図1は、本発明の実施例1としての撮影レンズ駆動制御装置100の構成を示すブロック図である。
撮影レンズ1は、それぞれが複数のレンズを有する4つのレンズ群を備え、対物側から第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群、第4レンズ群の順に配列されている。ここで、第1レンズ群と第2レンズ群とは一体化されて、第1−2レンズ群を構成している。
以下、第1−2レンズ群を1−2群1A(対物側のレンズ群)、第3レンズ群を3群1B(他のレンズ群)、第4レンズ群を4群1C、として説明する。
1−2群1A、3群1B、および4群1Cは、光軸を共通にして、鏡胴1D内に配置されている。ここで、1−2群1Aと3群1Bとの間には、被写体から撮影レンズ1内に通過する光量を制御する第1絞り2Aおよび第2絞り2B、並びに、撮影時の露光時間を制御するシャッタ3が設置されている。
1−2群1Aおよび3群1Bは撮影倍率を変化させるためのズーム用レンズ群であり、4群1Cは、この4群1Cの後方に位置する露光面(図示省略)に、被写体の像を合焦させるためのフォーカス用レンズ群である。対物側のレンズ群である1−2群1A、他のレンズ群である3群1B、4群1Cは、それぞれモータにより駆動され、光軸に平行に移動して目標の光学系が成立する。
ここで、1−2群1Aを駆動する1−2群用モータ4Aは直流(DC)モータであり、3群1Bを駆動する3群用モータ4Bおよび4群1Cを駆動する4群用モータ4Cはパルスモータである(駆動機構は図示省略)。
DCモータは、印可される駆動電圧に応じて駆動速度が変化するレンズ駆動装置であり、印可する電圧を変化させるだけの簡単な操作で、1−2群1Aの駆動速度を調整することができる。
なお、DCモータは一般に、供給電力が同じであれば、パルスモータよりも高速回転にすることができ、また、負荷の変化に応じて駆動電流が変化するという特性があるため、負荷の増大で駆動電流が増大し、結果として駆動トルクが増えるため、負荷変動に強く、滑らかな動作を得ることができる。
したがって、ズーム位置に応じてカムの傾斜が変化(負荷トルクが変化)するような、例えばカム筒の駆動に好適である。
また、DCモータは、デューティ比(周期に占めるオン状態の時間の割合)に応じて駆動速度が変化するレンズ駆動装置でもあり、レンズ駆動装置に入力する駆動通電時間の比を変化させるだけの簡単な操作で、1−2群1Aの駆動速度を調整することができる。
反面、DCモータを停止させる際には、慣性によって、停止制御を行ってから実際に停止するまでのずれ、いわゆるオーバーランが起こり、希望した位置に停止させることが困難である。この点、パルスモータは、パルスを与えることで駆動するため、任意の目標位置に停止させるのは容易であるが、トルク変動に対しては強くないため、トルク変動が少ない場合の制御に適している。
また、第1絞り2A、第2絞り2B、およびシャッタ3には、それぞれを駆動するための第1絞り用モータ4D、第2絞り用モータ4E、シャッタ用モータ4Fが設けられ、これらモータ4D,4E,4Fの動作によって、対応する第1絞り2A、第2絞り2B、およびシャッタ3がそれぞれ駆動される(駆動機構は図示省略)。なお、これら各モータ4A〜4Fは、モータドライバ5Aに電気的に接続されて、集中的な制御に供される。
モータドライバ5Aは、電気的に接続されたCPU5Bから、各モータ4A〜4Fを駆動制御するのに必要な情報、例えば駆動電圧、駆動タイミング、駆動量、駆動方向等を得、これらの情報に基づいて各モータ4A〜4Fの駆動制御を行う。
ここで、モータ4Aには、その回転に伴い回転数に応じた数のパルスを発生する1−2群移動量検出装置7が備えられている。この1−2群移動量検出装置7は、電気的に接続された1−2群移動量検出装置駆動回路8によって駆動される。また、1−2群移動量検出装置7が出力したパルスは、CPU5Bに取り込まれる。
1−2群移動量検出装置7は、撮影レンズ1が最も望遠状態になったときと、最も広角状態になったときとの間で、例えば1280個など所定の数のパルスを出力するように設定されている。
そして、この最も望遠状態になったときと、最も広角状態になったときとの間の全区間が、所定の数(例えば16等分)に区切られる(80パルスごとに1等分区間)、この16の区間の17個の区切りには位置指標、いわゆるズームポジションZp1,Zp2,…,Zp17が設定されている。
ここで、1−2群移動量検出装置7の出力パルスとズームポジションZp1,Zp2,…,Zp17との関係を図2に示す。また、基準位置、ズームポジション、収納位置の位置関係を図13に示す。
図2に示したパルス数は、基準位置を0としてカウントしている。基準位置から収納位置に向かうときは、負の値でカウントするものとする。
一方、3群用モータ4Bおよび4群用モータ4Cは、CPU5Bからの指示にしたがってモータドライバ5Aから入力されたパルス数に応じた駆動速度で駆動される。
ここで、各ズームポジションZp1〜ZP17に3群1Bを配置させるのに必要な3群用モータ4Bへの入力パルス数は、図2に示すように設定されている。なお4群1Cは合焦用レンズ群のため、位置の説明は省略する。
また、1−2群1A、3群1B、4群1Cには、それぞれの基準位置を検出する1−2群基準位置検出装置9A、3群基準位置検出装置9B、4群基準位置検出装置9Cが備えられており、各レンズ群1A,1B,1Cが基準位置にあるかどうかが検出される。
この1−2群基準位置検出装置9A、3群基準位置検出装置9B、4群基準位置検出装置9Cは、それぞれ1−2群基準位置検出装置駆動回路10A、3群基準位置検出装置駆動回路10B、4群基準位置検出装置駆動回路10Cによって駆動される。また、各群基準位置検出装置駆動回路10A,10B,10Cによって検出された位置は、CPU5Bに取り込まれる。
CPU5Bには、望遠撮影を行う場合に撮影レンズ1の倍率を高倍率化するために操作する望遠スイッチ(図1において望遠SWと記載)6A、および広角撮影を行う場合に撮影レンズ1の倍率を低倍率化するために操作する広角スイッチ(図1において広角SWと記載)6Bが電気的に接続されており、CPU5Bはこの望遠スイッチ6Aおよび広角スイッチ6Bの操作に応じて各群用モータ4A,4B,4Cを制御する。
そして、上記モータドライバ5AとCPU5とが、制御装置5を構成している。
なお、1−2群1Aを構成する1群および2群は、これら2つのレンズ群の間隔がカム機構によって機械的に調整されるカム筒(図示省略)に取り付けられており、1−2群用モータ4Aにより1−2群1Aが駆動される際に、1群と2群との間隔が所定の間隔となるように機械的に駆動される。
次に、本発明の第1の実施例の基本動作を図3のフローチャートおよび図5〜図8のタイミングチャート、および図9の動作説明図を用いて説明する。
本実施例1は、1−2群1Aの位置に対する3群1Bの位置に応じて1−2群用モータ4Aの印加電圧を増減させることにより1−2群用モータ4Aの駆動速度を変化させ、1−2群1Aと3群1Bとが干渉しないように、1−2群1Aと3群1Bとを同時に駆動する駆動制御方法の実施例である。
ここで駆動制御方法は、撮影レンズ1の駆動方向が、望遠から広角に駆動される状態であるか、あるいは広角から望遠に駆動される状態であるか、によって制御のフローが異なるため、以下、撮影レンズ1の駆動方向が、望遠から広角に駆動される場合と、広角から望遠に駆動される場合とに分けて説明を行う。
(広角から望遠への駆動制御)
まず、撮影レンズ1の駆動方向が広角から望遠に駆動される場合の駆動制御方法の説明を行う。図3,4は、この駆動制御時のズーム動作を示している。
