JP2007316280A - ズームレンズ及びそれを用いた撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広角側、望遠側でのフォーカス感度、焦点深度の変化を考慮し、合焦動作の速い小型のズームレンズ。
【解決手段】物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2、正又は負屈折力の第3レンズ群G3からなり、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が狭くなり、少なくとも第2レンズ群G2、第3レンズ群G3がお互いの間隔を変化させながら物体側にのみ移動し、第3レンズ群G3を光軸方向に移動させてフォーカシングを行い、広角端と望遠端でのFナンバーの変化に対応させて、フォーカス群の第3レンズ群G3の焦点距離や位置を定める条件式(1)を満足するズームレンズ。0.8<{dw・(2f3−dw)}/{dT*(2f3−dT)}・FT/FW<1.1・・・(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、ズームレンズ及びそれを用いた撮像装置に関し、特に、小型のズームレンズとそれを用いた撮像装置に関するものである。
従来より、普及タイプのデジタルカメラに用いるズームレンズとして、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正又は負屈折力の第3レンズからなる3群ズームレンズが知られている。
このタイプのズームレンズは、広角端での画角が確保しやすく、また、射出瞳を撮像素子から離しやすく、デジタルカメラをコンパクトに構成することができる。そして、フォーカシング方式として、第3レンズ群を移動させる方式を採用することで小型化を行っているものが多い。
コンパクトデジタルカメラでは、合焦動作にて、フォーカスのために移動するレンズ群の移動による撮像素子上の像面の結像状態の変化の度合いから、MTFが高くなる結像状態(いわゆるピントの山)を算出している。
一方、第3レンズ群の移動によりフォーカシング動作を行う場合、広角端側と望遠端側とでは第3レンズ群の配置される位置によって、第3レンズ群の移動量に対する像位置の変化量(フォーカス感度)が変化する(フォーカス感度が高い程合焦動作は速い。)。
また、広角端側と望遠端側とではFナンバーが異なるため、焦点深度の違いも生じる(焦点深度が浅い程合焦動作は速い。)。
一般に、コンパクトなズームレンズでは、望遠側程Fナンバーが大きくなり、焦点深度が深くなり、合焦動作にかかる速度が低下する。
本発明は従来技術のこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、広角側、望遠側でのフォーカス感度、焦点深度の変化を考慮し、合焦動作の速い小型のズームレンズを提供することである。
上記目的を達成する本発明のズームレンズは、物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群、正の屈折力を持つ第2レンズ群、正又は負の屈折力を持つ第3レンズ群からなるズームレンズであって、
広角端から望遠端への変倍時に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が狭くなり、少なくとも前記第2レンズ群、前記第3レンズ群がお互いの間隔を変化させながら物体側にのみ移動し、前記第3レンズ群を光軸方向に移動させてフォーカシングを行い、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
0.8<{dW ・(2f3 −dW )}/{dT ・(2f3 −dT )}・FT /FW
<1.1 ・・・(1)
ただし、dW は、広角端かつ最遠距離物への合焦状態における第3レンズ群の像側面から像面までの光軸上距離、
T は、望遠端かつ最遠距離物への合焦状態における第3レンズ群の像側面から像面までの光軸上距離、
W は、広角端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズのフォーカシング動作時のFナンバー、
T は、望遠端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズのフォーカシング動作時のFナンバー、
3 は、第3レンズ群の焦点距離、
である。
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用を説明する。
本発明の上記ズームレンズの構成は、物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群、正の屈折力を持つ第2レンズ群、正又は負の屈折力を持つ第3レンズ群からなるズームレンズであって、広角端から望遠端への変倍時に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が狭くなり、少なくとも第2レンズ群、第3レンズ群がお互いの間隔を変化させながら物体側にのみ移動し、第3レンズ群を光軸方向に移動させてフォーカシングを行うものである。
このような構成をとることで、広い画角を確保しやすいパワー配置のレンズ群配置となる。
そして、上述の変倍時の移動方式により、第2レンズ群に主たる変倍機能を持たせることができる。
そして、第3レンズ群が広角端から望遠端への変倍時に物体側にのみ動くことにより、変倍時に動かなかったり、像側に動く場合に比べて、第3レンズ群の光線高を低く抑えられるため、第3レンズ群の径方向のサイズを小さくできる。そして、望遠側程フォーカス感度が高くなるので、レンズのパワーを緩められるため、レンズの肉厚を薄くすることにも有利となり、鏡枠の沈胴時の薄型に貢献する。
上述のように、第3レンズ群を広角端から望遠端への変倍において物体側にのみ移動させると、望遠側にてフォーカス感度が高くなる。そして、広角側、望遠側でのフォーカス感度、焦点深度の変化を考慮し、合焦動作の速い小型のズームレンズを達成するため、以下の条件式を満足するように、第3レンズ群の位置、焦点距離、フォーカシング動作時のFナンバーを設定している。
0.8<{dW ・(2f3 −dW )}/{dT ・(2f3 −dT )}・FT /FW
<1.1 ・・・(1)
ただし、dW は、広角端かつ最遠距離物への合焦状態における第3レンズ群の像側面から像面までの光軸上距離、
T は、望遠端かつ最遠距離物への合焦状態における第3レンズ群の像側面から像面までの光軸上距離、
