JP2007315923A - センタホール型荷重変換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 起歪体2は、上部に荷重導入部3を、下部に荷重支持部4を、中間部に3本の起歪柱5を有する。各起歪柱5の内周面と外周面には、荷重印加方向に沿って、各3枚の第1のひずみゲージが添着され、各起歪柱5の側面部には、荷重印加方向に直交する方向に沿って、各2枚の第2のひずみゲージG7、G8が添着されている。これら、第1のひずみゲージと第2のひずみゲージとをもって、ブリッジ回路が形成される。荷重導入部3の上面および荷重支持部4の底面には、3つの凸面3aおよび4aが設けられている。荷重導入部3に偏荷重が印加されても、上記ブリッジ回路によって感度差をなくすと共に非直線性がキャンセルされ、非直線性が良好に改善される。
【選択図】 図1
Description
このうち、円筒状の起歪部を有するものは、図21に示すように、縦断面が略I字状に形成された円筒状の荷重印加部101を有し、この荷重印加部101の中央に円筒状の起歪部102が形成され、この起歪部102の外周面の略中央に圧縮ひずみ(または引っ張りひずみ。以下同じ)検出用のひずみゲージ103が接着されている。
このような、荷重変換器の外周部の上下部には、環状のフランジ部104、105が延設され、その先端にはシール板106が取付けられている。
このような構成よりなる荷重変換器は、使用に際して不動部材107上に荷重印加部101とは反対側の底面が載置固定され、荷重印加部101の上面側が図示省略の被測定対象物に当接または固定される。
被測定対象物から荷重印加部101の上面に荷重が印加されると、起歪部102の荷重印加方向には圧縮ひずみが、荷重印加方向とは直行する方向には引張ひずみが生じる。このときの圧縮ひずみおよび引張ひずみは、それぞれひずみゲージ103によって検出される。
このような非直線性の改善を目的としたロードセルおよびロードセル秤が、特許文献(特開平9−33366号公報)にて提案されている。
即ち、特許文献1には、上下に対向する1対のビームにより連結された固定支持部と可動支持部とを有し、且つ、前記ビームの上下に対称となる4箇所に薄肉切欠部により形成された起歪部を有する1対の第1の起歪体および第2の起歪体を備え、この第1の起歪体の可動支持部に前記第2の起歪体の固定支持部を水平面内で連結して略U字状としたロードセル構造体と、
前記第1の起歪体の固定支持部が本体ベースに固定され、前記第2の起歪体の可動支持部に秤量皿が連結された前記ロードセル構造体の上面または下面の何れか一方の一面の4箇所の起歪部に配置させたひずみゲージと、
これらのひずみゲージを電気的に接続して4箇所の各起歪部に配置させたひずみゲージのひずみ出力の総和を出力するブリッジ演算回路と、を備え、さらに前記ひずみゲージが、4箇所の起歪部毎に起歪体幅方向に1対ずつ配置され、ブリッジ演算回路が、第1の起歪体の2箇所の起歪部における2対のひずみゲージにより形成された第1のブリッジ回路と、第2の起歪体の2箇所の起歪部における2対のひずみゲージにより形成された第2のブリッジ回路とを有して、これらの第1のブリッジ回路の出力と第2のブリッジ回路の出力との加算値をひずみ出力の総和として出力するように構成したロードセル秤が提案されている。
即ち、特許文献2には、起歪体に設けられているひずみゲージで構成されたブリッジ回路と、このブリッジ回路の出力端から出力される上記起歪体に印加された荷重と対応する非直線性の荷重信号の出力範囲が複数の出力範囲に分割されており、これら複数の各出力範囲ごとに対応して設けられ、対応する上記出力範囲内の上記荷重信号が入力したときにこの非直線性の荷重信号を直線化補償して補償済み直線性荷重信号を出力する複数の補償演算回路と、を具備する直線化補償機能付きロードセルが記載されている。
また、上記U字状のロードセル構造であるため、加工が厄介であり、また被測定対象物への取付けが厄介であり、さらには二つの第1、第2の起歪体を連接するため、小型化が容易ではない、という難点がある。
一方、特許文献2に係るロードセルは、ロードセル自体の改良ではなく、複数の補償演算回路を用いるものであるため、回路構成が複雑化し、コストを引き上げる要因となる。
第2の目的とするところは、被測定対象物と荷重導入部との当接が良好で安定的に荷重を検出し得るセンタホール型荷重変換器を提供することにあり、
第3の目的とするところは、機械加工が比較的容易で小型化を実現し得るセンタホール型荷重変換器を提供することにあり、
第4の目的とするところは、非直線性の改善に最適なひずみゲージの添着位置を容易且つ確実に決定し得るセンタホール型荷重変換器を提供することにあり、