ステップS101では、4群1Cの退避駆動制御の必要性を判断するため、撮影レンズ1の駆動方向が、望遠から広角に駆動される状態であるか、広角から望遠に駆動される状態であるか、が判定される。
使用者が、撮影レンズ1を広角から望遠に駆動する望遠スイッチ6Aを押して撮影レンズ1が広角から望遠(図3,4において、W→Tと記載)に駆動される状態の場合は、各レンズ群間の距離が互いに離れる方向に、各レンズ群が駆動されるため、4群1Cの退避駆動制御は不要であり、フローはステップS103へ進む。
ステップS103では、3群1Bの退避駆動制御の必要性を判断するため、撮影レンズ1の駆動方向が、望遠から広角に駆動される状態であるか、広角から望遠に駆動される状態であるか、が判定される。
使用者が、撮影レンズ1を広角から望遠に駆動する望遠スイッチ6Aを押して、撮影レンズ1が広角から望遠に駆動される状態の場合は、上述したように、各レンズ群間の距離が離れる方向へ各レンズ群が駆動されるため、3群1Bの退避駆動制御は不要であり、フローはステップS105へ進む。
ステップS105では、望遠スイッチ6Aが押されたことによって1−2群用モータ4Aにより1−2群1Aの駆動が開始される。
ここで、1−2群用モータ4AはDCモータであるため、駆動開始直後は突入電流が発生し、電源電圧が降下するため電池寿命に影響する。これを避けるため、1−2群1Aの駆動開始直後は、1−2群用モータ4Aの駆動電圧を、定常時の駆動電圧より低い値に設定し、所定時間経過後に電圧を定常時の電圧に引き上げる起動制御を行う(図5,6における望遠スイッチ6Aおよび1−2群用モータ4Aのタイミングチャート参照)。
なお、望遠〜広角の位置間での駆動電圧は、広角位置〜撮影レンズ収納位置間での駆動電圧よりも、相対的に低く設定されている。
これは、広角〜撮影レンズ収納間では、駆動の高速性が要求されるために、電圧を高く設定し、望遠〜広角の位置間では、望遠スイッチ6Aまたは広角スイッチ6Bの操作により、目標の位置ですばやく駆動が停止するように適度な電圧設定としているからである。
ステップS105で1−2群1Aの駆動を開始後、フローはステップS106へ移行し、ステップS106では、1−2群1Aを停止する必要があるか否か、の判定が行われる。
ここで、1−2群1Aを停止する必要がある場合、すなわち、望遠スイッチ6Aが押されなくなった場合(図6において、望遠スイッチ6AがOffになった時点)、または1−2群1Aが最望遠側の位置に対し、所定距離手前まで駆動された場合(図5において、1−2群用モータ4Aの停止制御が開始された時点)は、フローはステップS114へ移行する。一方、1−2群1Aを停止する必要がない場合は、フローはステップS107へ移行する。
ステップS107では、3群1Bが停止中であるか駆動中であるかが判定される。ここで3群1Bが停止中である場合は、フローはステップS108へ移行する。一方、3群1Bが駆動中である場合は、フローはステップS110へ移行する。
ステップS108では、1−2群1Aの駆動開始タイミングと3群1Bの駆動開始タイミングに時間差を持たせるために、1−2群1Aの駆動開始後、所定時間が経過しているかどうかが判定される。
1−2群1Aの駆動開始タイミングと3群1Bの駆動開始タイミングとに時間差を持たせることで、1−2群用モータ4Aの駆動開始時に発生する突入電流タイミングに、3群用モータ4Bの駆動電流が重ならないため、電源が短時間に大きな消費電流を供給する必要がなくなる。このようにすることで、電源である電池の寿命を長くすることが可能となる。所定時間の経過の判定は、1−2群移動量検出装置7から出力される出力パルスの個数を所定数になるまでカウントすることによって行われる。
ステップS108で、1−2群1Aの駆動開始後、所定時間が経過している場合は、フローはステップS109へ移行する。一方、1−2群1Aの駆動開始後、所定時間が経過していない場合は、フローはステップS106へ戻り、上記フローを繰り返す。
ステップS109では、3群用モータ4Bにより3群1Bの駆動が開始される。このとき、3群1Bの駆動速度は所定の速度、例えば3群用モータ4Bの入力パルスレートが600pps(1秒当たりパルス数)となるように行われる。その後、フローはステップS106へ戻る。
ステップS107において、3群1Bが駆動中である場合は、フローはステップS110へ移行する。
ステップS110では、1−2群1Aに対する3群1Bの位置を調べ、1−2群1Aと3群1Bとの干渉、および必要以上の乖離を避けるために、3群1Bの駆動速度の変更が必要であるかどうか、が判定される。
ここで、図9に示すように、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置が、第一の所定位置P1を越えて1−2群1Aに近づいている状態であるか(図9における点線部A1)、第三の所定位置P2を越えて1−2群1Aから遠ざかっている状態であれば(図9における点線部B1)、3群1Bの駆動速度の変更が必要な状態であり、フローはステップS111へ移行する。
一方、1−2群1Aの位置に対して3群1Bの位置がP1とP2の間にある場合は、3群1Bの駆動速度の変更は不必要な状態であり、フローはステップS106へ戻る。以下、P1とP2の間隔を群間保持区間という。
ステップS111では、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がP1を越えて1−2群1Aに近づいている状態の場合は(図9の点線部A1)、1−2群1Aと3群1Bとの干渉が発生する可能性があるため、3群1Bの速度を所定量減速し、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を回避する。
また、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がP2を越えて1−2群1Aよりも遠ざかっている状態であれば(図9における点線部B1)、1−2群1Aと3群1Bとの距離が必要以上に離れてしまう可能性があるため、3群1Bの速度を所定量加速し、1−2群1Aと3群1Bとの必要以上の乖離を回避する。
加減速量は、1−2群1Aの駆動速度、1−2群移動量検出装置7によって検出される1−2群1Aの位置、3群用モータ4Bの入力パルスによって算出される3群1Bの位置に基づき、適切な値がCPU5Bによって算出される。
図9に示すように、1−2群1AのズームポジションZp12(N)に対し、所定の倍率を成立させる3群1Bのズームポジション位置Zp3(N)があらかじめ設定されている(図2参照)。
ここで、3群1Bの減速を開始する3群1Bの位置P1は、3群1BのズームポジションZp3(N)と3群1Bの次のズームポジションZp3(N+1)との間の1/3分だけ、3群1BのズームポジションZp3(N)から3群1Bの次のズームポジションZp3(N+1)に近づいた位置としている。すなわち、
P1=Zp3(N)+(Zp3(N+1)−Zp3(N))/3
としている。
また、3群1Bの加速を開始する3群1Bの位置P2は、3群1Bの1つ手前のズームポジションZp3(N−1)に近づいた位置としている。すなわち、
P2=Zp3(N−1)
としている。
図2に示す3群用モータ4Bへの出力パルスで位置P1、P2を表すと、3群1BのズームポジションがZp3(4)(N=4)の場合、
P1=360+(380−360)/3=366
P2=340
となる。
すなわち、1−2群1AのズームポジションがZp(4)(N=4)の場合、3群用モータ4Bへの出力パルスが366以上になった場合は、3群1Bの駆動速度を減速し、3群用モータ4Bへの出力パルスが334以下になった場合は、3群1Bの駆動速度を加速する。
