JP2003338683A - 配線基板の製造方法 - Google Patents
配線基板の製造方法Info
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- JP2003338683A JP2003338683A JP2002147477A JP2002147477A JP2003338683A JP 2003338683 A JP2003338683 A JP 2003338683A JP 2002147477 A JP2002147477 A JP 2002147477A JP 2002147477 A JP2002147477 A JP 2002147477A JP 2003338683 A JP2003338683 A JP 2003338683A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 樹脂層の表面に形成した導体パターンの形成
精度向上を図りつつ、導体パターンの樹脂層表面からの
剥離防止を図ることのできる配線基板の製造方法を提供
する。 【解決手段】 SiO2粒子16等の粒子状配合物が配合さ
れた電気絶縁性樹脂から成る樹脂層12の表面に、無電
解めっき及び電解めっきの順序で形成した所定厚さの金
属層にパターニングを施し導体パターン14を形成して
配線基板を製造する際に、該無電解めっきの前処理とし
て、前記樹脂層の導体パターン形成面にプラズマ処理を
施した後、前記樹脂層の導体パターン形成面をフッ酸化
合物溶液に接触せしめ、前記導体パターン形成面近傍に
存在する粒子状配合物を除去するガラスエッチング処理
を施し、次いで、前記前処理を施した表面粗度Rmaxが
0.2μm以下の樹脂層の導体パターン形成面に、無電
解めっき及び電解めっきを施して所定厚さの金属層を形
成することを特徴とする。
精度向上を図りつつ、導体パターンの樹脂層表面からの
剥離防止を図ることのできる配線基板の製造方法を提供
する。 【解決手段】 SiO2粒子16等の粒子状配合物が配合さ
れた電気絶縁性樹脂から成る樹脂層12の表面に、無電
解めっき及び電解めっきの順序で形成した所定厚さの金
属層にパターニングを施し導体パターン14を形成して
配線基板を製造する際に、該無電解めっきの前処理とし
て、前記樹脂層の導体パターン形成面にプラズマ処理を
施した後、前記樹脂層の導体パターン形成面をフッ酸化
合物溶液に接触せしめ、前記導体パターン形成面近傍に
存在する粒子状配合物を除去するガラスエッチング処理
を施し、次いで、前記前処理を施した表面粗度Rmaxが
0.2μm以下の樹脂層の導体パターン形成面に、無電
解めっき及び電解めっきを施して所定厚さの金属層を形
成することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は配線基板の製造方法
に関し、更に詳細にはSiO2粒子等の粒子状配合物が配合
された電気絶縁性樹脂から成る樹脂層の表面に、無電解
めっき及び電解めっきの順序で形成した所定厚さの金属
層にパターニングを施して導体パターンを形成する配線
基板の製造方法に関する。
に関し、更に詳細にはSiO2粒子等の粒子状配合物が配合
された電気絶縁性樹脂から成る樹脂層の表面に、無電解
めっき及び電解めっきの順序で形成した所定厚さの金属
層にパターニングを施して導体パターンを形成する配線
基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置に使用する配線基板には、図
5に示す配線基板がある。この配線基板は、コア基板1
0の両面に電気絶縁性樹脂から成る絶縁層12を介して
導体パターン14が形成されている。この導体パターン
14は、樹脂層12の表面に無電解めっきと電解めっき
とを施して形成した所定厚さの金属層をエッチングして
所望パターンに形成したものである。ところで、樹脂層
12の表面に無電解めっきと電解めっきとによって所定
厚さの金属層を形成する際には、先ず、樹脂層12の表
面に無電解めっきによって形成した金属層を給電層とす
る電解めっきにより金属層を厚付けする。この様に形成
した金属層と樹脂層12との密着性を高めることは、最
終的に形成した導体パターン14の樹脂層12からの剥
離を防止する上で重要であり、従来、予め樹脂層12の
表面に粗面化処理(デスミア処理)を行った後、無電解
めっきを施すことが行われている。この粗面化処理は、
過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等のエ
ッチング液を用い、樹脂層12の表面をエッチングする
ことによって行われる。
5に示す配線基板がある。この配線基板は、コア基板1
0の両面に電気絶縁性樹脂から成る絶縁層12を介して
導体パターン14が形成されている。この導体パターン
14は、樹脂層12の表面に無電解めっきと電解めっき
とを施して形成した所定厚さの金属層をエッチングして
所望パターンに形成したものである。ところで、樹脂層
12の表面に無電解めっきと電解めっきとによって所定
厚さの金属層を形成する際には、先ず、樹脂層12の表
面に無電解めっきによって形成した金属層を給電層とす
る電解めっきにより金属層を厚付けする。この様に形成
した金属層と樹脂層12との密着性を高めることは、最
終的に形成した導体パターン14の樹脂層12からの剥
離を防止する上で重要であり、従来、予め樹脂層12の
表面に粗面化処理(デスミア処理)を行った後、無電解
めっきを施すことが行われている。この粗面化処理は、
過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等のエ
ッチング液を用い、樹脂層12の表面をエッチングする
ことによって行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかるデスミア処理を
