JP2007308791A - 無電解めっきの前処理方法、無電解めっき方法およびめっき基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶ポリマー基材の被処理面に粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって無電解めっき方法により良好な密着力のめっき膜を形成することができ、このめっき膜により、ファインピッチの配線パターンの回路電極を形成する。
【解決手段】フィラーを含まない液晶ポリマー基材に紫外線を照射する紫外線処理工程と、紫外線処理工程の後に、液晶ポリマー基材を硫酸過水に接触させる溶液処理工程と、溶液処理工程の後に、液晶ポリマー基材にアルカリ処理を行うアルカリ処理工程と、溶液処理工程の後に、液晶ポリマー基材に触媒を付与する触媒処理工程と、触媒処理工程の後に、液晶ポリマー基材をめっき液に接触させるめっき処理工程と、めっき処理工程の後に、液晶ポリマー基材を加圧しながら加熱する熱処理工程とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】フィラーを含まない液晶ポリマー基材に紫外線を照射する紫外線処理工程と、紫外線処理工程の後に、液晶ポリマー基材を硫酸過水に接触させる溶液処理工程と、溶液処理工程の後に、液晶ポリマー基材にアルカリ処理を行うアルカリ処理工程と、溶液処理工程の後に、液晶ポリマー基材に触媒を付与する触媒処理工程と、触媒処理工程の後に、液晶ポリマー基材をめっき液に接触させるめっき処理工程と、めっき処理工程の後に、液晶ポリマー基材を加圧しながら加熱する熱処理工程とを有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に無電解めっき方法によりめっき膜を形成する際の無電解めっきの前処理方法、無電解めっき方法およびめっき基板に関する。
液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に対してめっき膜を形成する方法として、無電解めっき方法が知られている。
ところが、例えば、この液晶ポリマー基材に無電解めっき方法により銅めっき膜等のめっき膜を形成すると、液晶ポリマー基材に対するめっき膜の密着力が低いという問題がある。このため、液晶ポリマー基材におけるめっき膜が形成される被処理面を粗面化することにより、アンカー効果によって、液晶ポリマー基材に対するめっき膜の密着力を向上させることが行われている。そして、液晶ポリマー基材の被処理面を粗面化する方法としては、例えば、めっきグレードと呼ばれる、フィラーを含む液晶ポリマー基材の被処理面を、クロム酸等のエッチング液を用いてエッチングすることにより粗面化する方法が用いられている。フィルム状の基材とするには、フィラーを含む液晶ポリマー基材は、強度、基材の凹凸の面から不向きであるため、フィラーを含まない液晶ポリマー基材の処理も検討されており、被処理面を、アルカリ性水溶液等のエッチング液を用いてエッチングすることにより粗面化して、液晶ポリマー基材の被処理面に対するめっき膜の密着力を向上させる方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前述した粗面化処理が施されたフィラーを含む液晶ポリマー基材の被処理面にめっき膜によって回路電極を形成する場合、数ミクロン程度の深さの基材の凹凸によってめっき膜厚やエッチング速度が一定にならず、配線パターンのエッジを直線に形成することは困難となる。そのため、ファインピッチの配線パターンの回路電極を形成できないという問題を有していた。
また、フィラーを含まない液晶ポリマー基材に対してアルカリによるエッチング処理を行う場合も、密着性を得るためには強い粗面化処理を行う必要があり、ファインパターンの形成は困難であった。さらに、アルカリによるエッチング処理は高温で長時間の処理となり、コストや環境の面で問題があった。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面に過度の粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって無電解めっき方法により良好な密着力のめっき膜を形成することができ、このめっき膜により、ファインピッチの配線パターンの回路電極を形成することができる無電解めっきの前処理方法、無電解めっき方法およびめっき基板を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る無電解めっきの前処理方法の特徴は、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に対して無電解めっき方法によるめっき膜を形成する際の無電解めっきの前処理方法であって、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材を酸と酸化剤との混合溶液に接触させる溶液処理工程を有する点にある。
この本発明に係る無電解めっきの前処理方法によれば、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に酸と酸化剤との混合溶液を接触させることにより、液晶ポリマー基材の被処理面の有機汚染物を除去し、また、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を酸化して濡れ性を向上し、さらに被処理面の脆弱層を除去するため、過度な粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって被処理面に良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法によれば、前記混合溶液が硫酸過水である点にある。
この本発明に係る無電解めっきの前処理方法によれば、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に硫酸過水を接触させることにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物を除去し、また液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を酸化して濡れ性を向上し、さらに被処理面の脆弱層を除去するため、過度な粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって被処理面に良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法の特徴は、前記硫酸過水に、28〜35%の濃度の過酸化水素水が2〜50容量%加えられ、前記硫酸過水における硫酸の濃度が50〜98容量%である点にある。
この本発明に係る無電解めっきの前処理方法によれば、28〜35%の濃度の過酸化水素水が2〜50容量%加えられ、硫酸の濃度が50〜98容量%の硫酸過水を用いることにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物をより確実に除去することができる。また、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を酸化してより濡れ性を向上し、さらに、被処理面の脆弱層を除去するため、過度な粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって被処理面に良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法の特徴は、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材は、フィラーを含まない点にある。
