JP2007318720A - リーダ用アンテナならびにアンテナ付き物品載置棚およびアンテナ付き物品載置台 - Google Patents

リーダ用アンテナならびにアンテナ付き物品載置棚およびアンテナ付き物品載置台 Download PDF

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Abstract

【課題】 第1のアンテナAへの給電によって第2のアンテナBに生じる誘導電流が第2のアンテナBにおいて相殺されるのを実質的に回避することができるから、第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれが発生する磁界を互いに強めあうことができ、このために、比較的少ないアンテナ数でかつ比較的小さい駆動電力でもって、電子タグの向きには実質的に無関係に、上記電子タグとの交信が可能であるリーダ用アンテナ15を提供する。
【解決手段】 第1のアンテナAに給電したときに第1のアンテナAから発生する磁界を受けて第2のアンテナBに発生する誘導電流が第2のアンテナBの有効アンテナパターン要素35、37、39、41、43、46、47、48において第2のアンテナBを共通の電流方向に流れるように、第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれのアンテナパターン31の形状と第1および第2のアンテナA、Bの相互の配置とがそれぞれ選定されている。
【選択図】 図21A

Description

本発明は、互いに絶縁されかつ互いに重ね合わせられた状態で物品載置棚の棚板、物品載置台の台板などのアンテナ形成対象部材にそれぞれ設けられている第1および第2のアンテナを備えているリーダ用アンテナに関するものである。また、本発明は、このようなリーダ用アンテナが設けられている棚板および台板を備えているアンテナ付き物品載置棚およびアンテナ付き物品載置台にも関するものである。
従来から、書類、CD、DVDなどの光ディスク類、その他の光記録媒体、ビデオテープ、オーディオテープなどの磁気テープ類、その他の磁気記録媒体などのほぼ直方体形状の物品、瓶などのほぼ円筒形状の容器類、不定形状の衣料などの各種の商品または各種の所蔵品のような各種の物品が、陳列棚、商品棚、書棚、書類管理棚などの物品載置棚や、図書館の受付カウンタ台などのカウンタ台、テーブル、机などの物品載置台に、陳列、収納、管理などのために載置される。そして、上述のような各種の物品に電子タグを取り付けるとともに、このような電子タグと交信するリーダライタ用アンテナを備えるRFID(Radio Frequency Identification)システムを用いて、上述のような各種の物品を管理することが期待されている。このような電子タグは、無線タグまたはICタグとも呼ばれていて、商品情報などの情報が記録されるメモリが組み込まれているICチップと、小型アンテナとをそれぞれ含む通信回路から成っている。上述のように電子タグと交信するリーダライタ用アンテナは、物品を載置する棚板面や、物品の脱落を防止することを主目的として物品載置棚の背面側に配される背板面に沿って配設される場合が多く、特許文献1に例示されているように、通常はループアンテナとして構成されている。
特開2004−140513号公報
一方、棚板上に載置される電子タグ付き物品は一般的には不定形状であり、また、電子タグは、物品自体に貼り付けられたり、物品に吊り下げられたりすることが多いから、電子タグの位置や向きは一定ではない。なお、書籍、書類綴じ込みファイル、光または磁気記録媒体などの書籍類などのように形状が比較的一定な物品の場合には、電子タグを物品から見て一定の位置に貼り付けることは、比較的容易である。しかし、このような物品でも、定まった位置や定まった向きで棚板上に載置されるとは限らない。さらに、棚板は、通常、かなり多数の物品を載置できる面積を有している。したがって、リーダライタ用アンテナが、このような棚板上の全体にわたって、棚板面からの距離や棚板面に対する向きが一定とは限らない電子タグと確実に交信するためには、リーダライタ用アンテナの構成を工夫する必要がある。そして、1棚当りの棚板面において例えば1個のリーダライタ用アンテナで物品側の電子タグと交信させようとすると、リーダライタ用アンテナをどのような形状にしても、このリーダライタ用アンテナの敷設面に対して垂直な位置関係にある電子タグに対しては特に、通信不能領域が生じやすい。
そこで、リーダライタ用アンテナを1棚当りの棚板面において複数個用いることが考えられる。しかし、1個のリーダライタで複数個のリーダライタ用アンテナを駆動する場合には、リーダライタ用アンテナ1個当りに流れる電流の値が小さくなるから、リーダライタ用アンテナが電子タグと交信するのに必要な磁界が得られなくなることがある。そして、このような欠点を是正するためにリーダライタ用アンテナを駆動するためのリーダライタの出力を大きくすると、大きな駆動電力が必要になる。
上述のような問題点を解決するためのアンテナシステムとして、従来、つぎのようなものが案出されている。例えば、特許文献2には、複数個の単純ループアンテナをリーダライタ用アンテナとして物品載置棚の背板面(または棚板面)に沿って設け、この際、これら複数個のループアンテナを共通の背板面(または棚板面)上に半ピッチずつずらして配置するとともに、これら複数個のループアンテナを順次切り換えて動作させるようにしたリーダライタ用アンテナシステムが開示されている。また、特許文献3には、それらの一部に鋸形状の屈曲部を設けた複数個のループアンテナをリーダライタ用アンテナとして共通の棚板面上に互いに完全には重ならないようにずらして配置するとともに、これら複数個のループアンテナに対して時間的に重複しないように給電する給電制御手段を備えたリーダライタ用アンテナシステムが開示されている。そして、この特許文献3における複数個のループアンテナのそれぞれは、線状の導電体を商品管理棚の棚板のアンテナ敷設面内で凹凸部が形成されるように屈曲させることによって、構成されている。
特開2003−72919号公報 特開2003−168914号公報
しかし、上記特許文献2および3にそれぞれ開示されている従来のリーダライタ用アンテナシステムには、つぎの(A)項〜(C)項に記載のような問題点があった。これらの問題点が生じる理由は、これらの(A)項〜(C)項のそれぞれの記載のつぎに順次記載する(a)項〜(c)項に記載のとおりである。
(A)或る程度の面積を有する横長の棚板に複数個のループアンテナを配置するときには、これら複数個のループアンテナを互いにずらして配置した場合でも、多数個のループアンテナと多数個のアンテナ切替手段とが必要である。
(a)一般的に用いられる横長のほぼ長方形状の棚板にほぼ四角形状(ほぼ円形状、ほぼ直線形状などであっても良い。)のループアンテナを設ける場合には、通信不能領域をなくすために、少なくとも3個のループアンテナで構成されたアンテナ群または少なくとも2個のループアンテナで構成されたアンテナ群を複数個(換言すれば、4個以上のループアンテナ)を設ける必要がある。また、これら複数個のループアンテナを切り替えるために、その個数だけのアンテナ切替手段が必要である。
(B)共通の棚板面にループアンテナを3個以上配置する場合には、アンテナ切替手段の設置位置がリーダライタ用アンテナシステムの性能に影響を与えるために、アンテナ切替手段の位置に制約が生じる。
(b)アンテナ切替手段と、共通の棚板面上に配置される複数個のループアンテナのそれぞれとを接続する接続線の長さが、これら複数個のループアンテナごとに異なると、これら複数個のループアンテナごとに通信性能が変わるから、共通の棚板面上に配置される複数個のループアンテナの間で通信性能に差が生じる。特に、横長のほぼ長方形状の棚板面上に多数個のループアンテナを設ける場合には、棚板の左側端部付近のループアンテナと右側端部付近のループアンテナとで上記接続線の長さが極端に異なることなく、上記接続線の長さが互いにほぼ同一になるようにするためには、物品載置棚の背面側に配される背板の間口方向における中間位置にアンテナ切替手段を設ける必要がある。
(C)ループアンテナのそれぞれが電子タグと交差するように鋸形状の凹凸形状をそれぞれ有する2個のループアンテナを一部が互いに重なるように配置しても、アンテナパターン形状およびそれらの重ね合わせ形態によっては、電子タグに対するリーダライタ用アンテナの通信不能領域が存在する。このような問題点は、これら2個のループアンテナに対して時間的に重複しないように給電する給電切替システムを備えている場合でも、解決しない。
(c)通信不能領域は、電子タグのアンテナを通過する磁界が弱まる領域で発生する。磁界が弱まる領域としては、磁界の向きに対して電子タグが平行に位置する場合や、電子タグの両側から逆向きの等しい大きさまたはほぼ等しい大きさの磁界がはたらく場合などが、挙げられる。
特開2003−72919号公報 特開2003−168914号公報
さらに、特許文献3に開示されている従来のリーダライタ用アンテナシステムには、つぎの(D)項および(E)項に記載のような問題点があった。これらの問題点が生じる理由は、これらの(D)項および(E)項のそれぞれの記載のつぎに順次記載する(d)項および(e)項に記載のとおりである。
(D)単一のループアンテナが線状の導電体を商品管理棚の棚板のアンテナ敷設面内で凹凸部が形成されるように屈曲させることによって構成されている場合には、上記ループアンテナが設けられている棚板上に載置されている電子タグ付きの商品と通信したときに、上記ループアンテナと通信できない電子タグがあるから、実用的な商品管理棚は得られない。(特許文献3には、読み取ることができない電子タグは、棚板上で3cm平行移動することにより読み取ることができたと記載されている。)
(d)電子タグ付き商品の電子タグが商品管理棚の棚板上でループアンテナと通信できない通信不能領域が存在するということは、実際の商品管理上、商品管理棚上に商品が存在するか否かが不明であるから、在庫管理としては利用できない。また、上述のような通信不能領域を避けて商品を置くことは、商品の配置上、非常に不便であって実用に耐えない。
(E)複数個のループアンテナを順次切替えて互いの通信不能領域を補完しあう場合には、この切替えによる読取りのために余分な時間が必要であるとともに、コスト的にも大きな負担になる。
(e)複数個のループアンテナを切替えて互いの通信不能領域を補完しあうことによって、商品管理棚上の全体を通して通信不能領域がない商品管理棚を構成する場合、
(ア)アンテナの切替えそのものに要する時間、
(イ)同一の商品を複数個のループアンテナによって重複して読み取るのに要する時間、
(ウ)複数個のループアンテナのそれぞれによって各電子タグから読みとった商品情報をソフトウエア上で集計するのに要する時間、
などが必要であるから、単一のループアンテナによって読み取る場合に較べて、余分な通信時間が必要である。また、1個のリーダライタによって制御できるループアンテナの総数が決まっているから、1個のリーダライタによって制御できる棚数は、1棚当りのループアンテナ数に対して反比例し、このために、1棚当りのループアンテナ数が増えるほどコストが掛かる。
特開2003−168914号公報
本発明は、上述のような問題点を解決するために発明されたものであって、物品に設けられる電子タグの向きには実質的に無関係に、電子タグとの間の交信が可能であるリーダ用アンテナと、このようなリーダ用アンテナが設けられている棚板および台板を備えているアンテナ付き物品載置棚およびアンテナ付き物品載置台とを提供することを目的としている。
本発明は、その第1の観点によれば、互いに絶縁されかつ互いに重ね合わせられた状態で物品載置棚の棚板、物品載置台の台板などのアンテナ形成対象部材にそれぞれ形成されている第1および第2のアンテナを備えているリーダ用アンテナに係るものである。そして、上記第1のアンテナに給電したときに上記第1のアンテナによって発生する磁界を受けて上記第2のアンテナに発生する誘導電流が上記第2のアンテナの有効アンテナパターン要素(上記第1のアンテナとの長手状重複部位、長手状近接部位など)において上記第2のアンテナを共通の電流方向に流れるように、上記第1および第2のアンテナのそれぞれのアンテナパターンの形状と上記第1および第2のアンテナの相互の配置とがそれぞれ選定されている。なお、本文において、「有効アンテナパターン要素」とは、第1および第2のアンテナのそれぞれのアンテナパターンのうちで、磁界の発生に有効に機能する長手状パターン部分を意味している。
本発明の上記第1の観点においては、上記第1のアンテナのアンテナパターンと、上記第2のアンテナのアンテナパターンとが、互いに実質的に同一または互いに類似のアンテナパターン形状を有し、上記第1のアンテナの上記アンテナパターンと、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンとが、上記有効アンテナパターン要素のうちの少なくとも第1の方向(例えば、棚板、台板などの奥行き方向である幅方向)に大よそ沿って延在する有効アンテナパターン要素(換言すれば、大よそ上記第1の方向に沿って延在する第1の有効アンテナ要素のみであるか、あるいは、この第1の有効アンテナ要素と上記第1の方向に直交する第2の方向に大よそ沿って延在する第2の有効アンテナ要素との両方)においては互いに上下に重ならないように、互いにずれて配置されているのが好ましい。この場合、上記第1および第2のアンテナのうちのいずれの一方のアンテナに給電したときにも、上記アンテナ形成対象部材のアンテナ形成面と上記第1の方向に直交する第2の方向(例えば、棚板、台板などの間口方向である長さ方向)との両方にそれぞれ平行に生じる第1の磁界成分が上記第2の方向において大よそ一定間隔で増減するように、上記第1および第2のアンテナがそれぞれ構成され、上記第1のアンテナの上記アンテナパターンの上記第1の磁界成分の上記第2の方向において弱くなる領域と、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンの上記第1の磁界成分の上記第2の方向において弱くなる領域とが交互に生じるように、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとがそれぞれ配置されているのが好ましい。また、上記第1の磁界成分が、上記第1の方向においては大よそ均一であるのも好ましい。なお、本発明においては、上記アンテナ形成対象部材の上記第2の方向における長さが、上記アンテナ形成対象部材の上記第1の方向における長さよりも大きいか、あるいは、ほぼ同一であるのが好ましい。また、本文において、「大よそ………延在する」とは、15%以内、好ましくは10%以内、さらに好ましくは5%以内の傾斜角度を有して延在していてもよいことを意味している。さらに、本文において、「大よそ」とは、好ましくは、「ほぼ」を意味している。
さらに、本発明の上記第1の観点においては、上記第1および第2のアンテナのうちのいずれの一方のアンテナに給電したときにも、上記アンテナ形成対象部材のアンテナ形成面と上記第1の方向との両方にそれぞれ平行に生じる第2の磁界成分が上記第1の方向において増減するように、上記第1および第2のアンテナがそれぞれ構成され、上記第1のアンテナの上記アンテナパターンの上記第2の磁界成分の上記第1の方向において弱くなる領域と、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンの上記第2の磁界成分の上記第1の方向において弱くなる領域とが交互に生じるように、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとがそれぞれ配置されているのも好ましい。この場合、上記第2の磁界成分が、上記第2の方向においては大よそ均一であるのも好ましい。
本発明は、その第2の観点によれば、互いに絶縁されかつ互いに重ね合わせられた状態でアンテナ形成対象部材にそれぞれ形成された第1および第2のアンテナを備え、上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、少なくとも1個のほぼループ形状のアンテナパターンを備えているリーダ用アンテナに係るものである。そして、上記第1のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの少なくとも1個と、上記第2のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの少なくとも1個とのそれぞれは、上記アンテナ形成対象部材の第1の方向(例えば、棚板、台板などの奥行き方向である幅方向)における第1の側に設けられた第1のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第1の方向とは直交する第2の方向(例えば、棚板、台板などの間口方向である長さ方向)における第1の側に設けられた第2のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第1の方向における上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第3のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第2の方向における上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第4のパターン部分とを備えている。また、上記第1のアンテナの上記第1〜第4のパターン部分のうちの少なくとも1個と、上記第2のアンテナの上記第1〜第4のパターン部分のうちのこの少なくとも1個のパターン部分に大よそ同じ向き、大よそ向い合せなどの状態で大よそ対応する少なくとも1個とが、互いに間欠的に配置されている複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ同じ向き、互いに大よそ向い合せなどの状態で互いに大よそ対応するように、それぞれ備えている。さらに、上記屈曲部のそれぞれが、第1および第2の立上り部をそれぞれ備えるほぼ凸形状に構成され、上記第1のアンテナの上記第1の立上り部または上記第2の立上り部が、上記第2のアンテナのこれと対応する第1の立上り部と、これと対応する第2の立上り部との間に配置されている。
本発明の上記第2の観点においては、上記屈曲部のそれぞれは、これらの屈曲部のそれぞれを上記ほぼ凸形状に構成するために、上記第1の立上り部と上記第2の立上り部とを連結している連結部を備え、上記連結部のそれぞれは、大よそ上記第2の方向に沿って延在しているのが好ましい。また、上記第1および第2の立上り部のそれぞれは、大よそ上記第1の方向に沿って延在していることができる。さらに、上記第1および第2の立上り部の幾つか、または、全部は、上記第1の方向に対して傾斜して延在し、上記傾斜角度は、15°〜45°(好ましくは、20°〜40°、さらに好ましくは、25°〜35°)の範囲であることもできる。
