JP2007317510A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池スタックの酸化剤入口に酸化剤を供給する酸化剤供給流路を酸化剤の流れ方向に沿って分割された複数の小流路から成るものにして、燃料電池スタックの各部分に供給される酸化剤の量を均一化して燃料電池スタックの出力を向上させることができ、運転状況に応じて燃料電池スタックの各部分に供給される酸化剤の量を制御して燃料電池スタックの出力を適切に制御することができ、システム全体を小型化することができるようにする。
【解決手段】電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料極が形成され、酸素極に沿って酸化剤流路が形成されたセパレータを挟んで積層され、前記酸化剤流路の酸化剤入口が各セパレータに形成された燃料電池スタックと、前記酸化剤入口に酸化剤を供給する酸化剤供給流路とを有する燃料電池システムであって、前記酸化剤供給流路は、酸化剤の流れ方向に沿って分割された複数の小流路から成る。
【選択図】図1
【解決手段】電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料極が形成され、酸素極に沿って酸化剤流路が形成されたセパレータを挟んで積層され、前記酸化剤流路の酸化剤入口が各セパレータに形成された燃料電池スタックと、前記酸化剤入口に酸化剤を供給する酸化剤供給流路とを有する燃料電池システムであって、前記酸化剤供給流路は、酸化剤の流れ方向に沿って分割された複数の小流路から成る。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関するものである。
従来、燃料電池は発電効率が高く、有害物質を排出しないので、産業用、家庭用の発電装置として、又は、人工衛星や宇宙船などの動力源として実用化されてきたが、近年は、乗用車、バス、トラック、乗用カート、荷物用カート等の車両用の動力源として開発が進んでいる。そして、前記燃料電池は、アルカリ水溶液型(AFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)、直接型メタノール(DMFC)等のものであってもよいが、固体高分子型燃料電池(PEMFC)が一般的である。
この場合、固体高分子電解質膜を2枚のガス拡散電極で挟み、一体化させて接合する。そして、該ガス拡散電極の一方を燃料極(アノード極)とし、その表面に燃料ガスとしての水素ガスを供給すると、水素が水素イオン(プロトン)と電子とに分解され、水素イオンが固体高分子電解質膜を透過する。また、前記ガス拡散電極の他方を酸素極(カソード極)とし、その表面に酸化剤としての空気を供給すると、空気中の酸素と、前記水素イオン及び電子とが結合して、水が生成される。このような電気化学反応によって起電力が生じるようになっている。
そして、固体高分子型燃料電池においては、固体高分子電解質膜を湿潤な状態に維持する必要があるので、空気流路に水を供給することによって固体高分子電解質膜を湿潤状態に維持するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−313061号公報
しかしながら、前記従来の燃料電池システムにおいては、空気供給ファンから供給される空気の流れが不均一となり、燃料電池スタックにおける空気入口側において、空気の流通方向に関する手前側と奥側に位置する部分とでは空気及び水の供給量が相違してしまい、燃料電池スタックの出力が低下してしまうことがあった。
もっとも、空気流路の燃料電池スタックにおける空気入口側近傍の容積を十分に大きなものとすることによって、空気の流れを均一化することができる。しかし、特に車両に搭載される燃料電池システムのような場合、スペース上の制約から、空気流路を容積の大きなものとすることは困難である。
本発明は、前記従来の燃料電池システムの問題点を解決して、燃料電池スタックの酸化剤入口に酸化剤を供給する酸化剤供給流路を酸化剤の流れ方向に沿って分割された複数の小流路から成るものにして、燃料電池スタックの各部分に供給される酸化剤の量を均一化して燃料電池スタックの出力を向上させることができ、運転状況に応じて燃料電池スタックの各部分に供給される酸化剤の量を制御して燃料電池スタックの出力を適切に制御することができ、システム全体を小型化することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
そのために、本発明の燃料電池システムにおいては、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料極が形成され、酸素極に沿って酸化剤流路が形成されたセパレータを挟んで積層され、前記酸化剤流路の酸化剤入口が各セパレータに形成された燃料電池スタックと、前記酸化剤入口に酸化剤を供給する酸化剤供給流路とを有する燃料電池システムであって、前記酸化剤供給流路は、酸化剤の流れ方向に沿って分割された複数の小流路から成る。
本発明の他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記酸化剤供給流路は、前記燃料電池スタック内を流れる燃料ガスの上流部分、下流部分及びそれ以外の部分に対応する小流路から成る。
本発明の更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記酸化剤供給流路の各小流路に供給される酸化剤の量を調節するための調節装置と、該調節装置の動作を制御して、各小流路に供給される酸化剤の比率を任意に分配する制御装置とを有する。