この本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法によれば、フィルム基材などの、通常のめっきでは密着力を得られないフィラーを含まない液晶ポリマー基材またはポリイミド基材であっても、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物を除去し、また液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を酸化して濡れ性を向上し、さらに被処理面の脆弱層を除去するため、過度な粗面化処理を施すことなく、良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法の特徴は、前記溶液処理工程の前に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材に紫外線を照射する紫外線処理工程を有する点にある。
この本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法によれば、溶液処理工程の前に紫外線処理工程を行うことにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物を予め除去し、さらに液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の酸化も行われるために、酸と酸化物との混合溶液による溶液処理工程をより効率的に行うことができ、これにより、被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法の特徴は、前記溶液処理工程の前に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材にプラズマを照射するプラズマ処理工程を有する点にある。
この本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法によれば、溶液処理工程の前にプラズマ処理工程を行うことにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物を予め除去し、さらに液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の酸化も行われるために酸と酸化物との混合溶液処理をより効率的に行うことができる。これにより、被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法は、前記溶液処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材にアルカリ処理を行うアルカリ処理工程を有する点にある。
この本発明に係る他の無電解めっきの前処理方法によれば、溶液処理工程の後に、アルカリ処理工程を行うことにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を高洗浄面とすることができ、これにより、被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
本発明に係る無電解めっき方法によれば、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材を酸と酸化剤との混合溶液に接触させる溶液処理工程と、前記溶液処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材に触媒を付与する触媒処理工程と、前記触媒処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材をめっき液に接触させるめっき処理工程とを有する点にある。
この本発明に係る無電解めっき方法によれば、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に酸と酸化剤との混合溶液を接触させることにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物を除去することができる。また、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を酸化して濡れ性を向上し、さらに被処理面の脆弱層を除去するため、過度な粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって被処理面に良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
本発明に係る他の無電解めっき方法の特徴は、前記混合溶液が、硫酸過水である点にある。
この本発明に係る他の無電解めっき方法によれば、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に硫酸過水を接触させることにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物を除去することができる。また、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を酸化して濡れ性を向上し、さらに被処理面の脆弱層を除去するため、過度な粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって被処理面に良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
本発明に係る他の無電解めっき方法の特徴は、前記硫酸過水に、28〜35%の濃度の過酸化水素水が2〜50容量%加えられ、前記硫酸過水における硫酸の濃度が50〜98容量%である点にある。
この本発明に係る無電解めっき方法によれば、28〜35%の濃度の過酸化水素水が2〜50容量%加えられ、硫酸の濃度が50〜98容量%の硫酸過水を用いることにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物をより確実に除去することができる。また、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を酸化してより濡れ性を向上し、さらに、被処理面の脆弱層を除去するため、過度な粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって被処理面に良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
本発明に係る他の無電解めっき方法の特徴は、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材は、フィラーを含まない点にある。
この本発明に係る他の無電解めっき方法によれば、フィルム基材などの、通常のめっきでは密着力の得られないフィラーを含まない液晶ポリマー基材またはポリイミド基材であっても、液晶ポリマー基材の被処理面の有機汚染物を除去することができる。また、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を酸化して濡れ性を向上し、さらに被処理面の脆弱層を除去するため、過度な粗面化処理を施すことなく良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
本発明に係る他の無電解めっき方法の特徴は、前記溶液処理工程の前に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材に紫外線を照射する紫外線処理工程を有する点にある。
この本発明に係る他の無電解めっき方法によれば、溶液処理工程の前に紫外線処理工程を行うことにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物を予め除去し、さらに液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の酸化も行われるために、酸と酸化剤との混合溶液による溶液処理工程をより効率的に行うことができる。これにより、被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
