JP2007308617A - 孔版印刷用w/o型エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用w/o型エマルションインキ Download PDF

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Abstract

【課題】インキの紙への定着性を維持しつつ、孔版印刷機上での安定性に特に優れた、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用W/O型エマルションインキの提供。
【解決手段】油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有することを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキである。該孔版印刷用W/O型エマルションインキの含有量が、インキの総質量に対して1質量%以上である態様が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、インキの紙への定着性を維持しつつ、孔版印刷機上での安定性に優れた、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用W/O型(油中水滴型)エマルションインキに関する。
孔版印刷装置を用いた印刷方法は、以下の(1)〜(3)の工程からなることが知られている。(1)ある所定の原稿データをデジタル信号に変換する。(2)サーマルヘッドと呼ばれる熱素子によって、孔版原紙と呼ばれる版(マスター)に前記デジタル信号に基づいて穿孔し、該孔版原紙を印刷ドラム上に巻装する。(3)印刷ドラム下部の押圧手段によって、インキを該印刷ドラム上に巻装された前記孔版原紙を通過させ、前記原稿データを印刷用紙に転写する。
このような孔版印刷方法におけるインキとしては、孔版印刷機とのマッチング、画像品質などの観点から、一般的にW/O型(油中水滴型)のエマルションが用いられている。
上述した工程を経て、前記印刷用紙上に転写されたインキは、前に印刷した紙の上に着地するまでに該印刷用紙内部への浸透及び空気中への水分の蒸発などによって乾燥されるが、従来用いられているインキでは、見かけ上は乾燥するが、完全には乾燥しきれず、該印刷用紙表面上には未乾燥のインキが残留してしまい、定着性に劣るという問題がある。印刷後の未乾燥インキが過剰に存在すると、印刷用紙上に積み重なる印刷用紙の裏面を汚したり(裏移り)、印刷直後の画像を手で触ると汚れる(手擦れ)といった不具合が生じてしまうことがある。
そこで、インキの紙への定着性を向上させるために、インキ中に半乾性油であるエステル化植物油を添加し、空気中の酸素との酸化重合反応によってインキを乾燥(固化)させることを、既に本出願人が提案している(特許文献1参照)。しかしながら、前記特許文献1で提案されているエステル化植物油は、ヨウ素価が比較的高いメチル及びブチル型のものであるため、インキの乾燥は速いものの、印刷後に長時間放置した場合、印刷ドラム内または印刷ドラム表面に巻装している版胴やスクリーンで、インキの固形分濃度が高くなって粘度が上がり、印刷ドラムからインキが出なくなってしまう(目詰まり)という不具合が発生してしまう恐れがあった。
したがって、インキの紙への定着性を維持しつつ、従来よりも孔版印刷機上での安定性に優れた、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用インキの開発が望まれているのが現状である。
特開2004−250667号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、インキの紙への定着性を維持しつつ、孔版印刷機上での安定性に特に優れた、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用W/O型エマルションインキを提供することを目的とする。
本発明は、本発明者の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有することを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキである。
前記<1>に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキにおいては、油相中に大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有することによって、インキの紙への定着性を維持しつつ、孔版印刷機上での安定性を向上させることができる。また、前記W/O型エマルションインキは、エステル化した大豆油(植物油)を使用しているため、環境や人体への安全性にも優れる。
<2> 大豆油脂肪酸オクチルエステルの含有量が、インキの総質量に対して1質量%以上である前記<1>に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキである。
前記<2>に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキにおいては、大豆油脂肪酸オクチルエステルの含有量が、インキの総質量に対して1質量%以上であることによって、インキの孔版印刷機上での安定性に加えて、紙への定着性をも向上させることができる。
<3> 更に、油相中にアルキド樹脂をインキの総質量に対して2質量%以下含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキである。
前記<3>に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキにおいては、油相中にインキの総質量に対して2質量%以下のアルキド樹脂を含有することによって、インキの紙への定着性を向上させることができる。
