JP2007313527A - 条鋼の圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】線材、棒鋼などの条鋼のサイジングミルにおける圧延過程で、圧延材の捩れを抑制し、寸法精度の向上を可能とする圧延方法を提供することである。
【解決手段】少なくとも2台のロールスタンドを有する2方ロール方式のサイジングミルでの圧延過程で、このサイジングミル出側で測定した圧延材4の断面形状4aに、サイジングミル最終ロールスタンドの上下のロール孔型G1、G2の形状をそれぞれフィッティングして上下のロール孔型G1、G2と圧延材4との接触位置T1、T2を求めて上下のロール孔型の軸心位置を決定することにより、上下ロール孔型の軸方向のズレ量(δ1)を求めるようにしたのである。それにより、精度よく、かつ簡便に上下ロール孔型のロール軸方向のズレ量を求めて最終ロールスタンドのロールをスラスト調整することができ、圧延材の倒れや孔型出側での捩れを抑制することができ、寸法精度の向上が可能となる。
【選択図】図2

Description

この発明は、線材、棒鋼など条鋼の熱間仕上げで使用されるサイジングミルで、圧延材の捻じれを抑制して寸法精度を向上させる圧延方法に関する。
近年、線材・棒鋼の熱間圧延では、製品の寸法精度(仕上げ線径の寸法精度)を向上させるために、ブロックミルなどの仕上げ圧延機の後段に(サイジングミルが設置され、最終仕上げ圧延(精密圧延)が行なわれてきている。例えば、2方ロール方式のサイジングミルでは、通常、圧延機が、ロール軸を交互に90度傾けて4台配置されて共通駆動され、各圧延機のロール回転数を増速機により変更可能なブロックミル構造となっている。そして、前段の2パス(2台の圧延機)では、断面減少率(減面率)が10〜20%の通常圧延並の比較的高い減面率の圧延が行なわれ、後段の2パスでは、断面減少率が数%程度の低減面率の圧延が行なわれる。このサイジングミルでは、とくに、後段側の圧延機(ロール)間の距離が短く設計されているため、調整が難しいことから、後段側の圧延機の入側には、通常、圧延材を案内・保持するローラーガイドは設置されず、圧延材を案内するフリクションガイドが設置されている。このフリクションガイドは、圧延機入側で圧延材を走行保持する機能を有しないため、当該圧延機または/および1台前圧延機のロール軸のずれなどによって圧延材に捩れが発生すると、圧延される際に、ロール孔型内で倒れが発生したり、圧延機(ロール孔型)出側でガイド類と接触するなどして、寸法精度の低下や表面疵の発生を引き起こす原因となる。また、倒れの発生にまで至らなくても、ロール軸のずれ自体によっても寸法精度が低下する。
上述のような圧延材の捻じれを防止するために、例えば、特許文献1では、圧延機の下流側に被圧延材料のプロフィール測定装置を配置し、圧延材の外形寸法のズレやネジレを測定し、基準プロフィールと比較して寸法不良やネジレに対する調節値を算出して、最下流側の圧延機または圧延機毎に圧延ロールのスラスト方向の位置を調節して寸法不良やネジレを是正する圧延方法が開示されている。一方、非特許文献1には、ロールの軸方向の調整は上下ロールの孔型を揃えるために行なうのが原則であるが、圧延材を90°あるいは45°ねじる必要のあるときには軸方向の調整で上下孔型の中心を若干ずらすことにより圧延材自身にねじりモーメントを与える場合があることが記載されている。
特開2004−17131号公報 鉄鋼便覧(第3版(1980)、第3巻(2)、第873頁
しかし、非特許文献1に記載されているように、一般に、圧延材の捻じれを、圧延ロールの軸方向の調整により制御することは周知であり、特許文献1に開示された圧延方法は、汎用されているプロフィール測定手段を用いてロールのスラスト調整を単に自動化する圧延方法が開示されているに過ぎない。また、プロフィ−ル測定手段による圧延材の形状(プロフィール)は、一般に、非対称形状であり、そのズレからロールのスラスト調節値をどのように算出するのかも具体的に記載されていない。
