JP2007307223A - 粒子線照射装置 - Google Patents

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昭彦 丸山
Etsuko Gama
越虎 蒲
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浩伸 津上
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Abstract

【課題】レンジシフタを小さくすることで、装置全体を小型化し、さらに、装置の駆動が速くなる粒子線照射装置を得る。
【解決手段】この発明に係る粒子線照射装置は、入射された粒子線1を一定方向に平行移動させ、粒子線1の入射軸を中心に回転可能なスキャン電磁石2と、スキャン電磁石2の反入射側には、ブラッグピークの深さを短くする第1のレンジシフタプレート5が積層され、スキャン電磁石2と同期して入射軸を中心に回転可能なレンジシフタ3とを備えた粒子線照射装置において、レンジシフタ3は、入射軸と平行で各第1のレンジシフタプレート5が入射軸に対して直交する方向に回動自在に支持されたレンジシフタ回転軸6と、レンジシフタ回転軸6を中心に各第1のレンジシフタプレート5を回動させて、粒子線1の通路に対して出し入れさせるエアシリンダ7とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、粒子線の人体内部におけるブラッグピークの深さを調整するレンジシフタを備えた粒子線照射装置に関する。
従来、粒子線照射装置として、入射された粒子線を照射領域に合わせ、入射軸に直交しかつ互いに直交した方向に曲げる一対のスキャン電磁石と、スキャン電磁石の反入射側に設けられ、粒子線の入射軸に直交する方向に平行移動して粒子線の通路に出し入れされ、粒子線の人体内部におけるブラッグピークの深さを調整する複数のレンジシフタプレートを有するレンジシフタとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−61978号公報
しかしながら、このものの場合、スキャン電磁石が粒子線を照射領域に合わせて曲げるので、複数のレンジシフタプレートを有するレンジシフタの粒子線が通過する面積が大きくなり、レンジシフタを大きくすることで粒子線照射装置全体が大型化するという問題点があった。また、レンジシフタプレートが大きくなるので、レンジシフタプレートの出し入れが遅くなり、粒子線照射装置の駆動が遅くなるという問題点があった。
この発明は、上述のような問題点を解決することを課題とするものであって、その目的は、レンジシフタを小さくすることで装置全体を小型化し、さらに、レンジシフタプレートの出し入れを速くすることにより、照射される人体の拘束時間が短くなる粒子線照射装置を提供するものである。
この発明に係る粒子線照射装置は、入射された粒子線を一定方向に平行移動させ、前記粒子線の入射軸を中心に回転可能なスキャン電磁石と、前記スキャン電磁石の反入射側に設けられ、前記粒子線の人体内部におけるブラッグピークの深さを調整し、前記スキャン電磁石と同期して前記入射軸を中心に回転可能なレンジシフタとを備え、前記レンジシフタには、前記ブラッグピークの深さを短くする複数の第1のレンジシフタプレートが積層されている粒子線照射装置において、前記レンジシフタは、前記入射軸と平行に設けられ、各前記第1のレンジシフタプレートが前記入射軸に対して直交する方向に回動自在に支持されたレンジシフタ回転軸と、各前記第1のレンジシフタプレートに設けられ、前記レンジシフタ回転軸を中心に各前記第1のレンジシフタプレートを回動させて、前記粒子線の通路に対して出し入れさせるレンジシフタ回動手段とを備えたものである。
この発明に係る粒子線照射装置によれば、装置全体を小型化し、さらに、装置の駆動を速くすることができる。
以下、この発明の各実施の形態を図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当の部材、部位については、同一符号を付してある。
実施の形態1.