W は、広角端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズのフォーカシング動作時のFナンバー、
T は、望遠端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズのフォーカシング動作時のFナンバー、
3 は、第3レンズ群の焦点距離、
である。
上記条件式における「{dW ・(2f3 −dW )}/{dT ・(2f3 −dT )}」の部分は、フォーカス群である第3レンズ群の望遠端でのフォーカス感度に対する広角端でのフォーカス感度に略一致する。そして、「FT /FW 」は、広角端でのフォーカシング動作時のFナンバーに対する望遠端でのフォーカシング動作時のFナンバーの比である。つまり、この条件式は、広角端と望遠端でのFナンバーの変化に対応させて、フォーカス群の第3レンズ群の焦点距離や位置を定めることを意味する。若しくは、フォーカシング動作時のFナンバーを調整することを意味する。このことにより、広角端での第3レンズ群の移動によるMTFの変化の度合いと、望遠端でのそれとの差を少なくすることが可能となる。
このように設定することで、第3レンズ群の単位量移動したときのMTF変化量を測定する測定数を広角側と望遠側とで近づけられ、広角側と望遠側の何れか一方で測定数が大きくなりすぎることによるフォーカス速度の低下を抑えられる。
条件式(1)の下限の0.8を下回ると、広角側にて、第3レンズ群の移動量に対するMTFの変化が小さくなり、ピントの山の認識のためには第3レンズの移動量を大きくしてMTFの変化が明確となるところまで動かさなければならず、フォーカシングの速度が低下する。
条件式(1)の上限の1.1を上回ると、望遠側にて、第3レンズ群の移動量に対するMTFの変化が小さくなり、ピントの山の認識のためには第3レンズの移動量を大きくしてMTFの変化が明確となるところまで動かさなければならず、フォーカシングの速度が低下する。
また、上述の条件式(1)の下限値又は上限値をより限定することがフォーカシング動作を速くする上でより好ましい。
例えば、条件式(1)を次の条件式(1−1)とすることがより好ましい。
0.82
<{dW ・(2f3 −dW )}/{dT ・(2f3 −dT )}・FT /FW
<1.0 ・・・(1−1)
この条件式(1−1)の下限の0.82を下回らないようにすることで、広角側でのフォーカス動作が速くなる。
上限の1.0を上回らないようにして、望遠側のフォーカシング動作時の明るさを確保することで第3レンズの移動量を抑えやすくなり小型化の点で好ましい。
また、フォーカシング精度は、光量が多い程良好となる。そのため、前述のフォーカシング動作は、絞り開放状態で行うことがより好ましい。
また、ズームレンズは明るさ絞りを有し、明るさ絞りの開口と光軸との交点が第2レンズ群の最も物体側の面の面頂と最も像側の面の面頂との間に位置し、第2レンズ群が以下の条件を満足することが好ましい。
0.15<Σd2G/fT <0.3 ・・・(2)
ただし、Σd2Gは、第2レンズ群の最も物体側の面の面頂と最も像側の面の面調との間の距離、
T は、望遠端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズ全系の焦点距離、
である。
このように構成することで、明るさ絞りを含む第2レンズ群の薄型化に有利となる。
条件式(2)の下限の0.15を下回らないようにして、製造誤差による像面湾曲の変動を抑えることが好ましい。また、上限の0.3を上回らないようにして、第2レンズ群の厚さを抑え、沈胴時の全長短縮を行うことが好ましい。
また、第3レンズ群は1枚のレンズからなり、そのレンズが以下の条件を満足するようにすることが好ましい。
Nd<1.6 ・・・(3)
0.03<Σd3G/fT <0.1 ・・・(4)
ただし、Ndは、第3レンズ群の1枚のレンズのd線に対する屈折率、
Σd3Gは、第3レンズ群の最も物体側の面の面頂と最も像側の面の面頂との間の距離、
T は、望遠端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズ全系の焦点距離、
である。
このようにしてフォーカスのための移動群の軽量化を行うことが、フォーカス時の駆動負担を軽減できフォーカシング速度の確保に好ましい。
条件式(3)の上限の1.6を上回らないようにすることで、材質を軽量化でき好ましい。
条件式(4)の下限の0.03を下回らないようにして、レンズの強度を確保することが好ましい。また、その上限の0.1を上回らないようにして、第3レンズ群の軽量化を行うことが好ましい。
条件式(3)をさらに限定し、以下の条件を満足することがより好ましい。
Nd<1.56 ・・・(3−1)
また、第3レンズ群が正の屈折力を持つ場合、射出瞳を像面から遠くする機能を第3レンズ群の持たせることができ、シェーディングの影響を抑えやすく設計できる。
また、第3レンズ群の物体側へのみの移動により、ズーミング時の射出瞳位置の変化を低減できる。
また、第3レンズ群が負の屈折力を持つ場合、像面に対してズームレンズを小さく構成できるので、径方向の小型化に有利となる。
また、本発明のズームレンズは、全レンズ枚数が7枚以下として、沈胴時にコンパクトでありながら、変倍比2.5を確保したズームレンズとすることが好ましい。
変倍比が大きい程フォーカス感度、Fナンバーの差が大きくなりやすく、本発明の観点にてフォーカス感度、Fナンバーをバランスさせることがフォーカシング速度の低下を抑える上で好ましい。
また、本発明に基づいて、以上のズームレンズと、その像側に配置され、ズームレンズにより形成された像を電気信号に変換する撮像素子と有する撮像装置として構成することができる。
以上の本発明によると、広角側、望遠側でのフォーカス感度、焦点深度の変化を考慮し、合焦動作の速い小型のズームレンズとそれを用いた撮像装置を得ることができる。
以下、本発明のズームレンズの実施例1〜5について説明する。実施例1〜5の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)のレンズ断面図をそれぞれ図1〜図5に示す。図中、第1レンズ群はG1、開口絞りはS、第2レンズ群はG2、第3レンズ群はG3、電子撮像素子(CCDやCMOS)のカバーガラスの平行平板はC、像面(電子撮像素子の受光面)はIで示してある。カバーガラスCの表面に波長域制限用の多層膜が施される。なお、IRカットコートを施したローパスフィルターをカバーガラスCの入射側に配置してもよく、あるいは、カバーガラスCにローパスフィルター作用を持たせるようにしてもよい。
