図1は、本発明に係るパチスロ遊技装置の一例を模式的に示す斜視図である。
このパチスロ遊技装置1は、コイン、メダル又はトークン等の他、遊技者に付与されたか、若しくは、付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であるが、以下においては、メダルを用いるものとして説明することとする。
パチスロ遊技装置1の全体を形成している筐体2の正面には、液晶表示装置5が設置されている。この液晶表示装置5は、透明液晶パネル34(図示せず)を備えており、この透明液晶パネル34は、その一部又は全部を透明/非透明の状態に切り替えることが可能であるとともに、遊技に関する画像を表示可能である。
液晶表示装置5の左側の背面側には、遊技開始表示ランプ25、WINランプ17、メダル投入ランプ24、最大BETランプ9c、2−BETランプ9b及び1−BETランプ9aの各種ランプと、払出枚数表示部18、メダル貯留枚数表示部19及び役物作動回数表示部20の各種表示部とが設けられている。なお、正面パネル31の絵柄形成領域31bは、上述した各種ランプと各種表示部との前方部分が透明であり、各種ランプと各種表示部とを視認可能となっている。
1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下、BET数ともいう)に応じて点灯する。一のゲームは、全ての回転リールが停止したとき、又は、メダルの払い出しが行われる場合には、メダルが払い出されたときに終了する。
WINランプ17は、BB(ビッグボーナス)又はRB(レギュラーボーナス)に内部当籤した場合に所定確率で点灯し、また、BB又はRBの入賞が成立した場合にも点灯する。遊技メダル投入ランプ24は、メダルの投入が受け付け可能であるときに点滅する。遊技開始表示ランプ25は、少なくとも1本のラインが有効化されたときに点灯する。
払出枚数表示部18は、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示するものであり、メダル貯留枚数表示部19は、貯留されているメダルの枚数を表示するものであり、役物作動回数表示部20は、RBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数等を表示する。また、払出枚数表示部18は、設定値を変更する操作を行っているときに、現在設定されている設定値を表示する。これらの表示部は、7セグメント表示器からなるものである。
また、液晶表示装置5の背面側には、3個の回転リール3L、3C、3Rが設けられている。3個の回転リール3L、3C、3Rは、それぞれその外周面に複数の図柄等の識別情報が表示されており、回転可能に横一列に設けられている。
液晶表示装置5の下方には、水平面を有する台座部10が形成されており、台座部10の右側には、メダル投入口22が設けられ、台座部10の左側には、1−BETスイッチ11及び最大BETスイッチ13が設けられている。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者が遊技で獲得したメダルのクレジット/払い出しを押し操作により切り替える貯留メダル精算スイッチ14が設けられている。
この貯留メダル精算スイッチ14の切り替えにより「払い出し」が選択された場合には、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受部16に溜められる。一方、「クレジット」が選択された場合には、パチスロ遊技装置1が備えるメモリ(例えば、後述するRAM43等)にメダル数がクレジットとして記憶される。
貯留メダル精算スイッチ14の右側には、遊技者の操作により回転リール3L、3C、3Rを回転させるためのスタートレバー6が取り付けられている。スタートレバー6は、遊技者の操作によって、回転リール3L、3C、3Rを回転させることができる。台座部10の前面部中央には、3個の回転リール3L、3R、3Cの回転をそれぞれ停止させるための停止表示手段としての3個の停止ボタン7L、7C、7Rが設けられている。
台座部10の前面部の右寄りには、決定ボタン26及び取消ボタン27が設けられている。この決定ボタン26及び取消ボタン27を操作することにより、液晶表示装置5の表示画面の切替に関する指示等の入力を行うことができる。
台座部10の前面部の右寄りには、さらに、ドア開閉及び打ち止め解除装置29が設けられており、所定の鍵をこのドア開閉及び打ち止め解除装置29の鍵穴に差し込み、右に回すことにより前面ドアの開閉を行い、左に回すことにより打ち止め解除を行う。
筐体2の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L、21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を示す配当表パネル23が設けられている。
図2は、図1に示したパチスロ遊技装置の扉体を開いた状態を模式的に示す正面図である。
筐体2は、前面に開口2aを有し、筐体2には、ヒンジ(図示せず)を介して扉体2bが開閉可能に設けられている。筐体2内の中央部には、3つの回転リール3(3L、3C、3R)が設置されていて、扉体2bにおける回転リール3との対応箇所には、液晶表示装置5が設けられている。回転リール3の上側には、制御基板70が設けられている。
液晶表示装置5の近傍には、メダル投入口22(図示せず)から投入されたメダルを検出するメダル検出器71が設けられ、メダル検出器71にはシュート72が接続されている。
また、メダル検出器71には、下方に延びるキャンセルシュート73が接続されていて、キャンセルシュート73の下部は、メダル払出口15と接続されている。さらに、キャンセルシュート62には、メダル通過孔74が形成されている。
メダル検出器71は、メダル投入口22から投入されたものを検出したとき、それが正規のメダルである場合には、メダルをシュート72へ振り分ける。シュート72に振り分けられたメダルは、ホッパー50の収容部51に入る。
一方、正規のメダルではない異物(例えば、他店のメダルやゴミ)であった場合には、キャンセルシュート73に振り分ける。キャンセルシュート73に振り分けられた異物は、メダル払出口15から機外へ排出される。
筐体2内底面上には、ホッパー50が設置されている。ホッパー50は、複数のメダルを収容する収容部51と、収容部51に収容されたメダルをメダル出口53からメダル受皿30へ払い出す払出装置52とを備えている。払出装置52のメダル出口53は、メダル受皿30より高い位置に配置されていて、メダル出口53から払い出されたメダルは、メダル通過孔74を介してキャンセルシュート73内に入り、メダル払出口15からメダル受皿30へ払い出される。
ホッパー50の左側に位置する電源部54には、設定用鍵型スイッチ63と設定変更スイッチ64と電源スイッチ65とが設けられている。設定用鍵型スイッチ63と設定変更スイッチ64とは、各当籤役に当籤する確率を定めた設定値を変更するときに用いるスイッチである。設定値とは、例えば、設定値が1である場合にはBBに当籤する確率が1/270であり、設定値が6である場合にはBBに当籤する確率が1/200であるといったように、当籤役に当籤する確率を段階的に示す値をいう。設定値と各当籤役に当籤する確率との関係については、後で図8、図9を用いて詳述する。なお、本実施形態では、設定値が1〜6の6段階からなる場合について説明するが、本発明においてはこの例に限定されるものではない。
