JP2007317579A - パック電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品コストを低減すると共に、製造工数を簡素化して安価に多量生産する。長期間にわたって電池を防水構造に保持する。
【解決手段】パック電池は、複数の電池1を連結してなる電池のコアパック10を、可撓性シート3Xを水密構造に密閉して袋状としてなる防水袋3に収納して、外装ケース4に収納している。防水袋3は、リード線8を外部に引き出す開口部3Aをコードブッシュ9で水密に閉塞している。コードブッシュ9は、防水袋3の開口部3Aを水密に密閉して、リード線8を防水構造として外部に引き出している。さらに、防水袋3は、リード線8を引き出す開口部3Aを、電池のコアパック10を収納している収納部3Bよりも細くする袋状に可撓性シート3Xで製作している。パック電池は、収納部3Bよりも細い開口部3Aにリード線8を挿通し、開口部3Aをコードブッシュ9で絞って、リード線8を防水構造で防水袋3の外部に引き出している。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数の電池を外装ケースに収納しているパック電池に関し、とくに電池を防水構造でケースに収納しているパック電池に関する。
屋外使用のパック電池は、電池を防水構造でケースに収納する。このパック電池は、防水構造のインナーケースに電池を収納し、このインナーケースを外装ケースに入れて組み立てている(特許文献1参照)。この構造のパック電池は、複数の電池を連結して電池組立とし、この電池組立に電池の充放電をコントロールする保護回路を実装する回路基板を連結している。電池組立は、防水構造のインナーケースに収納される。回路基板はインナーケースの外部に固定される。回路基板は、インナーケースから外部に引き出しているリード線を介して電池組立に接続している。インナーケースは、リード線の引き出し部を防水構造とするために、リード線を引き出す開口部に、シリコン樹脂等のシール材を充填している。回路基板は、基板ホルダに入れて絶縁樹脂であるポッティング樹脂に埋設している。
特開2005−197192号公報
以上のパック電池は、電池を防水構造としてケースに収納できる。しかしながら、構造が複雑なために製造コストが高くなる。また、電池をインナーケースに収納する状態で、リード線の引き出し開口部にシール材を充填するので組み立てに手間がかかる欠点もある。さらに、シール材が経時的に劣化すると電池を防水構造に保持できなくなる欠点もある。
本発明は、このような欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、部品コストを低減すると共に、製造工数を簡素化して安価に多量生産でき、しかも長期間にわたって電池を防水構造に保持できるパック電池を提供することにある。
本発明のパック電池は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
パック電池は、複数の電池1を連結してなる電池のコアパック10と、可撓性シート3Xを水密構造に密閉して袋状として、電池のコアパック10を収納している防水袋3と、この防水袋3に収納されるコアパック10を収納している外装ケース4とを備える。防水袋3は、リード線8を外部に引き出す開口部3Aを有し、この開口部3Aをコードブッシュ9で水密に閉塞している。このコードブッシュ9は、内部にリード線8を配設している防水袋3の開口部3Aを水密に密閉して、リード線8を防水構造として防水袋3から外部に引き出している。さらに、防水袋3は、リード線8を引き出す開口部3Aを、電池のコアパック10を収納している収納部3Bよりも細くする袋状に可撓性シート3Xで製作している。パック電池は、収納部3Bよりも細い開口部3Aにリード線8を挿通し、この開口部3Aをコードブッシュ9で絞って、リード線8を防水構造で防水袋3の外部に引き出している。
本発明の請求項2のパック電池は、コードブッシュ9が、リード線8を水密構造で挿通する貫通孔9aを有すると共に、外周面に沿って、防水袋3の可撓性シート3Xを水密構造に結束する水密溝9bを設けている。このパック電池は、防水袋3の開口部3Aの内面にコードブッシュ9を配設し、結束材16が可撓性シート3Xを水密溝に結束して、防水袋3の開口部3Aを水密構造に密閉している。
本発明の請求項3のパック電池は、コードブッシュ9が、防水袋3の可撓性シート3Xとリード線8を水密構造に挟着して、リード線8を水密構造で防水袋3から引き出している。
本発明の請求項4のパック電池は、コードブッシュ9がプラスチック製で、このコードブッシュ9にリード線8をインサート成形して固定すると共に、外周面に沿って、防水袋3の可撓性シート3Xを水密構造に結束する水密溝9bを設けている。このパック電池は、防水袋3の開口部3Aの内側にコードブッシ9を配設し、結束材16で防水袋3の開口部3Aをコードブッシュ9の水密溝9bに結束して、防水袋3の開口部3Aをコードブッシュ9で水密構造に閉塞している。
本発明の請求項5のパック電池は、複数本のリード線8を一本の複合線37に一体化して、コードブッシュ9で水密構造に閉塞される防水袋3の開口部3Aに挿通している。
本発明の請求項6のパック電池は、コアパック10が、複数の電池1を絶縁ホルダ2で定位置に保持して、防水袋3に収納している。
本発明のパック電池は、部品コストを低減しながら、製造工数を簡素化して安価に多量生産できる特徴がある。それは、本発明のパック電池が、インナーケースに代わって、可撓性シートからなる防水袋を使用し、この防水袋に電池のコアパックを収納して防水構造とし、この状態で外装ケースに収納するからである。この構造のパック電池は、インナーケースに代わって外装ケースの防水袋を使用するが、この防水袋は形状や大きさが異なるコアパックを収納して防水構造に密閉できる。また、開口部をコードブッシュで密閉し、あるいは結束して密閉して、理想的な状態で防水構造にできる。また、従来のインナーケースでコアパックを防水構造に密閉するパック電池に比較して、長期間にわたって電池のコアパックを防水構造に保持できる特徴がある。それは、インナーケースのように開口部にシール材を充填して防水構造に密閉するのでなく、外装ケースの開口部を閉塞して全体を水密に密閉できるからである。