実施例1のズームレンズは、図1に示すように、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3から構成されており、開口絞りSは第2レンズ群G2の最も物体側の面の面頂より像側に位置するように配置されている。広角端から望遠端への変倍をする際には、第1レンズ群G1は像側に凸の軌跡を描いて移動し、望遠端では広角端の位置より像側に位置する。開口絞りSと第2レンズ群G2は一体に第1レンズ群G1との間隔を縮めながら物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を広角端から中間状態までは略一定で、中間状態から望遠端にかけて若干広げながら物体側に移動する。フォーカシングは、何れの変倍状態においても第3レンズ群G3を光軸方向に移動させて行う。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなり、第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの3枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ1枚からなる。開口絞りSは第2レンズ群G2の3枚接合レンズの最も物体側の面の面頂より像側に位置する。
非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの像側の面、第2レンズ群G2の3枚接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面、第3レンズ群G3の正メニスカスレンズの物体側の面の4面に用いている。
実施例2のズームレンズは、図2に示すように、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2、負屈折力の第3レンズ群G3から構成されており、開口絞りSは第2レンズ群G2の最も物体側の面の面頂より像側に位置するように配置されている。広角端から望遠端への変倍をする際には、第1レンズ群G1は像側に移動し、開口絞りSと第2レンズ群G2は一体に第1レンズ群G1との間隔を縮めながら物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を広げながら物体側に移動する。フォーカシングは、何れの変倍状態においても第3レンズ群G3を光軸方向に移動させて行う。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなり、第2レンズ群G2は、両凸正レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズと像側に凸面を向けた正メニスカスレンズの3枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、両凹負レンズ1枚からなる。開口絞りSは第2レンズ群G2の3枚接合レンズの最も物体側の面の面頂より像側に位置する。
非球面は、第1レンズ群G1の正メニスカスレンズの両面、第2レンズ群G2の3枚接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面、第3レンズ群G3の両凹負レンズの両面の6面に用いている。
実施例3のズームレンズは、図3に示すように、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3から構成されており、開口絞りSは第2レンズ群G2の最も物体側の面の面頂より像側に位置するように配置されている。広角端から望遠端への変倍をする際には、第1レンズ群G1は像側に凸の軌跡を描いて移動し、望遠端では広角端の位置より像側に位置する。開口絞りSと第2レンズ群G2は一体に第1レンズ群G1との間隔を縮めながら物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を広げながら物体側に移動する。フォーカシングは、何れの変倍状態においても第3レンズ群G3を光軸方向に移動させて行う。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなり、第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの3枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ1枚からなる。開口絞りSは第2レンズ群G2の3枚接合レンズの最も物体側の面の面頂より像側に位置する。
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの像側の面、第2レンズ群G2の3枚接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面、第3レンズ群G3の正メニスカスレンズの物体側の面の4面に用いている。
実施例4のズームレンズは、図4に示すように、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3から構成されており、開口絞りSは第2レンズ群G2の最も物体側の面の面頂と同じ位置に配置されている。広角端から望遠端への変倍をする際には、第1レンズ群G1は像側に凸の軌跡を描いて移動し、望遠端では広角端の位置より像側に位置する。開口絞りSと第2レンズ群G2は一体に第1レンズ群G1との間隔を縮めながら物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を広げながら物体側に移動する。フォーカシングは、何れの変倍状態においても第3レンズ群G3を光軸方向に移動させて行う。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、両凹負レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなり、第2レンズ群G2は、両凸正レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズの接合レンズとからなり、第3レンズ群G3は、両凸正レンズ1枚からなる。開口絞りSは第2レンズ群G2の両凸正レンズの物体側の面の面頂と同じ位置に位置する。
非球面は、第1レンズ群G1の両凹負レンズの像側の面、第2レンズ群G2の両凸正レンズの両面の3面に用いている。
