JP2007315169A - 断熱防水の改修工法及び改修構造 - Google Patents

断熱防水の改修工法及び改修構造 Download PDF

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Abstract

【課題】建築物などにおいて屋上に施された防水層の劣化に伴い改修工事を行う場合に、既設の防水層、断熱層を除去することなくそのまま上から敷設することができる断熱防水の改修方法又は構造を提供する。
【解決手段】防水シートが下地に断熱層を介して敷設されている既設防水構造物における断熱防水の改修工法において、既設防水シート2及び既設断熱層3を敷設した部分に調整板6を配置して、その上に固定プレート4を配置して、その上から新設防水シート1を敷設して固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は建築物の屋上などに断熱材を介在して防水シートを敷設した防水構造物において、既設防水シートの劣化にともなって新規な防水シートを敷設しようとする際に適用する防水改修方法であり、詳しくは断熱材のへたり(永久歪)による固定強度の低下や防水シートや固定プレートの損傷等の問題を防止し、また、既設防水層の改修作業を短い期間で容易に行うことができ、改修による廃棄物の発生を少ないものとすることができる改修方法及び改修構造に関する。
建築物の屋上などにおいて、コンクリートの下地に防水を施す工法として、ゴムやポリウレタン、その他の樹脂などエラストマー材料からなる防水シートの全面を下地の表面に接着剤で貼り付けることによって防水性を確保する密着工法がある。また、防水性能のみならず断熱性を付与するために下地と防水シートとの間に発泡シート等からなる断熱層を介在させる断熱防水工法もある(特許文献1)。
下地に防水シートの全面を接着剤で貼り付けるようにした防水構造物にあって、防水シートとして耐候性などの物性に優れた材料で形成したものを用い、長期に亘って防水性能が維持されるようにしてあるが、長年風雨に曝されると共に太陽の紫外線などを浴びつづけることによって、防水シートが劣化していくことは避けることができず、最終的には改修することが必要になる。
このような防水構造物を改修する場合には、下地に貼り付けられている既設の防水シートは自身が劣化しているのみならず、この既設の防水シートと下地との接着力も低下しているおそれもあるので、既設の防水シートの全面を下地から剥がし取り、下地の表面を清掃等して整備した後、下地の表面の全面に接着剤を塗布し、新規の防水シートを下地の全面に貼り直すという方法が一般的である。
しかし、このように既設の防水シートを全面に亘って剥がす場合、防水面積が膨大に広いような構造物においては、防水シートを剥がす作業に多大の労力と時間を要し、改修工事が数日に亘ったりすることになる。このように改修工事に日数がかかると、その期間中に降雨がある可能性があり、下地に防水性がないと雨漏りが発生するおそれがあるという問題を生じるものであった。また剥がした既設の防水シートは産業廃棄物として処分しなければならないが、既設の防水シートを全面に亘って剥がすと廃棄処分量が多くなって、環境面からも問題を生じるものであった。
既設防水シートの除去は行わないもしくは部分的に行って、既設防水シートの上から新規な防水シートを敷設することで既設防水シートの除去作業が省略されるとともに廃棄物の発生も低減することができる。例えば特許文献2には既設防水シートの除去を部分的に行ってからその上に新規防水シートを敷設することが開示されている。新規防水シートの固定は新たな固着具を用いて下地に固定している。
また、特許文献3においては、下地に接着剤でシートを密着固定した防水構造物の改修方法として、既設防水シートを部分的に剥がし露出した下地と残った既設防水シートに接着剤を用いて密着固定する方法が開示されている。
特開平10−61207号公報 特開2002−364125号公報
特許文献1の方法では、確かに既設防水シートを除去する手間が軽減され廃棄物の量も少なくすることができ、既設防水シートからの影響も絶縁シートで遮断することができる。しかし、既設防水シートを部分的とはいえ除去するので手間が全くないということはできない。また、既設防水シートが下地に対して全面を接着剤で貼り付ける密着工法である場合には、既設防水シートの除去は困難である。