図1(a)は実施の形態1に係る粒子線照射装置の断面図、図1(b)は図1(a)をY方向から視た時の断面図、図2は図1の粒子線照射装置の内部斜視図、図3(a)は図1の第1のレンジシフタプレート5の平面図、図3(b)は図3(a)のA―A線に沿った矢視断面図、図4は図1のレンジシフタフレーム4を除いたレンジシフタ3を示す斜視図である。
実施の形態1に係る粒子線照射装置は、図示しない粒子線加速装置で加速された粒子線1が入射し、この粒子線1を一定方向に平行移動させるスキャン電磁石2と、このスキャン電磁石2の反入射側に設けられ、粒子線1の人体内部に侵入する深さであるブラッグピークの深さを調整するレンジシフタ3とを備えている。
スキャン電磁石2は、粒子線1の入射方向に重ねられた一対の電磁石を有している。各電磁石は、磁界の方向が粒子線1の入射軸に直交する方向で、互いに逆向きであり、さらに、磁界の大きさが等しい。また、図示しない制御装置により、各電磁石の磁界の大きさを変化させることができる。
レンジシフタ3は、筒形状のレンジシフタフレーム4と、このレンジシフタフレーム4の内部に設けられた複数の第1のレンジシフタプレート5と、レンジシフタフレーム4の内部で粒子線1の入射軸と平行に固定されたレンジシフタ回転軸6と、各第1のレンジシフタプレート5に設けられたレンジシフタ回動手段であるエアシリンダ7とを有している。
筒形状のレンジシフタフレーム4の対向した一対の孔4a、4bは、粒子線1の通路となっている。
各第1のレンジシフタプレート5は、ブラッグピークの深さを調整するために、粒子線1の入射軸上に積層されている。
レンジシフタ回転軸6は、各第1のレンジシフタプレート5を粒子線1の入射軸に対して直交する方向に回動自在に支持している。
エアシリンダ7は、レンジシフタ回転軸6を中心に第1のレンジシフタプレート5を回動させる。
レンジシフタ3とスキャン電磁石2との間には、両者を固定する固定部材19が設けられている。したがって、図示しないモータによりスキャン電磁石2が回転すると、レンジシフタ3はスキャン電磁石2と同期して粒子線1の入射軸を中心に回転する。
レンジシフタ3の反スキャン電磁石2側には、粒子線1の量を測定する粒子線量モニタ9が設けられている。
粒子線量モニタ9の反レンジシフタ3側には、粒子線1の位置を測定する粒子線位置モニタ10が設けられている。
粒子線位置モニタ10の反粒子線量モニタ9側には、粒子線1を照射する被照射体11が配置される。
図5に示すように、エアシリンダ7の一端部は、ジョイント8を介して第1のレンジシフタプレート5に連結されている。また、エアシリンダ7の他端部は、ジョイント8を介してレンジシフタフレーム4に連結されている。これらのジョイント8により、エアシリンダ7の第1のレンジシフタプレート5に対する角度は自由に変わり、第1のレンジシフタプレート5を回動させる。
図示しない駆動装置により、エアシリンダ7が動作して、図5、図6に示すように、第1のレンジシフタプレート5は、粒子線1の通路に出し入れされる。
また、レンジシフタフレーム4の内部には、第1のレンジシフタプレート5が回動して粒子線1の通路に出し入れされる際の衝撃を吸収するためのダンパー14が2ヶ所停止する位置に設けられている。
粒子線1の照射領域は、スキャン電磁石2により一定方向に平行移動される粒子線1のスキャン幅と粒子線1そのものの大きさから決まる。スキャン幅をD、粒子線1の広がり(ガウス分布を仮定した場合の1σ値)を半径Rとした場合、粒子線1の最大半径をr=3Rとし、粒子線1が照射される第1のレンジシフタプレート5の領域の大きさを、長さがD+2r、幅が2rとすれば、第1のレンジシフタプレート5の粒子線1照射領域を必要最小限の大きさとすることができる。
そこで、図3に示すように、第1のレンジシフタプレート5は、長さがD+2r、幅が2rである領域には、人体の組織と等価である水等価媒質12と、この水等価媒質12の周囲には、水等価媒質12を固定する水等価媒質固定枠13とを有している。
水等価媒質12は、その内部に粒子線1が通過すると、粒子線1の人体内部におけるブラッグピークの深さを短くする性質を有している。なお、ブラッグピークの深さを短くする目的のためには、水等価媒質以外の物質を使用する事ができるが、散乱効果などの影響を統一するために、水等価媒質を用いる事が一般的である。