実施例5のズームレンズは、図5に示すように、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2、正屈折力の第3レンズ群G3から構成されており、開口絞りSは第2レンズ群G2の最も物体側の面の面頂より像側に位置するように配置されている。広角端から望遠端への変倍をする際には、第1レンズ群G1は像側に凸の軌跡を描いて移動し、望遠端では広角端の位置より像側に位置する。開口絞りSと第2レンズ群G2は一体に第1レンズ群G1との間隔を縮めながら物体側に単調に移動する。第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を広角端から中間状態までは若干広げながら、中間状態から望遠端にかけて若干縮めながら物体側に移動する。フォーカシングは、何れの変倍状態においても第3レンズ群G3を光軸方向に移動させて行う。
物体側から順に、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなり、第2レンズ群G2は、両凸正レンズと両凹負レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズの3枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、両凸正レンズ1枚からなる。開口絞りSは第2レンズ群G2の3枚接合レンズの最も物体側の面の面頂より像側に位置する。
非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの像側の面、第2レンズ群G2の3枚接合レンズの最も物体側の面と最も像側の面、第3レンズ群G3の両凸正レンズの両面の5面に用いている。
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 1/2
+A4 4 +A6 6 +A8 8 +A1010+A1212
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4 、A6 、A8 、A10、A12はそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。

実施例1
1 = 24.920 d1 = 0.50 nd1 =1.80495 νd1 =40.90
2 = 4.370 (非球面) d2 = 1.57
3 = 6.670 d3 = 1.62 nd2 =2.00069 νd2 =25.46
4 = 10.330 d4 = (可変)
5 = ∞(絞り) d5 = -0.35
6 = 4.620 (非球面) d6 = 2.21 nd3 =1.80610 νd3 =40.73
7 = 50.000 d7 = 0.54 nd4 =1.84666 νd4 =23.78
8 = 4.600 d8 = 1.69 nd5 =1.51553 νd5 =64.00
9 = 11.680 (非球面) d9 = (可変)
10= 11.340 (非球面) d10= 1.00 nd6 =1.53113 νd6 =55.80
11= 74.730 d11= (可変)
12= ∞ d12= 0.50 nd7 =1.51633 νd7 =64.14
13= ∞ d13= 0.40
14= ∞(像面)
非球面係数
第2面
K = -1.149
4 = 1.24435×10-3
6 = -1.98574×10-5
8 = 3.59908×10-6
10= -1.88547×10-7
12= 4.15600×10-9
第6面
K = -0.865
4 = 1.08744×10-3
6 = 4.80167×10-6
8 = 4.78886×10-6
10= -2.71710×10-7
第9面
K = -0.991
4 = 4.35654×10-3
6 = 1.14301×10-4
8 = 1.01025×10-4
10= -5.58436×10-6
第10面
K = 0.000
4 = -2.55757×10-4
6 = 1.69488×10-5
8 = 0
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 6.57 12.42 18.98
NO 3.45 4.54 5.78
2ω(°) 63.40 34.87 22.98
4 12.00 3.86 0.75
9 3.43 3.42 3.98
11 6.14 10.68 15.63 。

実施例2
1 = 51.789 d1 = 0.70 nd1 =1.88300 νd1 =40.76
2 = 5.837 d2 = 1.71
3 = 13.554 (非球面) d3 = 1.47 nd2 =1.82114 νd2 =24.06
4 = 75.183 (非球面) d4 = (可変)
5 = ∞(絞り) d5 = -0.72
6 = 3.826 (非球面) d6 = 3.00 nd3 =1.49700 νd3 =81.54
7 = -19.669 d7 = 0.50 nd4 =1.92286 νd4 =18.90
8 = -133.221 d8 = 1.09 nd5 =1.69350 νd5 =53.21
9 = -23.946 (非球面) d9 = (可変)
10= -68.471 (非球面) d10= 0.80 nd6 =1.52542 νd6 =55.78
11= 7.284 (非球面) d11= (可変)
12= ∞ d12= 0.50 nd7 =1.51633 νd7 =64.14
13= ∞ d13= 0.40
14= ∞(像面)
非球面係数
第3面
K = 0.000
4 = -2.90406×10-4
6 = -2.19067×10-5
8 = 1.93834×10-6
10= -3.55926×10-8
第4面
K = 0.000
4 = -6.25636×10-4
6 = -1.55735×10-5
8 = 1.40541×10-6
10= -3.74784×10-8
第6面
K = 0.000
4 = -3.84634×10-4
6 = -1.86499×10-5
8 = 9.97230×10-6
10= -5.98509×10-7
第9面
K = 0.000
4 = 3.29823×10-3
6 = 2.17032×10-4
8 = -1.07505×10-5
10= 8.77866×10-6
第10面
K = 0.000
4 = 9.19324×10-4
6 = -7.15668×10-4
