JP2007312504A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】過電流保護用の複数のゲート遮断手段として、第1の遮断回路4a、4bと第2の遮断回路5a、5bとを備えている。ゲート遮断手段のそれぞれは、同時に作動することなく1つずつ作動し、かつ連続して作動することにより、電力変換用半導体素子15a、15bの遮断時のゲート電圧の遮断速度を制御する。また、負荷短絡などの発生時の過電流のピーク値抑制と過電流遮断時のサージ電圧抑制を最適に行い、発生損失を低減する。
【選択図】図1
Description
この種の電力変換装置においては、負荷短絡などに起因した過電流によって電力変換用半導体素子が破壊するのを防ぐために、過電流保護回路が設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
図5において、過電流保護回路11は、遮断手段として機能するトランジスタ12と、トランジスタ12に接続されたダイオード13、抑制抵抗14および検出抵抗16とにより構成されている。
抑制抵抗14は、トランジスタ12のエミッタとIGBT15のエミッタ端子7との間に挿入されている。
検出抵抗16は、トランジスタ12のベースとIGBT15のエミッタ端子7との間に挿入されている。
IGBT15は、分流電流を取り出すためのセンシング端子1を有し、センシング端子1は、過電流保護回路11内のトランジスタ12のベースに接続されている。
まず、IGBT15のオン状態において負荷短絡が発生すると、IGBT15に過電流が流れ、過電流の一部がIGBT15に付属のセンシング端子1から流出するので、センシング端子1からの流出電流は、正常時よりも大きくなる。
センシング端子1からの流出電流は、検出抵抗16に流れて、検出抵抗16の両端電圧は正常時よりも大きくなる。
しかし、上記のように過電流が流れて検出抵抗16の両端電圧が上昇すると、トランジスタ12のベース・エミッタ間電圧が順バイアス電圧を超えて、トランジスタ12がオン状態となり、ゲート端子6とエミッタ端子7との間の電圧は急激に低下する。
この結果、IGBT15のゲートが遮断されてIGBT15がオフされることにより、IGBT15の破壊を防止するようになっている。
したがって、抑制抵抗14の定数を小さく設定した場合には、IGBT15の遮断速度が速いことから、短絡電流を小さく抑制することができるものの、正常時電流よりも過大な短絡電流を急速に遮断すると、急速な電流遮断速度(大きいdi/dt値)によって過大なサージ電圧が発生してしまい、IGBT15の耐電圧を超過して破壊させる可能性があるという課題があった。
すなわち、過電流保護回路11内の単一の遮断手段(トランジスタ12)を用いて、トレードオフの関係にあるサージ電圧および短絡電流の両方を抑制することは非常に困難であり、上記の課題を解決するためには、たとえば電力変換装置のIGBT15として十分な耐電圧特性や許容損失特性を有する高価なものを使用するか、またはIGBT15のコレクタ・エミッタ間にスナバ回路を並列接続するなどの耐電圧対策を施す必要があり、コストアップや装置の大型化を招くという課題があった。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力変換装置を示す回路ブロック図である。
図1において、電力変換装置は、制御基板部10と、制御基板部10により駆動される電力変換素子部17とにより構成されている。
また、図1においては、煩雑さを回避するために、3相(U相、V相、W相)のうちのU相のみの回路構成に注目して代表的に示しているが、他のV相、W相のアーム(図示せす)も同様の接続構成を有する。
トランジスタQ1a、Q1bは、センシング端子1a、1bから流れ出す分流電流によりオン駆動されて、電力変換用半導体素子15a、15bを遮断する。
保持タイマ19a、19bおよび遅延タイマ20a、20bは、論理積回路21a、21bの一方の入力端子側に直列に挿入されている。
また、遮断検出回路18a、18bからの遮断検出信号Ba、Bbは、レベル反転された後、論理積回路21a、21bの他方の入力端子に印加される。