施した樹脂層12の表面に、無電解めっきと電解めっき
とを施して形成した金属層をエッチングして導体パター
ン14aを形成した状態を図6に示す。図6に示す様
に、デスミア処理によって凹凸面に形成された樹脂層1
2の表面の凹部に、導体パターン14aを形成する金属
が充填され、そのアンカー作用によって導体パターン1
4aが樹脂層12に密着される。しかしながら、樹脂層
12の表面の凹凸が大きくなると、金属層をエッチング
して導体パターン14を形成する際に、樹脂層12の表
面の凹凸程度が導体パターン14の形成精度に影響を及
ぼす。つまり、樹脂層12の表面の凹凸程度が大きくな
ると、形成された導体パターン14と樹脂層12との密
着性は向上するものの、形成された導体パターン14の
直線性等の形成精度が低下する。このため、極めて微細
な導体パターン14を精度よく形成することが困難とな
る。
施した樹脂層12の表面に、無電解めっきと電解めっき
とを施して形成した金属層をエッチングして導体パター
ン14aを形成した状態を図6に示す。図6に示す様
に、デスミア処理によって凹凸面に形成された樹脂層1
2の表面の凹部に、導体パターン14aを形成する金属
が充填され、そのアンカー作用によって導体パターン1
4aが樹脂層12に密着される。しかしながら、樹脂層
12の表面の凹凸が大きくなると、金属層をエッチング
して導体パターン14を形成する際に、樹脂層12の表
面の凹凸程度が導体パターン14の形成精度に影響を及
ぼす。つまり、樹脂層12の表面の凹凸程度が大きくな
ると、形成された導体パターン14と樹脂層12との密
着性は向上するものの、形成された導体パターン14の
直線性等の形成精度が低下する。このため、極めて微細
な導体パターン14を精度よく形成することが困難とな
る。
【0004】このことを、図7によって説明する。図7
は、樹脂層12の表面粗度の大小によって、金属層をエ
ッチングして導体パターン14を形成する際に、導体パ
ターン14の側面にどの程度のエッチング液が潜り込む
かを測定した結果を示すグラフである。図7に示すグラ
フにおいて、Rmaxは樹脂層12の表面粗度(凹凸の最
大深さ)を示し、横軸が導体パターン14のスペース幅
であり、縦軸がエッチング液の潜り込み量である。図7
からは、エッチング液の潜り込み量は、樹脂層12の表
面粗度が大きいと潜り込み量が大きくなり、表面粗度が
小さいと潜り込み量が小さくなることが判る。すなわ
ち、樹脂層12の表面の凹凸が大きいと、金属層をエッ
チングして導体パターン14を形成する際に、エッチン
グ液が凹凸部から導体パターン14の側面に入り込み易
くなり、導体パターン14の側面部分が浮き上がった形
状になる。このため、樹脂層12の表面粗度が大きい場
合には、導体パターン14を微細に形成することが困難
になる。一方、形成された導体パターン14の形成精度
を向上すべく、樹脂層12の表面粗度を小さくすると、
導体パターン14の形成精度を向上できるものの、樹脂
層12と導体パターン14との密着性が低下し、導体パ
ターン14が樹脂層12から剥離され易くなる。そこ
で、本発明の課題は、樹脂層の表面に形成した導体パタ
ーンの形成精度向上を図りつつ、導体パターンの樹脂層
表面からの剥離防止を図ることのできる配線基板の製造
方法を提供することにある。
は、樹脂層12の表面粗度の大小によって、金属層をエ
ッチングして導体パターン14を形成する際に、導体パ
ターン14の側面にどの程度のエッチング液が潜り込む
かを測定した結果を示すグラフである。図7に示すグラ
フにおいて、Rmaxは樹脂層12の表面粗度(凹凸の最
大深さ)を示し、横軸が導体パターン14のスペース幅
であり、縦軸がエッチング液の潜り込み量である。図7
からは、エッチング液の潜り込み量は、樹脂層12の表
面粗度が大きいと潜り込み量が大きくなり、表面粗度が
小さいと潜り込み量が小さくなることが判る。すなわ
ち、樹脂層12の表面の凹凸が大きいと、金属層をエッ
チングして導体パターン14を形成する際に、エッチン
グ液が凹凸部から導体パターン14の側面に入り込み易
くなり、導体パターン14の側面部分が浮き上がった形
状になる。このため、樹脂層12の表面粗度が大きい場
合には、導体パターン14を微細に形成することが困難
になる。一方、形成された導体パターン14の形成精度
を向上すべく、樹脂層12の表面粗度を小さくすると、
導体パターン14の形成精度を向上できるものの、樹脂
層12と導体パターン14との密着性が低下し、導体パ
ターン14が樹脂層12から剥離され易くなる。そこ
で、本発明の課題は、樹脂層の表面に形成した導体パタ
ーンの形成精度向上を図りつつ、導体パターンの樹脂層
表面からの剥離防止を図ることのできる配線基板の製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく検討を重ねた結果、樹脂層の表面にプラズ
マ処理による親水化処理を施した後、SiO2粒子等の粒子
状配合物が配合された絶縁性樹脂から成る樹脂層の表面
をフッ酸化合物溶液に接触せしめ、樹脂層の表面近傍の
粒子状配合物を除去するガラスエッチング処理を施し、
次いで、無電解めっき及び電解めっきを施して形成した
金属層は、樹脂層の平滑な表面に形成されていても、そ
の剥離強度を向上できること、及びこの金属層にエッチ
ングを施して所望パターンの導体パターンに形成するこ
とにより、導体パターンの形成精度向上を図ることがで
きることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発
明は、SiO2粒子等の粒子状配合物が配合された電気絶縁
性樹脂から成る樹脂層の表面に、無電解めっき及び電解
めっきの順序で形成した所定厚さの金属層にパターニン
グを施し導体パターンを形成して配線基板を製造する際
に、該無電解めっきの前処理として、前記樹脂層の導体
パターン形成面に親水化処理を施した後、前記樹脂層の
導体パターン形成面をフッ酸化合物溶液に接触せしめ、