8 = 2.38646×10-4
10= -2.14848×10-5
第11面
K = 0.000
4 = 1.04459×10-3
6 = -5.99256×10-4
8 = 2.45269×10-4
10= -2.50329×10-5
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 6.80 11.62 19.67
NO 3.43 4.34 5.81
2ω(°) 60.79 35.88 21.41
4 14.53 6.17 1.12
9 1.97 2.41 3.21
11 6.66 8.94 12.25 。

実施例3
1 = -55.947 d1 = 0.90 nd1 =1.80610 νd1 =40.92
2 = 6.646 (非球面) d2 = 1.62
3 = 11.161 d3 = 1.82 nd2 =2.00069 νd2 =25.46
4 = 30.512 d4 = (可変)
5 = ∞(絞り) d5 = -0.67
6 = 5.808 (非球面) d6 = 3.51 nd3 =1.74320 νd3 =49.34
7 = 16.319 d7 = 0.60 nd4 =1.84666 νd4 =23.78
8 = 5.200 d8 = 1.36 nd5 =1.58313 νd5 =59.38
9 = 26.430 (非球面) d9 = (可変)
10= 24.745 (非球面) d10= 1.24 nd6 =1.52542 νd6 =55.78
11= 7929.558 d11= (可変)
12= ∞ d12= 0.50 nd7 =1.51633 νd7 =64.14
13= ∞ d13= 0.40
14= ∞(像面)
非球面係数
第2面
K = -3.702
4 = 1.29210×10-3
6 = -2.94031×10-5
8 = 6.63852×10-7
10= -7.48401×10-9
第6面
K = -2.011
4 = 1.29270×10-3
6 = -8.81428×10-6
8 = 1.57107×10-6
10= -3.88466×10-8
第9面
K = 0.000
4 = 1.94125×10-3
6 = 3.03189×10-5
8 = 1.16357×10-5
10= 1.55401×10-7
第10面
K = 0.000
4 = -1.01517×10-4
6 = 5.70765×10-6
8 = 0
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 7.51 14.60 21.63
NO 2.88 3.86 4.84
2ω(°) 70.11 35.27 23.83
4 15.42 4.74 1.07
9 4.10 4.19 4.41
11 7.14 12.47 17.74 。

実施例4
1 = -124.287 d1 = 0.90 nd1 =1.80610 νd1 =40.92
2 = 6.538 (非球面) d2 = 1.60
3 = 10.605 d3 = 2.00 nd2 =2.00069 νd2 =25.46
4 = 25.227 d4 = (可変)
5 = ∞(絞り) d5 = 0.00
6 = 6.394 (非球面) d6 = 2.00 nd3 =1.58913 νd3 =61.25
7 = -30.898 (非球面) d7 = 0.10
8 = 6.209 d8 = 1.50 nd4 =1.56883 νd4 =56.36
9 = 6.845 d9 = 0.50 nd5 =1.92286 νd5 =20.88
10= 4.023 d10= (可変)
11= 17.797 d11= 1.70 nd6 =1.48749 νd6 =70.23
12= -45.659 d12= (可変)
13= ∞ d13= 0.86 nd7 =1.51633 νd7 =64.14
14= ∞ d14= 0.40
15= ∞(像面)
非球面係数
第2面
K = -0.041
4 = -2.22413×10-4
6 = -4.77806×10-6
8 = 4.40948×10-8
10= -5.22140×10-9
第6面
K = -0.467
4 = -2.12378×10-4
6 = -2.05472×10-6
8 = -4.07230×10-8
10= 0
第7面
K = -10.674
4 = 2.56263×10-5
6 = -1.58388×10-6
8 = 6.68314×10-8
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 7.06 11.91 20.32
NO 2.85 3.50 4.57
2ω(°) 73.57 43.23 25.45
4 16.27 6.63 0.50
10 4.19 5.17 5.76
12 6.31 9.31 15.47 。

実施例5
1 = 157.020 d1 = 1.00 nd1 =1.80610 νd1 =40.92
2 = 4.547 (非球面) d2 = 1.05
3 = 6.272 d3 = 2.20 nd2 =1.80810 νd2 =22.76
4 = 13.255 d4 = (可変)
5 = ∞(絞り) d5 = -0.45
6 = 3.721 (非球面) d6 = 1.40 nd3 =1.74320 νd3 =49.34
7 = -7358.609 d7 = 0.50 nd4 =1.68893 νd4 =31.07
8 = 3.002 d8 = 1.19 nd5 =1.51633 νd5 =64.14
9 = 6.657 (非球面) d9 = (可変)
10= 11.922 (非球面) d10= 1.10 nd6 =1.52511 νd6 =56.23
11= 30423.657 (非球面) d11= (可変)
12= ∞ d12= 0.50 nd7 =1.51633 νd7 =64.14
13= ∞ d13= 0.40
14= ∞(像面)
非球面係数
第2面
K = -0.273
4 = -4.57253×10-5
6 = -8.76429×10-6
8 = 2.14403×10-8
10= -2.20356×10-8
第6面
K = -0.978
4 = 2.62235×10-3
6 = 5.71552×10-5
8 = 1.38662×10-5
10= -7.25720×10-8
第9面
K = 0.000
4 = 7.42985×10-3
6 = 6.75400×10-4
8 = 1.92625×10-4
10= 1.93182×10-5