これにより、第1の遮断回路4a、4bと、第2の遮断回路5a、5bとが同時に作動することなく、1つずつ作動し、かつ各遮断回路が連続して動作して電力変換用半導体素子15a、15bを遮断することにより、電力変換用半導体素子15a、15bに対する過電流保護を行うようになっている。
図2においては、電力変換用半導体素子(IGBT)15aのコレクタ・エミッタ電圧Vceと、電力変換用半導体素子15aのコレクタ電流Icと、電力変換用半導体素子15aのゲート・エミッタ電圧Vgeと、電圧値(電流−電圧変換回路2aの両端電圧)と、過電流検出結果(過電流検出回路3aの出力値)と、遮断検出結果(遮断検出回路18aの出力値)と、トランジスタQ1a、Q2aの動作(オン/オフ)状態との各時間変化が、相互に関連付けて示されている。
これにより、過電流検出回路3aは、過電流Ic’に対応した電圧値Va’を検出して、Hレベルの過電流検出信号Aaを出力する。
また、ゲート駆動制御回路8aは、Hレベルの過電流検出信号Aaに応答して、電力変換用半導体素子15aに対するゲート駆動電圧の出力を停止する。
これにより、電力変換用半導体素子15aのゲート・エミッタ間の電圧Vgeは、ゲート抵抗R1aとゲート遮断抵抗R2aとで分圧された電圧値Vge’に低下する。
一方、遮断検出回路18aの検出基準となるしきい値VBaは、第1の遮断回路4a内のトランジスタQ1aのオフ状態を検出するために、トランジスタQ1aのベース・エミッタ間順バイアス電圧VQ1以下の電圧値に設定されている。
論理積回路21aは、過電流検出信号Aaと、遮断検出回路18aからの遮断検出信号Bとの論理積をとり、トランジスタQ2aの動作を決定する。
また、遅延タイマ20aの遅延時間は、第1の遮断回路4aの応答速度を考慮して、トランジスタQ2aがオンした後にトランジスタQ1aがオンすることがないように設定されている。
このとき、第1の遮断回路4a内のトランジスタQ1aはオフ状態である。
また、このとき、短絡電流は小さくなっているので、過大なサージが発生することはない。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、電力変換用半導体素子15aを、負荷短絡などによる短絡電流から確実に保護することができる。
以下、過負荷などによる過電流に対するこの発明の実施の形態1の動作について説明する。
一方、このとき、遮断検出信号BaがLレベルであれば、第1の遮断回路4aのトランジスタQ1aはオフ状態であるため、第2の遮断回路5aは、遅延タイマ20aを介して一定期間だけ遅れたタイミングでトランジスタQ2aをオンさせて、電力変換用半導体素子15aのゲートを遮断する。
また、上記説明では、代表的に上アーム素子15a側に関する動作のみに注目したが、下アーム素子15b側に関しても同様の動作が行われ、同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
また、発生する損失を低減させることができるので、電力変換用半導体素子15a、15bの破壊を防ぐことができる。
なお、上記実施の形態1(図1参照)では、電圧値Vaに応じて動作する遮断検出回路18a、18bを設けたが、遮断検出回路18a、18bに代えて、図3に示すように、過電流検出信号Aa、Abに応じて動作するセンシングオフ回路9a、9b(第3の遮断回路)を設けてもよい。
以下、図3および図4を参照しながら、この発明の実施の形態2について説明する。
図3および図4において、前述(図1、図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
また、前述と同様に、図3ではU相アームでの接続構成のみを代表的に示しているが、他のアームでも同様の接続構成を有する。
同様に、下アーム素子15bに対するセンシングオフ回路9bは、遅延タイマ22bと、遅延タイマ22bを介した過電流検出信号Abによりオン動作するトランジスタQ3bとを備えている。
まず、図4において、負荷短絡などにより電力変換用半導体素子15aに過電流Ic’が流れた場合、センシング端子1aから正常時よりも大きな分流電流が流出し、電流−電圧変換回路2aの両端電圧(電圧値Va)は、電圧値Va’のように上昇する。