ここで、図10を用いて、3群1Bの駆動速度を3群用モータ4Bへの駆動パルスレートにより可変する方法を説明する。
3群用モータ4Bは、通常駆動パルスレート=800ppsで駆動されており、Zp(ズームポジション)単位で、3群1Bの位置を確認する。3群1Bの位置がP2以下となり、群間距離が広がった場合は、3群用モータ4Bへの駆動パルスレートを1000ppsに上げて駆動速度を加速する。
その後、3群1Bの位置が群間保持区間内に位置した場合は、3群用モータ4Bの駆動パルスレートを、通常パルスレート800ppsに戻す。また、3群1Bの位置がP1以上となり、1−2群との群間距離が狭まった場合は、3群用モータ4Bへの駆動パルスレートを500ppsに下げ駆動速度を減速する。
以上のように、3群1Bの位置が群間保持区間を外れた場合に、3群1Bの速度を制御することで、1−2群1Aと3群1Bとの干渉および必要以上の乖離を避けながら、1−2群1Aと3群1Bとを同時に駆動することが可能となる。
ステップS112では、1−2群1Aに対する3群1Bの位置を調べ、1−2群1Aと3群1Bとの干渉、必要以上の乖離を避けるために、1−2群1Aの駆動速度の変更が必要であるかどうか、が判定される。
ここで、図9に示すように、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置が、第一の所定位置P1よりも1−2群1Aに近い第二の所定位置L1を越えて1−2群1Aに近づいている状態であるか(図9の点線部A2)、第三の所定位置P2よりも1−2群1Aから遠い第四の所定位置L2を越えて1−2群1Aから遠ざかっている状態であれば(図9の点線部B)、1−2群1Aの駆動速度の変更が必要な状態であり、フローはステップS113に移行する。
一方、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がL1とL2との間にある場合は、1−2群1Aの駆動速度の変更は不必要な状態であり、フローはステップS106へ戻る。以下、L1とL2との間隔を群間保持限界区間という。
ステップS113では、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がL1を越えて1−2群1Aに近づいている状態の場合は(図9の点線部A2)、1−2群1Aと3群1Bとの干渉が発生する可能性があるため、1−2群1Aの速度を所定量加速し、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を回避する。
また、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がL2を越えて1−2群1Aよりも遠ざかっている状態であれば(図9の点線部B2)、1−2群1Aと3群1Bとが必要以上に離れてしまう可能性があるため、1−2群1Aの速度を所定量減速し、1−2群1Aと3群1Bとの必要以上の乖離を回避する。
加減速量は、1−2群1Aの駆動速度、1−2群移動量検出装置7によって検出される1−2群1Aの位置、3群用モータ4Bの入力パルスによって算出される3群1Bの位置に基づき、適切な値がCPU5Bによって算出される。
図9に示すように、1−2群1AのズームポジションZp12(N)に対し、所定の倍率を成立させる3群1Bのズームポジション位置Zp3(N)があらかじめ設定されている(図2参照)。
ここで、1−2群1Aの減速を開始する3群1Bの位置L1は、3群1BのズームポジションZp3(N)と3群1Bの次のズームポジションZp3(N+1)との間の1/2分だけ、3群1BのズームポジションZp3(N)から3群1Bの次のズームポジションZp3(N+1)に近づいた位置としている。すなわち、
L1=Zp3(N)+(Zp3(N+1)−Zp3(N))/2
としている。
また、1−2群1Aの加速を開始する3群1Bの位置L2は、3群1Bの1つ手前のズームポジションZp3(N−1)とさらに一つ手前のズームポジションZp3(N−2)との間の1/3分だけ、3群1Bのひとつ手前のズームポジションZp3(N−1)から3群1Bのさらにひとつ手前のズームポジションZp3(N−2)に近づいた位置としている。すなわち、
L2=Zp3(N−1)−(Zp3(N−1)−Zp3(N−2))/3
としている。
図2に示す3群用モータ4Bへの出力パルスでL1,L2を表すと、3群1BのズームポジションがZp3(4)(N=4)の場合、
L1=360+(380−360)/2=370
L2=340−(340−320)/3=334
となる。
すなわち、1−2群1AのズームポジションがZp(4)(N=4)の場合、3群用モータ4Bへの出力パルスが370以上になった場合は、1−2群1Aの駆動速度を加速し、3群用モータ4Bへの出力パルスが334以下になった場合は、1−2群1Aの駆動速度を減速する。
ここで、図11を用いて、1−2群1Aの駆動速度を1−2群1Aの駆動電圧により可変する方法を説明する。
1−2群用モータ4Aは、図11に示すように、通常駆動電圧2.0Vにて駆動されており、Zp単位で3群1Bの位置を確認する。3群1Bの位置がL1以上となり、3群1Bとの群間距離が狭まった場合は、1−2群用モータ4Aへの駆動電圧を2.2Vに上げて、駆動速度を加速する。
その後、3群1Bの位置が正常位置に到達した場合は、1−2群用モータ4Aの駆動電圧を2.0Vの通常電圧に戻す。また、3群1Bの位置がL2以下となり、群間距離が広がった場合は、1−2群用モータ4Aの駆動電圧を1.8Vに下げて、駆動速度を減速する。
以上のように、3群1Bの位置が群間保持限界区間を外れた場合に、1−2群1Aの速度を制御することで、1−2群1Aと3群1Bとの干渉および必要以上の乖離を避けながら1−2群1Aと3群1Bとを同時に駆動することが可能となる。
ステップS106で1−2群1Aの停止が必要であると判定された後、フローはステップS114へ移行する。
ステップS114では,3群1Bの駆動状態が判定される。ここで3群1Bが停止している場合は、フローはステップS116へ移行する。一方、3群1Bが駆動中の場合は、フローはステップS115へ移行して3群1Bの駆動を停止した後、フローはステップS116へ移行する。
ステップS116では、1−2群1Aの停止制御が行われる。1−2群1AはDCモータである1−2群用モータ4Aによって駆動されており、駆動電圧の印加を停止しても1−2群用モータ4Aの回転は瞬時には停止せず、オーバーランが発生する。
このオーバーラン量を減らすために、1−2群1Aの停止動作が開始された時点で、1−2群用モータ4Aの駆動電圧を下げる停止制御を行う(図5,6における1−2群用モータ4Aのタイミングチャート参照)。停止制御後、フローはステップS117へ移行する。
ステップS117では、1−2群移動量検出装置7が出力するパルス数が、1−2群1Aの停止制御が開始された時点から所定数に達した時点で、1−2群1Aを停止させるために1−2群用モータ4Aのブレーキ制御(一般的な電磁ブレーキ等)が行われ、1−2群1Aを停止する(図5,6における1−2群用モータ4Aのタイミングチャート参照)。
なお、1−2群1Aの停止位置は、このブレーキ制御中のオーバーランも含まれる。この後に、フローはステップS118へ移行する。
ステップS118では、駆動機構が備える歯車(図示省略)の遊びによるレンズ群の位置ずれを防ぐことを目的としたバックラッシュ制御(後述)を行うために、撮影レンズ1の駆動方向が判定される。撮影レンズ1の駆動方向が、広角から望遠(図3,4において、W→Tと記載)の場合は、本実施例では、バックラッシュ制御は不要と判定されて、フローはステップS120へ移行する。
