JP2007309660A - 3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2値化投影パターンを投影するプロジェクタと、上記プロジェクタにより投影された2値化投影パターンを撮影するカメラとを有し、上記プロジェクタにより2値化投影パターンを投影して空間に対し絶対的なコード値を生成する空間コード化法を用いた3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法において、プロジェクタのキャリブレーションに用いるプロジェクタ画像座標群を、カメラのキャリブレーション時に用いたチェッカーボード撮影画像上のチェッカー交点座標群が存在する範囲内で選択して上記プロジェクタのキャリブレーションを行うようにした。
【選択図】 図9
Description
一般に、上記した空間コード化法を用いた3次元形状測定装置は、コンピュータによりその全体の動作を制御するように構成されており、コンピュータの制御により測定対象物へ複数の2値化投影パターンを投影する投影手段としてのプロジェクタと、プロジェクタにより2値化投影パターンを投影された測定対象物を撮影する撮影手段としてのカメラとを有して構成されている。
ところで、上記したような空間コード化法を用いた3次元形状測定装置においては、カメラのキャリブレーション(カメラキャリブレーション)およびカメラのレンズの歪み補正ならびにプロジェクタのキャリブレーション(プロジェクタキャリブレーション)およびプロジェクタのレンズの歪み補正を行う必要がある(非特許文献1、2参照)。
次に、上記した(5)式および(6)式のパラメータであるカメラ内部パラメータA、カメラ外部パラメータ[R,t]および歪み係数k=[k1,k2]を求める手順を、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
(i)ベクトル(pi−q)(図3における実線矢印参照)、
(ii)点piにおける輝度勾配ベクトルDpi(図3における破線矢印参照)、
(iii)上記(i)(ii)で求めたベクトルの内積εi=Dpi・(pi−q)、
(iv)上記(iii)で求めたベクトルの内積εiの二乗の総和であるΣεi2を求める、
という計算を行う。
次に、初期射影変換行列を求める(ステップS204)。より詳細には、各入力画像について、チェッカー交点の3D座標を対応する2D画像座標に変換する射影変換行列を求める。即ち、この初期射影変換行列を求める処理においては、入力データとしてチェッカー交点の2D画像座標群と対応する3D座標とを用い、出力データとして画像枚数分の射影変換行列Hを求める。
次に、プロジェクタキャリブレーションの手法について説明するが、プロジェクタキャリブレーションについては、例えば、非特許文献1、2に開示されており、この非特許文献1、2を合わせて参照する。
cHm=A[r1 r2 t]
で求められる。以上から、3D座標は次のように求められる。
以上において説明したように、上記したプロジェクタキャリブレーションの手法によりプロジェクタ画像座標と物体座標との対応を得るためには、グレイコードパターンを投影するときの平板の位置が、予めカメラ座標との関係が既知でカメラパラメータが求められているような位置である必要がある。
Zhenyou Zhang,"A flexible new technique for camera calibration",Microsoft Research Technical Report,http://research.microsoft.com/〜zhang/calib/,1998. 福田正則,宮阪健夫,荒木和男,中京大学大学院情報科学研究科/中京大学生命システム工学部,"柔軟なキャリブレーション手法を用いた3次元計測装置の試作",第11回画像センシングシンポジウム講演論文集,June 2005.
