JP2004288499A - 燃料電池装置 - Google Patents

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Munehisa Horiguchi
宗久 堀口
Masanori Okada
真規 岡田
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    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】燃料電池スタック及び補機類をアンダーカバーから距離を開けて、かつ、前記燃料電池スタックが車両フレームと電気的に絶縁されるように取り付けることによって、燃料電池スタック及び補機類が衝撃を受けて損傷したり作動不良が発生したりすることがなく、また、燃料電池スタックの出力する電流がリークして車両フレームを流れてしまうこともなく、堅牢(ろう)で安全性が高く、かつ、車両のメンテナンス作業の作業性が高くなるようにする。
【解決手段】車両フレームの左右のサイドメンバーの間に配設されて該左右のサイドメンバーに取り付けられる燃料電池スタックと、前記車両フレームに取り付けられる補機類とを有し、前記燃料電池スタック及び補機類は、前記左右のサイドメンバーの下面に取り付けられた車両の下部の少なくとも一部を覆うアンダーカバーから距離を隔てて配設される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料電池は発電効率が高く、有害物質を排出しないので、産業用、家庭用の発電装置として、又は、人工衛星や宇宙船などの動力源として実用化されてきたが、近年は、乗用車、バス、トラック等の車両用の動力源として開発が進んでいる。燃料電池には、種々の形式のものが知られており、アルカリ水溶液型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、直接型メタノール等のものであってもよいが、固体電解質を用いた燃料電池が有望視されている。この場合、固体電解質と燃料極、酸素極、空気流路、燃料流路とを併せて燃料電池セルが構成され、さらに、該燃料電池セルを複数積層させたものを燃料電池スタックとして構成される。
【0003】
そして、燃料電池装置を自動車等の車両に搭載する場合、乗員や荷物を積載するためのスペースを広くとるために、燃料電池スタックや補機類を前後の車軸間の床下に配設する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、車両のフレームに前記車両の下部を覆うアンダ−カバーが取り付けられ、該アンダーカバーは十分な強度を備え、フレームを補強する強度部材としても機能するようになっている。そして、前記燃料電池スタックや補機類は、前記アンダーカバーに直接取り付けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−17107号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の燃料電池装置においては、燃料電池スタックや補機類がアンダーカバーに直接取り付けられているので、障害物が前記アンダーカバーに接触した場合に、衝撃が燃料電池スタックや補機類に伝達され、該燃料電池スタックや補機類が損傷したり、作動不良が発生したりしてしまう。
【0006】
例えば、車両が悪路等を走行中に突起に乗り上げた場合、前記アンダーカバーは下方から大きな衝撃を受ける。この場合、該衝撃が、前記アンダーカバーに直接固着されている燃料電池スタックや補機類に伝達され、該燃料電池スタックや補機類が損傷することがある。また、損傷しなくても作動不良が発生してしまうことがある。
【0007】
また、前記アンダーカバーは十分な強度を備え、フレームを補強する強度部材としても機能するようになっているので、通常、その材質は金属である。そのため、前記アンダーカバーに直接固着されている燃料電池スタックの出力する電流がリークして、前記アンダーカバーを伝わって、フレームを流れてしまうことがある。この場合、前記補機類は、通常、前記フレームにアースされているので、作動不良が発生したり、損傷したりしてしまうことがある。
【0008】
さらに、燃料電池スタックや補機類がすべてアンダーカバーに取り付けられているので、前記燃料電池スタックや補機類の一部の部品を点検したり修理したりする場合でも、アンダーカバーとともにすべての燃料電池スタックや補機類を車両から取り外して、その後、取り付けなければならず、車両のメンテナンス作業が繁雑になってしまう。また、アンダーカバーは、通常、車両の下方からフレームの下面に取り付けられているので、アンダーカバーを車両から取り外したり取り付けたりする作業は車両の下方から行う必要があり、車両のメンテナンス作業の作業性が低下してしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の燃料電池装置の問題点を解決して、燃料電池スタック及び補機類をアンダーカバーから距離を隔てて、かつ、前記燃料電池スタックが車両フレームと電気的に絶縁されるように取り付けることによって、燃料電池スタック及び補機類が衝撃を受けて損傷したり作動不良が発生したりすることがなく、また、燃料電池スタックの出力する電流がリークして車両フレームを流れてしまうこともなく、堅牢(ろう)で安全性が高く、かつ、車両のメンテナンス作業の作業性が高い燃料電池装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の燃料電池装置においては、車両フレームの左右のサイドメンバーの間に配設されて該左右のサイドメンバーに取り付けられる燃料電池スタックと、前記車両フレームに取り付けられる補機類とを有し、前記燃料電池スタック及び補機類は、前記左右のサイドメンバーの下面に取り付けられた車両の下部の少なくとも一部を覆うアンダーカバーから距離を隔てて配設される。
