JPH0982348A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JPH0982348A
JPH0982348A JP7232310A JP23231095A JPH0982348A JP H0982348 A JPH0982348 A JP H0982348A JP 7232310 A JP7232310 A JP 7232310A JP 23231095 A JP23231095 A JP 23231095A JP H0982348 A JPH0982348 A JP H0982348A
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聡 黒江
Shigenori Mitsushima
重徳 光島
Masanori Yamaguchi
雅教 山口
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YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCH
YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCHI HATSUDEN SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【目的】電池面内の電流分布に対応したガス流分布とす
ることで高性能でかつ経時特性が安定な信頼性の高い燃
料電池を提供することを目的とする。また電池面内の局
部的な性能を評価し、電池の劣化状態がより詳細に診断
できる燃料電池を提供することを目的とする。 【構成】反応ガスの通路を電池面内で複数個に分割し、
出入口のガス濃度を計測するガス濃度計8,ガス濃度差
から電流値を演算,判別する判別器9及び流量調整弁6
を制御する制御器10を備え、電流分布に対応したガス
供給を可能とする構成とする。 【効果】高性能で、かつ経時特性が安定な信頼性の高い
燃料電池を提供できる効果がある。電池面内の特定の部
分の性能を測定できるので、定期点検時など経時的に部
分的な性能を検査することにより、電池の劣化状態がよ
り詳細に診断できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料電池に係わり、電池
面内の反応ガス量を好適に制御し、高性能化及び性能の
安定化を図るようにした燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の燃料電池は、電池面内のガス流量
を均一にするように流路断面積あるいは流路の通気抵抗
を調整する方法が主流で、例えば特開平2−117069 号に
開示されているように反応ガスの出入口部に抵抗体を設
けガス流量を均一にするようにした方法が提案されてい
る。一方、電池面内のガス流量を面内の電池特性に対応
して変える方法としては、特開平1−105474 号に開示さ
れているように、電池面内で温度の低くなる端部では、
その部分の流路断面積を小さくして冷却ガスであるカソ
ードガス量を少なくし、温度の低下を防止し、温度分布
が均等になるようにする方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
電池面内のガス流量を均一にする方法は、電池面内での
温度分布,反応ガスの濃度分布などによる電流分布をま
ったく無視した方法で、温度が高い部分,反応ガス濃度
の高い部分など電流の多くなる部分では、必要とするガ
ス量を確保できないことが生じ、電池性能の低下あるい
は過酷な連続運転により経時的に性能が低下するなどの
問題が生じていた。
【0004】即ち、燃料電池を運転する際には、電気出
力とほぼ等しい量の発熱が生じるため、電池本体が所定
の温度と成るよう冷却する必要が有る。このため溶融炭
酸塩型燃料電池ではカソードガスを反応に必要な量の5
〜10倍流し、反応ガスと冷却ガス兼用として冷却を図
っている。しかしながらガス体の熱容量が小さいためカ
ソードガスの入口温度に比べ出口温度は100〜200
℃程度高くなる。なお、出口温度を低くするためにはカ
ソードガスの流量をさらに5〜10倍増大させれば良い
が、コンプレッサなどの補機損が増大し過ぎ実用的では
ない。従って、この温度が高い分出口側の電池性能が高
くなり、電流が出口側に偏る。
【0005】例えば、電気化学協会、Molten Carbonate
Fuel Cell Performance Model, J.Electrochem.Soc.Vo
l.130,No1 48〜55p に記載されているように電池面内に
おける電流分布,温度分布は図13に示すように解析さ
れている。図13(1)の場合について、領域a,b,
cに分割して各部のおよその平均電流密度を求めると、
領域aが287mA/cm2 ,領域bが341mA/c
m2 ,領域cが368mA/cm2 となり、水素利用率
(水素消費量と供給量の比率)の平均を80%とすれば
温度の低いカソードガス入口部である領域aでは約69
%であるが、出口部である領域cでは約89%にも達す
るようになる。従って、水素を極力無駄にしないよう反
応に必要な分ぎりぎりに供給している(高利用率運転と
称する。)アノード側では電池面内のガス量の分布が均
等であると、高電流密度部分では反応に必要とするガス
量が確保出来なくなり、セル性能を悪くしたり、経時的