本発明の更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記制御装置は、前記酸化剤入口に供給される酸化剤の量が均一になるように制御する。
本発明の更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記制御装置は、各小流路に対応する部分の湿潤状態に応じて各部分に供給される酸化剤の量を補正する。
本発明の更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記調節装置は各小流路に水を供給する水供給ノズルを備え、前記制御装置は、各小流路に対応する部分の湿潤状態に応じて水の量を制御する。
本発明によれば、燃料電池システムにおいては、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料極が形成され、酸素極に沿って酸化剤流路が形成されたセパレータを挟んで積層され、前記酸化剤流路の酸化剤入口が各セパレータに形成された燃料電池スタックと、前記酸化剤入口に酸化剤を供給する酸化剤供給流路とを有する燃料電池システムであって、前記酸化剤供給流路は、酸化剤の流れ方向に沿って分割された複数の小流路から成る。
この場合、燃料電池スタックの各部分に供給される酸化剤の量を制御して燃料電池スタックの出力を適切に制御することができる。また、酸化剤流路を大型化することなく、燃料電池スタックの各部分に供給される酸化剤の量を最適化することができるので、システム全体を小型化することができる。
他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記酸化剤供給流路は、前記燃料電池スタック内を流れる燃料ガスの上流部分、下流部分及びそれ以外の部分に対応する小流路から成る。
この場合、酸化剤の流量が変動するときに発生する酸化剤入口側の面内における酸化剤の流量分布を調整することができる。
更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記酸化剤供給流路の各小流路に供給される酸化剤の量を調節するための調節装置と、該調節装置の動作を制御して、各小流路に供給される酸化剤の比率を任意に分配する制御装置とを有する。
この場合、酸化剤の流量が変動するときに発生する酸化剤入口側の面内における酸化剤の流量分布を調整することができるとともに、燃料電池スタック内の燃料ガスの流れの上流と下流における湿潤状態の分布を調整することができる。
更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記制御装置は、前記酸化剤入口に供給される酸化剤の量が均一になるように制御する。
この場合、燃料電池スタックの各部分に供給される酸化剤の量を均一化して燃料電池スタックの出力を向上させることができる。
更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記制御装置は、各小流路に対応する部分の湿潤状態に応じて各部分に供給される酸化剤の量を補正する。
この場合、燃料電池スタック内の各部分における湿潤状態を均一化することができる。
更に他の燃料電池システムにおいては、さらに、前記調節装置は各小流路に水を供給する水供給ノズルを備え、前記制御装置は、各小流路に対応する部分の湿潤状態に応じて水の量を制御する。
この場合、燃料電池スタック内の各部分における湿潤状態を最適に制御することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の実施の形態における燃料電池が搭載された車両の模式平面図、図3は本発明の実施の形態における燃料電池が搭載された車両の模式側面図、図4は本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの空気の流れを示す模式側面図である。
図において、11は複数の燃料電池セル(FC)から構成される燃料電池スタックであり、乗用車、バス、トラック、乗用カート、荷物用カート等の車両用の動力源として使用される。ここで、車両10は、照明装置、ラジオ、パワーウィンドウ等の車両10の停車中にも使用される電気を消費する補機類を多数備えており、また、走行パターンが多様であり、動力源に要求される出力範囲が極めて広いので、動力源として燃料電池スタック11と、バッテリ、キャパシタ等から成る蓄電手段としての2次電池36とを併用して使用することが望ましい。
そして、燃料電池セルは、アルカリ水溶液型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、直接型メタノール等のものであってもよいが、固体高分子型燃料電池であることが望ましい。
なお、更に望ましくは、水素ガスを燃料とし、酸素又は空気を酸化剤とするPEMFC(Proton Exchange Membrane Fuel Cell)型燃料電池、又は、PEM(Proton Exchange Membrane)型燃料電池と呼ばれるものである。ここで、該PEM型燃料電池は、一般的に、プロトン等のイオンを透過する固体高分子電解質膜の両側に触媒、電極及びセパレータを結合したセル(Fuel Cell)を複数及び直列に結合したスタック(Stack)から成る。
