JP2019045250A - 身体支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重を精度良く検出する。【解決手段】身体支持装置10は、起歪体35と、起歪体35に配置された荷重センサ36と、起歪体35を挟む第1部材26および第2部材27と、を備え、起歪体35には、第1部材26または第2部材27に向けて突出する第1凸部46が設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、身体支持装置に関する。
従来から、下記特許文献1、2に記載されたような、荷重を検出するセンサユニットを内蔵したアクチュエータが知られている。このアクチュエータは、ベッド等の身体支持装置に用いられる。
特許第5116147号公報 特許第5435598号公報
しかしながら、前記従来のアクチュエータでは、荷重を精度良く検出することについて改善の余地がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、荷重を精度良く検出することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の一態様に係る身体支持装置は、起歪体と、前記起歪体に配置された荷重センサと、前記起歪体を挟む第1部材および第2部材と、を備え、前記起歪体には、前記第1部材または前記第2部材に向けて突出する第1凸部が設けられている。
この場合、起歪体に第1凸部が設けられている。したがって、例えば、第1部材から起歪体に伝達された荷重が第2部材によって受け止められるときに、この荷重を、第1凸部を介して、起歪体において荷重センサが配置された領域(以下、「センサ領域」という。)に集中して作用させること等ができる。これにより、起歪体のセンサ領域を、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサによる検出精度を向上させることができる。
ところで、身体支持装置が第1凸部を備えない場合には、第1部材が起歪体に荷重を伝達したり、第2部材が起歪体からの荷重を受け止めたりするため、起歪体や第1部材、第2部材それぞれの端面が全周にわたって互いに突き合わされる。この場合、起歪体や第1部材、第2部材の端面の面粗さや平面度に、例えば各部材の製造誤差などに基づくばらつきが生じていると、第1部材から起歪体に伝達される荷重が同一であっても、起歪体のセンサ領域に生じる歪みに、位置ごとにばらつきが生じるおそれがある。しかしながら、この身体支持装置は第1凸部を備えている。したがって、仮に前述のような製造誤差に基づいて各部材の端面の形状に多少のばらつきが生じていても、その影響を受けることなく、第1部材からの荷重などを、第1凸部を介して起歪体のセンサ領域に伝達することができる。これにより、起歪体のセンサ領域を、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサによる検出精度を確実に向上させることができる。
(2)本発明の一態様に係る身体支持装置は、起歪体と、前記起歪体に配置された荷重センサと、前記起歪体を挟む第1部材および第2部材と、を備え、前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方には、前記起歪体に向けて突出する第2凸部が設けられている。
この場合、第1部材および第2部材の少なくとも一方に第2凸部が設けられている。したがって、例えば、第1部材から起歪体に伝達された荷重が第2部材によって受け止められるときに、この荷重を、第2凸部を介して、起歪体において荷重センサが配置された領域(以下、「センサ領域」という。)に集中して作用させること等ができる。これにより、起歪体のセンサ領域を、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサによる検出精度を向上させることができる。
ところで、身体支持装置が第2凸部を備えない場合には、第1部材が起歪体に荷重を伝達したり、第2部材が起歪体からの荷重を受け止めたりするため、起歪体や第1部材、第2部材それぞれの端面が全周にわたって互いに突き合わされる。この場合、起歪体や第1部材、第2部材の端面の面粗さや平面度に、例えば各部材の製造誤差などに基づくばらつきが生じていると、第1部材から起歪体に伝達される荷重が同一であっても、起歪体のセンサ領域に生じる歪みに、位置ごとにばらつきが生じるおそれがある。しかしながら、この身体支持装置は第2凸部を備えている。したがって、仮に前述のような製造誤差に基づいて各部材の端面の形状に多少のばらつきが生じていても、その影響を受けることなく、第1部材からの荷重などを、第2凸部を介して起歪体のセンサ領域に伝達することができる。これにより、起歪体のセンサ領域を、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサによる検出精度を確実に向上させることができる。
(3)本発明の一態様に係る身体支持装置は、起歪体と、前記起歪体に配置された荷重センサと、前記起歪体を挟む第1部材および第2部材と、前記起歪体と前記第1部材との間、および前記起歪体と前記第2部材との間のうちの少なくとも一方に配置されたスペーサと、を備える。
この場合、身体支持装置がスペーサを備える。したがって、例えば、第1部材から起歪体に伝達された荷重が第2部材によって受け止められるときに、この荷重を、スペーサを介して、起歪体において荷重センサが配置された領域(以下、「センサ領域」という。)に集中して作用させること等ができる。これにより、起歪体のセンサ領域を、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサによる検出精度を向上させることができる。