各第1のレンジシフタプレート5の水等価媒質12は、全て同じ厚さ(例えば1mm)で構成され、一枚あたりの重量は軽いものになっている。
なお、水等価媒質固定枠13の一端部には、レンジシフタ回転軸6が貫通する孔13aが形成されている。
次に、実施の形態1に係る粒子線照射装置の動作について説明する。
スキャン電磁石2に入射した粒子線1は、一定方向に平行移動されてスキャン電磁石2の反入射側から飛び出る。この時、スキャン電磁石2を通過した粒子線1は電荷を有しているので、大きさが調整された磁界から電磁力の影響を受け、所望の距離を平行移動する。
さらに、スキャン電磁石2自体が粒子線1の入射軸を中心に所望の角度を回転するので、粒子線1を、入射軸に直交した面に対して自由な位置に調整して照射することができる。
スキャン電磁石2を通過した粒子線1は、レンジシフタ3内の複数の積層された第1のレンジシフタプレート5に入射する。
積層された第1のレンジシフタプレート5は、それぞれに設けられたエアシリンダ7によって、図5および図6に示すように、粒子線1の通路に出し入れされ、粒子線1が通過する水等価媒質12の総厚みを調整する。その結果、粒子線1の人体内部におけるブラッグピークの深さを調整する。
次に、レンジシフタ3を通過した粒子線1は、粒子線量モニタ9を通過する。これにより、被照射体11に照射される粒子線1の量を測定する。被照射体11に照射された粒子線1の量が、所望の量に達した場合は、粒子線1の照射を停止する。
また、粒子線量モニタ9を通過した粒子線1は、粒子線位置モニタ10を通過する。これにより、被照射体11に照射される粒子線1の平面上の位置を測定する。所望の粒子線1の位置と異なる場合は、スキャン電磁石2を調整して、粒子線1の位置を調整する。
粒子線位置モニタ10を通過した粒子線1は、被照射体11に照射され、被照射体11内部に侵入する。粒子線1は、被照射体11の内部で、レンジシフタ3によって調整されたブラッグピークの深さ分だけ進んで停止する。粒子線1は、被照射体11の内部で、被照射体11を構成する原子との散乱によって徐々にエネルギーを失いながら進む。粒子線1が損失するエネルギーは、ブラッグピークの手前では比較的小さいが、ブラッグピークの直前から急激に損失エネルギーが大きくなり、ブラッグピーク深さで損失エネルギーは最大となる。
以上説明したように、実施の形態1に係る粒子線照射装置によると、スキャン電磁石2により粒子線1を一定方向に平行移動し、その粒子線1の一定方向の平行移動の寸法に合わせたサイズに第1のレンジシフタプレート5を小さくできるので、装置全体を小型化することができる。
さらに、小型化された第1のレンジシフタプレート5がレンジシフタ回転軸6を中心に回動することにより粒子線1の通路に出し入れされるので、ブラッグピークの深さを速く調整することができ、その結果、装置の駆動を速くすることができる。
また、装置の重量が軽くなり、装置が駆動することにより発生する騒音を低減することができる。
実施の形態2.
図7は実施の形態2に係る粒子線照射装置のレンジシフタフレーム4を除いたレンジシフタ3を示す斜視図である。
この実施の形態2に係る粒子線照射装置では、隣接する第1のレンジシフタプレート5が互いに反対方向に回動するように、一方向に駆動するエアシリンダ7と、他方向に駆動するエアシリンダ7とが交互に各第1のレンジシフタプレート5に設けられている。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
この実施の形態2に係る粒子線照射装置によれば、隣接する第1のレンジシフタプレート5を互いに反対方向に回動させるので、隣接する第1のレンジシフタプレート5に設けられた各エアシリンダ7が、互いに離れて配置されている。
したがって、一方向に駆動する各エアシリンダ7の間隔および他方向に駆動する各エアシリンダ7の間隔を小さくして、隣接する第1のレンジシフタプレート5の間隔を小さくすることができる。
その結果、レンジシフタ3を小型にでき、実施の形態1に係る粒子線照射装置よりさらに小型化することができる。
実施の形態3.