また、本発明の上記第2の観点においては、上記第1および第2のアンテナのそれぞれが、上記ほぼループ形状のアンテナパターンを1個備え、上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のパターン部分が、大よそ上記第2の方向に沿ってそれぞれ延在し、上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれが、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のパターン部分が、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ同じ向きの状態などで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、上記屈曲部のそれぞれが、上記第1のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成されているのが好ましい。
また、本発明の上記第2の観点においては、上記第1および第2のアンテナのそれぞれが、上記ほぼループ形状のアンテナパターンを1個備え、上記第1のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のパターン部分が、大よそ上記第2の方向に沿って延在し、上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれが、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、上記第2のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のパターン部分が、大よそ上記第2の方向に沿って延在し、上記第1のアンテナの上記第3のパターン部分と、上記第2のアンテナの上記第1のパターン部分とのそれぞれが、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ向い合せなどの状態で互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、上記第1のアンテナの上記屈曲部が、上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成され、上記第2のアンテナの上記屈曲部が、上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成されているのも好ましい。
また、本発明の上記第2の観点においては、上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分と、上記第1のアンテナの上記連結部および上記第2のアンテナの上記ベースライン部との平均的な相互の間隔と、上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分と、上記第2のアンテナの上記連結部および上記第1のアンテナの上記ベースライン部との相互の間隔とのそれぞれは、上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分と上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分との平均的な相互の間隔の1/40〜1/10(好ましくは、1/30〜1/15)の範囲であることができる。なお、本文において、一方の長手状パターン部分と他方の長手状パターン部分との「相互の間隔」とは、一方および他方の長手状パターン部分の幅方向におけるそれぞれの中心を通る線の相互の間隔を意味している。
また、本発明の上記第2の観点においては、上記第1および第2のアンテナのそれぞれが、上記第1の方向にほぼ沿って順次配置されている第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンを備え、上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンが、上記第1の方向における上記第1の側に配置されるとともに、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンが、上記第1の方向における上記第2の側に配置され、上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第1のパターン部分と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの第3のパターン部分とが、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれが、大よそ上記第2の方向に沿ってそれぞれ延在し、上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第3のパターン部分と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第1のパターン部分とが、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ同じ向きなどの状態で互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、上記第1および第2のアンテナの上記第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンの上記屈曲部のそれぞれが、上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のアンテナ部分の側と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のアンテナ部分の側とにそれぞれ突出するように、ほぼ凸形状に構成されているのも好ましい。
さらに、本発明の上記第2の観点においては、上記第1のアンテナが、上記互いに間欠的に配置されている上記複数本のベースライン部の1本当りの平均的な長さの0.25〜0.65(さらに好ましくは、0.3〜0.5)の範囲だけ、上記第2のアンテナに対して上記第2の方向にずれていることができる。また、その別の実施態様によれば、上記第1のアンテナが、上記互いに間欠的に配置されている上記複数本のベースライン部の1本当りの平均的な長さの0.25〜0.45の範囲または0.55〜0.65の範囲だけ、上記第2のアンテナに対して上記第2の方向にずれていることもできる。これらいずれの場合にも、上記第1のアンテナが、上記第2のアンテナに対して、上記第2の方向にずれているだけでなく、上記第1の方向にもずれていてよい。この場合、上記第1のアンテナが、上記互いに間欠的に配置されている上記複数本のベースライン部の1本当りの平均的な長さの0.08〜0.75(より好ましくは、0.1〜0.7、さらに好ましくは、0.15〜0.6)の範囲だけ、上記第2のアンテナに対して上記第1の方向にずれていてよい。
また、本発明の上記第1および第2の観点においては、上記第1および第2のアンテナのうちのいずれか一方のアンテナのみに給電するように構成されていることができる。また、上記第1および第2のアンテナのうちの他方のアンテナの一対の端子部の間に共振回路用のコンデンサが接続されていることができる。そして、上記第1および第2のアンテナに交互に給電するように構成されていることもできる。また、上記リーダ用アンテナがリーダライタ用アンテナとして構成されているのが好ましい。そして、上記アンテナ形成対象部材が、物品載置棚の棚板または物品載置台の台板であり、上記棚板または上記台板の主要構成要素が、透明な非導電体であるのも好ましい。また、上記第1および第2のアンテナの少なくともアンテナパターン(さらに好ましくは、アンテナパターンおよび一対の端子部)のそれぞれが、断面径0.5mm以下のワイヤ導線から構成されているのも好ましい。この場合、ワイヤ導線の断面径が、実用性の観点から見て一般的に、0.02mm以上であるのも好ましい。さらに、上記第1および第2のアンテナが、これらの間に絶縁層を介在させて、互いに積層された一対のガラス板の間に設けられているのが好ましい。そして、上記第1のアンテナの端子部と上記第2のアンテナの端子部とのそれぞれが、上記アンテナ形成対象部材(例えば、棚板または台板)の長さ方向(例えば、間口方向)における一方および他方の縁部と、幅方向(例えば、奥行き方向)における背面側の縁部との中から選ばれたいずれか1つの縁部に設けられているのも好ましい。
さらに、本発明は、上記第1および第2の観点によるリーダ用アンテナが形成されている棚板を上記アンテナ形成対象部材として備えているアンテナ付き物品載置棚にも係るものである。そして、本発明は、上記第1および第2の観点によるリーダ用アンテナが形成されている台板を上記アンテナ形成対象部材として備えているアンテナ付き物品載置台にも係るものである。
請求項1に係る発明によれば、第1のアンテナへの給電によって第2のアンテナに生じる誘導電流が第2のアンテナにおいて相殺されるのを実質的に回避することができるから、第1および第2のアンテナのそれぞれが発生する磁界を互いに強めあうことができる。このために、比較的少ないアンテナ数(すなわち、2個)でかつ比較的小さい駆動電力でもって、電子タグの向きには実質的に無関係に、上記電子タグとの交信が可能であるリーダ用アンテナを提供することができる。
また、請求項2〜4に係る発明によれば、第1および第2のアンテナのそれぞれの大よそ第1の方向に沿って延在する通信不能領域を、比較的少ないアンテナ数でもって、互いに補うことができる。このために、電子タグの向きには実質的に無関係に、上記電子タグとのさらに良好な交信が可能であるリーダ用アンテナを提供することができる。
また、請求項5および6に係る発明によれば、第1および第2のアンテナのそれぞれの大よそ第2の方向に沿って延在する通信不能領域を、比較的少ないアンテナ数でもって、互いに補うことができる。このために、電子タグの向きには実質的に無関係に、上記電子タグとのさらに良好な交信が可能であるリーダ用アンテナを提供することができる。
また、請求項7〜16に係る発明によれば、第1および第2のアンテナのそれぞれの大よそ第1の方向に沿って延在する通信不能領域を、比較的少ないアンテナ数でかつ比較的簡単なアンテナパターン形状でもって、互いに補うことができる。このために、電子タグの向きには実質的に無関係に、上記電子タグとの良好な交信が可能でありかつ構成が比較的簡単であるリーダ用アンテナを提供することができる。
また、請求項17および18に係る発明によれば、第1および第2のアンテナのうちのいずれか一方のアンテナのみに給電するだけでもって、この一方のアンテナによる磁界によって他方のアンテナに誘導電流が発生する。このために、この誘導電流が上記一方のアンテナから発生する磁界を補うように磁界を発生するから、第1および第2のアンテナに交互に給電するためのアンテナ切替手段が不要であり、また、通信速度を短縮することができる。さらに、給電する必要があるループアンテナの個数を少なくすることができるから、消費電力を少なくすることができるとともに、リーダ用アンテナの個数に対するリーダライタの個数も少なくすることができ、このために、コストダウン効果を大きくすることができる。
また、請求項17に係る発明におけるように、第1および第2のアンテナのうちのいずれか一方のアンテナに給電したときに他方のアンテナに発生する誘導電流によって発生する磁界は、上記一方のアンテナによって発生する磁界よりも多少小さい。しかし、請求項19に係る発明によれば、第1および第2のアンテナに交互に給電することによって、両方のアンテナから発生する全体としての磁界強度を均一化することができるから、1個のアンテナ切替手段を設けるだけでもって、電子タグとリーダ用アンテナとの間での安定した通信状態を確保することができる。
また、請求項20に係る発明によれば、共通のアンテナでもって電子タグへの書込みと電子タグからの読み出しとの両方を行うことができるから、リーダライタ全体の構成を簡単にすることができる。
また、請求項21に係る発明によれば、複数段の棚板を備えている物品載置棚の上記棚板をアンテナ形成対象部材としたときでも、1個または複数個の棚板を通して別の棚板上の物品を見るのが容易であるから、この別の棚板上の物品の取扱いが容易であり、また、物品載置棚のための照明設備を省略したり小規模にしたりすることができる。
また、請求項22に係る発明によれば、耐候性および耐薬品性がそれぞれ優れた一対のガラス板の間に第1および第2のアンテナが設けられているから、リーダ用アンテナを種々の環境で使用しても効果的に保護することができる。このために、リーダ用アンテナの耐候性および耐薬品性が改善されるから、リーダ用アンテナを薬品棚などに設けても損傷する恐れがない。
また、請求項23に係る発明によれば、第1および第2のアンテナの給電用などの端子部を1箇所にまとめるのが容易であるから、アンテナ切替手段の設置位置についての制約を少なくすることができる。
さらに、請求項24および25に係る発明によれば、物品載置棚の棚板上および物品載置台の台板上に載置される物品に設けられている電子タグの向きには実質的に無関係に、上記電子タグとの交信が可能であるリーダ用アンテナを備えた物品載置棚および物品載置台を提供することができる。
つぎに、本発明を物品載置棚にそれぞれ適用した第1および第2の実施例を、「1、第1の実施例」、「2、第2の実施例」および「3、第3の実施例」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
1、第1の実施例
まず、本発明の第1の実施例を、「(1)物品載置棚の全体的構成」、「(2)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状」、「(3)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状」および「(4)リーダライタ用アンテナへの給電方法」に項分けして、図1〜図16を参照しつつ説明する。
(1)物品載置棚の全体的構成
本発明の第1の実施例における物品載置棚1は、図1に示すように、向かって左側の側板2、向かって右側の側板3、背板4、天板5および底板6から構成されたほぼ箱蓋形状(換言すれば、ほぼ直方体形状)を有している。これら左右一対の側板2、3、背板4、天板5および底板6は、ガラス、合成樹脂、木などの適当な材料からそれぞれ構成されることができ、底板6は、最下段の棚板を兼用している。物品載置棚1は、ガラス、合成樹脂などからほぼ透明に構成されているのが好ましい前面板(図示せず)をさらに備えていてもよく、このような前面板は、例えば、左右一対の引き戸構造であってよい。なお、左右一対の側板2、3、背板4、天板5、底板6および前面板の1つまたは複数もしくは全部は金属であってもよく、その表面にリーダライタ用アンテナを形成する場合には、この表面を絶縁層で被覆してから形成すればよい。また、図示の実施例においては、左右一対の側板2、3は底板6から下方に多少突出するように構成され、これら左右一対の突出部によって、左右一対の支持脚7、8がそれぞれ形成されている。
図1に示す物品載置棚1は、図示の実施例においては、ガラス、合成樹脂、木などの非金属性の適当な材料(換言すれば、透明または不透明の非導電体)を主要構成要素としてそれぞれ構成されている最上段の棚板11、2段目の棚板12、3段目の棚板13、4段目の棚板14および最下段の上記棚板6をそれぞれ備えている5段構成のものである。これらの棚板6、11〜14は、左右一対の側縁部または背板側の側縁部を適当な支持手段(図示せず)によって、左右一対の側板2、3などに支持されることができる。
図1に示す物品載置棚1の各棚板6、11〜14には、それぞれの棚板面に対してほぼ平行になるように、図6〜図16に示すリーダライタ用アンテナ15が設置されている。そして、これらのリーダライタ用アンテナ15の第1および第2のアンテナA、Bは、マッチング調整器(図示せず)を経由してから同軸ケーブル(図示せず)によってアンテナ切替器(図示せず)に接続されている。そして、このアンテナ切替器は、同軸ケーブル16によってリーダライタ本体17および制御用コンピュータ(図示せず)に接続されている。このリーダライタ本体17は、リーダライタ用アンテナ15と電気信号などの情報をやりとりするためのものでる。上記アンテナ切替器17は、物品管理棚1に配置することができ、図示の実施例においては、天板5上に配置されている。上記リーダライタ本体も、必要に応じて、物品載置棚1に同様に配置されることができる。本発明においては、棚板6、11〜14は、スチール、アルミニウム合金などの金属性の適当な材料からそれぞれ構成することもできる。この場合には、棚板6、11〜14を構成する金属性材料による磁束の打ち消し現象が生じないように、この金属性材料とリーダライタ用アンテナ15との間にフェライトシートなどの磁性材料シート(図示せず)を介在させるのが好ましい。
図1に示す物品載置棚1の各棚板6、11〜14上には、種々の形態の物品18が混載されており、これらの物品18には、シート形状であってよい電子タグ19がそれぞれ設けられている。そして、この電子タグ19は、物品18が書籍類18aの場合には、背表紙、表表紙または裏表紙に貼り付けられていてよく、書籍類以外の箱、容器などの物品18bの場合には、側面、上面、下面などに貼り付けられていてよい。これらいずれの場合でも、電子タグ19は、各棚板6、11〜14の面に対して特定の位置や特定の向きである必要は特にない。このような電子タグ19は、図2に示すように、この電子タグ19の中心とその中心がほぼ一致している1回巻きまたは複数回巻きのほぼループ形状の小型アンテナ21と、情報が記録されるメモリ(図示せず)が組み込まれかつほぼループ形状の小型アンテナ21の中央開口に配されたICチップ22とを含む通信回路を備えていてよい。
図1および図6〜図16に示す物品管理棚1の各棚板6、11〜14は、例えば、間口方向の長さL(図6C参照)が約900mmで奥行き方向の長さL(図6C参照)が約350mmの横長のほぼ長方形状であってよい。各棚板6、11〜14には、図6Cに示すように、第1および第2のアンテナA、Bから成るリーダライタ用アンテナ15が設置されている。図6Aは、第2のアンテナBを省略して第1のアンテナAのみを投影して示す、例えば最上段の棚板11の平面図である。図6Bは、第1のアンテナAを省略して第2のアンテナBのみを投影して示す、例えば最上段の棚板11の平面図である。図6Cは、第1および第2のアンテナA、Bの両方を投影して示す、例えば最上段の棚板11の平面図である。棚板11以外の各棚板6、12〜14にも、図6〜図16に示す棚板11と実質的に同一形状のリーダライタ用アンテナ15が設置されていてもよいし、第1および第2のアンテナA、Bのうちのいずれか一方または両方の形状が棚板11の場合とは異なっているリーダライタ用アンテナ15が設置されていてもよい。なお、図6Cおよびこれに類似する総ての図面(後述の第2および第3の実施例の場合を含む。)において、図示の都合上、第1のアンテナAを実線で示し、第2のアンテナBを破線で示している。また、第1および第2のアンテナA、Bのアンテナパターン31の各パターン部分の幅も、図示の都合上、実際よりは太く示している。さらに、第1および第2のアンテナA、Bのアンテナパターン31の各パターン部分の実際の幅は、実質的に互いに同一であってよいが、図示の都合上、第2のアンテナBのアンテナパターン31の各パターン部分の幅を第1のアンテナAのアンテナパターン31の各パターン部分の幅よりも太く示している。