【0011】
本発明の他の燃料電池装置においては、さらに、前記燃料電池スタックは、取付ブラケットを介して前記左右のサイドメンバーに取り付けられる。
【0012】
本発明の更に他の燃料電池装置においては、さらに、前記燃料電池スタックは、前記左右のサイドメンバーに電気的に絶縁された状態で取り付けられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態における燃料電池装置が搭載された車両の模式平面図、図2は本発明の実施の形態における燃料電池装置が搭載された車両の模式側面図である。
【0015】
図において、11は複数の燃料電池セル(FC)から構成される燃料電池スタックであり、乗用車、バス、トラック、乗用カート、荷物用カート等の車両用の動力源として使用される。ここで、車両10は、照明装置、ラジオ、パワーウインドウ等の車両10の停車中にも使用される電気を消費する補機類を多数備えており、また、走行パターンが多様であり、動力源に要求される出力範囲が極めて広いので、動力源として燃料電池スタック11と蓄電手段としての2次電池36とを併用して使用することが望ましい。
【0016】
そして、燃料電池セルは、アルカリ水溶液型(AFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)、直接型メタノール(DMFC)等のものであってもよいが、固体高分子型燃料電池(PEMFC)であることが望ましい。
【0017】
なお、更に望ましくは、水素ガスを燃料とし、酸素又は空気を酸化剤とするPEMFC(Proton Exchange Membrane Fuel Cell)型燃料電池、又は、PEM(Proton Exchange Membrane)型燃料電池と呼ばれるものである。ここで、該PEM型燃料電池は、一般的に、プロトン等のイオンを透過する固体高分子電解質膜の両側に触媒、電極及びセパレータを結合したセル(Fuel Cell)を複数及び直列に結合したスタック(Stack)から成る。
【0018】
この場合、固体高分子電解質膜を2枚のガス拡散電極で挟み、一体化させて接合する。そして、該ガス拡散電極の一方を燃料極とし、該燃料極表面に接する燃料流路を介し前記燃料極に燃料として水素ガスを供給すると、水素が水素イオン(プロトン)と電子とに分解され、水素イオンが固体高分子電解質膜を透過する。また、前記ガス拡散電極の他方を酸素極とし、該酸素極表面に接する空気流路を介し前記酸素極に酸化剤として空気を供給すると、空気中の酸素、前記水素イオン及び電子が結合して、水が生成される。このような電気化学反応によって起電力が生じるようになっている。なお、本実施の形態において、前記燃料電池スタック11はいわゆる常圧型の燃料電池であり、前記空気流路には常圧の空気が流通する。ここで、常圧とは、大気圧から大気圧より約100〔mmAq〕高い程度の圧力までの範囲である。
【0019】
例えば、本実施の形態においては、1例として、PEM型燃料電池であり、100枚のセルを直列に接続したスタックを使用する。この場合、出力は約80〔kW〕である。そして、定常動作時の温度は50〜90〔℃〕程度である。
【0020】
なお、改質装置によってメタノール、ガソリン等を改質して取り出した燃料である水素ガスを燃料電池セルに直接供給することもできるが、車両10の高負荷運転時にも安定して十分な量の水素を供給することができるようにするためには、燃料貯蔵手段12に貯蔵した水素ガスを供給することが望ましい。
【0021】
ここで、補機類としての前記燃料貯蔵手段12は、水素吸蔵合金を格納した容器であることが望ましいが、デカリンのような水素吸蔵液体を格納した容器、水素ガスボンベのように水素ガスを格納した容器等であってもよい。これにより、水素ガスがほぼ一定の圧力で常に十分に供給されるので、前記燃料電池セルは車両10の負荷の変動に遅れることなく追随して、必要な電流を供給することができる。この場合、前記燃料電池セルの出力インピーダンスは極めて低く、0に近似させることが可能である。
【0022】
本実施の形態においては、燃料貯蔵手段12として複数本(例えば、4本)の水素ガスボンベを使用する。この場合、該水素ガスボンベは、図示されない搭乗員用シートの後方において、図示されないフレームに立てかけるようにして着脱可能に取り付けられる。なお、取扱の観点から、前記水素ガスボンベは単一の容器等に梱(こん)包されて、単一のカートリッジとして取り扱うことができるようになっていることが望ましい。
【0023】
そして、燃料電池スタック11は、車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に、取付ブラケット32を介して、取り付けられる。この場合、該取付ブラケット32は固着手段としての取付ボルト33によって前記車両フレーム31に取り付けられ、前記燃料電池スタック11は固着手段としての取付ボルト33によって取付ブラケット32に取り付けられている。ここで、前記取付ブラケット32と車両フレーム31との間、又は、燃料電池スタック11と取付ブラケット32との間には、樹脂等の電気的に絶縁性の材料から成る図示されない絶縁部材が介在し、車両フレーム31と燃料電池スタック11とが電気的に絶縁された状態となっている。そのため、燃料電池スタック11の出力が車両フレーム31を流れることがない。