図8は実施の形態3に係る粒子線照射装置のレンジシフタ3を示す平断面図、図9(a)は図8のB―B線に沿った矢視断面図、図9(b)は図8のC―C線に沿った矢視断面図である。
この実施の形態3に係る粒子線照射装置では、第1のレンジシフタプレート5が粒子線1の通路に出し入れされた状態における第1のレンジシフタプレート5の近傍で、粒子線1の入射軸に対して直交する方向に第1のレンジシフタプレート5を案内するガイド板15がレンジシフタフレーム4に設けられている。
このガイド板15は、第1のレンジシフタプレート5の変形や、レンジシフタ回転軸6への第1のレンジシフタプレート5の取り付けにずれが発生した場合であっても、第1のレンジシフタプレート5は粒子線1の入射軸に対して直交する方向に案内されるので、第1のレンジシフタプレート5は、所定の軌道で回動し、ダンパー14に正しく当たる。
したがって、第1のレンジシフタプレート5に入射した粒子線1は、安定して水等価媒質12を通る。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
この実施の形態3に係る粒子線照射装置によれば、粒子線1の入射軸に対して直交する方向に第1のレンジシフタプレート5を案内するガイド板15が設けられている。
したがって、第1のレンジシフタプレート5が変形し、また、レンジシフタ回転軸6への第1のレンジシフタプレート5の取り付けにずれが発生した場合であっても、第1のレンジシフタプレート5は粒子線1の入射軸に対して直交する方向に案内され、第1のレンジシフタプレート5はダンパー14に正しく当てることができ、第1のレンジシフタプレート5に入射した粒子線1は、安定して水等価媒質12を通ることができる。
その結果、被照射体11に照射される粒子線1のブラッグピークの深さの乱れを低減することができる。
実施の形態4.
図10は実施の形態4に係る粒子線照射装置の内部斜視図、図11は図10の第2のレンジシフタプレート16が粒子線1の通路に入れられた時のレンジシフタ3を示す平断面図、図12は図10の第2レンジシフタプレート16が粒子線1の通路から出された時のレンジシフタ3を示す平断面図、図13は図12のD―D線に沿った矢視断面図である。
この実施の形態4に係る粒子線照射装置では、被照射体11を照射するための照射深さ(レンジ)の範囲がD1〜D2(D1>D2)であった場合、最適には、粒子線1のエネルギーを調整して、レンジシフタプレート5が粒子線1の通路に全く入れられていない状態でのレンジをD1とし、通路に入れられたレンジシフタプレート5の枚数によって、D1からD2までのレンジ範囲を照射する。
しかし、実際には、粒子線1のエネルギーを自由に選択することができないため、レンジシフタプレート5が無い場合のレンジをDとすると、D>D1であるようなエネルギーの粒子線1を用いて、レンジがD1になるまで予め第1のレンジシフタプレート5を通路に入れておき、そこから、さらに第1のレンジシフタプレート5を通路に入れていって、D1からD2の範囲を照射することになる。
このような場合、第1のレンジシフタプレート5を全て単一の厚さで構成した場合、非常に多くのプレートが必要になり、装置全体の重量が増加する。このため、DからD1へのレンジ調整のために、別途、スライド式のバイナリー型(厚さが1mm、2mm、4mmと倍々に用意されたもの)の第2のレンジシフタプレート16を組み合わせる。
レンジシフタ3は、第2のレンジシフタプレート16が、第1のレンジシフタプレート5の反スキャン電磁石2側に設けられている。
レンジシフタフレーム4には、第2のレンジシフタプレート16が粒子線1の入射軸に対して直交に平行移動して出し入れされるように案内するスライドガイド18が設けられている。
第2のレンジシフタプレート16の中央部には、第1のレンジシフタプレート5と同様に、水等価媒質12が設けられている。
第2のレンジシフタプレート16には、第2のレンジシフタプレート16を出し入れするためのエアシリンダ7がジョイント8を介して設けられている。
第2のレンジシフタプレート16の反エアシリンダ7側には、第2のレンジシフタプレート16を粒子線1の通路に入れたときに、第2のレンジシフタプレート16の動きを止めるストッパー17が設けられている。
スライド式の第2のレンジシフタプレート16は、粒子線1の照射1回について一度出し入れの動作を行えばよいので、高速で動作する必要はなく、安価で軽量な駆動装置を用いてよい。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
実施の形態4に係る粒子線照射装置によれば、予め、被照射体11の最も深い照射位置を調整する第2のレンジシフタプレート16が粒子線1の通路に出し入れされるように設けられているので、第1のレンジシフタプレート5の枚数を少なくすることができる。
また、第2のレンジシフタプレート16は、粒子線1の入射軸に直交する方向に平行移動して粒子線1の通路に対して出し入れされるので、簡単な構成で第2のレンジシフタプレート16を出し入れすることができる。
なお、上記構成では、第2のレンジシフタプレート16は、第1のレンジシフタプレート5の反スキャン電磁石2側として説明したが、勿論このものに限らず、第1のレンジシフタプレート5とスキャン電磁石2との間にあってもよく、さらには、第1のレンジシフタプレート5のスキャン電磁石2側および反スキャン電磁石2側の両方に設けられたものであってもよい。
実施の形態5.