な性能低下の増大を生じる問題、及び低電流密度部分で
は単純にガスを廃棄してしまう問題が有った。また総合
効率を高めるためにさらに高利用率運転をする必要が有
るが、これを不可能にしている問題が有った。
【0006】また、アノード側について見ても高利用率
運転によって、入口側では水素濃度は非常に高いが出口
側では非常に低くなり、これによって入口側では電池性
能が高くなり電流がアノード入口側に偏って来る。即ち
前記、図13(3)の解析結果からアノードガス入口に
対応するカソードガスの領域aの平均的な電流密度は約
150mA/cm2 、一方アノードガスの出口側に対応す
る領域cは約40mA/cm2 となり、平均電流密度に対
し領域aでは約2倍、一方領域cでは約1/2となる。
このため平均酸素利用率を50%で運転する場合には領
域aでは100%にも達し、一方領域cでは25%にし
かならないアンバランスが生じ、セル性能を悪くした
り、経時的な性能低下の増大を生じる問題、及び低電流
密度部分では単純にガスを廃棄してしまう問題が有っ
た。
【0007】また、特開平1−105474号 に開示されてい
るように、温度分布を均等にするために温度の低い部分
の冷却ガスすなわち反応ガスを少なくする方法は、これ
によって温度が高くなりその分性能が高くなることによ
り増加する電流に対応するガスの量を確保できなくなる
ので、結果的には前者同様電池性能の低下あるいは経時
的に性能が低下するなどの問題が生じていた。
【0008】すなわち従来技術は、電池面内の温度分
布,ガス濃度分布による電流分布に対応するようにガス
の流量を調整する方法がとられていないため、また実際
に電池がどのような反応を生じているかを無視してガス
流量を決定していることにより、上記説明したように電
池性能の低下あるいは経時的に性能が低下するなどの問
題が生じていた。
【0009】また、従来の燃料電池は電池面内の特定の
場所にのみ反応ガスを流し、その部分のみ発電させ、部
分的な電池性能を測定することにより、電池面内各部の
性能を把握し、これらを総合して電池を診断するような
技術手段はなかった。
【0010】本発明は以上の点に鑑み成されたもので、
第一の目的は各分割流を通過するときの反応ガスの濃度
の変化から各分割流に対応する発電部分の間の電流を知
り、これに対応したガス量を供給できるようにすること
により、高性能で、かつ経時的に性能が安定な信頼性の
高い燃料電池を提供することにある。
【0011】第二の目的は、電池面内の一部分のみ発電
させることにより局部的な性能を測定し、電池全体の性
能を評価すること、あるいは経時的に各部分の性能を測
定し、電池性能を診断する方法を提供することに有る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、アノード電
極,カソード電極の間にマトリックスを挟持し、該アノ
ード電極,カソード電極がマトリックスに接する面と反
対側面にアノード或いはカソードガス流路を有する各々
のセパレータを配し、該セパレータには外部から反応ガ
スが供給される各々の入口マニホールド、及び排ガスを
外部に排出する各々の出口マニホールドを備えた燃料電
池において、前記セパレータはガス流れと実質平行に複
数個に分割された流路を有し、該分割された流路に対応
した前記入口及び出口マニホールドを有し、各々の前記
入口マニホールドの上流にはガス流量調節弁及びガス流
量計が備えられ、且つ前記セパレータの分割された流路
の上流に少なくとも一つ、下流には分割された流路に対
応してガス濃度計を備え、該上流及び下流のガス濃度計
の測定値から前記分割された流路ごとの反応ガスの変動
量を算出し、該変動量と前記ガス流量との比についての
前記分割された流路ごとの格差を低減するように前記ガ
ス流量調節弁を制御する判別器を有することを特徴とす
る。
【0013】また、前記判別器は、前記上流及び下流の
ガス濃度計の測定値から、前記分割された流路ごと反応
ガスの変動量を算出し、且つ該変動量から電流値を算出
し、各々の前記分割された流路の電流値の相対的大きさ
にガス流量を対応させるように前記ガス流量調節弁を制
御するものであることを特徴とする。
【0014】また、前記ガス濃度計がアノードガスにつ
いては、水素,水,炭酸ガス濃度計の少なくとも一つ、
カソードガスについては酸素,水,窒素,炭酸ガスの少
なくとも一つであることを特徴とする。
【0015】或いは、セパレータはガス流れと実質平行
に複数個に分割された流路を有し、該分割された流路に
対応して、前記入口及び出口マニホールドを有し、各々
の前記入口マニホールドの上流にはガス流量調節弁、及
びガス流量調節弁を備えた不活性ガス供給路を備えたこ
とを特徴とする。
【0016】或いは、セパレータはガス流れと実質平行
に複数個に分割された流路を有し、前記分割された流路
のうち一部の流路に反応ガスを流通させ、他の流路には
不活性ガスを流通させて、部分的に発電させて電池の部
分的性能低下を検知することを特徴とする。
【0017】或いは、アノード電極,カソード電極の間
にマトリックスを挟持してなる単位電池が、アノード及
びカソードガス流路を有する各々のセパレータを介して
積層してなる燃料電池において、前記セパレータの少な
くとも一つは層状を有し、該層は前記各々の電極に接し
ガス流れと実質平行に複数個に分割された流路を有する
層と、前記分割された流路に対応する位置に、外部に連