<4> アルキド樹脂が、大豆油脂肪酸アルキド樹脂である前記<3>に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキである。
前記<4>に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキにおいては、アルキド樹脂が植物由来のものであることによって、より安全性にすぐれたインキを得ることができる。特に、アルキド樹脂が大豆由来であるので、大豆脂肪酸オクチルエステルと大豆脂肪酸アルキド樹脂の合計がインキの総質量に対して6質量%以上であるとすると、米国大豆協会の大豆油インキとしての認定を満たすので好ましい。
本発明によれば、従来における問題を解決でき、インキの紙への定着性を維持しつつ、孔版印刷機上での安定性に特に優れた、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用W/O型エマルションインキすることができる。
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキ(以下、単に「インキ」と称することもある)は、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有してなり、好ましくは該油相中にアルキド樹脂を含有してなり、更に必要に応じて、該油相又は水相中に、それぞれ適宜その他の成分を含有してなる。
前記孔版印刷用W/O型エマルションインキにおける油相と水相との含有割合としては、上述のように、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%の範囲内であればよく、油相20〜50質量%及び水相50〜80質量%の範囲内であるのが好ましい。
前記油相の混合割合が10質量%未満であると、十分なインキ保形性を有さないことがあり、90質量%を超えると、物性的にW/O型エマルションとすることの効果が不足してしまうことがあるため好ましくない。
<油相>
前記油相は、少なくとも大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有してなり、好ましくは、アルキド樹脂を含有してなり、更に必要に応じて、該大豆油脂肪酸オクチルエステル以外のその他の油成分、酸化防止剤、相乗剤、該アルキド樹脂以外のその他の樹脂、着色剤、着色剤の分散剤、ゲル化剤、乳化剤、体質顔料などのその他の成分を含有してなる。
−大豆油脂肪酸オクチルエステル−
前記大豆油脂肪酸オクチルエステルは、大豆油由来の脂肪酸のオクチルエステルであり、ヨウ素価が低く、固まりにくいため、長時間放置による孔版印刷機上でのインキの固着を抑制することができ、安定性を向上させることができる。
前記大豆油脂肪酸オクチルエステルのヨウ素価としては、80〜90が好ましい。該ヨウ素価が80未満であると、印刷後のインキの定着性が低下することがあり、90を超えると、インキが乾燥(固化)しやすくなってしまう傾向がある。
ここで、前記ヨウ素価とは、100gの油に吸着されるヨウ素の質量(g)である。前記大豆油脂肪オクチルエステルを含む植物油は、このヨウ素価によって、乾性油、半乾性油、及び不乾性油のいずれかに分類することができる。このヨウ素価が大きいほど不飽和結合が多く存在するため固まりやすくなる。
前記ヨウ素価は、例えば、市販の食用油脂分析装置により測定することができる。該食用油脂分析装置としては、例えば、Oil&Fatアナライザー食用油脂分析装置(ヤキテクノトロン株式会社製)などが挙げられる。
前記大豆油脂肪酸オクチルエステルの含有量としては、インキの総質量に対して、1質量%以上が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。該含有量が、インキの総質量に対して、1質量%未満であると、該大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有することによる効果が得られないことがある。
−その他の油成分−
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、前記大豆油脂肪酸オクチルエステル以外にも、本発明の目的及び作用効果を損なわない範囲でその他の油成分を含有していてもよい。
前記その他の油成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の植物油、鉱物油などが挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、合成油を使用することもできる。これらの中でも、インキの安全性を重視する観点から、植物油が好ましく、後述するように、エステル化植物油が特に好ましい。
前記その他の油成分は、通常インキ保存安定性の向上などの目的により揮発性の異なる油を複数混合して使用するが、揮発性オイルは地球環境に対して悪影響を及ぼす可能性があるのでなるべく使用しない方が好ましい。
前記鉱物油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種工業用溶剤、モーター油、ギヤー油、軽油、灯油、スピンドル油、マシン油、流動パラフィン、パラフィン系オイル、などが挙げられる。これらの中でも、パラフィン系オイルが特に好ましい。これらの鉱物油は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記植物油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大豆油、ナタネ油、ゴマ油、トール油、綿実油、ひまわり油、サンフラワー油、ウォルナッツオイル、コーン油、ポピーオイル、リンシードオイル、などが挙げられる。これらの中でも、大豆油が特に好ましい。