【0024】
この場合、燃料電池スタック11は、運転者、同乗者等が乗車したり荷物等を搭載する図示されない車室の床板の下に配設される。また、前記燃料電池スタック11の下方には、図2に示されるように、車両10の下部の少なくとも一部を覆うアンダ−カバーとしての底板15が、前記燃料電池スタック11の下面から距離を隔てて配設されている。前記底板15は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの下面に取り付けられ、車両10の下部を覆うようになっている。
【0025】
また、前記燃料電池スタック11の後方(図における右方)には、燃料貯蔵手段12に貯蔵した燃料としての水素ガスを燃料電池スタック11に供給するために燃料供給管路、燃料圧力調整弁、燃料供給電磁弁、逆止弁、圧力センサ等の補機類を備える燃料供給用補機類ユニット13、及び、燃料電池スタック11に供給される酸化剤としての空気が流通する空気流路内に水をスプレーもしくは噴射するために水供給管路、電磁弁、流量調整弁、水タンク、水供給ポンプ等の補機類を備える水供給用補機類ユニット14が、前記車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に配設される。
【0026】
そして、燃料としての水素ガスは、前記燃料貯蔵手段12から、燃料供給用補機類ユニット13を通って、燃料電池スタック11の各燃料電池セルに供給される。この場合、各燃料電池セルに供給される水素ガスがあらかじめ設定した一定の圧力に維持されるように、圧力センサで前記燃料供給管路内の水素ガスの圧力をモニターしながら、燃料圧力調整弁を調整して、水素ガスを燃料貯蔵手段12から供給する。そして、燃料電池セルから排出される水素ガスは、図示されない燃料排出管路を通って大気中へ排出される。なお、前記水素ガスをそのまま大気中へ排出せずに、酸素と結合させて水にした後で、排出させるようにしてもよい。さらに、燃料電池セルから排出される水素ガスを回収して、再度、燃料電池セルに供給するようにしてもよい。また、前記燃料排出管路には、図示されないフィルタ、燃料排出電磁弁、逆止弁等が配設される。
【0027】
さらに、前記燃料供給用補機類ユニット13及び水供給用補機類ユニット14の後方であり、かつ、燃料貯蔵手段12の下方には、補機類としての2次電池36が前記車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に配設される。なお、前記2次電池36としては、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等のいわゆるバッテリ(蓄電池)が一般的である。また、前記2次電池36は、電気2重層キャパシタのようなキャパシタ(コンデンサ)、フライホイール、超伝導コイル、蓄圧器等のように、エネルギを電気的に蓄積し放出する機能を有するものであれば、いかなる形態のものであってもよい。さらに、これらの中のいずれかを単独で使用してもよいし、複数のものを組み合わせて使用してもよい。本実施の形態においては、2次電池36として、キャパシタを使用する。この場合、開放端子電圧は約50〔V〕であり、約1〔kW〕の電流を5〜20分程度供給することができる程度の容量を有する。
【0028】
また、前記2次電池36の後方には、図示されない駆動モータを含む車両10の駆動装置を制御するための駆動装置制御ユニット35が配設される。該駆動装置制御ユニット35は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備える一種のコンピュータであり、車両10の駆動装置の動作を制御する。
【0029】
ここで、前記車両フレーム31は、右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31L、並びに、左右のサイドメンバー31L、31Rを連結する複数のクロスメンバー31cを有する。なお、前記左右のサイドメンバー31L、3Rは、例えば、断面矩(く)形の角筒部材であるが、断面円形の円筒部材、断面楕(だ)円形の筒部材、断面I字状の棒部材、断面H字状の棒部材、断面コ字状の棒部材等いかなる形状のものであってもよい。また、材質は、強度の高い材質であることが望ましく、例えば、鋼、アルミニウム合金、FRP、カーボン複合材等であるが、いかなる材質であってもよい。
【0030】
さらに、前記クロスメンバー31cも、断面矩形の角筒部材であるが、断面円形の円筒部材、断面楕円形の筒部材、断面I字状の棒部材、断面H字状の棒部材、断面コ字状の棒部材等いかなる形状のものであってもよい。また、材質も、鋼、アルミニウム合金、FRP、カーボン複合材等いかなる材質であってもよいが、前記左右のサイドメンバー31L、31Rと同じ材質であることが望ましい。なお、前記クロスメンバー31cの数は、幾つであってもよいが、強度の観点からは多い方が望ましい。そして、前記クロスメンバー31cの両端は、溶接、接着、ボルト止等の手段によって、前記左右のサイドメンバー31L、31Rに固着される。なお、前記クロスメンバー31cの両端は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの内側の側面に固着されることが望ましいが、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの上面又は下面に固着されてもよい。
【0031】