ところで、身体支持装置がスペーサを備えない場合には、第1部材が起歪体に荷重を伝達したり、第2部材が起歪体からの荷重を受け止めたりするため、起歪体や第1部材、第2部材それぞれの端面が全周にわたって互いに突き合わされる。この場合、起歪体や第1部材、第2部材の端面の面粗さや平面度に、例えば各部材の製造誤差などに基づくばらつきが生じていると、第1部材から起歪体に伝達される荷重が同一であっても、起歪体のセンサ領域に生じる歪みに、位置ごとにばらつきが生じるおそれがある。しかしながら、この身体支持装置はスペーサを備えている。したがって、仮に前述のような製造誤差に基づいて各部材の端面の形状に多少のばらつきが生じていても、その影響を受けることなく、第1部材からの荷重などを、スペーサを介して起歪体のセンサ領域に伝達することができる。これにより、起歪体のセンサ領域を、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサによる検出精度を確実に向上させることができる。
(4)本発明の一態様に係る身体支持装置は、起歪体と、前記起歪体に配置された荷重センサと、前記起歪体を挟む第1部材および第2部材と、前記第1部材または前記第2部材から前記起歪体に荷重が作用するときに、前記起歪体において前記荷重センサが配置された領域に、他の領域よりも集中して荷重を作用させる荷重伝達体と、を備える。
この場合、第1部材または第2部材から起歪体に荷重が作用するときに、荷重伝達体が、起歪体において荷重センサが配置された領域(以下、「センサ領域」という。)に、他の領域よりも集中して荷重を作用させる。これにより、起歪体のセンサ領域を、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサによる検出精度を向上させることができる。
ところで、身体支持装置が荷重伝達体を備えない場合には、第1部材が起歪体に荷重を伝達したり、第2部材が起歪体からの荷重を受け止めたりするため、起歪体や第1部材、第2部材それぞれの端面が全周にわたって互いに突き合わされる。この場合、起歪体や第1部材、第2部材の端面の面粗さや平面度に、例えば各部材の製造誤差などに基づくばらつきが生じていると、第1部材から起歪体に伝達される荷重が同一であっても、起歪体のセンサ領域に生じる歪みに、位置ごとにばらつきが生じるおそれがある。しかしながら、この身体支持装置は荷重伝達体を備えている。したがって、仮に前述のような製造誤差に基づいて各部材の端面の形状に多少のばらつきが生じていても、その影響を受けることなく、第1部材からの荷重などを、荷重伝達体を介して起歪体のセンサ領域に伝達することができる。これにより、起歪体のセンサ領域を、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサによる検出精度を確実に向上させることができる。
(5)上記(1)から(4)に係る身体支持装置では、前記起歪体および前記荷重センサが内蔵されたアクチュエータを更に備える構成を採用してもよい。
この場合、起歪体および荷重センサ(以下、「センサユニット」という。)がアクチュエータに内蔵されている。したがって、身体支持装置にセンサユニットを設置するときに、センサユニットをアクチュエータと一体に設置することができる。これにより、例えば、センサユニットがアクチュエータに内蔵されていない場合に比べて、身体支持装置を組み立て易くすること等ができる。
本発明の上記各態様によれば、荷重を精度良く検出することができる。
本発明の第1実施形態に係る身体支持装置を備える情報提供システムのシステム構成の例を示す図である。 図1に示す情報提供システムを構成する身体支持装置の側面図である。 図2に示す身体支持装置から使用者が離床した状態を示す側面図である。 図2に示す身体支持装置を構成するアクチュエータの断面図である。 図4に示すアクチュエータに内蔵されたセンサユニットを含む要部の側面図である。 図5に示すセンサユニットの平面図である。 図5に示すセンサユニットが備える荷重センサを説明する側面図である。 本発明の第2実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第3実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第4実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第5実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第6実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第7実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第8実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第9実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第10実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第11実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 図17に示すセンサユニットの平面図である。 本発明の第12実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第13実施形態に係る身体支持装置を構成するセンサユニットを含む要部の側面図である。 本発明の第14実施形態に係る身体支持装置の分解斜視図である。 検証試験における比較例のアクチュエータについての荷重の大きさとセンサユニットの出力との関係を示すグラフである。 検証試験における比較例のアクチュエータについての荷重の大きさとセンサ出力のリニアリティーとの関係を示すグラフである。 