撮影レンズ1の駆動方向が、望遠から広角(図3,4において、T→Wと記載)の場合は、本実施例ではバックラッシュ制御が必要と判定されて、フローはステップS119へ移行し、バックラッシュ制御が実行される。
ステップS120では、3群1Bの位置補正駆動制御が行われる(図5,6における3群用モータ4Bのタイミングチャート参照)。これは、1−2群1Aの最終的な位置に対応した3群1Bの適正な停止位置をCPU5Bが算出し、その位置に、3群1Bを駆動するものである。この位置の算出は、図2に示した1−2群1Aおよび3群1Bの位置情報に基づいて行われる。この後に、フローはステップS121へ移行する。
ステップS121では、停止したレンズ群の位置に対応した絞り値に、第1絞り2A、第2絞り2Bを設定するための、絞り駆動制御が行われる(図5,6における第1絞り用モータ4Dおよび第2絞り用モータ4Eのタイミングチャート参照)。この後に、フローはステップS122へ移行し、撮影レンズ1の駆動制御が終了する。
(望遠から広角への駆動制御)
次に、撮影レンズ1の駆動方向が、望遠から広角に駆動される場合の説明を行う。図3,4は、この駆動制御時のズーム動作を示している。
使用者が、撮影レンズ1を望遠から広角に駆動する広角スイッチ6Bを押して、撮影レンズ1が望遠から広角(図3,4において、T→Wと記載)に駆動される状態の場合は、フローは、ステップS101からステップS102へ進む。
ステップS102では、4群1Cを3群1Bから遠ざける4群1Cの退避駆動制御が行われる(図7,8における4群用モータ4Cのタイミングチャート参照)。撮影レンズ1が、望遠から広角に駆動される場合は、各レンズ群間の距離が接近する状態となり、3群1Bと4群1Cとが干渉を起こす可能性がある。
このため、4群1Cの位置が、3群1Bと干渉を起こさない所定の位置よりも3群1Bに接近する位置にある場合は、3群1Bが駆動された際に干渉を起こさない所定の位置まで、4群1Cを3群1Bから遠ざける4群1Cの退避駆動制御が行われる。この後に、フローはステップS103へ移行する。
ステップS103では、3群1Bの退避駆動制御の必要性を判断するため、撮影レンズ1の駆動方向が、望遠から広角に駆動される状態であるか、広角から望遠に駆動される状態であるか、が判定される。
使用者が、撮影レンズ1を、望遠から広角に駆動する広角スイッチ6Bを押して、撮影レンズ1が望遠から広角(図3,4において、T→Wと記載)に駆動される状態の場合は、フローはステップS104へ進む。
ステップS104では、3群1Bを1−2群1Aから遠ざける3群1Bの退避駆動制御が行われる(図7,8における3群用モータ4Bのタイミングチャート参照)。撮影レンズ1が、望遠から広角に駆動される場合は、各レンズ群間の距離が接近する状態となり、3群1Bと1−2群1Aとが干渉を起こす可能性がある。
このため、1−2群1Aを駆動する前にあらかじめ所定距離分、例えば3群1Bが位置するズームポジションZp3(N)と一つ手前のズームポジションZp3(N−1)との間の半分の距離分、3群1Bを1−2群1Aから遠ざける3群1Bの退避駆動制御を行う。この後に、フローはステップS105へ移行する。
ステップS105では、広角スイッチ6Bが押されたことによって、1−2群用モータ4Aにより1−2群1Aの駆動が開始される。ここで1−2群用モータ4AはDCモータであるため、駆動開始直後は突入電流が発生し、電源電圧が降下するため電池寿命に影響する。これを避けるため、1−2群1Aの駆動開始直後は、1−2群用モータ4Aの駆動電圧を定常時の駆動電圧より低い値に設定し、所定時間経過後に電圧を定常時の電圧に引き上げる起動制御を行う(図7,8における1−2群用モータ4Aのタイミングチャート参照)。
ステップS105で1−2群1Aの駆動を開始後、フローはステップS106へ移行する。
ステップS106では、1−2群1Aを停止する必要があるかどうかの判定が行われる。ここで、1−2群1Aを停止する必要がある場合、すなわち、広角スイッチ6Bが押されなくなった場合(図8において、広角スイッチ6BがOffになった時点)、または1−2群1Aが最広角側の位置に対し所定距離手前まで駆動された場合(図7において、1−2群用モータ4Aの停止制御が開始された時点)は、フローはステップS114へ移行する。
一方、1−2群1Aを停止する必要がない場合は、フローはステップS107へ移行する。
ステップS107では、3群1Bが停止中であるか、駆動中であるかが判定される。ここで3群1Bが停止中である場合は、フローはステップS108へ移行する。一方、3群1Bが駆動中である場合は、フローはステップS110へ移行する。
ステップS108では、1−2群1Aの駆動開始タイミングと3群1Bの駆動開始タイミングとに時間差を持たせるために、1−2群1Aの駆動開始後、所定時間が経過しているかどうかが判定される。
1−2群1Aの駆動開始タイミングと3群1Bの駆動開始タイミングとに時間差を持たせることで、1−2群用モータ4Aおよび3群用モータ4Bを同時に駆動する必要がなくなり、電源が短時間に大きな消費電流を供給する必要がなくなる。このようにすることで、電池の寿命を長くすることが可能となる。
所定時間の経過の判定は、1−2群移動量検出装置7から出力される出力パルスの個数を所定数になるまでカウントすることによって行われる。
ステップS108で、1−2群1Aの駆動開始後、所定時間が経過している場合は、フローはステップS109へ移行する。一方、1−2群1Aの駆動開始後、所定時間が経過していない場合は、フローはステップS106へ戻り、上記フローを繰り返す。
ステップS109では、3群用モータ4Bにより3群1Bの駆動が開始される。このとき、3群1Bの駆動速度は所定の速度、例えば3群用モータ4Bの入力パルスレートが600ppsとなるように行われる。その後、フローはステップS106へ戻る。
ステップS107において、3群1Bが駆動中である場合は、フローはステップS110へ移行する。このステップS110では、1−2群1Aに対する3群1Bの位置を調べ、1−2群1Aと3群1Bとの干渉、必要以上の乖離を避けるために、1−2群1Aの駆動速度の変更が必要であるかどうかが判定される。
ここで、図9に示すように、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置が第一の所定位置P1を越えて1−2群1Aに近づいている状態であるか(図9の点線部A1)、第三の所定位置P2を越えて1−2群1Aから遠ざかっている状態であれば(図9の点線部B1)、フローはステップS111へ移行する。一方、1−2群1Aの位置に対して3群1Bの位置がP1とP2との間、すなわち群間保持区間内にある場合は、フローはステップS106へ戻る。
ステップS111では、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がP1を越えて1−2群1Aに近づいている状態の場合は(図9の点線部A1)、1−2群1Aと3群1Bとの干渉が発生する可能性があるため、3群1Bの速度を所定量加速し、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を回避する。
また、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がP2を越えて1−2群1Aから遠ざかっている状態であれば(図9の点線部B1)、1−2群1Aと3群1Bとの距離が必要以上に離れてしまう可能性があるため、3群1Bの速度を所定量減速し、1−2群1Aと3群1Bとの必要以上の乖離を回避する。