電源スイッチ65がOFFの状態であるときに、設定用鍵型スイッチ63に差し込み右に所定の鍵を挿入して回転させ、電源スイッチ65をONの状態にすると、払出枚数表示部18に現在設定されている設定値が表示される。そして、設定変更スイッチ64が1回押下されるごとに、設定値が1ずつ増加する。ただし、設定値が「5」に設定されているときに設定変更スイッチ64が1回押下されると、設定値は「1」に設定される。設定値が変更されると、それにともなって、払出枚数表示部18に表示される設定値も変化する。例えば、現在の設定値が「2」であるときに、設定スイッチ64を4回押下すると、払出枚数表示部18には「2」−「3」−「4」−「5」−「1」の順に表示される。上述したように、本実施形態においては設定値が1〜6の6段階からなるが、設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64によっては、設定値を「6」に設定することはできない。設定値が「6」に設定されるのは、“スイカ”に入賞した後の50ゲームの間のみである。設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64は、本発明における設定手段に相当するものである。
図3は、図1に示したパチスロ遊技装置の内部構成を示すブロック図である。
主制御回路81は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素とするものである。マイクロコンピュータ40は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU41と、ROM42及びRAM43とを含む。CPU41には、基準クロックパルスを設定するクロックパルス発生回路144及び分周器145と、乱数発生器146及びサンプリング回路147とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、CPU41の動作プログラム上で乱数のサンプリングを実行するように構成してもよい。
ROM42には、副制御回路82へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。当該コマンドとしては、例えば、液晶表示装置5に対する表示制御に関するコマンドが格納されている。
液晶表示装置5に対する制御に関するコマンドとしては、例えば、演出開始コマンド、終了演出コマンドを挙げることができる。
演出開始コマンドは、3つの回転リール3の回転開始時に液晶表示装置5に演出画像を表示させるためのコマンドである。終了演出コマンドは、3つの回転リール3が全て停止した際に液晶表示装置5に演出画像を表示させるためのコマンドである。
また、RB(レギュラーボーナス)、BB(ビッグボーナス)の設定又は解除に関するコマンドも、ROM42に格納されており、当該コマンドによってRB又はBBの設定又は解除が副制御回路82に通知される。なお、RB、BBの設定又は解除に関するコマンドにかえて、液晶表示装置5に対する表示制御に関する各種のコマンドに、RB又はBBの実行中であることを示すデータを含めることとしてもよい。
上述したような各種のコマンドは、所定条件の成立を契機としてCPU41によってROM42から呼び出されてRAM43にセットされる。そして、RAM43にセットされたコマンドは所定のタイミングで副制御回路82に供給される。副制御回路82は、供給されたコマンドに基づいて各種の処理を実行する。なお、副制御回路82が主制御回路81へコマンド等が入力されることはなく、主制御回路81から副制御回路82への一方向で通信が行われる。
また、ROM42には、回転リール3L、3C、3Rの回転位置と回転リール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄テーブルが格納されており、また、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応付けられた入賞図柄組合せテーブルや、内部当籤役を決定する抽籤を行うために必要な抽籤テーブル等が格納される。
RAM43には、上述したコマンドやテーブル以外に、例えば、メダルの数に相当するクレジット数、設定値といった遊技進行に係る変数が格納される。
マイクロコンピュータ40からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置(アクチュエータ)としては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17、遊技メダル投入ランプ24、遊技開始表示ランプ25)と、各種表示部(払出枚数表示部18、メダル貯留枚数表示部19、役物作動回数表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路51の命令により所定枚数のメダルの払い出しを行うホッパー(払い出しのための駆動部を含む)50と、回転リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ59L、59C、59Rとがある。
さらに、ステッピングモータ59L、59C、59Rを駆動制御するモータ駆動回路49、ホッパー50を駆動制御するホッパー駆動回路51、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路55、及び、各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路58が、I/Oポート48を介してCPU41の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU41から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ40が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生させる主な入力信号発生装置としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、最大BETスイッチ13、貯留メダル精算スイッチ14、投入メダルセンサ22S、リセットスイッチ62、設定用鍵型スイッチ63、設定変更スイッチ64、リール停止信号回路56、リール位置検出回路60、払い出し完了信号回路61がある。これらもI/Oポート48を介してCPU41に接続されている。
設定用鍵型スイッチ63は、所定の鍵をこの鍵穴に差し込み右に回すことにより、設定値の変更を可能とするものである。また、設定変更スイッチ64は、設定用鍵型スイッチ63によって設定値の変更が可能な状態となっているときに押下されると、設定値が変化する。設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64は、当籤役に当籤する確率を段階的に設定するための設定手段として機能するものである。なお、変更された設定値は、RAM43に記憶される。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作の発生を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路56は、停止表示手段としての各停止ボタン7L、7C、7Rの操作に応じて停止信号を発生する。決定ボタン26及び取消ボタン27は、これらの操作により、液晶表示装置5の表示画面の切替や指示の入力等を行うことができる。