リーダライタ用アンテナ15の第1および第2のアンテナA、B(具体的には、図6〜図16に示すほぼループ形状のアンテナパターン31と一対の端子部32a、32bとの両方)は、図3に示すように、ガラス、合成樹脂、木などの非金属性の適当な材料からそれぞれ成る上下2枚の板23、24に導電線塗料(例えば、銀ペースト)を例えば約20mmの幅でそれぞれ印刷および焼成したものであってよい。また、第1および第2のアンテナA、Bは、断面形状がほぼ円形で断面径が0.1mmの銅線から構成されたものであってもよい。この場合、上記銅線は、所定のパターン形状に屈曲成形されてから板23、24に適当な接着剤により部分的または全体的に接着されることにより取付け配置されればよい。さらに、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一対の端子部32a、32bは、上述のように、導電性塗料を印刷および焼成することによって構成した導電パターンから構成されるとともに、ほぼループ形状のアンテナパターン31は、上述のように、銅線から構成されていてもよい。この場合、アンテナパターン31の両端部は、適当な導電性接着剤による接着、半田付けなどにより一対の端子部32a、32bに電気的に接続されればよい。ついで、これらの板23、24がPVB樹脂などの非導電性フィルムから成る中間膜25を用いて貼り合せられることによって、第1および第2のアンテナA、Bは上下2枚の板23、24の間に挟み込まれる。これらの板23、24は、例えば、厚さ約5mmのガラス板であってよく、中間膜25の厚みLは、例えば約300μmであってよい。第1および第2のアンテナA、Bを構成する材料も、必ずしも導電性塗料である必要はなく、導電性フィルム、導電性金属箔、上述のような銅線などの金属線、その他のワイヤ導線などであってもよい。
このように構成されたリーダライタ用アンテナ15の第1および第2のアンテナA、Bは、図3に示すように、互いに電気的に絶縁されかつ棚板6、11〜14の表面に対してそれぞれほぼ平行な状態(換言すれば、アンテナA、B同士が互いにほぼ平行な状態)でもって2枚のガラス板23、24の間に挟み込まれている。したがって、これら第1および第2のアンテナA、Bが棚板6、11〜14上に配置される物品18との接触によって擦傷するのが防止される。また、棚板6、11〜14の上下面を構成しているガラス板は耐水性、耐候性、耐薬品性などに優れているから、図1に示す物品管理棚1は種々の用途に用いられることができる。そして、棚板6、11〜14の主要構成要素が透明なガラス材料である場合には、リーダライタ用アンテナ15も、酸化インジュウムスズ(ITO)、二酸化スズ(SnO)などから成る透明導電膜によって構成することができるし、上述のように細いワイヤ導線によって構成することもできる。
本発明においては、互いにほぼ平行である2個のアンテナA、Bの厚さ方向における相互の間隔L(図3参照)は、実用性の観点から見て一般的に、0.1〜70mmの範囲であるのが好ましい。ただし、この間隔Lが0.1mmよりも小さくても、2個のアンテナA、Bの間の電気的絶縁が可能であればよい。また、この間隔Lが70mmよりも大きければ、2個のアンテナA、Bのいずれもが、棚板6、11〜14上に載置した物品18に設けた電子タグ19と良好に交信しにくくなる恐れが生じる。
リーダライタ用アンテナ15の第1および第2のアンテナA、Bは、図示の実施例においては、図3に示すように各棚板6、11〜14の内部に埋設されている。しかし、これら第1および第2のアンテナA、Bのうちの少なくとも一方のアンテナが各棚板6、11〜14の上面に同様にして形成されていてもよい。また、各棚板6、11〜14の上下をひっくり返して使用することなどによって、上記少なくとも一方のアンテナを各棚板6、11〜14の下面に形成することもできる。さらに、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方を各棚板6、11〜14の上面に形成するとともに、他方を各棚板6、11〜14の下面に形成することもできる。これらいずれの場合においても、各棚板6、11〜14の主要構成要素である板23、24が第1および第2のアンテナA、Bの間に介在するときには、中間膜25を省略することができる。また、これらのアンテナA、Bが各棚板6、11〜14の上面および/または下面に形成されるときには、各棚板6、11〜14上に配置される物品18に接触する機会を減らすために、上記少なくとも一方のアンテナを含む各棚板6、11〜14の上面および/または下面を適当な絶縁材料から成る被覆膜でもって被覆することができる。
(2)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状
物品18に設けられている電子タグ19と無線通信により交信するためのリーダ用アンテナ15は、図6Cに示すように、第1のアンテナAと第2のアンテナBとから成っている。これら第1および第2のアンテナA、Bは、いずれも、図6Aおよび図6Bに示すように、ほぼループ形状のアンテナパターン31と、このほぼループ形状のアンテナパターン31の両端部にそれぞれ連設されて互いに近接している一対の端子部32a、32bとから成っている。これら一対の端子部32a、32bの間には、隙間33が設けられているので、ほぼループ形状のアンテナパターン31の両端部の間にも、同様に隙間33が存在している。これら一対の端子部32a、32bは、前記ツイストケーブル(図示せず)によって前記マッチング調整器(図示せず)に接続されていてよい。
図6Cに示すリーダライタ用アンテナ15を構成している第1および第2のアンテナA、Bの基本的な単位パターン形状Cが、図4Aに示されている。この基本的単位パターン形状Cは、図6Aおよび図6Cに示す第1のアンテナAのパターン形状と実質的に同一である。この基本的単位パターン形状Cのほぼループ形状のアンテナパターン31は、図4Aに示すように、給電用などの端子部32aが連設されかつ棚板11の後縁部34の側に位置する第1パターン部分35と、棚板11に向かって左側の縁部36の側に位置する第2のパターン部分37と、棚板11の前縁部(換言すれば、物品取出し側の縁部)38の側に位置する第3のパターン部分39と、給電用などの端子部32bが連設されかつ棚板11の向かって右側の縁部40の側に位置する第4のパターン部分41とが、順次連設されたものであってよく、全体として、一対の端子部32a、32bの間に対応する隙間33を除いてループ形状に構成されていてよい。この基本的単位パターン形状Cは、その一部分と別の一部分とが交差する交差部位を有していないワンループのものであるのが好ましい。本文において、上記「交差」および後記「重複」とは、電気的には接続交差および接続重複していないが、棚板11などのアンテナ形成対象部材を上面から見た投影図において(換言すれば、平面的に見て)交差および重複していることをそれぞれ意味している。
基本的単位パターン形状Cの第1のパターン部分35は、図4Aに示すように、棚板11の後縁部34に近接しかつこの後縁部34にほぼ平行な状態(換言すれば、棚板11の間口方向xにほぼ平行な状態であって、図示の実施例においては、ほぼ直線的−以下、同じ)でもって棚板11の間口方向xのほぼ全長にわたって延在している。基本的単位パターン形状Cの第2のパターン部分37は、棚板11の向って左側の縁部36に近接しかつこの左側縁部36にほぼ平行な状態(換言すれば、棚板11の奥行き方向yにほぼ平行な状態であって、図示の実施例においては、ほぼ直線的−以下、同じ)でもって延在している。基本的単位パターン形状Cの第4のパターン部分41は、棚板11の向って右側の縁部40から多少離れかつこの右側縁部40にほぼ平行な状態(換言すれば、棚板11の奥行き方向yにほぼ平行な状態)でもって延在している。
図4Aに示す基本的単位パターン形状Cの第3のパターン部分39は、棚板11の前縁部38から多少離れかつこの前縁部38にほぼ平行な状態(換言すれば、棚板11の間口方向xにほぼ平行な状態)でもって相互の間に間欠部分42が生じるように間欠的に延在している複数本のベースライン部43と、これら間欠的に延在している複数本のベースライン部43の間(換言すれば、間欠部分42)にそれぞれ存在している1個または複数個(好ましくは複数個)の屈曲部44とから成っている。各ベースライン部43は、棚板11の奥行き方向yにおける中心に沿って棚板11の間口方向xに延在する棚板11の仮想の中心線(以下、「棚板中心線」という。)45よりも前縁部38側を延在している。なお、第1のパターン部分35と棚板中心線45との奥行き方向yにおける間隔は、複数本のベースライン部43と棚板中心線45との奥行き方向yにおける間隔と実質的に同一である。したがって、棚板中心線45は、基本的単位パターン形状Cの間口方向xに延在する仮想の中心線を兼ねている。
各屈曲部44は、図4Aに示すように、向って左側のベースライン部43の向って右側の端部にその基端部を連設されかつ棚板11の後縁部34に向って立上っている第1の立上り部46と、向って右側のベースライン部43の向って左側の端部にその基端部を連設されかつ棚板11の後縁部34に向って立上っている第2の立上り部47と、これら第1および第2の立上り部46、47の先端部をそれぞれ連結するように開口方向xにほぼ平行に延在している連結部48とから成り、全体として、ほぼ長方形状の凸形状部分であるのが好ましい。この場合、連結部48は、棚板中心線45よりも棚板11の後縁部34の側を間口方向xにほぼ平行に延在しているのが好ましい。したがって、第1および第2の立上り部46、47は、棚板中心線45によって二分される棚板11の一方の側(具体的には、棚板11の前縁部38側の部分)から他方の側(具体的には、棚板11の後縁部34側の部分)まで棚板中心線45にほぼ直交するように交差して延在しているのが好ましい。
図4Aに示す基本的単位パターン形状Cのアンテナパターン31の寸法を例示すれば、つぎの(ア)項〜(エ)項に記載のとおりである。ただし、本文においては、上記寸法は、アンテナパターン31の各パターン部分の幅方向における中心を通る線を基準として算出している。
(ア)各屈曲部44の第1の立上り部46と第2の立上り部47との間隔L:約150mm(この間隔Lは、第1の屈曲部44の第2の立上り部47と、この第1の屈曲部44の右側に隣接している第2の屈曲部44の第1の立上り部46との間隔(換言すれば、各ベースライン部43の長さ)と実質的に同一であってよい。)、
(イ)各屈曲部44の第1および第2の立上り部46、47のそれぞれの長さL:約180mm、
(ウ)第1のパターン部分35とベースライン部43との間隔L:約250mm、および
(エ)第1のパターン部分35と連結部48との間隔L:約70mm(この数値は、式(L−L=L)からも求めることができる)。
図5Aには、図4Aに示す基本的単位パターン形状Cの変形例が示されている。図5Aに示す基本的単位パターン形状Cが図4Aに示す基本的単位パターン形状Cと相違している点は、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47のそれぞれが奥行き方向yと平行ではなくて所定角度θだけ傾斜していることである。この傾斜の方向は、図示の実施例においては、棚板11の前縁部38の側から後縁部34の側に向かって左側から右側に傾斜する方向である。なお、この傾斜方向は、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47ごとに、図示の実施例の場合と同一の方向であってもよいし、逆の方向であってもよいし、傾斜していなくてもよい。また、上記所定角度θは、図示の実施例においては、約5°である。しかし、この所定角度θも、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47ごとに、図示の実施例の場合と同一の値であってもよいし、同一の値ではなくて多少大きかったり多少小さかったりしてもよい。そして、この所定角度θは、本発明の一つの観点においては、実用性の観点から見て一般的に、0°〜15°の範囲であるのが好ましく、0°〜10°の範囲であるのがより好ましく、0°〜5°の範囲であるのがさらに好ましい。したがって、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立ち上がり部46、47のそれぞれは、大まかには奥行き方向yに沿って延在しているということができる。
図4Aおよび図5Aに示す基本的単位パターン形状Cは、ほぼ長方形状の屈曲部44を複数個有し、また、ほぼループ形状のアンテナパターン31が交差部位を有していないワンループのものである。これら図4Aおよび図5Aに示す基本的単位パターン形状Cの特徴は、棚板11の面に平行な間口方向xの磁界成分が、間口方向xに沿ってその位置に応じてほぼ周期的に変化して、図4Bおよび図5Bにおいて斜線を施した領域49で弱くなる傾向があることである。これは、奥行き方向yに延在するアンテナ部分(すなわち、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)によって間口方向xに平行に生じる磁界成分が、これらの隣り合うアンテナ部分の中間の位置で小さくなるためである。したがって、図4Aまたは図5Aに示す基本的単位パターン形状C単独では、電子タグ19(図2参照)がy−z面(zは、棚板11の面に垂直な方向)に平行になるように斜線領域49に置かれた場合に、リーダライタ用アンテナ15(換言すれば、図4Aまたは図5Aに示す基本的単位パターン形状C)が電子タグ19と交信できにくくなる恐れがある。
リーダライタ用アンテナ15がy−z面に平行になるように置かれた電子タグ19と交信することには、上述のように、リーダライタ用アンテナ15の各アンテナパターン部分から発せられる磁界の間口方向xに平行な成分が影響している。したがって、交差部位を有さないアンテナの屈曲部44の第1および第2の立上り部46、47や、交差部位を有するアンテナの大よそ奥行き方向yに延在するアンテナパターン部分は、間口方向xに対して垂直に延在しているのが好ましい。しかし、図5Aに示すように、傾斜角度θを多少有していてもよい。また、大よそ奥行き方向yに延在するアンテナパターン部分(すなわち、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)のうちで互いに隣り合うアンテナパターン部分は、y−z面に平行になるように置かれた電子タグ19に対する基本的単位パターン形状Cの通信不能領域の間口方向xの幅が奥行き方向yに沿ってできるかぎり一定になるように、互いにほぼ平行であるのが好ましい。
図4Bおよび図5Bが、図4Aおよび図5Aに示す基本的単位パターン形状Cについての棚板11の面に平行な間口方向xの磁界成分を示しているのに対し、図4Cおよび図5Cは、図4Aおよび図5Aに示す基本的単位パターン形状Cについての棚板11の面に平行な奥行き方向yの磁界成分を示している。そして、棚板11の面に平行な奥行き方向yの磁界成分も、上述の間口方向xの場合と同様の理由から、図4Cおよび図5Cにおける斜線領域50で弱くなる傾向がある。したがって、基本的単位パターン形状Cにおいて間口方向xに延在するアンテナパターン部分(すなわち、第1のパターン部分35、ベースライン部43および連結部48)は、x−z面に平行になるように置かれた電子タグ19に対する基本的単位パターン形状Cの通信不能領域の奥行き方向yの幅が間口方向xに沿ってできるだけ一定になるように、互いにほぼ平行であるのが好ましい。しかし、上記アンテナパターン部分35、43、48は、互いにほぼ平行である必要は必ずしもなく、前記所定角度θの場合と同程度に互いに傾斜していてもよい。
(3)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状
リーダライタ用アンテナ15は、上記(2)項において説明した基本的単位パターン形状Cと実質的に同一のアンテナパターン形状31および/または類似のアンテナパターン形状31をそれぞれ有する第1および第2のアンテナA、Bを組み合わせて配置することによって、構成されている。そして、これら第1および第2のアンテナA、Bについての間口方向xの磁界成分が弱くなるそれぞれの鎖線領域49が互いに重なり合うことなく互い違いに配されるように、第1および第2のアンテナA、Bがそれぞれ配置されている。つぎに、このような配置例を、「(ア)配置例1」、「(イ)配置例2」および「(ウ)配置例3」に項分けして、図6〜図16を参照しつつ説明する。
(ア)配置例1
図6Cに示すリーダライタ用アンテナ15は、図6Aに示す第1のアンテナAと図6Bに示す第2のアンテナBとを組み合わせて配置したものである。図6Aに示す第1のアンテナAは、図4Aに示す基本的単位パターン形状Cと同一のアンテナパターン形状を有しているから、図4Bに示す基本的単位パターン形状Cの斜線領域49と同一の斜線領域49aを有している。また、図6Bに示す第2のアンテナBは、図4Aに示す基本的単位パターン形状C(換言すれば、第1のアンテナA)と実質的に同一であるほぼループ形状のアンテナパターン31を有していて、一対の端子部32a、32bの位置だけが図4Aに示す基本的単位パターン形状C(換言すれば、第1のアンテナA)と異なっているだけである。このために、図6Bに示す第2のアンテナBも、図4Bに示す基本的単位パターン形状Cの斜線領域49(換言すれば、第1のアンテナAの斜線領域49a)と実質的に同一の斜線領域49bを有している。したがって、第1のアンテナAと第2のアンテナBとは、全体として、互いに類似したアンテナパターン形状を有している。
第1および第2のアンテナA、Bを図6Cに示すように互いに組み合わせて配置することによって、リーダライタ用アンテナ15が構成されている。この組み合わせに当たっては、第2のアンテナBは、図6Cに示すように、第1のアンテナAに対して間口方向xには間隔L(図4A参照)のほぼ1/2(すなわち、ほぼ0.5Lであって、図示の実施例においては、約75mm)だけ左側にずれた状態で配置されるとともに、奥行き方向yにはずれない状態で配置されている。したがって、基本的単位パターン形状Cについてのこれまでの説明は、第1のアンテナAについても同様に当てはまるだけでなく、一対の端子部32a、32bの位置が異なることにより生じる変更事項を除いて、第2のアンテナBについても同様に当てはまる。そして、第1のアンテナAと第2のアンテナBとは、上下方向zに互いに重複する長手状重複部位51〜56を有している。また、第2のアンテナBを第1のアンテナAに対して間口方向xにずらす場合、左側にずらしても右側にずらしても、リーダライタ用アンテナ15の性能としてはほぼ等価である。