即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、2値化投影パターンを投影するプロジェクタと、上記プロジェクタにより投影された2値化投影パターンを撮影するカメラとを有し、上記プロジェクタにより2値化投影パターンを投影して空間に対し絶対的なコード値を生成する空間コード化法を用いた3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法において、プロジェクタのキャリブレーションに用いるプロジェクタ画像座標群を、カメラのキャリブレーション時に用いたチェッカーボード撮影画像上のチェッカー交点座標群が存在する範囲内で選択して上記プロジェクタのキャリブレーションを行うようにしたものである。
図9には、本発明による3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法を実施する3次元形状測定装置の概略構成説明図が示されている。
ここで、図10(a)(b)(c)(d)には、コンピュータ12で生成される各種の2値化投影パターンの例が示されている。
次に、図11に示すコンピュータ12により実現される3次元形状測定装置10の制御システムのブロック構成説明図を参照しながら、3次元形状測定装置10における測定対象物14の3次元形状の形状計測動作について説明しておく。
ここで、2値化投影パターン投影手段20は、図10(a)(b)(c)(d)に示すような2値化投影パターンを生成する2値化投影パターン生成部20aと、2値化投影パターン生成部20aにおいて生成された2値化投影パターンを測定対象物14へ投影するようにカメラ16を制御する2値化投影パターン投影制御部20bとを有して構成されている。
次ぎに、図12に示すフローチャートを参照しながら、3次元形状測定装置10の動作についてさらに詳細に説明する。
次に、シフトパターンをシフトしながら各シフト毎における測定対象物14の表面へ投影された2値化投影パターン画像を撮影する手法の原理について、以下により詳細に説明することする。
また、図13(b)および図13(c)に示すように、位相シフト画像は、2値化投影パターンのストライプの幅Wの間隔でコード値が繰り返され、生成される位相シフト画像中に同一コード値が複数存在することになる。このため、撮影空間に対して絶対的なコード値は生成されない。
なお、上記においては、バイナリコードを用いた場合について説明したが、一般に用いられているグレイコードでも原理は同じである。
上記した3次元形状測定装置10においては、シフトパターンをシフトする機能および位相シフト画像と空間コード画像とを合成する機能以外の特別な構成を必要とせずに、従来の空間コード化法で用いる構成を用いて、撮影画像の合成だけで高解像度の空間コード画像が生成でき、これにより測定対象物14の3次元形状計測の分解能を向上することができる。
次に、上記した3次元形状測定装置10におけるキャリブレーション方法(以下、単に「本発明キャリブレーション方法」と適宜に称する。)について説明すると、本発明キャリブレーション方法は、ホモグラフィ算出に用いるプロジェクタ画像座標を、チェッカー交点群と同じ範囲で求めるようにしたものである。
上記した本発明キャリブレーション方法によれば、パラメータが正確である範囲はチェッカー交点のある範囲に限られることになるが、その範囲内においては高精度を確保することができる。
ここで、上記した本発明キャリブレーション方法においては、空間コード画像を作成する際に従来の空間コード化法を用いたが、これに代えて、3次元形状測定装置10において計測時に実施する手法である、2値化投影パターンを任意の移動量でシフトすることで空間コードを細分化するようにした空間コード化法(位相シフト空間コード化法)を用いるようにしてもよい。
なお、位相シフトグレーコードパターンの撮影画像を2値化するときには、オーバーサンプリング技術を利用してオーバーサンプリング2値画像を生成し、擬似的にサンプリング周波数を逓倍するようにして、位相シフト空間コード化法の解像度を向上させるようにしてもよい。
なお、上記した4画素を4分割する位相シフト空間コード化法においては、図17に示す演算式を用いてシフトデータを求めていたが(図16参照)、LSBと同じビット値を数える手法を用いてシフトデータを求めるようにすることもできる(図22参照)。
次に、本願発明者が行った各種の実験の結果ついて、その結果を示す図表を参照しながら詳細に説明する。
(1)計測時におけるプロジェクタレンズの歪み補正の有無
(2)計測時ならびにキャリブレーション時における位相シフト空間コード化法の適用の有無
(3)キャリブレーション時におけるチェッカーボード撮影時のボードの傾き角度
について着目し、これらの組み合わせにより計測精度にどのような傾向があらわれるかを検討した。
a.キャリブレーションパラメータの算出時と計測時との双方において位相シフト空間コード化法を適用する、
b.計測時にプロジェクタのレンズの歪み補正を行う、
c.チェッカーボードの回転角度は、X軸およびY軸周りにそれぞれ15度、Z軸周りに10度程度でチェッカーボード画像がカメラ画像から多くはみ出さないようにすること、
という、上記a、b、cの条件を備えたときに最適な計測精度が得られることが判明した。