本発明に係る他の無電解めっき方法の特徴は、前記溶液処理工程の前に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材にプラズマを照射するプラズマ処理工程を有する点にある。
この本発明に係る他の無電解めっき方法によれば、溶液処理工程の前にプラズマ処理工程を行うことにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の有機汚染物を予め除去し、さらに液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面の酸化も行われるために酸と酸化物との混合溶液による溶液処理工程をより効率的に行うことができる。これにより、被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
本発明に係る他の無電解めっき方法の特徴は、前記溶液処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材にアルカリ処理を行うアルカリ処理工程を有する点にある。
この本発明に係る他の無電解めっき方法によれば、溶液処理工程の後にアルカリ処理工程を行うことにより、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面を高洗浄面とすることができ、さらに、触媒処理工程における触媒の付着状況が向上する。これにより、より被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
本発明に係る他の無電解めっき方法の特徴は、前記めっき処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材を加熱する熱処理工程を有する点にある。
この本発明に係る他の無電解めっき方法によれば、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に対してめっき膜を形成した後に、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材を加熱することにより、被処理面とめっき膜との界面に存在する水素を除去することができ、これにより、被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
本発明に係る他の無電解めっき方法の特徴は、前記熱処理工程において、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材を加圧しながら加熱する点にある。
この本発明に係る他の無電解めっき方法によれば、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に対してめっき膜を形成した後に、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材を加圧しながら加熱することにより、被処理面とめっき膜との間隙を縮めることができるとともに、さらに被処理面とめっき膜との界面に入り込んだ水素を除去することができる。これにより、被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
本発明に係るめっき基板の特徴は、液晶ポリマー基材の少なくとも一つの被処理面に、結晶化していない部分が選択的に除去されることにより微細な凹凸が形成されており、前記被処理面上に無電解めっき方法によってめっき膜が形成されている点にある。
本発明に係るめっき基板によれば、被処理面の脆弱層を除去するために過度な粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって被処理面に良好な密着力のめっき膜を形成することができる。
以上述べたように、本発明に係る無電解めっきの前処理方法、無電解めっき方法およびめっき基板によれば、液晶ポリマー基材またはポリイミド基材の被処理面に、過度な粗面化処理を施すことなく、密着力の良好なめっき膜を形成することができる。また、被処理面が過度に粗面化されていないので、このような液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に形成されためっき膜により回路電極を形成する場合に、ファインピッチの配線パターンの回路電極を形成することができる。
以下、本発明に係るめっき配線基板、および無電解めっきの前処理方法を利用した無電解めっき方法の一実施形態を図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係るめっき基板は、液晶ポリマー基材を有し、液晶ポリマー基材における銅めっき膜が形成される被処理面には、液晶ポリマー基材における液晶ポリマーの結晶化していない部分が選択的に除去されて、0.1μm程度の突出寸法の微細な線状または点状の凸部が形成されており、これにより、被処理面は微細な凹凸が形成されている。そして、この被処理面には、触媒層を介して任意のパターンの銅めっき膜が形成されている。なお、本実施形態において、めっき基板に形成されるめっき膜として銅めっき膜が用いられているが、これに限定されるものではない。
次に、本実施形態の無電解めっき方法について説明する。図1は、本実施形態に係る無電解めっき方法の各工程を示すフローチャートであり、図2は、図1の無電解めっき方法における前処理方法の各工程示すフローチャートである。ここで、本実施形態においては、液晶ポリマー基材に銅めっき膜を形成する場合を用いて説明するが、本発明に係る無電解めっきの前処理方法および無電解めっき方法は、銅めっき膜を形成する場合に限定されず、無電解めっきによって種々のめっき膜を形成する場合に用いることができる。また、本発明に係る無電解めっきの前処理方法および無電解めっき方法は、ポリイミド基材に無電解めっきによって種々のめっき膜を形成する場合に用いることができる。
図1および図2に示すように、まず、無電解めっきの前処理工程として(ST1)、液晶ポリマー基材における銅めっき膜が形成される被処理面に、紫外線を照射する紫外線処理工程を行う(ST11)。紫外線処理工程において、紫外線によって発生するオゾンから活性酸素が分離し、この活性酸素によって被処理面上に存在する有機汚染物質を揮発性の物質に分解変化させて除去することに加え、紫外線によって直接有機汚染物質の結合が一部切れることにより、被処理面を洗浄し、酸化する。
この紫外線処理工程においては、254nm以下の波長の紫外線を照射することが好ましい。被処理面に照射される紫外線が、254nmよりも長い波長である場合には、被処理面に対する洗浄力が低下してしまうからである。紫外線の波長が172nmであることはさらに望ましい。光の波長が短く高エネルギーであるため、有機汚染の除去、および被処理面の酸化の効果が大きいためである。
ここで、前記紫外線処理工程に換えて、または紫外線処理工程に加えて、液晶ポリマー基材にプラズマを照射するプラズマ処理工程を行うこともできる。プラズマ処理工程においては、プラズマを発生させることにより生じるラジカルによって被処理面上に存在する有機汚染物質を他の状態に変化させて除去することにより、被処理面を洗浄、酸化する。紫外線処理工程に加えてプラズマ処理工程を行う場合、処理を行う順番はどちらが先でもよい。
紫外線処理工程の後、次に、所定温度および組成比の硫酸と過酸化水素水との混合溶液である硫酸過水に、液晶ポリマー基材を所定時間浸漬させる溶液処理工程を行う(ST12)。溶液処理工程において、液晶ポリマー基材の被処理面を酸化し、スルホン基を付与する。このとき、被処理面は、薄膜が剥離されたような状態となり、被処理面には、微細な線状または点状の凸部が現れる。液晶ポリマーの結晶部とそうでない部分が観察される。
溶液処理工程の後、続いて、この液晶ポリマー基材を水酸化ナトリウム水溶液等に浸漬させることによりアルカリ処理するアルカリ処理工程を行う(ST13)。アルカリ処理工程において、液晶ポリマー基材の被処理面にアルカリ処理を施すことにより、被処理面を洗浄し、濡れ性を高める。