検証試験における実施例のアクチュエータについての荷重の大きさとセンサユニットの出力との関係を示すグラフである。 検証試験における実施例のアクチュエータについての荷重の大きさとセンサ出力のリニアリティーとの関係を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、図1から図7を参照し、本発明の第1実施形態に係る身体支持装置10を備える情報提供システム1を説明する。図1は、情報提供システム1のシステム構成の例を示す図である。情報提供システム1は、病院や介護施設のように医療または介護の対象となる者(以下「使用者P」という。)が滞在(入院を含む)または居住する施設に設けられる。情報提供システム1は、例えば、医療環境下(介護環境下を含む)において利用することができる。使用者P(施設利用者)には、患者や被介護者が含まれる。情報提供システム1は、監視者(従業者)に対して情報を提供する。監視者とは、使用者Pに対して医療または介護を行う者である。
情報提供システム1は、サーバ3、共用端末4、複数台の移動端末5、複数台のベッドサイド端末2および複数台の身体支持装置10を備える。
ベッドサイド端末2は、使用者Pが滞在または居住する居室に設置される。例えば、一台のベッドサイド端末2は、一人の使用者Pに対応付けられる。ベッドサイド端末2の表示部に情報が表示されることによって、使用者Pおよび監視者に対する情報の提供が行われる。ベッドサイド端末2は、身体支持装置10に備えられたセンサユニット34(荷重センサ36)と接続されたり、ネットワークを介してサーバ3等に接続されたりしている。
サーバ3と他の各装置とは、有線通信または無線通信により通信可能に接続されている。サーバ3と他の各装置との間の通信経路は、一部または全部が共通であってもよいし、それぞれ独立していてもよい。サーバ3は、通信可能な情報処理装置を用いて構成される。サーバ3は、バスで接続されたCPU(Central Processor Unit)、メモリおよび補助記憶装置を備える。サーバ3は、専用プログラムを実行することによって動作する。サーバ3は、例えば、電子カルテデータを記憶する。サーバ3は、他の装置からの要求に応じて、自装置が記憶する電子カルテデータを要求元の装置に送信する。
共用端末4は、通信可能な情報処理装置を用いて構成される。共用端末4は、通信経路を介してサーバ3と通信可能である。共用端末4は、バスで接続されたCPU、メモリおよび補助記憶装置を備える。共用端末4は、共用端末プログラムを実行することによって動作する。共用端末4は、例えばナースステーションやWOC看護師の待機室のように監視者が1名以上待機する場所に設置される。
移動端末5は、携帯可能であり通信可能な情報処理装置を用いて構成される。移動端末5は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、携帯可能な専用端末等の装置を用いて構成されてもよい。移動端末5は、通信経路を介してサーバ3と通信可能である。移動端末5は、バスで接続されたCPU、メモリおよび補助記憶装置を備える。移動端末5は、例えば監視者によって携帯される。監視者は、移動端末5を操作することによって、自身が主に担当する使用者Pに関する情報、設備に関する情報または使用者Pの電子カルテデータを取得できる。
図2および図3に示すように、身体支持装置10としては、例えばベッドや椅子などが挙げられる。ベッドとしては、例えばギャッチベッドが挙げられ、椅子としては、例えばリクライニングチェアが挙げられる。身体支持装置10には、使用者Pが在床して横たわったり、上半身が起き上がった状態で座ったり、端座位姿勢をとったり、離床したりする。身体支持装置10として、いわゆる介護リフトを採用することも可能である。
身体支持装置10は、支持台11と、架台12と、を備える。支持台11は、使用者Pを支持する。架台12は、支持台11を移動可能に支持する。架台12は、例えば、支持台11を昇降可能であったり、支持台11の形態を変更可能であったりしてもよい。図示の例では、架台12は、支持台11を昇降可能に支持する。
なお、架台12が支持台11の形態を変更可能である場合であって、身体支持装置10がギャッチベッドであるときには、架台12は、支持台11(寝台)の形態を、支持台11がいわゆる背上げしたり脚上げしたりするように変更させることができる。身体支持装置10がリクライニングチェアであるときには、架台12は、支持台11の形態を、座位姿勢の使用者Pを支持するいわゆるチェアポジションと、仰臥位姿勢の使用者Pを支持するいわゆるベッドポジションと、の間で変更させることができる。
架台12は、ベースフレーム13と、メインフレーム14と、昇降機構15と、を備える。ベースフレーム13は、設置面91上に配置される。メインフレーム14は、ベースフレーム13の上方に配置され、支持台11に固定される。昇降機構15は、ベースフレーム13とメインフレーム14との間に配置され、メインフレーム14をベースフレーム13に対して昇降させる。
昇降機構15は、アクチュエータ20を備える。図示の例では、アクチュエータ20は、長軸方向Dに伸縮する直動アクチュエータであり、伸縮することで支持台11(メインフレーム14)を昇降させる。このように、アクチュエータ20は、支持台11の少なくとも一部(本実施形態では支持台11の全体)を移動させる。またアクチュエータ20には、支持台11上の使用者Pの荷重の少なくとも一部が作用する。アクチュエータ20に作用する荷重は、使用者Pが支持台11上に位置するとき(在床時)と、使用者Pが支持台11上に位置しないとき(離床時)と、で変動する。
図4に示すように、アクチュエータ20は、基体筒21と、ねじシャフト22(軸)と、雌ねじ部材23と、作動体24と、ラジアル軸受25と、第1部材26と、第2部材27と、を備える。