そして、前記底板15は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの下面に取り付けられ、車両10の底面を覆うようになっている。ここで、前記車両10の底板15は車両10の全ての範囲に亘(わた)って底面を覆うようなものであってもよいし、車両10の一部分の底面を覆うものであってもよい。本実施の形態において、前記底板15は、図2に示されるように、ほぼ左右の前輪28L、28Rと左右の後輪29L、29Rとの間の範囲であり、かつ、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの間の範囲を覆うようになっている。
【0032】
なお、前記底板15は、前記車両10の強度部材としての機能を果たすものであってもよいし、強度部材としての機能を果たすことなく、単に車両10の底面を覆うだけの板部材であってもよい。そして、底板15が強度部材である場合、底板15の材質は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rやクロスメンバー31cと同じ材質であることが望ましい。
【0033】
また、前記底板15は、車両10の強度部材としての機能を果たすものでなくても、ある程度の強度及び弾性を備えることが望ましい。これにより、車両10が、例えば、悪路等を走行中に突起に乗り上げたときのように、車両10の下方から衝撃を受けた場合でも、前記底板15が衝撃を吸収し、該衝撃が燃料電池スタック11やその他の装置に伝わることを防止することができる。
【0034】
前記燃料電池スタック11の幅、すなわち、車両10の横方向(図1における上下方向)の寸法は、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの間隔と等しくなっている。そして、前記燃料電池スタック11の幅方向(図1における上下方向)に関する中心は、車両10の横方向に関する中心と一致するようになっている。すなわち、前記燃料電池スタック11は車両10の横方向に関する中心に配設される。また、重量物である燃料電池スタック11が低い位置に配設されるので、車両10の重心位置が低くなり、車両10の安定性が向上する。さらに、前記燃料電池スタック11が、左右の前輪28L、28Rの車軸と左右の後輪29L、29Rの車軸との間に配設されているので、車両10の重心位置近傍に重量物が集中し、重心回りの慣性モーメントが低減され、車両10の旋回性が向上する。
【0035】
なお、図に示される車両の左右の前輪28L、28R及び左右の後輪29L、29Rは、サスペンション機構等を介して前記左右のサイドメンバー31L、31Rやクロスメンバー31cに取り付けられることが望ましい。
【0036】
そして、前記燃料電池スタック11の後方であり、かつ、燃料供給用補機類ユニット13及び水供給用補機類ユニット14の上方には、前記燃料電池スタック11に酸化剤としての常圧の空気を供給するために、酸化剤供給源としての空気供給ファンユニット26が配設される。該空気供給ファンユニット26は、一般的にシロッコファンと称されるものであり、羽根車として遠心式の多翼ファンを備え、該多翼ファンの回転軸が鉛直方向(図2における上下方向)に延伸するように、すなわち、水平面内において回転するように配設される。この場合、前記空気供給ファンユニット26は、回転する多翼ファンの中心に上方から空気を吸引し、前記多翼ファンの外周側に空気を排出し、該空気を前記多翼ファンの周囲に配設された概略渦巻状の昇圧ダクトを通過させて、空気供給ファンユニット26の外部に常圧の空気を吐出する。
【0037】
また、該空気供給ファンユニット26の上面には、図2に示されるように、エアフィルタ27が配設され、前記空気供給ファンユニット26に吸引される空気中の塵埃(じんあい)、汚染物質、有害成分等を除去するようになっている。なお、前記エアフィルタ27の上方には図示されない搭乗員用シートが配設されるが、空気がスムーズにエアフィルタ27内に流入するように、前記搭乗員用シートの下面と前記エアフィルタ27の上面との間にはある程度の間隙(げき)が形成されることが望ましい。
【0038】
そして、前記空気供給ファンユニット26から吐出された空気は、該空気供給ファンユニット26の空気吹出口に接続された接続ダクト25、及び、該接続ダクト25に接続された空気導入ダクト24を通って、燃料電池スタック11上側に取り付けられた空気供給室17内に供給される。なお、該空気供給室17内には、水をスプレーする図示されない水供給ノズルが配設されている。
【0039】
ここで、前記空気導入ダクト24の前記空気供給室17に接続される側の端部、すなわち、空気出口端部は、車両10の横方向に関し、燃料電池スタック11の少なくとも1/2以上の幅を備える。さらに、前記空気導入ダクト24の空気出口端部及び前記空気供給室17は、幅方向の中心が前記燃料電池スタック11の幅方向の中心と一致する。また、空気供給ファンユニット26の空気吹出口の位置が空気供給室17の最も高い部位よりも高い位置になるように配設される。そのため、前記空気導入ダクト24は、図2に示されるように、車両10の前方に向かって下方向に傾斜して、前記空気供給室17の上面に形成された空気導入口に接続される。
【0040】
これにより、車両10が障害物や段差を乗り越えたり、悪路を走行したりする場合に車両10が傾いたり跳ねたときであっても、水供給ノズルから空気供給室17内にスプレーされた水が、空気供給ファンユニット26の内部に到達するまで逆流してしまうことがない。
【0041】
なお、前記接続ダクト25は、空気導入ダクト24と一体的に形成されたものであってもよいし、別個に形成されて取り付けられたものであってもよい。また、前記空気導入ダクト24は、前記空気供給ファンユニット26の昇圧ダクトと一体的に形成されたものであってもよいし、別個に形成されて接続されたものであってもよい。