また、特許文献2の方法では、密着工法にて敷設接着された防水シートの場合にも改修を行うことができるが、やはり、既設防水シートの除去作業に手数がかかるという問題がある。しかし、既設防水シートの強度は長期間使用する間に低下しており、困難であっても部分的に既設防水シートを剥して新設防水シートを直接下地に接着する部分を確保する必要がある。それらの問題を解消するためには新規防水シートを接着ではなく機械的固定方法で下地に固定することになる。
ところが、断熱層を介在させた断熱防水の場合、既設の断熱層をそのまま生かして新しく防水シートを敷設する場合、新規防水シートは機械的固定をすることで下地に直接固定することができるが、固定プレートを断熱層の上に配置すると、後に歩行等によって断熱層がへたってしまうことがある。固定プレートをアンカー固定した後に断熱層がへたってしまうと、固定プレートにぐらつきが生じてアンカー部材の頭が飛び出した状態になってしまう。そうすると防水シートを損傷したり、風負圧でシートがばたついたときにアンカー部材に大きな垂直、偏心、せん断荷重がかかって破損したりする問題がある。
そこで本発明では下地に断熱層を介して防水シートを敷設した断熱防水構造物において、既設防水シートは残したままその上から新規防水シートを敷設する改修に用いられる防水シートであって、且つ、固定プレートやアンカー部材が断熱層のへたりの影響を受けることない断熱防水の改修工法及び改修構造の提供を課題とする。
上記のような課題を解決するために本発明の請求項1では、防水シートが下地に断熱層を介して敷設されている既設防水構造物における断熱防水の改修工法において、既設防水シート及び既設断熱層を敷設しているところに調整板を設置して、その上から固定プレートを配置し、固定ディスクと調整板を貫通してアンカー部材を下地に差し込んで固定し、その上から新設防水シートを敷設して既設防水シートに固定することを特徴とする。
請求項2では、既設防水シート及び既設断熱層の上に調整板を配置して、更にその上から固定プレートを配置し、調整板により既設断熱層のへたりに起因する固定プレートによる新設防水シートの固定力の緩みを防止してなる断熱防水の改修工法としている。
請求項3では、調整板の面積が50〜500cmで厚みが0.5〜2.0mmである請求項2記載の断熱防水の改修工法としている。
請求項4では、既設防水シート及び既設断熱層を部分的に撤去し、撤去してできた凹所に、既設断熱層と高さ調整するための調整板を配置し、その上から固定プレートを配置してなる請求項1記載の断熱防水の改修工法としている。
請求項5では、調整板が断熱機能を有する素材からなる請求項4記載の断熱防水の改修工法としている。
請求項6では、新規防水シートと既設防水シートの間に絶縁シートを介在してなる請求項4〜5記載の断熱防水の改修工法としている。
請求項7では、調整板の曲げ強さが10〜60N/cmである請求項1〜6記載の断熱防水の改修工法としている。
請求項8では、防水シートが下地に断熱層を介して敷設されている既設防水構造物における断熱防水の改修構造において、既設防水シート及び既設断熱層を敷設しているところに調整板を設置して、その上から固定プレートを配置し、固定ディスクと調整板を貫通してアンカー部材を下地に差し込んで固定し、その上から新設防水シートを敷設して既設防水シートに固定することを特徴とする。
請求項9では、既設防水シート及び既設断熱層の上に調整板を配置して、更にその上から固定プレートを配置し、調整板により既設断熱層のへたりに起因する固定プレートによる新設防水シートの固定力の緩みを防止してなる請求項8記載の断熱防水の改修構造としている。
請求項10では、調整板の面積が50〜500cmで厚みが0.5〜2.0mmである請求項9記載の断熱防水の改修構造としている。
請求項11では、既設防水シート及び既設断熱層を部分的に撤去し、撤去してできた凹所に、既設断熱層と高さ調整するための調整板を配置し、その上から固定プレートを配置してなる請求項8記載の断熱防水の改修構造としている。
請求項12では、調整板が断熱機能を有する素材からなる請求項11記載の断熱防水の改修構造としている。
請求項13では、新規防水シートと既設防水シートの間に絶縁シートを介在してなる請求項11〜12記載の断熱防水の改修構造としている。