図6Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAについての間口方向xにおける斜線領域49aと、第2のアンテナBについての間口方向xにおける斜線領域49bとは、図7Aに示すように、ほぼ等間隔(換言すれば、ほぼ0.5Lの間隔)で互い違いになる。なお、図7Bは、図7A(換言すれば、図6C)に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例を示している。この図7Bに示すリーダライタ用アンテナ15は、第2のアンテナBが第1のアンテナAに対して左側にずれている間隔がほぼ0.5L(図示の実施例においては、約37.5mm)であることを除いて、図7Aに示すリーダライタ用アンテナ15と実質的に同一の構成である。この場合には、斜線領域49aと斜線領域49bとは、図7Bに示すように、互い違いにはなるが、これらの間隔は互いに大よそ等間隔ではない。
図7Aおよび図7Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナによる間口方向xの磁界成分の弱い斜線領域49aまたは49bが、他方のアンテナによって補われる。したがって、リーダライタ用アンテナ15がy−z面に平行になるように置かれた電子タグ19に対して通信不能になる領域が解消する。なお、参考例として図7Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAのほぼループ形状のアンテナパターン31と、第2のアンテナBのほぼループ形状のアンテナパターン31とが、互いにほぼ完全に重なっている。したがって、この図7Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、図6Aに示す第1のアンテナA単独および図6Bに示す第2のアンテナB単独の場合と同様な通信不能領域49が発生する。
本発明においては、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナに給電した際に発生する磁界を受けて、他方のアンテナに発生する誘導電流の値が或る程度大きくなるのが好ましい。このために、第1のアンテナA全体または第2のアンテナB全体の誘導電流の向きが第1および第2のアンテナA、Bの長手状重複部位51〜56または最も近接している長手状近接部位に発生する誘導電流の向きに一致するように、第1および第2のアンテナA、Bを配置するのが好ましい。
例えば、図6Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAに図8Aにおける実線の向き(またはその逆の向き)に給電したときに、第1および第2のアンテナA、Bの長手状重複部位51〜56において第2のアンテナBに発生する誘導電流は、図8Aにおける上記実線の矢印の向き(またはその逆の向き)とは逆の破線の矢印の向き(またはその逆の向き)になる。また、図7Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第2のアンテナBの奥行き方向yに延在するアンテナパターン部分(すなわち、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)において発生する誘導電流の向きは、第2のアンテナBの上記アンテナパターン部分37、41、46、47に近接しかつほぼ平行な第1のアンテナAのアンテナパターン部分(すなわち、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)から誘導を受けて、図8Bに破線の矢印で示す共通の電流方向になる。そして、この図8Bに破線の矢印で示す方向は、図8Aに示す長手状重複部位51〜56での誘導電流の破線の矢印で示す流れ方向と一致している。なお、図8Cには、第1および第2のアンテナA、Bの間口方向xへのずらし方が図8Bの場合とは左右逆の場合が示されている。そして、この図8Cの場合にも、誘導電流の破線の矢印で示す流れ方向は、図8Bの場合と実質的に同一である。
さらに、図9Aには、図6Cに示すリーダライタ用アンテナ15において第1のアンテナAに対して第2のアンテナBを奥行き方向yに間隔Lのほぼ1/4(すなわち、ほぼ0.25Lであって、図示の実施例においては、約45mm)だけ手前にずらして配置したリーダライタ用アンテナ15が示されている。この場合には、第1および第2のアンテナA、Bについての奥行き方向yの磁界成分の弱い斜線領域50が、互いに重ならないようにすることができる。したがって、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナについての奥行き方向yの磁界成分の弱い斜線領域50が、他方のアンテナによって補われる。また、図9Aに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bが、図9Bに示すように、長手状重複部位61、62において上下方向zに互いに重複している。この場合も、図9Cに示すように、長手状重複部位61、62での誘導電流の向きを破線の矢印に示すように互いに一致させることができる。
また、図10Aには、図7Bに示すリーダライタ用アンテナ15において第1のアンテナAに対して第2のアンテナBを奥行き方向yに間隔Lのほぼ1/4(すなわち、ほぼ0.25Lであって、図示の実施例においては、約45mm)だけ手前にずらして配置したリーダライタ用アンテナ15が示されている。この場合にも、第1および第2のアンテナA、Bの奥行き方向yの磁界成分の弱い斜線領域50が、互いに重ならないようにすることができる。したがって、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナにおける奥行き方向yの磁界成分の弱い斜線領域50が、他方のアンテナによって補われる。この場合にも、図10Aの変形例である図10Bに示す場合と同様に、長手状重複部位61、62と長手状近接部位とで誘導電流の向きを破線の矢印に示すように互いに一致させることができる。なお、図10Bに示すリーダライタ用アンテナ15においては、第2のアンテナBを第1のアンテナAに対して間口方向xにほぼ0.75Lだけ右側にずらして配置している。
(イ)配置例2
図11に示すリーダライタ用アンテナ15は、図6Aに示す第1のアンテナAと、図6Bに示す第2のアンテナBのほぼループ形状のアンテナパターン31を仮想の中心線45を中心として奥行き方向yにおいて反転させたアンテナ(換言すれば、中心線45を対称軸として第2のアンテナBと線対称であるアンテナ)から成る第2のアンテナBとを、図6Cの場合と同様にして、組み合わせて配置したものである。この第1のアンテナAおよび第2のアンテナBは、図11に示すように、上下方向zに互いに重複する長手状重複部位63〜68を有している。
図11に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAについての間口方向xにおける斜線領域49aと、第2のアンテナBについての間口方向xにおける斜線領域49bとは、図12Aに示すように、大よそ等間隔で互い違いになる。なお、図12Bは、図11に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例1を示している。この図12Bに示すリーダライタ用アンテナ15は、第2のアンテナBが第1のアンテナAに対して左側にずれている間隔がほぼ0.25Lであることを除いて、図12Aに示すリーダライタ用アンテナ15と実質的に同一の構成である。この場合には、斜線領域49aと斜線領域49bとは、図12Bに示すように互い違いにはなるが、これらの間隔は互いに大よそでも等間隔ではない。
図12Aおよび図12Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナによる間口方向xの磁界成分の弱い斜線領域49aまたは49bが、他方のアンテナによって補われる。したがって、リーダライタ用アンテナ15がy−z面に平行な電子タグ19に対して通信不能となる領域が、解消する。なお、参考例として図12Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAのほぼループ形状のアンテナパターン31と、第2のアンテナBのほぼループ形状のアンテナパターン31とが、一部分を除いて(特に、ほぼ奥行き方向yに延在するパターン部分において)、互いにほぼ完全に重なっている。したがって、この図12Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、図6Aに示す第1のアンテナA単独および図6Bに示す第2のアンテナB単独の場合と同様な通信不能領域49が、発生する。
図11に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAに図13Aにおける実線の矢印の向き(またはその逆の向き)に給電したときに、第1および第2のアンテナA、Bの長手状重複部位63〜68において第2のアンテナBに発生する誘導電流は、図13Aにおける上記実線の矢印の向き(またはその逆の向き)とは逆の破線の矢印の向き(またはその逆の向き)になる。また、図12Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bの長手状重複部位63〜68ならびに第1および第2のアンテナA、Bの長手状近接部位において発生する誘導電流の向きは、図13Bに破線の矢印で示す方向になる。そして、この長手状近接部位での誘導電流の破線の矢印で示す方向は、長手状重複部位63〜68での誘導電流の破線の矢印で示す方向と一致している。なお、図13Cには、第1および第2のアンテナA、Bの間口方向xへのずらし方が図13Bの場合とは左右逆の場合が、示されている。そして、この図13Cの場合にも、誘導電流の破線の矢印で示す流れ方向は、図13Bの場合と実質的に同一である。
(ウ)配置例3
図14に示すリーダライタ用アンテナ15は、第1のアンテナAの第1のパターン部分35と第2のアンテナBの第1のパターン部分35とが第2のアンテナBのベースライン部43と第1のアンテナAのベースライン部43とに重複する長手状重複部位63〜68(図11参照)が無くなるように、第1のアンテナAと第2のアンテナBとを組み合わせて配置したものである。この場合、第1のアンテナAおよび第2のアンテナBは、図14に示すように、上下方向zに互いに重複する長手状重複部位71〜74を有している。
図14に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAについての間口方向xにおける斜線領域49aと、第2のアンテナBについての間口方向xにおける斜線領域49bとは、図15Aに示すように、大よそ等間隔で互い違いになる。なお、図15Bは、図14に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例1を示している。この図15Bに示すリーダライタ用アンテナ15は、第2のアンテナBが第1のアンテナAに対して左側にずれている間隔がほぼ0.25Lであることを除いて、図15Aに示すリーダライタ用アンテナ15と実質的に同一の構成である。この場合には、斜線領域49aおよび斜線領域49は、図15Bに示すように互い違いにはなるが、これらの間隔は、互いに大よそでも等間隔ではない。
図15Aおよび図15Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナによる間口方向xの磁界成分の弱い斜線領域49aまたは49bが、他方のアンテナによって補われる。したがって、リーダライタ用アンテナ15がy−z面に平行に置かれている電子タグ19に対して通信不能となる領域が解消する。なお、図14に示すリーダライタ用アンテナ15の参考例として図15Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAのほぼループ形状のアンテナパターン31の第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47と、第2のアンテナBのほぼループ形状のアンテナパターン31の第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47とが、一部分を除いて、互いにほぼ完全に重なっている。したがって、この図15Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、図6Aに示す第1のアンテナA単独および図6Bに示す第2のアンテナB単独の場合と同様な通信不能領域49が、発生する。
図14に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAに図16Aにおける実線の矢印の向き(またはその逆の向き)に給電したときに、第1および第2のアンテナA、Bの長手状重複部位71〜74において第2のアンテナBに発生する誘導電流は、図16Aにおける上記実線の矢印の向き(またはその逆の向き)とは逆の破線の矢印の向き(またはその逆の向き)になる。また、図14に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例2として図16Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bの長手状重複部位71〜74ならびに第1および第2のアンテナA、Bの長手状近接部位で発生する誘導電流の向きは、図16Bに破線の矢印で示す方向になる。そして、この上記長手状近接部位での誘導電流の破線の矢印で示す方向は、長手状重複部位71〜74での誘導電流の破線の矢印で示す方向と一致している。なお、図14に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例3として図16Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bの間口方向xへのずらし方が、図16Bの場合とは左右逆になっている。そして、この図16Cの場合にも、誘導電流の破線の矢印で示す流れ方向は、図16Bの場合と実質的に同一である。
この配置例3のリーダライタ用アンテナ15について、第1のアンテナAのほぼループ形状のアンテナパターン31に対する第2のアンテナBのほぼループ形状のアンテナパターン31の、棚板11の長さ方向(具体的には、間口方向x)におけるずれの量を考えた場合、つぎの(a)項〜(d)項に記載の4種類が存在している。
(a)第1のアンテナAに対する第2のアンテナBのずれの量=0(図15Cの場合)、
(b)第1のアンテナAに対する第2のアンテナBのずれの量<0.5L(図15Bの場合)、
(c)第1のアンテナAに対する第2のアンテナBのずれの量=0.5L(図14、図15Aおよび図16Aの場合)、および
(d)第1のアンテナAに対する第2のアンテナBのずれの量>0.5L(図16Bおよび図16Cの場合)。
第1のアンテナAと第2のアンテナBとを互いに組み合せて(換言すれば、互いに重ね合せて)配置するに際しては、第1および第2のアンテナA、Bについての棚板6、11〜14などのアンテナ形成対象部材の長さ方向(具体的には、間口方向x)および場合によっては幅方向(具体的には、奥行き方向y)の磁界成分が弱くなるそれぞれの鎖線領域49a、49b、50が図15Cに示すように互いに重なり合うことなく図15Aおよび図15Bに示すように互い違いに配されるように、第1のアンテナAと第2のアンテナBとをそれぞれ配置するのが好ましい。なお、長さ方向と幅方向とが互いに大よそ等しい場合には、これら2つの方向のうちのいずれか一方を長さ方向xに選定することができる。また、図16Cに示す誘導電流が第1のアンテナAまたは第2のアンテナBにおいて一方向に流れるようにするためには、第1および第2のアンテナA、Bのアンテナパターン31のうちの長さ方向xに延在する各アンテナパターン部分(特に、ベースライン部43および連結部48)の互いに重なる部分、あるいは、互いに近接する部分が、できるだけ長いのが好ましい。
第1および第2のアンテナA、Bについての長さ方向xの磁界成分が弱くなるそれぞれの鎖線領域49a、49bが互いに重なり合うことなく互い違いに配されるようにするためには、上記(a)項〜(d)項に記載したずれの量は、0.25L〜0.65Lの範囲であるのが好ましく、0.3L〜0.5Lの範囲であるのがさらに好ましい。なお、上記ずれ量が上記範囲から外れると、リーダライタ用アンテナ15についての幅方向yに沿って延在する長さ方向xの磁界成分の弱い領域が顕著になる。また、第1および第2のアンテナA、Bについての長さ方向xの磁界成分が弱くなるそれぞれの鎖線領域49a、49bが互いに重なり合うことなく互い違いに配されるようにするためだけでなく、誘導電流が第1または第2のアンテナA、Bにおいて一方向に流れるようにするためには、上記(a)項〜(d)項に記載したずれ量は、0.25L〜0.45Lの範囲または0.55L〜0.65Lの範囲であるのが好ましい。なお、上記(a)項〜(d)項に記載した事項以降からここまでに記載した事項(これら4種類の数値範囲を含む。)は、この第1の実施例における配置例3のみならず、前述の配置例1および2についても同様に当てはまり、また、後述の第2および第3の実施例の種々の配置形態についても同様に当てはまる。
(4)リーダライタ用アンテナの給電方法
第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナに給電した際に、他方のアンテナに発生する誘導電流が一方向(換言すれば、共通の電流方向)のみに流れ易いように、第1および第2のアンテナA、Bを組み合わせて配置した場合には、一方のアンテナのみに給電するだけでリーダライタ用アンテナ15を電子タグ19と良好に交信させることができる。ただし、第1および第2のアンテナA、Bに交互に給電を行うことによって、リーダライタ用アンテナ15をさらに安定した状態で良好に通信させることができる。
2、第2の実施例
本発明においては、棚板6、11〜14に設けられるリーダライタ用アンテナ15を構成する第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれのアンテナパターン31の形状などは、図1〜図16に示す第1の実施例のものに限定されるものではなく、図17〜図24に示す第2の実施例によって例示するように、各種の変更および修正が可能である。したがって、以下において、本発明の第2の実施例を、「(1)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状」、「(2)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状」、「(3)リーダライタ用アンテナへの給電方法」および「(4)リーダライタ用アンテナの動作実験」に項分けして、図17〜図24を参照しつつ説明する。なお、図17〜図24に示す第2の実施例における棚板11は、以下に記載する点を除いて、上述の第1の実施例における棚板11と実質的に同一の構成であってよい。したがって、図17〜図24において、図1〜図16と共通の部分には、同一の符号を付してその説明を必要に応じて省略する。また、以下の記載においては、棚板11についてのみ説明するが、残りの棚板6、12〜14は、棚板11と実質的に同一の構成であってもよいし、同一の構成でなくてもよい。