【0042】
また、燃料電池スタック11の空気供給室17の上面の高さは、その上を覆うように配設される車室や荷室の床板の高さを低くするために、できる限り低くすることが望ましい。さらに、前記燃料電池スタック11の空気排出室18の下面も、前記燃料電池スタック11の取付位置及び車室や荷室の床板の高さを低くするために、できる限り下方に突出しないことが望ましい。すなわち、前記空気排出室18の厚さはできる限り薄いことが望ましい。
【0043】
そして、車両10の前方部分には、凝縮器ユニット21が配設されている。該凝縮器ユニット21は、燃料電池スタック11から排出された空気に含まれる水分を凝縮して分離するためのものであり、車両10の走行風を適切に利用して、前記燃料電池スタック11から排出された空気を冷却して、水分を凝縮するようになっている。そのため、前記凝縮器ユニット21の下面の排気導入口には、排気導入ダクト22が接続され、該排気導入ダクト22に接続された排気接続ダクト23は、燃料電池スタック11の下側に取り付けられた空気排出室18に接続されている。
【0044】
これにより、燃料電池スタック11から空気排出室18内に排出された空気は、排気接続ダクト23及び排気導入ダクト22を通って、凝縮器ユニット21の下面の排気導入口から凝縮器ユニット21内に導入される。そして、前記空気は、凝縮器ユニット21内を上昇する間に冷却され、凝縮した水分を分離して、凝縮器ユニット21の上面の排気口21aから大気中に放出される。なお、分離された水分は、図示されない配水管を通って、水供給用補機類ユニット14の水タンクに回収されるようになっていることが望ましい。
【0045】
また、車両10の前方部分には、車両10の補機類用の蓄電手段としての補機類用2次電池37が配設されている。該補機類用2次電池37は、前記2次電池36と同様にキャパシタであってもよいが、本実施の形態においては、補機類用2次電池37としてバッテリを使用する。
【0046】
なお、本実施の形態において、燃料電池装置は図示されない制御装置を有する。該制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、圧力センサ、その他のセンサから燃料電池セルに供給される水素、酸素、空気等の流量、温度、出力電圧等を検出して、前記空気供給ファンユニット26、燃料圧力調整弁、燃料供給電磁弁、燃料排出電磁弁等の動作を制御する。さらに、前記制御装置は、他のセンサ及び駆動装置制御ユニット35等の他の制御装置と連携して、燃料電池装置の動作を統括的に制御する。なお、前記制御装置は、駆動装置制御ユニット35等の他の制御装置と一体的に構成されてもよい。
【0047】
次に、燃料電池スタック11を車両10に取り付けるための構成について詳細に説明する。
【0048】
図3は本発明の実施の形態における燃料電池装置が搭載された車両の要部拡大側面図である。
【0049】
本実施の形態において、燃料電池スタック11は、図3に示されるように車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に、例えば、左右それぞれ2個の取付ブラケット32を介して取り付けられる。なお、該取付ブラケット32の数は幾つであってもよい。また、前記取付ブラケット32は、いかなる形状を有するものであってもよいが、燃料電池スタック11を車両10の上方から、車両フレーム31に取り付けることができるようになっている。そのため、本実施の形態において、前記取付ブラケット32は、鉛直方向に延在する長寸法(ロングサイズ)の長方形板状部材と、該長方形板状部材の上端に固定された水平方向に延在する短寸法(ショートサイズ)の長方形板状部材とから構成される概略L字状の形状を有する。なお、コスト及び取扱の観点から、すべての取付ブラケット32は同様の寸法及び形状を有するものであることが望ましい。
【0050】
そして、前記取付ブラケット32は、鉛直方向に延在する長寸法の長方形板状部材の下端近傍部において、固着手段としての取付ボルト33によって燃料電池スタック11の下方部分を構成する空気排出室18の側壁に取り付けられる。なお、必ずしも、前記鉛直方向に延在する長寸法の長方形板状部材の下端近傍部と空気排出室18の側壁とを取付ボルト33によって固着する必要はなく、前記鉛直方向に延在する長寸法の長方形板状部材におけるどの部位と、燃料電池スタック11の側壁におけるどの部位とを取付ボルト33によって固着するかは、適宜決定することができる。また、前記取付ブラケット32は、水平方向に延在する短寸法の長方形板状部材において、取付ボルト33によって左右のサイドメンバー31L、31Rの上面に取り付けられる。
【0051】
ここで、前記取付ブラケット32及び取付ボルト33は、いかなる材質から成るものであってもよいが、強度の観点から、鋼、アルミニウム合金、FRP、カーボン複合材等から成るものであることが望ましい。そして、前記取付ブラケット32及び取付ボルト33が金属等の導電性部材から成る場合、前記取付ブラケット32とサイドメンバー31L、31Rとの間、又は、燃料電池スタック11と取付ブラケット32との間には、セラミック、樹脂等の電気的に絶縁性の材料から成る図示されない絶縁部材が介在し、車両フレーム31を構成する左右のサイドメンバー31L、31Rと燃料電池スタック11とが電気的に絶縁された状態となっている。すなわち、前記燃料電池スタック11は、車両フレーム31に電気的に絶縁された状態で取り付けられている。そのため、燃料電池スタック11の出力した電流が車両フレーム31を流れることがない。
