JP2007311082A - ワイヤハーネス、およびワイヤハーネス搭載の携帯端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ワイヤハーネス自体でノイズ発生の防止および外部ノイズからの影響防止を行うことができると共に可動自在なワイヤハーネス、およびそのワイヤハーネスを搭載した携帯端末を提供する。
【解決手段】 ワイヤハーネス10の断面内部に高速信号線(第1信号線)であるA、Aバー、B、Bバーをまとめる。断面外部に高速でない信号線(第2信号線)のNで取り囲む。ワイヤハーネス10のコネクタ11、12近傍の結束部位30、33では、断面内部の結束は、非粘着性又は粘着性のテープ35で結束し、断面外部の結束は、粘着性のテープ34で結束する。また、ワイヤハーネス10の途中部分の結束部位31、32では、断面内部の結束は、非粘着性のテープ37(第1テープ)で結束し、断面外部の結束は、非粘着性のテープ36(第2テープ)で結束する。
【選択図】 図4
【解決手段】 ワイヤハーネス10の断面内部に高速信号線(第1信号線)であるA、Aバー、B、Bバーをまとめる。断面外部に高速でない信号線(第2信号線)のNで取り囲む。ワイヤハーネス10のコネクタ11、12近傍の結束部位30、33では、断面内部の結束は、非粘着性又は粘着性のテープ35で結束し、断面外部の結束は、粘着性のテープ34で結束する。また、ワイヤハーネス10の途中部分の結束部位31、32では、断面内部の結束は、非粘着性のテープ37(第1テープ)で結束し、断面外部の結束は、非粘着性のテープ36(第2テープ)で結束する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、携帯端末で使用される可動自在でノイズ対応のワイヤハーネス、およびそのワイヤハーネスを搭載した携帯端末に関する。
(背景技術1)
可動自在に連結された筐体構造の携帯端末、例えば、折り畳み式の携帯電話機、可動式モニターを有するカメラ、開閉式のノートパソコンなどがある。この連結された一方の筐体には、例えば、主制御部が搭載され、他方の筐体には、例えば、液晶表示部や音声レシーバなどが搭載され、そして、筐体間の電気信号接続用に、可動自在なワイヤハーネスが使用される。このワイヤハーネスは、電源線やオーディオ信号線や高速信号線がまとめて一体化されている。
可動自在に連結された筐体構造の携帯端末、例えば、折り畳み式の携帯電話機、可動式モニターを有するカメラ、開閉式のノートパソコンなどがある。この連結された一方の筐体には、例えば、主制御部が搭載され、他方の筐体には、例えば、液晶表示部や音声レシーバなどが搭載され、そして、筐体間の電気信号接続用に、可動自在なワイヤハーネスが使用される。このワイヤハーネスは、電源線やオーディオ信号線や高速信号線がまとめて一体化されている。
高速信号線はVCCIなどのEMI規格を超える放射ノイズを発生するおそれがあるので、外部へのEMI対策を行う必要がある。また、高速信号の形式として、LVDS信号(Low Voltage Differential Serial)のように電圧振幅の小さな信号形式が使われると放射ノイズは減るが、外部からのノイズによる高速信号線への影響による誤動作が起こり易いので、いわゆるEMS対策も行う必要がある。
特に携帯電話機では、ワイヤハーネスを通すヒンジの至近にアンテナが有る場合が多く、受信機がアンテナから受ける信号は熱雑音程度の極微小なEMI電力の影響で性能劣化が顕著である場合が有り、高速信号線などからの効果的な放射ノイズ低減対策、即ちEMI対策の必要性は大きい。又、GSM方式を例に取ると送信機からアンテナに向けて最大2Wの大電力の出力が有って放射されるので、至近に配置されるワイヤハーネスには大きな電力が誘導し易く、小電力信号の高速信号線などの誤動作を防ぐ為の電磁的な保護対策、即ちEMS対策も必要である。
(背景技術2)