加減速量は、1−2群1Aの駆動速度、1−2群移動量検出装置7によって検出される1−2群1Aの位置、3群用モータ4Bの入力パルスによって算出される3群1Bの位置に基づき、適切な値がCPU5Bによって算出される。
図9に示すように、1−2群1AのズームポジションZp12(N)に対し、所定の倍率を成立させる3群1Bのズームポジション位置Zp3(N)があらかじめ設定されている(図2参照)。
ここで、3群1Bの加速を開始する3群1Bの位置P1は、3群1BのズームポジションZp3(N)と3群1Bの次のズームポジションZp3(N+1)との間の1/3分だけ、3群1BのズームポジションZp3(N)から3群1Bの次のズームポジションZp3(N+1)に近づいた位置としている。すなわち、
P1=Zp3(N)+(Zp3(N+1)−Zp3(N))/3
としている。
また、3群1Bの減速を開始する3群1Bの位置P2は、3群1Bの1つ手前のズームポジションZp3(N−1)に近づいた位置としている。すなわち、
P2=Zp3(N−1)
としている。
図2に示す3群用モータ4Bへの出力パルスでP1,P2を表すと、3群1BのズームポジションがZp3(4)(N=4)の場合、
P1=360+(380−360)/3=366
P2=340
となる。
すなわち、1−2群1AのズームポジションがZp(4)(N=4)の場合、3群用モータ4Bへの出力パルスが366以上になった場合は、3群1Bの駆動速度を加速し、3群用モータ4Bへの出力パルスが340以下になった場合は、3群1Bの駆動速度を減速する。
ここで、図10を用いて、3群1Bの駆動速度を3群1Bの駆動パルスレートにより可変する方法を説明する。
3群1Bは、通常駆動パルスレート800ppsにより駆動されており、Zp単位で3群1Bの位置を確認する。3群1Bの位置が位置P1以上となり、群間距離が狭まった場合は、3群1Bの駆動パルスレートを1000ppsに上げて駆動速度を加速する。
その後、3群1Bの位置が群間保持区間内に到達した場合は、3群1Bの駆動パルスレートを通常パルスレート800ppsに戻す。さらに、3群1Bの位置がP2以下となり、群間距離が広がった場合は、3群1Bの駆動パルスレートを500ppsに下げて駆動速度を減速する。
以上のように、3群1Bの位置が群間保持区間を外れた場合に、3群1Bの速度を制御することにより、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を避けながら、1−2群1Aと3群1Bとを同時に駆動することが可能となる。
ステップS112では、1−2群1Aに対する3群1Bの位置を調べ、1−2群1Aと3群1Bとの干渉、必要以上の乖離を避けるために、1−2群1Aの駆動速度の変更が必要であるかどうかが判定される。
ここで、図9に示すように、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置が、第一の所定位置P1よりも1−2群1Aに近い第二の所定位置L1を越えて1−2群1Aに近づいている状態であるか(図9の点線部A2)、第三の所定位置P2よりも1−2群1Aから遠い第四の所定位置L2を越えて1−2群1Aから遠ざかっている状態であれば(図9の点線部B2)、フローはステップS113へ移行する。一方、1−2群1Aの位置に対して3群1Bの位置がL1とL2との間、すなわち群間保持限界区間内にある場合は、フローはステップS106へ戻る。
ステップS113では、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がL1を越えて1−2群1Aに近づいている状態の場合は(図9の点線部A2)、1−2群1Aと3群1Bとの干渉が発生する可能性があるため、1−2群1Aの速度を所定量減速し、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を回避する。
また、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置がL2を越えて1−2群1Aから遠ざかっている状態であれば(図9の点線部B2)、1−2群1Aと3群1Bとの距離が必要以上に離れてしまう可能性があるため、1−2群1Aの速度を所定量加速し、1−2群1Aと3群1Bとの必要以上の乖離を回避する。
加減速量は、1−2群1Aの駆動速度、1−2群移動量検出装置7によって検出される1−2群1Aの位置、3群用モータ4Bの入力パルスによって算出される3群1Bの位置に基づき、適切な値がCPU5Bによって算出される。
図9に示すように、1−2群1AのズームポジションZp12(N)に対し、所定の倍率を成立させる3群1Bのズームポジション位置Zp3(N)があらかじめ設定されている(図2参照)。
ここで、1−2群1Aの加速を開始する3群1Bの位置L1は、3群1BのズームポジションZp3(N)と3群1Bの次のズームポジションZp3(N+1)との間の1/2分だけ、3群1BのズームポジションZp3(N)から3群1Bの次のズームポジションZp3(N+1)に近づいた位置としている。すなわち、
L1=Zp3(N)+(Zp3(N+1)−Zp3(N))/2
としている。
また、1−2群1Aの減速を開始する3群1Bの位置L2は、3群1Bの1つ手前のズームポジションZp3(N−1)とさらに一つ手前のズームポジションZp3(N−2)との間の1/3分だけ、3群1Bのひとつ手前のズームポジションZp3(N−1)から3群1Bのさらにひとつ手前のズームポジションZp3(N−2)に近づいた位置としている。すなわち、
L2=Zp3(N−1)
としている。
図2に示す3群用モータ4Bへの出力パルスでL1,L2を表すと、3群1BのズームポジションがZp3(4)(N=4)の場合、
L1=360+(380−360)/2=370
L2=340−(340−320)/3=334
となる。
すなわち、1−2群1AのズームポジションがZp(4)(N=4)の場合、3群用モータ4Bへの出力パルスが370以上になった場合は、1−2群1Aの駆動速度を減速し、3群用モータ4Bへの出力パルスが334以下になった場合は、1−2群1Aの駆動速度を加速する。
ここで、図11を用いて、1−2群1Aの駆動速度を1−2群用モータへの駆動電圧により可変する方法を説明する。
1−2群用モータ4Aは、図11に示すように、通常駆動電圧2.0Vにより駆動されており、Zp単位で3群1B位置を確認する。3群1B位置がL2以下となり、群間距離が広がった場合は、1−2群用モータ4Aへの駆動電圧を2.2Vに上げて、駆動速度を加速する。
その後、3群1B位置が正常位置に到達した場合は、1−2群用モータ4Aへの駆動電圧を2.0Vの通常電圧に戻す。また、3群1Bの位置がL1以上となり、群間距離が狭まった場合は、1−2群用モータ4Aへの駆動電圧を1.8Vに下げて、駆動速度を減速する。
以上のように、3群1Bの位置が群間保持限界区間を外れた場合に、3群1Bの速度を制御することにより、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を避けながら、1−2群1Aと3群1Bとを同時に駆動することが可能となる。
ステップS106において、1−2群1Aの停止が必要であると判定された後、フローはステップS114へ移行する。
ステップS114では,3群1Bの駆動状態が判定される。ここで3群1Bが停止している場合は、フローはステップS116へ移行する。一方3群1Bが駆動中の場合は、フローはステップS115へ移行して3群1Bの駆動を停止した後、フローはステップS116へ移行する。