図14は実施の形態5に係る粒子線照射装置のレンジシフタ3を示す平断面図である。
この実施の形態5に係る粒子線照射装置では、レンジシフタ3は、粒子線1の入射軸に平行の2本のレンジシフタ回転軸6a、6bが、レンジシフタフレーム4の内部に設けられている。
各レンジシフタ回転軸6a、6bは、複数の第1のレンジシフタプレート5を回動自在に支持している。
レンジシフタ回転軸6aに支持された第1のレンジシフタプレート5と、レンジシフタ回転軸6bに支持された第1のレンジシフタプレート5は、各第1のレンジシフタプレート5の水等価媒質12が重なり合うように、互いに一枚ずつ交互に積層されている。
各第1のレンジシフタプレート5には、各第1のレンジシフタプレート5が粒子線1の通路に出し入れされるように、エアシリンダ7が設けられている。
レンジシフタフレーム4には、各第1のレンジシフタプレート5が粒子線1の入射軸に出し入れされて停止する位置にダンパー14がそれぞれに2箇所ずつ設けられている。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
この実施の形態5に係る粒子線照射装置によれば、粒子線1の入射軸に平行なレンジシフタ回転軸6a、6bが2本設けられ、各レンジシフタ回転軸6a、6bに回動自在に支持された各第1のレンジシフタプレート5は交互に積層され、隣接する第1のレンジシフタプレート5に設けられた各エアシリンダ7が、互いに離れて配置されている。
したがって、レンジシフタ回転軸6aに支持された第1のレンジシフタプレート5を回動させる各エアシリンダ7の間隔およびレンジシフタ回転軸6bに支持された第1のレンジシフタプレート5を回動させる各エアシリンダ7の間隔を小さくして、隣接する第1のレンジシフタプレート5の間隔を小さくすることができる。
その結果、レンジシフタ3を小型にでき、実施の形態1に係る粒子線照射装置よりさらに小型化することができる。
なお、上記構成では、レンジシフタ回転軸6a、6bを2本として説明したが、勿論このものに限らず、3本以上であってもよい。この場合にも、各レンジシフタ回転軸には、第1のレンジシフタプレートが設けられ、各第1のレンジシフタプレートには、エアシリンダが設けられている。
実施の形態6.
図15(a)は実施の形態6に係る粒子線照射装置の断面図、図15(b)は図15(a)のY方向から視た時の断面図である。
この実施の形態6に係る粒子線照射装置では、スキャン電磁石2とレンジシフタ3とは、互いに別々の動力源である図示しないモータがそれぞれに接続されている。また、スキャン電磁石2とレンジシフタ3は、図示しない制御装置により、粒子線1の入射軸を中心に互いが同期して回転する。
その他の構成は、実施の形態1と同様である。
この実施の形態6に係る粒子線照射装置によれば、スキャン電磁石2を回転させる動力とレンジシフタ3を回転させる動力を、電気的、機械的に切り分けた構成であるので、スキャン電磁石2とレンジシフタ3のそれぞれの駆動により発生するノイズ、振動により、互いが干渉されることを低減することができ、装置の誤作動の発生を低減することができる。
図1(a)は実施の形態1に係る粒子線照射装置の断面図、図1(b)は図1(a)をY方向から視た時の断面図である。 図1の粒子線照射装置の内部斜視図である。 図3(a)は図1の第1のレンジシフタプレートの平面図、図3(b)は図3(a)A―A線に沿った矢視断面図である。 図1のレンジシフタフレームを除いたレンジシフタを示す斜視図である。 図1の第1のレンジシフタプレートが粒子線の通路に入れられた時のレンジシフタを示す平断面図である。 図1の第1のレンジシフタプレートが粒子線の通路から出された時のレンジシフタを示す平断面図である。 実施の形態2に係る粒子線照射装置のレンジシフタフレームを除いたレンジシフタを示す斜視図である。 実施の形態3に係る粒子線照射装置のレンジシフタを示す平断面図である。 図9(a)は図8のB―B線に沿った矢視断面図、図9(b)は図8のC―C線に沿った矢視断面図である。 実施の形態4に係る粒子線照射装置の内部斜視図である。 図10の第2のレンジシフタプレートが粒子線の通路に入れられた時のレンジシフタを示す平断面図である。 図10の第2のレンジシフタプレートが粒子線の通路から出された時のレンジシフタを示す平断面図である。 図12のD―D線に沿った矢視断面図である。 実施の形態5に係る粒子線照射装置のレンジシフタを示す平断面図である。 図15(a)は実施の形態6に係る粒子線照射装置の断面図、図15(b)は図15(a)のY方向から視た時の断面図である。