絡するリード部を有する既知抵抗抵抗材を配し、その周
囲に絶縁部材を配する層とからなることを特徴とする。
【0018】上記第一の目的は、反応ガスの通路を電池
面内で複数個に分割し、かつそれぞれの流路の少なくと
も入口部の一つと出口部の反応ガスの濃度を計測する手
段と、出入口の濃度変化から反応ガスの消費量を計算
し、それにより電池面内の電流分布を確定し、各通路に
適正なガス量を供給するように制御する手段とを設ける
ことによって達成される。
【0019】第二の目的は、アノード及びカソードガス
の通路を電池面内で複数個に分割し、かつそれぞれ一つ
ずつのガス通路にのみ反応ガスを流し、他の流通路には
窒素などの不活性ガスを流すように反応ガス通路を構成
することによって達成される。
【0020】
【作用】上記第一の目的である電流分布に対応した反応
ガス供給を行うためには、各流通路に供給される反応ガ
ス量と、出入口の濃度を計測し、流量と濃度差からそれ
ぞれの流通路での反応ガスの変動量(消費量或いは生成
量)を計算し、さらにこの消費量或いは生成量から反応
に寄与した反応ガス量が計算でき、これにより反応に伴
う電流値が計算できるのでこれらの各流路の電流値の比
率から各流通路に供給する反応ガス量が適正に配分され
ているかどうかが判定でき、これを基に各流路を流れる
ガスが適当な電流分布になるようにガス量を制御するこ
とが出来るようになるものである。これにより、ガスを
過不足なく流すこともできる。
【0021】また、第二の目的である電池性能の診断に
ついては、アノード及びカソードガスを特定の流通路に
のみ流すことが出来るので、アノードガスとカソードガ
スとが交差する部分の性能、即ち電池面内の部分的な性
能がアノード側の分割数とカソード側の分割数の積に等
しい数に分割して、電流電圧を含む電池性能を測定でき
るようになるので、詳細に電池性能を診断することが出
来るようになるものである。
【0022】
【実施例】以下本発明の一実施例を溶融炭酸塩型燃料電
池に適用した場合について図1〜図4によって詳細に説
明する。
【0023】図1はアノード側セパレータのガス流路を
示す平面図で、セパレータ1の一側端面にはアノードガ
ス12を供給するための入口マニホールド2a,2b,
2cが設けられている。これと対向する他端面には出口
マニホールド3a,3b,3cが設けられている。入口
マニホールドと出口マニホールドとの間が発電部分と成
る面で、面内にはリブ4とガス通路5が配設されてい
る。リブ4は電流を垂直方向に導通せしめるとともに、
ガスを流通させる通路5を形成するための部材である。
またリブ4はマニホールド間のほぼ中央部では互いに隣
接するマニホールドからのガスが流通しないように端面
まで伸びており、これによってガス流れは3分割され、
個々のマニホールドからのガスはそれぞれ独立して矢印
のように流れるようになっている。
【0024】入口マニホールド2a,2b,2cには、
外部からの信号により流量を調整できる流量調整弁6
a,6b,6cを有するそれぞれ独立したガス配管が接
続されている。一方、出口マニホールド3a,3b,3
cからの配管には分岐管が設けられ、かつ水分を除去す
るための冷却器7を経由して、それぞれのラインの廃ガ
ス中のH2ガス濃度を検出するためのH2ガス濃度検知器
8a,8b,8cが配設されている。また入口側のH2
濃度は、H2ガス濃度検知器8dによって計測できるよ
うに構成されている。
【0025】9は判別器でH2 ガス濃度検知器8dで計
測した入口H2濃度とH2ガス濃度検知器8a,8b,8
cで計測した出口H2濃度から各ラインのH2消費量を演
算し、適正に反応ガスが流れているか判別するものであ
る。10はガス流量制御器で判別器9からの信号で流量
調整弁6a,6b,6cを制御するものである。
【0026】カソードガス11については、図1に示す
アノード側と同じ構成にしてガス流れが直行するように
配置して、それぞれのマニホールド毎に流量制御しても
よいが、一般にはカソードガス11は大量に流し、冷却
媒体を兼ねるので単純な並行流で一括した流れで良く、
部材構成は省略するがガス流れは図1矢印に示すように
アノードガス12と直行するように流している。
【0027】図2は燃料電池本体の縦断面図で、セパレ
ータ1の一面にはアノードガス12用のガス通路、他面
にはカソードガス11用のガス通路5がそれぞれリブ4
によって設けられている。またセパレータ1のガス通路
部には全体に渡ってそれぞれアノード電極13,カソー
ド電極14が内装されている。15はマトリックスで電
解質である炭酸塩が含浸されている。
【0028】以上のように構成して燃料電池本体を60
0℃に昇温し、アノードガス12を電気化学反応で必要
な流量の1.25倍 (投入した水素の80%が反応で消
費され、残りの20%は廃ガスとして流出する。水素利
用率80%を意味する)、カソードガス11は電池反応
では電気出力と同等の熱が発生するのでこれを系外に排
出し、電池本体を冷却するため電気化学反応で必要とす
る流量の5倍流通せしめた。次いで負荷電流を150m
A/cm2 に設定して燃料電池発電装置として作動せしめ
た。発電を継続するに従って電池の発熱反応によってカ
ソードガス11の出口側の温度が上昇し、前記説明した
ように負荷電流はカソードガスの出口側に偏って来る
が、本実施例ではアノードガス入口となるH2 ガス濃度
検知器8dと3分割された各流路の出口側のH2 ガス濃
度検知器8a,8b,8cとからのH2濃度から判別器