前記導体パターン形成面近傍に存在する粒子状配合物を
除去するガラスエッチング処理を施し、次いで、前記前
処理を施した表面粗度Rmaxが0.2μm以下の樹脂層
の導体パターン形成面に、無電解めっき及び電解めっき
を施して所定厚さの金属層を形成することを特徴とする
配線基板の製造方法にある。
を解決すべく検討を重ねた結果、樹脂層の表面にプラズ
マ処理による親水化処理を施した後、SiO2粒子等の粒子
状配合物が配合された絶縁性樹脂から成る樹脂層の表面
をフッ酸化合物溶液に接触せしめ、樹脂層の表面近傍の
粒子状配合物を除去するガラスエッチング処理を施し、
次いで、無電解めっき及び電解めっきを施して形成した
金属層は、樹脂層の平滑な表面に形成されていても、そ
の剥離強度を向上できること、及びこの金属層にエッチ
ングを施して所望パターンの導体パターンに形成するこ
とにより、導体パターンの形成精度向上を図ることがで
きることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発
明は、SiO2粒子等の粒子状配合物が配合された電気絶縁
性樹脂から成る樹脂層の表面に、無電解めっき及び電解
めっきの順序で形成した所定厚さの金属層にパターニン
グを施し導体パターンを形成して配線基板を製造する際
に、該無電解めっきの前処理として、前記樹脂層の導体
パターン形成面に親水化処理を施した後、前記樹脂層の
導体パターン形成面をフッ酸化合物溶液に接触せしめ、
前記導体パターン形成面近傍に存在する粒子状配合物を
除去するガラスエッチング処理を施し、次いで、前記前
処理を施した表面粗度Rmaxが0.2μm以下の樹脂層
の導体パターン形成面に、無電解めっき及び電解めっき
を施して所定厚さの金属層を形成することを特徴とする
配線基板の製造方法にある。
【0006】かかる本発明において、親水化処理とし
て、プラズマ処理、オゾン処理又はコロナ放電処理を好
適に採用できる。また、樹脂層の導体パターン形成面に
親水化処理としてのプラズマ処理を施した後、前記導体
パターン形成面にフッ酸化合物溶液によるガラスエッチ
ング処理を施し、次いで、前記親水化処理及びガラスエ
ッチング処理を施した導体パターン形成面に、紫外線を
照射する紫外線処理を施すことにより、形成した金属層
の剥離強度を更に向上できる。
て、プラズマ処理、オゾン処理又はコロナ放電処理を好
適に採用できる。また、樹脂層の導体パターン形成面に
親水化処理としてのプラズマ処理を施した後、前記導体
パターン形成面にフッ酸化合物溶液によるガラスエッチ
ング処理を施し、次いで、前記親水化処理及びガラスエ
ッチング処理を施した導体パターン形成面に、紫外線を
照射する紫外線処理を施すことにより、形成した金属層
の剥離強度を更に向上できる。
【0007】本発明によれば、樹脂層の導体パターン形
成面(以下、表面と称することがある)を過マンガン酸
カリウム等のエッチング液によりエッチングして凹凸面
とするデスミア処理を施すことなく、樹脂層の表面が平
滑面であっても、無電解めっきによって形成した金属層
との密着性を向上できる。このため、無電解めっきを施
す樹脂層の表面粗度Rmaxを0.2μm以下の平滑面と
することができ、無電解めっき及び電解めっきによって
形成した金属層にエッチングを施して得られる導体パタ
ーンは、樹脂層の表面との密着性に優れ且つ直線性等の
形成精度も良好である。したがって、樹脂層の表面にデ
スミア処理を施す従来の配線基板の製造方法では形成で
きなかった微細で且つ密着性に優れた導体パターンを樹
脂層の表面に形成できる。
成面(以下、表面と称することがある)を過マンガン酸
カリウム等のエッチング液によりエッチングして凹凸面
とするデスミア処理を施すことなく、樹脂層の表面が平
滑面であっても、無電解めっきによって形成した金属層
との密着性を向上できる。このため、無電解めっきを施
す樹脂層の表面粗度Rmaxを0.2μm以下の平滑面と
することができ、無電解めっき及び電解めっきによって
形成した金属層にエッチングを施して得られる導体パタ
ーンは、樹脂層の表面との密着性に優れ且つ直線性等の
形成精度も良好である。したがって、樹脂層の表面にデ
スミア処理を施す従来の配線基板の製造方法では形成で
きなかった微細で且つ密着性に優れた導体パターンを樹
脂層の表面に形成できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、SiO2粒子等の
粒子状配合物が配合された電気絶縁性樹脂を用いて樹脂
層を形成する。かかる電気絶縁性樹脂としては、従来か
ら配線基板用として使用されている電気絶縁性樹脂、例
えばエポキシ樹脂やポリフェニレンエーテルを使用で
き、特にポリフェニレンエーテルを好適に使用できる。
この電気絶縁性樹脂には、形成する樹脂層の線熱膨係数
の調整や強度の向上等を図るため、SiO2粒子等の粒子状
配合物が配合されている。かかる電気絶縁性樹脂から成
る樹脂層は、所望厚さに形成されている樹脂フィルム
を、樹脂板等の樹脂層形成面に熱圧着等することにより
形成できる。
粒子状配合物が配合された電気絶縁性樹脂を用いて樹脂
層を形成する。かかる電気絶縁性樹脂としては、従来か
ら配線基板用として使用されている電気絶縁性樹脂、例
えばエポキシ樹脂やポリフェニレンエーテルを使用で
き、特にポリフェニレンエーテルを好適に使用できる。
この電気絶縁性樹脂には、形成する樹脂層の線熱膨係数
の調整や強度の向上等を図るため、SiO2粒子等の粒子状
配合物が配合されている。かかる電気絶縁性樹脂から成
る樹脂層は、所望厚さに形成されている樹脂フィルム
を、樹脂板等の樹脂層形成面に熱圧着等することにより
形成できる。
【0009】この様にして形成した樹脂層の表面に、無
電解めっきによって形成した金属層を給電層とする電解
めっきによって金属層を厚付けし、所定厚さの金属層を
形成する。形成した金属層と樹脂層との密着性は、金属