そこで、この発明の課題は、線材、棒鋼などの条鋼の仕上げ圧延機の下流側に設置されたサイジングミルでの圧延過程を対象として、圧延材の断面形状(プロフィール)から上下ロール孔型のズレを精度よく求めて、ロール軸方向の調整を行なうことにより、圧延材の捩れを抑制し、かつ、寸法精度の向上を可能とする圧延方法を提供することである。
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
即ち、請求項1に係る条鋼の圧延方法は、仕上げ圧延機の後段側に設置され、少なくとも2台のロールスタンドを有する2方ロール方式のサイジングミルで圧延材を仕上げ圧延する条鋼のサイジング圧延方法であって、前記サイジングミル出側の圧延材の形状を測定し、この測定した形状に、前記サイジングミルの最終ロールスタンドの上下のロール孔型形状をそれぞれフィッティングして上下のロール孔型と圧延材との接触位置を求めることにより、上下のロール孔型の軸心位置をそれぞれ決定して上下ロール孔型の軸方向のズレ量(δ1)を求め、このズレ量(δ1)が予め規定したズレ量(δa)よりも大きい場合に、ズレ量(δ1)が前記規定したズレ量(δa)以下になるように、最終ロールスタンドのロールをスラスト調整するようにしたことを特徴とする。
このように、計測した圧延材の断面形状(プロフィール)にロール孔型形状をフィッティングさせてロール孔型と圧延材との接触位置を求めることにより、外形寸法のみによるよりも、精度よく、かつ簡便に上下ロール孔型のロール軸方向のズレ量を求めることができ、最終ロールスタンド(F)の孔型での圧延材の倒れや孔型出側での捩れを抑制することができる。
請求項2に係る条鋼の圧延方法は、仕上げ圧延機の後段側に設置され、少なくとも2台のロールスタンドを有する2方ロール方式のサイジングミルで圧延材を仕上げ圧延する条鋼のサイジング圧延方法であって、前記サイジングミル出側の圧延材の形状を測定し、この測定した外形寸法に、前記サイジングミルの最終ロールスタンドの上下のロール孔型形状をそれぞれフィッティングして上下のロール孔型と圧延材との接触位置を求めることにより、上下のロール孔型の軸心位置をそれぞれ決定して上下ロール孔型の軸方向のズレ量(δ1)を求め、このズレ量(δ1)が予め規定したズレ量(δa)以下の場合、前記上下ロール孔型の軸心位置のロール軸方向の中央軸(Y軸)と、この中央軸(Y軸)上での上下ロール孔型間の中心点を、孔型中心(原点)とし、前記ロール孔型と圧延材の接触位置での前記中央軸(Y軸)からのX軸方向の距離が最大となる圧延材の外周位置のX座標と、前記X軸方向の距離が最小となる圧延材の外周位置のX座標との差を距離δ2とし、この距離δ2が、予め規定した距離(δb)よりも大きい場合、前記距離δ2が規定した距離(δb)以下になるように、最終ロールスタンドの1台前ロールスタンドのロールのスラスト調整を行うようにしたことを特徴とする。
このように、最終ロールスタンドの上下ロール孔型の軸方向のズレ量が規定値(δa)以下にある状態で、上記距離δ2の大きさを測定することにより、最終ロールスタンド1台前のロール孔型のロール軸方向のズレ量を求めることができ、前記距離δ2を規定値(δb)以下になるように、最終ロールスタンド1台前のロールのスラスト調整を行なうことにより、最終ロールスタンドのロール孔型に噛みこむ圧延材の捩れを抑制することができる。