符号の説明
1 粒子線、2 スキャン電磁石、3 レンジシフタ、4 レンジシフタフレーム、4a、4b 孔、5 第1のレンジシフタプレート、6、6a、6b レンジシフタ回転軸、7 エアシリンダ、8 ジョイント、9 粒子線量モニタ、10 粒子線位置モニタ、11 被照射体、12 水等価媒質、13 水等価媒質固定枠、13a 孔、14 ダンパー、15 ガイド板、16 第2のレンジシフタプレート、17 ストッパー、18 スライドガイド、19 固定部材。

Claims (7)

  1. 入射された粒子線を一定方向に平行移動させ、前記粒子線の入射軸を中心に回転可能なスキャン電磁石と、
    前記スキャン電磁石の反入射側に設けられ、前記粒子線の人体内部におけるブラッグピークの深さを調整し、前記スキャン電磁石と同期して前記入射軸を中心に回転可能なレンジシフタと、
    を備え、
    前記レンジシフタには、前記ブラッグピークの深さを短くする複数の第1のレンジシフタプレートが積層されている粒子線照射装置において、
    前記レンジシフタは、
    前記入射軸と平行に設けられ、各前記第1のレンジシフタプレートが前記入射軸に対して直交する方向に回動自在に支持されたレンジシフタ回転軸と、
    各前記第1のレンジシフタプレートに設けられ、前記レンジシフタ回転軸を中心に各前記第1のレンジシフタプレートを回動させて、前記粒子線の通路に対して出し入れさせるレンジシフタ回動手段と、
    を有していることを特徴とする粒子線照射装置。
  2. 各前記レンジシフタ回動手段は、隣接する前記第1のレンジシフタプレートを、互いに反対方向に回動させることを特徴とする請求項1に記載の粒子線照射装置。
  3. 前記レンジシフタは、各前記第1のレンジシフタプレートの近傍に設けられ前記第1のレンジシフタプレートを前記入射軸に対して直交する方向に案内するガイド板をさらに有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粒子線照射装置。
  4. 前記レンジシフタは、前記第1のレンジシフタプレートの前記スキャン電磁石側および反前記スキャン電磁石側の少なくとも一方に設けられ、前記ブラッグピークの深さを短くする第2のレンジシフタプレートをさらに有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の粒子線照射装置。
  5. 前記第2のレンジシフタプレートは、前記入射軸に対して直交する方向に平行移動して前記通路に対して出し入れされることを特徴とする請求項4に記載の粒子線照射装置。
  6. 前記入射軸に平行な前記レンジシフタ回転軸は、複数設けられ、
    各前記レンジシフタ回転軸は、前記入射軸に対して直交する方向に、複数の前記第1のレンジシフタプレートを回動自在に支持し、
    各前記第1のレンジシフタプレートには、各前記レンジシフタ回転軸を中心に各前記第1のレンジシフタプレートを回動させて、前記粒子線の通路に対して出し入れさせるレンジシフタ回動手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の粒子線照射装置。
  7. 前記レンジシフタと前記スキャン電磁石とは、異なる動力により回転することを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の粒子線照射装置。
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