層をエッチングして形成した導体パターンと樹脂層の表
面との密着性に大きな影響を与えるため、無電解めっき
によって形成する金属層と樹脂層との密着性を向上する
ことが必要である。この点、本発明では、無電解めっき
の前処理として、先ず、樹脂層の表面に親水化処理を施
す。かかる親水化処理としては、プラズマ処理、オゾン
処理又はコロナ放電処理を挙げることができ、就中、プ
ラズマ処理、特に酸素プラズマ処理が好ましい。かかる
酸素プラズマ処理では、その処理時間を10秒〜10分
程度とすることが好ましい。樹脂基板の表面に、SiO2粒
子等の粒子状配合物が配合されている厚さ50μmのポ
リフェニレンエーテルから成る樹脂層を形成し、酸素プ
ラズマ処理を施した。この樹脂層の表面近傍の電子顕微
鏡写真を模写した模写図を図1に示す。図1に示す球形
状の粒子12,12・・は、樹脂層12を形成するポリ
フェニレンエーテル中に配合されたSiO2粒子等の粒子状
配合物であり、樹脂層12の表面は極めて滑らかであ
る。また、樹脂層12のIR分析によれば、3210c
m-1に吸収ピークが表れることから、酸素プラズマ処理
によって−OH基と−NH基が生成していることが推察
される。
電解めっきによって形成した金属層を給電層とする電解
めっきによって金属層を厚付けし、所定厚さの金属層を
形成する。形成した金属層と樹脂層との密着性は、金属
層をエッチングして形成した導体パターンと樹脂層の表
面との密着性に大きな影響を与えるため、無電解めっき
によって形成する金属層と樹脂層との密着性を向上する
ことが必要である。この点、本発明では、無電解めっき
の前処理として、先ず、樹脂層の表面に親水化処理を施
す。かかる親水化処理としては、プラズマ処理、オゾン
処理又はコロナ放電処理を挙げることができ、就中、プ
ラズマ処理、特に酸素プラズマ処理が好ましい。かかる
酸素プラズマ処理では、その処理時間を10秒〜10分
程度とすることが好ましい。樹脂基板の表面に、SiO2粒
子等の粒子状配合物が配合されている厚さ50μmのポ
リフェニレンエーテルから成る樹脂層を形成し、酸素プ
ラズマ処理を施した。この樹脂層の表面近傍の電子顕微
鏡写真を模写した模写図を図1に示す。図1に示す球形
状の粒子12,12・・は、樹脂層12を形成するポリ
フェニレンエーテル中に配合されたSiO2粒子等の粒子状
配合物であり、樹脂層12の表面は極めて滑らかであ
る。また、樹脂層12のIR分析によれば、3210c
m-1に吸収ピークが表れることから、酸素プラズマ処理
によって−OH基と−NH基が生成していることが推察
される。
【0010】更に、本発明では、親水化処理を施した樹
脂層の表面をフッ酸化合物溶液に接触せしめ、樹脂層の
表面近傍に存在するSiO2粒子等の粒子状配合物を除去す
るガラスエッチング処理を施す。かかるガラスエッチン
グ処理に用いるフッ酸化合物溶液としては、フッ化水素
アンモニウム水溶液、フッ化カリウム、フッ化ナトリウ
ム、ケイフッ酸等を用いることができ、フッ化水素アン
モニウム水溶液を好適に用いることができる。フッ酸化
合物溶液のフッ酸化合物濃度としては、フッ素成分が1
〜80wt%(特に、5〜15wt%)に調整することが好
ましい。また、ガラスエッチング処理の際には、フッ酸
化合物溶液中に樹脂層が形成された基板を1〜30分程
度浸漬することによって行うことができる。かかるガラ
スエッチング処理を、図1に示す樹脂層12に施し、そ
の樹脂層12の表面近傍の電子顕微鏡写真を模写した模
写図を図2に示す。図2に示す様に、樹脂層12の表面
は、その近傍に配合された球形状の粒子16,16・・
の一部が除去されて凹凸面となっているが、肉眼観察で
は極めて平滑であり、後述する超深度形状測定顕微鏡
(KEYENCE社製)によって測定した樹脂層12の表面粗
度Rmaxは0.2μm以下である。尚、従来のデスミア
処理によれば、樹脂層12の表面粗度Rmaxは1μmを
越える。
脂層の表面をフッ酸化合物溶液に接触せしめ、樹脂層の
表面近傍に存在するSiO2粒子等の粒子状配合物を除去す
るガラスエッチング処理を施す。かかるガラスエッチン
グ処理に用いるフッ酸化合物溶液としては、フッ化水素
アンモニウム水溶液、フッ化カリウム、フッ化ナトリウ
ム、ケイフッ酸等を用いることができ、フッ化水素アン
モニウム水溶液を好適に用いることができる。フッ酸化
合物溶液のフッ酸化合物濃度としては、フッ素成分が1
〜80wt%(特に、5〜15wt%)に調整することが好
ましい。また、ガラスエッチング処理の際には、フッ酸
化合物溶液中に樹脂層が形成された基板を1〜30分程
度浸漬することによって行うことができる。かかるガラ
スエッチング処理を、図1に示す樹脂層12に施し、そ
の樹脂層12の表面近傍の電子顕微鏡写真を模写した模
写図を図2に示す。図2に示す様に、樹脂層12の表面
は、その近傍に配合された球形状の粒子16,16・・
の一部が除去されて凹凸面となっているが、肉眼観察で
は極めて平滑であり、後述する超深度形状測定顕微鏡
(KEYENCE社製)によって測定した樹脂層12の表面粗
度Rmaxは0.2μm以下である。尚、従来のデスミア
処理によれば、樹脂層12の表面粗度Rmaxは1μmを
越える。
【0011】この様に、親水化処理とガラスエッチング
処理との前処理を施した樹脂層の平滑な表面に、樹脂層
の表面に無電解めっきによって金属層を形成する。この
金属層としては、銅層を形成することが好ましく、その
厚さは0.5〜2.0μm程度で充分である。通常、無
電解めっきにより形成した銅層と樹脂層との密着性は、
ニッケル層に比較して低下するが、前処理として施した
親水化処理及びガラスエッチング処理によって実用上問
題のない水準とすることができる。次いで、無電解めっ
きによって形成した金属層を給電層とする電解めっきに
よって、金属層を所望厚さに厚付けする。この電解めっ
きでは、通常、無電解めっきによって形成した金属層と