請求項3に係る条鋼の圧延方法は、仕上げ圧延機の後段側に設置され、少なくとも2台のロールスタンドを有する2方ロール方式のサイジングミルで圧延材を仕上げ圧延する条鋼のサイジング圧延方法であって、前記サイジングミル出側の圧延材の形状を測定し、この測定した外形寸法に、前記サイジングミルの最終ロールスタンドの上下のロール孔型形状をそれぞれフィッティングして上下のロール孔型と圧延材との接触位置を求めることにより、上下のロール孔型の軸心位置をそれぞれ決定して上下ロール孔型の軸方向のズレ量(δ1)を求め、このズレ量(δ1)が予め規定したズレ量(δa)以下の場合、前記上下ロール孔型の軸心位置のロール軸方向の中央軸(Y軸)と、この中央軸(Y軸)上での上下ロール孔型間の中心点を、孔型中心(原点)とし、前記ロール孔型と圧延材の接触位置での前記中央軸(Y軸)からのX軸方向の距離が最大となる圧延材の外周位置のX座標と、前記X軸方向の距離が最小となる圧延材の外周位置のX座標との差を距離δ2とし、この距離δ2が、予め規定した距離(δb)以下の場合に、計測した前記圧延材の圧下方向の寸法Hおよび幅方向の寸法Wに基づいて最終ロールスタンドのロール隙または/およびその上流側のロールスタンドのロール隙を調整するようにしたことを特徴とする。
このように、最終ロールスタンドのロール孔型のロール軸方向のズレ量、および前記距離δ2を介して最終ロールスタンド1台前のロール孔型の軸方向のズレ量を予め定めた規定値以下の捩れの影響を受けない状態での、圧延材の圧下方向の寸法および幅方向の寸法Wに基づいた上記ロール隙調整により、圧延材の寸法精度を効率よく向上させることができる。
請求項4に係る条鋼の圧延方法は、請求項1に記載の最終ロールスタンドのロールをスラスト調整した後、および/または請求項2に記載の最終ロールスタンドの1スタンド前のロールをスラスト調整した後、サイジングミルの出側で計測した圧延材の圧下方向の寸法Hおよび幅方向の寸法Wに基づいて最終ロールスタンドのロール隙または/およびその上流側のロールスタンドのロール隙を調整するようにしたことを特徴とする。
このように、まず、最終ロールスタンドおよび/または最終ロールスタンド(F)1台前のロールのスラスト調整をした後に、圧延材の圧下方向および幅方向の寸法に基づいてロール隙調整を行なうことにより、効率よく精度よい寸法制御を行なうことができる。
この発明では、サイジングミル出側で計測した圧延材の断面形状(プロフィール)にロール孔型形状をフィッティングさせてロール孔型と圧延材の接触位置を求めることにより、上下ロール孔型のロール軸方向のズレ量を求めるようにしたので、ロールのスラスト調整を精度よく行なうことができる。また、最終ロールスタンドおよび/または最終1台前の上下ロール孔型のロール軸方向のズレ量を調整してから、計測した圧延材の圧下方向の寸法および幅方向の寸法に基づいてロール隙調整を行なうようにしたので、圧延材の捩れの影響を受けずに寸法調整を行なうことができ、寸法精度を向上させることが可能となる。
以下に、この発明の実施形態を、実施例を交えて、添付の図1から図4に基づいて説明する。
図1は、線材および棒鋼(バーインコイル)圧延ラインの仕上げ圧延機(図示省略)の圧延方向下流側に最終仕上げ圧延機として設置されているサイジングミル1を模式的に示したものである。このサイジングミル1は、それぞれ2方ロール2a〜2dからなるロールスタンド(F−3)、(F−2)、(F−1)、Fが、通常、水平方向から45°の角度で、交互に90°ロール軸を傾けて配置され、これらのロールスタンド(F−3)、(F−2)、(F−1)、Fの2方ロール2a〜2dは、それぞれに設けた増速機(図示省略)を介して電動機Mで共通駆動されている。そして、サイジングミル1の出側に、圧延材の全周形状、すなわち断面形状(プロフィール)を測定するための形状測定器3が配置されている。この形状測定器3としては、例えば、本出願人が開示した光学的形状測定装置(特開2001−255125号公報参照)を用いることができる。
前記サイジングミル1では、通常、前段側圧延機のロールスタンド(F−3)、(F−2)で、仕上げ圧延機(図示省略)と同様に10%以上の通常の減面率で圧延が行なわれ、後段側第1圧延機であるロールスタンド(F−1)、同最終圧延機であるFでは数%以下の低減面率で圧延が行なわれ、目標寸法公差を満足する製品寸法に仕上げられる。