基体筒21およびねじシャフト22は、アクチュエータ20の長軸方向Dに延びる。ねじシャフト22は、基体筒21に挿入されている。ねじシャフト22における長軸方向Dの第1端部は、基体筒21に回転可能に支持されている。ねじシャフト22の第1端部には、細径部28が設けられている。
雌ねじ部材23は、ねじシャフト22に螺合されている。雌ねじ部材23は、ねじシャフト22のうち、長軸方向Dに沿って第1端部よりも第2端部側に位置する本体部分29に螺合されている。
作動体24は、雌ねじ部材23に固定されている。これにより、作動体24は、ねじシャフト22の長軸方向Dに進退可能とされている。
ラジアル軸受25は、ねじシャフト22の細径部28に配置されている。ラジアル軸受25は、内輪30と、外輪31と、転動体32と、を備える。内輪30は、細径部28に外側から嵌合され、ねじシャフト22の本体部分29からの荷重を受ける。
第1部材26は、ねじシャフト22に接続されている。第1部材26は、ラジアル軸受25と同軸の筒状に形成され、ねじシャフト22の第1端部を外側から覆っている。第1部材26は、ラジアル軸受25の外輪31からの荷重を受ける。第1部材26は、ラジアル軸受25の内輪30に非接触である。
第2部材27は、基体筒21における前記長軸方向Dの端部に固定され、ねじシャフト22の第1端部を覆う。第2部材27は、基体筒21および作動体24とともにアクチュエータ20のケース33(筐体)を形成する。ケース33は、主に軽量化を目的として、例えば、アルミニウム等の軽金属や樹脂材料をはじめとする軽質材料によって形成することができる。
アクチュエータ20では、作動体24がメインフレーム14に固定されるとともに第2部材27がベースフレーム13に固定され、または、第2部材27がメインフレーム14に固定されるとともに作動体24がベースフレーム13に固定されている。その結果、アクチュエータ20の伸縮に伴って支持台11が昇降する。
図4から図6に示すように、アクチュエータ20には、センサユニット34が内蔵されている。センサユニット34は、起歪体35と、荷重センサ36と、を備える。
起歪体35には、支持台11上の使用者Pの荷重の少なくとも一部が作用する。起歪体35には、支持台11からアクチュエータ20に作用する荷重が伝達される。起歪体35は、第1部材26と第2部材27との間に配置されている。起歪体35は、長軸方向Dに延びる筒状に形成され、第1部材26と第2部材27との間に長軸方向Dに挟まれている。起歪体35は、ねじシャフト22の第1端部を外側から覆う。なお起歪体35は、円筒状に限られず、例えば角筒状などであってもよい。
荷重センサ36は、起歪体35に配置されている。荷重センサ36は、起歪体35の表面(図示の例では、外周面)に貼り付けられている。荷重センサ36は、起歪体35の周方向(以下、単に「周方向」という。)に同等の間隔をあけて複数配置されている。本実施形態では、荷重センサ36は、起歪体35に生じる歪みを電気信号に変換する歪みゲージにより形成されている。なお荷重センサ36は、図示の例では、起歪体35の外周面に貼り付けられているが、起歪体35の内周面に貼り付けられていてもよい。
荷重センサ36には、アクチュエータ20の外部に配置された演算制御部37が接続されている。演算制御部37は、荷重センサ36の検出信号に基づいて、起歪体35に作用する荷重を算出する。なお、複数の荷重センサ36が、演算制御部37に並列に接続されていて、演算制御部37が、複数の荷重センサ36の各検出信号に基づいて、起歪体35において荷重センサ36が配置された領域(以下、「センサ領域35a」という。)に作用する荷重の平均値を算出してもよい。この場合、演算制御部37による前述の算出結果を、起歪体35に作用する荷重とすることができる。
なお、演算制御部37と荷重センサ36とは、有線接続しても無線接続してもよい。有線接続する場合、図4に示すように、演算制御部37と荷重センサ36との間に、例えば、荷重センサ36の検出信号を増幅する等の機能を有する回路基板38を設けてもよい。また、回路基板38を設けることに代えて、この回路基板38の機能を演算制御部37に具備させてもよい。演算制御部37は、図示しないモータの駆動の制御や回転量の検出等に関する機能を更に有していてもよい。
前記アクチュエータ20では、第1部材26が、支持台11と起歪体35との間に配置され、第2部材27が、起歪体35を間に挟んで第1部材26の反対側に配置されている。そして第1部材26が、使用者Pの荷重を、作動体24、雌ねじ部材23、ねじシャフト22およびラジアル軸受25を介して支持台11から起歪体35に伝達し、第2部材27が、起歪体35に伝達された荷重を受け止める。
起歪体35に荷重が作用すると、起歪体35は長軸方向Dに圧縮されるとともに周方向に膨張し、前記荷重が解除されると、長軸方向Dに伸長(復元)するとともに周方向に収縮(復元)する。すなわち、起歪体35は、この起歪体35に作用する荷重に基づいて長軸方向Dに弾性変形する。この弾性変形に対応して荷重センサ36が長軸方向Dや周方向にそれぞれ変形するため、この荷重センサ36の変形量に対応する検出信号が演算制御部37に送出され、演算制御部37が荷重を測定することができる。
なお演算制御部37は、測定した荷重が変動するときに、支持台11上の使用者P(患者や被介護者)の姿勢が変更されて体動があったと判断することができる。さらに演算制御部37は、荷重の変動の内容に基づいて、使用者Pの姿勢がどのように変更されたかを推定することができる。
また演算制御部37は、例えば、使用者Pが横たわった状態から上半身を起こし始めたり、立ち上がろうとし始めたりしたときに、このことを監視者(看護師や介護者)に通知することができる。この場合、使用者Pの転倒の可能性を、例えばベッドサイド端末2を通して監視者に通知して、転倒の予防を図ることができる。なお演算制御部37は、使用者Pが在床しているときの静的な荷重に基づいて、使用者Pの体重を測定したり姿勢を推定したりしてもよい。