(1)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状
図18に示すリーダライタ用アンテナ15を構成している第1および第2のアンテナA、Bの基本的な単位パターン形状Cが、図17Aに示されている。この基本的単位パターン形状Cは、図18に示す第1のアンテナAのパターン形状と実質的に同一である。この基本的単位パターン形状Cのアンテナパターン31は、第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aと、第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bとを有している。そして、第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aおよびと第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bは、交差部位81において、上下2箇所で互いに接続されている。なお、これら上下2箇所の接続箇所の間は、適当な絶縁材料から成る絶縁層によって絶縁されていればよい。
第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aは、図17Aに示すように、端子部32aが連設されかつ棚板11の後縁部34の側に位置する第1のパターン部分35と、棚板11の向かって左側の縁部36の側に位置する第2のパターン部分37と、棚板11の前縁部38の側に位置する第3のパターン部分39と、端子部32bが連設されかつ棚板11の向かって右側の縁部40の側に位置する第4のパターン部分41とが、第3のパターン部分39と第4パターン部分41との間の近傍における交差部位81を除いて、順次連設されたものであってよく、全体として、隙間33および交差部位81を除いて、ループ形状に構成されていてよい。
第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aの第1のパターン部分35は、図17Aに示すように、棚板11の後縁部34に近接しかつこの後縁部34にほぼ平行な状態でもって棚板11のほぼ全長にわたって延在している。第2のパターン部分37は、棚板11の向かって左側の縁部36に近接しかつこの左側縁部36にほぼ平行な状態でもって棚板11の後縁部34付近のみを奥行き方向yの長さL(図6C参照)の約1/6(換言すれば、約L/3)の長さで延在している。第4のパターン部分41は、棚板11の向かって右側の縁部40から多少離れかつこの右側縁部40にほぼ平行な状態でもって棚板11の奥行き方向yの長さLの約1/3(換言すれば、約2L/3)の長さで棚板11の後側のほぼ半分を延在している。
第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aの第3のパターン部分39は、棚板11の棚板中心線45にほぼ沿った状態でもって相互の間に間欠部分42が生じるように間欠的に延在している複数本のベースライン部43と、これら間欠的に延在している複数本のベースライン部43の間またはベースライン部43と第2のパターン部分37との間に介在している屈曲部44とから成っている。向かって左側の屈曲部44aを除く残りの各屈曲部44は、向かって左側のベースライン部43の向かって右側の端部にその基端部を連設されかつ棚板11の後端部に向かって立上っている第1の立上り部46と、向かって右側のベースライン部43の向かって左側の端部にその基端部を連設されかつ棚板11の後縁部34に向かって立上っている第2の立上り部47と、これら第1および第2の立上り部46、47の先端部をそれぞれ連設するように、間口方向xにほぼ平行に延在している連結部48とから成り、全体として、ほぼ長方形状の凸形状部分であるのが好ましい。また、向かって左側の屈曲部44aは、向かって右側のベースライン部43の向かって左側の端部にその基端部を連設されかつ棚板11の後縁部34に向かって立上っている第2の立上り部47と、この第2の立上り部47の先端部と第2のパターン部分37の前端部とを連結するように、間口方向xにほぼ平行に延在している連結部48とから成り、全体として、ほぼL字形状のコーナ形状部分であってよい。
第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bは、図17Aに示すように、棚板11の後縁部34の側に位置する第1のパターン部分35と、棚板11の向かって左側の縁部36の側に位置する第2のパターン部分37と、棚板11の前縁部38の側に位置する第3のパターン部分39と、棚板11の向かって右側の縁部40の側に位置する第4のパターン部分41とが、第1のパターン部分35と第4のパターン部分41との間の近傍における交差部位81を除いて、順次連設されたものであってよく、全体として、交差部位81を除いて、ループ形状に構成されていてよい。なお、第2のアンテナパターン31bの第4のパターン部分41の後端部は、第1のアンテナパターン31aの向かって右側の屈曲部44の第2の立上り部47に交差部位81において連設されている。また、第2のアンテナパターン31bの第1のパターン部分34の向かって右側の端部は、第1のアンテナパターン31aの第3のパターン部分39の向かって右側の端部に交差部位81において連設されている。
第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bの第2のパターン部分37は、図17Aに示すように、棚板11の向かって左側の縁部36に近接しかつこの左側縁部36にほぼ平行な状態でもって棚板11の奥行き方向yの長さLの約1/3の長さで棚板11の前側のほぼ半分を延在している。第3のパターン部分39は、棚板11の前縁部38に近接しかつこの前縁部38にほぼ平行な状態でもって棚板11のほぼ全長にわたって延在している。第4のパターン部分41は、棚板11の向かって右側の縁部40から多少離れかつこの右側縁部40にほぼ平行な状態でもって棚板11の奥行き方向yの長さLの約1/3(換言すれば、約0.67L)の長さで棚板11の前側のほぼ半分を延在している。
第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bの第1のパターン部分35は、図17Aに示すように、棚板中心線45にほぼ沿った状態でもって相互の間に間欠部分42が生じるように間欠的に延在している複数本のベースライン部43と、これら間欠的に延在している複数本のベースライン部43の間に介在している屈曲部44とから成っている。そして、各屈曲部44は、向かって左側のベースライン部43の向かって右側の端部にその基端部を連設されかつ棚板11の前端部38に向かって立上っている第1の立上り部46と、向かって右側のベースライン部43の向かって左側の端部にその基端部を連設されかつ棚板11の前端部38に向かって立上っている第2の立上り部47と、これら第1および第2の立上り部46、47の先端部をそれぞれ連設するように、間口方向xにほぼ平行に延在している連結部48とから成り、全体として、ほぼ長方形状の凸形状部分であるのが好ましい。
図17Aに示す基本的単位パターン形状Cにおいては、第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aの第3のパターン部分39のベースライン部43と、第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bの第1のパターン部分35のベースライン部43とは、ほぼ棚板中心線45上を、全体としてほぼ一直線になるように、交互に延在している。換言すれば、第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bのベースライン部43が、第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aの間欠部分42に配されている。また、第1のほぼループ形状のアンテナパターン31bのベースライン部43が、第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bの間欠部分42に配されている。そして、第1のほぼループ形状のアンテナパターン31aの第1のパターン部分35と棚板中心線45との奥行き方向yにおける間隔は、第2のほぼループ形状のアンテナパターン31bの第1のパターン部分35と棚板中心線45との奥行き方向yにおける間隔と実質的に同一である。したがって、棚板中心線45は、基本的単位パターン形状Cの間口方向xに延在する仮想の中心線を兼ねている。
図17Aに示す基本的単位パターン形状Cの特徴は、棚板11の面に平行な間口方向xの磁界成分が、間口方向xに沿ってその位置に応じてほぼ周期的に変化して、図17Bにおいて斜線を施した領域49で弱くなる傾向があることである。これは、奥行き方向yに延在するアンテナパターン部分(すなわち、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)によって生じる間口方向xの磁界成分が、これらの隣り合うアンテナパターン部分の中間の位置で小さくなるためである。したがって、図17Aに示す基本的単位パターン形状C単独では、電子タグ19(図2参照)がy−z面(zは、棚板11の面に垂直な方向)に平行になるように斜線領域49に置かれた場合には、リーダライタ用アンテナ15(換言すれば、図17Aに示す基本的単位パターン形状C)が電子タグ19と交信できにくくなる恐れがある。
リーダライタ用アンテナ15がy−z面に平行に置かれた電子タグ19と交信することには、上述のように、リーダライタ用アンテナ15の各アンテナパターン部分から発せられる磁界の間口方向xの成分が影響している。したがって、アンテナのほぼ奥行き方向に延在するアンテナ部分は、間口方向xに対してほぼ垂直に延在しているのが好ましい。しかし、図5Aに示す傾斜角度θの場合と同様に、傾斜角度を多少有していてもよい。また、奥行き方向yに延在するアンテナパターン部分(すなわち、第1および第2のアンテナパターン31a、31bの第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)のうちで互いに隣り合うアンテナパターン部分は、y−z面に平行に置かれた電子タグ19に対する基本的単位パターン形状Cの通信不能領域の間口方向xの幅が、奥行き方向yに沿ってできるかぎり一定になるように、互いにほぼ平行であるのが好ましい。
図17Bが、図17Aに示す基本的単位パターン形状Cについての棚板11の面に平行な間口方向xの磁界成分を示しているのに対し、図17Cは、図17Aに示す基本的単位パターン形状Cについての棚板11の面に平行な奥行き方向yの磁界成分を示している。そして、棚板11の面に平行な奥行き方向yの磁界成分も、上述の間口方向xの場合と同様の理由から、図17Cにおける斜線領域50で弱くなる傾向がある。したがって、基本的単位パターン形状Cにおいて間口方向xに延在するアンテナパターン部分(すなわち、第1および第2のアンテナパターン31a、31bの第1のパターン部分35、ベースライン部43および連結部48)は、x−z面に平行に置かれた電子タグ19に対する基本的単位パターン形状Cの通信不能領域の奥行き方向yの幅が、間口方向xに沿ってできるだけ一定になるように、互いにほぼ平行であるのが好ましい。しかし、上記アンテナパターン部分35、43、48は、互いにほぼ平行である必要は必ずしもなく、前記所定角度θの場合と同程度に互いに傾斜していてもよい。
(2)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状
リーダライタ用アンテナ15は、上記(1)項において説明した基本的単位パターン形状Cと実質的に同一のアンテナパターン形状31および/または類似のアンテナパターン形状31をそれぞれ有する第1および第2のアンテナA、Bを組み合わせ配置することによって、構成されている。そして、これら第1および第2のアンテナA、Bについての間口方向xの磁界成分の弱くなるそれぞれの鎖線領域49が、互いに重なり合うことなく互い違いに配されるように、第1および第2のアンテナA、Bが、それぞれ配置されている。つぎに、このような配置例を、図18〜図22を参照しつつ説明する。
図18に示すリーダライタ用アンテナ15は、図17Aに示す基本的単位パターン形状Cと同一の第1のアンテナAと、図17Aに示す基本的単位パターン形状Cと類似した第2のアンテナBとを組み合わせて配置したものである。なお、第1のアンテナAは、図17Aに示す基本的単位パターン形状Cと同一のパターン形状を有しているから、図17Bに示す基本的単位パターン形状Cの斜線領域49とほぼ同一の斜線領域を有している。また、第2のアンテナBは、図17Aに示す基本的単位パターン形状C(換言すれば、第1のアンテナA)の場合とほぼ同一であるほぼループ形状のアンテナパターン31を有していて、一対の端子部32a、32bの長さだけが、図17Aに示す基本的単位パターン形状C(換言すれば、第1のアンテナA)と異なっているだけである。このために、第2のアンテナBも、図17Bに示す基本的単位パターン形状Cの斜線領域49(換言すれば、第1のアンテナAの斜線領域)とほぼ同一の斜線領域を有している。したがって、第1のアンテナAおよび第2のアンテナBは、互いにほぼ同一のアンテナパターン形状(すなわち、アンテナパターン31)を有している。
第1および第2のアンテナA、Bを図18に示すように互いに組み合わせて配置することによって、リーダライタ用アンテナ15が構成されている。この組み合わせに当たっては、第2のアンテナBは、図18に示すように、第1のアンテナAに対して間口方向xには間隔L(図4A参照)のほぼ1/2(すなわち、ほぼ0.5Lであって、図示の実施例においては、約75mm)だけ左側にずれた状態で配置されるとともに奥行き方向yにはずれない状態で配置されている。したがって、基本的単位パターン形状Cについてのこれまでの説明は、第1のアンテナAについても同様に当てはまるだけでなく、一対の端子部32a、32bの長さが異なることにより生じる変更事項を除いて、第2のアンテナBについても同様に当てはまる。そして、第1のアンテナAおよび第2のアンテナBは、上下方向zに互いに重複する長手状重複部位82〜89を有している。また、第2のアンテナBを第1のアンテナAに対して間口方向xにずらす場合、左側にずらしても右側にずらしても、リーダライタ用アンテナ15の性能としてはほぼ等価である。
図18に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAについての間口方向xにおける斜線領域49aと、第2のアンテナBについての間口方向xにおける斜線領域49bとは、図19Aに示すように、ほぼ等間隔(換言すれば、約L/2の間隔)で互い違いになる。なお、図19Bは、図18に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例1を示している。この図19Bに示すリーダライタ用アンテナ15は、第2のアンテナBが第1のアンテナAに対して左側にずれている間隔が、ほぼ0.25L(図示の実施例においては、約37.5mm)であることを除いて、図19Aに示すリーダライタ用アンテナ15と実質的に同一の構成である。この場合には、斜線領域49aおよびと斜線領域49bは、図19Bに示すように、互い違いにはなるが、これらの間隔は、互いに大よそでも等間隔ではない。
図19Aおよび図19Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナによる間口方向xの磁界成分の弱い斜線領域49aまたは49bが、他方のアンテナによって補われる。したがって、リーダライタ用アンテナ15がy−z面に平行に置かれている電子タグ19に対して通信不能となる領域が、解消する。なお、図18に示すリーダライタ用アンテナ15の参考例として図19Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAのアンテナパターン31と、第2のアンテナBのアンテナパターン31とが、互いにほぼ完全に重なっている。したがって、この図19Cに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、図19Aにそれぞれ示す第1のアンテナA単独および第2のアンテナB単独の場合と同様な通信不能領域49a、49bが、発生する。
本発明においては、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナに給電した際に発生する磁界を受けて、他方のアンテナに発生する誘導電流の値が大きくなるのが好ましい。このために、第1のアンテナA全体または第2のアンテナB全体の誘導電流の向きが、第1および第2のアンテナA、Bの長手状重複部位82〜89または最も近接している長手状近接部位に発生する誘導電流の向きに一致するように、第1および第2のアンテナA、Bを配列するのが好ましい。
例えば、図18に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAに図20Aにおける実線の矢印の向き(またはその逆の向き)に給電したときに、第1および第2のアンテナA、Bの長手状重複部位82〜89において第2のアンテナBに発生する誘導電流は、図20Aにおける上記実線の矢印の向き(またはその逆の向き)とは逆の破線の矢印の向き(またはその逆の向き)になる。また、図19Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第2のアンテナBの奥行き方向yに延在するアンテナパターン部分(すなわち、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)において発生する誘導電流の向きは、第2のアンテナBの上記アンテナパターン部分37、41、46、47に近接しかつほぼ平行な第1のアンテナAのアンテナパターン部分(すなわち、第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)から誘導を受けて、図20Bに破線の矢印で示す方向になる。そして、この図20Bに破線の矢印で示す方向は、図20Aに示す長手状重複部位82〜89での誘導電流の破線の矢印で示す方向と一致している。なお、図18に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例2として図20Cに示すリーダライタ用アンテナ15は、第1および第2のアンテナA、Bの間口方向xへのずらし方が図20Bの場合とは左右逆の場合である。そして、この図20Cの場合にも、誘導電流の破線の矢印で示す向きは、図20Bの場合と実質的に同一である。