第5の目的とするところは、防湿対策が容易で、ひずみゲージの吸湿による劣化を適切に防止し得るセンタホール型荷重変換器を提供することにある。
前記荷重導入部に対し、一定の間隔を離して対向して設けられ、前記3つの凸面に対応した部位の座面側に3つの凸面を有する剛性大なる荷重支持部と、
前記荷重導入部および前記荷重支持部の前記3つの凸面に対応する角度部位において前記荷重導入部と前記荷重支持部とを一体的に連接する3本の起歪柱と、
前記3本の起歪柱の円周部に荷重印加方向に沿って添着された第1のひずみゲージと、
前記3本の起歪柱の側面部に荷重印加方向に対し垂直方向に沿って添着された第2のひずみゲージと
を具備し、
複数の前記第1のひずみゲージと、複数の前記第2のひずみゲージとを互いに隣接する辺に接続してなるホイートストンブリッジ回路より直線化補償された印加荷重信号を得るように構成したことを特徴としている。
請求項3に記載の発明に係るセンタホール型荷重変換器は、上述した第1〜第3の目的を達成するために、前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向に所定間隔で穿設された2つの円孔と、この2つの円孔の間を連通させるように穿設されたスリット孔とからなることを特徴としている。
請求項4に記載の発明に係るセンタホール型荷重変換器は、上述した第1〜第3の目的を達成するために、前記3つの孔のそれぞれは、円周方向または軸方向に長軸をなすように穿設された長円孔であって、円周方向に所定間隔で穿設された2つの長円孔と、この2つの長円孔の間を連通させるように穿設されたスリット孔とからなることを特徴としている。
円周方向または軸方向に長軸をなすように穿設された長円孔でなることを特徴としている。
請求項6に記載の発明に係るセンタホール型荷重変換器は、上述した第1〜第3の目的を達成するために、前記3つの孔のそれぞれは、円孔でなることを特徴としている。
請求項7に記載の発明に係るセンタホール型荷重変換器は、上述した第1〜第3の目的を達成するために、前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向に長く穿設された矩形孔でなることを特徴としている。
請求項8に記載の発明に係るセンタホール型荷重変換器は、上述した第1〜第3の目的を達成するために、前記円筒状の起歪体の軸方向中間部は、外周面側から内方に向け、また内周面側から外方に向けて所定深さにわたって削成されて、薄肉に形成されていることを特徴としている。
請求項10に記載の発明に係るセンタホール型荷重変換器は、上述した第1〜第4の目的を達成するために、前記第2のひずみゲージは、前記荷重導入部に、外側偏荷重または内側偏荷重をそれぞれ受けたとき、外側偏荷重出力値と、内側偏荷重出力値とがほぼ一致する前記各起歪柱の両側面部位にゲージ素子の中心が位置するように且つ荷重印加方向に直交するように添着されていることを特徴としている。
請求項11に記載の発明に係るセンタホール型荷重変換器は、上述した第1〜第3の目的を達成するために、前記起歪体の外周面および内周面は、荷重検出に影響を与えない可撓性をもつ外カバー部材および内カバー部材により外部と気密状態に密閉されてなることを特徴としている。
中心部に貫通孔が穿設されたセンタホール型荷重変換器において、印加荷重をうける3つの凸面を有する剛性大なる荷重導入部と、
前記荷重導入部に対し、一定の間隔を離して対向して設けられ、前記3つの凸面に対応した部位の座面側に3つの凸面を有する剛性大なる荷重支持部と、
前記荷重導入部および前記荷重支持部の前記3つの凸面に対応する角度部位において前記荷重導入部と前記荷重支持部とを一体的に連接する3本の起歪柱と、
前記3本の起歪柱の円周部に荷重印加方向に沿って添着された第1のひずみゲージと、
前記3本の起歪柱の側面部に荷重印加方向に対し垂直方向に沿って添着された第2のひずみゲージと
を具備し、
複数の前記第1のひずみゲージと、複数の前記第2のひずみゲージとを互いに隣接する辺に接続してなるホイートストンブリッジ回路より直線化補償された印加荷重信号を得るように構成したので、印加荷重の変化に対するひずみ検出出力の関係が直線的となり、特に、偏荷重に対する感度差をなくすと共に非直線性を良好にキャンセルし、高精度で荷重測定を行い得ると共に、被測定対象物と荷重導入部との当接が良好で、安定的に荷重を検出することができ、さらに加えて、機械加工が比較的容易で、小型化を実現し得るセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