このようにして、液晶ポリマー基材に無電解めっき方法により銅めっき膜を形成する際の前処理方法を行う。
次に、本実施形態に係る無電解めっきの前処理方法を行った液晶ポリマー基材の被処理面に触媒を付与する触媒処理工程を行う(ST2)。触媒処理工程においては、液晶ポリマー基材を所定温度の塩化錫水溶液中に所定時間浸漬させた後、洗浄する。そして、液晶ポリマー基材を所定温度の塩化パラジウム水溶液に所定時間浸漬させた後、水洗する。さらに、再度、液晶ポリマー基材を、塩化錫水溶液中に浸漬させて、洗浄した後、塩化パラジウム水溶液に浸漬させてから、水洗する工程を繰り返す。これにより、液晶ポリマー基材の被処理面には触媒が付与される。
触媒処理工程の後、さらに、液晶ポリマー基材の被処理面に銅めっき膜を形成するめっき処理工程を行う(ST3)。めっき処理工程においては、例えば、銅イオン、ニッケルイオン、還元剤としてホルムアルデヒド、および錯化剤として酒石酸または酒石酸塩を含む所定温度の銅めっき液に所定時間浸漬させることにより、液晶ポリマー基材の被処理面に銅めっき膜を形成する。
銅めっき液における銅イオンの添加量は、0.041〜0.055mol/Lであり、ニッケルイオンの添加量は、めっき液に含まれる銅イオン100molに対し1molより多く30mol以下であることが好ましい。ニッケルイオンが、銅イオン100molに対して1mol以下であると、液晶ポリマー基材と銅めっき膜との十分な密着性が得られなくなってしまうし、一方、ニッケルイオンが30molよりも多い場合には、銅の物性が低下してしまうので、例えば、銅めっき膜を回路電極として使用する際に、比抵抗が大幅に増加してしまうからである。
さらに、この銅めっき液には、pH調整のための約1.5g/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)が含まれてpHが約12.6に調整されているとともに、さらに、約0.1%のキレート剤が含まれている。
めっき処理工程の後、液晶ポリマー基材を所定温度によって所定時間加熱する熱処理工程を行う(ST4)。この熱処理工程においては、所定の圧力の雰囲気内において液晶ポリマー基材を加圧しながら加熱することが好ましい。これにより、銅めっき膜と被処理面との間隙を縮めることができる。
これにより、液晶ポリマー基材の被処理面に、高密着力の銅めっき膜を形成する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態においては、液晶ポリマー基材に硫酸過水を接触させることにより、液晶ポリマー基材の被処理面の有機汚染物を除去することができるとともに、液晶ポリマー基材の被処理面を酸化して濡れ性を向上させ、かつ被処理面の脆弱層を除去するための過度な粗面化処理を施すことなく、容易な工程によって被処理面に密着力の良好なめっき膜を形成することができる。
したがって、液晶ポリマー基材の被処理面が過度に粗面化されていないので、このような液晶ポリマー基材に形成された銅めっき膜により回路電極を形成する場合に、ファインピッチの配線パターンの回路電極を形成することができる。
また、溶液処理工程の前に、紫外線処理工程、さらには、この紫外線処理工程に換えて、またはこの紫外線処理工程に加えてプラズマ処理工程を行うことにより、液晶ポリマー基材の被処理面の有機汚染物を予め除去することができる。また、液晶ポリマー基材の被処理面の酸化も行われるために、硫酸過水による溶液処理工程をより効率的に行うことができる。これにより、被処理面に対するめっき膜の密着力をより向上させることができる。
さらに、溶液処理工程の後に、アルカリ処理工程を行うことにより、液晶ポリマー基材の被処理面を高洗浄面とすることができ、さらに、触媒処理工程における触媒の付着状況が向上する。これにより、被処理面に対する銅めっき膜の密着力をより向上させることができる。
さらにまた、液晶ポリマー基材に対して銅めっき膜を形成した後に、液晶ポリマー基材を加圧しながら加熱することにより、被処理面と銅めっき膜との間隙を縮めることができるとともに、被処理面と銅めっき膜との界面に入り込んだ水素を除去することができる。これにより、被処理面に対する銅めっき膜の密着力をより向上させることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
例えば、アルカリ処理工程や、触媒処理工程、めっき処理工程等の処理条件は、本実施形態に限定されるものではなく、公知の種々の処理条件を用いて各工程の処理を行うことができる。
(実施例1)
液晶ポリマー基材として、25μmの厚さ寸法の化1に示すようなエコノール型の液晶ポリマーフィルム(住友化学製)を用意し、無電解めっきの前処理方法における紫外線処理工程において、この液晶ポリマーフィルムにキセノンエキシマーUVを用いて波長が172nm、光量が20mW/cm2の紫外線を2分間照射した。
液晶ポリマー基材として、25μmの厚さ寸法の化1に示すようなエコノール型の液晶ポリマーフィルム(住友化学製)を用意し、無電解めっきの前処理方法における紫外線処理工程において、この液晶ポリマーフィルムにキセノンエキシマーUVを用いて波長が172nm、光量が20mW/cm2の紫外線を2分間照射した。
続いて、溶液処理工程において、28%の過酸化水素水を2〜10%加えて硫酸の濃度が90〜98%とされ、液温が23℃に設定された硫酸過水を用意し、この硫酸過水に前記液晶ポリマーフィルムを浸漬させた。このとき、浸漬時間を1秒〜3分間の範囲内において異ならせて、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させた。図3は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させる前の被処理面の拡大写真であり、図4は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させた後の被処理面の拡大写真である。図4に示す無数の白い線状のものは0.1〜0.3μm程度の微細な凸部であり、硫酸過水に浸漬させた後の被処理面には、図3と比較して、微細な線状の凸部が形成されていることが確認された。この白い線状の微細構造物は結晶化が進んだ部分と考えられる。硫酸過水による溶液処理工程により液晶ポリマーフィルムの被処理面における結晶化の進んでいない脆弱層が選択的に除去されたと考えられる。
さらに、アルカリ処理工程において、水酸化ナトリウムの濃度が13%、液温が50℃に設定された水酸化ナトリウム水溶液を用意し、この水酸化ナトリウム水溶液に前記液晶ポリマーフィルムを3分間浸漬させてアルカリ処理した。
次に、触媒処理工程において、前記液晶ポリマーフィルムを、塩化第1錫の濃度が1.3%の塩化錫水溶液に3分間浸漬させてから、リンスした後、パラジウムイオンの濃度が0.015%の塩化パラジウム水溶液に2分間浸漬させた。この触媒処理工程を2回繰り返して、前記液晶ポリマーフィルムの被処理面に触媒を付与した。
続いて、めっき処理工程において、前記液晶ポリマーフィルムに対して銅めっき処理を行った。めっき処理工程においては、0.047mol/Lの銅イオンと、0.0028mol/Lのニッケルイオンが添加され、錯化剤として酒石酸ナトリウムカリウム4水和物(ロッシェル塩)と、還元剤として、約0.2%のホルムアルデヒドと、約0.1%のキレート剤とを含む銅めっき液を用意した。さらに、前記銅めっき液には、pH調整として約1.5g/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)が含まれており、pHは12.6に調整されている。そして、前記液晶ポリマーフィルムを、液温が30℃に設定された前記めっき液に1時間浸漬させて、前記液晶ポリマーフィルムの被処理面上に銅めっき膜を形成した。
このような工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、溶液処理工程における硫酸過水に異なる浸漬時間(1秒〜3分間)によって浸漬された液晶ポリマーフィルム毎に、被処理面に対する銅めっき膜の密着力の評価を行った。