ステップS116では、1−2群1Aの停止制御が行われる。1−2群1AはDCモータである1−2群用モータ4Aによって駆動されており、1−2群用モータ4Aへの駆動電圧の印加を停止しても、1−2群用モータ4Aの回転は瞬時には止まらず、オーバーランが発生する。
このオーバーラン量を減らすために、1−2群1Aの停止動作が開始された時点で、1−2群用モータ4Aの駆動電圧を下げる停止制御を行う(図7,8における1−2群用モータ4Aのタイミングチャート参照)。停止制御後、フローはステップS117へ移行する。
ステップS117では、1−2群移動量検出装置7が出力するパルス数が1−2群1Aの停止制御が開始された時点から所定数に達した時点で、1−2群1Aを停止させるために1−2群用モータ4Aのブレーキ制御(一般的な電磁ブレーキ等)が行われ、1−2群1Aを停止させる(図7,8における1−2群用モータ4Aのタイミングチャート参照)。なお、1−2群1Aの停止位置はこのブレーキ制御中のオーバーランも含まれる。この後に、フローはステップS118へ移行する。
ステップS118では、駆動機構が備える歯車(図示省略)の遊びによるレンズ群の位置ずれを防ぐ目的でバックラッシュ制御(後述)を行うために、撮影レンズ1の駆動方向が判定される。撮影レンズ1の駆動方向が望遠から広角(図3,4において、T→Wと記載)の場合は、本実施例ではバックラッシュ制御を行うため、フローはステップS119へ移行する。
ステップS119では、1−2群1Aのバックラッシュ制御が行われる(図7,8の1−2群用モータ4Aのタイミングチャート参照)。バックラッシュ制御は、所定の停止位置を越えるまで、1−2群1Aを駆動した後に、逆方向、すなわち広角から望遠方向に1−2群1Aを再度駆動して、1−2群1Aを所定位置に戻すことで行われる。
通常駆動機構の歯車は遊びを有しており、そのままでは正確な位置が定まらないため、駆動部分の駆動方向が常に一方向になるように駆動を行うことで、この遊びの影響を回避する。バックラッシュ制御が実行された後にフローはステップS120へ移行する。
ステップS120では、3群1Bの位置補正駆動制御が行われる(図7,8における3群用モータ4Bのタイミングチャート参照)。これは、1−2群1Aの最終的な位置に対応した3群1Bの適正な停止位置をCPU5Bが算出し、その位置に3群1Bを駆動するものである。この位置の算出は、図2に示した1−2群1Aおよび3群1Bの位置情報に基づいて行われる。この後に、フローはステップS121に移行する。
ステップS121では、停止したレンズ群の位置に対応した絞り値に第1絞り2A、第2絞り2Bを設定するための絞り駆動制御が行われる(図7,8における第1絞り用モータ4Dおよび第2絞り用モータ4Eのタイミングチャート参照)。この後に、フローはステップS122へ移行し、撮影レンズ1の駆動制御が終了する。
なお、前述した群間保持区間および群間保持限界区間は、広角から望遠への駆動の場合と、望遠から広角への駆動の場合とで異なる範囲としてもよい。また各ズームポジション毎に変更してもよい。
また、本実施例において、バックラッシュ制御を望遠から広角への駆動の場合に行ったが、広角から望遠への駆動の場合に行ってもよい。
以上、詳細に説明したように、本実施例1の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、変倍機能を担う複数のレンズ群である1−2群1Aおよび3群1Bと、これら1−2群1A、3群1Bをそれぞれ、駆動速度を調整可能に駆動する1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bと、1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bに対して、これらの駆動速度を調整させるように制御するCPU5Bと、1−2群1A、3群1Bの位置をそれぞれ検出するレンズ位置検出手段としての1−2群基準位置検出装置9A、3群基準位置検出装置9Bとを備え、1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bが1−2群1A、3群1Bを同時に駆動するとき、CPU5Bが、1−2群基準位置検出装置9A、3群基準位置検出装置9Bによって検出された1−2群1A、3群1B間の位置関係に応じて、駆動速度の調整対象となるレンズ群を1−2群1Aと3群1Bとで切り替えるように、1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bを制御する。
これにより、CPU5Bが、1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bを、同時並列的に駆動制御することで、1−2群1Aおよび3群1Bが同時並列的に駆動されるため、これら1−2群1A、3群1Bが順次的に駆動される従来の撮影レンズ駆動制御装置に比べて、1−2群1A、3群1Bの駆動開始から駆動終了までに要する時間が長くなるのを防止することができる。
しかも、CPU5Bが、1−2群1A、3群1B同士が干渉しないように1−2群1A、3群1Bの駆動速度を調整すべく1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bを制御することにより、1−2群1Aと3群1Bとが干渉するのを防止することができる。
さらに、CPU5Bが、1−2群基準位置検出装置9A、3群基準位置検出装置9Bによって検出された1−2群1Aと3群1Bとの間の位置関係に応じて、駆動速度の調整対象となるレンズ群を1−2群1Aと3群1Bとで切り替えることにより、1−2群1Aと3群1Bとの間の近接度合いや乖離度合いに応じて、近接し過ぎ(干渉)や乖離し過ぎの虞を迅速に解消することができる。
また、本実施例1の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、CPU5Bによる、駆動速度の調整対象となるレンズ群(1−2群1A、3群1B)の切替えは、1−2群1Aと3群1Bとのうち対物側の1−2群1Aに対して3群1Bが、第一の所定位置P1を越えて対物側の1−2群1Aに接近したときは、1−2群1Aと3群1Bとが更に接近しないように3群1Bの駆動速度を調整し、1−2群1Aに対して3群1Bが、第一の所定位置P1よりも1−2群1Aに近い第二の所定位置L1を越えて1−2群1Aに接近したときは、1−2群1Aと3群1Bとが更に接近しないように1−2群1Aの駆動速度を調整する切替えである。
これにより、1−2群1Aに対して3群1Bが、第一の所定位置P1を越えて1−2群1Aに接近したとき(第一段階の接近)は、3群1Bの駆動速度を調整することにより、1−2群1Aと3群1Bとが更に接近するのを防止することができ、1−2群1Aに対して3群1Bが、第一の所定位置P1よりも1−2群1Aに近い第二の所定位置L1を越えて1−2群1Aに接近したとき(第二段階の接近)は、駆動速度を調整を1−2群1Aに切り替えて、1−2群1Aの駆動速度を調整することにより、1−2群1Aおよび3群1Bの駆動速度が調整された(第一段階の接近では3群1Bの駆動速度が調整され、第二段階の接近では3群1Bの駆動速度は調整後の速度のままで、1−2群1Aの駆動速度が調整される。)ことになり、接近の度合いが高くなるに応じて、接近を緩和させる度合いを高くすることができる。