同種の金属で厚付けする。特に、無電解めっきで形成し
た銅層に、電解銅めっきによって銅で厚付けすることが
好ましい。
処理との前処理を施した樹脂層の平滑な表面に、樹脂層
の表面に無電解めっきによって金属層を形成する。この
金属層としては、銅層を形成することが好ましく、その
厚さは0.5〜2.0μm程度で充分である。通常、無
電解めっきにより形成した銅層と樹脂層との密着性は、
ニッケル層に比較して低下するが、前処理として施した
親水化処理及びガラスエッチング処理によって実用上問
題のない水準とすることができる。次いで、無電解めっ
きによって形成した金属層を給電層とする電解めっきに
よって、金属層を所望厚さに厚付けする。この電解めっ
きでは、通常、無電解めっきによって形成した金属層と
同種の金属で厚付けする。特に、無電解めっきで形成し
た銅層に、電解銅めっきによって銅で厚付けすることが
好ましい。
【0012】その後、樹脂層の表面に所望の厚さに形成
した金属層に、公知のエッチングによって所望パターン
の導体パターンを形成する。この様に、樹脂層の表面に
親水化処理とガラスエッチング処理との前処理を施した
後、無電解めっきと電解めっきとにより樹脂層の平滑な
表面に形成した金属層は、樹脂層の表面との良好な密着
性を呈することができる。しかも、かかる金属層にエッ
チングを施して得た導体パターンは、その直線性等の形
成精度も良好である。一方、樹脂層の表面に親水化処理
とガラスエッチング処理との一方のみを施した後、樹脂
層の表面に無電解めっきと電解めっきとにより形成した
金属層は、樹脂層の表面との充分な密着性を呈すること
ができず、剥離され易いものとなる。
した金属層に、公知のエッチングによって所望パターン
の導体パターンを形成する。この様に、樹脂層の表面に
親水化処理とガラスエッチング処理との前処理を施した
後、無電解めっきと電解めっきとにより樹脂層の平滑な
表面に形成した金属層は、樹脂層の表面との良好な密着
性を呈することができる。しかも、かかる金属層にエッ
チングを施して得た導体パターンは、その直線性等の形
成精度も良好である。一方、樹脂層の表面に親水化処理
とガラスエッチング処理との一方のみを施した後、樹脂
層の表面に無電解めっきと電解めっきとにより形成した
金属層は、樹脂層の表面との充分な密着性を呈すること
ができず、剥離され易いものとなる。
【0013】以上の説明では、無電解めっきの前処理と
して、樹脂層の表面に親水化処理とガラスエッチング処
理とを施すことを説明したが、樹脂層の表面に親水化処
理とガラスエッチング処理とを施した後、紫外線を照射
する紫外線処理を施すことによって、樹脂層の表面に無
電解めっきと電解めっきとによって形成した金属層は、
樹脂層の表面との密着性を更に向上できるため好まし
い。かかる紫外線処理を行うためには、市販されている
紫外線照射ランプを使用できるが、短波長の紫外線を照
射できる紫外線照射ランプ、例えば波長254nmより
も波長172nmの紫外線を照射できる紫外線照射ラン
プが好ましい。この様に、紫外線処理が施された樹脂層
の表面粗度は、ガラスエッチング処理が施された樹脂層
の表面粗度と略同程度であるため、導体パターンと樹脂
層の表面との更なる密着性の向上は、樹脂層の表面形状
によるものではなく、樹脂層の表面に−COOH基や−
NH基が再生されたことによるものと推察される。
して、樹脂層の表面に親水化処理とガラスエッチング処
理とを施すことを説明したが、樹脂層の表面に親水化処
理とガラスエッチング処理とを施した後、紫外線を照射
する紫外線処理を施すことによって、樹脂層の表面に無
電解めっきと電解めっきとによって形成した金属層は、
樹脂層の表面との密着性を更に向上できるため好まし
い。かかる紫外線処理を行うためには、市販されている
紫外線照射ランプを使用できるが、短波長の紫外線を照
射できる紫外線照射ランプ、例えば波長254nmより
も波長172nmの紫外線を照射できる紫外線照射ラン
プが好ましい。この様に、紫外線処理が施された樹脂層
の表面粗度は、ガラスエッチング処理が施された樹脂層
の表面粗度と略同程度であるため、導体パターンと樹脂
層の表面との更なる密着性の向上は、樹脂層の表面形状
によるものではなく、樹脂層の表面に−COOH基や−
NH基が再生されたことによるものと推察される。
【0014】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明す
る。 実施例1 樹脂基板の表面に、SiO2粒子等の粒子状配合物が配合さ
れているポリフェニレンエーテルから成るフィルムを積
層し熱圧着し、厚さ50μmの樹脂層を形成した。この
樹脂層に、図3に示すプラズマ装置によってプラズマ処
理を施した。図3に示すプラズマ装置は、チャンバー2
0内に設けられた電極22a,22b間に、高周波電源
24により高周波が印加される。チャンバー20は、バ
ルブ25を介して真空系に接続されており、バルブ2
6,27を介してガス源に接続されている。本実施例で
は、電極22bにサンプルの樹脂板28をセットし、チ
ャンバー20内に酸素ガスを導入し、樹脂板の樹脂層に
酸素プラズマ処理を5分施した。かかる酸素プラズマ処
理を施した樹脂層の表面は、肉眼観察では極めて平滑で
あり、樹脂層の表面粗度Rmaxを超深度形状測定顕微鏡
(KEYENCE社製)によって測定したところ、樹脂層の表
面粗度Rmaxは0.062μmであった。尚、この酸素
プラズマ処理条件は、酸素ガス圧40Pa、プラズマ出力
200Wである。
る。 実施例1 樹脂基板の表面に、SiO2粒子等の粒子状配合物が配合さ
れているポリフェニレンエーテルから成るフィルムを積
層し熱圧着し、厚さ50μmの樹脂層を形成した。この
樹脂層に、図3に示すプラズマ装置によってプラズマ処
理を施した。図3に示すプラズマ装置は、チャンバー2
0内に設けられた電極22a,22b間に、高周波電源
24により高周波が印加される。チャンバー20は、バ