さらに、図18に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例3として図21Aに示すリーダライタ用アンテナ15は、図18に示すリーダライタ用アンテナ15において、第1のアンテナAに対して第2のアンテナBを間口方向xに左右逆に同様にずらすとともに、奥行き方向yに間隔Lのほぼ1/4(すなわち、ほぼ0.25Lであって、図示の実施例においては、約22.5mm)だけ手前にずらしたものである。この場合には、図18における長手状重複部位82〜88が、図21Aに示すように、長手状近接部位82〜88に変わるので、第1および第2のアンテナA、Bについての奥行き方向yの磁界成分の弱い斜線領域50が、互いに重ならないようになる。したがって、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナについての奥行き方向yの磁界成分の弱い斜線領域50が、他方のアンテナによって補われる。この場合、図20Aに示す場合と同様に、長手状近接部位82〜88における誘導電流の向きを、破線の矢印に示すように、互いに一致させることができる。なお、図21Bは、図18に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例4を示すものであって、図21Aに示すリーダライタ用アンテナ15において、第1のアンテナAに対して第2のアンテナBを間口方向xにおける右側にずらす間隔をほぼ0.33Lにしたものである。この図21Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合にも、長手状近接部位での誘導電流の向きを、破線の矢印に示すように、互いに一致させることができる。
図18に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例5として図22Aに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、図21Aに示すリーダライタ用アンテナ15において、第1および第2のアンテナA、Bが、長手状重複部位91〜95において上下方向zに互いに重複している。この場合、図18に示すリーダライタ用アンテナ15の変形例6として図22Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合と同様に、長手状重複部位91〜95および長手状近接部位における誘導電流の向きを、破線の矢印に示すように、互いに一致させることができる。なお、図22Bに示すリーダライタ用アンテナ15においては、第1のアンテナAは、第2のアンテナBに対して、間口方向xにおいても左側にほぼ0.75Lだけずれている。
(3)リーダライタ用アンテナへの給電方法
第2の実施例の場合にも、第1の実施例の場合と同様に、第1および第2のアンテナA、Bのうちの一方のアンテナのみに給電することができ、また、第1および第2のアンテナA、Bに交互に給電することもできる。
(4)リーダライタ用アンテナの動作実験
図23は、図1に示す物品18に設けられた電子タグ19と、図21Aに示す棚板11に設けられたリーダライタ用アンテナ15のほぼループ形状のアンテナパターン31と、磁力線101との関係を示している。この図23において、アンテナパターン31は、紙面に対してほぼ垂直に延在している。この図23に示す動作実験において用いられた図2に示す電子タグ19は、横方向の長さLが85.6mmで縦方向の長さLが54mmであった。
図23に示す動作実験において用いられた図21Aに示すリーダライタ用アンテナ15は、第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターン31a、31bおよび一対の端子部32a、32bの両方が、線径(すなわち、断面径)0.1mmの銅線で形成され、第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれのほぼループ形状のアンテナパターン31が交差する交差部位においては、この交差部位の間を樹脂製フィルムで絶縁した。図21Aに示すリーダライタ用アンテナ15の第1および第2のアンテナA、Bは、長手状重複部分が実質的に生じないように、間口方向xおよび奥行き方向yにそれぞれずらした状態で配置されていた。第1および第2のアンテナA、Bの間は、樹脂製フィルムを介在させて絶縁し、図3に示すように、その両側から一対のガラス板23、24で挟んで接着固定した。
図23に示す動作実験においては、第1および第2のアンテナA、Bに周波数13.56MHzの高周波を交互に給電し、投入電力を4Wとした。これとともに、電子タグ19を棚板11の表面に対してほぼ一定の向き(すなわち、x−y面、x−z面およびy−z面にそれぞれほぼ平行)に配しかつこの表面からほぼ一定の距離を保ってほぼ水平方向に移動させて、リーダライタ用アンテナ15に対する電子タグ19の通信の可否を判定した。上記動作実験における評価結果をそれぞれ示す図24A(x−y面に平行)、図24B(x−z面に平行)および図24C(y−z面に平行)においては、通信不能領域102には、ハーフトーンが施され、通信可能領域103には、ハーフトーンが施されていない。図24A〜図24Cに示されているように、リーダライタ用アンテナ15が形成されているアンテナ形成領域では、どの方向に電子タグ19が置かれても、リーダライタ用アンテナ15に対する電子タグ19の通信が可能であった。
3、第3の実施例
つぎに、本発明の第3の実施例を、「(1)物品載置棚の全体的構成」、「(2)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状」、「(3)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状」、「(4)リーダライタ用アンテナへの給電方法」および「(5)リーダライタ用アンテナの効果」に項分けして、図25および図26を参照しつつ説明する。なお、図25および図26に示す第3の実施例における棚板11は、以下に記載する点を除いて、既述の第1の実施例における棚板11と実質的に同一の構成であってよい。したがって、図25および図26において、図1〜図16と共通の部分には、同一の符号を付してその説明を必要に応じて省略する。また、以下の記載においては、棚板11についてのみ具体的に説明するが、残りの棚板6、12〜14は、棚板11と実質的に同一の構成であってもよいし、同一の構成でなくてもよい。
(1)物品載置棚の全体的構成
本発明の第1の実施例における物品載置棚1の棚板11は、図6C(すなわち、本発明の実施例1の配置例1)の棚板11に較べて、奥行き方向の長さLに対する間口方向の長さLが十分に大きくなっている。この点は、棚板11以外の棚板6、12〜14や、天板5についても同様であり、また、背板4も間口方向の長さが同様に大きくなっている。この場合、上記長さLは、例えば約350mmであってよく、上記長さLは、例えば1380mmであってよい。
リーダライタ用アンテナ15を構成する2個のアンテナA、Bのうちの非給電アンテナとして機能する第2のアンテナBの一対の端子部32a、32bの間には、図25に示すように、非給電アンテナBとともに共振回路を構成するための半固定コンデンサ、可変コンデンサなどの共振回路用のコンデンサ161が接続されている。また、給電アンテナとして機能する第1のアンテナAの一対の端子部32a、32bの間には、マッチング調整器162が接続されている。そして、、このマッチング調整器162には、リーダライタ本体17および制御用コンピュータ163が順次接続されている。
(2)リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状
図25に示すリーダライタ用アンテナ15を構成している第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれの基本的な単位パターン形状は、つぎの(a)項〜(f)項に記載の点を除いて、図16Bに示すリーダライタ用アンテナ15を構成している第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれの基本的な単位パターン形状と実質的に同一であってよい。
(a)第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれの屈曲部44の個数が2個から5個に増加していること、
(b)第1のアンテナAの第1のパターン部分35および第2のアンテナBの第3のパターン部分39のそれぞれの長さがかなり大きくなっていること、
(c)第1および第2のアンテナA、Bの第2および第4のパターン部分37、41のそれぞれの長さが多少大きくなっていること、
(d)第1および第2のアンテナA、Bのベースライン部43および連結部48のそれぞれの長さが多少小さくなっていること、
(e)第1および第2のアンテナA、Bの第1および第2立上り部46、47のそれぞれの長さが多少長くなっていること、および
(f)第1のアンテナAの一対の端子部32a、32bが棚板11の後縁部34付近のうちの向って右側の縁部40付近に配置されるとともに、第2のアンテナBの一対の端子部32a、32bが棚板11の後縁部34付近のうちの向って左側の縁部36付近に配置されていること。
(3)リーダライタ用アンテナの具体的パターン形状
図25に示すリーダライタ用アンテナ15は、つぎの(g)項および(h)項に記載の点で、図16Bに示すリーダライタ用アンテナ15とは相違していてよい。
(g)第1のアンテナAの第1のパターン部分35と、第1のアンテナAの連結部48および第2のアンテナBのベースライン部43との相互の間隔Lがかなり小さくなっていること、および
(h)第2のアンテナBの第3のパターン部分39と、第2のアンテナBの連結部48および第1のアンテナAのベースライン部43との相互の間隔Lがかなり小さくなっていること。
参考例1として図26Aに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、つぎの(i)項〜(k)項に記載の点で、図25に示すリーダライタ用アンテナ15とは相違している。
(i)第1のアンテナAのベースライン部43のそれぞれが、一部分を除いて、第2のアンテナBの第3のパターン部分39にほぼ完全に重なっていること、
(j)第2のアンテナBのベースライン部43のそれぞれが、一部分を除いて、第1のアンテナAの第1のパターン部分35にほぼ完全に重なっていること、および
(k)第1および第2のアンテナA、Bの第1および第2の立上り部46、47のそれぞれの長さLが、或る程度短くなっていること。
図26Aに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAの第1のパターン部分35および第2のアンテナBのベースライン部43と、第1のアンテナAの連結部48との間隔Lが大きくなっている。また、第2のアンテナBの第3のパターン部分39および第1のアンテナAのベースライン部43と、第2のアンテナBの連結部48との間隔Lも大きくなる。このために、図26Aに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、棚板11の面に平行な間口方向xの磁界成分が、図26Aにおいて斜線を施した領域49で弱くなる傾向がある。したがって、図26Aに示すリーダライタ用アンテナ15では、図26Aに示すように電子タグ19がy−z面に平行になるように置かれた場合に、リーダライタ用アンテナ15が斜線領域49に置かれた電子タグ19とは交信できなくなる恐れがある。換言すれば、斜線領域49は、リーダライタ用アンテナ15が電子タグ19とは交信できない通信不能領域になる恐れがある。この点について詳述すると、電子タグ19が書籍類18aに通常取り付けられるカードサイズの電子タグのような大きなサイズのときには、リーダライタ用アンテナ15は、棚板11上でさえあれば、このリーダライタ用アンテナ15からの磁界が比較的弱くても、電子タグ19と十分に交信することができる。したがって、リーダライタ用アンテナ15は、上記通信不能領域(すなわち、斜線領域49)においても、電子タグ19から少し離れた位置において奥行き方向yにほぼ沿って延在している有効アンテナパターン要素37、41、46、47から発生する磁界でもって、電子タグ19と十分に交信することができる。しかし、宝石類のような小さな商品に取り付けられる電子タグ19のサイズは、上記カードサイズよりも十分に小さいのが好ましい。そして、このように電子タグ19のサイズが十分に小さくなると、上述のように、リーダライタ用アンテナ15が電子タグ19と良好に交信できなくなる通信不能領域49が生じる恐れがある。
図26Aに示すリーダライタ用アンテナ15のこのような欠点を是正するために、参考例2として図26Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、つぎの(l)項〜(o)項に記載の点で、図26Aに示すリーダライタ用アンテナ15とは相違させている。
(l)第1のアンテナAのベースライン部43を第2のアンテナBの第3のパターン部分39よりも棚板11の後縁部34側に或る程度ずらしたこと、
(m)第2のアンテナBのベースライン部43を第1のアンテナAの第1のパターン部分35よりも棚板11の前縁部38側に或る程度ずらしたこと、
(n)上記(l)項および(m)項に記載の結果として、第1のアンテナAのベースライン部43を、棚板11の奥行き方向yにおいて、第2のアンテナBの連結部48とほぼ同一の位置に配置し、このために、両者をその長さ方向(換言すれば、間口方向x)には部分的にかつその幅方向(換言すれば、奥行き方向y)にはほぼ完全に重ならせたこと、および
(o)上記(l)項および(m)項に記載の結果として、第2のアンテナBのベースライン部43を、棚板11の奥行き方向yにおいて、第1のアンテナAの連結部48とほぼ同一の位置に配置し、このために、両者をその長さ方向には部分的にかつその幅方向にはほぼ完全に重ならせたこと。
図26Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、棚板11の後縁部34と、第1のアンテナAの連結部48および第2のアンテナBのベースライン部43との間には、実質的には、間口方向xに延在している第1のアンテナAの第1のパターン部分35が存在するだけで、奥行き方向yに延在している有効アンテナパターン要素(換言すれば、第1および第2の立上り部46、47)は存在しない。また、棚板11の前縁部38と、第1のアンテナAのベースライン部43および第2のアンテナBの連結部48との間には、実質的には、間口方向xに延在している第2のアンテナBの第3のパターン部分39が存在するだけで、奥行き方向yに延在している有効アンテナパターン要素(換言すれば、第1および第2の立上り部46、47)は存在しない。このために、図26Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、棚板11の面に平行な間口方向xの磁界成分が、図26Bにおいて斜線を施した領域49a、49bで弱くなる傾向がある。したがって、図26Bに示すリーダライタ用アンテナ15では、図26Bに示すように電子タグ19がy−z面に平行になるように置かれた場合に、リーダライタ用アンテナ15が斜線領域49a、49bに置かれた電子タグ19とは交信できなくなる恐れがある。換言すれば、斜線領域49a、49bは、リーダライタ用アンテナ15が電子タグ19とは交信できない通信不能領域になる恐れがある。この点について詳述すると、前述のように、電子タグ19が大きなサイズのときには、リーダライタ用アンテナ15は、棚板11上でさえあれば、このリーダライタ用アンテナ15からの磁界が比較的弱い後端部34付近や前端部38付近であっても、電子タグ19と十分に交信することができる。したがって、リーダライタ用アンテナ15は、上記通信不能領域(すなわち、斜線領域49a、49b)においても、電子タグ19から少し離れた位置において奥行き方向yにほぼ沿って延在している有効アンテナパターン要素37、41、46、47から発生する磁界でもって、電子タグ19と十分に交信することができる。しかし、前述のように、電子タグ19のサイズが十分に小さくなると、上述のように、リーダライタ用アンテナ15が電子タグ19と良好に交信できなくなる通信不能領域49a、49bが生じる恐れがある。
これに対し、図25に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bが図26Aに示す斜線領域49および図26Bに示す斜線領域49a、49bのような通信不能領域が生じないアンテナパターン形状と相互の配置とを有している。この場合、図25に示す間隔L(換言すれば、前記(g)項および(h)項に記載の間隔L)は、第1のアンテナAの第1のパターン部分35と第2のアンテナBの第3のパターン部分39との相互の間隔L10の約1/20である。そして、この比(すなわち、L/L10)は、実用性の観点から見て一般的に、1/40〜1/10の範囲であるのが好ましく、1/30〜1/15の範囲であるのがさらに好ましい。
しかし、図25に示すリーダライタ用アンテナ15の場合にも、つぎに述べるような通信不能領域が生じる可能性がある。すなわち、図25に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1のアンテナAの連結部48および第2のアンテナBのベースライン部43と、第2のアンテナBの連結部48および第1のアンテナAのベースライン部43との間には、実質的には、奥行き方向yに延在している有効アンテナパターン要素(換言すれば、第1および第2のアンテナA、Bの第2および第4のパターン部分37、41ならびに第1および第2の立上り部46、47)が存在するだけで、間口方向xに延在している有効アンテナパターン要素(換言すれば、第1のアンテナAの第1のパターン部分35、第2のアンテナA、Bの連結部48およびベースライン部43)は存在しない。このために、図25に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、棚板11の面に平行な奥行き方向yの磁界成分が、図26Cにおいて斜線を施した領域50で弱くなる傾向がある。したがって、図25に示すリーダライタ用アンテナ15では、図26Cに示すように電子タグ19がx−z面に平行になるように置かれた場合に、リーダライタ用アンテナ15が斜線領域50に置かれた電子タグ19とは交信できなくなる恐れがある。換言すれば、斜線領域50は、リーダライタ用アンテナ15が電子タグ19とは交信できない通信不能領域になる恐れがある。この点について詳述すると、前述のように、電子タグ19が大きなサイズのときには、リーダライタ用アンテナ15は、棚板11上でさえあれば、このリーダライタ用アンテナ15からの磁界が比較的弱い棚板中心線45にほぼ沿った領域であっても、電子タグ19と十分に交信することができる。したがって、リーダライタ用アンテナ15は、上記通信不能領域(すなわち、斜線領域50)においても、電子タグ19から多少離れた位置において間口方向xにほぼ沿って延在している有効アンテナパターン要素35、39、43、48から発生する磁界でもって、電子タグ19と十分に交信することができる。しかし、前述のように、電子タグ19のサイズが十分に小さくなると、上述のように、リーダライタ用アンテナ15が電子タグ19と良好に交信できなくなる通信不能領域50が生じる恐れがある。