請求項14では、調整板の曲げ強さが10〜60N/cmである請求項8〜13記載の断熱防水の改修構造としている。
請求項1および請求項8によると、防水シートを固定する固定プレートをアンカー部材で打ち込む箇所には調整板を配置しており、その上から固定プレートで押えているので、固定プレートのぐらつきの発生を防止することができ、防水シートの固定力を長期に維持することができる。また、アンカー部材が折れる等の破損が発生することもなく、またアンカー部材の突出による防水シートの損傷も防止することができる。
請求項2および9では、既設の防水シート及び断熱層の上に、調整板を配置してその上から固定プレートを配置しているので、アンカー部材で固定プレートを押えても調整板によって断熱層のへたりを抑えることができ、へたりに起因する防水シートの固定力が低下したり、アンカー部材が突出して防水シートを破損させるといった問題を防止することができる。
請求項3および10では、調整板の面積および厚みを所定の範囲としていることから、断熱層に対する圧力の分散を十分に行うことができて、断熱層のへたりをより確実に防止することができると共に、調整板の変形で防水シートの固定力に緩みが発生するといった問題も抑制できる。
請求項4および請求項11によると防水シートを固定する固定プレートをアンカー部材で打ち込む箇所は部分的に断熱層を除去して代わりに調整板を配置して断熱層と高さを合わせた上で、打ち込んでいるので、断熱層のへたりによる固定プレートのぐらつきが起こらず、アンカー部材が折れる等の破損が発生することもなく、またアンカー部材の突出による防水シートの損傷も防止することができる。
請求項5および請求項12では、調整板が断熱層からなっており、断熱防水構造物として断熱効率をより高めることができるものである。
請求項6および請求項13では新規防水シートと既設防水シートとの間に絶縁シートを介在させており、既設防水シートからブリードした配合剤などが新規防水シートに移行することによる新規防水シートの劣化等の問題を防止することができる。
請求項7および請求項14では、調整板の曲げ強さを所定の範囲としており、荷重がかかってもへたりを生じることがなく、且つ曲げ強さが高すぎることにより容易に破損してしまうことがない。
図1は本発明のシート防水改修方法を施工したところの要部側面図である。本発明で言う防水構造物の改修とは、ビルや駐車場などの建築物の下地にゴムや樹脂などのエラストマー材料からなる防水シートを敷設したところが、経年によって劣化したところに、新規の防水シートを敷設して防水工事をやり直すことを言う。
既設防水シート2は長年にわたって使用されたものであることから、防水シート自身が劣化しているとともに、防水シートの下地への固定力も十分でないという状況が考えられ、その上から新規防水シート1を敷設して固定しても、既設防水シート2とともに剥がれてしまうことになる。よって新規防水シート1は下地へ直接固定する必要がある。
本発明においては下地と既設防水シート2の間に断熱層3を介在させた断熱防水における改修を行うものであり、既設防水シート2の下には断熱層3が配置されている。その断熱層3の上から新規防水シート1の固定のために固定プレート4を配置してアンカー部材5で打ち込み固定した場合、発泡材等からなる断熱層3は徐々にへたり(永久歪)を生じて厚みが減少してくることからアンカー固定したはずの固定プレート4にぐらつきを生じることになる。
そこで、本発明では新規防水シート1を固定するための固定プレート4を配置する箇所において既設の断熱層3の上に円形や矩形などで面積が50〜500cm程度で厚みが0.5〜2.0mm程度の調整板6を設置し、その上から固定プレート4を配置して調整板6と固定プレート4アンカー部材5にて下地Sに打ち込み固定している。このような構造を採ることによって、アンカー部材5で固定プレート4を打ち込むことによって既設の防水シート2にかかる面圧が調整板6の面積で分散されることになり、既設防水シート2の下にある既設の断熱層3が圧縮されてへたり(永久歪)となってしまい固定プレート4の固定力がゆるんでしまったり、アンカー部材5の頭が固定プレート4から突出して新規の防水シート1を破損してしまうといった問題も解消することができる。