車両等に用いる複数本の電線を結束したワイヤハーネスがある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1では、ノイズが入ることを防止する必要があるスピーカ用ツイスト電線などの特定電線W1をワイヤハーネスの断面の中心に位置させ、他の一般電線W2により囲んだ状態で結束している。これにより、ワイヤハーネス自体で、ノイズ発生等を防止している。
車両等に用いる複数本の電線を結束したワイヤハーネスがある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1では、ノイズが入ることを防止する必要があるスピーカ用ツイスト電線などの特定電線W1をワイヤハーネスの断面の中心に位置させ、他の一般電線W2により囲んだ状態で結束している。これにより、ワイヤハーネス自体で、ノイズ発生等を防止している。
その構造は、特定電線W1をテープ11により荒巻(大きなピッチで隙間をあけながら巻くこと)あるいは部分巻きして結束する(特許文献1の図2(A))。そして、テープ11で結束された特定電線W1が中心位置になるように一般電線W2で囲み、全体をテープ13により荒巻あるいは部分巻きする(特許文献1の図2(D))。更に、全体を覆うようにテープ12でハーフラップ巻きする(特許文献1の図2(E))。
特許第3234367号公報(第2〜4頁、図1、図2)
背景技術1の可動自在なワイヤハーネスにおいて、EMI/EMS対策を行うために背景技術2(特許文献1)を適用すると、ワイヤハーネスが固く結束されて柔軟性がなくなってしまい、可動自在な筐体間の接続用としては使えなくなってしまうという問題がある。特に、特定電線W1をテープ11により荒巻あるいは部分巻きして結束しているために、可動自在であるべきワイヤハーネスを屈曲・捻回すると、電線相互間で応力を強く受けてしまい、うまく可動自在な状態にならないという問題がある。この可動自在性に関する記載は、背景技術2(特許文献1)にはない。
本発明は、従来の問題点を解決して、ワイヤハーネス自体でノイズ発生の防止および外部ノイズからの影響防止を行うことができると共に可動自在なワイヤハーネス、およびそのワイヤハーネスを搭載した携帯端末を提供することを目的とする。
特に、携帯電話では上述の通り、効果的で軽薄短小性を具備したEMI/EMS対策が求められており、その要求に答えることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のワイヤハーネスは、2つのコネクタ間を接続する複数の線材を結束したワイヤハーネスであって、前記複数の線材は、第1信号線群と当該第1信号線群より高速な第2信号線群とを有し、前記結束部位の断面構造は、断面外部に第1結束材で結束された前記第1信号線群が配置され、断面内部に当該第1信号線群に対し滑り易さを有する第2結束材で結束された前記第2信号線群が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、ワイヤハーネス自体でノイズ発生の防止および外部ノイズからの影響防止を行うことができると共に可動自在な構造とすることが可能となる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の各実施例に係る携帯端末の構造図であり、「A:正面図」、「B:ハーネス接続」、「C:側面図」を示す。携帯端末100は、折り畳み式の構造であり、上筐体1と下筐体2がヒンジ3により回動自在に係合している。「A:正面図」に示すように、上筐体1には、音声レシーバ4、表示部5などが配置される。また、上筐体1の背面側には、カメラ6などが配置される。下筐体2には、操作キー7などが配置される。
図1は、本発明の各実施例に係る携帯端末の構造図であり、「A:正面図」、「B:ハーネス接続」、「C:側面図」を示す。携帯端末100は、折り畳み式の構造であり、上筐体1と下筐体2がヒンジ3により回動自在に係合している。「A:正面図」に示すように、上筐体1には、音声レシーバ4、表示部5などが配置される。また、上筐体1の背面側には、カメラ6などが配置される。下筐体2には、操作キー7などが配置される。