円筒状の起歪体の軸方向中間部に等角度間隔でその外周面から内周面に達する3つの孔を穿設することにより、該孔と孔との間に残された軸方向中間部分をもって前記3本の起歪柱となしたので、起歪体は、一体的なものとして形成することができ、例えば、複数の部材からなるものを溶接などにより接合する場合、接合部に熱応力が残留し、荷重検出に悪影響を生ずるが、そのような悪影響は一切生じないセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、
前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向に所定間隔で穿設された2つの円孔と、この2つの円孔の間を連通させるように穿設されたスリット孔とからなるので、2個の円孔とその間を連通させるスリット孔は、機械加工が容易で、小型化を実現し得るセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向または軸方向に長軸をなすように穿設された長円孔であって円周方向に所定間隔で穿設された2つの長円孔と、この2つの長円孔の間を連通させるように穿設されたスリット孔とからなるので、2個の長円孔とその間を連通させるスリット孔は、機械加工が容易で小型化を実現し得るセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、
前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向または軸方向に長軸をなすように穿設された長円孔でなるので、円周方向に長軸をもつ長円孔は、機械加工が容易で、小型化を実現し得るセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、前記3つの孔のそれぞれは、円孔でなるので、最も機械加工が容易なセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、
前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向に長く穿設された矩形孔でなるので、機械加工が比較的容易で、小型化を実現し得るセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
前記円筒状の起歪体の軸方向中間部は、外周面側から内方に向け、また内周面側から外方に向けて所定深さにわたって削成されて、薄肉に形成されているので、円筒状の起歪体の軸方向中間部の薄肉に形成された部分は、印加荷重に対応したひずみを生じる起歪部として好適なセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、
前記第1のひずみゲージは、前記各起歪柱の外周面および内周面に、荷重印加方向に沿ってそれぞれ複数添着されているので、内側または外側に偏荷重が印加された場合であっても起歪体の曲げ変形による圧縮ひずみと引張ひずみが、ホイートストンブリッジ回路によって平均化され、外側偏荷重出力値と、内側偏荷重出力値とがほぼ一致し得るセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
第2のひずみゲージを、起歪柱の側面部に荷重印加方向に対し垂直方向に沿って添着することで、この第2ひずみゲージによるひずみ検出信号と、第1のひずみゲージによるひずみ検出信号からなる非直線性の極性が逆の極性をもつため、両検出信号をブリッジ回路により非直線性をキャンセルすることができるセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
請求項11に記載の発明によれば、
前記起歪体の外周面および内周面は、荷重検出に影響を与えない可撓性をもつ外カバー部材および内カバー部材により外部と気密状態に密閉されてなるので、第1、第2のひずみゲージや添着された部分は、内カバー部材と外カバー部材とにより外部を隔絶され、それにより、ひずみゲージの吸湿または酸化による劣化を防止し得るセンタホール型荷重変換器を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器を背面上方から見た状態の斜視図、図2は、第1の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の、図6におけるX−X線矢視方向断面図、図3は、図2のCの矢印をもって示す○内の部分を拡大して示す部分断面図、図4は、図3の部分断面図の内面側から見た断面図、図5は、図1に示すセンタホール型荷重変換器の正面図、図6は、図2のB−B線矢視方向断面図、図7は、図1に示すセンタホール型荷重変換器に添着された第1のひずみゲージと第2のひずみゲージをもってホイートストンブリッジ回路(以下、単に「ブリッジ回路」と略称することがある)を形成してなる電気回路、図8は、本発明に係るすべての実施の形態に共通なものであり、起歪体の外周側および内周側を外カバーおよび内カバーで閉塞してなる全体構成を示す斜視図である。