ルブ25を介して真空系に接続されており、バルブ2
6,27を介してガス源に接続されている。本実施例で
は、電極22bにサンプルの樹脂板28をセットし、チ
ャンバー20内に酸素ガスを導入し、樹脂板の樹脂層に
酸素プラズマ処理を5分施した。かかる酸素プラズマ処
理を施した樹脂層の表面は、肉眼観察では極めて平滑で
あり、樹脂層の表面粗度Rmaxを超深度形状測定顕微鏡
(KEYENCE社製)によって測定したところ、樹脂層の表
面粗度Rmaxは0.062μmであった。尚、この酸素
プラズマ処理条件は、酸素ガス圧40Pa、プラズマ出力
200Wである。
【0015】樹脂層に酸素プラズマ処理を施した樹脂板
を、室温下で10%フッ化水素アンモニウム水溶液に5
分間浸漬してガラスエッチング処理を施した。このガラ
スエッチング処理を施した樹脂層の表面は、肉眼観察で
は極めて平滑であり、樹脂層の表面粗度Rmaxを超深度
形状測定顕微鏡(KEYENCE社製)によって測定したとこ
ろ、樹脂層の表面粗度Rmaxは0.082μmであっ
た。次いで、樹脂層に酸素プラズマ処理及びガラスエッ
チング処理を施した樹脂基板を、35℃のアクチベータ
及びアクセラレータを使用した無電解銅めっき液中に3
0分間浸漬し、樹脂層の表面に厚さ1.5μmの銅層を
形成した。更に、厚さ1.5μmの銅層を給電層とし、
電流密度1.0ASDとする電解銅めっきを90分間施
し、厚さ20μmの銅層を形成した。形成した厚さ20
μmの銅層と樹脂層の表面との密着性について、剥離強
度(ピール強度)を測定した。この銅層のピール強度
は、3.9N/cmであった。ピール強度の測定は、所
定厚さの銅層を樹脂層の表面に形成した樹脂板に1cm
幅で切り込みを入れた後、幅1cmの銅層を引張方向9
0°で引張速度50mm/分の条件で垂直剥離を行い、
銅層の剥離が開始されたときの強度をピール強度とし
た。その後、樹脂層の表面全面に形成した銅層に、公知
のフォトリソ法によって幅16μmの導体パターンを形
成した。この導体パターンを顕微鏡観察したところ、形
成した導体パターンの直線性は良好であり、優れた導体
パターンの形成精度であった。
を、室温下で10%フッ化水素アンモニウム水溶液に5
分間浸漬してガラスエッチング処理を施した。このガラ
スエッチング処理を施した樹脂層の表面は、肉眼観察で
は極めて平滑であり、樹脂層の表面粗度Rmaxを超深度
形状測定顕微鏡(KEYENCE社製)によって測定したとこ
ろ、樹脂層の表面粗度Rmaxは0.082μmであっ
た。次いで、樹脂層に酸素プラズマ処理及びガラスエッ
チング処理を施した樹脂基板を、35℃のアクチベータ
及びアクセラレータを使用した無電解銅めっき液中に3
0分間浸漬し、樹脂層の表面に厚さ1.5μmの銅層を
形成した。更に、厚さ1.5μmの銅層を給電層とし、
電流密度1.0ASDとする電解銅めっきを90分間施
し、厚さ20μmの銅層を形成した。形成した厚さ20
μmの銅層と樹脂層の表面との密着性について、剥離強
度(ピール強度)を測定した。この銅層のピール強度
は、3.9N/cmであった。ピール強度の測定は、所
定厚さの銅層を樹脂層の表面に形成した樹脂板に1cm
幅で切り込みを入れた後、幅1cmの銅層を引張方向9
0°で引張速度50mm/分の条件で垂直剥離を行い、
銅層の剥離が開始されたときの強度をピール強度とし
た。その後、樹脂層の表面全面に形成した銅層に、公知
のフォトリソ法によって幅16μmの導体パターンを形
成した。この導体パターンを顕微鏡観察したところ、形
成した導体パターンの直線性は良好であり、優れた導体
パターンの形成精度であった。
【0016】比較例1
実施例1において、酸素プラズマ処理を施すことなくガ
ラスエッチング処理のみを施した後、実施例1と同様に
無電解銅めっきを施した。しかし、無電解銅めっき後
に、形成した銅層の剥離が発生したため、以後の処理を
中止した。
ラスエッチング処理のみを施した後、実施例1と同様に
無電解銅めっきを施した。しかし、無電解銅めっき後
に、形成した銅層の剥離が発生したため、以後の処理を
中止した。
【0017】比較例2
実施例1において、酸素プラズマ処理を施した後、ガラ
スエッチング処理を施すことなく実施例1と同様に無電
解銅めっきを施した。しかし、無電解銅めっき後に、形
成した銅層にふくれが発生したため、以後の処理を中止
した。
スエッチング処理を施すことなく実施例1と同様に無電
解銅めっきを施した。しかし、無電解銅めっき後に、形
成した銅層にふくれが発生したため、以後の処理を中止
した。
【0018】実施例2
実施例1と同様に、樹脂基板に形成した樹脂層の表面
に、酸素プラズマ処理及びガラスエッチング処理を施し
た後、図4に示す紫外線照射装置によって樹脂層の表面
に紫外線照射を施した。図4に示す紫外線照射装置は、
波長172nmの紫外線光を照射する誘電体バリア放電
エキシマランプの概略図である。この誘電体バリア放電
エキシマランプでは、金属電極30、32に、石英ガラ
スから成る誘電体4a,34bによって挟まれ、放電ガ
ス(キセノンガス)が充填されたキャビティ36が位置
する。かかる金属電極30,32に、電源38から交流
高電圧を印加することにより、金属電極32側から紫外
線光が照射される。本実施例では、紫外線光の発光面側
と樹脂層の表面との間が1mmとなるように樹脂板を配
置し、樹脂層の表面に向けて紫外線光を照射した。照射
面での照度は7mW/cm2である。
に、酸素プラズマ処理及びガラスエッチング処理を施し
た後、図4に示す紫外線照射装置によって樹脂層の表面
に紫外線照射を施した。図4に示す紫外線照射装置は、
波長172nmの紫外線光を照射する誘電体バリア放電
エキシマランプの概略図である。この誘電体バリア放電
エキシマランプでは、金属電極30、32に、石英ガラ
スから成る誘電体4a,34bによって挟まれ、放電ガ
ス(キセノンガス)が充填されたキャビティ36が位置