この場合、固体高分子電解質膜を2枚のガス拡散電極で挟み、一体化させて接合する。そして、該ガス拡散電極の一方を燃料極とし、該燃料極表面に接する燃料流路を介し前記燃料極に燃料ガスとして水素ガスを供給すると、水素が水素イオン(プロトン)と電子とに分解され、水素イオンが固体高分子電解質膜を透過する。また、前記ガス拡散電極の他方を酸素極とし、該酸素極表面に接する空気流路を介し前記酸素極に酸化剤として空気を供給すると、空気中の酸素、前記水素イオン及び電子が結合して、水が生成される。このような電気化学反応によって起電力が生じるようになっている。なお、本実施の形態において、前記燃料電池スタック11はいわゆる常圧型の燃料電池であり、前記空気流路には常圧の空気が流通する。ここで、常圧とは、大気圧から大気圧より100〔mmAq〕程度高い圧力までの範囲である。
例えば、本実施の形態においては、1例として、PEM型燃料電池であり、例えば、100枚のセルを直列に接続したスタックを使用する。なお、改質装置によってメタノール、ガソリン等を改質して取り出した燃料である水素ガスを燃料電池セルに直接供給することもできるが、車両10の高負荷運転時にも安定して十分な量の水素を供給することができるようにするためには、補機類としての燃料貯蔵手段12に貯蔵した水素ガスを供給することが望ましい。
ここで、前記燃料貯蔵手段12は、水素吸蔵合金を格納した容器であることが望ましいが、デカリンのような水素吸蔵液体を格納した容器、水素ガスボンベのように水素ガスを格納した容器等であってもよい。これにより、水素ガスがほぼ一定の圧力で常に十分に供給されるので、前記燃料電池セルは車両10の負荷の変動に遅れることなく追随して、必要な電流を供給することができる。
本実施の形態においては、燃料貯蔵手段12として複数本(例えば、4本)の水素ガスボンベを使用する。この場合、該水素ガスボンベは、図示されない搭乗員用シートの後方において、図示されないフレームに立てかけるようにして着脱可能に取り付けられる。なお、取り扱いの観点から、前記水素ガスボンベは単一の容器等に梱(こん)包されて、単一のカートリッジとして取り扱うことができるようになっていることが望ましい。
そして、燃料電池スタック11は、車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に、取付ブラケット32を介して、取り付けられる。この場合、該取付ブラケット32は固着手段としての取付ボルト33によって前記車両フレーム31に取り付けられ、前記燃料電池スタック11は固着手段としての取付ボルト33によって取付ブラケット32に取り付けられている。ここで、該取付ブラケット32と車両フレーム31との間、又は、燃料電池スタック11と取付ブラケット32との間には、樹脂等の電気的に絶縁性の材料から成る図示されない絶縁性部材が介在し、車両フレーム31と燃料電池スタック11とが電気的に絶縁された状態となっている。そのため、燃料電池スタック11の出力が車両フレーム31を流れることがない。
この場合、燃料電池スタック11は、運転者、同乗者等が乗車したり荷物等を搭載する図示されない車室の床板の下に配設される。また、前記燃料電池スタック11の下方には、図3に示されるように、車両10の下部の少なくとも一部を覆うアンダーカバーとしての底板15が、前記燃料電池スタック11の下面から距離を開けて配設されている。前記底板15は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの下面に取り付けられ、車両10の下部を覆うようになっている。
また、前記燃料電池スタック11の後方(図2及び3における右方)には、燃料貯蔵手段12に貯蔵した燃料ガスとしての水素ガスを燃料電池スタック11に供給するために燃料供給管路、燃料圧力調整弁、燃料供給電磁弁、逆止弁、圧力センサ等の補機類を備える燃料供給用補機類ユニット13、及び、燃料電池スタック11に供給される酸化剤としての空気の流路内に水をスプレーするために後述される水供給管路56、電磁弁、流量調整弁、水タンク、水供給ポンプ等の補機類を備える水供給用補機類ユニット14が、前記車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に配設される。
そして、燃料ガスとしての水素ガスは、前記燃料貯蔵手段12から、燃料供給用補機類ユニット13を通って、燃料電池スタック11の各燃料電池セルに供給される。この場合、各燃料電池セルに供給される水素ガスがあらかじめ設定した一定の圧力に維持されるように、圧力センサで前記燃料供給管路内の水素ガスの圧力をモニターしながら、燃料圧力調整弁を調整して、水素ガスを燃料貯蔵手段12から供給する。そして、燃料電池セルから排出される水素ガスは、図示されない燃料排出管路を通って大気中へ排出される。なお、前記水素ガスをそのまま大気中へ排出せずに、酸素と結合させて水にした後で、排出させるようにしてもよい。さらに、燃料電池セルから排出される水素ガスを回収して、再度、燃料電池セルに供給するようにしてもよい。また、前記燃料排出管路には、図示されないフィルタ、燃料排出電磁弁、逆止弁等が配設される。
さらに、前記燃料供給用補機類ユニット13及び水供給用補機類ユニット14の後方であり、かつ、燃料貯蔵手段12の下方には、補機類としての2次電池36が前記車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に配設される。なお、前記2次電池36としては、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等のいわゆるバッテリ(蓄電池)が一般的である。また、前記2次電池36は、電気二重層キャパシタのようなキャパシタ(コンデンサ)、フライホイール、超伝導コイル、蓄圧器等のように、エネルギーを電気的に蓄積し放出する機能を有するものであれば、いかなる形態のものであってもよい。さらに、これらの中のいずれかを単独で使用してもよいし、複数のものを組み合わせて使用してもよい。本実施の形態においては、2次電池36として、キャパシタを使用する。この場合、開放端子電圧は約50〔V〕であり、約1〔kW〕の電流を5〜20分程度供給することができる程度の容量を有する。