リール位置検出回路60は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各回転リール3L、3C、3Rの位置を検出するための信号をCPU41に送信する。
払出完了信号回路61は、メダル検出部50Sの計数値(ホッパー50から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達したとき、メダル払出完了信号を発生する。CPU41がこのメダル払出完了信号を受信すると、ホッパー駆動回路51を介してホッパー50の駆動を停止し、メダルの払出を完了させる。このメダル検出部50Sは、ホッパー50から払い出されるメダルを検出するための物理センサ等からなるメダルセンサを備えており、このメダルセンサにより払い出されるメダルの枚数の計数を行うことができる。
乱数発生器146は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路147は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM42内に格納されている抽籤テーブルに基づいて、当籤役決定手段としてのCPU41は内部当籤役を決定する。
内部当籤役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
回転リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ59L、59C、59Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM43の所定エリアに書き込まれる。回転リール3L、3C、3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路60を介してCPU41に入力される。このようにして得られたリセットパルスにより、RAM43で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM43内には、各回転リール3L、3C、3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のような回転リール3L、3C、3Rの回転位置と回転リール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM42内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各回転リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM42内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左の回転リール3L、中央の回転リール3C、右の回転リール3Rの停止制御時、及び、全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
上記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(当籤役決定処理)により当籤役に内部当籤した場合には、CPU41は、遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路56から送られる操作信号、及び、選択された「停止制御テーブル」に基づいて、回転リール3L、3C、3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路49に送る。
内部当籤した当籤役の入賞成立を示す停止態様となった場合、貯留メダル精算スイッチ14の切り替えにより「払い出し」が選択されているときには、CPU41は、払い出し指令信号をホッパー駆動回路51に供給してホッパー50から所定個数のメダルの払い出しを行う。その際、メダル検出部50Sは、ホッパー50から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払い出し完了信号がCPU41に入力される。これにより、CPU41は、ホッパー駆動回路51を介してホッパー50の駆動を停止し、「メダルの払い出し処理」を終了する。
一方、貯留メダル精算スイッチ14の切り替えにより「クレジット」が選択されているときには、払い出されるべきメダルの数がクレジットとしてRAM43に記憶されることになる。
CPU41を備えた主制御回路81には、副制御回路82が接続されている。
副制御回路82は、主制御回路81からの制御指令(コマンド)に基づいて、液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L、21Rからの音の出力制御を行う。
図4は、図3に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
尚、本実施形態においては、主制御回路81から副制御回路82に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路82から主制御回路81に対して信号を供給することができないように構成したが、これに限らず、副制御回路82から主制御回路81に対して信号を送信することができるように構成してもよい。
副制御回路82は、サブCPU206、プログラムROM208及びワークRAM210を備えている。また、副制御回路82には、インターフェイス回路240を介して、決定ボタン26及び取消ボタン27が接続されている。決定ボタン26及び取消ボタン27は、これらの操作により、液晶表示装置5の表示画面の切替や指示の入力等を行うことができる。
また、副制御回路82は、液晶表示装置5における表示制御を行う表示制御回路250と、スピーカ21から発生させる音に関する制御を行う音声制御回路230とを備えている。
サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有し、CPU41から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路82の制御を行う。
プログラムROM208には、サブCPU206により、液晶表示装置5における遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。
また、プログラムROM208には、液晶表示装置5に表示される画面画像に対応した複数種類の演出パターンデータと、全てのリール3が停止した際に表示される画面画像に対応した複数種類の終了演出パターンデータとが記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶媒体としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、CPU等を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、プログラムROM208に記憶されるものをROM42に記憶することとしてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