密着力の評価は、セロハンテープを銅めっき膜に貼着し、このセロハンテープを銅めっき膜から剥離させたときに、銅めっき膜がセロハンテープとともに被処理面から剥離してしまうか否かにより、被処理面に対する銅めっき膜の密着力を評価するセロハンテープを用いた密着力試験を行った。この場合、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、底面が平坦であってこの底面にエポキシ樹脂がコーティングされた直径2mmのアルミ製の評価用ピンを用い、評価用ピンの底面を銅めっき膜に接触させて150℃の温度で加熱し、エポキシ樹脂を介して評価用ピンを銅めっき膜に固着させる。そして、評価用ピンを介して引っ張り試験を行い、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルムから剥離するときの引っ張り強度を、液晶ポリマーフィルムにおける被処理面について測定することにより行った(セバスチャン法)。この結果、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
また、実施例1の無電解めっき方法において、紫外線処理工程に換えてプラズマ処理工程を行った。このプラズマ処理工程において、大気圧酸素プラズマ処理装置を用いて、液晶ポリマーフィルムに移動速度10mm/秒のアルゴンガスのプラズマを10秒間照射した。
このプラズマ処理工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、前述したセロハンテープを用いた密着力試験と同様の密着力試験を行った場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
(実施例2)
液晶ポリマー基材として、主に、4−ヒドロキシベンゾイック酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトイック酸とから合成される50μmの厚さ寸法の化2に示すようなベクトラ型の液晶ポリマーフィルム(クラレ製)を用意した。実施例1と同一の処理条件によって、無電解めっきの前処理方法において、紫外線処理工程、溶液処理工程、アルカリ処理工程を行った。
液晶ポリマー基材として、主に、4−ヒドロキシベンゾイック酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトイック酸とから合成される50μmの厚さ寸法の化2に示すようなベクトラ型の液晶ポリマーフィルム(クラレ製)を用意した。実施例1と同一の処理条件によって、無電解めっきの前処理方法において、紫外線処理工程、溶液処理工程、アルカリ処理工程を行った。
図5は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させる前の一方の被処理面(光沢面)の拡大写真、図6は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させた後の一方の被処理面(光沢面)の拡大写真である。また、図7は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させる前の他方の被処理面(非光沢面)の拡大写真、図8は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させた後の他方の被処理面(非光沢面)の拡大写真である。図6および図8に示す多数の白い線状および点状のものは0.1〜1μm程度の微細な凸部であり、硫酸過水に浸漬させた後の被処理面には、図5および図7と比較して、微細な線状および点状の凸部が形成されていることが確認された。この白い線状あるいは点状の微細構造物は、結晶化が進んだ部分と考えられる。硫酸過水処理により液晶ポリマーフィルムにの被処理面における結晶化の進んでいない脆弱層が選択的に除去されたと考えられる。
次に、実施例1と同一の処理条件によって、触媒処理工程、およびめっき処理工程を行い、図9に示すように、液晶ポリマーフィルムの両被処理面に銅めっき膜を形成した。また、図10は、図9の液晶ポリマーフィルムをさらに拡大した断面写真であり、図10において上部分の黒い層は観察用のカーボン、上下方向における中央部分の白い層は銅めっき膜、下部分の灰色の層は液晶ポリマーフィルムである。図10に示すように、液晶ポリマーフィルムの被処理面には、0.1μm程度の微細な凹凸が形成されていることを確認された。
その後、熱処理工程において、熱処理温度を100〜200℃に設定し、大気圧において、熱処理時間を1時間として窒素雰囲気中において前記液晶ポリマーフィルムを加熱した。これにより、液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜を完成させた。
このような工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、溶液処理工程における硫酸過水に異なる浸漬時間(1秒〜3分間)によって浸漬された液晶ポリマーフィルム毎に、実施例1と同様のセロハンテープを用いた密着力試験を行った。この結果、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムの被処理面に過度な粗面化を施すことなく、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、セバスチャン法を用い実施例1の条件と同一の条件によって被処理面に対する銅めっき膜の密着力の評価を行った。この結果、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルムの被処理面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、液晶ポリマーフィルムの被処理面に過度な粗面化を施すことなく、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
さらに、実施例2の無電解めっき方法において、紫外線処理工程に換えて実施例1のプラズマ処理工程と同一の処理条件によってプラズマ処理工程を行った。
このプラズマ処理工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、前述したセロハンテープを用いた密着力試験と同様の密着力試験を行った場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルムの被処理面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
(実施例3)
液晶ポリマー基材として、主に、4−ヒドロキシベンゾイック酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトイック酸とから合成される50μmの厚さ寸法の前記化2に示すようなベクトラ型の液晶ポリマーフィルム(ジャパン・ゴアテックス製)を用意した。実施例1と同一の処理条件によって、無電解めっきの前処理方法において、紫外線処理工程、溶液処理工程、アルカリ処理工程を行った。
液晶ポリマー基材として、主に、4−ヒドロキシベンゾイック酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトイック酸とから合成される50μmの厚さ寸法の前記化2に示すようなベクトラ型の液晶ポリマーフィルム(ジャパン・ゴアテックス製)を用意した。実施例1と同一の処理条件によって、無電解めっきの前処理方法において、紫外線処理工程、溶液処理工程、アルカリ処理工程を行った。