図5および図6に示すように、身体支持装置10は、荷重伝達体39を更に備えている。荷重伝達体39は、第1部材26または第2部材27から起歪体35に荷重が作用するときに、起歪体35のうち、センサ領域35aに他の領域よりも集中して荷重を作用させる。本実施形態では、荷重伝達体39として、第1荷重伝達体39aと、第2荷重伝達体39bと、を備える。第1荷重伝達体39aは、第1部材26からの荷重を起歪体35に作用させる。第2荷重伝達体39bは、第2部材27からの荷重を起歪体35に作用させる。第1荷重伝達体39aおよび第2荷重伝達体39bは、互いに同等の形状で同等の大きさである。
荷重伝達体39は、第1凸部46によって形成されている。第1凸部46は、起歪体35に設けられている。第1凸部46は、起歪体35から第1部材26または第2部材27に向けて突出している。第1凸部46は、周方向に間欠的に配置されている。第1凸部46の長軸方向Dの大きさ(高さH)は、例えば、0.05mm以上となっている。第1凸部46の周方向の大きさ(幅W)は、例えば8mm程度となっている。
起歪体35から第1部材26に向けて突出する第1凸部46は、第1荷重伝達体39aを形成する。起歪体35から第2部材27に向けて突出する第1凸部46は、第2荷重伝達体39bを形成する。
荷重伝達体39(第1凸部46)は、荷重センサ36と対応して配置されている。荷重センサ36および荷重伝達体39は、長軸方向D(荷重の伝達方向、荷重の入力方向)に並んで配置されている。第1荷重伝達体39aおよび第2荷重伝達体39bはそれぞれ、複数の荷重センサ36と同数設けられている。各荷重伝達体39は、荷重センサ36と周方向に対応する位置に配置され、荷重伝達体39の周方向に沿う位置と、荷重センサ36の周方向に沿う位置と、では、少なくとも一部が互いに重複している。
第1荷重伝達体39aは、荷重センサ36と周方向に同等の大きさに形成され、荷重センサ36と周方向に同等の位置に配置されている。第1荷重伝達体39aは、起歪体35や荷重センサ36よりも長軸方向Dに小さい。第1荷重伝達体39aの長軸方向Dの大きさは、周方向の位置によらず同等である。第1荷重伝達体39aの周方向の大きさは、長軸方向Dの位置によらず同等である。第1荷重伝達体39aの周方向の両側面は、長軸方向Dに平行に延びる平面である。第1荷重伝達体39aは、全体として長軸方向Dに真直に延びている。
第2荷重伝達体39bは、荷重センサ36と周方向に同等の大きさに形成され、荷重センサ36と周方向に同等の位置に配置されている。第2荷重伝達体39bは、起歪体35や荷重センサ36よりも長軸方向Dに小さい。第2荷重伝達体39bの長軸方向Dの大きさは、周方向の位置によらず同等である。第2荷重伝達体39bの周方向の大きさは、長軸方向Dの位置によらず同等である。第2荷重伝達体39bの周方向の両側面は、長軸方向Dに平行に延びる平面である。第2荷重伝達体39bは、全体として長軸方向Dに真直に延びている。
周方向に隣り合う荷重伝達体39同士の間には、空間部40が設けられている。空間部40は、周方向に隣り合う第1荷重伝達体39a同士の間に設けられた第1空間部40aと、周方向に隣り合う第2荷重伝達体39b同士の間に設けられた第2空間部40bと、を備える。第1空間部40aおよび第2空間部40bはいずれも、長軸方向Dの外側(起歪体35の反対側)に向けて開口している。第1空間部40aは、これら各位置において、起歪体35と第1部材26との接触を回避させる。第2空間部40bは、これら各位置において、起歪体35と第2部材27との接触を回避させる。
各空間部40は、伝達抵抗部41を形成している。伝達抵抗部41は、起歪体35と、第1部材26または第2部材27と、の間での荷重の伝達の抵抗となっている。伝達抵抗部41は、起歪体35と、第1部材26または第2部材27と、の間で、荷重伝達体39よりも荷重を伝達させ難い。
荷重伝達体39および空間部40は、凹凸部42を形成している。荷重伝達体39は、凹凸部42における凸部を形成し、空間部40は、凹凸部42における凹部を形成している。本実施形態では、凹凸部42は、起歪体35と第1部材26との間、および起歪体35と第2部材27との間のうちの両方に配置されている。
以上説明したように、本実施形態に係る身体支持装置10によれば、第1部材26または第2部材27から起歪体35に荷重が作用するときに、荷重伝達体39が、起歪体のうち、センサ領域35aに他の領域よりも集中して荷重を作用させる。したがって、例えば、第1部材26から起歪体35に伝達された荷重が第2部材27によって受け止められるときに、この荷重を荷重伝達体39によって、起歪体35のセンサ領域35aに集中して作用させることができる。これにより、起歪体35のセンサ領域35aを、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサ36による検出精度を向上させることができる。
ところで、身体支持装置10が荷重伝達体39(第1凸部46)を備えない場合には、第1部材26が起歪体35に荷重を伝達したり、第2部材27が起歪体35からの荷重を受け止めたりするため、起歪体35や第1部材26、第2部材27それぞれの端面が全周にわたって互いに突き合わされる。この場合、起歪体35や第1部材26、第2部材27の端面の面粗さや平面度に、例えば各部材の製造誤差などに基づくばらつきが生じていると、第1部材26から起歪体35に伝達される荷重が同一であっても、起歪体35のセンサ領域35aに生じる歪みに、位置ごとにばらつきが生じるおそれがある。しかしながら、この身体支持装置10は荷重伝達体39を備えている。したがって、仮に前述のような製造誤差に基づいて各部材の端面の形状に多少のばらつきが生じていても、その影響を受けることなく、第1部材26からの荷重などを、荷重伝達体39を介して起歪体35のセンサ領域35aに伝達することができる。これにより、起歪体35のセンサ領域35aを、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることが可能になり、荷重センサ36による検出精度を確実に向上させることができる。