これらの植物油は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般に、油(油脂)の酸化反応は連鎖反応である。いったん油脂の1分子が酸化されると、順に他の分子を酸化して反応が続く。油脂の酸化反応は下記に示す式で示される各段階から成り立っている。
Figure 2007308617
前記式のように、油脂の酸化反応は、触媒の影響で油脂に含まれる不飽和脂肪酸RHが、開始剤Iの作用により水素結合を失って、遊離ラジカルR・を形成することによって開始される(1)。この遊離ラジカルR・が酸素分子Oと反応して過酸化ラジカルROO・を生成し、次いで、この過酸化ラジカルROO・と不飽和脂肪酸RHとの反応により、ヒドロペルオキシドROOHと遊離ラジカルR・が生じる(2、3)。そして連鎖反応が続き、過酸化物の量が増加して自動酸化の速度はますます速くなってしまう(4、5は停止反応)。
前記ヨウ素価が高い乾性油及び半乾性油においては、上述のような酸化反応は顕著に起こり、それによって油の乾燥(固化)が進み、しいては前記植物油を含有しているインキも固化してしまう。該インキの固化が発生すると、上述したようなスクリーンの目詰まり及び画像立上りの悪化いう不具合が発生してしまうため、特にヨウ素価が高い(不飽和結合が多く含まれる)植物油を使用する際は、植物油中の脂肪酸(リノレン酸、リノール酸、オレイン酸など)の酸化を防ぐために後述する酸化防止剤を油相中及び水相中の少なくともいずれかに含有することが好ましい。
前記その他の油成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、10〜20質量%が好ましい。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤は、油成分の中の脂肪酸の酸化を防ぎ、該油成分の乾燥(固化)を抑制する目的で使用される。
前記酸化防止剤をインキ中に加えることにより、下記に示す式で表される酸化防止機構が生じ、油成分の乾燥(固化)が抑制され、しいては前記植物油を含有している孔版印刷用W/O型エマルションインキの固化も抑制される。
Figure 2007308617
前記式のように、前記酸化防止剤AH(Hは離れやすい水素)がインキ中に存在すると、過酸化ラジカルROO・に対して水素を与えて酸化防止剤自身がラジカルA・となり、連鎖反応が中断される(6)。酸化防止剤のラジカルA・は、ラジカル同士が反応して二量体AAを形成したり(7)、他の過酸化ラジカルROO・と反応して安定な化合物ROOAを生成する(8)。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジフェニルフェニレンジアミン、イソプロピルフェニルフェニレンジアミンなどのアミン系化合物、トコフェロール、ジブチルメチルフェノールなどのフェノール系化合物、メルカプトメチルベンゾイミダゾールなどの硫黄系化合物などの公知のものが使用できる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸価防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、植物油の総質量に対し、10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
前記酸価防止剤は、前記植物油含有量に対して極めて少量の酸化防止剤を添加した場合、適切な酸化防止効果は期待できず、逆に植物油含有量に対して多量の酸化防止剤を一度に添加してしまうと酸化促進剤として作用してしまう場合もある。よって、少量の酸化防止剤でも植物油の酸化を抑えるために後述する相乗剤を加えることが好ましい。
−相乗剤−
前記相乗剤とは、それ自身酸化防止作用はほとんど持たないが、酸化防止剤と併用するとその作用を増強するものである。該相乗剤は通常酸性物質で、いくつかの水酸基またはカルボキシル基をもっている多官能性化合物である。
前記相乗剤はその作用機構から2種類に分けることができる。第一の種類の相乗剤は、真の意味の協力作用を示すもので、酸化防止剤Aと相乗剤Bとを併用する時に下記に示す式で表される反応機構が認められる。即ち、相乗剤Bは酸化防止剤Aよりはるかに弱い連鎖停止作用しか持たないが、相乗剤Bが酸化防止剤のラジカルA・に水素供与体として働くために、見かけ上相乗剤Bが酸化防止剤Aと同様酸化防止作用を持つように見える。
Figure 2007308617
第二の種類の相乗剤は、自動酸化の触媒としての金属の活性を抑制することによって主酸化防止剤の作用を増強する金属不活性剤である。クエン酸やポリリン酸は金属不活性化剤であるが、金属が存在しなくてもフェノール系酸化防止剤に対して協力的に働くことが知られている。
前記相乗剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メチオニン、アスコルビン酸、トレオニン、ロイシン、牛乳タンパク質加水分解物、ノルバリン、パルミチン酸アスコルビル、フェニルアラニン、シスチン、トリプトファン、プロリン、アラニン、グルタミン酸、バリン、膵臓タンパクのペプシン消化液、アスパラギン、アルギニン、バルビツール酸、アスフェナミン、ニンヒドリン、プロパニジン、ヒスチジン、ノルロイシン、グリセロリン酸、カゼインのトリプシン加水分解液、カゼインの塩酸加水分解液などの公知のものが使用できる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記相乗剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該含有量が酸化防止剤の含有量よりも非常に大きい場合、上式6及び9の反応がかなりの確率で起こり、時間が経過しても植物油中の不飽和結合が酸化されない状態になり、印刷後の画像において摩擦に対して色が落ちにくい等のメリットが薄れてしまう可能性がある。ただし、その反面ヨウ素価が高い植物油に対してはインキの固化によるスクリーンの目詰まり等の問題が解消されるというメリットもある。従って、相乗剤の含有量は酸化防止剤の含有量に対して50〜150質量%の範囲内にすることによって、ヨウ素価が高い植物油も使用することが可能となり、また酸化の程度を調節することにより、印刷後の画像において摩擦に対して色が落ちにくい等のメリットを残すことが可能となる。