「B:ハーネス接続」に示すように、上筐体1の内部には上基板8が配置され、下筐体2の内部には、主基板9が配置される。そして、上基板8と主基板9は、ワイヤハーネス10により電気的に接続される。ワイヤハーネス10は、コネクタ11、コネクタ12、及び線材13などにより構成される。ワイヤハーネス10は、ヒンジ3の内部を通して、配線される。上基板8と主基板9には、ワイヤハーネス10のコネクタ11、コネクタ12と脱着勘合するコネクタ(図示せず)が搭載されているが、以降の説明では省略する。
「C:側面図」に示すように、下筐体2の内部には、主基板9が配置され、ワイヤハーネス10のコネクタ12が接続される。主基板9には、無線ユニット16が搭載される。ヒンジ3の近傍には、アンテナ14が搭載され、無線ユニット16と接続される。無線ユニット16とアンテナ14は、ワイヤハーネス10の近傍に配置されるため、相互間のノイズ対策を行う必要がある。
上筐体1と下筐体2は、折り畳み式の構造であり、頻繁に折り畳み操作が行われる。それに連れて、ワイヤハーネス10も自在に屈曲しながら動くため、ワイヤハーネス10は、ストレスに強い構造が必要である。この構造については、実施例1以降で説明する。
図2は、本発明の各実施例に係る携帯端末のブロック図である。携帯端末100は、上筐体1側の上基板8には、音声レシーバ4、表示部5、カメラ6などが搭載される。下筐体2側には、主基板9、アンテナ14、キー基板15などが搭載される。主基板9には、無線ユニット16、制御部17、HDD18、電源部19などが搭載される。
無線ユニット16とアンテナ14は接続され、無線ユニット16の送信部からアンテナ14へ大電力の高周波出力が行われる。そのため、ワイヤハーネス10へのノイズ源となりうる。
上基板8と主基板9とは、ワイヤハーネス10を経由して、電源、低周波数の音響信号、高速の表示データやカメラデータなどの送信受信が行われる。ワイヤハーネス10の高速の表示データやカメラデータの信号線は、放射ノイズを発生するおそれがあるので、外部へのEMI対策、特に、ワイヤハーネス10の近傍に無線ユニット16とアンテナ14が配置される(図1)ため、アンテナ14が外部から受信した微弱な電波信号に対して影響を及ぼさないようにする必要がある。
また、高速信号の形式として、LVDS信号(Low Voltage Differential Serial)のように電圧振幅の小さな信号形式が使われると、外部からのノイズ、特に、ワイヤハーネス10の近傍の無線ユニット16の送信部がアンテナ14へ送出する大電力の高周波出力に依る干渉の影響が大きいので、いわゆるEMS対策も行う必要がある。これらの対策を行ったワイヤハーネス10の構造については、各実施例で説明する。
図3は、本発明の各実施例に係る携帯端末のワイヤハーネス関連の接続図である。ワイヤハーネス10の信号の種別として、電源17a、GND17b、音声レシーバ4へ供給する低周波数の音響信号17c、その他の低周波数の信号17d、表示部5に送信する高速の表示データ17e、カメラ6からの高速のカメラデータ17fなどがある。
高速の表示データ17eについては、送信側の主基板9内の平衡ドライバ20およびフィルタ21によりLVDS信号(Low Voltage Differential Serial)形式で送信される。そして、受信側の上基板8内のフィルタ22および平衡レシーバ23で受信して表示部5に表示される。高速のカメラデータ17fについては、送信側のカメラ6からの出力データが平衡ドライバ24およびフィルタ25によりLVDS信号形式で送信される。そして、受信側の主基板9内のフィルタ26および平衡レシーバ27で受信して制御部17で処理される。
これらの信号の内、低周波数の音響信号17cとその他の低周波数の信号17dには、主基板9にキャパシタ28をコネクタ11近傍に配置して搭載する。また、上基板8にキャパシタ29をコネクタ12近傍に配置して搭載する。このキャパシタ28、29の静電容量値は、音響信号17cおよび信号17dの低周波数に対して影響を及ぼさずに、より高い周波数のハイパスフィルターとなる値である。