また、本実施形態において、CPU41及びROM42を含む主制御回路81と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路82と、を別々に構成したが、これに限らず、CPU41及びROM42を含む主制御回路81のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをROM42に記憶させ、CPU41により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路82のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したROM42に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
音源IC232は、サブCPU206、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ21から発生させる音声の制御を行う。
サブCPU206は、CPU41から供給されるコマンドに基づいて、音声データROM234に記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。その後、サブCPU206は、選択された音声データを音声データROM234から読み出し、音源IC232に供給する。音声データを受け取った音源IC232は、その音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMP236に供給する。AMP236は、音声信号を増幅させ、スピーカ21(21L及び21R)から音声を発生させる。
表示制御回路250は、CPU41により決定された遊技結果、又は、各種ボタン26、27により入力された指示に応じて、画面画像を生成し、液晶表示装置5に上記画面画像を表示する制御を行うものであり、画像データプロセッサ(以下、VDPという。)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218から構成されている。VDP212は、サブCPU206、画像データが記憶されている画像データROM216、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ218と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の各種の回路を含み、液晶表示装置5に画面画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置5に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置5の透明液晶パネル34に画面画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置5の透明液晶パネル34に画面画像が表示されることとなる。
画像データROM216は、例えば、背景画像、キャラクタ画像等の画像データを記憶する。
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令(コマンド)に応じて、画像データROM216から、各種画像を抽出する。
VDP212は、画像データROM216から抽出した各種画像を、後方に位置する画像から順に、例えば、背景画像、キャラクタ画像の順に、重ね合わせてバッファ(例えば、ビデオRAM等)に記憶することにより画面画像を合成し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。D/Aコンバータ218は、この画面画像を画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置5に供給する。
図5は、リール上に配列された図柄の例を示す図である。
各リール3L、3C、3Rには、複数種類の図柄が21個配列された図柄列が示されている。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、ROM42に格納(記憶)されている。プログラム各リール3L、3C、3R上には、“白7(図柄91)”、“赤7(図柄92)”、“ベル(図柄93)”、“スイカ(図柄94)”、“Replay(図柄95)”、“上チリ(図柄96)”及び“下チリ(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L、3C、3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
本実施例においては、BB、RB、リプレイ、スイカの小役、ベルの小役、上チリの小役、下チリの小役、及びJACの小役が設けられている。
図6、図7は、役と図柄組合せと払出枚数との関係を示す図である。
BBへの当籤は、“白7−白7−白7”が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。BBに当籤すると、メダルが15枚払い出され、BB遊技状態に移行する。
RBへの当籤は、“赤7−赤7−赤7”が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。RBに当籤すると、メダルが15枚払い出され、RB遊技状態に移行する。
リプレイへの当籤は、“Replay−Replay−Replay”が有効ラインに沿って並ぶことにより実現する。リプレイに当籤すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者はメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。すなわち、リプレイは、当籤することにより遊技媒体の投入をすることによらずに遊技を行うことができる役である。ただし、BB遊技状態においてリプレイに当籤すると、RB遊技状態に移行する。
また、「スイカの小役」、「ベルの小役」、「上チリの小役」及び「下チリの小役」に当籤することとなる図柄の組合せは図示の通りである。上記各小役に当籤すると、夫々図6、図7に示す各小役に対応する枚数のメダルが払い出される。
ここで、「上チリの小役」及び「下チリの小役」への当籤は、夫々、左のリール3Lにおいて“上チリ(図柄96)”及び“下チリ(図柄97)”が停止表示した場合に実現する。また、この“上チリ”及び“下チリ”は、図5に示すように、左のリール3L上に隣り合うように配置されている。したがって、「上チリの小役」及び「下チリの小役」への当籤が重複して成立する場合がある。この場合の払出枚数は、“9枚”又は“15枚”である。
JACの小役への当籤は、RB遊技状態中に“ベル−Replay−ベル”が並ぶことにより実現する。
一般遊技状態において、JACの小役が入賞する場合はない。また、BB遊技状態中において、BB、RB及びJACの小役が入賞する場合はない。また、RB遊技状態においてJACの小役以外の役が入賞することはない。