さらに、本発明のパック電池は、電池のコアパックを収納する防水袋を防水構造で密閉するので、防水袋に収納される電池から排出される電解液が防水袋の外側に漏れるのを有効に防止できる特長がある。防水袋に収納される電池は、過充電や過放電によって安全弁が開弁されると、内部の電解液が外部に排出されることがあるが、本発明のパック電池では、防水袋に防水構造で密閉しているので、電池から排出された電解液が防水袋の外側に漏れるのを防止できる。したがって、電池から排出された電解液が外装ケースの外側に漏れ出たり、外部端子やリード線との接続部に付着してショートや腐食の原因となるのを有効に防止できる。また、防水袋の外部に回路基板等を備えるパック電池においては、この回路基板に電解液が付着するのを有効に防止して、電解液に起因する回路基板のショートや接触不良、腐食等の弊害を有効に防止できる。
さらにまた、本発明のパック電池は、防水袋の開口部からリード線を引き出す構造としながら、開口部をコードブッシュでもって確実な防水構造に密閉して、水の浸入を阻止できる特徴がある。それは、本発明のパック電池が、防水袋の開口部を、電池のコアパックを収納している収納部よりも細くする袋状として、細い開口部にリード線を挿通して、この開口部をコードブッシュで細く絞って、リード線を防水構造で外部に引き出しているからである。防水袋の開口部は、リード線を挿通する開口部を細く絞って、水密に密閉される。細く絞られる防水袋の開口部は、可撓性シートにしわができる。しわができる開口部は、ランダムに折り畳まれた可撓性シートが折り重なる状態となる。可撓性シートの折り重なる状態は、太い部分を細く絞るほど甚だしくなる。コードブッシュは、防水袋の開口部を、リード線の外面に密着させて水密に閉塞する。複数のリード線を束ねた太さは、電池のコアパックに比較して相当に細いので、コードブッシュは、防水袋の開口部を相当に細く、いいかえると、可撓性シートを無数に折り重ねるように絞る必要がある。可撓性シートが無数に折り重ねられる状態は、水密な密閉を難しくする。それは、折り重なった部分が多くなるほど、微細な空隙ができやすくなるからである。本発明のパック電池は、この弊害を防止するために、可撓性シートを防水袋とする状態で、その開口部を細くしている。細い開口部は、コードブッシュで細く絞られて、可撓性シートの折り重ねられる状態が少なく、リード線の表面に開口部の可撓性シートを隙間なく密着でき、また、開口部の可撓性シートの表面にコードブッシュを隙間なく密着できる。この構造は、コードブッシュと防水袋の開口部とリード線とを隙間なく密着して、この部分の理想的な防水構造を実現する。
さらに、本発明の請求項4のパック電池は、リード線とコードブッシュをより確実に水密に連結できる。それは、コードブッシュをプラスチックで成形するときに、コードブッシュの内部にリード線をインサート成形しているからである。この状態で製造されるコードブッシュは、プラスチックの成形圧で溶融したプラスチックがリード線の表面に密着する。このため、リード線と成形されるコードブッシュとの間に隙間ができない。とくに、複数本のリード線を束ねている状態にあっても、束ねたリード線の間に溶融したプラスチックが注入されて、リード線の隙間も水密に閉塞する。
また、本発明の請求項5のパック電池は、複数本のリード線を一本の複合線に一体化してコードブッシュで水密に閉塞しているので、リード線とコードブッシュとの間やリード線の間に液漏れする隙間ができず、確実に防水構造として、防水袋の開口部を閉塞できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのパック電池を例示するものであって、本発明はパック電池を以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図1ないし図4に示すパック電池は、複数の電池1を連結している電池のコアパック10と、このコアパック10を収納している防水袋3と、電池のコアパック10を収納する防水袋3を収納する外装ケース4とを備える。
これらの図のパック電池は、図5ないし図7に示すように、電池のコアパック10が、複数の電池1にリード板5を介して接続している回路基板6と、この回路基板6を収納する基板ホルダ7とを備える。電池のコアパック10は、複数の電池1を絶縁ホルダ2で定位置に保持している。
電池1は、充電できる二次電池で、リチウムイオン二次電池である。ただし、電池は、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池とすることもできる。さらに、図のパック電池は、電池1を円筒型電池とするが、角型電池とすることもできる。図のコアパック10は、平行な姿勢で、同一面に7本の電池1を並べて、さらに同一面に並べた電池1を4段に配置して、端面を同一面に位置させるように絶縁ホルダ2で定位置に保持している。ただ、パック電池は、3段以下、あるいは5段以上に電池を並べて収納することができ、また、同一段に6本以下、あるいは8本以上の電池を並べることもできる。
複数の電池1は、端面にリード板5を溶着して、互いに直列と並列とに接続している。図のコアパック10は、7本の電池1を直列に接続したものを4組並列に接続している。図のコアパック10は、各々のリード板5を、絶縁ホルダ2の側面に配置している回路基板6に接続している。リード板5は、回路基板6に接続する接続部5Aを端部から突出するように設けている。リード板5は、接続部5Aに、リード板20をネジ止めして、あるいはリードピン21を半田付けして連結しており、これらを介して回路基板6に接続している。