また、前記2次電池36の後方には、図示されない駆動モータを含む車両10の駆動装置を制御するための駆動装置制御ユニット35が配設される。該駆動装置制御ユニット35は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備える一種のコンピュータであり、車両10の駆動装置の動作を制御する。
ここで、前記車両フレーム31は、右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31L、並びに、左右のサイドメンバー31L、31Rを連結する複数のクロスメンバー31Cを有する。なお、前記左右のサイドメンバー31L、31Rは、例えば、断面矩(く)形の角筒部材であるが、断面円形の円筒部材、断面楕(だ)円形の筒部材、断面I字状の棒部材、断面H字状の棒部材、断面コ字状の棒部材等いかなる形状のものであってもよい。また、材質は、強度の高い材質であることが望ましく、例えば、鋼、アルミニウム合金、FRP(Fiber−Reinforced Plastics)、カーボン複合材等であるが、いかなる材質であってもよい。
さらに、前記クロスメンバー31Cも、断面矩形の角筒部材であるが、断面円形の円筒部材、断面楕円形の筒部材、断面I字状の棒部材、断面H字状の棒部材、断面コ字状の棒部材等いかなる形状のものであってもよい。また、材質も、鋼、アルミニウム合金、FRP、カーボン複合材等いかなる材質であってもよいが、前記左右のサイドメンバー31L、31Rと同じ材質であることが望ましい。なお、前記クロスメンバー31Cの数は、いくつであってもよいが、強度の観点からは多い方が望ましい。そして、前記クロスメンバー31Cの両端は、溶接、接着、ボルト止め等の手段によって、前記左右のサイドメンバー31L、31Rに固着される。なお、前記クロスメンバー31Cの両端は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの内側の側面に固着されることが望ましいが、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの上面又は下面に固着されてもよい。
そして、前記底板15は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの下面に取り付けられ、車両10の底面を覆うようになっている。ここで、前記底板15は車両10のすべての範囲に亘(わた)って底面を覆うようなものであってもよいし、車両10の一部分の底面を覆うものであってもよい。本実施の形態において、前記底板15はほぼ前輪28L、28Rと後輪29L、29Rとの間の範囲であって、かつ、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの間の範囲を覆うようになっている。
なお、前記底板15は、前記車両10の強度部材としての機能を果たすものであってもよいし、強度部材としての機能を果たすことなく、単に車両10の底面を覆うだけの板部材であってもよい。そして、底板15が強度部材である場合、底板15の材質は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rやクロスメンバー31Cと同じ材質であることが望ましい。
また、前記底板15は、車両10の強度部材としての機能を果たすものでなくても、ある程度の強度及び弾性を備えることが望ましい。これにより、車両10が、例えば、悪路等を走行中に突起に乗り上げたときのように、車両10の下方から衝撃を受けた場合でも、前記底板15が衝撃を吸収し、該衝撃が燃料電池スタック11やその他の装置に伝わることを防止することができる。
前記燃料電池スタック11の幅、すなわち、車両10の横方向(図2における上下方向)の寸法は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの間隔と等しくなっている。そして、前記燃料電池スタック11の幅方向に関する中心は、車両10の横方向に関する中心と一致するようになっている。すなわち、前記燃料電池スタック11は車両10の横方向に関する中心に配設される。また、重量物である燃料電池スタック11が低い位置に配設されるので、車両10の重心位置が低くなり、車両10の安定性が向上する。さらに、前記燃料電池スタック11が、前輪28L、28Rの車軸と後輪29L、29Rの車軸との間に配設されているので、車両10の重心位置近傍に重量物が集中し、重心回りの慣性モーメントが低減され、車両10の旋回性が向上する。
なお、図に示される車両10の左右の前輪28L、28R及び左右の後輪29L、29Rは、サスペンション機構等を介して前記左右のサイドメンバー31L、31Rやクロスメンバー31Cに取り付けられることが望ましい。
そして、前記燃料電池スタック11の後方であり、かつ、燃料供給用補機類ユニット13及び水供給用補機類ユニット14の上方には、前記燃料電池スタック11に酸化剤としての常圧の空気を供給するために、酸化剤供給源としての空気供給ファンユニット26が配設される。該空気供給ファンユニット26は、一般的にシロッコファンと称されるものであり、羽根車として遠心式の多翼ファンを備え、該多翼ファンの回転軸が鉛直方向(図3における上下方向)に延伸するように、すなわち、水平面内において回転するように配設される。この場合、前記空気供給ファンユニット26は、回転する多翼ファンの中心に上方から空気を吸引し、前記多翼ファンの外周側に空気を排出し、該空気を前記多翼ファンの周囲に配設された概略渦巻状の昇圧ダクトを通過させて、空気供給ファンユニット26の外部に常圧の空気を吐出する。