図8、図9は、抽籤テーブルを示す図である。
上述したように、設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64の操作により、設定値を6段階に設定することができる。図8は、設定値が“1”であるときに用いられる抽籤テーブルである。図9は、設定値が“6”であるときに用いられる抽籤テーブルである。図示しないが、設定値が2〜5のいずれかであるときに用いられる抽籤テーブルも夫々の設定値に対して存在する。図8、図9に示すように、設定値ごとに、一般遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態、及び、RT(リプレイタイム)遊技状態の各遊技状態における抽籤テーブルが存在する。RT遊技状態は、BB遊技状態終了後100ゲームの間継続する。RT遊技状態において遊技が100ゲーム実行されると、一般遊技状態へと移行する。上記各抽籤テーブルはROM42に記憶されている。
なお、「グループ役」に当籤する確率とは、上チリの小役、下チリの小役又は上チリの小役と下チリの小役との複合役のいずれかに当籤する確率である。
上述したように、当籤役は、乱数発生器146が発生させた乱数のなかからサンプリング回路147がサンプリングした乱数と、抽籤テーブルとに基づいて決定される。図7、図8に示すように、各遊技状態における各当籤役には乱数範囲が対応付けて記憶されている。乱数発生器146が発生させる乱数の乱数抽出範囲は0〜16383であり、このなかからサンプリング回路147が取得した乱数の値と対応付けられる当籤役が、当籤役として決定される。例えば、設定値が“1”である場合に、一般遊技状態においてサンプリング回路147がサンプリングした乱数の値が“1000”である場合には、“リプレイ”が当籤役として決定される。上記乱数範囲の広さによって、各当籤役への当籤確率が決定される。
本実施形態においては、図7、図8に示すように、全ての遊技状態において、BB及びRB以外の各当籤役への当籤確率は設定値が“1”である場合と“6”である場合とで同一である。上記BB及びRB以外の各当籤役への当籤確率は、設定値が2〜5である場合においても同一の値に設定されている。例えば、BB遊技状態におけるベルの小役への当籤確率は、設定値に関係なく4000/16384である。
一方、BB及びRBへの当籤確率は、設定値が“1”である場合には夫々60/16384であるのに対し、設定値が“6”である場合には夫々80/16384である。上記BB及びRBへの当籤確率は、設定値が2〜5である場合にも夫々異なる値が設定されており、設定値の値が高いほど上記BB及びRBへの当籤確率が高くなるように設定されている。したがって、遊技者は、設定値が高く設定されている遊技機で遊技するほど、より多量のメダルを獲得しやすくなっている。なお、上述したように、設定値が“6”に設定されるのは、“スイカ”に入賞した後の50ゲームの間のみであり、設定手段としての設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64によって設定値を“6”に設定することはできない。したがって、“スイカ”に入賞することにより、その後50ゲームの間、BB及びRBへの当籤確率が上昇した状態で遊技を行うことが可能となる。
図10は、主制御回路において行われる遊技実行処理を示すフローチャートである。
まず、CPU41は、メダルの自動投入の要求があるか否かを判断する(ステップS120)。なお、自動投入の要求がある場合とは、先の遊技において再遊技(リプレイ)の入賞が成立した場合である。メダルの自動投入の要求があるときには、投入要求分のメダルを自動投入し(ステップS122)、副制御回路82にメダル投入コマンドを送信する(ステップS123)。
一方、ステップS120において、メダルの自動投入の要求がないと判断した場合、CPU41は、メダルが投入されたか否かを判断する(ステップS121)。すなわち、CPU41は、メダル投入口22にメダルが投入されたことを検知した投入メダルセンサ22Sにより発せられる検知信号を受信したか否か、又は、BETスイッチ(1−BETスイッチ11又は最大BETスイッチ13)により発せられる検知信号を受信したか否かを判断することにより、メダルが投入されたか否かを判断する。なお、BETスイッチ(1−BETスイッチ11又は最大BETスイッチ13)により発せられる検出信号を受信したと判断した場合、CPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数から、BETされたメダルの数に相当するクレジット数を減算する処理を行う。
ステップS121において、メダルが投入されていないと判断した場合、CPU41は、処理をステップS120に戻す。
また、ステップS121において、メダルが投入されたと判断した場合、又は、ステップS123の処理が実行された場合には、CPU41は、スタートレバー6が操作されたか否かを判断する(ステップS124)。すなわち、CPU41は、スタートスイッチ6Sからの入力信号を受信したか否かを判断するのである。
ステップS124において、スタートレバー6が操作されていないと判断した場合、CPU41は、処理をステップS120に戻す。一方、ステップS124において、スタートレバー6が操作されたと判断した場合、CPU41は、各種設定に係る処理を行う(ステップS125)。各種設定処理については、後で図11を用いて説明する。
ステップS125の処理を実行した後、CPU41は、処理をステップS126に移す。
ステップS126において、CPU41は、RAM43に演出開始コマンドをセットする。この演出開始コマンドは、液晶表示装置5への所定の演出画像の表示を開始させるためのコマンドであり、上記抽籤処理により決定された内部当籤役に関するデータを含んでいる。演出開始コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
ステップS126の処理を実行した後、CPU41は、処理をステップS128に移す。
ステップS128において、CPU41は、リール停止信号回路56からの入力信号の有無により、停止表示手段としての停止ボタン7(7L、7C、7R)が「オン」であるか否かを判断する(ステップS128)。停止ボタン7が「オン」ではないと判断した場合、CPU41は、自動停止タイマの値が「0」であるか否かを判断し(ステップS129)、「0」ではないと判断した場合には、処理をステップS128に戻す。
一方、ステップS128において、停止ボタン7が「オン」であると判断した場合、又は、ステップS129において、自動停止タイマの値が「0」であると判断した場合、CPU41は、停止ボタン7に対応した回転リール3の回転を停止させるのであるが、その際、当籤要求(内部当籤役のこと)、図柄位置(操作時における回転リール3の回転位置)、選択されている停止制御テーブル等から滑りコマ数を決定する(ステップS130)。
次に、CPU41は、ステップS130において決定された滑りコマ数分、回転リール3を回転させて停止させる処理を行い(ステップS131)、一の回転リール3についての停止要求をセットする(ステップS132)。