ワイヤハーネス10の線材13の種別として、信号の種類を、高速信号(第1信号)と高速でない信号(第2信号)とに分けて、高速信号である表示データ17eとカメラデータ17fの平衡線をそれぞれA、Aバー、B、Bバーと表記する。高速でない信号(第2信号)の、電源17a、GND17b、音響信号17c、信号17dの線をNと表記する。なお、GND17bについては、実施例2では、第3信号として分類する。A、Aバー、それにB、Bバーはそれぞれ平衡線であってもよいし、ツイストペア線であってもよい。なお、他に高速信号があれば、C、Cバーと表記する。
図4は、本発明の実施例1に係るワイヤハーネスの構造図であり、「A:全体図」、「B:断面図」、「C:断面図」を示す。ワイヤハーネス10は、コネクタ11、コネクタ12、その両者間を結ぶ線材13、そして、線材13をテープ(結束材)で結束する結束部位30、31、32、33などから構成される。結束部位の内、結束部位30、33は、それぞれ、コネクタ11、12近傍の結束部位である。結束部位31、32は、ワイヤハーネス10の途中部分の結束部位であり、2箇所に限らず、1乃至複数箇所であってもよい。コネクタ11、12の形状は、どのような形状、たとえば直方体や丸型であってもよい。
「B:断面図」、「C:断面図」に示すように、結束部位30、31、32、33では、線材13を丸く束ねて結束する。A、Aバー、B、Bバー、Nの表記は、図3で説明した線材13の種別である。
「B:断面図」は、コネクタ11、12近傍の結束部位30、33の断面を示す。断面内部は、高速信号線(第1信号線)であるA、Aバー、B、Bバーを断面中心部にまとめ、その回りを非粘着性又は粘着性のテープ35で結束する。断面外部は、断面内部の回りを高速でない信号線(第2信号線)のNで取り囲み、その外側を粘着性のテープ34で信号線Nに粘着して結束する。
「B:断面図」は、コネクタ11、12近傍の結束部位30、33の断面を示す。断面内部は、高速信号線(第1信号線)であるA、Aバー、B、Bバーを断面中心部にまとめ、その回りを非粘着性又は粘着性のテープ35で結束する。断面外部は、断面内部の回りを高速でない信号線(第2信号線)のNで取り囲み、その外側を粘着性のテープ34で信号線Nに粘着して結束する。
「C:断面図」は、ワイヤハーネス10の途中部分の結束部位31、32の断面を示す。信号線の配置については、「B:断面図」と同じであり、高速信号線A、Aバー、B、Bバーを断面内部にまとめ、その外側に高速でない信号線Nを配置する。結束のためのテープについては、断面内部のテープ(第1テープ)は非粘着性のテープ37で結束し、高速信号線A、Aバー、B、Bバーと、高速でない信号線Nとは摺動可能である。断面外側のテープ(第2テープ)は非粘着性のテープ36で結束し、信号線Nとテープ36とは、摺動可能である。
このような構造において、EMI効果について説明する。断面内部の高速信号線A、Aバー、B、Bバーが発生した放射ノイズは、断面外部の信号線Nがシールド効果となって、外部への不要輻射を防止することができる。また、信号線Nは、図3で説明したように、上基板8と主基板9内のキャパシタ29、28で高周波的に接地されており、高速信号線A、Aバー、B、Bバーが発生した放射ノイズは、信号線Nを経由して、キャパシタ29、28で吸収することができる。
また、EMS効果についても、ワイヤハーネス10の外部からのノイズは、外側の信号線Nとキャパシタ29、28により遮断されて、断面内部の高速信号線A、Aバー、B、Bバーに影響が及ぶことを防止することができる。
次に、ワイヤハーネス10の自在な屈曲性について説明する。ワイヤハーネス10は、携帯端末100の折り畳み操作に伴って自在に屈曲しながら動く。この時、コネクタ11、12近傍の結束部位30、33では、断面外部の信号線Nに粘着する粘着性のテープ34で結束し、コネクタ11、12と線材13との接続箇所にストレスが掛かって切れないように固定する。断面内部のテープ35は、ワイヤハーネス10の屈曲に伴う動きが小さいので、非粘着性または粘着性どちらでもよい。