第10面
K = 0.000
4 = 5.04258×10-4
6 = 2.09830×10-4
8 = 1.45376×10-5
10= 2.75747×10-6
第11面
K = 0.000
4 = 4.21538×10-4
6 = 1.53746×10-4
8 = 4.60241×10-6
10= 4.35430×10-6
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 5.96 9.94 17.14
NO 3.41 4.28 5.79
2ω(°) 72.99 43.56 25.24
4 10.66 4.78 0.95
9 2.66 3.12 3.06
11 6.26 9.13 14.87 。

以上の実施例1〜5の無限遠物点合焦時の収差図をそれぞれ図6〜図10に示す。これらの収差図において、(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端における球面収差(SA)、非点収差(AS)、歪曲収差(DT)、倍率色収差(CC)を示す。各図中、“ω”は半画角(°)を示す。
次に、上記各実施例における条件式(1)〜(4)の値を下記に示す。
条件式 (1) (2) (3) (4)
実施例1 0.914426 0.233943 1.53113 0.052687
実施例2 0.830628 0.233785 1.52542 0.040671
実施例3 0.826257 0.253123 1.52542 0.057328
実施例4 0.909395 0.201753 1.48749 0.083661
実施例5 0.996691 0.18026 1.5273 0.064177
ところで、本発明のズームレンズを用いたときに、像の歪曲は電気的にデジタル補正する。以下に、像の歪曲をデジタル補正するための基本的概念について説明する。
例えば、図11に示すように、光軸と撮像面との交点を中心として有効撮像面の短辺に内接する半径Rの円周上(像高)での倍率を固定し、この円周を補正の基準とする。そして、それ以外の任意の半径r(ω)の円周上(像高)の各点を略放射方向に移動させて、半径r' (ω)となるように同心円状に移動させることで補正する。例えば、図11において、半径Rの円の内側に位置する任意の半径r1 (ω)の円周上の点P1 は、円の中心に向けて補正すべき半径r1'(ω)円周上の点P2 に移動させる。また、半径Rの円の外側に位置する任意の半径r2 (ω)の円周上の点Q1 は、円の中心から離れる方向に向けて補正すべき半径r2'(ω)円周上の点Q2 に移動させる。ここで、r' (ω)は次のように表わすことができる。
r' (ω)=αftanω (0≦α≦1)
ただし、ωは被写体半画角、fは結像光学系(本発明では、ズームレンズ)の焦点距離である。
ここで、前記半径Rの円上(像高)に対応する理想像高をYとすると、
α=R/Y=R/ftanω
となる。
光学系は、理想的には、光軸に対して回転対称であり、すなわち歪曲収差も光軸に対して回転対称に発生する。したがって、上述のように、光学的に発生した歪曲収差を電気的に補正する場合には、再現画像上で光軸と撮像面との交点を中心とした有効撮像面の長辺に内接する半径Rの円の円周上(像高)の倍率を固定して、それ以外の半径r(ω)の円周上(像高)の各点を略放射方向に移動させて、半径r' (ω)となるように同心円状に移動させることで補正することができれば、データ量や演算量の点で有利と考えられる。
ところが、光学像は、電子撮像素子で撮像された時点で(サンプリングのため)連続量ではなくなる。したがって、厳密には光学像上に描かれる上記半径Rの円も、電子撮像素子上の画素が放射状に配列されていない限り正確な円ではなくなる。つまり、離散的座標点毎に表わされる画像データの形状補正においては、上記倍率を固定できる円は存在しない。そこで、各画素(Xi ,Yj )毎に、移動先の座標(Xi ' ,Yj ' )を決める方法を用いるのがよい。なお、座標(Xi ' ,Yj ' )に(Xi ,Yj )の2点以上が移動してきた場合には、各画素が有する値の平均値をとる。また、移動してくる点がない場合には、周囲のいくつかの画素の座標(Xi ' ,Yj ' )の値を用いて補間すればよい。
このような方法は、特にズームレンズが有する電子撮像装置において光学系や電子撮像素子の製造誤差等のために光軸に対して歪みが著しく、前記光学像上に描かれる上記半径Rの円が非対称になった場合の補正に有効である。また、撮像素子あるいは各種出力装置において信号を画像に再現する際に幾何学的歪み等が発生する場合等の補正に有効である。
本発明の電子撮像装置では、補正量r' (ω)−r(ω)を計算するために、r(ω)すなわち半画角と像高との関係、あるいは、実像高rと理想像高r' /αとの関係が、電子撮像装置に内蔵された記録媒体に記録されている構成としてもよい。
なお、歪曲補正後の画像が短辺方向の両端において光量が極端に不足することのないようにするには、前記半径Rが、次の条件式を満足するのがよい。
0≦R≦0.6Ls
ただし、Ls は有効撮像面の短辺の長さである。
好ましくは、前記半径Rは、次の条件式を満足するのがよい。
0.3Ls ≦R≦0.6Ls
さらには、前記半径Rは、略有効撮像面の短辺方向の内接円の半径に一致させるのが最も有利である。なお、半径R=0の近傍、すなわち、軸上近傍において倍率を固定した補正の場合は、実質画像数の面で若干の不利があるが、広角化しても小型化にするための効果は確保できる。
なお、補正が必要な焦点距離区間については、いくつかの焦点ゾーンに分割する。そして、該分割された焦点ゾーン内の望遠端近傍で略
r' (ω)=αftanω
を満足する補正結果が得られる場合と同じ補正量で補正してもよい。ただし、その場合、分割された焦点ゾーン内の広角端において樽型歪曲量がある程度残存してしまう。また、分割ゾーン数を増加させてしまうと、補正のために必要な固有データを記録媒体に余計に保有する必要が生じあまり好ましくない。そこで、分割された焦点ゾーン内の各焦点距離に関連した1つ又は数個の係数を予め算出しておく。この係数は、シミュレーションや実機による測定に基づいて決定しておけばよい。そして、前記分割されたゾーン内の望遠鏡近傍で略
r' (ω)=αftanω
を満足する補正結果が得られる場合の補正量を算出し、この補正量に対して焦点距離毎に前記係数を一律に掛けて最終的な補正量にしてもよい。
ところで、無限遠物体を結像させて得られた像に歪曲がない場合は、
f=y/tanω