9によって入口出口間の差分から3分割された各流路の
2消費量を計算し、これと実際に流れている流量を比
較し各流路でのH2 消費率すなわち水素利用率が適正か
どうかを判別し、ガス流量制御器10によって温度が高
く負荷電流の大きくなる流路(カソードガス11の出口
側に対応するアノードガス12の入口マニホールド2
c,出口マニホールド3c間の流路)はガス量を増量
し、反対に温度が低く負荷電流の小さくなる流路(カソ
ードガス11の入口側に対応するアノードガス12の入
口マニホールド2a,出口マニホールド3a間の流路)
は減量し、適正なガス量配分と成るよう制御できるよう
になっている。図示はしていないが、各入口マニホール
ドの上流には反応ガスの流量を測定する手段が設けられ
ている。例えば、流量調節弁の付近に設けることができ
る。
【0029】流量の情報は特に記載はしていないが、判
別器に連絡される構成になっていることが望ましい。
【0030】本実施例では水素濃度の変化から水素の消
費量を計算したが、これについて以下説明する。即ち、
アノード側の反応は変化する分だけを取り出すと化1に
示すように水素が1モル減って水と炭酸ガスが1モル生
成される反応と成る。
【0031】
【化1】
【0032】従って、生成される水を冷却器7によって
除去すれば水素が1モル減って炭酸ガスが1モル生成す
ることになるのでモル数の変化、換言すれば流量の変化
は無くなるので水素の濃度変化から消費量を計算できる
ようになる。即ち、水を除いた入口の水素と炭酸ガスの
流量の和をQi,出口の流量の和をQoとし、また入口
の水素濃度をCHi,出口の水素濃度をCHoとすれ
ば、Qi=Qoで有るので水素消費量△Qhは数1のよ
うに求められる。
【0033】
【数1】 △Qh=Qi・(CHi−CHo) …(数1) 従って水素消費量△Qhと入口水素量(QiとCHiの
積)との比を各流通路について判別器9によって演算,
判別し比が一定と成るようガス流量制御器10によって
好適に制御できるものである。
【0034】図3は従来の燃料電池と本発明による燃料
電池について電池電圧の経時特性を測定した結果であ
る。図から明らかなように、電流分布に対応してアノー
ドガスを制御するようにした燃料電池は電池電圧が高
く、また経時的な性能低下が小さく出来、従来のものに
比較し大幅に特性が改善されていることがわかる。また
図4は水素利用率について従来の燃料電池と本発明によ
る燃料電池を比較したものであるが、従来の燃料電池は
水素利用率85%程度から急激に性能が低下するが、本
発明によるものは95%程度まで安定に推移し、その後
低下が大きくなる傾向を示している。前者は前記説明し
たように電流分布を無視してガスを供給している結果で
あり、本発明は電流分布を考慮してガスを供給している
効果である。このことから電流分布を考慮して反応ガス
を供給することにより、より高い水素利用率で運転でき
ることがわかる。
【0035】以上説明したように本実施例によれば、ア
ノード側反応ガスの流通路を電池面内で複数個に分割
し、かつそれぞれの流通路の少なくとも出口部の反応ガ
スの濃度を計測する手段と、出入口の濃度変化から反応
ガスの消費量を計算し、それにより電池面内の電流分布
を確定し、例えば、ガスの過不足をなくすように、或い
は電流分布異常による過熱を防ぐことができるように、
各流通路に適正なガス量を供給するように制御する手段
とを設けることによって、電池面内の電流分布に対応し
たガス流分布とすることが出来るので、ガス利用率を高
めても高い性能が保持でき、かつ経時的に性能が安定な
信頼性の高い燃料電池を提供することが出来る効果が有
る。
【0036】なお、各流通路の出口側の水素濃度と共に
流量も同時に計測する手段を付与すれば、水素の消費量
をより精度良く計算することが出来るので、電流分布と
ガス流分布の対応がさらに良くなり有効で有る。
【0037】一方、化1に示すように水素の変化と炭酸
ガスの変化は等価であるのでH2 濃度検知器の変わりに
炭酸ガス濃度検知器を用いること、あるいは水蒸気の変
化分を捕らえるなど、電流に対応する反応ガス分の変化
を検出することで電流分布に対応してガス量を制御する
ことも有効であることを付記しておく。
【0038】図5の発明は、外部マニホールド型の燃料
電池のアノード側のガス通路に適用した例である。図5
は外部マニホールド型燃料電池のアノード側ガス通路を
示す平面図で21は電池本体で、この四側面にはガスの
供給,排出を一括して行うためのマニホールドが固着さ
れている。22,23はそれぞれアノードガスの入口,
出口マニホールドで何れも3分割されており、それぞれ
小室22a,22b,22c、及び23a,23b,2
3cを有する。また図1の発明同様それぞれのガス通路
はマニホールド及び小室の一端とリブ4とがシール材2
4を挟んで配置されることによって互いに独立した流通
路と成っている。25は図示していないがアノードとは
直行する多数のリブによって形成された多数の通路に一
括してカソードガスを供給するための入口マニホールド
で、26はカソード廃ガスを一括して排気するための出
口マニホールドで何れもアノード側のマニホールドとは
異なり区画されてはいない。
【0039】以上のような外部マニホールド型燃料電池
において、電池本体を600℃に昇温し、アノードガス
12を電気化学反応で必要な流量の1.25 倍、カソー
ドガス11は必要量の5倍流通せしめ、次いで負荷電流