図11は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させる前の一方の被処理面の拡大写真、図12は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させた後の一方の被処理面の拡大写真である。また、図13は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させる前の他方の被処理面の拡大写真、図14は、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させた後の他方の被処理面の拡大写真である。図12および図14に示す多数の白い点状のものは0.05〜0.5μm程度の微細な凸部であり、硫酸過水に浸漬させた後の被処理面には、図11および図13と比較して、微細な点状の凸部が形成されていることが確認された。この白い点状の微細構造物は結晶化が進んだ部分と考えられる。硫酸過水による溶液処理工程により液晶ポリマーフィルムの被処理面における結晶化が進んでいない脆弱層が選択的に除去されたと考えられる。
次に、実施例1と同一の処理条件によって、触媒処理工程、およびめっき処理工程を行い、図15に示すように、液晶ポリマーフィルムの両被処理面に銅めっき膜を形成した。また、図16は、図15の液晶ポリマーフィルムをさらに拡大した断面写真であり、図16において上部分の黒い層は観察用のカーボン、上下方向における中央部分の白い層は銅めっき膜、下部分の灰色の層は液晶ポリマーフィルムである。図16に示すように、液晶ポリマーフィルムの被処理面には、0.1μm程度の微細な凹凸が形成されていることを確認された。
その後、熱処理工程において、熱処理温度を100〜200℃とし、3Mpaの圧力を加えながら、熱処理時間を1時間として窒素雰囲気中において前記液晶ポリマーフィルムを加熱した。これにより、液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜を完成させた。
このような工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、溶液処理工程における硫酸過水に異なる浸漬時間(1秒〜3分間)によって浸漬された液晶ポリマーフィルム毎に、実施例1と同様のセロハンテープを用いた密着力試験を行った場合も、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムの被処理面に過度な粗面化を施すことなく、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、セバスチャン法を用い実施例1の条件と同一の条件によって被処理面に対する銅めっき膜の密着力の評価を行った。この結果、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、液晶ポリマーフィルムの被処理面に過度な粗面化を施すことなく、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
さらに、実施例3の無電解めっき方法において、紫外線処理工程に換えて実施例1のプラズマ処理工程と同一の処理条件によってプラズマ処理工程を行った。
このプラズマ処理工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、前述したセロハンテープを用いた密着力試験と同様の密着力試験を行った場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、液晶ポリマーフィルムが破壊してしまう程度にまで銅めっき膜を被処理面に密着させることができた。
(実施例4)
液晶ポリマー基材として、25μmの厚さ寸法の前記化1に示すようなエコノール型の液晶ポリマーフィルム(住友化学製)を用意し、実施例1と同一の処理条件にて無電解めっきの前処理方法における紫外線処理工程を行った。
液晶ポリマー基材として、25μmの厚さ寸法の前記化1に示すようなエコノール型の液晶ポリマーフィルム(住友化学製)を用意し、実施例1と同一の処理条件にて無電解めっきの前処理方法における紫外線処理工程を行った。
続いて、溶液処理工程において、28〜35%の濃度の過酸化水素水を2〜50容量%加えて、硫酸の濃度が50〜98容量%とされ、液温が23℃に設定された硫酸過水を用意し、この硫酸過水に前記液晶ポリマーフィルムを浸漬させた。このとき、浸漬時間を1秒〜3分間の範囲内において異ならせて、前記液晶ポリマーフィルムを硫酸過水に浸漬させた。
さらに、アルカリ処理工程において、実施例1と同一の処理条件によって前記液晶ポリマーフィルムに対してアルカリ処理を行った後、触媒処理工程において、実施例1と同一の処理条件によって、触媒処理工程を2回繰り返し、液晶ポリマーフィルムの被処理面に触媒を付与した。続いて、めっき処理工程において、前記液晶ポリマーフィルムに対して銅めっき処理を行った。めっき処理工程においては、実施例1と同一の条件のめっき液に前記液晶ポリマーフィルムを1時間浸漬させて、液晶ポリマーフィルムの被処理面状に銅めっき膜を形成した。
このような工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、溶液処理工程における硫酸過水に異なる浸漬時間(1秒〜3分間)によって浸漬された液晶ポリマーフィルム毎に、被処理面に対する銅めっき膜の密着力の評価を行った。
密着力の評価は、セロハンテープを銅めっき膜に貼着し、このセロハンテープを銅めっき膜から剥離させたときに、銅めっき膜がセロハンテープとともに被処理面から剥離してしまうか否かにより、被処理面に対する銅めっき膜の密着力を評価するセロハンテープを用いた密着力試験を行った。この場合、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、底面が平坦であってこの底面にエポキシ樹脂がコーティングされた直径2mmのアルミ製の評価用ピンを用い、評価用ピンの底面を銅めっき膜に接触させて150℃の温度で加熱し、エポキシ樹脂を介して評価用ピンを銅めっき膜に固着させる。そして、評価用ピンを介して引っ張り試験を行い、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルムから剥離するときの引っ張り強度を、液晶ポリマーフィルムにおける被処理面について測定することにより行った(セバスチャン法)。この結果、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
また、実施例4の無電解めっき方法において、紫外線処理工程に換えて実施例1と同一の処理条件にてプラズマ処理工程を行った。
このプラズマ処理工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、前述したセロハンテープを用いた密着力試験と同様の密着力試験を行った場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
(実施例5)
液晶ポリマー基材として、主に、4−ヒドロキシベンゾイック酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトイック酸とから合成される50μmの厚さ寸法の前記化2に示すようなベクトラ型の液晶ポリマーフィルム(クラレ製)を用意した。この液晶ポリマーフィルムに対し、実施例1と同一の処理条件によって、無電解めっきの前処理方法において、紫外線処理工程、溶液処理工程、アルカリ処理工程を行った。
液晶ポリマー基材として、主に、4−ヒドロキシベンゾイック酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトイック酸とから合成される50μmの厚さ寸法の前記化2に示すようなベクトラ型の液晶ポリマーフィルム(クラレ製)を用意した。この液晶ポリマーフィルムに対し、実施例1と同一の処理条件によって、無電解めっきの前処理方法において、紫外線処理工程、溶液処理工程、アルカリ処理工程を行った。
次に、前記液晶ポリマーフィルムに対し、実施例1と同一の処理条件によって、触媒処理工程、およびめっき処理工程を行い、液晶ポリマーフィルムの両被処理面に銅めっき膜を形成し、その後、熱処理工程において、熱処理温度を100〜200℃に設定し、大気圧において、熱処理時間を1時間として窒素雰囲気中において前記液晶ポリマーフィルムを加熱した。これにより、液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜を完成させた。