以下、第1の実験の詳細について説明すると、まず、キャリブレーションパラメータ算出時の条件は以下の通りである。なお、第1の実験においては、位相シフト空間コード化法を適用するにあたっては、光透過領域100aが垂直方向に延長した2値化投影パターンを水平方向にのみシフトするものとして、光透過領域100aが水平方向に延長した2値化投影パターンについては垂直方向へのシフトは行わないようにした。
レンズ:焦点距離f=12mm、絞り値F=1.4、Mega Pixel対応
プロジェクタ:三菱電機株式会社製LVP−XL5(画素数1024×768ピクセル)
画像サイズ:640×480ピクセル(プロジェクタ画像のピクセル間隙間の影響を軽減するため、1280×1024ピクセルで一旦撮影し、2次元移動平均フィルタ適用後間引き縮小した。)
撮影パターン:35mm四方のマゼンタ色市松模様を横8個、縦7個のピッチで配置したものを、カラーレーザープリンタで普通紙に印刷後、セラミック製タイルに貼り付けたものをチェッカーボードとして用いる。
次に、既知のカメラおよびプロジェクタ画像座標と3D座標の対応を用いて得られたキャリブレーションパラメータで3D座標を画像座標に変換した値が、それに対応する画像座標とどれだけの誤差があるかを検討した。また、プロジェクタ画像座標の求め方による違いも検討した。
・カメラパラメータ、
・チェッカー交点位置を用い、コード値の算出に位相シフト空間コード化法を用いたプロジェクタ画像座標位置によるプロジェクタパラメータ、
・チェッカー交点位置を用い、コード値算出に従来の空間コード化法を用いたプロジェクタ画像座標位置によるプロジェクタパラメータ、
・スリット境界線の交点を用い、コード値の算出に従来の空間コード化法を用いたプロジェクタ画像座標位置によるプロジェクタパラメータ、
の4つのパラメータについて、パラメータの算出に用いた面数と、そのパラメータでの誤差(ピクセル単位での距離差)との関係を図24(a)(b)(c)(d)に示す。
次に、上記した3次元形状測定の精度を左右する3点の要因がそれぞれどのように影響するかを検討した。
この結果から、キャリブレーション時のチェッカーボードの傾き角度の影響としては、15度の傾き角度でキャリブレーションしたパラメータを用いて計測した結果が全体的に最も誤差が少なかった(図26(c)参照)。
次に、第2の実験の詳細について説明すると、まず、キャリブレーションパラメータ算出時の条件は以下の通りである。なお、第2の実験においては、位相シフト空間コード化法を適用するにあたっては、光透過領域100aが垂直方向に延長した2値化投影パターンを水平方向にシフトするとともに、光透過領域100aが水平方向に延長した2値化投影パターンを垂直方向へシフトするようにした。
レンズ:焦点距離f=12mm、絞り値F=1.4、Mega Pixel対応
プロジェクタ:三菱電機株式会社製LVP−XL5(画素数1024×768ピクセル)
画像サイズ:640×480ピクセル(プロジェクタ画像のピクセル間隙間の影響を軽減するため、1280×1024ピクセルで一旦撮影し、2次元移動平均フィルタ適用後間引き縮小した。)
撮影パターン:35mm四方のマゼンタ色市松模様を横8個、縦7個のピッチで配置したものを、カラーレーザープリンタで普通紙に印刷後、セラミック製タイルに貼り付けたものをチェッカーボードとして用いる。
その結果が図31(a)(b)(c)、図32(a)(b)(c)ならびに図33(a)(b)(c)に示されている。
12 コンピュータ
12a バス
12b 中央処理装置(CPU)
12c リードオンリメモリ(ROM)
12d ランダムアクセスメモリ(RAM)
12e 入力装置
12f 表示装置
14 測定対象物
16 プロジェクタ
18 カメラ
20 2値化投影パターン投影手段
20a 2値化投影パターン生成部
20b 2値化投影パターン投影制御部
22 画像入力手段
24 画像処理手段
24a 空間コード画像生成手段
24b 位相シフト画像生成手段
24c 位相シフト空間コード画像生成手段
24d 3次元形状情報取得手段
Claims (5)
- 2値化投影パターンを投影するプロジェクタと、前記プロジェクタにより投影された2値化投影パターンを撮影するカメラとを有し、前記プロジェクタにより2値化投影パターンを投影して空間に対し絶対的なコード値を生成する空間コード化法を用いた3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法において、
プロジェクタのキャリブレーションに用いるプロジェクタ画像座標群を、カメラのキャリブレーション時に用いたチェッカーボード撮影画像上のチェッカー交点座標群が存在する範囲内で選択して前記プロジェクタのキャリブレーションを行う
ことを特徴とする3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法。 - 請求項1に記載の3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法において、
前記2値化投影パターンは、一定の幅を有するとともに前記幅方向と直交する所定の方向に延長する光透過領域と光非透過領域とが交互にストライプ状に連続して形成されたものであり、
前記プロジェクタ画像座標は、