また、該空気供給ファンユニット26の上面には、図3及び4に示されるように、エアフィルタ27が配設され、前記空気供給ファンユニット26に吸引される空気中の塵埃(じんあい)、汚染物質、有害成分等を除去するようになっている。なお、前記エアフィルタ27の上方には図示されない搭乗員用シートが配設されるが、空気がスムーズにエアフィルタ27内に流入するように、前記搭乗員用シートの下面と前記エアフィルタ27の上面との間にはある程度の間隙(げき)が形成されることが望ましい。
そして、図4において矢印で示されるように、前記空気供給ファンユニット26から吐出された空気は、該空気供給ファンユニット26の空気吹出口に接続された接続ダクト25、及び、該接続ダクト25に接続された空気導入ダクト24を通って、燃料電池スタック11上側、すなわち、酸化剤入口側としての空気入口側に取り付けられた空気供給室17内に供給される。なお、前記空気導入ダクト24には、水をスプレーするための後述される水供給ノズル55が配設されている。
ここで、空気供給ファンユニット26の空気吹出口の位置が空気供給室17の最も高い部位よりも高い位置になるように配設される。そのため、前記空気導入ダクト24は、車両10の前方に向かって下方向に傾斜して、前記空気供給室17の上面に形成された空気導入口に接続される。
これにより、車両10が障害物や段差を乗り越えたり、悪路を走行したりする場合に車両10が傾いたり跳ねたときであっても、水供給ノズル55から空気供給室17内にスプレーされた水が、空気供給ファンユニット26の内部に到達するまで逆流してしまうことがない。
なお、前記接続ダクト25は、空気導入ダクト24と一体的に形成されたものであってもよいし、別個に形成されて取り付けられたものであってもよい。また、前記空気導入ダクト24は、前記空気供給ファンユニット26の昇圧ダクトと一体的に形成されたものであってもよいし、別個に形成されて接続されたものであってもよい。
また、燃料電池スタック11の空気供給室17の上面の高さは、その上を覆うように配設される車室や荷室の床板の高さを低くするために、できる限り低くすることが望ましい。さらに、前記燃料電池スタック11の空気排出室18の下面も、前記燃料電池スタック11の取付位置及び車室や荷室の床板の高さを低くするために、できる限り下方に突出しないことが望ましい。すなわち、前記空気排出室18の厚さはできる限り薄いことが望ましい。
そして、車両10の前方部分には、凝縮器ユニット21が配設されている。該凝縮器ユニット21は、燃料電池スタック11から排出された空気に含まれる水分を凝縮して分離するためのものであり、車両10の走行風を適切に利用して、前記燃料電池スタック11から排出された空気を冷却して、水分を凝縮するようになっている。そのため、前記凝縮器ユニット21の下面の排気導入口には、排気導入ダクト22が接続され、該排気導入ダクト22に接続された排気接続ダクト23は、燃料電池スタック11下側に取り付けられた空気排出室18に接続されている。
これにより、図4において矢印で示されるように、燃料電池スタック11から空気排出室18内に排出された空気は、排気接続ダクト23及び排気導入ダクト22を通って、凝縮器ユニット21の下面の排気導入口から凝縮器ユニット21内に導入される。そして、前記空気は、凝縮器ユニット21内を上昇する間に冷却され、凝縮した水分を分離して、凝縮器ユニット21の上面の排気口21Aから大気中に放出される。なお、分離された水は、図示されない配水管を通って、水供給用補機類ユニット14の水タンクに回収されるようになっていることが望ましい。
また、車両10の前方部分には、車両の補機類用の蓄電手段としての補機類用2次電池37が配設されている。該補機類用2次電池37は、前記2次電池36と同様にキャパシタであってもよいが、本実施の形態においては、補機類用2次電池37としてバッテリを使用する。
なお、本実施の形態において、燃料電池システムは図示されない制御装置を有する。該制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、圧力センサ、その他のセンサから燃料電池セルに供給される水素、酸素、空気等の流量、温度、出力電圧等を検出して、前記空気供給ファンユニット26、燃料圧力調整弁、燃料供給電磁弁、燃料排出電磁弁等の動作を制御する。さらに、前記制御装置は、他のセンサ及び駆動装置制御ユニット35等の他の制御装置と連携して、燃料電池システムの動作を統括的に制御する。なお、前記制御装置は、駆動装置制御ユニット35等の他の制御装置と一体的に構成されてもよい。
次に、前記燃料電池スタック11及び該燃料電池スタック11の酸化剤入口側に取り付けられた酸化剤供給流路の構成について詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における燃料電池スタックの空気入口側に取り付けられた空気供給流路の構成を示す部分透視図、図5は本発明の実施の形態における燃料電池スタックの構成を示す斜視図、図6は本発明の実施の形態における燃料電池スタックの構成を示す平面図、図7は本発明の実施の形態における分配部の構成を示す三面図、図8は本発明の実施の形態における燃料電池スタックの空気入口側に取り付けられた空気供給流路の分割態様を示す図である。なお、図7(a)は前面図、図7(b)は側面透視図、図7(c)は後面図である。