−アルキド樹脂−
前記アルキド樹脂は、通常、油脂と多塩基酸と多価アルコールから構成される。
前記油脂としては、特に制限はなく、目的に応じ適宜選択することができるが、中でも、大豆油が好ましい。該油脂としては、該大豆油以外にも、必要に応じて、アマニ油、キリ油等のヨウ素価が80以上の乾性油からなるアルキド樹脂も、使用上問題ない濃度であれば一部使用してもよい。更に必要に応じて、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、ひまし油、米糠油、綿実油等のヨウ素価が80以下の不乾性油あるいは半乾性油、及びこれらの脂肪酸を使用することもできる。
ここで、前記アルキド樹脂のヨウ素価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。
前記多塩基酸としては、特に制限はなく、目的に応じ適宜選択することができるが、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じ適宜選択することができるが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリット、マンニット、ソルビット、などが挙げられる。
前記アルキド樹脂は、分散安定性、成膜形成による版銅スクリーンの目詰まりなどの点から、油長が60〜90質量%であり、かつ、ヨウ素価が80以下であるものが好ましいが、インキの固着性の点から、支障のない範囲で大豆油アルキド樹脂等のヨウ素価が80以上のものも使用することができる。
ここで、前記アルキド樹脂の油長は、前記油脂中の脂肪酸がトリグリセライドで存在したときの樹脂中の質量%で表される。
また、前記アルキド樹脂の重量平均分子量としては、3万以下が好ましく、1万以下がより好ましい。
前記アルキド樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記インキの総質量に対して、2質量%以下が好ましく、0.5〜1質量%がより好ましい。2質量%を超えると、インキの粘度が高くなり、ドラム後端からインキが漏れるなどの印刷適性の問題が生じることがある。
−その他の樹脂−
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、前記大豆油脂肪酸アルキド樹脂以外にも、本発明の目的及び作用効果を損なわない範囲でその他の樹脂を含有していてもよい。
前記その他の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンポリエステル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂;ロジン変性アルキド樹脂;ロジン変性マレイン酸樹脂;ロジン変性フェノール樹脂;石油樹脂;環化ゴムなどのゴム誘導体樹脂;テルペン樹脂;重合ひまし油、などが挙げられる。これらのその他の樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキのコスト及び印刷適正の点から、前記油相の総質量に対して、2〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
前記その他の樹脂の重量平均分子量が低い場合及び含有量が少ない場合には、インキの定着性への効果が小さいことがあり、一方、重量平均分子量が高い場合及びその他の樹脂の含有量が多い場合にはインキの粘度が高くなり、ドラム後端からインキが漏れるなどの印刷適性の問題が生じることがある。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、各種色調の公知の顔料、分散染料などの不溶性着色剤を用いることができる。
前記着色剤としては、具体的には、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック類;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉;弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料;不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;無金属フタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料等のフタロシアニン系顔料;アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、イソインドリン系色素、ジオキサンジン系色素、スレン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジゴ系色素、キノフタロン系色素、金属錯体等の縮合多環系顔料;酸性又は塩基性染料のレーキ等の有機顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;蛍光顔料、などが挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記蛍光顔料としては、合成樹脂を塊状重合する際又は重合した後に様々な色相を発色する蛍光染料を溶解又は染着し、得られた着色塊状樹脂を粉砕して微細化した、所謂合成樹脂固溶体タイプのもので、染料を担持する合成樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、スルホンアミド樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、等が挙げられる。