起歪体2は、印加荷重を受ける荷重導入部3と、荷重支持部4と、これら荷重導入部3と、荷重支持部4との間を連接する起歪柱5とから形成されている。
荷重導入部3の一面側(図1においては、上面側)には、印加荷重を受ける3つの凸面3aが等角度間隔(従って、120°間隔)で設けられている。
尚、図面には、明確に現れていないが、荷重支持部4の座面側(図1においては下面側)にも、上記荷重導入部3に設けられた3つの凸面と対応する角度位置に同様の3つの凸面4aが設けられている。
荷重導入部3と荷重支持部4は、大径に形成されて剛性が大きく設定されている。
これに対し、円筒状の起歪体2の軸方向(図1において上下方向)中間部は、外周面側から内方に向けて所定深さにわたって削成(切削)されると共に、内周面から外方に向けて、所定深さにわたって削成される結果、荷重導入部3および荷重支持部4の肉厚に対し相当薄肉とされている。
この起歪体2の形成方法につき、説明すると、先ず、素材としての(加工前の)中空円筒状の起歪体2の軸方向中間部に、等角度(この場合120°)間隔で、その外周面から内周面に達する3つの孔6を穿設することにより、隣接する該孔6と孔6との間に残された軸方向中間部分をもって前記3本の起歪柱5、5、5となしたものである。
上記孔6の形成方法には、例えば、4通りの方法がある。
第1の方法としては、図1〜図7に示された第1の実施の形態の係る方法であり、3つの孔6、6、6のそれぞれは、円周方向に所定間隔で外周面から内周面に達する2つの円孔6aを穿設し、この2つの円孔6a、6aの間を幅狭のスリット孔6b、6b、6bをそれぞれ形成することによって、いわゆる円孔めがね形の孔6を穿設する。
以上が、図1〜図6に示す起歪柱5の形成要領であるが、他の形成要領につき、図15〜図21を参照して説明する。
このうち図15は、本発明の第2の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の外観構成を示す斜視図である。
図15に示すセンタホール型荷重変換器は、起歪体15の構成は、基本的に第1の実施の形態と同様であるが、3つの孔16の形状のみが異なるものである。
即ち、この第2の実施の形態における3つの孔16は、円周方向に所定間隔で穿設された縦方向(図15において上下方向)に長軸をもつ2つの長円孔16a、16aと、この2つの長円孔16a、16aの間を連通させるように穿設されたスリット孔16bとから形成されている。
このような孔16を形成する場合には、長円孔16aを形成するために第1の実施の形態より1回穿孔作業が多くなるが、長円孔16aが直径は小さくてすむ。
図16は、本発明の第3の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の外観構成を示す斜視図である。
図16に示すセンタホール型荷重変換器の起歪体22の構成も、基本的に第2の実施の形態と同様であるが、3つの孔26の形状のみが異なるものである。
即ち、この第3の実施の形態における3つの孔26のそれぞれは、円周方向に所定間隔で穿設された円周方向(図16において左右方向)に長軸を持つ2つの長円孔26a、26aと、この2つの長円孔26a、26aの間を連通させるように穿設されたスリット孔26bとから形成されている。
図17に示すセンタホール型荷重変換器の起歪体32の構成も、基本的に第1の実施の形態と同様であるが、3つの孔36の形状のみが異なるものである。
即ち、この第4の実施の形態における3つの孔36のそれぞれは、円周方向に長軸をなすように穿設された長円孔として形成されている。
次に、図18は、本発明の第5の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の外観構成を示す斜視図である。
図18に示すセンタホール型荷重変換器の起歪体42の構成も、基本的に第1の実施の形態と同様であるが、3つの孔46の形状のみが異なるものである。
即ち、この第5の実施の形態における3つの孔46のそれぞれは、円孔として形成されている。
次に、図19は、本発明の第6の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の外観構成を示す斜視図である。
図19に示すセンタホール型荷重変換器の起歪体52の構成も、基本的に第1の実施の形態と同様であるが、3つの孔56の形状のみが異なるものである。