ワイヤハーネス10の途中の結束部位31、32については、線材13の挙動が大きいが、断面内部の非粘着性のテープ37(第1テープ)と断面外部の非粘着性テープ36(第2テープ)により、高速信号線A、Aバー、B、Bバー、信号線N自体も摺動することができ、ストレスを吸収することができる。
なお、ワイヤハーネス10の製造性を良くするために、断面内部の高速信号線A、Aバー、B、Bバーを例えば赤色被覆とし、断面外部の信号線Nを青色被覆として、区分け作業をし易くして、ワイヤハーネス10の製造性を良くすることができる。
実施例1によれば、ワイヤハーネス自体のEMI効果、EMS効果を有すると共に、自在に屈曲してもストレスがなく、信頼性を向上することができる。
実施例1によれば、ワイヤハーネス自体のEMI効果、EMS効果を有すると共に、自在に屈曲してもストレスがなく、信頼性を向上することができる。
図5は、本発明の実施例2に係るワイヤハーネスの構造断面図である。実施例1(図4)との差異部分について主に説明する。
「B:断面図」は、コネクタ11、12近傍の結束部位30、33の断面を示す。断面内部は、高速信号線(第1信号線)の本数が多くて、例えば、A、Aバー、B、Bバーの他に、C、Cバーがあり、計6本とする。この6本を断面内部に配置する場合、真ん中にグランド線Gnd(第3信号線)を配置し、その回りを高速信号線A、Aバー、B、Bバー、C、Cバーで囲む。この計7本により、断面内部に蜂の巣状に均等に配置することができる。その回りを非粘着性又は粘着性のテープ39で結束する。
断面外部は、信号線N(第2信号線)の本数が少なくて、隙間なく配置することができない場合、信号線N同士が略均等に隙間を開けて配置している。その回りを粘着性のテープ38で結束する。粘着性のテープ38で結束することにより、コネクタ11、12と線材13との接続箇所にストレスが掛かって切れないように固定できると共に、信号線Nは粘着性テープ38に粘着し、略均等配置が保たれる。断面内部のテープ39は、非粘着性または粘着性どちらでもよい。
「C:断面図」は、ワイヤハーネス10の途中部分の結束部位31、32の断面を示す。信号線の配置については、「B:断面図」と同じであり、高速信号線A、Aバー、B、Bバーとグランド線Gndを断面内部にまとめ、その外側に高速でない信号線Nを略均等に隙間を開けて配置する。結束のためのテープについては、断面内部のテープ(第1テープ)は非粘着性のテープ41で結束する。断面外側のテープ(第2テープ)は粘着性のテープ40で結束し、信号線Nは粘着性テープ40に粘着し、略均等配置が保たれる。
このような構造において、EMI効果について説明する。断面内部の高速信号線A、Aバー、B、Bバーが発生した放射ノイズは、断面外部の信号線Nの本数が少なくて隙間があっても、銅線である信号線Nに集中して吸収される効果がある。また、信号線Nは、図3で説明したように、上基板8と主基板9内のキャパシタ29、28で高周波的に接地されており、高速信号線A、Aバー、B、Bバーが発生した放射ノイズは、信号線Nを経由して、キャパシタ29、28で吸収することができる。また、高速信号線A、Aバー、B、Bバー、C、Cバーが発生する放射ノイズを中心のグランド線Gndにより吸収することができる。
また、EMS効果についても、ワイヤハーネス10の外部からのノイズは、外側の信号線Nとキャパシタ29、28により遮断されて、断面内部の高速信号線A、Aバー、B、Bバーに影響が及ぶことを防止することができる。
次に、ワイヤハーネス10の自在な屈曲性について説明する。コネクタ11、12近傍の結束部位30、33では、ワイヤハーネス10の屈曲性は実施例1(図4)と同等である。ワイヤハーネス10の途中の結束部位31、32については、断面外部のテープ40は粘着性であるが、断面内部のテープ41が非粘着性であるために、信号線の摺動性と屈曲性を良好に保つことができる。