また、本実施例1の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、CPU5Bによる、駆動速度の調整対象となるレンズ群(1−2群1A、3群1B)の切替えは、1−2群1Aに対して3群1Bが、第三の所定位置P2を越えて1−2群1Aから乖離したとき、1−2群1Aと3群1Bとが更に乖離しないように、3群1Bの駆動速度を調整し、1−2群1Aに対して3群1Bが、第三の所定位置P2よりも1−2群1Aから遠い第四の所定位置L2を越えて1−2群1Aから乖離したとき、1−2群1Aと3群1Bとが更に乖離しないように、1−2群1Aの駆動速度を調整する切替えである。
これにより、1−2群1Aに対して3群1Bが、第三の所定位置P2を越えて1−2群1Aから乖離したとき(第一段階の乖離)は、3群1Bの駆動速度を調整することにより、1−2群1Aと3群1Bとが更に乖離するのを防止することができ、1−2群1Aに対して3群1Bが、第三の所定位置P2よりも1−2群1Aに近い第四の所定位置L2を越えて1−2群1Aから乖離したとき(第二段階の乖離)は、駆動速度の調整を1−2群1Aに切り替えて、1−2群1Aの駆動速度を調整することにより、1−2群1Aおよび3群1Bの駆動速度が調整された(第一段階の乖離では3群1Bの駆動速度が調整され、第二段階の乖離では3群1Bの駆動速度は調整後の速度のままで、1−2群1Aの駆動速度が調整される。)ことになり、乖離の度合いが高くなるに応じて、乖離を緩和させる度合いを高くすることができる。
また、本実施例1の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、3群用モータ4Bは、入力されるパルスレートに応じて駆動速度が変化するものであるため、3群用モータ4Bに入力する駆動パルスレートを変化させるだけの簡単な操作で、3群1Bの駆動速度を調整することができる。
なお、パルスレートに応じて駆動速度を変化させる3群用モータ4Bとしてのパルスモータは、パルスを与えることで駆動しているので、駆動対象である3群1Bを任意の位置に停止させることが容易であるが、トルク変動に対しては強くないため、トルク変動が少ない場合の制御に好適である。
また、本実施例1の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、1−2群用モータ4Aは、印可される駆動電圧に応じて駆動速度が変化するものであるため、1−2群用モータ4Aに印可する駆動電圧を変化させるだけの簡単な操作で、1−2群1Aの駆動速度を調整することができる。
なお、印可される駆動電圧に応じて駆動速度を変化させる1−2群用モータ4Aとしての直流モータは、供給電力が同じであれば、パルスモータよりも高速回転にすることができ、また、負荷の変化に応じて駆動電流が変化するという特性があるため、負荷の増大で駆動電流が増大し、結果として駆動トルクが増えるため、負荷変動に強く、滑らかな動作を得ることができる。
したがって、ズーム位置に応じてカムの傾斜が変化(負荷トルクが変化)するような例えばカム筒の駆動に好適である。
また、本実施例1の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、1−2群用1Aを駆動対象とする1−2群用モータ4Aが直流モータであり、3群1Bを駆動対象とする3群用モータ4Bがパルスモータであるため、1−2群1Aの移動に合わせて、3群1Bを正確に駆動させることができる。
次に、本発明の実施例2としての撮影レンズ駆動制御装置100を説明する。
(デューティ駆動制御による駆動速度制御)
本実施例2は、1−2群1Aの位置に対する3群1Bの位置に応じて、1−2群1Aの駆動比率(デューティ比)を増減させることにより駆動速度を変化させ、1−2群1Aと3群1Bとが干渉しないように、1−2群1Aと3群1Bを同時に駆動する駆動制御方法の実施例である。
本実施例2での駆動比率とは、一定間隔内での駆動出力割合であり、100%が全出力であり、50%が半分出力,半分オフであり、0%が全オフである。
ここで、本実施例2と前述した実施例1との相違点は、図3のフローチャートのステップS113の内容のみであるため、以下、本実施例におけるステップS113の内容について図12を用いて説明を行う。
(広角から望遠への制御)
最初に撮影レンズ1の駆動方向が、広角から望遠に駆動される場合の説明を行う。
1−2群1Aは、通常駆動比率80%(10[msec]間隔で、8[msec]ON,2[msec]OFF)にて駆動されており、Zp単位で3群1Bの位置を確認する。
ステップS113では、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置が第二の所定位置L1を越えて1−2群1Aに近づいている状態の場合は(図9の点線部A2)、群間距離が狭まって、1−2群1Aと3群1Bとの干渉が発生する可能性があるため、1−2群1Aの速度を所定量加速し、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を回避する。
すなわち、1−2群用モータ4Aの駆動比率を100%(10[msec]間隔で、10[msec]ON,0[msec]OFF)に上げて、駆動速度を加速する。その後、3群1Bの位置が正常位置に到達した場合は、1−2群用モータ4Aの駆動比率を80%の通常比率に戻す。
また、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置が第四の所定位置L2を越えて1−2群1Aよりも遠ざかっている状態であれば(図9の点線部B2)、群間距離が広がって、1−2群1Aと3群1Bとの距離が必要以上に離れてしまう可能性があるため、1−2群1Aの速度を所定量減速し、1−2群1Aと3群1Bとの必要以上の乖離を回避する。
すなわち、1−2群用モータ4Aの駆動比率を60%(10[msec]間隔で、6[msec]ON,4[msec]OFF)に下げて駆動速度を減速する。
なお、L1,L2の位置関係の条件や、その他の処理内容は実施例1と同じであり、重複するため説明を省略する。
(望遠から広角への制御)
次に、撮影レンズ1の駆動方向が、望遠から広角に駆動される場合の説明を行う。
1−2群用モータ4Aは、通常駆動比率80%(10[msec]間隔で、8[msec]ON,2[msec]OFF)にて駆動されており、Zp単位で3群1Bの位置を確認する。
ステップS113では、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置が第二の所定位置L1を越えて1−2群1Aに近い状態の場合は(図9の点線部A2)、群間距離が狭まって、1−2群1Aと3群1Bとの干渉が発生する可能性があるため、1−2群1Aの速度を所定量減速し、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を回避する。
すなわち、1−2群用モータ4Aの駆動比率を60%(10[msec]間隔で、6[msec]ON,4[msec]OFF)に下げて駆動速度を減速する。その後、3群1Bの位置が正常位置に到達した場合は、1−2群用モータ4Aの駆動比率を80%の通常比率に戻す。
また、1−2群1Aの位置に対し3群1Bの位置が第四の所定位置L2を越えて1−2群1Aよりも遠ざかっている状態であれば(図9の点線部B2)、群間距離が広がって、1−2群1Aと3群1Bとの距離が必要以上に離れてしまう可能性があるため、1−2群1Aの速度を所定量加速し、1−2群1Aと3群1Bとの必要以上の乖離を回避する。
すなわち、1−2群用モータ4Aの駆動比率を100%(10[msec]間隔で、10[msec]ON,0[msec]OFF)に上げて、駆動速度を加速する。
なお、L1,L2の位置関係の条件や、その他の処理内容は実施例1と同じであり、重複するため説明を省略する。