また、前記着色剤としては、市販品を用いることができ、例えば、前記カーボンブラックの市販品としては、MA−100、MA−7、MA−70、MA−77、MA−11、#40、#44(いずれも三菱化学株式会社製)、Raven1100、Raven1080、Raven1255、Raven760、Raven410(いずれもコロンビヤンカーボン社製)、などが挙げられる。
前記着色剤は、前記油相に分散された状態で存在する。該油相に分散された該着色剤の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜1.0μmがより好ましい。該平均粒径が、0.1μm未満であると、着色剤粒径が関連する画像の定着率やインキ安定性において、所望の効果が得られないことがあり、10μmを超えると、画像の定着率や、インキ安定性に劣ることがある。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常は、インキの総質量に対して、2〜15質量%が好ましく、4〜10質量%であるのが好ましい。該含有量が、インキの総質量に対して、2質量%未満であると、印刷濃度が不足することがあり、15質量%を超えても、印刷濃度は上がらず、コストの点で不利となることがある。
なお、前記着色剤は、通常、油相に含有されるが、油相及び水相のいずれか、あるいは両相に含有されていてもよい。
−着色剤の分散剤−
前記着色剤の分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート化合物、スチレン−無水マレイン酸系共重合高分子化合物、ポリカルボン酸エステル型高分子化合物、脂肪族系多価カルボン酸、高分子ポリエステルのアミン塩類、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩類、長鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエステルの塩、ポリアミド系化合物、リン酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸塩類、ポリエチレンイミン、アルキロールアミン塩及びアルキド樹脂などの不溶性着色剤分散能を有する樹脂なども挙げられる。この他にも、インキの保存安定性を阻害しない範囲であればイオン性界面活性剤、両親媒性界面活性剤なども使用することができる。これらの着色剤の分散剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の分散剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記着色剤の総質量に対して、40質量%以下が好ましく、2〜35質量%がより好ましい。
なお、前記アルキド樹脂は、後述する高分子量の樹脂を含有するときの前記着色剤の分散安定性に特に効果があるが、該アルキド樹脂を単独、又は他の分散剤と併用して使用する場合の該樹脂の含有量は、該着色剤1質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましい。
−ゲル化剤−
前記ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性、及び流動性等を向上させる目的で使用される。
前記ゲル化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、前記油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物としては、具体的には、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等が挙げられる。より具体的には、オクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等の有機キレート化合物、などが挙げられる。これらのゲル化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゲル化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記油相中の樹脂の総質量に対して、15質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
−乳化剤−
前記乳化剤は、エマルションを形成する目的で使用される。
前記乳化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらの乳化剤は、1種単独で用いてもよいし、HLBの異なるものを2種以上併用して安定性の高いエマルションを調製してもよい。
前記乳化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、1〜8質量%が好ましく、2.2〜6.0質量%がより好ましい。
−体質顔料−
前記体質顔料は、インキの滲み防止、粘度調整の目的で使用される。
前記体質顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、中でも、無機微粒子及び有機微粒子のいずれかが好ましい。
前記無機微粒子としては、具体的には、白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム、などが挙げられる。
前記有機微粒子としては、具体的には、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、又はこれらの共重合体、などが挙げられる。これらの体質顔料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記体質顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、0.1〜50質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