を150mA/cm2 に設定して燃料電池発電装置として
作動させた結果、この場合も発電を継続するに従って電
池の発熱反応によってカソードガス11の出口側即ち小
室22cから23cに到る電池部分の温度が上昇し、前
記説明したように負荷電流はカソードガスの出口側に偏
って来るが、前記説明したようにH2濃度検知器8a〜
8d,判別器9,ガス流量制御器10が図1の発明同様
に機能し、電池面内のアノードガスが局部的に不足した
り、過剰になることが無く燃料電池が高性能で、かつ安
定に運転できるようになった。
【0040】この実施例では、外部マニホールド型燃料
電池においてもマニホールドを複数の小室に区画すると
共に、ガス通路を形成するためのリブとの間をシール材
を挟んで密着させることによりガス流を複数個の独立し
た流れにすることが出来、これによって負荷電流の分布
に対応するようにガス流量をH2 濃度検知器8a〜8
d,判別器9,ガス流量制御器10によって制御出来、
高性能で、かつ経時的に性能が安定な信頼性の高い燃料
電池を提供することが出来る効果が有る。
【0041】図6の発明はリン酸型燃料電池に適用した
実施例である。構造的には図5の発明とほぼ同じである
が、リン酸型燃料電池のような場合には比較的作動温度
が低いため、複数個の電池を積層する毎に冷却器を配置
し、水冷など液体による冷却を行っている。このためカ
ソードガスも補機損を極力小さくするため反応に必要と
する量ぎりぎりとしているので、この場合には前記説明
したようにガス濃度が高く、電流の集中するアノード入
口に対応する部分のカソードガスが反応に必要とする量
を確保出来なくなる問題が生じるので、カソード側のマ
ニホールドも複数個の小室に区画し、電池面内でのガス
流量をアノード,カソードとも最適に制御するようにし
たものである。
【0042】図において25,26はカソードガスの入
口マニホールド,出口マニホールドでそれぞれ小室25
a,25b、25c、及び小室26a,26b,26c
を有する。小室間の流通路は他の発明同様それぞれ独立
した構成となっており、入口マニホールドの上流には酸
素濃度検知器27dが、また小室26a,26b,26
cの下流側には酸素濃度検知器27a,27b,27c
を備えている。また、それぞれ上流側には流量調整弁2
8a,28b,28cが備えられ、カソードガス入口流
量を制御できるようになっている。他の構成部材の符号
は図5と同じに符してある。
【0043】以上のように構成したリン酸型燃料電池に
おいて、電池本体を190℃に昇温し、アノードガス1
2を電気化学反応で必要な流量の1.25倍 、カソード
ガス11は必要量の1.5 倍流通せしめ、次いで負荷電
流を250mA/cm2 に設定して燃料電池発電装置とし
て作動させた結果、この場合も発電を継続するに従って
電池の発熱反応によって電池本体が温度上昇するが、前
記説明したようにリン酸型燃料電池では、複数個の電池
を積層する毎に電池と同じサイズの冷却器を配置し水冷
しているため、電池面内の温度分布はあまり大きくなく
電池中央部の温度が他に比べ約15℃高くなったのみ
で、このため若干中央部に電流の集中が見られた程度で
あった。一方、カソードガス中の酸素濃度の分布による
電流分布については、入口では酸素濃度約20%,窒素
濃度約80%であるのに対し、出口では酸素が65%消
費すると共に水が酸素消費量の2倍生成されるため酸素
濃度は6.2% に低減する。このため電流はカソードガ
ス入口側ほど大きくなる分布と成りカソードガス入口部
分に対応するアノード通路即ち小室22a,23a間の
水素量が不足するようになるが、この場合も前記発明同
様H2 濃度検知器8a〜8dによって各流通路の電流値
を計算し、判別器9,ガス流量制御器10によってカソ
ードガス入口側に対応するアノードガス量即ち小室22
aから23aにわたる通路のガス量を多く、カソード出
口側に対応するアノードガス量即ち小室22cから23
cにわたる通路のガス量を少なく制御し、各流通路での
水素消費率が等しくなるように制御することが出来るよ
うになる。即ち、前記説明したように溶融炭酸塩型燃料
電池では生成される水を冷却器7によって除去すれば、
水素と炭酸ガスの総流量は不変であるので水素の濃度変
化のみから消費量を計算できるが、リン酸型燃料電池の
場合には水素の消費量と等しい水が生成されるため、こ
の水を除去すると流量が変化するので水素の濃度変化の
みから消費量を単純に計算出来ない。然し乍ら反応に寄
与しない炭酸ガスの流量は不変であるので、これに着目
すると水素消費量即ち電流値が計算できるようになる。
即ち、水を除いた入口の水素と炭酸ガスの流量の和をQ
i、出口の流量の和をQoとし、また入口の水素濃度を
CHi,出口の水素濃度をCHoとすれば、Qoは数2
のように求められる。
【0044】
【数2】 Qi(1−CHi)=Qo(1−CHo) Qo=Qi(1−CHi)/(1−CHo) …(数2) 従って水素消費量△Qhは数3のように求められる。
【0045】
【数3】 △Qh=Qi・CHi−Qo・CHo △Qh=Qi{CHi−(1−CHi)/(1−CHo)} …(数3) 従って水素消費量△Qhと入口水素量(QiとCHiの
積)との比を各流通路について判別器9によって演算,
判別し比が一定と成るようガス流量制御器10によって
好適に制御できるものである。
【0046】一方アノード側の水素濃度による電流分布