図26Dは、図25に示すリーダライタ用アンテナ15のこのような問題点を是正するための変形例を示している。この図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第1および第2のアンテナA、Bの第1および第2の立上り部46、47が奥行き方向yに対して所定角度θだけ傾斜している。このような傾斜角度θは、第1および第2のアンテナA、Bの第2および第4のパターン部分37、41のうちの1個または任意の複数個もしくは全部も、有していてもよい。そして、上記所定角度θは、図示の実施例においては、約30°であってよいが、実用性の観点から見て一般的に、15°〜45°の範囲であるのが好ましく、20°〜40°の範囲であるのがさらに好ましく、25°〜35°の範囲であるのが一層好ましい。なお、上記所定角度θの傾斜は、有効アンテナパターン要素46、47、37、41について互いに同一の方向に傾斜(図示の実施例においては、後縁部34側から前縁部38側にかけて向って右側から向って左側に傾斜)しているのが好ましい。したがって、第1および第2のアンテナA、Bの屈曲部44のそれぞれは、ほぼ平行四辺形であるのが好ましい。また、所定角度θだけ傾斜している有効アンテナパターン要素のそれぞれは、互いにほぼ平行になるように延在しているのが好ましい。
図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、棚板11の面に平行な奥行き方向yの磁界成分が、所定角度θだけ傾斜している有効アンテナパターン要素によっても比較的有効に発生して、図26Cにおける斜線領域50で特に弱くなることがない。それでいて、棚板11の面に平行な間口方向xの磁界成分が、図26Aに示す鎖線領域49および図26Bに示す鎖線領域49a、49bで特に弱くなることもない。したがって、図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15によれば、x−z面およびy−z面のうちのいずれの面に沿って延在している電子タグ19であっても、棚板11上にヌル点(換言すれば、読み取れない箇所)が存在しないように、良好に交信することができる。
(4)リーダライタ用アンテナへの給電方法
第3の実施例におけるリーダライタ用アンテナ15の場合にも、第1および第2の実施例の場合と同様に、第1および第2のアンテナA、Bに交互に給電することができる。
しかし、図25に示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、第2のアンテナBの一対の端子部32a、32bの間に共振回路用のコンデンサ161が接続されているから、第1のアンテナAのみを給電アンテナとしてこの第1のアンテナAのみに給電し、第2のアンテナBを非給電アンテナとしてこの第2のアンテナBには給電しないのが好ましい。なお、複数個のアンテナを用いて互いの通信不能領域を補完しあうときには、従来、これら複数個のアンテナを順次切替えて給電する必要があったが、この場合には、このようなアンテナの切替えが不要であるから、リーダライタの構成が簡単である。また、このような共振回路用コンデンサ161は、第3の実施例における別のリーダライタ用アンテナ15や、第1および第2の実施例における任意のリーダライタ用アンテナ15にも、同様に設けることができる。
図25などに示すリーダライタ用アンテナ15の場合において、非給電アンテナである第2のアンテナBの一対の端子部32a、32bの間に接続される共振回路用コンデンサ161の容量Cは、
Figure 2007318720
から求められる値であるのが好ましい。この場合、fは、第1のアンテナAへの供給電流の周波数である動作周波数であって、例えば、f=13.56MHzであり、Lは、第2のアンテナBのインダクタンスである。そして、共振回路用コンデンサ161の容量Cを上記数式に示す値に選定すれば、動作周波数fに合うようにQ値(すなわち、クオリティ・ファクタ)が高められたリーダライタ用アンテナ15を設計することができるから、第2のアンテナBを流れる誘導電流によって生じる磁界を共振周波数と一致させることができる。なお、共振回路用コンデンサ161が半固定コンデンサまたは可変コンデンサから構成されている場合には、この半固定コンデンサまたは可変コンデンサ161の容量Cについての調整および/または微調整を適宜に行うことによって、非給電アンテナである第2のアンテナBの良好な共振状態を得ることができる。
(5)リーダライタ用アンテナの効果
第3の実施例における図25および図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15によれば、一方のアンテナ(例えば、第1のアンテナA)を給電アンテナにするとともに、他方のアンテナ(例えば、第2のアンテナB)を非給電アンテナにすることができる。したがって、少ない(具体的には、1個の)給電アンテナ数で電子タグ19との交信を行うことができる。また、特に図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15によれば、電子タグ19の向きや大きさに特に依存することなく、電子タグ19と良好に交信することができる。さらに、図25および図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、給電アンテナとしての第1のアンテナAに給電したときに、非給電アンテナBの各有効アンテナパターン要素(特に、第1および第2の立上り部46、47)に発生する誘導電流が、図16Bに示すリーダライタ用アンテナ15の場合と大よそ同様に、大よそ共通の電流方向に流れる。換言すれば、非給電アンテナBが給電アンテナAと重複している長手状重複部位または最も近接している長手状近接部位に発生する誘導電流の向きが、非給電アンテナBの大よそ全部のアンテナパターン部位で同一になるように、第1および第2のアンテナA、Bの形状と相互の配置とを選定した。したがって、第1および第2のアンテナA、Bを順次切替えてこれら両者のアンテナに順次給電しなくても、給電アンテナAの放出磁界による電子タグ19の読取り可能領域と、非給電アンテナBの誘導磁界による電子タグ19の読取り可能領域とによって、両方のアンテナA、Bの互いの通信不能領域を補完しあうことができる。
さらに、図25および図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、商品管理棚などの物品管理棚1の1棚当りに敷設する給電アンテナ数が1個で済むから、商品などの物品の管理に要する通信時間を短縮することができ、RFIDシステムを導入するコストを削除することができ、ランニング時のエネルギーコストを削除することができ、人件費のコストダウンを計ることができる。
例えば、図書館を例にとると、従来は、司書の本来の仕事である図書館の利用者への書籍類についてのアドバイスなど以外に、書架(すなわち、書棚)における書籍類についての誤配置の整理、在庫管理などの業務に多くの時間を費やしていた。しかし、図25および図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15を含むRFIDシステムを図書館に導入することによって、司書は、従来のように総ての書架を見回って書籍類の誤配置を人手により整理する方法から開放されて、誤配置されている書籍類が存在する書架のみに足を運んで書籍類を整理することができる。また、棚卸もリアルタイムで行うことができるから、棚卸のための休館日を設ける必要がなく、このために、図書館の利用者へのサービスを向上させることができる。さらに、最近では、一部の図書館では、閉架図書に限って自動倉庫を導入することによって、書籍類を短時間に入手することがきるようになっているが、既設の図書館では、自動倉庫の建設によるコストや自動倉庫自体の立地を得ることができない問題があった。しかし、上述のようなRFIDシステムを導入することによって、既設の書架にリーダライタ用アンテナ15などを配置するだけで、上述の自動倉庫の場合と同様の効果を得ることができる。
この項(すなわち、「(5)リーダライタ用アンテナの効果」の項)に記載した効果が既述の第1および第2の実施例におけるリーダライタ用アンテナ15によっても部分的または全体的に奏され得ることは、きわめて明らかである。
以上において、本発明の第1〜第3の実施例について詳細に説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている発明の趣旨に基づいて、各種の変更および修正が可能である。
例えば、既述の第1〜第3の実施例においては、上下5段の棚板6、11〜14を物品管理棚1に設けたが、棚板は必ずしも上下に5段設けられる必要はなく、2〜4段または6段以上の別の複数段を上下に設けてもよく、場合によっては、1段だけでもよい。
また、既述の第1〜第3の実施例においては、本発明を物品載置棚1に適用した。しかし、既述の第1〜第3の実施例におけるリーダライタ用アンテナ15によれば、かなり小型の電子タグ19でも、この電子タグ19の向きには実質的に無関係に、読み取りが可能である。したがって、本発明は、図書館の受付カウンタ台などのカウンタ台、テーブル、机などのような、各種の物品が載置される台に適用することができ、また、医薬瓶などの製造ラインにおける物流用の読み取りアンテナや、工場ラインにおける部品管理用の読み取りアンテナとしても、使用することもできる。さらに、本発明によるリーダ用アンテナは、移動物品に取付けられている電子タグの読み取りは勿論、静止している物品に取付けられている電子タグも、同様に読み取ることができ、また、図書館などの書棚の棚板上に配置される書籍類に貼り付けられている比較的大型の電子タグだけでなく、小型の物品に貼り付けられている比較的小型の電子タグも、同様に読み取ることができる。このために、本発明によるリーダ用アンテナは、店舗などの商品棚の在庫管理や、顧客が商品の取り出しを行うモニタリングなどにも、利用することができる。さらに、本発明によるリーダ用アンテナは、物品載置棚の棚板のような長方形の基板に限らず、正方形、平行四辺形、その他の台形、長円形、その他の各種の形状を有する基板などに組み込まれることができる。
また、既述の第1〜第3の実施例においては、リーダライタ用アンテナ15の第1および第2のアンテナA、Bのほぼループ形状のアンテナパターン31は、一回巻きのものとしたが、渦巻き状などに複数回巻回させた複数回巻きのものであってもよい。
また、既述の第1〜第3の実施例においては、リーダライタ用アンテナ15の第1および第2のアンテナA、Bの各アンテナパターン要素35、37、39、41、43、46〜48などの相互の間のつながり部位の大部分を、ほぼ直角などの尖った形状にした。しかし、これらのつながり部位の一箇所または複数箇所もしくは全部の箇所が、丸みを帯びた形状であってもよい。
また、既述の第1〜第3の実施例においては、リーダライタ用アンテナ15の第1および第2のアンテナA、Bのそれぞれの屈曲部44、44a、44bの個数を、第1の実施例においては2個ならびに第2および第3の実施例においてはそれぞれ5個にした。しかし、上記屈曲部44の個数は、かならずしもこれらの個数である必要はなくて、それよりも多いか、あるいは、少ないかの任意の個数であってよく、場合によっては、1個であってもよい。
さらに、既述の第3の実施例における図26Dに示すリーダライタ用アンテナ15の場合には、総ての第1および第2の立上り部46、47は、互いにほぼ平行になるように、互いに同一の方向にかつ互いにほぼ同一の角度θだけ傾斜している。しかし、これら第1および第2の立上り部46、47は、互いにほぼ平行である必要は必ずしもなく、互いに同一の方向に傾斜している必要も必ずしもなく、互いにほぼ同一の角度だけ傾斜している必要も必ずしもない。したがって、例えば、第1の立上り部46と第2の立上り部47とで互いに逆の方向に傾斜していてもよい。さらに、第1および第2の立上り部46、47の総てが傾斜している必要は必ずしもなく、第1および第2の立上り部46、47のうちの幾つかのみが傾斜していてもよい。したがって、例えば、第1の立上り部46は、実質的には傾斜していないか、あるいは、傾斜角度が小さくて、第2の立上り部47のみが所定の角度で傾斜していてもよい。
本発明を物品載置棚に適用した第1の実施例における物品載置棚の斜視図である。(実施例1) 図1の電子タグの拡大平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の一部分の拡大縦断面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状を示す平面図である。(実施例1) 図4Aの基本的単位パターン形状による間口方向の磁界成分の状態を加えた図4Aと同様の平面図である。(実施例1) 図4Aの基本的単位パターン形状による奥行き方向の磁界成分の状態を加えた図4Aと同様の平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、図4Aの基本的単位パターン形状の変形例を示す平面図である。(実施例1) 図5Aの基本的単位パターン形状による間口方向の磁界成分の状態を加えた図5Aと同様の平面図である。(実施例1) 図5Aの基本的単位パターン形状による奥行き方向の磁界成分の状態を加えた図5Aと同様の平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、配置例1のリーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナのうちの第1のアンテナのみを示す平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、配置例1のリーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナのうちの第2のアンテナのみを示す平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、配置例1のリーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナの両方を示す平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、図6Cのリーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナによる間口方向の磁界成分の状態を加えた平面図である。(実施例1) 図6Cのリーダライタ用アンテナの変形例1を示す図7Aと同様の平面図である。(実施例1) 図6Cのリーダライタ用アンテナの参考例を示す図7Aと同様の平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、図7Aのリーダライタ用アンテナの供給電流および誘導電流の向きを示す平面図である。(実施例1) 図7Bのリーダライタ用アンテナを示す図8Aと同様の平面図である。(実施例1) 図6Cのリーダライタ用アンテナの変形例2を示す図8Bと同様の平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、図6Cのリーダライタ用アンテナの変形例3を示す平面図である。(実施例1) 図9Aのリーダライタ用アンテナの長手状重複部位を示す図9Aと同様の平面図である。(実施例1) 図9Aのリーダライタ用アンテナの供給電流および誘導電流の向きを示す図9Aと同様の平面図である。(実施例1) 図1の棚板の、図6Cのリーダライタ用アンテナの変形例4を示す平面図である。(実施例1) 図6Cのリーダライタ用アンテナの変形例5を示す図8Bと同様の平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、配置例2のリーダライタ用アンテナを示す平面図である。(実施例1) 図11のリーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナによる間口方向の磁界成分が弱くなる領域を示す平面図である。(実施例1) 図11のリーダライタ用アンテナの変形例1を示す図12Aと同様の平面図である。(実施例1) 図11のリーダライタ用アンテナの参考例を示す図12Aと同様の平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、図12Aのリーダライタ用アンテナの供給電流および誘導電流の向きを示す平面図である。(実施例1) 図12Bのリーダライタ用アンテナを示す図13Aと同様の平面図である。(実施例1) 図11のリーダライタ用アンテナの変形例2を示す図13Bと同様の平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、配置例3のリーダライタ用アンテナを示す平面図である。(実施例1) 図14のリーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナによる間口方向の磁界成分が弱くなる領域を示す平面図である。(実施例1) 図14のリーダライタ用アンテナの変形例1を示す図15Aと同様の平面図である。(実施例1) 図14のリーダライタ用アンテナの参考例を示す図15Aと同様の平面図である。(実施例1) 図1の最上段の棚板の、図15Aのリーダライタ用アンテナの供給電流および誘導電流の向きを示す平面図である。(実施例1) 図14のリーダライタ用アンテナの変形例2を示す図16Aと同様の平面図である。(実施例1) 図14のリーダライタ用アンテナの変形例3を示す図16Aと同様の平面図である。(実施例1) 本発明を物品載置棚に適用した第2の実施例における最上段の棚板の、リーダライタ用アンテナの基本的単位パターン形状を示す平面図である。(実施例2) 図17Aの基本的単位パターン形状による間口方向の磁界成分の状態を加えた図17Aと同様の平面図である。(実施例2) 図17Aの基本的単位パターン形状による奥行き方向の磁界成分の状態を加えた図17Aと同様の平面図である。(実施例2) 本発明の第2の実施例における最上段の棚板の、リーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナの両方を示す平面図である。(実施例2) 本発明の第2の実施例における最上段の棚板の、図18のリーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナによる間口方向の磁界成分の状態を加えた平面図である。(実施例2) 図18のリーダライタ用アンテナの変形例1を示す図19Aと同様の平面図である。(実施例2) 図18のリーダライタ用アンテナの参考例を示す図19Aと同様の平面図である。(実施例2) 本発明の第2の実施例における最上段の棚板の、図18のリーダライタ用アンテナの給電電流および誘導電流の向きを示す平面図である。(実施例2) 図19Bのリーダライタ用アンテナの図20Aと同様の平面図である。(実施例2) 図18のリーダライタ用アンテナの変形例2を示す図20Aと同様の平面図である。(実施例2) 図18のリーダライタ用アンテナの変形例3を示す図18と同様の平面図である。(実施例2) 図18のリーダライタ用アンテナの変形例4を示す図18と同様の平面図である。(実施例2) 図18のリーダライタ用アンテナの変形例5を示す図20Aと同様の平面図である。(実施例2) 図18のリーダライタ用アンテナの変形例6を示す図20Aと同様の平面図である。(実施例2) 図21Aの棚板の、リーダライタ用アンテナと電子タグと磁力線との関係を示す概略的な縦断面図である。(実施例2) 図21Aの棚板の、電子タグのx−y面にほぼ平行な配置での通信不能領域を書き加えた状態における平面図である。(実施例2) 電子タグのx−z面にほぼ平行な配置での通信不能領域を書き加えた状態における図24Aと同様の平面図である。(実施例2) 電子タグのy−z面にほぼ平行な配置での通信不能領域を書き加えた状態における図24Aと同様の平面図である。(実施例2) 本発明を物品載置棚に適用した第3の実施例における最上段の棚板の、リーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナの両方をこれと関連する回路部分とともに示す平面図である。(実施例3) 図25のリーダライタ用アンテナの参考例1を示す図25と同様の平面図である。(実施例3) 図25のリーダライタ用アンテナの参考例2を示す図25と同様の平面図である。(実施例3) 本発明の第3の実施例における棚板の、図25のリーダライタ用アンテナを構成する2個のアンテナによる奥行き方向の磁界成分の状態を加えた平面図である。(実施例3) 図25のリーダライタ用アンテナの変形例を示す図26Cと同様の平面図である。(実施例3)