なお、前記体質顔料は、油相及び水相のいずれか、あるいは両相に含有されていてもよい。
<水相>
前記水相は、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で目的に応じて適宜その組成を選択することができるが、通常は、水、電解質、抗菌剤、水の蒸発防止剤、凍結防止剤、水溶性高分子、体質顔料、などの成分を含有してなる。なお、体質顔料については、既に述べた通りである。
−水−
前記水としては、清浄であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水等を使用することができる。
−電解質−
前記電解質は、エマルションの安定性を高める目的で使用される。従って、該電解質によって影響を受ける材料が前記水相に存在しない場合に使用することが好ましい。
前記電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記電解質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、などの陽イオンと、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩素イオン、ホウ酸イオン、などの陰イオンとからなる電解質が使用することができる。従って、添加される電解質としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが好ましい。これらの電解質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水相の総質量に対して、0.1〜2質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。
−抗菌剤−
前記抗菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物及びその塩素化合物;ソルビン酸;デヒドロ酢酸;MIT(メチルイソチアゾリン)、BIT(ブチルイソチアゾリン)、OIT(オクチルイソチアゾリン)等のチアゾリン系の化合物、などが挙げられる。これらの抗菌剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記抗菌剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水の総質量に対して、3質量%以下が好ましく、0.1〜1.2質量%がより好ましい。
−水の蒸発防止剤又は凍結防止剤−
前記水の蒸発防止剤及び凍結防止剤は、兼用することができる。
前記水の蒸発防止剤又は凍結防止剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、低級飽和一価アルコール、グリコール、多価アルコールなどが挙げられる。
前記低級飽和一価アルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。
前記グリコールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。
これらの水の蒸発防止剤又は凍結防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水相の総質量に対して、15質量%以下が好ましく、4〜12質量%がより好ましい。
−水溶性高分子化合物−
前記水溶性高分子化合物は、インキの保湿や粘性の目的で使用される。
前記水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物、などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、具体的には、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等が挙げられる。
前記半合成高分子化合物としては、具体的には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。
前記合成高分子化合物としては、具体的には、アクリル酸樹脂、ポリアクリル酸ナトリウム等の中和物;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリビニルピロリドンとポリアクリル酸とのコポリマー;ポリアクリルアミド;ポリN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレンオキシド;ポリビニルメチルエーテル、などが挙げられる。
これらの水溶性高分子化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性高分子化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水相の総質量に対して、25質量%以下が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
<孔版印刷用W/O型エマルションインキの製造方法>
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができるが、例えば、常法により油相及び水相液を予め別々に調製し、次いで、前記油相と水相を混合して、ディスパーミキサー、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の公知の乳化機内で乳化させることにより製造することができる。