【0052】
なお、前記取付ブラケット32及び取付ボルト33が、例えば、FRPのような誘電体から成る場合には、前記取付ブラケット32及び取付ボルト33自体が絶縁部材として機能するので、他の絶縁部材を介在させる必要はない。
【0053】
本実施の形態において、燃料電池スタック11を車両フレーム31に取り付ける場合には、まず、前記燃料電池スタック11の空気排出室18の側壁に、前記取付ブラケット32の鉛直方向に延在する長寸法の長方形板状部材の下端近傍部を、取付ボルト33によって取り付ける。そして、すべての取付ブラケット32を燃料電池スタック11の空気排出室18の側壁に取り付けた後に、前記燃料電池スタック11を図示されないクレーン等によって持ち上げて、車両フレーム31の上方に移動させる。
【0054】
続いて、前記燃料電池スタック11を下降させ、車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に上方から進入させる。そして、前記取付ブラケット32の水平方向に延在する短寸法の長方形板状部材が左右のサイドメンバー31L、31Rの上面に当接するまで、前記燃料電池スタック11を下降させる。
【0055】
続いて、前記左右のサイドメンバー31L、31Rの上面に、前記取付ブラケット32の水平方向に延在する短寸法の長方形板状部材を、取付ボルト33によって取り付ける。なお、燃料電池スタック11を車両フレーム31から取り外す場合には、逆の手順によって行われる。
【0056】
このようにして、前記燃料電池スタック11を車両10に取り付けたり、車両10から取り外したりする作業を容易に短時間で行うことができる。また、前記燃料電池スタック11が車両フレーム31に電気的に絶縁された状態で取り付けられているので、燃料電池スタック11の出力した電流が車両フレーム31を流れることがない。
【0057】
そして、車両フレーム31に取り付けられた燃料電池スタック11の下面、すなわち、空気排出室18の下面と、車両フレーム31に取り付けられた車両10のアンダ−カバーとしての底板15の上面との間には、図3に示されるように、所定の距離αを隔てるようになっている。すなわち、燃料電池スタック11が底板15から距離αを隔てて配設されている。なお、前記距離αは適宜設定することができる。また、燃料供給用補機類ユニット13、水供給用補機類ユニット14、2次電池36等の補機類も、底板15から距離α又はそれ以上の距離を隔てて配設されている。
【0058】
これにより、車両10が、例えば、悪路等を走行中に突起に乗り上げたような場合に、前記底板15が下方から大きな衝撃を受けても、該衝撃が、前記燃料電池スタック11や補機類に伝達されないので、該燃料電池スタック11や補機類が損傷したり、作動不良が発生してしまうことがない。
【0059】
次に、前記構成の車載燃料電池システムの動作について説明する。
【0060】
図4は本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの空気の流れを示す模式側面図である。
【0061】
本実施の形態の車載燃料電池システムにおける運転時には、空気供給ファンユニット26が作動して、燃料電池スタック11に酸化剤としての空気を供給する。ここで、前記空気供給ファンユニット26は、図に示されるように、下方部分にモータ26aを備え、該モータ26aが回転することによって、図示されない多翼ファンが回転させられる。この場合、該多翼ファンは、回転軸が鉛直方向(図における上下方向)に延伸するように配設されている。そのため、前記多翼ファンの回転軸方向の長さを短くすることによって、空気供給ファンユニット26の鉛直方向の寸法を抑制することができる。これにより、車両フレーム31と図示されない搭乗員用シートとの間のわずかな間隙に前記空気供給ファンユニット26及びエアフィルタ27を配設することができる。
【0062】
しかし、遠心式の多翼ファン、すなわち、シロッコファンは、同一直径の羽根車で同一の回転速度では、最も多くの流量と圧力を得ることができるものであるから、空気供給ファンユニット26の鉛直方向の寸法を抑制しても、十分な量の空気を十分な圧力で外部に吐出することができる。一般的なシロッコファンの場合、吐出圧力(ヘッド)は静圧で100〔mmAq〕程度である。なお、前記多翼ファンを大径化すると、吐出圧力をより高くすることができる。これに対し、車両用ラジエータ等に使用される軸流送風機であるディスクファンの場合、吐出圧力は静圧で5〜10〔mmAq〕程度なので、空気を十分な圧力で外部に吐出することができなくなってしまう。もっとも、スーパーチャージャー等に使用することができる軸流圧縮機であれば、高い吐出圧力を得ることができるが、この場合、構造が複雑なためコストが高くなり、かつ、大型化してしまうので、前記車両フレーム31と搭乗員用シートとの間のわずかな間隙に配設することができなくなる。
【0063】
そして、前記多翼ファンが回転すると、空気が上方から前記多翼ファンの中心に吸引され、該多翼ファンの外周側に排出される。ここで、前記多翼ファンの外周側に排出された空気は、前記多翼ファンの周囲に配設された概略渦巻状の昇圧ダクトを通過して、空気供給ファンユニット26の外部に吐出される。
【0064】