図2(a)は、前記サイジングミル1の最終ロールスタンド(F)の出側の圧延材4の断面形状(プロフィ−ル)4aを、形状測定器3で測定した結果の一例を模式的に示したものである。サイジングミル1では、前述のように、それぞれ2方ロール2a〜2dからなるロールスタンド(F−3)、(F−2)、(F−1)、Fが、通常、水平方向から45°の角度で、交互に90°ロール軸を傾けて配置されているため、図2(a)に示した断面形状4aは、計測形状を45°回転させ、水平ロールスタンドからでてきたように表示されている。この圧延材4の断面形状4aは垂直軸に関して非対称形状をしており、このような非対称形状のみから、上下のロール孔型のロール軸方向のズレ量を求めることは難しい。本実施形態では、以下のようにして、上下のロール孔型のロール軸方向のズレ量を求める。すなわち、まず、前記形状測定器3をサイジングミル1の最終ロールスタンド(F)に近接して設置すれば、圧延材4の捻じれが発生していない状態で断面形状を測定できるため、図2(a)に示したように、断面形状4aの上側の頂点A1(上孔型溝底部との接触点)と、下側の頂点A2(下孔型溝底部との接触点)は容易に求まり、この頂点A1、A2を通る水平な線L1、L2を引くことができる。図2(b)は、最終ロールスタンド(F)の上孔型G1の形状(設計形状)を示したもので、この孔型G1は、溝底のR部5と、その両側の逃がし部6、6と、その両側のフランジ部7、7から形成され、孔型高さ(フランジ部7から溝底部(頂点A3)までの距離)をHで表示している。図2(a)に示したように、水平線L1、L2から、それぞれ孔型高さHの距離の位置に、水平線L1、L2とそれぞれ平行な直線F1、F2を引くと、この直線F1、F2が上下の孔型のフランジ部7、7の孔型高さ方向の位置となる。そして、前記頂点A1、A2から直線F1およびF2にそれぞれ直交する直線V1、V2を引き、その交点をC1、C2とすると、このC1、C2がそれぞれ上孔型および下孔型の仮想中心位置となる。いま、上孔型G1で圧延される断面形状4aの上半分について、例えば、頂点A1を含み、このA1から外周両側にそれぞれ90°の範囲で、仮想中心C1に対して、例えば中心角1°毎の微小間隔で放射状に直線を引いて断面形状4a(圧延材4)の外周との交点Jmをそれぞれ求め、直線F1から各交点Jmまでの垂直距離h1を測定器により測定する(図2(a)では、便宜上、10°間隔で垂直距離h1を測定するように作図している)。直線F1を、仮想中心C1を原点とするX−Y座標系のX軸とすれば、中心角1°毎の垂直距離h1はY座標に相当し、そのX座標も測定器により測定することができる。下孔型で圧延される断面形状4aの下半分についても、同様にして、直線F2(X軸)から断面形状4aの外周までの垂直距離h2、すなわち仮想中心C2を原点とするX−Y座標系のY座標とこのY座標に対応するX座標を求めることができる。一方、図2(b)に示したように、上孔型G1についても、この孔型G1の頂部A3から両側のフランジ7、7を結ぶ直線F3に直交する直線V3を引いてその交点C3を求め、このC3を上孔型G1の中心位置とすると、直線F3が、C3を原点とするX−Y座標系のX軸に相当する。そして、上記断面形状4aの場合と同様に、頂点A3を含み、このA3から外周両側にそれぞれ90°の範囲で、孔型中心C3に対して、断面形状4aの場合と同様に、中心角1°毎の微小間隔で、測定点の直線F3から各測定点Kまでの垂直距離h3を測定器により測定するとこの垂直距離h3がY座標に相当する。逃がし部6、6とフランジ部7、7の交点P1、P1aではY座標(垂直距離h3)はゼロである。なお、図2(b)では便宜上10°間隔で作図している。また、前記各測定点KのX座標も同様に測定器により測定することができる。