については、入口では水素濃度約60%,炭酸ガス濃度
約15%,水蒸気濃度約25%であるのに対し、出口で
は水素が80%消費するため水素濃度は約23%に低下
し、このため電流はアノードガス入口側ほど大きくなる
分布と成るが、この場合も対向するカソードガス中の酸
素濃度を検出し、それにより各流通路へのカソードガス
流量を好適に配分することが出来る。
【0047】カソード側の反応は酸素が消費すると共に
水が生成されるのでこの水を除去すると総流量が変化す
るのでアノード側の場合と同様、酸素濃度の差のみから
単純に電流値を求めることは出来ないが、この場合も反
応と無関係な窒素との対比で酸素消費量を算定できるも
のである。即ち、水を除いた入口の酸素と窒素の流量の
和をCQi,出口の流量の和をCQoとし、また入口の
酸素濃度をCOi,出口の酸素濃度をCOoとすれば、
CQoは数4のように求められる。
【0048】
【数4】 CQi(1−COi)=CQo(1−COo) CQo=CQi(1−COHi)/(1−COo) …(数4) 従って酸素消費量△Qoは数5のように求められる。
【0049】
【数5】 △Qo=CQi・COi−CQo・COo △Qo=CQi{COi−(1−COi)/(1−COo)} …(数5) 従って酸素消費量△Qoと入口酸素量(CQiとCOi
の積)との比を各流通路について判別器9によって演
算,判別し、比が一定と成るようガス流量制御器10に
よって好適に制御できるものである。
【0050】以上本実施例によればリン酸型燃料電池の
ように温度分布よりもガス濃度分布により電流分布を生
じる場合、またアノードガス,カソードガスの何れも高
利用率で運転され、両ガスとも入口出口間で大きな濃度
差が生じる場合であっても各流通路のガス濃度を検出
し、反応と無関係な炭酸ガス或いは窒素ガスの流量を基
準にして流通路内の電流値が判別できるので、電池面内
の電流分布に対応したガス流分布とすることが出来、高
性能で、かつ経時的に性能が安定な信頼性の高い燃料電
池を提供できる効果がある。
【0051】なお本実施例ではリン酸型燃料電池で説明
したが、吸熱反応を伴うガス改質器を複数個のセルを積
層する毎に挿入し、冷却機能を持たせたタイブの溶融炭
酸塩型燃料電池にも適用できることを付記しておく。
【0052】図7の発明はアノードガスとカソードガス
が並行するように構成されたタイプの燃料電池に適用し
たものである。図においてセパレータ1のアノード側の
面1aのガス通路は、多数のリブ4のうちのいくつかを
セパレータ端面まで伸ばすことによって3分割してお
り、それぞれ矢印のように独立した流れとなっている。
一方面1aの背面となり、部分破断で示しているカソー
ド側の面1bは一括された通路となっており、ガス流れ
は全て矢印のように流れかつアノード側と並行な流れと
なっている。なお他の部材,部品の記号は他の実施例と
同じに符してある。
【0053】以上のような並行流型燃料電池において、
電池本体を600℃に昇温し、アノードガス12を電気
化学反応で必要な流量の1.25倍 、カソードガス11
は必要量の5倍流通せしめ、次いで負荷電流を150m
A/cm2 に設定して燃料電池発電装置として作動させた
ところ、カソードガス11の流れ方向に向かって温度が
上昇したが、これと共に図8に示すように、流れと直行
する断面の温度分布は両端部側即ちマニホールドのない
側の温度がセパレータ端部からの放熱によって中央部分
よりも低くなる結果となった。この傾向はガス出口に近
く温度の高くなる出口側の図7のAA断面、また入口に
近く比較的温度の低いBB断面の何れもが同じであっ
た。
【0054】カソードガスの流れの方向に生じる温度分
布あるいはガス濃度分布により電流分布が生じ、局部的
にガスの消費量が変わっても、反応ガス同志が対向する
流れであるため、流れ方向の電流の積算量に対応するガ
ス量が確保できるため問題とは成らないが、図8に示す
ように端部に沿った部分では流れ方向全体に渡って温度
が中央部分よりも低いため、積算される電流が小さくな
るのでアノード,カソードガスとも過剰となる。一方、
中央部分では電流が大きくなるため、アノード,カソー
ドガスとも不足する状態になる。これによって前記説明
したような不具合が生じるが、この場合にもH2 濃度検
知器8a〜8d,酸素濃度検知器27a〜27d,判別
器9,ガス流量制御器10が前記説明したように作用
し、アノードガス,カソードガスとも各流通路の消費率
がほぼ等しく制御されるようになる。
【0055】以上並行流型の燃料電池における実施例で
も電池面内の電流分布に対応したガス流分布とすること
が出来、高性能で、かつ経時的に性能が安定な信頼性の
高い燃料電池を提供することが出来る効果が有る。
【0056】図9の発明は各流通路に設けられたガス濃
度計を一つに集約する一方、ガス切替器を設けたもので
ある。即ち、冷却器7を通過したガスはガス切替器29
に導入され、所定の時間ごとに順次ガス濃度計8に送入
されガス濃度が計測される。計測した流通路とそのガス
濃度の信号は判別器9に送られ、以下図1の発明同様各
流通路のガス消費率が等しくなるようガス流量が制御さ
れるものである。
【0057】この実施例ではガス濃度計の数が低減でき
るので安価な燃料電池を提供できる効果が付加される。
【0058】図10の発明は図1〜図9の発明とは異な
り、各流通路に対応する電流を直接測定するようにした
もので、積層電池のうちの少なくとも一つのアノードセ