絶縁ホルダ2は、図8に示すように、電池1を挿通して保持する保持筒11の両端に、エンドプレート12を連結してなる構造としている。この絶縁ホルダ2は、絶縁材を成形して製作される。絶縁ホルダ2を成形する絶縁材はプラスチックである。保持筒11は、電池1を挿通する複数の挿通穴13を貫通して設けている。絶縁ホルダ2は、保持筒11の挿通穴13に電池1を挿通して、複数の電池1を所定の位置に保持している。図の絶縁ホルダ2は、28本の円筒型電池1を連結して保持するので、保持筒11に28個の挿通穴13を設けている。28個の挿通穴13は、4段に並べて、各々7個設けている。さらに、図に示す保持筒11は、隣接して配設している電池1の谷間に他の電池1を配設しており、複数段に配置する電池1を俵積みの状態で配設している。
図8に示す絶縁ホルダ2は、保持筒11を軸方向の中間で2分割して、一対のホルダーユニット2Aに分割している。このホルダーユニット2Aは、分割された保持筒11の端部にエンドプレート12を連結してなる形状にプラスチックで一体成形している。この絶縁ホルダ2は、保持筒11の分割端である開口部から電池1を挿入し、一対のホルダーユニット2Aを互いに連結して、複数の電池1を絶縁ホルダ2に収納している。
保持筒11は、図4と図8に示すように、電池1の表面のほぼ全周に沿う筒状に挿通穴13を開口している。ただ、保持筒は、必ずしも電池の全周に沿う筒状に挿通穴を開口する必要はない。さらに、図6ないし図8に示す絶縁ホルダ2は、保持筒11の一部に開口部11Aを設けている。図の絶縁ホルダ2は、分割された保持筒11の対向する連結部分を切欠して開口部11Aを設けている。この絶縁ホルダ2は、保持筒11に設けた開口部11Aに温度センサーを配設して、電池の温度を検出することができる。このパック電池は、温度センサーで電池温度を検出しながら、電池の充放電を制御できる特徴がある。ただ、保持筒は、必ずしも開口部を設ける必要はない。
中間で分割される保持筒11は、図示しないが、分割端側からエンドプレート12側に向かって次第に内径が小さくなるテーパー状に内面を成形している。この保持筒11は、エンドプレート12側の端部の内面に突出する部分を電池1の表面に面接触させて電池1を定位置に保持できる。このように、保持筒11を分割する構造は、プラスチックを成形する金型の設計を簡単にして、プラスチック成形を容易にできる特長がある。
エンドプレート12は、保持筒11の両端に連結されており、保持筒11の外側において、リード板5を定位置に連結している。エンドプレート12は、挿通穴13の開口部から表出する電池端面にリード板5を溶着して連結している。図8のエンドプレート12は、リード板5を嵌入する位置決凹部24を外側面に設けており、この位置決凹部24にリード板5を入れて定位置に配置している。位置決凹部24は、リード板5の外形よりもわずかに大きい外形として、ここにリード板5を入れて定位置に配置している。
複数に分割されたホルダーユニット2Aは、一体的に成形されたボス22に止ネジ(図示せず)をねじ込んで互いに連結される。図4のホルダユニット2Aは、両側部と下端部に、ボス22を一体的に成形して設けている。ボス22は筒状で、内部に止ネジを挿通している。ただ、図示しないが、分割されたホルダーユニットは、係止構造で連結し、あるいは接着して連結し、あるいはまた、これらを組み合わせて連結することもできる。
以上の絶縁ホルダ2は、分割された保持筒11とエンドプレート12とを一体的に成形しているが、本発明のパック電池は、絶縁ホルダを以上の構造に特定しない。絶縁ホルダは、複数の電池を所定の位置に保持できる他の全ての構造とすることができる。絶縁ホルダは、たとえば、保持筒とエンドプレートを分割することなく一体構造とすることも、保持筒と両端のエンドプレートとを分割してなる構造とすることもできる。
以上のように、複数の電池1を絶縁ホルダ2で定位置に保持してコアパック10とする構造は、コアパック10の組み立てを簡単かつ容易にできる特長がある。さらに、複数の電池1を定位置に保持しているコアパック10を、防水袋3にスムーズに収納できる特徴もある。
図のコアパック10は、絶縁ホルダ2で保持される複数の電池1の充放電をコントロールする回路を実装する回路基板6と、この回路基板6を所定の位置に配置する基板ホルダ7とを備える。回路基板6は、リード板5を介して電池1に接続されている。回路基板6は、各々の電池電圧を検出して、充放電の電流を遮断する保護回路(図示せず)を実装している。保護回路は、いずれかの電池電圧が最低電圧よりも低くなると、放電電流を遮断するスイッチング素子をオフに切り換えて、放電電流を遮断する。また、いずれかの電池電圧が最高電圧よりも高くなると、充電を停止するスイッチング素子をオフに切り換えて、充電を停止する。このように、各々の電池電圧を検出して、充放電をコントロールする保護回路を実装するパック電池は、電池1を保護しながら安全に使用できる。
基板ホルダ7は、回路基板6を収納して所定の位置に配置する。図4ないし図7に示す基板ホルダ7は、底板25の周囲に周壁26を設けて上方開口の箱形としており、この周壁26の内側に回路基板6を収納して、所定の位置に配置している。基板ホルダ7は、ネジ止めして、あるいは、係止構造で絶縁ホルダ2の定位置に固定される。
さらに、図4に示す基板ホルダ7は、底板25から突出する支持部(図示せず)を設けており、この支持部に止ネジ31を介して回路基板6を固定して、回路基板6を基板ホルダ7の底板25から離れた位置に配置している。この回路基板6は、基板ホルダ7の底板25との対向面(図4において右面)に保護回路等を実現する電子部品(図示せず)を配置している。このように、基板ホルダ7の底板25との対向面に電子部品を配置する構造は、これらの電子部品の凹凸が、後述する防水袋の可撓性シートに接触して破損するのを有効に阻止できる特徴がある。
さらに、図4に示すパック電池は、回路基板6を絶縁樹脂14にポッティングして埋設しているので、ポッティング樹脂で回路基板6を保護できると共に、回路基板6に実装している電子部品をポッティング樹脂に埋設して、電子部品が突出しない回路基板6を防水袋3に収納できる特徴がある。このため、可撓性シート3Xからなる防水袋3が、回路基板6の凹凸に接触して破損するのを有効に阻止できる特徴も実現される。さらに、回路基板6を絶縁樹脂14にポッティングして、コアパック10を防水袋3に収納する構造は、防水袋3とポッティング樹脂の両方で回路基板6を防水構造に保護できるので、回路基板6の故障を極減し、長期間にわたって回路基板6で電池1を保護しながら充放電できる特徴がある。図6と図7に示す回路基板6は、基板ホルダ7の底板25との間に絶縁樹脂14を充填できるように、中央部に貫通孔6Aを開口している。