このような工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、溶液処理工程における硫酸過水に異なる浸漬時間(1秒〜3分間)によって浸漬された液晶ポリマーフィルム毎に、実施例1と同様のセロハンテープを用いた密着力試験を行った。この結果、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムの被処理面に過度な粗面化を施すことなく、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、セバスチャン法を用い実施例1の条件と同一の条件によって被処理面に対する銅めっき膜の密着力の評価を行った。この結果、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルムの被処理面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、液晶ポリマーフィルムの被処理面に過度な粗面化を施すことなく、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
さらに、実施例5の無電解めっき方法において、紫外線処理工程に換えて実施例1のプラズマ処理工程と同一の処理条件によってプラズマ処理工程を行った。
このプラズマ処理工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、前述したセロハンテープを用いた密着力試験と同様の密着力試験を行った場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルムの被処理面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
(実施例6)
液晶ポリマー基材として、主に、4−ヒドロキシベンゾイック酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトイック酸とから合成される50μmの厚さ寸法の前記化2に示すようなベクトラ型の液晶ポリマーフィルム(ジャパン・ゴアテックス製)を用意した。この液晶ポリマーフィルムに対し、実施例1と同一の処理条件によって、無電解めっきの前処理方法において、紫外線処理工程、溶液処理工程、アルカリ処理工程を行った。
液晶ポリマー基材として、主に、4−ヒドロキシベンゾイック酸と、2−ヒドロキシ−6−ナフトイック酸とから合成される50μmの厚さ寸法の前記化2に示すようなベクトラ型の液晶ポリマーフィルム(ジャパン・ゴアテックス製)を用意した。この液晶ポリマーフィルムに対し、実施例1と同一の処理条件によって、無電解めっきの前処理方法において、紫外線処理工程、溶液処理工程、アルカリ処理工程を行った。
次に、前記液晶ポリマーフィルムに対し、実施例1と同一の処理条件によって、触媒処理工程、およびめっき処理工程を行い、液晶ポリマーフィルムの両被処理面に銅めっき膜を形成し、その後、熱処理工程において、熱処理温度を100〜200℃とし、3Mpaの圧力を加えながら、熱処理時間を1時間として窒素雰囲気中において前記液晶ポリマーフィルムを加熱した。これにより、液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜を完成させた。
このような工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、溶液処理工程における硫酸過水に異なる浸漬時間(1秒〜3分間)によって浸漬された液晶ポリマーフィルム毎に、実施例1と同様のセロハンテープを用いた密着力試験を行った場合も、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、液晶ポリマーフィルムの被処理面に過度な粗面化を施すことなく、液晶ポリマーフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、セバスチャン法を用い実施例1の条件と同一の条件によって被処理面に対する銅めっき膜の密着力の評価を行った。この結果、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、液晶ポリマーフィルムの被処理面に過度な粗面化を施すことなく、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
さらに、実施例6の無電解めっき方法において、紫外線処理工程に換えて実施例1のプラズマ処理工程と同一の処理条件によってプラズマ処理工程を行った。
このプラズマ処理工程を経て液晶ポリマーフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、前述したセロハンテープを用いた密着力試験と同様の密着力試験を行った場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、銅めっき膜が液晶ポリマーフィルム表面から剥離する前に液晶ポリマーフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経た液晶ポリマーフィルムについても、液晶ポリマーフィルムが破壊してしまう程度にまで銅めっき膜を被処理面に密着させることができた。
(実施例7)
ポリイミド基材として、主に、化3に示すように、ビフェニルテトラカルボン酸とジアミノフェニルエーテルとから合成される50μmの厚さ寸法のポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス)を用意し、無電解めっきの前処理方法における紫外線処理工程において、このポリイミドフィルムにキセノンエキシマーUVを用いて波長が172nm、光量が20mW/cm2の紫外線を2分間照射した。ビフェニルテトラカルボン酸由来の芳香族ポリイミドは、比較的酸化剤に対する耐性があり、本発明の製造方法に好適である。
ポリイミド基材として、主に、化3に示すように、ビフェニルテトラカルボン酸とジアミノフェニルエーテルとから合成される50μmの厚さ寸法のポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス)を用意し、無電解めっきの前処理方法における紫外線処理工程において、このポリイミドフィルムにキセノンエキシマーUVを用いて波長が172nm、光量が20mW/cm2の紫外線を2分間照射した。ビフェニルテトラカルボン酸由来の芳香族ポリイミドは、比較的酸化剤に対する耐性があり、本発明の製造方法に好適である。
続いて、溶液処理工程において、28〜35%の濃度の過酸化水素水を2〜50容量%加えて、硫酸の濃度が50〜98容量%とされ、液温が23℃に設定された硫酸過水を用意し、この硫酸過水に前記ポリイミドフィルムを浸漬させた。このとき、浸漬時間を1秒〜3分間の範囲内において異ならせて、前記ポリイミドフィルムを硫酸過水に浸漬させた。
さらに、アルカリ処理工程において、水酸化ナトリウムの濃度が13%、液温が50℃に設定された水酸化ナトリウム水溶液を用意し、この水酸化ナトリウム水溶液に前記ポリイミドフィルムを3分間浸漬させてアルカリ処理した。
次に、触媒処理工程において、前記ポリイミドフィルムを、塩化第1錫の濃度が1.3%の塩化錫水溶液に3分間浸漬させてから、リンスした後、パラジウムイオンの濃度が0.015%の塩化パラジウム水溶液に2分間浸漬させた。この触媒処理工程を2回繰り返して、前記ポリイミドフィルムの被処理面に触媒を付与した。