即ち、この第6の実施の形態における3つの孔56のそれぞれは、円周方向に長手方向を含ませるように穿設された矩形孔とされており、四隅に小円弧が施されている。
尚、図示は省略したが、上記起歪体の3つの孔の形状としては、上述し且つ図示した実施の形態のみに限らず、例えば、正方形の孔であってもよいし、図17および図19に示した長円孔および矩形孔を、その長手方向が軸方向に沿うような形状の孔としてもよい。
以上、6つの実施の形態に係る起歪体2、12、22、32、42、52の各構成について説明したが、第1の実施の形態を代表として、本発明のセンタホール型荷重変換器の荷重測定に係る構成および機能について説明する。
上述した起歪体2の3本の各起歪柱5、5、5には、図4に示すように、内周面に3個のひずみゲージG1、G2、G3が接着、蒸着、スパッタリングその他の添着手段(以下同様)によって添着され、その受感軸(主軸)が荷重印加方向に沿って(即ち、平行に)添着されている。
また、3本の各起歪柱5、5、5には、図5に示すように、外周面に3個のひずみゲージG4、G5、G6が、上述のように接着その他の添着手段によって添着され、その受感軸が図3に示すように、荷重印加方向に沿って、上述した内周面に添着したひずみゲージG1、G2、G3と同じ角度位置に合致させて添着されている。
尚、ここで、各起歪柱5の外周面および内周面に、荷重印加方向に受感軸を合致させて複数添着されている、例えばひずみゲージG1〜G6(これらは、3本の起歪柱5にそれぞれ設けられているものとする)は、「第1のひずみゲージ」と称することとする。
図1、図3、図6に示されるように、起歪柱5の軸方向中間部における両側面部には、その受感軸を、荷重印加方向と直交する方向に向けたひずみゲージG7とG8が接着、その他の添着手段により添着されている。
このひずみゲージG7とG8の起歪柱5の半径方向位置、換言すれば、起歪柱5の外周面を基準として、中心方向に所定の距離だけ離れた位置にするかについては、後述するが、起歪柱5の中立軸に対し僅かに外側に添着することが望ましい。
このようにして起歪柱5に添着された第1のひずみゲージG1〜G6と第2のひずみゲージG7、G8とは、図7に示すように、接続されてブリッジ回路7が形成される。
即ち、このブリッジ回路7の一辺には、起歪柱5の内周面に添着された第1のひずみゲージG1〜G3が接続され、これに対する対辺には、起歪柱5の外周面に添着された同じく第1のひずみゲージG4〜G6が接続されている。
このブリッジ回路7の入力端8a、8b間には、ブリッジ電源(図示せず)からブリッジ電圧einが入力され、出力端9a、9bからは、印加荷重に対応したひずみ検出出力eoutが出力され、この出力端9a、9bは、さらに図示省略のひずみ測定器(静ひずみ測定器または、動ひずみ測定器など)にケーブルを介して接続され、荷重測定系が構成される。
上述したような各実施の形態におけるセンタホール型荷重変換器は、図8に示されるように、薄肉で、荷重測定に影響を与えない程度の可撓性を有する内カバー部材10と外カバー部材11により外気を遮断するように起歪柱5およびそこに添着されたひずみゲージG1〜G8などが密閉状態とされる。
これら内カバー部材10の上端縁および下端縁は、起歪体2の荷重導入部3の内周縁および荷重支持部4の内周縁に、溶接またはろう付けその他の固着手段により気密状に固着される。
外カバー部材11の側面部には、グランド金具20が気密状に取り付けられており、電気ケーブル13がグランド金具20より導出されている。
次に、上述したような荷重測定系において、本発明に係る第1の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の実測例について説明する。
先ず、第1の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の荷重導入部3の3つの凸面3a、3a、3aに均等に荷重を印加した場合、(以下、これを「正荷重を印加した場合」と称する)についての測定例を図10および下記表1を参照して説明する。
また、荷重導入部3には、3つの凸面3aの全面に対して当て金17が接触し、当て金17からは等分布荷重が印加される。
この図9に示される条件下で、当て金17から荷重導入部3に荷重0から定格過重100%まで、20%おきに荷重を増大していった場合の起歪柱5の円周部(内周面と外周面)に添着された第1のひずみゲージG1〜G6の出力(×10−6ひずみ)および非直線性(%RO)と、起歪柱5の側面部に添着された第2のひずみゲージG7、G8の出力および非直線性と、これらのひずみゲージG1〜G8で組まれたブリッジ回路7の出力および非直線性について実測結果の数値を表1に示し、その数値に基づいて非直線性をグラフ化したものを図10に示す。