さらに、回路基板6からは、リード線8が引き出されている。このリード線8は、外部機器に接続されるコネクタ15を先端に接続している。図6と図7に示すように、回路基板6は、出力用のリード線8Aと、通信用のリード線8Bを引き出しており、これらのリード線8をコネクタ15に接続している。コネクタ15は、図示しないが、内蔵する電池1の出力用の出力端子や、外部機器との接続端子を装備している。コネクタ15は、出力端子や接続端子を外部に表出する状態で外装ケース4の下端に下向きに開口して設けた開口窓4aに配設される。
以上のように、複数の電池1を絶縁ホルダ2で所定の位置に保持すると共に、各々の電池1の端面に接続したリード板5を回路基板6に接続し、さらに、回路基板6が固定された基板ホルダ7を絶縁ホルダ2に固定して電池のコアパック10となる。電池のコアパック10は、防水袋3に収納されて、その開口部3Aが水密に閉塞され、外装ケース4に収納される。このパック電池は、電池1に回路基板6を接続しているコアパック10を防水袋3に収納するので、電池1に加えて回路基板6も一緒に防水構造として外装ケース4に収納できる。とくに、この構造は、電池1と回路基板6に加えて、電池1と回路基板6の接続部を含むコアパック全体を防水袋3に収納できる。このため、従来のインナーケースに電池のコアパックを収納するパック電池に比較して、より理想的な状態で、電池1と回路基板6の両方を防水構造として外装ケース4に収納できる。この構造によると、電池1と回路基板6との接続部も防水袋3に収納できるので、この部分を防水構造とするためにシール材を塗布する等の手間を必要としない。また、シール材が劣化して防水構造に保持できない弊害も発生しない。この構造のパック電池は、防水袋3からリード線8のみを引き出す極めて簡単な構造となる。このため、リード線8のみを防水袋3の開口部3Aから防水構造で引き出して、電池1と回路基板6の全体を防水構造として外装ケース4に収納できる。
防水袋3は、図5ないし図7に示すように、可撓性シート3Xを袋状に成形したものである。この防水袋3は、電池のコアパック10を収納する収納部3Bの一部を、リード線8を引き出すために開口している。防水袋3の開口部3Aは、コードブッシュ9で水密に閉塞される。防水袋3の収納部3Bは、電池のコアパック10を収納できる形状と大きさに成形している。防水袋3の収納部3Bは、収納される電池のコアパック10の外形に沿う袋状、たとえば、コアパック10を無理なく収納できるように、コアパック10の外形よりも多少大きな直方体形状や角筒状とすることができる。
さらに、防水袋3は、図に示すように、リード線8を引き出す開口部3Aを、電池のコアパック10を収納している収納部3Bよりも細くなる袋状としている。この防水袋3は、2枚の可撓性シート3Xの両側縁を溶着し、あるいは接着して製作される。この防水袋3は、開口部3Aに電池のコアパック10を通過させて、コアパック10を収納部3Bに入れることができない。いいかえると、防水袋3の開口部3Aは、コアパック10の外形よりも小さい。コアパック10を収納するために、図6と図7の防水袋3は、図において開口部3Aの反対側の下縁を開口してコアパック10の挿入開口3Cとしている。挿入開口3Cは、防水袋3にコアパック10を入れた後、溶着又は接着して閉塞される。挿入開口3Cは、開口部3Aのようにリード線8を挿通する必要がなく、2枚の可撓性シート3Xを溶着又は接着して、確実に又は簡単に水密に閉塞できる。
ただ、防水袋は、図示しないが、下縁の挿入開口を、ファスナー等の脱着開閉具を介して閉塞することもできる。この防水袋は、脱着開閉具を開いた状態で下端の挿入開口からコアパックを収納部に挿入し、その後、脱着開閉具を閉じて挿入開口を閉塞する。この防水袋は、簡単に挿入開口を閉塞できると共に、脱着開閉具を開くことによって、挿入開口を簡単に開口してコアパックを取り出しできる。この防水袋は、電池や回路基板のメンテナンスを簡単にできると共に、可撓性シートを破損することなくコアパックを取り出しできるので、メンテナンス後も防水袋を再使用できる特長がある。
以上の防水袋3は、2枚の可撓性シート3Xの両側縁を溶着又は接着して簡単に製作できる。ただ、防水袋は、可撓性シートを筒状に成形した後、開口部となる部分を収縮して細くし、あるいは収納部を伸長させて太くして製作することもできる。
防水袋3の可撓性シート3Xには、プラスチックシートが使用できる。プラスチックシートには、ポリイミド(PI)、ポリエチレンイミド(PEI)、ペット(PET)等が使用できる。これらのプラスチックシートは、可撓性と耐熱性に優れている特長がある。また、電池の安全弁が開弁されたときに排出される電解液によって、溶融されたり化学反応を起こすこともない。ただ、可撓性シートには、他のプラスチックシートも使用できる。
可撓性シート3Xで構成される防水袋3は、図4に示すように、回路基板6上に設けたスイッチ32を外装ケース4の外部から防水袋3を介して操作できる特長がある。図4に示す外装ケース4は、操作窓4bを開口しており、この操作窓4bからスイッチ32を表出できる構造としている。回路基板6上のスイッチ32は、防水袋3を介して操作窓4bから外部に表出されて、外部から操作できるようにしている。このスイッチ32は、押しボタンスイッチで、可撓性を有する防水袋3を変形させて操作される。
さらに、防水袋3は、好ましくは、透光性を有する可撓性シート3Xで製造する。この防水袋3は、回路基板6上に設けたLED等の表示部33の光を透過させて、外装ケース4の表示窓4cから外部に表示できる。