パレータ1をモノポーラタイプとし、その背面に各流通
路の面積とほぼ等しい寸法の既知抵抗(導電部材)、例
えばニクロム,鉄クロム,マンガニン等の抵抗材料或い
はカソード電極に使用している酸化ニッケル等の電極材
料を挿入し、この電圧降下から電流を求めるようにした
ものである。図において30a,30b,30cはニクロ
ム製の抵抗板で上下に電圧降下を検出するための引出リ
ード31,32が導出されている。この抵抗板30の面
積は入口マニホールド2a〜出口マニホールド3a間、
同様に2b〜3b,2c〜3cの3分割したガス通路の
面積よりも小さくし、それぞれがアルミナ等の絶縁部材
33で絶縁されている。
【0059】このように構成することによって、3分割
したガス通路による部分セルのそれぞれの電流の大きさ
は抵抗板30a,30b,30cの電圧降下分として引
出リード31,32から導出できるので、この比率で反
応ガスを分配すれば各流通路のガス消費率が等しくなる
ようガス流量の制御が可能になるものである。
【0060】この実施例ではガス濃度計,冷却器,ガス
配管などが省略できるのでより安価に出来、かつアノー
ドガスとカソードガスの混合(電解質板を貫通するガス
クロス)による直接燃焼などの誤差がでることがなく、
より高精度に電流分布が測定できる効果がある。
【0061】図11の発明は燃料電池の診断法に関する
もので、3分割されたアノードガス,カソードガスの入
口部分に不活性ガス40である窒素ガスを流通せしめる
ための供給路(配管)を設けたものである。34a,3
4b,34c及び35a,35b,35cはそれぞれ窒
素流量調整弁で、34a〜34cがアノードガス系に接
続され、35a〜35cがカソードガス系に接続されて
いる。また反応ガス,窒素ガス系ともにそれぞれのガス
を独立に停止できるよう手動の停止弁が設けられてい
る。アノードガス系には36a〜36c,アノードガス
系に接続されている窒素ガス系には37a〜37c,カ
ソードガス系には38a〜38c,カソードガス系に接
続されている窒素ガス系には39a〜39cの停止弁が
設けられている。
【0062】このように燃料電池を構成することによっ
て、アノードガス,カソードガスとも特定の流通路のみ
反応ガスを流し、それぞれの交差するaa〜ccの9か
所の部分について特定の部分のみ発電させることが出来
るようになる。例えばアノードガス系において36a,
36bを閉、36cを開、37a,37bを開、37cを
閉とすることによってca,cb,ccにのみアノード
ガスが供給でき、他は窒素ガスとなる。一方カソードガ
ス系においては38aを開、38b,38cを閉、39
aを閉、39b,39cを開することによって、カソー
ドガスはaa,ba,caにのみ供給でき、他は窒素ガ
スとなる。従って両方の反応ガスが供給されている部分
はcaのみであり、この部分のみの電流電圧をはじめと
して様々な電池性能を測定することが可能になる。
【0063】図12は本発明の効果を明確にするため
に、故意に電流分布を無視して従来法のように均等流量
を流して運転したときの各交差部分aa〜ccの性能に
ついて運転初期と1000時間後について比較したもの
である。初期にはほとんど性能差が無かったものが、1
000時間後には性能差が生じた。温度の低いaa,a
b,ac部分は電流も小さくなるのでほとんど性能低下
は認められなかったが、温度が高く電流密度が大きくな
るのに対し、アノードガスが不足する部分ca,cb,
ccでは性能低下が著しく、特に最も不足するcc部分
の低下が大きいことが判明した。
【0064】この発明によれば、電池面内の特定の部分
に反応ガスが供給出来、その部分のみ性能が測定できる
ので、定期点検時など経時的に部分的な性能を検査する
ことにより、電池の劣化状態がより詳細に評価できる燃
料電池を提供できる効果が有る。
【0065】
【発明の効果】以上本発明によれば、反応ガスの通路を
電池面内で複数個に分割し、かつそれぞれの通路の少な
くとも入口部の一つと出口部のガス濃度を計測し、出入
口の濃度変化から反応ガスの消費量を計算し、それによ
り電池面内の電流分布を確定し、各通路に適正なガス量
を供給するようにすることによって、高性能で、かつ経
時特性が安定な信頼性の高い燃料電池を提供できる効果
がある。
【0066】また複数個に分割したガス通路の特定の通
路のみに反応ガスを供給し、他の通路には不活性ガスを
供給することにより、電池面内の特定の部分の性能を測
定できるので、定期点検時など経時的に部分的な性能を
検査することにより、電池の劣化状態がより詳細に診断
できる燃料電池を提供できる効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアノード側セパレータのガス通路構成
を示す平面図。
【図2】燃料電池本体の縦断面図。
【図3】本発明と従来の燃料電池の電池電圧の経時特性
比較図。
【図4】本発明と従来の燃料電池の水素利用率特性比較
図。
【図5】外部マニホールド型燃料電池のアノード側セパ
レータのガス通路構成を示す平面図。
【図6】外部マニホールド型燃料電池の反応ガス通路の
概略構成を示す平面図。
【図7】並行流型燃料電池のガス通路構成を示す平面
図。
【図8】並行流型燃料電池の面内温度分布図。
【図9】本発明の他の実施例の機器構成図。
【図10】電流分布測定法を示す要部分解斜視図。
【図11】本発明の電池面内の部分性能評価用の配管構
成図。