また、センサユニット34がアクチュエータ20に内蔵されている。したがって、身体支持装置10にセンサユニット34を設置するときに、センサユニット34をアクチュエータ20と一体に設置することができる。これにより、例えば、センサユニット34がアクチュエータ20に内蔵されていない場合に比べて、身体支持装置10を組み立て易くすること等ができる。
なお、アクチュエータ20のケース33が、例えば、アルミニウム等の軽金属や樹脂材料をはじめとする軽質材料によって形成されている場合、アクチュエータ20に荷重が作用したときに、例えばケース33が不均一に歪む等して、荷重センサ36(センサユニット34)の検出精度に影響が生じるおそれがある。しかしながら、この身体支持装置10は荷重伝達体39を備えている。したがって、仮に前述のようにケース33が多少、不均一に歪む等しても、その影響を受けることなく、起歪体35のセンサ領域35aを、荷重の大きさに応じて精度良く歪ませることができる。これにより、荷重センサ36による検出精度を確実に向上させることができる。
また、荷重センサ36および荷重伝達体39が、長軸方向Dに並んで配置されている。したがって、例えば、アクチュエータ20が伸縮したとき等に、荷重伝達体39を介して起歪体35のセンサ領域35aに長軸方向Dの荷重を作用させることが可能になり、センサ領域35aを精度良く歪ませることができる。
また、アクチュエータ20が、支持台11の少なくとも一部を移動させる。したがって、例えば、アクチュエータ20が支持台11を移動させたときに、支持台11上の使用者Pからの荷重が、アクチュエータ20、およびアクチュエータ20内の起歪体35(センサユニット34)に作用する。これにより、例えば、荷重センサ36(センサユニット34)が、移動中の支持台11上の使用者Pの荷重を検出することもできる。
また、荷重伝達体39が、起歪体35と一体に形成されているので、荷重伝達体39を設けることによる部品点数の増加を抑えることができる。
さらに、荷重伝達体39が、凹凸部42の凸部を形成していて、荷重伝達体39が配置されていない部分が凹部(空間部40)となっている。したがって、センサ領域35a以外に余分な荷重が伝達されるのを効果的に抑えることが可能になり、荷重センサ36による検出精度をより向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の身体支持装置50を、図8を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る身体支持装置50では、荷重伝達体39が、第2凸部47によって形成されている。第2凸部47は、第1部材26および第2部材27の少なくとも一方に設けられている。本実施形態では、第2凸部47は、第1部材26および第2部材27の両方に設けられている。第2凸部47は、第1部材26または第2部材27から起歪体35に向けて突出している。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の身体支持装置60を、図9を参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る身体支持装置60では、荷重伝達体39が、スペーサ48により形成されている。スペーサ48は、起歪体35や第1部材26、第2部材27とは別部材により形成されていて、一体に形成されていない。スペーサ48は、起歪体35と第1部材26との間、および起歪体35と第2部材27との間のうちの少なくとも一方、本実施形態では両方に配置されている。各スペーサ48は、1つずつ別部材により形成され、例えば、起歪体35の端面に固着されている。
このような身体支持装置60によれば、荷重伝達体39(スペーサ48)が、起歪体35や第1部材26、第2部材27とは別部材により形成されているので、例えば、個々の部材の形状の単純化を図ることが可能になり、個々の部材を簡便に形成し易くすることができる。
(第4実施形態から第7実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態から第7実施形態の身体支持装置80、90、100、110を、図10から図13を参照して説明する。
なお、これらの第4実施形態から第7実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
これらの各実施形態に係る身体支持装置80、90、100、110では、荷重伝達体39(第1凸部46)の周方向の大きさが、長軸方向Dの外側に向かうに従い小さくなっている。
図10に示すように、第4実施形態の身体支持装置80では、荷重伝達体39が、長軸方向Dの外側に向けて突となる半円形状に形成されている。前記半円形状は、周方向に長い楕円形状をなす。
図11に示すように、第5実施形態の身体支持装置90では、荷重伝達体39が、長軸方向Dの外側に向けて突となる等脚台形状に形成されている。前記等脚台形では、長軸方向Dの外側に位置する上底が、長軸方向Dの内側(起歪体35側)に位置する下底よりも周方向に短い。荷重伝達体39の周方向の両側面は、長軸方向Dに対して、互いに反対方向に傾斜する傾斜面となっている。
図12に示すように、第6実施形態の身体支持装置100では、第5実施形態の身体支持装置90に対して、荷重伝達体39の両側面が曲面状に形成されている点で異なっている。
図13に示すように、第7実施形態の身体支持装置110では、荷重伝達体39が、長軸方向Dの外側に向けて突となる三角形状に形成されている。
(第8実施形態および第9実施形態)