因に、ここで「非直線性」とは、入力−出力曲線において、基点と出力の最大測定値を結ぶ直線に対する最大差を、最大測定値で除した値を百分率で表したものをいう。
次に、第1の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の荷重導入部3の3つの凸面3a、3a、3aの内側半分に荷重が印加された場合(以下、これを「内側荷重が印加された場合」と称する)についての測定例を、図11、図12および下記表2を参照して説明する。
また、荷重導入部3には、3つの凸面3aの内側半分に対して、内側荷重印加用リング18が接触し、この内側荷重印加用リング18の上面には当て金17が当接され、当て金17、内側荷重印加用リング18を介して、3つの凸面3aに、内側に偏した荷重が印加される。
この図11に示される条件下で、当て金17から荷重導入部3に荷重0から定格荷重100%まで、20%おきに荷重を増大していった場合の起歪柱5の円周部(内周面と外周面)に添着された第1のひずみゲージG1〜G6の出力および非直線性と、起歪柱5の側面部に添着された第2のひずみゲージG7、G8の出力および非直線性と、これらのひずみゲージG1〜G8で組まれたブリッジ回路7の出力および非直線性について、実測結果の数値を表2に示し、その数値に基づいて非直線性をグラフ化したものを、図12に示す。
次に、第1の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器の荷重導入部3の3つの凸面3a、3a、3aの外側半分に荷重が印加された場合(以下、これを「外側荷重が印加された場合」と称する)についての測定例を、図13、図14および下記表3を参照して説明する。
また、荷重導入部3には、3つの凸面3aの外側半分に対して、外側荷重印加用リング19が接触し、この外側荷重印加用リング19の上面には当て金17が当接され、当て金17、外側荷重印加用リング19を介して、3つの凸面3aに、外側に偏した荷重が印加される。
この図13に示される条件下で、当て金17から荷重導入部3に負荷0から定格負荷100%まで、20%おきに負荷を増大していった場合の起歪柱5の円周部(内周面と外周面)に添着された第1のひずみゲージG1〜G6の出力および非直線性と、起歪柱5の側面部に添着された第2のひずみゲージG7、G8の出力および非直線性と、これらのひずみゲージG1〜G8で組まれたブリッジ回路7の出力および非直線性について、実測結果の数値を表3に示し、その数値に基づいて非直線性をグラフ化したものを、図14に示す。
因に、本発明に係る第1の実施の形態に係るセンタホール型荷重変換器(本発明品)と、従来のセンタホール型荷重変換器(従来品:No.1とNo.2)との実測値を下記表4に示す。
また、外側荷重が印加された場合にあっては、その非直線性は、従来品No.1は、0.72、従来品No.2は、0.45であるのに対し、本発明品は、0.16と大幅に小さいことが分かる。
これは、起歪柱5の内・外周面における非直線性特性と、側面部の非直線性特性とが、極性が反対となっているため、この極性の異なるところを、ブリッジ回路7によって相殺することができるものと考えられる。
また、内側荷重が印加された場合の定格出力を、正荷重が印加された場合の定格出力に対する百分率で表すと、従来品No.1は102.5%、従来品No.2は104.4%であるのに対し、本発明品は、100.1%と大幅に小さいことが分かる。
また、外側荷重が印加された場合の定格出力を、正荷重が印加された場合の定格出力に対する百分率で表すと、従来品No.1は95.4%、従来品No.2は95.1%であるのに対し、本発明品は、100.4%と大幅に小さいことが分かる。
従って、本発明の各実施の形態にあっては、起歪体の比較的簡単な機械加工だけで製作することができ、従来のこの種センタホール型荷重変換器と比べて然程コストの上昇を伴うことなく製作をすることができる。
尚、第2のひずみゲージG7、G8の添着の要領について、図20を参照しつつ説明する。
図20においては、正荷重と、内側荷重と、外側荷重を上述した要領にて負荷したときの結果を示すものであるが、同図において内側荷重を印加した場合と外側荷重を印加した場合のひずみ出力が一致する起歪柱側面部位置が、第2のひずみゲージG7、G8のゲージ素子の中心部を合致させるのに最も望ましい位置となるのである。
即ち、この図20によれば、第2のひずみゲージG7、G8のゲージ素子の中心部を、起歪柱5の外周面から、5.5mmの位置に、その受感軸を荷重印加方向に直向するように向けて、添着すればよいことが分かるので、第2のひずみゲージG7、G8の理想的な添着位置を見出すことができる。