が成立する。ただし、yは像点の光軸からの高さ(像高)、fは結像系(本発明ではズームレンズ)の焦点距離、ωは撮像面上の中心からyの位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度(被写体半画角)である。
結像系に樽型の歪曲収差がある場合は、
f>y/tanω
となる。つまり、結像系の焦点距離fと、像高yとを一定とすると、ωの値は大きくなる。
図12〜図14は、以上のようなズームレンズを撮影光学系41に組み込んだ本発明によるデジタルカメラの構成の概念図を示す。図12はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図13は同後方正面図、図14はデジタルカメラ40の構成を示す模式的な断面図である。ただし、図12と図14においては、撮影光学系41の非沈胴時を示している。デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42上に位置する撮影光学系41、ファインダー用光路44上に位置するファインダー光学系43、シャッターボタン45、フラッシュ46、液晶表示モニター47、焦点距離変更ボタン61、設定変更スイッチ62等を含み、撮影光学系41の沈胴時には、カバー60をスライドすることにより、撮影光学系41とファインダー光学系43とフラッシュ46はそのカバー60で覆われる。そして、カバー60を開いてカメラ40を撮影状態に設定すると、撮影光学系41は図14の非沈胴状態になり、カメラ40の上部に配置されたシャッターボタン45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1のズームレンズを通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像が、波長域制限コートを施したカバーガラスCを介してCCD49の撮像面(光電変換面)上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フロッピーディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用対物光学系53が配置してある。ファインダー用対物光学系53は、複数のレンズ群(図の場合は3群)と正立プリズム55a、55b、55cからなる正立プリズム系55とから構成され、撮影光学系41のズームレンズに連動して焦点距離が変化するズーム光学系からなり、このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材である正立プリズム系55の視野枠57上に形成される。この正立プリズム系55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、接眼光学系59の射出側にカバー部材50が配置されている。
図15は、上記デジタルカメラ40の主要部の内部回路の構成ブロック図である。なお、以下の説明では、上記の処理手段51は例えばCDS/ADC部24、一時記憶メモリ17、画像処理部18等からなり、記憶手段52は例えば記憶媒体部19等からなる。
図15に示すように、デジタルカメラ40は、操作部12と、この操作部12に接続された制御部13と、この制御部13の制御信号出力ポートにバス14及び15を介して接続された撮像駆動回路16並びに一時記憶メモリ17、画像処理部18、記憶媒体部19、表示部20、及び設定情報記憶メモリ部21を備えている。
上記の一時記憶メモリ17、画像処理部18、記憶媒体部19、表示部20、及び設定情報記憶メモリ部21はバス22を介して相互にデータの入力又は出力が可能なように構成され、また、撮像駆動回路16には、CCD49とCDS/ADC部24が接続されている。
操作部12は各種の入力ボタンやスイッチを備え、これらの入力ボタンやスイッチを介して外部(カメラ使用者)から入力されるイベント情報を制御部に通知する回路である。制御部13は、例えばCPU等からなる中央演算処理装置であり、不図示のプログラムメモリを内蔵し、そのプログラムメモリに格納されているプログラムにしたがって、操作部12を介してカメラ使用者から入力される指示命令を受けてデジタルカメラ40全体を制御する回路である。
CCD49は、本発明による撮影光学系41を介して形成された物体像を受光する。CCD49は、撮像駆動回路16により駆動制御され、その物体像の各画素ごとの光量を電気信号に変換してCDS/ADC部24に出力する撮像素子である。
CDS/ADC部24は、CCD49から入力する電気信号を増幅しかつアナログ/デジタル変換を行って、この増幅とデジタル変換を行っただけの映像生データ(ベイヤーデータ、以下RAWデータという。)を一時記憶メモリ17に出力する回路である。
一時記憶メモリ17は、例えばSDRAM等からなるバッファであり、CDS/ADC部24から出力される上記RAWデータを一時的に記憶するメモリ装置である。画像処理部18は、一時記憶メモリ17に記憶されたRAWデータ又は記憶媒体部19に記憶されているRAWデータを読み出して、制御部13から指定された画質パラメータに基づいて歪曲収差補正を含む各種画像処理を電気的に行う回路である。
記録媒体部19は、例えばフラッシュメモリ等からなるカード型又はスティック型の記録媒体を着脱自在に装着して、それらカード型又はスティック型のフラッシュメモリに、一時記憶メモリ17から転送されるRAWデータや画像処理部18で画像処理された画像データを記録して保持する装置の制御回路である。
表示部20は、液晶表示モニター47を備え、その液晶表示モニター47に画像や操作メニュー等を表示する回路である。設定情報記憶メモリ部21には、予め各種の画質パラメータが格納されているROM部と、そのROM部から読み出された画質パラメータの中から操作部12の入力操作によって選択された画質パラメータを記憶するRAM部が備えられている。設定情報記憶メモリ部21は、それらのメモリへの入出力を制御する回路である。
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41が、本発明により、十分な広角域を有し、コンパクトな構成としながら、高変倍で全変倍域で結像性能が極めて安定的であるので、高性能・小型化・広角化が実現できる。そして、広角側、望遠側での速い合焦動作が可能となる。
本発明は、以上のような一般的な被写体を撮影する所謂コンパクトデジタルカメラだけでなく、広い画角が必要な監視カメラや、レンズ交換式のカメラに適用してもよい。