調整板6の面積が50cm未満であると、面圧の分散が不足して断熱層3の圧縮量が大きくなってしまい、500cmを超えると広すぎて作業性が悪くなるので好ましくない。また、厚みが0.5mm未満であると剛性不足で変形しやすく、十分な面圧を分散させる効果を得ることができず、2.0mmを超えると防水シート1表面の段差が大きくなって外観上も好ましくない。
図2に示すのは本発明の別の例であり、図2の例においては、新規防水シート1を固定するための固定プレート4を配置する箇所において既設の断熱層3を部分的に除去し、除去してできた凹所に断熱層3と同等の高さに調整するための調整板6を設置し、その上に固定プレート4を配置してアンカー部材5にて下地に打ち込み固定している。このような構成を採ることによって、従来へたり(永久歪)が生じていた既設断熱層3に変えて、固定プレート4を介してアンカー部材で圧縮される部分には下地の上に調整板6だけになり、調整板6にへたりにくい材料を用いておけばアンカー部材による固定力が緩んでしまい固定プレート4やアンカー部材5の折損や固定プレート4上にアンカー部材5が突出したり、新規防水シート1の破損につながるような問題を防止することができる。
図2の例で用いられる調整板6としてはある程度の荷重がかかってもへたってしまうことなく、耐久性に優れている材質であることが好ましい。また、既設の断熱層3を除去して代わりに設置するものであり、断熱性を有していれば更に好ましい。よって、具体的な素材としては、ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム、珪酸カルシウム板、ロックウール保温板、複合パネル等を挙げることができ、これらの中でも断熱性を有するポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームがもっとも好ましい。
また、図1の例および図2の例も含めて調整板6の曲げ強さとしては10〜60N/cmの物を用いることが好ましく。曲げ強さが10N/cm未満であると大きな荷重がかかったときにやはりへたりを生じてしまうことから好ましくなく、逆に60N/cmを超えるものであると、へたりを生じることはないが、密度が大きくなり、断熱性能が劣るので好ましくない。ここでいう曲げ強さはJIS K 7221「硬質発泡プラスチックの曲げ試験方法」にて測定されるものである。
本発明の改修方法を、手順を追って説明する。まず、図1に示す例の場合は、既設の防水シート2およびその下にある断熱層3の上の所定箇所に調整板6を設置して更に上から固定プレート4を配置し、アンカー部材5を打ち込んで固定プレート4を下地Sに固定する。
次に、改修の対象となる既設の防水シート2およびその下の断熱層3において、新規防水シート1を固定するための固定プレート4を配置する箇所を除去する。除去方法は防水シート2と断熱層3を別々に取り除いてもよいし、一度に両方に切れ目を入れて同時に取り除いても構わない。そうしてできた凹所に調整板6を置いて既設の断熱層3との高さを合わせるようにする。次いで調整板6の上に固定プレート4を配置してアンカー部材5にて下地に打ち込み固定する。
次いで、図1および図2のいずれの例であっても、固定プレート4の表面には融着層を被覆しており、その上から新規防水シート1を重ね合わせ、図3に示すように新規防水シート1の上から電磁誘導加熱機Dで固定プレート4を加熱することで表面の融着層を融かして新規防水シート1と熱融着する。敷設した新規防水シート1の全域にて同様に所定の数の固定プレート4を配置し防水シート1と融着することによって新規防水シート1の敷設固定が完了する。
本発明に用いることができる既設および新規防水シート2、1とは、通常シート防水用途に用いられる防水シートであれば何でもよく、特に材質を限定するものではないがエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、ブチルゴム、イソプレン・イソブチレン共重合体(IIR)等やそれらのブレンド物等のゴム、ポリウレタンやポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどからなるシートが挙げられ、それらの中では耐候性に優れるとともに良好なゴム弾性を有するEPDMが好ましい。また、その厚みは0.8〜2.5mmの範囲のものを用いることが好ましい。また、その幅は1〜2m程度のものが通常用いられる。厚みが0.8mm未満であると強度が不足して防水シートが容易に破断することがあり、2.5mmをこえると接合部において段差が大きくなってしまい外観を悪くすることにもなるので好ましくない。また、これらのゴムにガラス繊維やポリエステル繊維などからなる補強布を埋設して機械的強度や寸法安定性を改善したものを用いることもできる。