電池のコアパック10を収納した防水袋3は、開口部3Aをコードブッシュ9で防水構造に閉塞する。このように、防水構造で密閉される防水袋3は、外部から水分が浸入するのを有効に防止して、内部に収納されるコアパック10を確実に防水できる。さらに、防水構造で閉塞される防水袋3は、収納される電池1の安全弁が開弁されたときに排出される電解液が防水袋3の外側に漏れるのを有効に防止できる特長もある。図に示すパック電池は、防水袋3の開口部3Aをコードブッシュ9で水密に閉塞して、リード線8を水密に引き出している。
図9に示すコードブッシュ9は、リード線8を水密に挿通する貫通孔9aを有すると共に、外周面に沿って、防水袋3の可撓性シート3Xを水密に結束する水密溝9bを設けている。このコードブッシュ9は、電池のコアパック10から引き出されたリード線8を貫通孔9aに挿通して、リード線8を弾性的に挟着して防水構造に閉塞している。図に示すコードブッシュ9は、ひとつの貫通孔9aを開口しており、この貫通孔9aに複数本のリード線8を挿通している。このコードブッシュ9は、たとえば、ゴムや軟質プラスチック等のゴム状弾性体で成形される。ゴム状弾性体で成形されるコードブッシュ9は、リード線8や防水袋3の開口部3Aの可撓性シート3Xを弾性的に挟着して、防水構造に密閉しながらリード線8を引き出しできる特徴がある。ゴム状弾性体であるコードブッシュ9は、リード線8をインサート成形して、リード線8を水密に挿通することができる。このコードブッシュ9は、電池のコアパック10から引き出されたリード線8をインサートする状態で、外周面に水密溝9bを有する所定の形状に一体成形される。ただ、コードブッシュは、コアパックから引き出されるリード線をひとつの貫通孔に圧入する状態で挿通して水密に挿通することもできる。
さらに、コードブッシュに設けたひとつの貫通孔に、複数のリード線を一体化して挿通して、コードブッシュとリード線との隙間を閉塞して確実な防水構造とする構造を図10に示す。この図に示す構造は、複数本のリード線8を一本の複合線37に一体化して、コードブッシュ49の貫通孔49aに挿通している。複合線37は、複数のリード線8を束ねて外皮38で被服している。複合線37は、複数のリード線8の隙間を外皮38で塞いで、外形を円形、多角形、楕円形などにできる。コードブッシュ49は、貫通孔49aの内形を複合線37の外形と同じ形状として、貫通孔49aと複合線37との隙間を閉塞できる。たとえば、複合線37の外形と貫通孔49aを円形とし、複合線37と貫通孔49aの隙間を確実に閉塞できる。
さらに、図11に示すコードブッシュ59は、複数の貫通孔59aを開口して、ひとつの貫通孔59aに1本のリード線8を挿通している。このコードブッシュ59は、コアパックから引き出されるリード線8を貫通孔59aに圧入する状態で挿通して水密に挿通される。
図9ないし図11に示すようにリード線8を水密に貫通させたコードブッシュ9、49、59は、防水袋3の開口部3Aの内側に配設されて、開口部3Aの可撓性シート3Xを結束材16、46で水密溝9b、49b、59bに結束して、防水袋3の開口部3Aを水密に密閉する。いいかえると、防水袋3の可撓性シート3Xは、外部から結束材16、46で結束されて、コードブッシュ9、49、59の外周面である水密溝9b、49b、59bに水密に閉塞される。可撓性シート3Xをコードブッシュ9、49、59に結束する結束材16、46は、結束バンドや線材や結束リング、リングゴム等が使用できる。図9と図11に示す結束材16は、結束バンドである。この結束材16は、バンド部16aを係止部16bに挿通した後、係止部16bをバンド部16aの根元に向かって締め付けして外れないように結束される。図10に示す結束材46は、線材である。線材である結束材46には、針金や結束紐が使用できる。この結束材46は、可撓性シート3Xを水密溝49bに巻き付けて結束し、最も簡単に可撓性シート3Xをコードブッシュ49の水密溝49bに結束できる。さらに、図示しないが、結束リングである結束材は、たとえば、部分的に開口した金属リングとして、この開口部から水密溝に嵌着した後、圧着して装着することができる。リングゴムである結束具は、伸長状態でコードブッシュと可撓性シートを挿通し、水密溝において収縮させて外部から挟着することができる。
以上の構造のコードブッシュ9、49、59は、リード線8を貫通孔9a、49a、59aに貫通させると共に、外周面の水密溝9b、49b、59bに結束材16、46で可撓性シート3Xを結束して防水袋3の開口部3Aを水密に結束している。この構造は、リード線8と防水袋3とをコードブッシュ9、49、59で別々に密閉するので、リード線8と防水袋3の開口部3Aの両方を確実に防水構造で閉塞できる特徴がある。ただ、コードブッシュは、リード線と可撓性シートとの両方を水密に挟着して、リード線を水密に防水袋から引き出すこともできる。この構造のコードブッシュを図12と図13に示す。
図12と図13に示すコードブッシュ69は、防水袋3の可撓性シート3Xとリード線8とを挟着して、リード線8を防水構造で防水袋3から引き出している。図に示すコードブッシュ69は、2分割されたケーシング67で、第1ケース67Aと第2ケース67Bとで、電池のコアパックから引き出したリード線8と防水袋3の可撓性シート3Xとを水密に挟着できる構造としている。第1ケース67Aと第2ケース67Bとからなるケーシング67は、リード線8と可撓性シート3Xとを案内して挿通する嵌着溝67aを内側に設けている。このコードブッシュ69は、リード線8と可撓性シート3Xとを嵌着溝67aに案内する状態で第1ケース67Aと第2ケース67Bを連結して、リード線8を防水構造で防水袋3から引き出している。
このコードブッシュ69もゴム状弾性体として、効果的にリード線8と可撓性シート3Xとを防水構造で閉塞できる。それは、リード線8と可撓性シート3Xとを第1ケース67Aと第2ケース67Bとで弾性的に挟着できるからである。ただ、この構造のコードブッシュは、必ずしもゴム状弾性体とする必要はない。それは、コードブッシュを硬質のプラスチックや金属で製造しても、防水袋の可撓性シートを防水構造で閉塞できるからである。以上のように、一対のケーシング67で構成されるコードブッシュ69は、内側に設けた嵌着溝67aに、リード線8と可撓性シート3Xとを圧入する状態で挿通してこれらを水密に挟着することができる。このコードブッシュ69は、リード線8の絶縁被覆であるプラスチックと可撓性シート3Xとを介して防水構造に挟着できる。第1ケース67Aと第2ケース67Bは、係止構造で連結し、あるいは、接着して固定し、あるいはまた連結具を介して連結し、あるいはまた、これらを組み合わせることによって、互いに外れないように連結される。