次に、CPU41は、3つの回転リール3(3L、3C、3R)の全てが停止したか否かを判断する(ステップS135)。全ての回転リール3が停止していないと判断した場合、処理をステップS128に戻す。一方、全ての回転リール3が停止したと判断した場合、CPU41は入賞検索を行う(ステップS136)。このとき、ROM42に格納された入賞図柄組合せテーブル等が参照されることになる。また、入賞フラグが正常であるか否かを判断し、正常でない場合には、イリーガルエラーの表示を行って処理を中断することとしてもよい。
次に、CPU41は、RAM43に終了演出コマンドをセットする(ステップS137)。この終了演出コマンドは、遊技結果に応じた遊技終了時の演出画像を表示させるためのコマンドであり、ステップS136における入賞検索の結果に関するデータを含む。終了演出コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
次に、CPU41は、メダルの払出があるか否か、すなわち、入賞枚数の有無を判断する(ステップS138)。
メダルの払出があると判断した場合、CPU41は、遊技状態及び入賞役に応じた枚数のメダルの貯留又は払出を行う(ステップS139)。メダルの貯留を行う場合には、CPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数を加算する処理を行う。一方、メダルの払出を行う場合には、CPU41は、払出指令信号をホッパー駆動回路51に送信してホッパー50から所定枚数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部50Sは、ホッパー50から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払出完了信号がCPU41に入力される。これにより、CPU41は、ホッパー駆動回路51を介してホッパー50の駆動を停止し、メダルの払出処理を終了する。
次に、CPU41は、RBに入賞したか否かを判断する(ステップS140)。RBに入賞したと判断すると、CPU41は、RB設定に係る処理を行う(ステップS141)。このステップS141において、CPU41は、RB用の抽籤確率テーブルや、RB用の入賞図柄組合せテーブルの設定に係る処理を行う。また、このステップS141において、CPU41は、RBゲーム入賞回数等の計数を開始し、その計数値を役物作動回数表示部20に表示させる処理を開始する。ステップS141の処理を実行した後、CPU41は、処理をステップS142に移す。
ステップS142において、CPU41は、RAM43にRB設定コマンドをセットする。RB設定コマンドは、画面画像としてのRB用の演出画像を液晶表示装置5に表示させるためのコマンドであり、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
ステップS140においてRBに入賞していないと判断された場合、又は、ステップS142の処理が実行された場合、CPU41は、BBに入賞したか否かを判断する(ステップS143)。BBに入賞したと判断すると、CPU41は、BB設定に係る処理を行う(ステップS144)。このステップS144において、CPU41は、BB用の抽籤確率テーブルや、BB用の入賞図柄組合せテーブル等の設定に係る処理を行う。また、このステップS146において、CPU41は、BBゲーム消化回数等の計数や、その計数値の役物動作回数表示部20への表示や、払い出されたメダルの計数等を開始する。
その後、CPU41は、処理をステップS145へ移す。
ステップS145において、CPU41は、RAM43にBB設定コマンドをセットする。BB設定コマンドは、画面画像としてのBB用の演出画像を液晶表示装置5に表示させるためのコマンドであり、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
ステップS143において、BBに入賞していないと判断された場合、又は、ステップS145の処理を実行した場合、CPU41は、RBが終了したか否かを判断する(ステップS146)。RBが終了したと判断すると、次に、CPU41は、RB設定解除に係る処理を行う(ステップS147)。ステップS148において、CPU41は、ステップS141の処理で設定したRB用の抽籤確率テーブルや、RB用の入賞図柄組合せテーブル等から、通常の遊技状態(RB又はBB以外)に用いられる抽籤確率テーブルへの設定変更に係る処理を行う。その後、CPU41は、処理をステップS148へ移す。
ステップS148において、CPU41は、RAM43にRB解除コマンドをセットする。RB解除コマンドは、画面画像としてのRB用の演出画像の表示を停止し、通常(RB又はBB以外)の演出画像を液晶表示装置5に表示させるためのコマンドである。RB解除コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
ステップS146において、RBが終了したと判断されなかった場合、又は、ステップS148の処理を実行した場合、CPU41は、BBが終了したか否かを判断する(ステップS149)。BBが終了したと判断すると、次に、CPU41は、BB設定解除に係る処理を行う(ステップS150)。ステップS150において、CPU41は、ステップS144の処理で設定したBB用の抽籤テーブルや、BB用の入賞図柄組合せテーブル等から、通常の遊技状態(RB又はBB以外)に用いられる抽籤確率テーブルへの設定変更に係る処理を行う。
その後、CPU41は、処理をステップS151へ移す。
ステップS151において、CPU41は、RAM43にBB解除コマンドをセットする。BB解除コマンドは、画面画像としてのBB用の演出画像の表示を停止し、通常(RB又はBB以外)の演出画像を液晶表示装置5に表示させるためのコマンドである。BB解除コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
ステップS149において、RBが終了していないと判断した場合、又は、ステップS151の処理を実行した場合、CPU41は、設定変更処理を行う(ステップS160)。設定変更処理については、後で図12を用いて説明する。ステップS160の処理を終えた後、本サブルーチンを終了する。
図11は、各種設定処理を示すフローチャートである。各種設定処理は、図10に示した遊技実行処理のステップS125において呼び出されて実行される処理である。
先ずCPU41は、RAM43に記憶された“残高設定遊技回数”の値が“0”であるか否かを判断する(ステップS501)。“残高設定遊技回数”とは、設定手段としての設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64によって予め設定された設定値に関らず、設定6に対応する抽籤テーブル(図9参照)に基づいて遊技を行うことができる残りの回数である。設定6に対応する抽籤テーブルは、BB及びRBへの当籤確率が他の設定値に対応する抽籤テーブルと比較して高く設定されている。そのため、設定6に対応する抽籤テーブルに基づいて遊技が行われることにより、遊技者は有利に遊技を進めることができる。“残高設定遊技回数”の値は、当籤役“スイカ”に入賞した場合、即ち、回転リール3L、3C、3Rにおいて、識別情報“スイカ−スイカ−スイカ”が有効ラインに沿って並んで停止表示された場合に“50”となり、1回遊技を行う毎に1ずつ減少する。