具体的には、必要に応じて、前記大豆油脂肪酸オクチルエステル、前記大豆油脂肪酸オクチルエステル以外のその他の油成分、前記酸価防止剤、前記相乗剤、前記着色剤、前記着色剤の分散剤、前記ゲル化剤、前記樹脂、前記乳化剤、前記体質顔料、などを混合し、3本ロールを用いて分散処理を行って油相液を調製し、次いで、乳化機に、該油相液を仕込んで液を撹拌しながら、必要に応じて、前記水、前記電解質、前記抗菌剤、前記水の蒸発防止剤、前記凍結防止剤、前記水溶性高分子、前記体質顔料などを混合し、高速ディゾルバーにて攪拌することにより製造することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−孔版印刷用W/O型エマルションインキの調製−
表1に示す処方に従い、油相及び水相をそれぞれ常温で調製した。即ち、着色剤、乳化剤、油成分、及び樹脂を混合し、3本ロール(株式会社井上製作所製)を用いて分散処理を行って油相液を調製し、前記油相液を攪拌しながら、徐々に水、凍結防止剤、電解質、及び抗菌剤を混合した水相液を添加し、高速ディゾルバーにて攪拌、乳化させて実施例1の孔版印刷用W/O型エマルションインキを調製した。
(実施例2〜10)
−孔版印刷用W/O型エマルションインキの調製−
実施例1において、油相液及び水相液の組成を、表1及び表2に示す組成に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜10の孔版印刷用W/O型エマルションインキを調製した。
(比較例1〜4)
−孔版印刷用W/O型エマルションインキの調製−
実施例1において、油相液及び水相液の組成を、表3に示す組成に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜4の孔版印刷用W/O型エマルションインキを調製した。
〔評価〕
実施例1〜10及び比較例1〜4の孔版印刷用W/O型エマルションインキを用いて、下記の内容により、インキの紙への定着性(フィードローラー汚れ)、及び孔版印刷機上での安定性(インキの粘度上昇及び機上放置性)の評価を行った。各評価結果を、表1〜3に示す。
<インキの紙への定着性(フィードローラー汚れ)の評価>
実施例1〜10及び比較例1〜4の孔版印刷用W/O型エマルションインキを用いて、東北リコー社製Satelio A400を使用し、ある所定画像を印刷した後、2分後に裏面を印刷した時のフィードローラーにおける汚れレベルを目視にて観察し、以下の4段階の評価基準に基づき評価した。
−評価基準−
◎:汚れが全く見られない。
○:汚れはほとんど見られない。
△:汚れがやや見られる。
×:汚れが顕著に見られる。
<孔版印刷機上での安定性(インキの粘度上昇)の評価>
実施例1〜10及び比較例1〜4の孔版印刷用W/O型エマルションインキを、開放状態で、60℃2週間放置し、放置前後の粘度を測定して、粘度上昇のレベルを以下の4段階の評価基準に基づき評価した。
−評価基準−
◎:粘度上昇が全く見られない。
○:粘度上昇はほとんど見られない。
△:粘度上昇がやや見られる。
×:粘度上昇が顕著に見られる。
<孔版印刷機上での安定性(機上放置性)の評価>
実施例1〜10及び比較例1〜4の孔版印刷用W/O型エマルションインキを用いて、東北リコー社製Satelio A400を用いて、ある所定画像を印刷した後、印刷機を1ヶ月放置(常温常湿)した後に、同じ画像を印刷した時の画像を目視にて観察し、画像のカスレレベルを以下の4段階の評価基準に基づき評価した。
−評価基準−
◎:画像カスレが全く見られない。
○:画像カスレはほとんど見られない。
△:やや画像カスレが見られる。
×:顕著な画像カスレが見られる。
Figure 2007308617
*カーボンブラック:Raven760(コロンビヤンカーボン社製)
*乳化剤1:ヘキサグリセリンポリリシノレート(日光ケミカルズ社製)
*乳化剤2:SO−10(日光ケミカルズ社製)
*パラフィン系オイル:SUNTHEN380(日本サン石油社製)
*大豆油脂肪酸メチルエステル:Vertecbio Gold #4(Vertec Biosolvents社製)
*大豆油脂肪酸オクチルエステル:TOENOL#5090(カネダ株式会社製)
*大豆油脂肪酸アルキド:ショウキッドSL−70MS(昭和ワニス社製)
*グリセリン:グリセリン(花王社製)
*硫酸マグネシウム:硫酸マグネシウム7水塩(馬居化成工業社製)
*有機窒素系硫黄化合物:デルトップ512(日本エンバイロケミカルズ社製)
Figure 2007308617
*使用した化合物は、表1と同様。
Figure 2007308617
*使用した化合物は、表1と同様。
表1〜3に示す結果から、大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有する実施例1〜10の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有しない比較例1〜4の孔版印刷用W/O型エマルションインキに比べて、インキの紙への定着性及び孔版印刷機上での安定性に優れていることが判った。
本発明の孔版印刷用W/O型エマルションインキは、インキの紙への定着性及び孔版印刷機上での安定性に優れており、また、環境や人体への安全性も高いため、例えば、感熱孔版印刷機による孔版印刷などに使用するインキとして非常に有用である。

Claims (3)

  1. 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に大豆油脂肪酸オクチルエステルを含有することを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
  2. 大豆油脂肪酸オクチルエステルの含有量が、インキの総質量に対して1質量%以上である請求項1に記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
  3. 更に、油相中にアルキド樹脂をインキの総質量に対して2質量%以下含有する請求項1から2のいずれかに記載の孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
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