次に、図2(b)の、図示左側の逃がし部6とフランジ部7の交点P1から孔型G1の頂点(溝底)A3にかけて順番に各測定点Pm(測定点(交点)P1は除く)のY座標(垂直距離h3)と、図2(a)に示した断面形状4aの図示左半分について、直線L1と断面形状4aの交点J1の測定点から頂点A1にかけての各測定点Jm(測定点(交点)J1は除く)のY座標(垂直距離h1)とを比較するフィッティングを行なう。前記孔型G1のY座標(垂直距離h3)と断面形状4aのY座標(垂直距離h1)の差が所定の値よりも小さくなる孔型G1の測定点が求まると、この測定点の位置が、圧延材4(断面形状4a)と孔型G1との接触位置と判定される。この接触位置と判定される測定点は、孔型G1の摩耗などにより圧延材4(断面形状4a)の外周面が完全な平滑面ではないため、通常、孔型との接触端のごく近傍に複数存在する。このため、接触位置すなわち接触端と判定される測定点が複数存在する場合は、そのX座標の平均値を求めて、圧延材4(断面形状4a)と孔型G1との接触位置T1とする。この接触位置T1が圧延材4(断面形状4a)と孔型G1についてそれぞれ求まると、図2(c)に示すように、双方の接触位置T1が合致するようにして孔型G1を断面形状4aにフィットさせる。このとき、フランジ部7と逃がし部6の交点P1、P1aの中央を通り、前記直線F3に直交する垂直線が、上孔型G1の中心軸Vaとなる。
上記の上孔型G1の場合と同様にして、下孔型G2と断面形状4aとの接触位置T2を求めて下孔型と断面形状4aとのフィティングを行なうことができる。そして、図2(c)に示したように、この接触位置T2で下孔型G2を断面形状4aにフィットさせたとき、フランジ部7、7と逃がし部6、6の交点P2、P2aの中央を通り、フランジ部7、7を結ぶ直線F4に直交する垂直線が、下孔型G2の中心軸Vbとなる。前記上孔型G1の中心軸Vaと、この下孔型G2の中心軸Vbのロール軸方向の間隔が、上下の孔型G1、G2のロール軸方向のズレ量δ1となる。そして、このズレ量δ1が予め規定したズレ量δa以下となるように、上ロールまたは下ロールを軸方向に移動させるスラスト調整を行なう。このように、上下の孔型G1、G2と圧延材4の断面形状4aとのフィッティングは、溝底R部5、逃がし部6、フランジ部7を含めた孔型全体で行なわれる。なお、図2(a)〜(c)では、上下孔型G1、G2と断面形状4aとのフィッティングは、図示左半分について行なったが、このフィッティングを図示右半分について行い、孔型中心軸Va、Vbをそれぞれ決定して前記ズレ量δ1を求めることもできる。また、より精度を高めるため、前記図示左半分および右半分についてそれぞれ孔型中心軸Va、Vbを決定し、図示左半分で決定した中心軸VaとVbから求められるズレ量と、図示右半分で決定した中心軸Va、Vbから求められるズレ量を平均して、ズレ量δ1を算出することもできる。
次に、上記のフィッティングの結果、上下孔型G1、G2のズレ量δ1が予め規定したズレ量δa以下の場合、または、上記のフィッティングの結果に基づいたロールスラスト調整により、ズレ量δ1を前記ズレ量δa以下にした場合、次のようにして、最終ロールスタンド(F)1台前のロールスタンド(F−1)のロール軸方向のズレ量を調整することができる。すなわち、図3に示すように、上記のフィッティングによって決定した上下孔型G1、G2の中心軸Va、Vbの間隔の中央位置でのロール軸方向に垂直な軸(中央軸)をY軸8とし、このY軸8と上下孔型G1、G2との交点Y1、Y2間の中心点Oを孔型中心、すなわち上孔型G1と下孔型G2で形成されたロール孔型の原点とする。そして、この原点(ロール孔型中心点)Oを通り、Y軸8に垂直な軸をX軸9として、計測した断面形状4aの、前記フィッティングにより求めた上下の孔型G1、G2と接触している外周部分で、X軸方向の距離が最大となる正負の外周位置K1(Xk1,Yk1)、K1a(Xk1a,Yk1a)を求める。同様に、X軸方向の距離が最小となる正負の外周位置K2(Xk2,Yk2)、K2a(Xk2a,Yk2a)を求める。最大となる正負の外周位置K1(Xk1,Yk1)、K1a(Xk1a,Yk1a)のうち、X座標の絶対値の大きい方の位置、例えば、abs(Xk1)>abs(Xk1a)の場合は位置K1を最大外周位置とする。