既設の断熱層3としては、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等の素材を挙げることができ、通常、10〜50mm程度の厚みの断熱材を用いることができる。
本発明では既設防水シート2を剥がすことなくその上から新設防水シート1を敷設するが、このように既設防水シート2を除去することなく、その上から新規防水シート1を敷設する場合、既設防水シート2からの化学成分、例えばアスファルトシートであればタール分で塩化ビニルシートであれば可塑剤などの成分が新設防水シート1側へ移行して劣化させるという問題がある。
そこで、図4に示すように新設防水シート1の下面(既設防水シートと接する側)に熱可塑性樹脂フィルム等からなる絶縁シート7を積層一体化したものを用いることができる。そうすることによって、既設防水シート2からの化学成分が新設防水シート1側へ移行するのを遮断することができ新設防水シート1を保護することができる。
積層一体化する絶縁シート7は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、エチレンメチルアクリレート、エチレンメチルアクリレートなどやオレフィン樹脂やそれらを変成した塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、マレイン化エチレンビニルアセテートなどの変成オレフィン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどを用いることができ、通常50〜500μm厚み、より好ましくは150〜250μmのシートを積層する。厚みが50μm未満であるとシート表面のパターンに絶縁シート7が沿わないなどの原因により熱融着による強度が低くなり、500μmを超えると防水シート2との熱収縮率の差により新設防水シート1におおきなソリが発生すること、また新設防水シート1のしなやかさが失われて下地に沿いにくくなったり施工性が悪くなったりすることから好ましくない。
この新設防水シート1と絶縁シート7を積層一体化する方法としては、熱融着によるものや接着剤によるものが考えられるが、熱融着にて行うことによって強固に積層一体化することができる。具体的には新設防水シート1と絶縁シート7を重ね合わせてヒートロールなどにより加熱・加圧することによって熱融着で積層一体化することができる。また、新設防水シート1を加硫して間もない加熱された状態にて、絶縁シート7を積層して新設防水シート1を加硫するときの熱を利用して融着する方法である。
具体的には、図5に示すような装置を用い、押出機(図示しない)から押出された未加硫ゴムシートをエンドレスベルト21に載せられて導入ロール22から所定温度(150〜200℃)に設定された加硫缶23内に送り込まれて加硫され、導出ロール24から加硫缶23外へ送り出されて複数個のガイドロールを経由して圧接ロール26で絶縁シート7が積層一体化され、テンションロール28を経て巻取りロール29に巻き取られる。
このとき、加硫缶23から送り出されたばかりの加硫ゴム製の新設防水シート1は表面が130〜150℃になっており、熱可塑性シートを容易に融着することができる。
新規防水シート1の下地への固定を確実にするために固定プレート4は所定間隔をもって配置する。配置する固定プレート4を数は、下地Sの状態にもより、特に決まった数があるわけではないが、風などの影響で浮き上がったりしないように十分に下地Sに固定される必要があり、通常1〜4個/m2程度の範囲で均等に配置する。
また、本発明の固定プレート4はステンレス、亜鉛メッキ鋼板、ガルバニウム鋼板、溶融アルミニウムメッキ鋼板、冷間圧延ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板などの金属やその他の無機素材、繊維強化樹脂などからなる径がφ60〜100mm程度の円形または正方形、矩形などの形状からなる。