2、12、22、32、42、52 起歪体
3 荷重導入部
4 荷重支持部
3a、4a 凸面
5、15、25、35、45、55 起歪柱
6、16、26、36、46、56 孔
6a 円孔
6b スリット孔
7 ブリッジ回路
8a、8b 入力端
9a、9b 出力端
10 内カバー部材
11 外カバー部材
13 電気ケーブル
14 不動部材
16a、26a 長円孔
16b、26b スリット孔
17 当て金
18 内側荷重印加用リング
19 外側荷重印加用リング
20 グランド金具
Claims (11)
- 中心部に貫通孔が穿設されたセンタホール型荷重変換器において、
印加荷重をうける3つの凸面を有する剛性大なる荷重導入部と、
前記荷重導入部に対し、一定の間隔を離して対向して設けられ、前記3つの凸面に対応した部位の座面側に3つの凸面を有する剛性大なる荷重支持部と、
前記荷重導入部および前記荷重支持部の前記3つの凸面に対応する角度部位において前記荷重導入部と前記荷重支持部とを一体的に連接する3本の起歪柱と、
前記3本の起歪柱の円周部に荷重印加方向に沿って添着された第1のひずみゲージと、
前記3本の起歪柱の側面部に荷重印加方向に対し垂直方向に沿って添着された第2のひずみゲージと
を具備し、
複数の前記第1のひずみゲージと、複数の前記第2のひずみゲージとを互いに隣接する辺に接続してなるホイートストンブリッジ回路より直線化補償された印加荷重信号を得るように構成したことを特徴とするセンタホール型荷重変換器。 - 円筒状の起歪体の軸方向中間部に等角度間隔でその外周面から内周面に達する3つの孔を穿設することにより、該孔と孔との間に残された軸方向中間部分をもって前記3本の起歪柱となしたことを特徴とする請求項1に記載のセンタホール型荷重変換器。
- 前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向に所定間隔で穿設された2つの円孔と、この2つの円孔の間を連通させるように穿設されたスリット孔とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のセンタホール型荷重変換器。 - 前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向または軸方向に長軸をなすように穿設された長円孔であって、円周方向に所定間隔で穿設された2つの長円孔と、この2つの長円孔の間を連通させるように穿設されたスリット孔とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のセンタホール型荷重変換器。 - 前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向または軸方向に長軸をなすように穿設された長円孔でなることを特徴とする請求項1または2に記載のセンタホール型荷重変換器。 - 前記3つの孔のそれぞれは、
円孔でなることを特徴とする請求項1または2に記載のセンタホール型荷重変換器。 - 前記3つの孔のそれぞれは、
円周方向または軸方向に長く穿設された矩形孔でなることを特徴とする請求項1または2に記載のセンタホール型荷重変換器。 - 前記円筒状の起歪体の軸方向中間部は、外周面側から内方に向け、また内周面側から外方に向けて所定深さにわたって削成されて、薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンタホール型荷重変換器。
- 前記第1のひずみゲージは、前記各起歪柱の外周面および内周面に、荷重印加方向に沿ってそれぞれ複数添着されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のセンタホール型荷重変換器。
- 前記第2のひずみゲージは、前記荷重導入部に、外側偏荷重または内側偏荷重をそれぞれ受けたとき、外側偏荷重出力値と、内側偏荷重出力値とがほぼ一致する前記各起歪柱の両側面部位にゲージ素子の中心が位置するように且つ荷重印加方向に直交するように添着されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のセンタホール型荷重変換器。
- 前記起歪体の外周面および内周面は、荷重検出に影響を与えない可撓性をもつ外カバー部材および内カバー部材により外部と気密状態に密閉されてなることを特徴する請求項1〜10のいずれか1項に記載のセンタホール型荷重変換器。
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