また、前記最小となる正負の外周位置K2(Xk2,Yk2)、K2a(Xk2a,Yk2a)のうち、X座標の絶対値の小さい方の位置、例えば、abs(Xk2)<abs(Xk2a)の場合は位置K2を最小外周位置とする。この最大外周位置K1(Xk1,Yk1)と最小外周位置K2(Xk2,Yk2)のX座標の差(Xk1−Xk2)が距離δ2である。この距離δ2は、最終ロールスタンド(F)1台前のロールスタンド(F−1)のロール違い(孔型のロール軸方向のズレ量)に比例して大きくなる量であるため、距離δ2が予め規定した距離δbよりも大きい場合、この距離δ2が前記距離δb以下となるように、最終ロールスタンド(F)1台前のロールスタンド(F−1)の上ロールまたは下ロールを軸方向に移動させるスラスト調整を行なう。なお、通常は、前記位置K1とK1a、およびK2とK2aとは原点Oに対してほぼ軸対象の位置にあることが多いため(abs(Xk1) ≒abs(Xk1a)、abs(Xk2) ≒abs(Xk2a))、位置K1とK1a、K2とK2aのそれぞれいずれか一方のX座標の絶対値の差を距離δ2とすることもできる。また、abs(Xk1) とabs(Xk1a)の平均値と、abs(Xk2) とabs(Xk2a)の平均値の差を距離δ2とすることもできる。
さらに、上記フィッティングの結果、上記距離δ2が予め規定した距離δb以下の場合、または上記のフィッティングの結果に基づいた最終ロールスタンド(F)1台前のロールスラスト調整により、距離δ2を前記距離δb以下にした場合、形状測定器3で計測した圧延材4の圧下方向の寸法(高さ)Hが、例えば、図4(a)に示すように、目標寸法(高さ)Haよりも大きいときに、目標寸法Haからの偏差ΔH(ΔH=H−Ha)がなくなるように、最終ロールスタンド(F)のロール隙mをmaに調整する。また、計測した圧延材4の幅寸法Wが、例えば、図4(b)に示すように、目標寸法(幅)Waよりも小さいとき、目標幅寸法Waからの偏差ΔW(ΔW=W−Wa)がなくなるように、最終ロールスタンド(F)の上流側ロールスタンド、すなわち、この場合は、最終ロールスタンド(F)1台前のロールスタンド(F−1)のロール隙を調整する。上述のロールスラスト調整に加えて、これらの最終ロールスタンド(F)または/およびその上流側のロールスタンドのロール隙を調整することにより、圧延材4の捩れを抑制し、かつサイジングミルの出側の仕上げ圧延材(製品)の寸法を目標範囲内に収めて寸法精度を向上させることができる。
なお、上述のフィッティングは、圧延材の断面形状(プロフィール)の計測結果から、記憶装置および演算装置等の機器を用いて、自動的に瞬時に行なうことができ、このフィッティングによるロールスラスト調整およびロール隙調整は、圧延中に行なうことができる。また、1本の圧延材の長手方向の複数箇所について、圧延材の断面形状の計測結果に基づいて上記フィッティングにより求めたロール軸方向のズレ量を平均して、次圧延材に対して、ロール軸方向のスラスト調整を行なうようにすることもできる。
サイジングミルを模式的に示す説明図である. (a)サイジングミル出側の圧延材形状と上下のロール孔型の軸方向のズレ量を求めるための圧延材側の手順を模式的に示す説明図である。(b)上下のロール孔型の軸方向のズレ量を求めるためのロール孔型側の手順を模式的に示す説明図である。(c)圧延材形状に上下のロール孔型をフィッティングして軸方向のズレ量を求める手順を示す説明図である。 フィティングした圧延材形状と孔型形状から、最終ロールスタンド(F)1台前のロール軸方向のズレ量を求める説明図である。 (a)仕上げ孔型出側の圧延材の圧下方向の寸法(高さ)が目標寸法よりも大きい場合を模式的に示す説明図である。(b)仕上げ孔型出側の圧延材の幅方向の寸法(幅)が目標寸法よりも小さい場合を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1:サイジングミル 2a〜2d:2方ロール
3:形状測定器 4:圧延材 4a:断面形状