以上のように、開口部3Aをコードブッシュ9、49、59、69で閉塞する防水袋3は、好ましくは、閉塞部分において気密に密閉して、外装ケース4に収納することができる。防水袋3を気密に密閉して外装ケース4に収納するパック電池は、防水袋3内の空気温度が変化して膨張し、あるいは収縮するとき、可撓性シート3Xの防水袋3が変形し、防水袋3から空気が排気されたり、防水袋3に空気が吸入されることがない。したがって、温度変化で防水袋3の内部に外気が侵入するのを理想的な状態で阻止して、結露水に起因する電池やリード板の腐食を確実に阻止できる。さらに、気密に密閉される防水袋は、内部に残存する気体を、乾燥された空気や不活性ガスとして、結露等を有効に防止することもできる。
ただし、本明細書において、防水袋を気密に密閉するとは、空気の出入りを完全に遮断して防水袋の開口部を閉塞する状態のみを意味するのではなく、防水袋内の空気を外部に排気できる状態、たとえば、防水袋を外部から押圧して、圧力をかけた状態で防水袋の内部の空気を排気できるように閉塞する状態を含む広い意味で使用する。この状態は、外部から圧力が作用しない通常の状態では、防水袋への空気の出入りは生じない。したがって、温度変化で防水袋の内部に外気が侵入することもない。ただ、本発明のパック電池は、必ずしも防水袋を気密に密閉する必要はない。
さらに、開口部3Aをコードブッシュ9、49、59、69で閉塞する防水袋3は、好ましくは、内部の空気を排気した状態で閉塞し、あるいは、開口部を閉塞した後、内部の空気を排気する。それは、防水袋3の内部に空気が満たされた状態では、風船のように膨れた状態となって容積が大きくなり、外装ケースに収納し難くなると共に、外装ケースへの収納時や衝撃等を受けたときに、可撓性シート3Xが破損しやすくなるからである。内部の空気を排気した状態、いいかえると、袋全体をしぼませた状態の防水袋3は、容積を小さくして外装ケースに収納しやすくできると共に、収納時や衝撃を受けたときの破損を極減できる。防水袋3は、開口部3Aをコードブッシュ9、49、59、69で閉塞した後、防水袋3を外側から押圧して袋内の圧力を高くして、閉塞部分から空気を外部に排気することができる。
さらに、防水袋は、内部の空気を吸引しながら、すなわち、内部を減圧する状態で開口部を閉塞して、内部の空気を排気することもできる。このように、内部を減圧する防水袋は、可撓性シートの内面をコアパックの外周面に密着させて、全体をコンパクトな形状として無理なく収納ケースに収納できる特徴がある。
図11に示すコードブッシュ59は、防水袋3内の空気を外部に排出する排気孔59cを貫通して開口している。図のコードブッシュ59は、2つの貫通孔59aの間に排気孔59cを設けている。この排気孔59cは、ここから防水袋3内の空気を外部に排出する。排気孔59cを備えるコードブッシュ59は、外周面に可撓性シート3Xを防水構造で密閉した状態で、防水袋3を外側から押圧して、防水袋3の内部に入った空気を簡単に外部に排気できる特徴がある。また、この排気孔59cに吸引ノズルを差し込んで内部の空気を吸引することもできる。さらに、排気孔59cを備えるコードブッシュ59は、内部の空気を排気した後、排気孔59cをシリコンや栓等の閉塞材(図示せず)で閉塞して気密に密閉することもできる。さらに、図示しないが、排気孔を備えるコードブッシュは、排気孔に逆止弁を設けることもできる。この逆止弁は、防水袋内から外部に空気を通過させるが、防水袋の外部から内部には空気を通過させない構造として、理想的に防水袋内の空気を排気できると共に、防水袋を気密に密閉することもできる。
以上のように、排気孔59cを備えるコードブッシュ59で閉塞される防水袋3は、内部の空気を排気した状態で外装ケース4に収納し、あるいは、後述する第2ケース4Bに収納した状態で内部の空気を排気して、その後、第1ケース4Aで閉塞することもできる。このパック電池は、内部の空気を排気孔59cから排気して、防水袋3の外形をコアパック10の外形に沿うコンパクトな形状として無理なく収納ケース4に収納できるので、収納時や衝撃を受けたときに防水袋が破損されるのを有効に防止できる。
以上のようにして、コアパック10が防水袋3に収納され、回路基板6から引き出されたリード線8は、防水構造でコードブッシュ9、49、59、69から引き出され、さらに、防水袋3の開口部3Aの可撓性シート3Xは、防水構造で閉塞される。
さらに、図4に示すパック電池は、防水袋3の開口部3Aを閉塞するコードブッシュ9を、コアパック10の上部において、電池1の間にできる隙間19に配設している。図に示すコアパック10は、複数の円筒型電池を平行な姿勢で並べて連結している。このように、複数の円筒型電池を並べると、電池1と電池1の間には、谷間状の隙間19ができる。このコアパック10は、複数段に配列される電池1の間にできる隙間19に、開口部3Aを閉塞するコードブッシュ9を配設している。このため、このコアパック10は、電池1の間にできる無駄な隙間19にコードブッシュ9を配設して、外形をコンパクトにできる。図4に示すコアパック10は、基板ホルダ7からみて、1段目の電池列と3段目の電池列の上端に位置する電池1の間であって、2段目の電池列の上端に位置する電池1の上方にできる隙間19にコードブッシュ9を配設している。とくに、図に示すコアパック10は、円筒型電池を俵積みしているので、この部分における電池間の隙間が大きくなる。図のパック電池は、この大きな隙間19を有効利用してコードブッシュ9を配設している。ただ、パック電池は、コアパックのコーナー部にできる隙間、たとえば、図4において、3段目の電池列と4段目の電池列の上端に位置する電池の間にできる隙間にコードブッシュを配設することもできる。