本発明のズームレンズの実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。 本発明のズームレンズの実施例2の図1と同様の図である。 本発明のズームレンズの実施例3の図1と同様の図である。 本発明のズームレンズの実施例4の図1と同様の図である。 本発明のズームレンズの実施例5の図1と同様の図である。 実施例1の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例2の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例3の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例4の無限遠物点合焦時の収差図である。 実施例5の無限遠物点合焦時の収差図である。 像の歪曲をデジタル補正するための基本的概念を説明するための図である。 本発明によるデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。 図12のデジタルカメラの後方斜視図である。 図12のデジタルカメラの断面図である。 図12のデジタルカメラの主要部の内部回路の構成ブロック図である。
符号の説明
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
S…開口絞り
C…カバーガラス
I…像面
E…観察者眼球
12…操作部
13…制御部
14、15…バス
16…撮像駆動回路
17…一時記憶メモリ
18…画像処理部
19…記憶媒体部
20…表示部
21…設定情報記憶メモリ部
22…バス
24…CDS/ADC部
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッターボタン
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
53…ファインダー用対物光学系
55…正立プリズム系
55a、55b、55c…正立プリズム
57…視野枠
59…接眼光学系
60…カバー
61…焦点距離変更ボタン
62…設定変更スイッチ

Claims (10)

  1. 物体側より順に、負の屈折力を持つ第1レンズ群、正の屈折力を持つ第2レンズ群、正又は負の屈折力を持つ第3レンズ群からなるズームレンズであって、
    広角端から望遠端への変倍時に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が狭くなり、少なくとも前記第2レンズ群、前記第3レンズ群がお互いの間隔を変化させながら物体側にのみ移動し、前記第3レンズ群を光軸方向に移動させてフォーカシングを行い、以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
    0.8<{dW ・(2f3 −dW )}/{dT ・(2f3 −dT )}・FT /FW
    <1.1 ・・・(1)
    ただし、dW は、広角端かつ最遠距離物への合焦状態における第3レンズ群の像側面から像面までの光軸上距離、
    T は、望遠端かつ最遠距離物への合焦状態における第3レンズ群の像側面から像面までの光軸上距離、
    W は、広角端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズのフォーカシング動作時のFナンバー、
    T は、望遠端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズのフォーカシング動作時のFナンバー、
    3 は、第3レンズ群の焦点距離、
    である。
  2. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
    0.82
    <{dW ・(2f3 −dW )}/{dT ・(2f3 −dT )}・FT /FW
    <1.0 ・・・(1−1)
  3. 前記フォーカシングは、絞り開放状態で行うことを特徴とする請求項1又は2記載のズームレンズ。
  4. 明るさ絞りを有し、前記明るさ絞りの開口と光軸との交点が前記第2レンズ群の最も物体側の面の面頂と最も像側の面の面頂との間に位置し、前記第2レンズ群が以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のズームレンズ。
    0.15<Σd2G/fT <0.3 ・・・(2)
    ただし、Σd2Gは、第2レンズ群の最も物体側の面の面頂と最も像側の面の面頂との間の距離、
    T は、望遠端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズ全系の焦点距離、
    である。
  5. 前記第3レンズ群は1枚のレンズからなり、そのレンズが以下の条件を満足することを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のズームレンズ。
    Nd<1.6 ・・・(3)
    0.03<Σd3G/fT <0.1 ・・・(4)
    ただし、Ndは、第3レンズ群の1枚のレンズのd線に対する屈折率、
    Σd3Gは、第3レンズ群の最も物体側の面の面頂と最も像側の面の面頂との間の距離、
    T は、望遠端かつ最遠距離合焦状態でのズームレンズ全系の焦点距離、
    である。
  6. 前記第3レンズ群の1枚のレンズが、以下の条件を満足することを特徴とする請求項5記載のズームレンズ。
    Nd<1.56 ・・・(3−1)
  7. 前記第3レンズ群が、正の屈折力を持つレンズ群であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載のズームレンズ。
  8. 前記第3レンズ群が、負の屈折力をもつレンズ群であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載のズームレンズ。
  9. 全系に含まれるレンズの総数が7枚以下であり、広角端から望遠端への変倍比が2.5を超えることを特徴とする請求項1から8の何れか1項記載のズームレンズ。
  10. 請求項1から9の何れか1項記載のズームレンズと、その像側に配置され、ズームレンズにより形成された像を電気信号に変換する撮像素子と有することを特徴とする撮像装置。
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