する。かかる金属電極30,32に、電源38から交流
高電圧を印加することにより、金属電極32側から紫外
線光が照射される。本実施例では、紫外線光の発光面側
と樹脂層の表面との間が1mmとなるように樹脂板を配
置し、樹脂層の表面に向けて紫外線光を照射した。照射
面での照度は7mW/cm2である。
【0019】次いで、実施例1と同様に無電解銅めっき
及び電解銅めっきを施し、形成した銅層のピール強度を
測定したところ、銅層のピール強度は、4.9N/cm
であった。その後、樹脂層の表面全面に形成した銅層
に、公知のフォトリソ法によって幅16μmの導体パタ
ーンを形成した。この導体パターンを顕微鏡観察したと
ころ、形成した導体パターンの直線性は良好であり、優
れた導体パターンの形成精度であった。
及び電解銅めっきを施し、形成した銅層のピール強度を
測定したところ、銅層のピール強度は、4.9N/cm
であった。その後、樹脂層の表面全面に形成した銅層
に、公知のフォトリソ法によって幅16μmの導体パタ
ーンを形成した。この導体パターンを顕微鏡観察したと
ころ、形成した導体パターンの直線性は良好であり、優
れた導体パターンの形成精度であった。
【0020】比較例3
実施例1と同様に、樹脂基板に形成した樹脂層の表面
に、酸素プラズマ処理を施した後、デスミア処理を施し
た。このデスミア処理は、樹脂層の表面に、有機溶剤系
の膨潤液を用いた60℃、5分間の膨潤処理を施した
後、過マンガン酸ナトリウム系のエッチング液を用いた
80℃、10分間のエッチング処理を施し、更に硫酸系
の中和液を用いて40℃、5分間の中和処理を施した。
かかるデスミア処理後に樹脂層の表面粗度Rmaxを超深
度形状測定顕微鏡(KEYENCE社製)によって測定したと
ころ、樹脂層の表面粗度Rmaxは1μmであった。次い
で、実施例1と同様に無電解銅めっき及び電解銅めっき
を施し、形成した銅層のピール強度を測定したところ、
銅層のピール強度は、4.0N/cmであった。その
後、樹脂層の表面全面に形成した銅層に、公知のフォト
リソ法によって幅16μmの導体パターンを形成した。
この導体パターンを顕微鏡観察したところ、形成した導
体パターンは、蛇行しており直線性は劣ることが判明し
た。
に、酸素プラズマ処理を施した後、デスミア処理を施し
た。このデスミア処理は、樹脂層の表面に、有機溶剤系
の膨潤液を用いた60℃、5分間の膨潤処理を施した
後、過マンガン酸ナトリウム系のエッチング液を用いた
80℃、10分間のエッチング処理を施し、更に硫酸系
の中和液を用いて40℃、5分間の中和処理を施した。
かかるデスミア処理後に樹脂層の表面粗度Rmaxを超深
度形状測定顕微鏡(KEYENCE社製)によって測定したと
ころ、樹脂層の表面粗度Rmaxは1μmであった。次い
で、実施例1と同様に無電解銅めっき及び電解銅めっき
を施し、形成した銅層のピール強度を測定したところ、
銅層のピール強度は、4.0N/cmであった。その
後、樹脂層の表面全面に形成した銅層に、公知のフォト
リソ法によって幅16μmの導体パターンを形成した。
この導体パターンを顕微鏡観察したところ、形成した導
体パターンは、蛇行しており直線性は劣ることが判明し
た。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂層の表面を平滑面
の状態を保持しつつ、無電解めっき及び電解めっきによ
って形成した金属層の密着性を向上でき、且つ最終的に
得られる導体パターンの直線性等の形成精度も良好であ
るため、樹脂層の表面にデスミア処理を施す従来の配線
基板の製造方法では形成できなかった微細で且つ密着性
に優れた導体パターンを樹脂層の表面に形成できる。そ
の結果、半導体装置等の高密度化の要請等に応えること
ができる微細で且つ密着性に優れた導体パターンを形成
可能である。
の状態を保持しつつ、無電解めっき及び電解めっきによ
って形成した金属層の密着性を向上でき、且つ最終的に
得られる導体パターンの直線性等の形成精度も良好であ
るため、樹脂層の表面にデスミア処理を施す従来の配線
基板の製造方法では形成できなかった微細で且つ密着性
に優れた導体パターンを樹脂層の表面に形成できる。そ
の結果、半導体装置等の高密度化の要請等に応えること
ができる微細で且つ密着性に優れた導体パターンを形成
可能である。
【図1】酸素プラズマ処理を施した樹脂層の表面状態の
電子顕微鏡写真を模写した模写図である。
電子顕微鏡写真を模写した模写図である。
【図2】酸素プラズマ処理及びガラスエッチング処理を
施した樹脂層の表面状態の電子顕微鏡写真を模写した模
写図である。
施した樹脂層の表面状態の電子顕微鏡写真を模写した模
写図である。
【図3】酸素プラズマ処理装置の概略構成を示す説明図
である。
である。
【図4】紫外線処理装置の概略構成を示す説明図であ
る。
る。
【図5】樹脂層を介して導体パターンを形成した配線基
板の例を示す断面図である。
板の例を示す断面図である。
【図6】粗面化処理により樹脂層の表面が凹凸面に形成
された状態を示す説明図である。
された状態を示す説明図である。
【図7】導体パターンをエッチングして形成する際にエ
ッチング液の潜り込み量を示すグラフである。
ッチング液の潜り込み量を示すグラフである。
12 樹脂層
14 導体パターン
16 粒子
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H05K 3/18 H05K 3/18 H
(72)発明者 小林 和貴
長野県長野市大字栗田字舎利田711番地
新光電気工業株式会社内
Fターム(参考) 4K022 AA13 AA42 BA08 CA04 CA12
CA15 DA03
5E343 AA12 AA16 AA17 BB24 CC37
DD33 DD43 DD63 EE34 EE35
EE36 GG04 GG08
Claims (3)
- 【請求項1】 SiO2粒子等の粒子状配合物が配合された