実施例2によれば、ワイヤハーネスの断面の中心にGND線を配置することにより、断面内側部分を蜂の巣状に丸く配置することができると共に、高速信号線が発生する放射ノイズをGND線により吸収することができる。また、ワイヤハーネスの断面の外側部分に配置する高速でない信号線Nの数が少ない場合でも、略均等に配置することができて、高速信号線が発生する放射ノイズを吸収することができる。
なお、断面内部の構造と断面外部の構造の組み合わせは、実施例1(図4)および実施例2(図5)の組み合わせに限らず、それぞれの断面内部の構造と断面外部の構造を種々組み合わせてもよい。
また、実施例1及び実施例2に於いて、ワイヤハーネス内部に配置する線をまとめて、テープ結束前に予め捻回すると、平行信号線間の密着度が安定させ易く、又、線同士が機械的に結合するので結束作業が容易になる効果が有る。
図6は、本発明の実施例3に係るワイヤハーネスの配線図であり、「A:配線図」、「B:詳細配線図」を示す。ワイヤハーネス10のコネクタ11、12は、携帯端末用の小型で直方体形状のコネクタである。小型であるため、ロック機構のないコネクタである。コネクタ11は、下筐体2の主基板9の図示しないコネクタに勘合される。コネクタ12も、上筐体1の上基板8の図示しないコネクタに勘合される。
「A:配線図」において、コネクタ11に接続された線材13は纏めて、コネクタ11の長手方向のコネクタ端部11a方向にまとめて配線される。そして、結束部位30〜33で結束されて、コネクタ12に接続される。コネクタ12においても、線材13は纏めて、コネクタ12の長手方向のコネクタ端部12a方向にまとめて配線される。
この構造により、携帯端末100の折り畳みに伴いワイヤハーネス10が自在に屈曲した場合、コネクタ11、12に掛かる引き抜き力は、コネクタ11、12の長手方向、つまり、主基板9、上基板8の面と平行な方向に掛かることになる。従って、コネクタ11、12にロック機構がなくても、主基板9、上基板8の面に対して垂直方向に引き抜き力が加わることは少なく、外れてしまうおそれを解消することができる。
「B:詳細配線図」は、コネクタと信号線の接続部の詳細を示す。点線で示した高速信号線A、Aバー、B、Bバー、C、Cバーなどは、コネクタ11、12のコネクタ端部11a、12aに近い部分の接続ピン11b、12bで接続される。高速でない信号線Nは、それ以外の箇所で接続される。これにより、コネクタ11、12間の高速信号線の長さを最短の距離として、ノイズに対する効果を高めることができる。そして、高速信号線A、Aバー、B、Bバー、C、Cバーと高速でない信号線Nは、実施例1(図4)、実施例2(図5)の断面図で説明したように、断面の内側部分と外側部分に配置されて、結束部位30〜33で結束される。
実施例3によれば、実施例1と実施例2の効果に加えて、最短の高速信号線の長さとすることにより、更に、ノイズに対する効果を高めることができる。また、コネクタが基板から抜けにくくすることができる。
なお、各実施例において、結束用の結束材として、テープを使用したが、チューブなどであってもよい。また、無線ユニット、アンテナなどを、ワイヤハーネスとの間でノイズの相互影響のあるものとして説明したが、これらのものに限らない。従って、各実施例の携帯端末は、携帯電話機、PDA、カメラ、ノートパソコンなどに適用することができる。また、各実施例のワイヤハーネスは、これらの携帯端末の可動部分の接続用として適用することができる。
なお、各実施例において、結束用の結束材として、テープを使用したが、チューブなどであってもよい。また、無線ユニット、アンテナなどを、ワイヤハーネスとの間でノイズの相互影響のあるものとして説明したが、これらのものに限らない。従って、各実施例の携帯端末は、携帯電話機、PDA、カメラ、ノートパソコンなどに適用することができる。また、各実施例のワイヤハーネスは、これらの携帯端末の可動部分の接続用として適用することができる。
1 上筐体
2 下筐体
3 ヒンジ
4 音声レシーバ
5 表示部
6 カメラ
7 操作キー
8 上基板
9 主基板
10 ワイヤハーネス
11 コネクタ
11a コネクタ端部
11b 端部側の接続ピン