続いて、めっき処理工程において、前記ポリイミドフィルムに対して銅めっき処理を行った。めっき処理工程においては、0.047mol/Lの銅イオンと、0.0028mol/Lのニッケルイオンが添加され、錯化剤として酒石酸ナトリウムカリウム4水和物(ロッシェル塩)と、還元剤として、約0.2%のホルムアルデヒドと、約0.1%のキレート剤とを含む銅めっき液を用意した。さらに、前記銅めっき液には、pH調整として約1.5g/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)が含まれており、pHは12.6に調整されている。そして、前記ポリイミドフィルムを、液温が30℃に設定された前記めっき液に1時間浸漬させて、前記ポリイミドフィルムの被処理面上に銅めっき膜を形成した。
このような工程を経てポリイミドフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、溶液処理工程における硫酸過水に異なる浸漬時間(1秒〜3分間)によって浸漬されたポリイミドフィルム毎に、実施例1と同様のセロハンテープを用いた密着力試験を行った。この場合、前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、ポリイミドフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた。
また、セバスチャン法を用い実施例1の条件と同一の条件によって被処理面に対する銅めっき膜の密着力の評価を行った。この結果、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経たポリイミドフィルムについても、銅めっき膜がポリイミドフィルム表面から剥離する前にポリイミドフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
また、実施例7の無電解めっき方法において、紫外線処理工程に換えてプラズマ処理工程を行った。このプラズマ処理工程において、大気圧酸素プラズマ処理装置を用いて、ポリイミドフィルムに移動速度10mm/秒のアルゴンガスのプラズマを10秒間照射した。
このプラズマ処理工程を経てポリイミドフィルムの被処理面上に形成した銅めっき膜について、前述したセロハンテープを用いた密着力試験と同様の密着力試験を行った場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経たポリイミドフィルムについても前記銅めっき膜は被処理面から剥離せず、ポリイミドフィルムと銅めっき膜との十分な密着力を確保することができた
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経たポリイミドフィルムについても、銅めっき膜がポリイミドフィルム表面から剥離する前にポリイミドフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
また、前記セバスチャン法と同一の条件によって銅めっき膜の密着力を評価した場合、いずれの浸漬時間によって溶液処理工程を経たポリイミドフィルムについても、銅めっき膜がポリイミドフィルム表面から剥離する前にポリイミドフィルムが破壊し、十分な密着強度を持っていることが確認できた。
Claims (17)
- 液晶ポリマー基材またはポリイミド基材に対して無電解めっき方法によるめっき膜を形成する際の無電解めっきの前処理方法であって、
前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材を酸と酸化剤との混合溶液に接触させる溶液処理工程を有することを特徴とする無電解めっきの前処理方法。 - 前記混合溶液が硫酸過水であることを特徴とする請求項1に記載の無電解めっきの前処理方法。
- 前記硫酸過水には、28〜35%の濃度の過酸化水素水が2〜50容量%加えられ、前記硫酸過水における硫酸の濃度が50〜98容量%であることを特徴とする請求項2に記載の無電解めっきの前処理方法。
- 前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材は、フィラーを含まないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無電解めっきの前処理方法。
- 前記溶液処理工程の前に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材に紫外線を照射する紫外線処理工程を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無電解めっきの前処理方法。
- 前記溶液処理工程の前に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材にプラズマを照射するプラズマ処理工程を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の無電解めっきの前処理方法。
- 前記溶液処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材にアルカリ処理を行うアルカリ処理工程を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無電解めっきの前処理方法。
- 液晶ポリマー基材またはポリイミド基材を酸と酸化剤との混合溶液に接触させる溶液処理工程と、
前記溶液処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材に触媒を付与する触媒処理工程と、
前記触媒処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材をめっき液に接触させるめっき処理工程とを有することを特徴とする無電解めっき方法。 - 前記混合溶液が、硫酸過水であることを特徴とする請求項8に記載の無電解めっき方法。
- 前記硫酸過水には、28〜35%の濃度の過酸化水素水が2〜50容量%加えられ、前記硫酸過水における硫酸の濃度が50〜98容量%であることを特徴とする請求項9に記載の無電解めっき方法。
- 前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材は、フィラーを含まないことを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の無電解めっき方法。
- 前記溶液処理工程の前に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材に紫外線を照射する紫外線処理工程を有することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の無電解めっき方法。
- 前記溶液処理工程の前に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材にプラズマを照射するプラズマ処理工程を有することを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の無電解めっき方法。
- 前記溶液処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材にアルカリ処理を行うアルカリ処理工程を有することを特徴とする請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の無電解めっき方法。
- 前記めっき処理工程の後に、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材を加熱する熱処理工程を有することを特徴とする請求項8から請求項14のいずれか1項に記載の無電解めっき方法。
- 前記熱処理工程において、前記液晶ポリマー基材または前記ポリイミド基材を加圧しながら加熱することを特徴とする請求項15に記載の無電解めっき方法。
- 液晶ポリマー基材の少なくとも一つの被処理面に、結晶化していない部分が選択的に除去されることにより微細な凹凸が形成されており、前記被処理面上に無電解めっき方法によってめっき膜が形成されていることを特徴とするめっき基板。
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