さらに、図に示すコアパック10は、複数の電池1を絶縁ホルダ2で定位置に保持すると共に、この絶縁ホルダ2にコードブッシュ9を配設する嵌合凹部2aを設けている。図6に示す絶縁ホルダ2は、複数段に配列される電池1の間にできる隙間19に、コードブッシュ9の嵌合凹部2aを設けている。この構造は、絶縁ホルダ2の嵌合凹部2aに、開口部3Aを閉塞するコードブッシュ9を配設するので、コードブッシュ9を定位置に配置しながら外形をコンパクトにできる。
以上のパック電池は、防水袋3の開口部3Aをコードブッシュ9、49、59、69で閉塞して、リード線8を防水袋3から引き出している。ただ、本発明のパック電池は、必ずしも防水袋の開口部をコードブッシュで閉塞して、すなわちコードブッシュを介してリード線を引き出す必要はない。本発明のパック電池は、防水袋から引き出されるリード線を、直接に開口部から外部に引き出して閉塞することもできる。この防水袋は、閉塞部分を外側から結束材等で閉塞して、あるいは閉塞部分の内面に接着剤を充填して、あるいはまた、これらの両方によって、防水構造に密閉できる。
さらに、図2、図3、図6、及び図7に示すパック電池は、電池1と基板ホルダ7とを防水袋3に収納した状態で、防水袋3がリード板5の接続部5Aで破損されるのを有効に防止するために、基板ホルダ7に持上凸部18を設けている。図の基板ホルダ7は、リード板5の接続部5Aの両側に位置して、持上凸部18を設けている。持上凸部18は、周壁26の側面から外側に突出して一体的に成形している。このパック電池は、持上凸部18の間にリード板5の接続部5Aを配設して、コアパック10を防水袋3に収納する。この構造は、リード板5の接続部5Aが局部的に防水袋3を内面から突いて破損させるのを、両側に設けた持上凸部18が保護するので、防水袋3が接続部5Aで破損されるのを有効に防止できる。ただ、持上凸部は、図示しないが、絶縁ホルダに設けることもできる。
外装ケース4は、プラスチックを成形して製作される。図の外装ケース4は、プラスチック製の第1ケース4Aと第2ケース4Bを連結して、コアパック10を収納してなる防水袋3を内部に収納している。第1ケース4Aと第2ケース4Bは周壁34を一体的に成形して設けている。さらに、図の外装ケース4は、内側に、ボス35を突出して設けている。ボス35は、第1ケース4Aと第2ケース4Bの四隅部に設けている。ボス35に止ネジ(図示せず)を挿通し、この止ネジで第1ケース4Aと第2ケース4Bを連結する。連結された第1ケース4Aと第2ケース4Bは、互いに周壁34の開口縁を隙間なく接触させて閉塞される。
さらに、外装ケース4は、電気機器に連結するコネクタ15を外部に表出させる開口窓4aを設けている。このパック電池は、第1ケース4Aと第2ケース4Bの連結部に開口窓4aを設けており、第1ケース4Aと第2ケース4Bの開口窓4aでコネクタ15を挟着して、コネクタ15を外装ケース4の開口窓4aから表出させる状態で連結している。このパック電池は、コネクタ15が電気機器(図示せず)の電源供給部に接続されて、パック電池が定位置に連結される。コネクタ15は、パック電池の出力端子(図示せず)を表出して設けている。出力端子はリード線8を介して電池1に連結している。さらに、このパック電池は、コネクタ15が充電器(図示せず)の充電接続部にも接続される。充電器は、充電接続部にコネクタ15を接続して、パック電池を定位置に連結して充電する。
さらに、第1ケース4Aは、その表面に、パック電池のスイッチ32や表示部33を外部に表出させる操作窓4bと表示窓4cを設けている。操作窓4bは、回路基板6に設けたスイッチ32を外部に表出する。表示窓4cは、LED等の表示部33からの光を外部に表示する。
さらに、パック電池は、図示しないが、電池のコアパックを収納した防水袋の周囲にクッション材を配設することもできる。クッション材は、たとえば、軟質の合成樹脂発泡体や衝撃を吸収する軟質シートである。クッション材は、粘着層や接着材で防水袋の外周面と外装ケースの内面とに接着される。このパック電池は、たとえば落下時の衝撃をクッション材で吸収できる。このため、衝撃に強くできる特徴がある。とくに、クッション材を防水袋のほぼ全周に配設する構造は、クッション材を介して電池のコアパックを衝撃から保護できる特長がある。
さらに、図3と図4に示す外装ケース4は、電池のコアパック10を収納してなる防水袋3を定位置に保持するために、図において右側に位置する第2ケース4Bの内面に突出して位置決リブ36を一体成形している。位置決リブ36は、外装ケース4に収納されるコアパック10の側面であって、保持筒11と対向する内面に設けている。この位置決リブ36は、外装ケース4に収納される電池1と平行な姿勢であって、図4の断面図において最も右側の段に配設される電池1に対向する位置に設けられる。さらに、位置決リブ36は、その先端で、防水袋3を介して保持筒11を押圧する状態で配置されて外装ケース4に収納されるコアパック10を定位置に配設する。図3に示す位置決リブ36は、コアパック10から引き出されるリード線8を案内する凹部36Aを設けている。この構造の位置決リブ36は、リード線8を傷つけることなく、また、凹部36Aでもってリード線8を定位置に配設しながらコアパック10を定位置に配設できる特長がある。以上の構造は、電池のコアパック10が収納された防水袋3を、外装ケース4の内側に押圧する密着状態で配置できる。この構造は、防水袋3をクッション材に併用しながら電池のコアパック10を定位置にしっかりと保持できる。
以上のパック電池は、以下のようにして組み立てられる。
(1) 全ての電池1を絶縁ホルダ2の保持筒11に挿入した後、一対のホルダユニット2Aを連結する。
(2) 絶縁ホルダ2の上方に基板ホルダ7を固定する。基板ホルダ7は、予め回路基板6を固定している。さらに、基板ホルダ7は、回路基板6を絶縁樹脂14にポッティングして絶縁している。
(3) 各々の電池1の端面電極に、リード板5を溶着して固定する。リード板5の接続部5Aを回路基板6に接続する。