前記プロジェクタにより前記ストライプが垂直方向に延長する所定の2値化投影パターンを水平方向に所定の移動量でシフトしながら順次投影するとともに、前記シフト毎に投影された前記所定の2値化投影パターンの第1の種類の画像を前記カメラにより撮影し、
前記プロジェクタにより前記ストライプが垂直方向に延長するそれぞれ異なる複数の2値化投影パターンをそれぞれ投影するとともに、前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンのそれぞれを投影する毎に投影された前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンの第2の種類の画像を前記カメラにより撮影し、
前記カメラにより撮影した前記第1の種類の画像と前記第2の種類の画像とを合成した第3の種類の画像を生成し、
前記プロジェクタにより前記ストライプが水平方向に延長する所定の2値化投影パターンを垂直方向に所定の移動量でシフトしながら順次投影するとともに、前記シフト毎に投影された前記所定の2値化投影パターンの第4の種類の画像を前記カメラにより撮影し、
前記プロジェクタにより前記ストライプが水平方向に延長するそれぞれ異なる複数の2値化投影パターンをそれぞれ投影するとともに、前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンのそれぞれを投影する毎に投影された前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンの第5の種類の画像を前記カメラにより撮影し、
前記カメラにより撮影した前記第4の種類の画像と前記第5の種類の画像とを合成した第6の種類の画像を生成し、
前記第3の種類の画像と前記第6の種類の画像とに基づき取得する
ことを特徴とする3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法。 - 請求項1に記載の3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法において、
前記2値化投影パターンは、一定の幅を有するとともに前記幅方向と直交する所定の方向に延長する光透過領域と光非透過領域とが交互にストライプ状に連続して形成されたものであり、
前記プロジェクタ画像座標は、
前記プロジェクタにより前記ストライプが垂直方向に延長する所定の2値化投影パターンを水平方向に所定の移動量でシフトしながら順次投影するとともに、前記シフト毎に投影された前記所定の2値化投影パターンの画像をオーバーサンプリングした第1の種類の画像を前記カメラにより撮影し、
前記プロジェクタにより前記ストライプが垂直方向に延長するそれぞれ異なる複数の2値化投影パターンをそれぞれ投影するとともに、前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンのそれぞれを投影する毎に投影された前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンの画像をオーバーサンプリングした第2の種類の画像を前記カメラにより撮影し、
前記カメラにより撮影した前記第1の種類の画像と前記第2の種類の画像とを合成した第3の種類の画像を生成し、
前記プロジェクタにより前記ストライプが水平方向に延長する所定の2値化投影パターンを垂直方向に所定の移動量でシフトしながら順次投影するとともに、前記シフト毎に投影された前記所定の2値化投影パターンの画像をオーバーサンプリングした第4の種類の画像を前記カメラにより撮影し、
前記プロジェクタにより前記ストライプが水平方向に延長するそれぞれ異なる複数の2値化投影パターンをそれぞれ投影するとともに、前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンのそれぞれを投影する毎に投影された前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンの画像をオーバーサンプリングした第5の種類の画像を前記カメラにより撮影し、
前記カメラにより撮影した前記第4の種類の画像と前記第5の種類の画像とを合成した第6の種類の画像を生成し、
前記第3の種類の画像と前記第6の種類の画像とに基づき取得する
ことを特徴とする3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法。 - 請求項2または3のいずれか1項に記載の3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法において、
前記所定の2値化投影パターンは、前記それぞれ異なる複数の2値化投影パターンの中で前記幅が最も狭い2値化投影パターンである
ことを特徴とする3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法。 - 請求項2、3または4のいずれか1項に記載の3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法において、
前記所定の2値化投影パターンは、前記光透過領域と前記光非透過領域との位置が入れ替わる1/2位相反転する範囲までシフトする
ことを特徴とする3次元形状測定装置におけるキャリブレーション方法。
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