続いて、前記空気供給ファンユニット26から吐出された空気は、該空気供給ファンユニット26の空気吹出口に接続された接続ダクト25、及び、該接続ダクト25に接続された空気導入ダクト24を通って、燃料電池スタック11の上側に取り付けられた空気供給室17内に供給される。なお、前記空気供給ファンユニット26の空気吹出口に接続された接続ダクト25及び空気導入ダクト24における前側の壁が、図に示されるように、前方に向かって下方向に傾斜しているので、空気供給ファンユニット26から吐出された空気は、図における矢印で示されるように、前記前側の壁に衝突して下方向に向きを変えることによって大きく拡散する。そのため、空気の速度及び圧力が平準化される。
【0065】
この場合、燃料電池スタック11及び空気供給ファンユニット26が車両10の横方向に関する中心に配設されているので、空気流の圧力損失が低く、空気導入ダクト24の空気出口端部から燃料電池スタック11の空気供給室17に流入する空気は、車両10の横方向に関して速度分布及び圧力分布が均一となった状態となっている。また、前記空気出口端部は、車両10の横方向に関し、燃料電池スタック11の少なくとも1/2以上の幅を備え、さらに、前記空気出口端部及び前記空気供給室17は幅方向の中心が一致する。そのため、空気は、空気供給室17内において、車両10の横方向に関して均一な速度分布及び圧力分布で流動する。
【0066】
なお、前記燃料電池セル内には、鉛直方向に延在する多数の空気流路が形成され、該空気流路の一面が酸素極に接している。そして、該酸素極の反対側には固体高分子電解質膜を挟んで燃料極が配設され、該燃料極に接して水素ガスの通路としての燃料流路が形成されている。また、前記空気供給室17の幅は、空気流路の集合体が分布している領域の幅とほぼ同一、すなわち、集合体としての空気流路の幅とほぼ同一である。しかも、空気供給ファンユニット26の空気吹出口、接続ダクト25、空気導入ダクト24及び空気供給室17の順で、空気流路の幅が順々に広がっているので、前記空気供給ファンユニット26から送出された空気の流れは、スムーズに幅方向に広がって、空気供給室17内において均一な流れとなる。
【0067】
そのため、空気導入ダクト24から送り込まれた酸化剤としての空気は、燃料電池セル内のすべての空気流路へ均等に導入され、図4における矢印で示されるように、下向きに流れる。したがって、空気流の圧力損失が低く、すべての空気流路に空気が均等に、スムーズに導入されるので、燃料電池セルの出力が安定して向上する。また、空気排出室18の幅も集合体としての空気流路の幅とほぼ同一である。そのため、空気流路から排出された空気はスムーズに排気接続ダクト23に向けて排出される。
【0068】
ところで、前記空気供給室17内には水供給ノズルが配設され、水が供給(スプレーもしくは噴射)される。前記水供給ノズルからスプレーされた水は、重力及び空気の流れによって、多数の前記空気流路内に進入する。そして、酸素極を湿潤な状態に保つので、酸素極と燃料極とに挟まれた固体高分子電解質膜が良好に機能する。さらに、セパレータや酸素極や燃料極をスプレーされた水が蒸発する時の潜熱冷却により冷却することが可能になる。また、燃料である水素と酸化剤である酸素が結合して水を生成する電気化学反応において、反応熱が発生するが、該反応熱は前記スプレーされた水によって吸収される。すなわち、前記スプレーされた水は冷却作用も果たすものである。
【0069】
ここで、スプレーされた水は液体の状態、すなわち、液相であり、反応熱を吸収して気化する。そのため、気化潜熱によって空気流路内の酸素極等を冷却するので、冷却効率が極めて高い。また、常圧の空気中に液相の水をスプレーするだけなので、前記水供給ノズルは通常のものであってよく、特別の構成を有する必要がない。なお、前記スプレーされた水は前記空気流路の下端から、空気とともに排出されるので、前記空気流路から排出された空気は水分を含んでいる。
【0070】
そして、前記排気接続ダクト23の空気排出室18に接続された部分は、車両10の横方向に関して燃料電池スタック11の少なくとも1/2以上の幅を備える。さらに、前記排気接続ダクト23と前記空気排出室18は、幅方向の中心が前記燃料電池スタック11の幅方向の中心と一致する。そのため、前記燃料電池セルの空気流路以降の空気流の圧力損失も低いので、前記空気流路から排出された空気は、空気排出室18及び排気接続ダクト23を通って、スムーズに排気導入ダクト22に流入する。
【0071】
そして、前記空気流路から空気排出室18内に排出された空気は、図4における矢印で示されるように、排気接続ダクト23及び排気導入ダクト22を通って、凝縮器ユニット21の下面の排気導入口から凝縮器ユニット21内に導入される。ここで、前記空気は、水分を含むものであるが、凝縮器ユニット21内を上昇する間に冷却されて凝縮した水分を分離して、凝縮器ユニット21の上面の排気口21aから大気中に放出される。この場合、前記凝縮器ユニット21は、車両10の前方部分に配設されているので、車両10の走行風を適切に利用して、前記空気を冷却し、水分を凝縮することができる。なお、分離された水分は、水供給用補機類ユニット14の水タンクに回収されることが望ましい。これにより、水はほとんどがリサイクルされて使用されるので、水の補給量を少なくすることができる。
【0072】
また、本実施の形態において、燃料電池スタック11が常圧型なので、燃料電池セルの空気流路に供給される空気の圧力は大気圧程度の常圧であり、特段加圧される必要がない。そのため、前記空気供給ファンユニット26、空気導入ダクト24、接続ダクト25、空気供給室17、空気排出室18、排気接続ダクト23、排気導入ダクト22、凝縮器ユニット21等は、耐圧性を有する必要がないので構成を簡素化することができる。
【0073】