【図12】電池面内の部分性能評価結果を示す図。
【図13】従来の燃料電池の電流分布及び温度分布を示
す図。
【符号の説明】
6…流量調整弁、8…ガス濃度検出計、9…判別器、1
0…ガス流量制御器、13…アノード電極、14…カソ
ード電極、15…マトリックス、29…ガス切替器、3
6a,38b…反応ガス停止弁、40…不活性ガス、5
0…各々のガスのガス供給路、51…各々のガスのガス
排出路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒江 聡 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 光島 重徳 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 山口 雅教 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アノード電極,カソード電極の間にマトリ
    ックスを挟持し、該アノード電極,カソード電極がマト
    リックスに接する面と反対側面にアノード或いはカソー
    ドガス流路を有する各々のセパレータを配し、該セパレ
    ータには外部から反応ガスが供給される各々の入口マニ
    ホールド、及び排ガスを外部に排出する各々の出口マニ
    ホールドを備えた燃料電池において、前記セパレータは
    ガス流れと実質平行に複数個に分割された流路を有し、
    該分割された流路に対応した前記入口及び出口マニホー
    ルドを有し、各々の前記入口マニホールドの上流にはガ
    ス流量調節弁及びガス流量計が備えられ、且つ前記セパ
    レータの分割された流路の上流に少なくとも一つ、下流
    には分割された流路に対応してガス濃度計を備え、該上
    流及び下流のガス濃度計の測定値から前記分割された流
    路ごとの反応ガスの変動量を算出し、該変動量と前記ガ
    ス流量との比についての前記分割された流路ごとの格差
    を低減するように前記ガス流量調節弁を制御する判別器
    を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記判別器は、前記上
    流及び下流のガス濃度計の測定値から、前記分割された
    流路ごと反応ガスの変動量を算出し、且つ該変動量から
    電流値を算出し、各々の前記分割された流路の電流値の
    相対的大きさにガス流量を対応させるように前記ガス流
    量調節弁を制御するものであることを特徴とする燃料電
    池。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記ガス濃度計がアノ
    ードガスについては、水素,水,炭酸ガス濃度計の少な
    くとも一つ、カソードガスについては酸素,水,窒素,
    炭酸ガスの少なくとも一つであることを特徴とする請求
    項1記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】アノード電極,カソード電極の間にマトリ
    ックスを挟持し、該アノード電極,カソード電極がマト
    リックスに接する面と反対側面にアノード或いはカソー
    ドガス流路を有する各々のセパレータを配し、該セパレ
    ータには外部から反応ガスが供給される各々の入口マニ
    ホールド、及び排ガスを外部に排出する各々の出口マニ
    ホールドを備えた燃料電池において、前記セパレータは
    ガス流れと実質平行に複数個に分割された流路を有し、
    該分割された流路に対応して、前記入口及び出口マニホ
    ールドを有し、各々の前記入口マニホールドの上流には
    ガス流量調節弁、及びガス流量調節弁を備えた不活性ガ
    ス供給路を備えたことを特徴とする燃料電池。
  5. 【請求項5】アノード電極,カソード電極の間にマトリ
    ックスを挟持し、該アノード電極,カソード電極がマト
    リックスに接する面と反対側面にアノード或いはカソー
    ドガス流路を有する各々のセパレータを配し、該セパレ
    ータには外部から反応ガスが供給される各々の入口マニ
    ホールド、及び排ガスを外部に排出する各々の出口マニ
    ホールドを備えた燃料電池の性能の診断方法において、
    前記セパレータはガス流れと実質平行に複数個に分割さ
    れた流路を有し、前記分割された流路のうち一部の流路
    に反応ガスを流通させ、他の流路には不活性ガスを流通
    させて、部分的に発電させて電池の部分的性能低下を検
    知することを特徴とする燃料電池性能の診断方法。
  6. 【請求項6】アノード電極,カソード電極の間にマトリ
    ックスを挟持してなる単位電池が、アノード及びカソー
    ドガス流路を有する各々のセパレータを介して積層して
    なる燃料電池において、前記セパレータの少なくとも一
    つは層状を有し、該層は前記各々の電極に接しガス流れ
    と実質平行に複数個に分割された流路を有する層と、前
    記分割された流路に対応する位置に、外部に連絡するリ
    ード部を有する既知抵抗抵抗材を配し、その周囲に絶縁
    部材を配する層とからなることを特徴とする燃料電池。
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