本実施の形態において、燃料電池スタック11は、図5及び6に示されるように、複数のセルモジュール41を有する。なお、図5及び6における矢印は、燃料ガスとしての水素ガスの流れを示している。セルモジュール41は、燃料電池としての単位セル(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、該単位セル同士を電気的に接続するとともに、単位セルに導入される水素ガスの流路と酸化剤としての空気とを分離するセパレータと、単位セル及びセパレータを1セットとして、板厚方向に複数のセットを重ねて構成されている。セルモジュール41は、単位セル同士が所定の間隙を隔てて配置されるように、単位セルとセパレータとが、多段に重ねられて積層されている。
単位セルは、電解質層としての固体高分子電解質膜側に設けられた酸素極としての空気極及び他側に設けられた燃料極から構成されている。前記空気極は、反応ガスを拡散しながら透過する導電性材料から成る電極拡散層と、該電極拡散層上に形成され、固体高分子電解質膜と接触させて支持される触媒層とから成る。また、単位セルの空気極側の電極拡散層に接触して集電する集電体としての空気極側コレクタと、単位セルの燃料極側の電極拡散層に接触して集電する集電体としての燃料極側コレクタとを有する。
図5及び6に示される燃料電池スタック11においては、複数のセルモジュール41が図における横方向に重ねられて積層され、左右両端から保持部材としてのエンドプレート42によって挟まれている。なお、各エンドプレート42の内側には、絶縁板43及び電極板44が配設されている。そして、両端のセルモジュール41の外側面は両側の電極板44に当接しており、複数のセルモジュール41は、単位セル、すなわち、燃料電池の積層方向の両端から、絶縁板43及び電極板44を介して、各2枚のエンドプレート42によって挟み込まれた状態になっている。また、左右のエンドプレート42は、複数本、例えば、4本の締付用シャフト45によって相互に接続されている。
図5及び6に示される例においては、単位セル及びセパレータのセットを10個積層して1つのセルモジュール41を形成し、該セルモジュール41を10個積層して1つの燃料電池スタック11を形成している。なお、単位セルの両側には必ずセパレータが配設されるようになっているので、1つのセルモジュール41におけるセパレータの数は11枚である。
この場合、燃料電池スタック11は、全体として扁(へん)平な直方体状の形状を有し、内部における空気の流れは、図5における上下方向(図6における図面に垂直な方向)としての重力方向であり、上から下に直線状になっている。また、水素ガスの流れは、図5及び6において矢印で示されるように、重力方向とほぼ直交する水平面内において、セルモジュール41毎に折り返すサーペンタイン状に、すなわち、蛇行状になっている。そして、一方のエンドプレート42に水素ガスの入口が形成され、他方のエンドプレート42に水素ガスの出口が形成されている。
また、各セルモジュール41は、全体として直方体状の形状を有し、前述のように、11枚のセパレータを備える。なお、該セパレータは、長手方向両端近傍に形成された長孔(あな)を有する。各セパレータは、相互に密着し、かつ、長孔同士が相互に整列するように積層され、これにより、長孔はセパレータの積層方向に貫通する水素ガス流路を形成する。そして、各セルモジュール41内における水素ガスの流れは、並列である。
そして、本実施の形態においては、図1に示されるように、空気導入ダクト24の入口側端、すなわち、空気供給ファンユニット26側端に、調節装置としての分配部50が配設されている。図7に示されるように、該分配部50の内部は、仕切板52によって仕切られ、複数、例えば、4つの小流路51が形成されている。そして、各小流路51内には、空気の流量を調節するためのルーバ53が、回転軸53a周りに回転可能となるように、配設されている。前記ルーバ53は、互いに独立して動作可能であり、その回転角度は、燃料電池システムの制御装置によって制御される。
また、前記分配部50の出口側端部、すなわち、燃料電池スタック11側端部の各小流路51に対応する部位には、水供給管路56に接続された水供給ノズル55が各々配設されている。なお、各水供給ノズル55からスプレーされる水の量は、互いに独立して制御可能であり、燃料電池システムの制御装置によって制御される。
そして、図1に示されるように、酸化剤供給流路としての空気導入ダクト24及び空気供給室17内は、各々、仕切板61及び仕切板62によって仕切られ、複数、例えば、4つの小流路24a及び小流路17aが形成されている。この場合、分配部50、空気導入ダクト24及び空気供給室17内の小流路51、小流路24a及び小流路17aは、各々対応付けられ、かつ、連続するように形成されている。すなわち、仕切板52、仕切板61及び仕切板62の各々は、分配部50、空気導入ダクト24及び空気供給室17内において、空気の流れ方向に関して連続するように形成され、かつ、対応する仕切板52と仕切板61とが連続するように接続され、対応する仕切板61と仕切板62とが連続するように接続されている。なお、図1において、矢印A及び矢印Bは水素ガスの流れを示し、矢印Cはセルモジュール41の積層方向を示し、他の矢印は空気の流れを示している。
また、酸化剤供給流路としての空気供給室17の分割態様は図8に示されるようになっている。なお、図8は、燃料電池スタック11の上側の面、すなわち、空気入口側の面が仕切板62によって分割される態様を示している。