以上の工程で、電池のコアパック10が組み立てられる。
(4) 電池のコアパック10を防水袋3に入れて、リード線8をコードブッシュ9で防水袋3の開口部3Aから外部に引き出す。防水袋3の開口部3Aをコードブッシュ9で防水構造で閉塞する。
(5) コアパック10が収納されてリード線8が引き出された防水袋3を外装ケース4に収納する。
(6) 外装ケース4の第1ケース4Aと第2ケース4Bとを連結する。
以上のパック電池は、電池のコアパック10が、複数の電池1にリード板5を介して接続している回路基板6と、この回路基板6を収納する基板ホルダ7とを備えている。したがって、回路基板6と基板ホルダ7を備えるコアパック10を防水袋3に収納している。ただ、コアパックは、必ずしも回路基板と基板ホルダとを備える必要はなく、複数の電池を収納してなる絶縁ホルダをコアパックとして、防水袋に収納することもできる。このコアパックを収納する防水袋は、複数の電池の出力用のリード線を外部に引き出しながら、防水構造で閉塞することができる。
本発明のパック電池は、屋外で使用される電気機器、たとえば電動自転車や電動車両、作業用ロボット用の電源として使用される。
本発明の実施例にかかるパック電池の斜視図である。 図1に示すパック電池の分解斜視図である。 図2に示すパック電池を背面から見た底面斜視図である。 図1に示すパック電池の垂直断面図である。 コアパックを防水袋に収納した状態を示す断面図である。 コアパックを防水袋に収納する状態を示す斜視図である。 コアパックを防水袋に収納する状態を示す底面斜視図である。 絶縁ホルダの分解斜視図である。 防水袋の開口部をコードブッシュで閉塞する状態を示す斜視図である。 コードブッシュの他の一例を示す斜視図である。 コードブッシュの他の一例を示す斜視図である。 コードブッシュの他の一例を示す斜視図である。 図12に示すコードブッシュの断面図である。
符号の説明
1…電池
2…絶縁ホルダ 2A…ホルダーユニット
2a…嵌合凹部
3…防水袋 3A…開口部
3B…収納部
3C…挿入開口
3X…可撓性シート
4…外装ケース 4A…第1ケース
4B…第2ケース
4a…開口窓
4b…操作窓
4c…表示窓
5…リード板 5A…接続部
6…回路基板 6A…貫通孔
7…基板ホルダ
8…リード線 8A…出力用のリード線
8B…通信用のリード線
9…コードブッシュ 9a…貫通孔
9b…水密溝
10…コアパック
11…保持筒 11A…開口部
12…エンドプレート
13…挿通穴
14…絶縁樹脂
15…コネクタ
16…結束材 16a…バンド部
16b…係止部
18…持上凸部
19…隙間
20…リード板
21…リードピン
22…ボス
24…位置決凹部
25…底板
26…周壁
31…止ネジ
32…スイッチ
33…表示部
34…周壁
35…ボス
36…位置決リブ 36A…凹部
37…複合線
38…外皮
46…結束材
49…コードブッシュ 49a…貫通孔
49b…水密溝
59…コードブッシュ 59a…貫通孔
59b…水密溝
59c…排気孔
67…ケーシング 67A…第1ケース
67B…第2ケース
67a…嵌着溝
69…コードブッシュ

Claims (6)

  1. 複数の電池(1)を連結してなる電池のコアパック(10)と、可撓性シート(3X)を水密構造に密閉して袋状として、電池のコアパック(10)を収納している防水袋(3)と、この防水袋(3)に収納されるコアパック(10)を収納している外装ケース(4)とを備えるパック電池であって、
    防水袋(3)がリード線(8)を外部に引き出す開口部(3A)を有し、この開口部(3A)をコードブッシュ(9)で水密に閉塞しており、このコードブッシュ(9)は、内部にリード線(8)を配設している防水袋(3)の開口部(3A)を水密に密閉して、リード線(8)を防水構造として防水袋(3)から外部に引き出しており、
    さらに、防水袋(3)は、リード線(8)を引き出す開口部(3A)を、電池のコアパック(10)を収納している収納部(3B)よりも細くする袋状に可撓性シート(3X)で製作しており、
    収納部(3B)よりも細い開口部(3A)にリード線(8)が挿通され、この開口部(3A)をコードブッシュ(9)で絞って、リード線(8)を防水構造で防水袋(3)の外部に引き出してなるパック電池。
  2. コードブッシュ(9)が、リード線(8)を水密構造で挿通する貫通孔(9a)を有すると共に、外周面に沿って、防水袋(3)の可撓性シート(3X)を水密構造に結束する水密溝(9b)を設けており、防水袋(3)の開口部(3A)の内面にコードブッシュ(9)を配設し、結束材(16)が可撓性シート(3X)を水密溝(9b)に結束して、防水袋(8)の開口部(3A)を水密構造に密閉する請求項1に記載されるパック電池。
  3. コードブッシュ(9)が、防水袋(3)の可撓性シート(3X)とリード線(8)を水密構造に挟着して、リード線(8)を水密構造で防水袋(3)から引き出してなる請求項1に記載されるパック電池。
  4. コードブッシュ(9)がプラスチック製で、このコードブッシュ(9)にリード線(8)をインサート成形して固定すると共に、外周面に沿って、防水袋(3)の可撓性シート(3X)を水密構造に結束する水密溝(9b)を設けており、防水袋(3)の開口部(3A)の内側にコードブッシ(9)が配設され、結束材(16)で防水袋(3)の開口部(3A)をコードブッシュ(9)の水密溝(9b)に結束して、防水袋(3)の開口部(3A)をコードブッシュ(9)で水密構造に閉塞している請求項1に記載されるパック電池。
  5. 複数本のリード線(8)が一本の複合線(37)に一体化されて、コードブッシュ(9)で水密構造に閉塞される防水袋(3)の開口部(3A)に挿通している請求項1に記載されるパック電池。
  6. コアパック(10)が、複数の電池(1)を絶縁ホルダ(2)で定位置に保持して、防水袋(3)に収納している請求項1に記載されるパック電池。
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