“残高設定遊技回数”の値が“0”である場合(ステップS501:YES)、予め設定された設定値と対応する抽籤テーブルを参照する(ステップS502)。即ち、設定手段としての設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64によって設定された設定値に対応する抽籤テーブルに基づいて遊技が行われることとなる。一方、“残高設定遊技回数”の値が“0”でない場合(ステップS501:NO)、予め設定された設定値に関係なく、設定6に対応する抽籤テーブルを参照し(ステップS503)、“残高設定遊技回数”の値を1減少させる(ステップS504)。即ち、設定手段としての設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64によって設定された設定値に関係なく、設定6に対応する抽籤テーブルに基づいて遊技が行われることとなる。これにより、“残高設定遊技回数”の値が“0”以外の値である間は、設定値が6に変更された状態で当籤役の抽籤が行われることになる。ステップS503の処理において、CPU41は設定変更手段として機能する。
ステップS502又はステップS504の処理を終えた後、処理をステップS511に移す。
ステップS511において、CPU41は、乱数発生器146から乱数のサンプリングを行い、0〜16383のなかから1の乱数値を取得する。そして、取得した乱数値をRAM43に記憶し(ステップS512)、ステップS502又はステップS504において参照した抽籤テーブルを基に当籤役を決定する(ステップS513)。例えば、参照した抽籤テーブルが図9に示した設定6に対応する一般遊技状態用抽籤テーブルであり、取得した乱数値が“100”であった場合、RBが当籤役として決定される。このときCPU41は、当籤役決定手段として機能する。ステップS513の処理を終えた後、処理をステップS514に移す。
ステップS514において、CPU41は、その他の処理を実行する。ここでCPU41は、WINランプ点灯抽籤処理、回転リールを停止させるための停止制御テーブルの選択に係る処理、リール回転用に初期化する処理を行い、回転リール3(3L、3C、3R)の回転を開始させる。
回転リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ59L、59C、59Rの各々に送信される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM43に記憶される。回転リール3L、3C、3Rから一回転ごとにリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路60を介してCPU41に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM43で計数されている駆動パルスに計数値が「0」にクリアされる。このようにすることにより、RAM43内には、各回転リール3L、3C、3Rについての一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
また、回転リール3L、3C、3Rの回転位置と回転リール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるためにROM42に格納された図柄テーブルでは、上述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各回転リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチごとに順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバーごとに対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応付けられている。また、ROM42に格納された入賞図柄組合せテーブルは、各回転リール3L、3C、3Rの停止制御時、及び、全回転リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
ステップS514の処理を終了後、本サブルーチンを終了する。
図12は、設定変更処理を示すフローチャートである。設定変更処理は、図10に示した遊技実行処理のステップS160において呼び出されて実行される処理である。
先ずCPU41は、図10に示した遊技実行処理のステップS136において検索された入賞役が“スイカ”であるか否かを判断する(ステップS401)。入賞役が“スイカ”である場合(ステップS401:YES)、即ち、回転リール3L、3C、3Rにおいて、識別情報“スイカ−スイカ−スイカ”が有効ラインに沿って並んで停止表示された場合に、“残高設定遊技回数”の値を50に設定する。上述したように、“残高設定遊技回数”とは、予め設定された設定値に関らず、設定6に対応する抽籤テーブル(図9参照)に基づいて遊技を行うことができる残りの回数である。ステップS401及びステップS402の処理を行うことにより、“スイカ”に入賞すると、その後50ゲームの間、予め設定された設定値に関係なく、設定値6に対応する抽籤テーブルに基づいて遊技が行われることとなる。なお、有効ラインについては特に条件はなく、どの有効ライン上に“スイカ−スイカ−スイカ”が沿って並んだ場合でも、“残高設定遊技回数”の値は50に設定される。ステップS401の処理において、CPU41は、停止表示させた複数の識別情報が、入賞役“スイカ”を示す停止表示態様であるか否かを判断する判断手段として機能する。
入賞役が“スイカ”でない場合(ステップS401:NO)又はステップS402の処理を終えた後、本サブルーチンを終了する。
図13は、副制御回路において行われるコマンド受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
先ず、サブCPU206は、演出開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS200)。演出開始コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS210に移す。
一方、演出開始コマンドを受信したと判断した場合、ステップS201において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶された複数種類の演出パターンのなかから、当該コマンドに対応した演出パターンを選択する。
サブCPU206は、RBフラグがセットされている場合には、RB用の演出パターンを選択する。また、BBフラグがセットされている場合には、BB用の演出パターンを選択する。次に、ステップS202において、演出パターンを示すデータである演出パターンデータを表示制御回路250に供給する。ステップS202の処理を実行した後、ステップS210に処理を移す。
ステップS210において、サブCPU206は、終了演出コマンドを受信したか否かを判断する。終了演出コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS220に移す。