本実施の形態においては、図8(a)に示されるように、燃料電池スタック11の空気入口側の面は、セルモジュール41の積層方向に直交する方向(図における縦方向)にm個(m=2〜4)に分割し、セルモジュール41の積層方向(図における横方向)にn個(n=2〜5)に分割するようになっている。すなわち、空気供給室17は、燃料電池スタック11の空気入口側における空気の流れ方向に関して複数の小流路17aに分割され、燃料電池スタック11の空気入口側において、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れ方向に関して複数の小流路17aに分割されている。なお、セルモジュール41の積層方向に直交する方向への分割は、空気の流量が変動するときに発生する空気入口側の面内における空気の流量分布を調整するために行われる。また、セルモジュール41の積層方向への分割は、空気の流量が変動するときに発生する空気入口側の面内における空気の流量分布を調整するため、及び、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの上流と下流における湿潤状態の分布を調整するために行われる。
図8(a)及び(b)は、図1に示される例に対応するものであり、セルモジュール41の積層方向に直交する方向に均等に2分割し、かつ、セルモジュール41の積層方向に均等に2分割したものである。すなわち、m=2、n=2で均等に分割したものである。これにより、燃料電池スタック11の空気入口側の面は、101、102、201及び202の互いに等しい大きさの4つの部分に分割される。
また、図8(c)は、セルモジュール41の積層方向に直交する方向に均等に2分割し、かつ、セルモジュール41の積層方向に不均等に3分割したものである。すなわち、m=2、n=3で不均等に分割したものである。これにより、燃料電池スタック11の空気入口側の面は、101、102、103、201、202及び203の大きさの相違する6つの部分に分割される。
さらに、図8(d)は、セルモジュール41の積層方向に直交する方向に均等に2分割し、2分割された一方をセルモジュール41の積層方向に不均等に3分割したが、他方を分割しなかったものである。すなわち、m=2、n=1、3で不均等に分割したものである。これにより、燃料電池スタック11の空気入口側の面は、101、102、103及び201の大きさの相違する4つの部分に分割される。
なお、図8(e)は、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの最上流側の部分と最下流側の部分とを100及び300として分割し、その他の部分を200としたものである。これは、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの最上流側の部分が乾きやすく、最下流側の部分が水過多になりやすいので、それらの部分のみを他から分割して、空気の流量を調整することができるようにするためである。
次に、前記燃料電池スタック11の各部分へ供給される空気及び水の量を制御する方法について説明する。
まず、空気の流量は、各ルーバ53の回転角度を変化させることによって制御する。具体的には、燃料電池スタック11においてセル電圧が低下した部分に対応する空気供給室17の小流路17aに供給される空気量を増加させるように、ルーバ53の回転角度を変化させる。これは、反応ガスとしての空気の供給量が低下したために、セル電圧が低下したと考えられるからである。これにより、反応ガスとしての空気の各単位セルへの供給量を増大させ、セル電圧の低下した部分における各単位セルのセル電圧を上昇させ、燃料電池スタック11全体におけるセル電圧を均一にすることができる。
なお、燃料電池システムの制御装置は、あらかじめ記憶手段に格納された制御マップに従ってルーバ53の回転角度を制御する。前記制御マップは、燃料電池スタック11全体への空気の供給量を均一化するためのマップであり、空気流量が変動した際に、燃料電池スタック11の各部分への空気量の分配が均等となるようなルーバ53の回転角度を実験的に求めて、あらかじめ作成されたものである。
また、空気の流量を、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの上流と下流における湿潤状態の分布に応じて補正しながら制御することもできる。この場合、セルモジュール41の積層方向に関して、空気量の分配が不均等となるように補正する。このような補正は、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの上流と下流における湿潤状態を考慮した補正マップに従って行われる。該補正マップは、水素ガスの流量及び温度に基づいて、水素ガスの流れの上流部分における空気の流量と下流部分における空気の流量との比率を実験的に求めて、あらかじめ作成されたものである。
さらに、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの上流と下流におけるセル電圧の差に基づいて、空気の流量をフィードバック制御することもできる。この場合、水素ガスの流れの上流部分が乾いてセル電圧が低下する、すなわち、水素ガスの流れの上流部分におけるセル電圧が下流部分におけるセル電圧よりも低くなると、水素ガスの流れの上流部分に供給される空気の流量を増加させるように制御する。これにより、水素ガスの流れの上流部分の冷却量が増加し、温度を低下させることができる。