5:孔型溝底R部 6:逃がし部 7:フランジ部
8:Y軸 9:X軸

Claims (4)

  1. 仕上げ圧延機の後段側に設置され、少なくとも2台のロールスタンドを有する2方ロール方式のサイジングミルで圧延材を仕上げ圧延する条鋼のサイジング圧延方法であって、前記サイジングミル出側の圧延材の形状を測定し、この測定した形状に、前記サイジングミルの最終ロールスタンドの上下のロール孔型形状をそれぞれフィッティングして上下のロール孔型と圧延材との接触位置を求めることにより、上下のロール孔型の軸心位置をそれぞれ決定して上下ロール孔型の軸方向のズレ量(δ1)を求め、このズレ量(δ1)が予め規定したズレ量(δa)よりも大きい場合に、ズレ量(δ1)が前記規定したズレ量(δa)以下になるように、最終ロールスタンドのロールをスラスト調整するようにしたことを特徴とする条鋼の圧延方法。
  2. 仕上げ圧延機の後段側に設置され、少なくとも2台のロールスタンドを有する2方ロール方式のサイジングミルで圧延材を仕上げ圧延する条鋼のサイジング圧延方法であって、前記サイジングミル出側の圧延材の形状を測定し、この測定した外形寸法に、前記サイジングミルの最終ロールスタンドの上下のロール孔型形状をそれぞれフィッティングして上下のロール孔型と圧延材との接触位置を求めることにより、上下のロール孔型の軸心位置をそれぞれ決定して上下ロール孔型の軸方向のズレ量(δ1)を求め、このズレ量(δ1)が予め規定したズレ量(δa)以下の場合、前記上下ロール孔型の軸心位置のロール軸方向の中央軸(Y軸)と、この中央軸(Y軸)上での上下ロール孔型間の中心点を、孔型中心(原点)とし、前記ロール孔型と圧延材の接触位置での前記中央軸(Y軸)からのX軸方向の距離が最大となる圧延材の外周位置のX座標と、前記X軸方向の距離が最小となる圧延材の外周位置のX座標との差を距離δ2とし、この距離δ2が、予め規定した距離(δb)よりも大きい場合、前記距離δ2が規定した距離(δb)以下になるように、最終ロールスタンドの1台前ロールスタンドのロールのスラスト調整を行うようにしたことを特徴とする条鋼の圧延方法。
  3. 仕上げ圧延機の後段側に設置され、少なくとも2台のロールスタンドを有する2方ロール方式のサイジングミルで圧延材を仕上げ圧延する条鋼のサイジング圧延方法であって、前記サイジングミル出側の圧延材の形状を測定し、この測定した外形寸法に、前記サイジングミルの最終ロールスタンドの上下のロール孔型形状をそれぞれフィッティングして上下のロール孔型と圧延材との接触位置を求めことにより、上下のロール孔型の軸心位置をそれぞれ決定して上下ロール孔型の軸方向のズレ量(δ1)を求め、このズレ量(δ1)が予め規定したズレ量(δa)以下の場合、前記上下ロール孔型の軸心位置のロール軸方向の中央軸(Y軸)と、この中央軸(Y軸)上での上下ロール孔型間の中心点を、孔型中心(原点)とし、前記ロール孔型と圧延材の接触位置での前記中央軸(Y軸)からのX軸方向の距離が最大となる圧延材の外周位置のX座標と、前記X軸方向の距離が最小となる圧延材の外周位置のX座標との差を距離δ2とし、この距離δ2が、予め規定した距離(δb)以下の場合に、計測した前記圧延材の圧下方向の寸法Hおよび幅方向の寸法Wに基づいて最終ロールスタンドのロール隙または/およびその上流側のロールスタンドのロール隙を調整するようにしたことを特徴とする条鋼の圧延方法。
  4. 請求項1に記載の最終ロールスタンドのロールをスラスト調整した後、および/または請求項2に記載の最終ロールスタンドの1台前のロールスタンドのロールのスラスト調整した後、サイジングミルの出側で計測した圧延材の圧下方向の寸法Hおよび幅方向の寸法Wに基づいて最終ロールスタンドのロール隙または/およびその上流側のロールスタンドのロール隙を調整するようにしたことを特徴とする条鋼の圧延方法。
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