なお、前記燃料電池セルは図示されない負荷に接続され、出力した電流を前記負荷に供給する。ここで、該負荷は、駆動装置制御ユニット35における駆動制御装置としてのインバータ装置であり、前記燃料電池セル又は2次電池36からの直流電流を交流電流に変換して、車両10の左右の前輪28L、28R又は左右の後輪29L、29Rを回転させる駆動モータに供給する。ここで、該駆動モータは発電機としても機能するものであり、車両10の減速運転時には、いわゆる、回生電流を発生する。この場合、前記駆動モータは左右の前輪28L、28R又は左右の後輪29L、29Rによって回転させられて発電するので、前記左右の前輪28L、28R又は左右の後輪29L、29Rにブレーキをかける、すなわち、車両10の制動装置(ブレーキ)として機能する。そして、前記回生電流が2次電池36に供給されて該2次電池36が充電される。
【0074】
このように、本実施の形態においては、車両フレーム31に取り付けられた燃料電池スタック11の下面と、車両フレーム31に取り付けられた車両10のアンダ−カバーとしての底板15の上面との間に、所定の距離を隔てるようになっている。すなわち、燃料電池スタック11が底板15から距離を隔てて配設されている。また、燃料供給用補機類ユニット13、水供給用補機類ユニット14、2次電池36等の補機類も、底板15から距離を隔てて配設されている。
【0075】
そのため、車両10が障害物や段差を乗り越えたり、悪路を走行したりする場合に、前記底板15が下方から大きな衝撃を受けても、該衝撃が前記燃料電池スタック11や補機類に伝達されないので、該燃料電池スタック11や補機類が損傷したり、作動不良が発生してしまうことがない。
【0076】
また、燃料電池スタック11は、車両フレーム31の右側のサイドメンバー31R及び左側のサイドメンバー31Lの間に、取付ブラケット32を介して取り付けられる。この場合、該取付ブラケット32の鉛直方向に延在する長方形板状部材が燃料電池スタック11の側壁に取付ボルト33によって取り付けられ、取付ブラケット32の水平方向に延在する長方形板状部材が、左右のサイドメンバー31L、31Rの上面に取付ボルト33によって取り付けられる。そのため、前記燃料電池スタック11を車両10に取り付けたり、車両10から取り外したりする作業を容易に短時間で行うことができる。
【0077】
さらに、前記燃料電池スタック11が、絶縁部材が介在させ、車両フレーム31に電気的に絶縁された状態で取り付けられている。そのため、燃料電池スタック11の出力した電流が車両フレーム31を流れることがない。
【0078】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0079】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、燃料電池装置においては、車両フレームの左右のサイドメンバーの間に配設されて該左右のサイドメンバーに取り付けられる燃料電池スタックと、前記車両フレームに取り付けられる補機類とを有し、前記燃料電池スタック及び補機類は、前記左右のサイドメンバーの下面に取り付けられた車両の下部の少なくとも一部を覆うアンダーカバーから距離を隔てて配設される。
【0080】
この場合、車両が障害物や段差を乗り越えたり、悪路を走行したりする場合に、ンダーカバーが下方から大きな衝撃を受けても、該衝撃が前記燃料電池スタックや補機類に伝達されないので、該燃料電池スタックや補機類が損傷したり、作動不良が発生してしまうことがない。
【0081】
他の燃料電池装置においては、さらに、前記燃料電池スタックは、取付ブラケットを介して前記左右のサイドメンバーに取り付けられる。
【0082】
この場合、前記燃料電池スタックを車両フレームに取り付けたり、車両フレームから取り外したりする作業を容易に短時間で行うことができる。
【0083】
更に他の燃料電池装置においては、さらに、前記燃料電池スタックは、前記左右のサイドメンバーに電気的に絶縁された状態で取り付けられる。
【0084】
この場合、燃料電池スタックの出力した電流がリークして車両フレームを流れることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における燃料電池装置が搭載された車両の模式平面図である。
【図2】本発明の実施の形態における燃料電池装置が搭載された車両の模式側面図である。
【図3】本発明の実施の形態における燃料電池装置が搭載された車両の要部拡大側面図である。
【図4】本発明の実施の形態における車載燃料電池システムの空気の流れを示す模式側面図である。
【符号の説明】
10 車両
11 燃料電池スタック
12 燃料貯蔵手段
15 底板
31 車両フレーム
31L、31R サイドメンバー
32 取付ブラケット
36 2次電池

Claims (3)

  1. (a)車両フレームの左右のサイドメンバーの間に配設されて該左右のサイドメンバーに取り付けられる燃料電池スタックと、
    (b)前記車両フレームに取り付けられる補機類とを有し、
    (c)前記燃料電池スタック及び補機類は、前記左右のサイドメンバーの下面に取り付けられた車両の下部の少なくとも一部を覆うアンダーカバーから距離を隔てて配設されることを特徴とする燃料電池装置。
  2. 前記燃料電池スタックは、取付ブラケットを介して前記左右のサイドメンバーに取り付けられる請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. 前記燃料電池スタックは、前記左右のサイドメンバーに電気的に絶縁された状態で取り付けられる請求項1又は2に記載の燃料電池装置。
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