電気絶縁性樹脂から成る樹脂層の表面に、無電解めっき
及び電解めっきの順序で形成した所定厚さの金属層にパ
ターニングを施し導体パターンを形成して配線基板を製
造する際に、 該無電解めっきの前処理として、前記樹脂層の導体パタ
ーン形成面に親水化処理を施した後、前記樹脂層の導体
パターン形成面をフッ酸化合物溶液に接触せしめ、前記
導体パターン形成面近傍に存在する粒子状配合物を除去
するガラスエッチング処理を施し、 次いで、前記前処理を施した表面粗度Rmaxが0.2μ
m以下の樹脂層の導体パターン形成面に、無電解めっき
及び電解めっきを施して所定厚さの金属層を形成するこ
とを特徴とする配線基板の製造方法。 - 【請求項2】 親水化処理が、プラズマ処理、オゾン処
理又はコロナ放電処理である請求項1記載の配線基板の
製造方法。 - 【請求項3】 樹脂層の導体パターン形成面に親水化処
理としてのプラズマ処理を施した後、前記導体パターン
形成面にフッ酸化合物溶液によるガラスエッチング処理
を施し、 次いで、前記親水化処理及びガラスエッチング処理を施
した導体パターン形成面に、紫外線を照射する紫外線処
理を施す請求項1記載の配線基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002147477A JP2003338683A (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | 配線基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002147477A JP2003338683A (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | 配線基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003338683A true JP2003338683A (ja) | 2003-11-28 |
Family
ID=29706024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002147477A Pending JP2003338683A (ja) | 2002-05-22 | 2002-05-22 | 配線基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003338683A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006088073A (ja) * | 2004-09-24 | 2006-04-06 | Sekisui Chem Co Ltd | イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法 |
JP2006229038A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | Nippon Zeon Co Ltd | 多層プリント配線板の製造方法 |
JP2006316296A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-11-24 | Fuji Photo Film Co Ltd | 金属膜形成方法、それを用いた金属パターン形成方法及び金属膜 |
EP2275589A1 (en) | 2008-10-31 | 2011-01-19 | Rohm and Haas Electronic Materials LLC | Pretreatment solution for electroless tin plating |
CN103025083A (zh) * | 2011-09-22 | 2013-04-03 | Hoya株式会社 | 基板制造方法、布线基板的制造方法、玻璃基板以及布线基板 |
JP2013243045A (ja) * | 2012-05-21 | 2013-12-05 | Kanto Gakuin | 導電性積層体、導電性積層体の製造方法 |
JPWO2015108184A1 (ja) * | 2014-01-20 | 2017-03-23 | ウシオ電機株式会社 | デスミア処理装置 |
CN115799244A (zh) * | 2021-09-08 | 2023-03-14 | 荣耀终端有限公司 | 一种介质材料层、表面处理方法、封装基板及电子设备 |
-
2002
- 2002-05-22 JP JP2002147477A patent/JP2003338683A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4579048B2 (ja) * | 2005-05-10 | 2010-11-10 | 富士フイルム株式会社 | 金属膜形成方法、それを用いた金属パターン形成方法及び金属膜 |
EP2275589A1 (en) | 2008-10-31 | 2011-01-19 | Rohm and Haas Electronic Materials LLC | Pretreatment solution for electroless tin plating |
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CN115799244A (zh) * | 2021-09-08 | 2023-03-14 | 荣耀终端有限公司 | 一种介质材料层、表面处理方法、封装基板及电子设备 |
CN115799244B (zh) * | 2021-09-08 | 2024-08-09 | 荣耀终端有限公司 | 一种介质材料层、表面处理方法、封装基板及电子设备 |
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