その後、さらに分流電流が流出して電圧値Vaが上昇し、第1の遮断回路4aのトランジスタQ1aのベース・エミッタ間電圧(電圧値Va)が順バイアス電圧VQ1を超えると、トランジスタQ1aはオン状態となる。
なお、ゲート抵抗R1aおよびゲート遮断抵抗R2aで分圧される電圧値Vge1は、電力変換用半導体素子15aのしきい値電圧以上に設定されており、まずは短絡電流の増加を抑制して減少へ転じさせる。
その後、過電流検出信号AaがHレベルとなってから一定期間の経過後に、トランジスタQ3aはオン状態となり、第1の遮断回路4a内のトランジスタQ1aをオフさせる。
また、第2の遮断回路35a内の遅延タイマ20aの遅延時間は、トランジスタQ1aがオフ状態になるまでの時間に設定されている。
また、短絡電流のピーク値を抑制するとともに、短絡電流遮断時のサージ電圧を抑制することができるので、損失を低減することもできる。
以上のように、電力変換用半導体素子15aを負荷短絡などによる短絡電流から保護することができる。
次に、過負荷などによる過電流に対するこの発明の実施の形態2の動作について説明する。
この時点では、電流−電圧変換回路2aの両端電圧(電圧値Va)は、第1の遮断回路4a内のトランジスタQ1aをオンさせるまでの順バイアス電圧VQ1に達しておらず、また、センシングオフ回路9a内のトランジスタQ3aは、遅延タイマ22aにより一定期間の遅延後にオンするので、トランジスタQ1aはオフ状態を維持している。
このとき、第2の遮断回路35a内の遅延タイマ20aの遅延時間は、前述のように、センシングオフ回路9a内の遅延タイマ22aの遅延時間と、第1の遮断回路4a内のトランジスタQ1aの応答時間とを考慮して設定されているので、トランジスタQ2aがオンした後にトランジスタQ1aがオンすることはない。
また、トランジスタQ2aによる電力変換用半導体素子15aのゲート遮断は、正常時のゲート遮断速度よりもなだらかになるように抑制抵抗値を設定するので、過大なサージを発生させることなく、電力変換用半導体素子15aを過負荷などによる過電流から保護することができる。
さらに、上記説明では、代表的に上アーム素子15a側に関する動作のみに注目したが、下アーム素子15b側に関しても同様の動作が行われ、同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
また、発生損失を低減させて、電力変換用半導体素子15a、15bの破壊を防ぐことができるうえ、電力変換用半導体素子15a、15bとして必要以上の耐電圧特性や許容損失特性を有するものを使用する必要がなく耐電圧対策も不要となるので、コストアップを抑制するとともに電力変換装置の小型化を実現することができる。
ただし、この場合も、各ゲート遮断手段は、同時に作動することなく1個ずつ作動させ、かつ連続して作動させる必要がある。
Claims (2)
- 電力変換用半導体素子と、
前記電力変換用半導体素子の分流電流を取り出すセンシング端子と、
前記分流電流を電圧値に変換する電流−電圧変換手段と、
前記電流−電圧変換手段からの電圧値と前記電力変換用半導体素子の短絡電流に相当するしきい値とを比較する過電流検出手段と、
前記センシング端子から流れ出す分流電流により駆動されて前記電力変換用半導体素子を遮断する第1の遮断手段と、
前記第1の遮断手段の作動状態を検出する遮断検出手段と、
前記過電流検出手段および前記遮断検出手段の各検出結果に応答して前記電力変換用半導体素子を遮断する第2の遮断手段と
を備えた電力変換装置。 - 電力変換用半導体素子と、
前記電力変換用半導体素子の分流電流を取り出すセンシング端子と、
前記分流電流を電圧値に変換する電流−電圧変換手段と、
前記電流−電圧変換手段からの電圧値と前記電力変換用半導体素子の短絡電流に相当するしきい値とを比較する過電流検出手段と、
前記センシング端子から流れ出す分流電流により駆動されて前記電力変換用半導体素子を遮断する第1の遮断手段と、
前記過電流検出手段の検出結果に応答して、前記第1の遮断手段の動作終了後に前記電力変換用半導体素子を遮断する第2の遮断手段と、
前記過電流検出手段の検出結果に応答して、前記電力変換用半導体素子を一定期間にわたって遮断する第3の遮断手段と
を備えた電力変換装置。
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