次に、本発明に係る第8実施形態および第9実施形態の身体支持装置120、130を、図14および図15を参照して説明する。
なお、これらの第8実施形態および第9実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
これらの各実施形態に係る身体支持装置120、130では、荷重伝達体39(第1凸部46)の周方向の大きさが、長軸方向Dの外側に向かうに従い大きくなっている。
図14に示すように、第8実施形態の身体支持装置120では、荷重伝達体39が、長軸方向Dの内側に向けて突となる等脚台形状に形成されている。前記等脚台形では、長軸方向Dの外側に位置する上底が、長軸方向Dの内側(起歪体35側)に位置する下底よりも周方向に長い。荷重伝達体39の周方向の両側面は、長軸方向Dに対して、互いに反対方向に傾斜する傾斜面となっている。
図15に示すように、第9実施形態の身体支持装置130では、第8実施形態の身体支持装置120に対して、荷重伝達体39の両側面が曲面状に形成されている点で異なっている。
(第10実施形態)
次に、本発明に係る第10実施形態の身体支持装置140を、図16を参照して説明する。
なお、これらの第10実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る身体支持装置140では、荷重伝達体39(第1凸部46)が、全体として長軸方向Dに傾斜して延びている。荷重伝達体39の周方向の両側面は、長軸方向Dに対して同一方向に傾斜して延びる傾斜面である。
(第11実施形態)
次に、本発明に係る第11実施形態の身体支持装置150を、図17および図18を参照して説明する。
なお、これらの第11実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る身体支持装置150では、伝達抵抗部41が、薄肉部43を備えている。薄肉部43は、周方向に隣り合う荷重伝達体39(第1凸部46)を連結している。薄肉部43は、荷重伝達体39に比べて薄肉に形成されている。図示の例では、薄肉部43は、起歪体35の外周面と面一に形成されている。薄肉部43は、空間部40を径方向の外側から閉塞している。伝達抵抗部41が薄肉部43を備えていることにより、伝達抵抗部41では、肉厚の荷重伝達体39に比べて、第1部材26や第2部材27から起歪体35に荷重が伝達され難くなっている。
(第12実施形態および第13実施形態)
次に、本発明に係る第12実施形態および第13実施形態の身体支持装置160、170を、図19および図20を参照して説明する。
なお、これらの第12実施形態および第13実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
これらの各実施形態に係る身体支持装置160、170では、伝達抵抗部41が、連結部44を備えている。連結部44は、周方向に隣り合う荷重伝達体39を連結している。連結部44は、周方向に隣り合う荷重伝達体39のうち、長軸方向Dの外側の端部を連結している。連結部44は、空間部40を長軸方向Dの外側から閉塞している。連結部44は、第1部材26または第2部材27に当接している。
図19に示すように、第12実施形態に係る身体支持装置160では、空間部40が、周方向に長い矩形状に形成されている。
図20に示すように、第13実施形態に係る身体支持装置170では、空間部40が、周方向に長い楕円形状に形成されている。
(第14実施形態)
次に、本発明に係る第14実施形態の身体支持装置70を、図21を参照して説明する。
なお、この第14実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る身体支持装置70は、架台12が、ベースフレーム13および昇降機構15を備えるのに代えて、脚部材71を備えている。本実施形態では、メインフレーム14(支持台11)は、平面視矩形状に形成され、脚部材71は、メインフレーム14の4つの角部それぞれに配置されている。
脚部材71は、センサユニット34と、第1部材26としての脚本体72と、第2部材27としての接地部73と、を備える。脚本体72は、上下方向に延びる柱状に形成されている。脚本体72の上端部は、メインフレーム14に直結されている。接地部73は、脚本体72の下方に配置されている。センサユニット34(起歪体35)は、脚本体72の下端部と接地部73との間に配置されている。起歪体35は、上下方向に延びる筒状に形成されている。
身体支持装置70では、脚本体72は、支持台11からメインフレーム14を介して作用した使用者Pの荷重を起歪体35に伝達する。接地部73は、起歪体35に作用したその荷重を受け止める。起歪体35には、上下方向に沿って荷重が入力される。
4つの脚部材71それぞれの起歪体35(センサユニット34)の上下方向の位置(高さ位置)は、互いに同等とされている。各センサユニット34における荷重センサ36は、共通の演算制御部37に接続されている。演算制御部37は、各荷重センサ36(センサユニット34)の検出結果に基づいて、例えば支持台11上の使用者Pの体重や体動、状態(姿勢)等を推定することができる。
起歪体35(センサユニット34)を4つの脚部材71それぞれに備える構成に代えて、起歪体35を4つの脚部材71のうちの3つの脚部材71に備える構成を採用してもよい。さらに、起歪体35を脚部材71に備える構成に代えて、起歪体35をメインフレーム14と脚部材71との間に配置する構成や、支持台11とメインフレーム14との間に配置する構成を採用してもよい。これらのいずれの構成においても、高さ位置が同等とされた3つ以上の起歪体35を備える構成とすることで、これらの起歪体35に配置された荷重センサ36の検出結果(センサユニット34の検出結果)に基づいて、支持台11上の使用者Pの体重や体動、状態(姿勢)等を精度良く推定することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前記実施形態では、荷重伝達体39が、第1荷重伝達体39aおよび第2荷重伝達体39bの両方を備えるが、荷重伝達体39が、第1荷重伝達体39aまたは第2荷重伝達体39bのみを備えていてもよい。