符号の説明
A 第1のアンテナ
B 第2のアンテナ
x 間口方向(第2の方向)
y 奥行き方向(第1の方向)
1 物品載置棚
6 最下段の棚板(アンテナ形成対象部材)
11 最上段の棚板(アンテナ形成対象部材)
12 2段目の棚板(アンテナ形成対象部材)
13 3段目の棚板(アンテナ形成対象部材)
14 4段目の棚板(アンテナ形成対象部材)
15 リーダライタ用アンテナ(リーダ用アンテナ)
23 上側ガラス板(主要構成要素)
24 下側ガラス板(主要構成要素)
25 中間膜(絶縁層)
31 ほぼループ形状のアンテナパターン(アンテナパターン)
31a 第1のほぼループ形状のアンテナパターン
31b 第2のほぼループ形状のアンテナパターン
32a 端子部
32b 端子部
34 後縁部(背面側の縁部)
35 第1のパターン部分(有効アンテナパターン要素)
36 向って左側の縁部
37 第2のパターン部分(有効アンテナパターン要素)
39 第3のパターン部分(有効アンテナパターン要素)
40 向って右側の縁部
41 第4のパターン部分(有効アンテナパターン要素)
43 ベースライン部(有効アンテナパターン要素)
43a ベースライン部(有効アンテナパターン要素)
43b ベースライン部(有効アンテナパターン要素)
44 屈曲部
44a 屈曲部
44b 屈曲部
46 第1の立上り部(有効アンテナパターン要素)
47 第2の立上り部(有効アンテナパターン要素)
48 連結部(有効アンテナパターン要素)
101 磁界(磁力線)
161 共振回路用コンデンサ

Claims (25)

  1. 互いに絶縁されかつ互いに重ね合わせられた状態でアンテナ形成対象部材にそれぞれ形成されている第1および第2のアンテナを備えているリーダ用アンテナにおいて、
    上記第1のアンテナに給電したときに上記第1のアンテナによって発生する磁界を受けて上記第2のアンテナに発生する誘導電流が上記第2のアンテナの有効アンテナパターン要素において上記第2のアンテナを共通の電流方向に流れるように、上記第1および第2のアンテナのそれぞれのアンテナパターンの形状と上記第1および第2のアンテナの相互の配置とがそれぞれ選定されていることを特徴とするリーダ用アンテナ。
  2. 上記第1のアンテナのアンテナパターンと、上記第2のアンテナのアンテナパターンとは、互いに実質的に同一または互いに類似のアンテナパターン形状を有し、
    上記第1のアンテナの上記アンテナパターンと、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンとは、上記有効アンテナパターン要素のうちの少なくとも第1の方向に大よそ沿って延在する有効アンテナパターン要素においては互いに上下に重ならないように、互いにずれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のリーダ用アンテナ。
  3. 上記第1および第2のアンテナのうちのいずれの一方のアンテナに給電したときにも、上記アンテナ形成対象部材のアンテナ形成面と上記第1の方向に直交する第2の方向との両方にそれぞれ平行に生じる第1の磁界成分が上記第2の方向において大よそ一定間隔で増減するように、上記第1および第2のアンテナがそれぞれ構成され、
    上記第1のアンテナの上記アンテナパターンの上記第1の磁界成分の上記第2の方向において弱くなる領域と、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンの上記第1の磁界成分の上記第2の方向において弱くなる領域とが交互に生じるように、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとがそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項2に記載のリーダ用アンテナ。
  4. 上記第1の磁界成分が、上記第1の方向においては大よそ均一であることを特徴とする請求項3に記載のリーダ用アンテナ。
  5. 上記第1および第2のアンテナのうちのいずれの一方のアンテナに給電したときにも、上記アンテナ形成対象部材のアンテナ形成面と上記第1の方向との両方にそれぞれ平行に生じる第2の磁界成分が上記第1の方向において増減するように、上記第1および第2のアンテナがそれぞれ構成され、
    上記第1のアンテナの上記アンテナパターンの上記第2の磁界成分の上記第1の方向において弱くなる領域と、上記第2のアンテナの上記アンテナパターンの上記第2の磁界成分の上記第1の方向において弱くなる領域とが交互に生じるように、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとがそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項3に記載のリーダ用アンテナ。
  6. 上記第2の磁界成分が、上記第2の方向においては大よそ均一であることを特徴とする請求項5に記載のリーダ用アンテナ。
  7. 互いに絶縁されかつ互いに重ね合わせられた状態でアンテナ形成対象部材にそれぞれ形成された第1および第2のアンテナを備え、
    上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、少なくとも1個のほぼループ形状のアンテナパターンを備えるリーダ用アンテナにおいて、
    上記第1のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの少なくとも1個と、上記第2のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの少なくとも1個とのそれぞれは、上記アンテナ形成対象部材の第1の方向における第1の側に設けられた第1のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第1の方向とは直交する第2の方向における第1の側に設けられた第2のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第1の方向における上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第3のパターン部分と、上記アンテナ形成対象部材の上記第2の方向における上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第4のパターン部分とを備え、
    上記第1のアンテナの上記第1〜第4のパターン部分のうちの少なくとも1個と、上記第2のアンテナの上記第1〜第4のパターン部分のうちのこの少なくとも1個のパターン部分に大よそ対応する少なくとも1個とは、互いに間欠的に配置されている複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、
    上記屈曲部のそれぞれは、第1および第2の立上り部をそれぞれ備えるほぼ凸形状に構成され、
    上記第1のアンテナの上記第1の立上り部または上記第2の立上り部は、上記第2のアンテナのこれと対応する第1の立上り部と、これと対応する第2の立上り部との間に配置されていることを特徴とするリーダ用アンテナ。
  8. 上記屈曲部のそれぞれは、これらの屈曲部のそれぞれを上記ほぼ凸形状に構成するために、上記第1の立上り部と上記第2の立上り部とを連結している連結部を備え、
    上記連結部のそれぞれは、大よそ上記第2の方向に沿って延在していることを特徴とする請求項7に記載のリーダ用アンテナ。
  9. 上記第1および第2の立上り部のそれぞれは、大よそ上記第1の方向に沿って延在していることを特徴とする請求項7または8に記載のリーダ用アンテナ。
  10. 上記第1および第2の立上り部の幾つか、または、全部は、上記第1の方向に対して傾斜して延在し、
    上記傾斜角度は、15°〜45°の範囲であることを特徴とする請求項7または8に記載のリーダ用アンテナ。
  11. 上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、上記ほぼループ形状のアンテナパターンを1個備え、
    上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のパターン部分は、大よそ上記第2の方向に沿ってそれぞれ延在し、
    上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれは、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、
    上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のパターン部分は、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、
    上記屈曲部のそれぞれは、上記第1のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成されていることを特徴とする請求項7〜10のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  12. 上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、上記ほぼループ形状のアンテナパターンを1個備え、
    上記第1のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のパターン部分は、大よそ上記第2の方向に沿って延在し、
    上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれは、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、
    上記第2のアンテナの上記ほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のパターン部分は、大よそ上記第2の方向に沿って延在し、
    上記第1のアンテナの上記第3のパターン部分と、上記第2のアンテナの上記第1のパターン部分とのそれぞれは、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、
    上記第1のアンテナの上記屈曲部は、上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成され、
    上記第2のアンテナの上記屈曲部は、上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分の側に突出するように、ほぼ凸形状に構成されていることを特徴とする請求項7〜10のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  13. 上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分と、上記第1のアンテナの上記連結部および上記第2のアンテナの上記ベースライン部との平均的な相互の間隔と、上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分と、上記第2のアンテナの上記連結部および上記第1のアンテナの上記ベースライン部との相互の間隔とのそれぞれは、上記第1のアンテナの上記第1のパターン部分と上記第2のアンテナの上記第3のパターン部分との平均的な相互の間隔の1/40〜1/10の範囲であることを特徴とする請求項12に記載のリーダ用アンテナ。
  14. 上記第1および第2のアンテナのそれぞれは、上記第1の方向にほぼ沿って順次配置されている第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンを備え、
    上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンは、上記第1の方向における上記第1の側に配置されるとともに、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンは、上記第1の方向における上記第2の側に配置され、
    上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第1のパターン部分と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの第3のパターン部分とは、大よそ上記第1の方向に沿ってそれぞれ延在し、
    上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第2および第4のパターン部分のそれぞれは、大よそ上記第2の方向に沿ってそれぞれ延在し、
    上記第1および第2のアンテナのそれぞれの上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第3のパターン部分と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンのそれぞれの上記第1のパターン部分とは、複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられた少なくとも1個の屈曲部とを、上記第1のアンテナと上記第2のアンテナとで互いに大よそ対応するように、それぞれ備え、
    上記第1および第2のアンテナの上記第1および第2のほぼループ形状のアンテナパターンの上記屈曲部のそれぞれは、上記第1のほぼループ形状のアンテナパターンの上記第1のパターン部分の側と、上記第2のほぼループ形状のアンテナパターンの上記第3のパターン部分の側とにそれぞれ突出するように、ほぼ凸形状に構成されていることを特徴する請求項7に記載のリーダ用アンテナ。
  15. 上記第1のアンテナが、上記互いに間欠的に配置されている上記複数本のベースライン部1本当りの平均的な長さの0.25〜0.65の範囲だけ、上記第2のアンテナに対して上記第2の方向にずれていることを特徴とする請求項7〜14のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  16. 上記第1のアンテナが、上記互いに間欠的に配置されている上記複数本のベースライン部1本当りの平均的な長さの0.25〜0.45の範囲または0.55〜0.65の範囲だけ、上記第2のアンテナに対して上記第2の方向にずれていることを特徴とする請求項7〜14のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  17. 上記第1および第2のアンテナのうちのいずれか一方のアンテナのみに給電するように構成されていることを特徴とする請求項1〜16のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  18. 上記第1および第2のアンテナのうちの他方のアンテナの一対の端子部の間に共振回路用のコンデンサが接続されていることを特徴とする請求項1〜17のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  19. 上記第1および第2のアンテナに交互に給電するように構成されていることを特徴とする請求項1〜18のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  20. 上記リーダ用アンテナがリーダライタ用アンテナとして構成されていることを特徴とする請求項1〜19のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  21. 上記アンテナ形成対象部材が、物品載置棚の棚板または物品載置台の台板であり、
    上記棚板または上記台板の主要構成要素が、透明な非導電体であり、
    上記第1および第2のアンテナの少なくともアンテナパターンのそれぞれが、断面径0.5mm以下のワイヤ導線から構成されていることを特徴とする請求項1〜20のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  22. 上記第1および第2のアンテナが、これらの間に絶縁層を介在させて、互いに積層された一対のガラス板の間に設けられていることを特徴とする請求項1〜21のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  23. 上記第1のアンテナの端子部と上記第2のアンテナの端子部とのそれぞれが、上記アンテナ形成対象部材の長さ方向における一方および他方の縁部と、幅方向における背面側の縁部との中から選ばれたいずれか1つの縁部に設けられていることを特徴とする請求項1〜22のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナ。
  24. 請求項1〜23のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナが形成されている棚板を上記アンテナ形成対象部材として備えていることを特徴とするアンテナ付き物品載置棚。
  25. 請求項1〜23のうちのいずれか1つに記載のリーダ用アンテナが形成されている台板を上記アンテナ形成対象部材として備えていることを特徴とするアンテナ付き物品載置台。
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