のパターン部分と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの第3のパターン部分とは、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、
上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれは、大よそ上記第2の方向に沿ってそれぞれ延在し、
上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第3のパターン部分と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第1のパターン部分とは、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、
上記第1および第2のアンテナの上記第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンの上記屈曲部のそれぞれは、上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のパターン部分の側と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のパターン部分の側とにそれぞれ突出するように、ほぼ凸形状に構成されていることを特徴する請求項7に記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第1のアンテナが、上記互いに間欠的に配置されている上記複数本のベースライン部1本当りの平均的な長さの0.25〜0.65の範囲だけ、上記第2のアンテナに対して上記第2の方向にずれていることを特徴とする請求項7〜14のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
- 上記第1のアンテナが、上記互いに間欠的に配置されている上記複数本のベースライン部1本当りの平均的な長さの0.25〜0.45の範囲または0.55〜0.65の範囲だけ、上記第2のアンテナに対して上記第2の方向にずれていることを特徴とする請求項7〜14のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
- 上記第1および第2のアンテナのうちのいずれか一方のアンテナのみに給電するように構成されていることを特徴とする請求項1〜16のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
- 上記第1および第2のアンテナのうちの他方のアンテナの一対の端子部の間に共振回路用のコンデンサが接続されていることを特徴とする請求項1〜17のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
- 上記第1および第2のアンテナに交互に給電するように構成されていることを特徴とする請求項1〜18のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
- 上記リーダ用アンテナがリーダライタ用アンテナとして構成されていることを特徴とする請求項1〜19のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
- 上記アンテナ形成対象部材が、物品載置棚の棚板または物品載置台の台板であり、
上記棚板または上記台板の主要構成要素が、透明な非導電体であり、
上記第1および第2のアンテナの少なくともアンテナパターンのそれぞれが、断面径0.5mm以下のワイヤ導線から構成されていることを特徴とする請求項1〜20のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。 - 上記第1および第2のアンテナが、これらの間に絶縁層を介在させて、互いに積層された一対のガラス板の間に設けられていることを特徴とする請求項1〜21のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
- 上記第1のアンテナの端子部と上記第2のアンテナの端子部とのそれぞれが、上記アンテナ形成対象部材の長さ方向における一方および他方の縁部と、幅方向における背面側の縁部との中から選ばれたいずれか1つの縁部に設けられていることを特徴とする請求項1〜22のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
- 請求項1〜23のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナが形成されている棚板を上記アンテナ形成対象部材として備えていることを特徴とするアンテナ付き物品載置棚。
- 請求項1〜23のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナが形成されている台板を上記アンテナ形成対象部材として備えていることを特徴とするアンテナ付き物品載置台。
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