以上のように、3群1Bの位置が群間保持区間を外れた場合に、1−2群1Aの速度を制御することで、1−2群1Aと3群1Bとの干渉を避けながら1−2群1Aと3群1Bを同時に駆動することが可能となる。
以上、説明したように、本実施例2の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、変倍機能を担う複数のレンズ群である1−2群1Aおよび3群1Bと、これら1−2群1A、3群1Bをそれぞれ、駆動速度を調整可能に駆動する1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bと、1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bに対して、これらの駆動速度を調整させるように制御するCPU5Bと、1−2群1A、3群1Bの位置をそれぞれ検出するレンズ位置検出手段としての1−2群基準位置検出装置9A、3群基準位置検出装置9Bとを備え、1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bが1−2群1A、3群1Bを同時に駆動するとき、CPU5Bが、1−2群基準位置検出装置9A、3群基準位置検出装置9Bによって検出された1−2群1A、3群1B間の位置関係に応じて、駆動速度の調整対象となるレンズ群を1−2群1Aと3群1Bとで切り替えるように、1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bを制御する。
これにより、CPU5Bが、1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bを、同時並列的に駆動制御することで、1−2群1Aおよび3群1Bが同時並列的に駆動されるため、これら1−2群1A、3群1Bが順次的に駆動される従来の撮影レンズ駆動制御装置に比べて、1−2群1A、3群1Bの駆動開始から駆動終了までに要する時間が長くなるのを防止することができる。
しかも、CPU5Bが、1−2群1A、3群1B同士が干渉しないように1−2群1A、3群1Bの駆動速度を調整すべく1−2群用モータ4A、3群用モータ4Bを制御することにより、1−2群1Aと3群1Bとが干渉するのを防止することができる。
さらに、CPU5Bが、1−2群基準位置検出装置9A、3群基準位置検出装置9Bによって検出された1−2群1Aと3群1Bとの間の位置関係に応じて、駆動速度の調整対象となるレンズ群を1−2群1Aと3群1Bとで切り替えることにより、1−2群1Aと3群1Bとの間の近接度合いや乖離度合いに応じて、近接し過ぎ(干渉)や乖離し過ぎの虞を迅速に解消することができる。
また、本実施例2の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、CPU5Bによる、駆動速度の調整対象となるレンズ群(1−2群1A、3群1B)の切替えは、1−2群1Aと3群1Bとのうち対物側の1−2群1Aに対して3群1Bが、第一の所定位置P1を越えて対物側の1−2群1Aに接近したときは、1−2群1Aと3群1Bとが更に接近しないように3群1Bの駆動速度を調整し、1−2群1Aに対して3群1Bが、第一の所定位置P1よりも1−2群1Aに近い第二の所定位置L1を越えて1−2群1Aに接近したときは、1−2群1Aと3群1Bとが更に接近しないように1−2群1Aの駆動速度を調整する切替えである。
これにより、1−2群1Aに対して3群1Bが、第一の所定位置P1を越えて1−2群1Aに接近したとき(第一段階の接近)は、3群1Bの駆動速度を調整することにより、1−2群1Aと3群1Bとが更に接近するのを防止することができ、1−2群1Aに対して3群1Bが、第一の所定位置P1よりも1−2群1Aに近い第二の所定位置L1を越えて1−2群1Aに接近したとき(第二段階の接近)は、駆動速度を調整を1−2群1Aに切り替えて、1−2群1Aの駆動速度を調整することにより、1−2群1Aおよび3群1Bの駆動速度が調整された(第一段階の接近では3群1Bの駆動速度が調整され、第二段階の接近では3群1Bの駆動速度は調整後の速度のままで、1−2群1Aの駆動速度が調整される。)ことになり、接近の度合いが高くなるに応じて、接近を緩和させる度合いを高くすることができる。
また、本実施例2の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、CPU5Bによる、駆動速度の調整対象となるレンズ群(1−2群1A、3群1B)の切替えは、1−2群1Aに対して3群1Bが、第三の所定位置P2を越えて1−2群1Aから乖離したとき、1−2群1Aと3群1Bとが更に乖離しないように、3群1Bの駆動速度を調整し、1−2群1Aに対して3群1Bが、第三の所定位置P2よりも1−2群1Aから遠い第四の所定位置L2を越えて1−2群1Aから乖離したとき、1−2群1Aと3群1Bとが更に乖離しないように、1−2群1Aの駆動速度を調整する切替えである。
これにより、1−2群1Aに対して3群1Bが、第三の所定位置P2を越えて1−2群1Aから乖離したとき(第一段階の乖離)は、3群1Bの駆動速度を調整することにより、1−2群1Aと3群1Bとが更に乖離するのを防止することができ、1−2群1Aに対して3群1Bが、第三の所定位置P2よりも1−2群1Aに近い第四の所定位置L2を越えて1−2群1Aから乖離したとき(第二段階の乖離)は、駆動速度の調整を1−2群1Aに切り替えて、1−2群1Aの駆動速度を調整することにより、1−2群1Aおよび3群1Bの駆動速度が調整された(第一段階の乖離では3群1Bの駆動速度が調整され、第二段階の乖離では3群1Bの駆動速度は調整後の速度のままで、1−2群1Aの駆動速度が調整される。)ことになり、乖離の度合いが高くなるに応じて、乖離を緩和させる度合いを高くすることができる。
また、本実施例2の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、3群用モータ4Bは、入力されるパルスレートに応じて駆動速度が変化するものであるため、3群用モータ4Bに入力する駆動パルスレートを変化させるだけの簡単な操作で、3群1Bの駆動速度を調整することができる。
なお、パルスレートに応じて駆動速度を変化させる3群用モータ4Bとしてのパルスモータは、パルスを与えることで駆動しているので、駆動対象である3群1Bを任意の位置に停止させることが容易であるが、トルク変動に対しては強くないため、トルク変動が少ない場合の制御に好適である。
また、本実施例2の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、1−2群用モータ4Aは、デューティ比に応じて駆動速度が変化するものであるため、1−2群用モータ4Aに入力する駆動通電時間の比を変化させるだけの簡単な操作で、1−2群用1Aの駆動速度を調整することができる。
なお、入力する駆動通電時間の比を変化させる1−2群用モータ4Aとしての直流モータは、供給電力が同じであれば、パルスモータよりも高速回転にすることができ、また、負荷の変化に応じて駆動電流が変化するという特性があるため、負荷の増大で駆動電流が増大し、結果として駆動トルクが増えるため、負荷変動に強く、滑らかな動作を得ることができる。
したがって、ズーム位置に応じてカムの傾斜が変化(負荷トルクが変化)するような例えばカム筒の駆動に好適である。
また、本実施例2の撮影レンズ駆動制御装置100によれば、1−2群用1Aを駆動対象とする1−2群用モータ4Aが直流モータであり、3群1Bを駆動対象とする3群用モータ4Bがパルスモータであるため、1−2群1Aの移動に合わせて、3群1Bを正確に駆動させることができる。