また、水素ガスの流れの下流部分が水過多となってセル電圧が低下する、すなわち、水素ガスの流れの下流部分におけるセル電圧が上流部分におけるセル電圧よりも低くなると、水素ガスの流れの下流部分に供給される空気の流量を増加させるように制御する。これにより、水素ガスの流れの下流部分の水を空気によって吹き飛ばし、水の量を低下させることができる。
さらに、空気の流量とともに、各水供給ノズル55から供給される水の量を制御することもできる。例えば、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの上流と下流における湿潤状態の分布に応じて供給される水の量を制御する。この場合、セルモジュール41の積層方向に関して、水の量の分配が不均等となるように制御する。このような制御は、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの上流と下流における湿潤状態を考慮した制御マップに従って行われる。該制御マップは、水素ガスの流量及び温度に基づいて、水素ガスの流れの上流部分における水の量と下流における水の量との比率を実験的に求めて、あらかじめ作成されたものである。
さらに、燃料電池スタック11内の水素ガスの流れの上流と下流におけるセル電圧の差に基づいて、各水供給ノズル55から供給される水の量をフィードバック制御することもできる。この場合、水素ガスの流れの上流部分が乾いてセル電圧が低下する、すなわち、水素ガスの流れの上流部分におけるセル電圧が下流部分におけるセル電圧よりも低くなると、水素ガスの流れの上流部分に供給される水の量を増加させるように制御する。これにより、水素ガスの流れの上流部分の冷却量が増加し、温度を低下させることができる。
また、水素ガスの流れの下流部分が水過多となってセル電圧が低下する、すなわち、水素ガスの流れの下流部分におけるセル電圧が上流部分におけるセル電圧よりも低くなると、水素ガスの流れの下流部分に供給される水の量を減少させるように制御する。
このように、本実施の形態においては、燃料電池スタック11の空気入口側に取り付けられた酸化剤供給流路としての空気導入ダクト24及び空気供給室17内を仕切板61及び仕切板62によって仕切ることにより小流路24a及び小流路17aに分割し、分配部50のルーバ53を制御することによって、各小流路24a及び小流路17aに供給される空気量を調節することができるようになっている。
これにより、燃料電池スタック11の各部分に供給される空気量を均一化して燃料電池スタック11の出力を向上させることができる。また、運転状況に応じて燃料電池スタック11の各部分に供給される空気量を制御して燃料電池スタック11の出力を適切に制御することができる。さらに、空気導入ダクト24や空気供給室17を大型化することなく、燃料電池スタック11の各部分に供給される空気量を均一化することができるので、システム全体を小型化することができる。
また、分配部50の水供給ノズル55から供給される水の量を制御することによって、空気量とともに水の量を調整することもできる。これにより、燃料電池スタック11の各部分における水の量を調整し、燃料電池スタック11の出力を向上させることができる。さらに、運転状況に応じて燃料電池スタック11の各部分における水の量を制御して燃料電池スタック11の出力を適切に制御することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
11 燃料電池スタック
17 空気供給室
17a、24a、51 小流路
24 空気導入ダクト
50 分配部
55 水供給ノズル
17 空気供給室
17a、24a、51 小流路
24 空気導入ダクト
50 分配部
55 水供給ノズル
Claims (6)
- 電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した燃料電池が、前記燃料極に沿って燃料極が形成され、酸素極に沿って酸化剤流路が形成されたセパレータを挟んで積層され、前記酸化剤流路の酸化剤入口が各セパレータに形成された燃料電池スタックと、
前記酸化剤入口に酸化剤を供給する酸化剤供給流路とを有する燃料電池システムであって、
前記酸化剤供給流路は、酸化剤の流れ方向に沿って分割された複数の小流路から成ることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記酸化剤供給流路は、前記燃料電池スタック内を流れる燃料ガスの上流部分、下流部分及びそれ以外の部分に対応する小流路から成る請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記酸化剤供給流路の各小流路に供給される酸化剤の量を調節するための調節装置と、
該調節装置の動作を制御して、各小流路に供給される酸化剤の比率を任意に分配する制御装置とを有する請求項1又は2に記載の燃料電池システム。 - 前記制御装置は、前記酸化剤入口に供給される酸化剤の量が均一になるように制御する請求項3に記載の燃料電池システム。
- 前記制御装置は、各小流路に対応する部分の湿潤状態に応じて各部分に供給される酸化剤の量を補正する請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
- 前記調節装置は各小流路に水を供給する水供給ノズルを備え、
前記制御装置は、各小流路に対応する部分の湿潤状態に応じて水の量を制御する請求項3〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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