前記実施形態では、荷重伝達体39が、荷重センサ36と周方向に同等の大きさに形成され、荷重センサ36と周方向に同等の位置に配置されているが、本発明はこれに限られない。例えば、荷重伝達体39が、荷重センサ36よりも周方向に小さくてもよく大きくてもよい。また、荷重伝達体39が、荷重センサ36に対して周方向にずらされて配置されていてもよい。荷重伝達体39の周方向に沿う位置と荷重センサ36の周方向に沿う位置との少なくとも一部が互いに重複した他の形態に適宜変更することが可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
次に、本発明の作用効果を検証するために行った検証試験について説明する。
この検証試験では、比較例および実施例の2つのアクチュエータを準備した。比較例のアクチュエータは、図1から図7に示す身体支持装置10を形成するアクチュエータ20と比べて荷重伝達体39がなく、起歪体35、第1部材26および第2部材27の各端面が直接、突き合わされている。実施例のアクチュエータは、図1から図7に示す身体支持装置10を形成するアクチュエータ20と同様の構成である。
この検証試験では、比較例および実施例のアクチュエータに、0Nから7000Nまで徐々に荷重を増加させながら作用させ、この過程における荷重センサ(センサユニット)の出力を電圧(V)として測定した。さらに、比較例および実施例のアクチュエータに、7000Nから0Nまで徐々に荷重を減少させながら作用させ、この過程における荷重センサの出力を電圧(V)として測定した。さらに、荷重増加時の検出結果および荷重減少時の検出結果それぞれにおいて、センサ出力のリニアリティーを算出した。リニアリティーの絶対値が小さいほど、荷重と出力との間に強い線形性があり、荷重を精度良く測定することができる。
結果を図22から図25に示す。図22および図23は、比較例についての結果を示すグラフであり、図24および図25は、実施例についての結果を示すグラフである。図22は、比較例のアクチュエータについての荷重の大きさと荷重センサの出力との関係を示す。図23は、比較例のアクチュエータについての荷重の大きさとリニアリティーとの関係を示す。図24は、実施例のアクチュエータについての荷重の大きさと荷重センサの出力との関係を示す。図25は、実施例のアクチュエータについての荷重の大きさとリニアリティーとの関係を示す。いずれのグラフにおいても、横軸は荷重の大きさを示し、縦軸は、出力またはリニアリティーを示す。各グラフにおける2本のグラフ線のうち、実線(凡例:Inc)は、荷重増加時の結果であり、破線(凡例:Dec)は、荷重減少時の結果である。
なお、結果の一部の数値について以下に記載する。
比較例では、ゼロバランス(検証試験開始前の0N負荷時の出力)が0.98Vであり、7000N負荷時の出力が3.45Vであり、定格出力(検証試験開始前の0N負荷時の出力と7000N負荷時の出力との差異、スパン)が2.47Vであり、絶対値が最大となるリニアリティーが9.41%である。
実施例では、ゼロバランスが0.99Vであり、7000N負荷時の出力が3.66Vであり、定格出力(スパン)が2.67Vであり、絶対値が最大となるリニアリティーが−1.87%である。
以上より、実施例では、比較例に比べて定格出力が大きく、かつリニアリティーの絶対値が小さくなることが確認された。なお、定格出力が大きいと、例えば使用者が離床したときの電圧降下幅が大きくなるため、離床の検出の精度(分解能)を向上させることができる。リニアリティーの絶対値が小さいと、前述のように荷重を精度良く測定することが可能になり、例えば、離床の検出の誤報を抑制することができる。
10、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170 身体支持装置
11 支持台
20 アクチュエータ
26 第1部材
27 第2部材
35 起歪体
36 荷重センサ
39 荷重伝達体
46 第1凸部
47 第2凸部
48 スペーサ
P 使用者

Claims (5)

  1. 起歪体と、
    前記起歪体に配置された荷重センサと、
    前記起歪体を挟む第1部材および第2部材と、を備え、
    前記起歪体には、前記第1部材または前記第2部材に向けて突出する第1凸部が設けられている身体支持装置。
  2. 起歪体と、
    前記起歪体に配置された荷重センサと、
    前記起歪体を挟む第1部材および第2部材と、を備え、
    前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方には、前記起歪体に向けて突出する第2凸部が設けられている身体支持装置。
  3. 起歪体と、
    前記起歪体に配置された荷重センサと、
    前記起歪体を挟む第1部材および第2部材と、
    前記起歪体と前記第1部材との間、および前記起歪体と前記第2部材との間のうちの少なくとも一方に配置されたスペーサと、を備える身体支持装置。
  4. 起歪体と、
    前記起歪体に配置された荷重センサと、
    前記起歪体を挟む第1部材および第2部材と、
    前記第1部材または前記第2部材から前記起歪体に荷重が作用するときに、前記起歪体において前記荷重センサが配置された領域に、他の領域よりも集中して荷重を作用させる荷重伝達体と、を備える身体支持装置。
  5. 前記起歪体および前記荷重センサが内蔵されたアクチュエータを更に備える請求項1から4のいずれか1項に記載の身体支持装置。
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