一方、終了演出コマンドを受信したと判断した場合、ステップS211において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶された複数種類の終了演出パターンのなかから、当該コマンドに対応した終了演出パターンを選択する。
次に、ステップS212において、終了演出パターンデータを表示制御回路250に供給する。ステップS210の処理を実行した後、処理をステップS220に移す。
ステップS220において、サブCPU206は、RB設定コマンドを受信したか否かを判断する。RB設定コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS230に移す。一方、RB設定コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU206は、ステップS221において、RBフラグをセットする。ステップS221の処理を実行した後、処理をステップS230に移す。なお、RBフラグは、RB開始時にセットされ、RB終了時にクリアされるフラグである。
ステップS230において、サブCPU206は、BB設定コマンドを受信したか否かを判断する。BB設定コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS240に移す。一方、BB設定コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU206は、ステップS231において、BBフラグをセットする。BBフラグは、BB開始時にセットされ、BB終了時にクリアされるフラグである。
ステップS230において、BB設定コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS231の処理を実行した場合、サブCPU206は、RB解除コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS240)。RB解除コマンドを受信したと判断した場合、RBフラグをクリアする(ステップS241)。
ステップS240において、RB解除コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS241の処理を実行した場合、サブCPU206は、BB解除コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS250)。BB解除コマンドを受信していないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。一方、BB解除コマンドを受信したと判断した場合、BBフラグをクリアし(ステップS251)、本サブルーチンを終了する。
図14は、表示制御回路において行われる表示制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
VDP212は、サブCPU206から供給される各種のデータに対応した画面画像を生成する。
VDP212は、サブCPU206から演出パターンデータの供給を受けていない場合には(ステップS300:NO)、画像データROM216からデモ画像を抽出し、バッファに記憶する(ステップS301)。
VDP212は、サブCPU206から演出パターンデータの供給を受けており(ステップS300:YES)、終了演出パターンデータの供給を受けていない場合には(ステップS304:NO)、画像データROM216から演出画像を抽出し、バッファに記憶する(ステップS305)。
VDP212は、サブCPU206から演出パターンデータの供給を受け(ステップS300:YES)、終了演出パターンデータの供給を受けている場合(ステップS304:YES)、画像データROM216から、終了時の演出画像を抽出し、バッファに記憶する(ステップS306)。
ステップS301、S305又はS306の処理を実行した後、VDP212は、所定のタイミング毎(例えば、1/30秒毎)に、画面画像を液晶表示装置5に出力する(ステップS308)。
その後、演出が終了していない場合には(ステップS310:NO)、ステップS300に処理を戻す。一方、演出が終了した場合には(ステップS310:YES)、パターンデータをクリアして(ステップS311)、処理をステップS300に戻す。
以上、本実施形態におけるパチスロ遊技装置1によれば、“スイカ”に入賞した場合に、設定値は、最もBB及びRBへの当籤確率が高く設定されている“6”に設定される。これにより、BB及びRBへの当籤確率が上昇することとなる。したがって、“スイカ”に入賞することにより、その後50ゲームの間、BB及びRBへの当籤確率が上昇した状態で遊技を行うことが可能となる。これによって遊技の興趣性を向上させることが可能な遊技機を提供することが可能となる。
また、本実施形態におけるパチスロ遊技装置1によれば、設定値が設定値6(最高設定値)に設定された状態での遊技を行うことができるのは、複数の識別情報が入賞役“スイカ”の停止表示態様となったときのみであるため、複数の識別情報が入賞役“スイカ”の停止表示態様となったときに、遊技者は他の状態では味わうことのできない有利な状況での遊技を行うことが可能となるというゲーム性を遊技に持たせ、興趣性を高めることが可能となる。
本実施形態においては、“スイカ”に入賞した後50ゲームの間、設定値が“6”に設定されることとしたが、本発明において設定値が変更される期間は特に限定されるものではなく、例えば、一度設定値が“6”に設定されたら、その後“ベル”に入賞するまでの間、設定値が“6”に設定された状態を継続することとしてもよい。
また、本実施形態においては、設定手段としての設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64によっては設定値を“6”に設定することができない場合について説明したが、本発明においてはこれに限定されず、設定用鍵型スイッチ63及び設定変更スイッチ64によって設定値を“6”に設定することができることとしてもよい。
また、本実施形態においては、入賞することにより設定値が変更される所定の当籤役が“スイカ”である場合について説明したが、本発明において所定の当籤役は特に限定されるものではなく、他の当籤役であってもよい。また、設定値が変更される条件は所定の当籤役に入賞する場合に限定されず、回転リール3L、3C、3Rの停止表示態様が予め定められた他の停止表示態様となる場合であってもよい。例えば、“白7−赤7−白7”が有効ラインに沿って並んだ場合に、設定値が変更されることとしてもよい。
また、本実施形態においては、設定値ごとに当籤確率が異なる当籤役はBBとRBであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば他の当籤役であってもよく、また、全ての当籤役の当籤確率が設定値ごとに異なっていてもよい。
本実施形態においては、本発明をパチスロ遊技装置に適用した場合について説明したが、本発明を他の遊技機(スロットマシン等)に適用することも可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。