12 コネクタ
12a コネクタ端部
12b 端部側の接続ピン
13 線材
14 アンテナ
15 キー基板
16 無線ユニット
17 制御部
18 HDD
19 電源部
20 平衡ドライバ
21、22 フィルタ
23、24 平衡レシーバ
25、26 フィルタ
27 平衡レシーバ
28、29 キャパシタ
30、31、32、33 結束部位
34〜41 テープ
100 携帯端末
2 下筐体
3 ヒンジ
4 音声レシーバ
5 表示部
6 カメラ
7 操作キー
8 上基板
9 主基板
10 ワイヤハーネス
11 コネクタ
11a コネクタ端部
11b 端部側の接続ピン
12 コネクタ
12a コネクタ端部
12b 端部側の接続ピン
13 線材
14 アンテナ
15 キー基板
16 無線ユニット
17 制御部
18 HDD
19 電源部
20 平衡ドライバ
21、22 フィルタ
23、24 平衡レシーバ
25、26 フィルタ
27 平衡レシーバ
28、29 キャパシタ
30、31、32、33 結束部位
34〜41 テープ
100 携帯端末
Claims (6)
- 2つのコネクタ間を接続する複数の線材を結束したワイヤハーネスであって、
前記複数の線材は、第1信号線群と当該第1信号線群より高速な第2信号線群とを有し、
前記結束部位の断面構造は、断面外部に第1結束材で結束された前記第1信号線群が配置され、断面内部に当該第1信号線群に対し滑り易さを有する第2結束材で結束された前記第2信号線群が配置されていることを特徴とするワイヤハーネス。 - 前記複数の線材は、接地用の信号線を更に有し、
前記結束部位の断面構造は、前記断面内部の中央に前記接地用の信号線が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記結束部位の断面構造は、前記断面外部において前記第1信号線群の各信号線同士を略均等な間隔で配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネス。
- 前記複数の線材は、前記第2信号線群が前記第1信号線群より短いことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のワイヤハーネス。
- 2つのコネクタ間を接続する複数の線材を結束したワイヤハーネスと、当該コネクタの一つが接続される印刷基板とを有する携帯端末であって、
前記ワイヤハーネスは、前記複数の線材が、第1信号線群と当該第1信号線群より高速な第2信号線群とを有し、
前記結束部位の断面構造は、断面外部に第1結束材で結束された前記第1信号線群が配置され、断面内部に当該第1信号線群に対し滑り易さを有する第2結束材で結束された前記第2信号線群が配置されているものであり、
前記印刷基板は、前記コネクタを介して前記第1信号線群が接続される各印刷配線と接地との間に、当該第1信号線の信号周波数より高い周波数を低減するキャパシタを配置したことを特徴とする携帯端末。 - 2つの筐体と、これらを回動自在に係合するヒンジと、前記ヒンジ近傍に配置されて無線信号を送受信するアンテナと、前記ヒンジの内部を経由する前記筐体間の信号伝送に用いられるワイヤハーネスとを有する携帯端末であって、
前記ワイヤハーネスは、2つのコネクタ間を接続する複数の線材を結束したものであり、
前記複数の線材は、第1信号線群と当該第1信号線群より高速な第2信号線群とを有し、
前記結束部位の断面構造は、断面外部に第1結束材で結束された前記第1信号線群が配置され、断面内部に当該第1信号線群に対し滑り易さを有する第2結束材で結束された前記第2信号線群が配置されていることを特徴とする携帯端末。
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2006
- 2006-05-16 JP JP2006136975A patent/JP2007311082A/ja active Pending
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