固定プレート4の厚みは使用する金属の種類によっても夫々異なるが、通常0.4〜2.0mm程度のものが用いられる。0.4mm未満であると剛性が低く、また2.0mmを超えると加工性が乏しくなる上に、重量が大きくなって好ましくない。特にステンレス鋼を用いる場合は0.5〜1.0mmの厚さがもっとも好ましい。ステンレス鋼であればこの範囲で剛性も十分に得られ、また、金切りはさみで簡単に切断加工することができ、施工時の加工も容易である。
また、既設および新規防水シート2、1と下地Sをまたは既設防水シート2と新規防水シート1を接着させるために用いる接着剤としては、クロロプレンゴムやブチルゴムやその他の添加剤を溶剤や水に溶かした接着剤を用いることができる。
本発明は建築物などにおいて屋上に施された防水層の劣化に伴い改修工事を行う場合に、既設の防水層、断熱層を除去することなくそのまま上から敷設することができる断熱防水の改修方法又は構造として用いることができる。
本発明の新設防水シートを敷設したところの断面図である。 本発明の別の例を示す新設防水シートを敷設したところの断面図である。 電磁誘導加熱機で加熱している様子を示す断面図である。 熱可塑性樹脂フィルムを下面に積層した新設防水シートの断面図である。 防水シートの加硫工程において熱可塑性シートを圧着しているところの概要説明図である。
符号の説明
1 新設防水シート
2 既設防水シート
3 断熱層
4 固定プレート
5 アンカー部材
6 調整板
7 絶縁シート
S 下地

Claims (14)

  1. 防水シートが下地に断熱層を介して敷設されている既設防水構造物における断熱防水の改修工法において、既設防水シート及び既設断熱層を敷設しているところに調整板を設置して、その上から固定プレートを配置し、固定ディスクと調整板を貫通してアンカー部材を下地に差し込んで固定し、その上から新設防水シートを敷設して既設防水シートに固定することを特徴とする断熱防水の改修工法。
  2. 既設防水シート及び既設断熱層の上に調整板を配置して、更にその上から固定プレートを配置し、調整板により既設断熱層のへたりに起因する固定プレートによる新設防水シートの固定力の緩みを防止してなる請求項1記載の断熱防水の改修工法。
  3. 調整板の面積が50〜500cmで厚みが0.5〜2.0mmである請求項2記載の断熱防水の改修工法。
  4. 既設防水シート及び既設断熱層を部分的に撤去し、撤去してできた凹所に、既設断熱層と高さ調整するための調整板を配置し、その上から固定プレートを配置してなる請求項1記載の断熱防水の改修工法。
  5. 調整板が断熱機能を有する素材からなる請求項4記載の断熱防水の改修工法。
  6. 新規防水シートと既設防水シートの間に絶縁シートを介在してなる請求項4〜5記載の断熱防水の改修工法。
  7. 調整板の曲げ強さが10〜60N/cmである請求項1〜6記載の断熱防水の改修工法。
  8. 防水シートが下地に断熱層を介して敷設されている既設防水構造物における断熱防水の改修構造において、既設防水シート及び既設断熱層を敷設しているところに調整板を設置して、その上から固定プレートを配置し、固定ディスクと調整板を貫通してアンカー部材を下地に差し込んで固定し、その上から新設防水シートを敷設して既設防水シートに固定することを特徴とする断熱防水の改修構造。
  9. 既設防水シート及び既設断熱層の上に調整板を配置して、更にその上から固定プレートを配置し、調整板により既設断熱層のへたりに起因する固定プレートによる新設防水シートの固定力の緩みを防止してなる請求項8記載の断熱防水の改修構造。
  10. 調整板の面積が50〜500cmで厚みが0.5〜2.0mmである請求項9記載の断熱防水の改修構造。
  11. 既設防水シート及び既設断熱層を部分的に撤去し、撤去してできた凹所に、既設断熱層と高さ調整するための調整板を配置し、その上から固定プレートを配置してなる請求項8記載の断熱防水の改修構造。
  12. 調整板が断熱機能を有する素材からなる請求項11記載の断熱防水の改修構造。
  13. 新規防水シートと既設防水シートの間に絶縁シートを介在してなる請求項11〜12記載の断熱防水の改修構造。
  14. 調整板の曲げ強さが10〜60N/cmである請求項8〜13記載の断熱防水の改修構造。
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