JP2007306448A - 音声出力装置、テレビジョン受像機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンプ12に入力される音声信号に心理聴覚分析に基づく音声信号圧縮処理(MP3圧縮処理)を施す音声圧縮回路31と、アンプ12の熱負荷が予め定められた設定負荷(設定電流や設定温度)を超えた過熱状態というになっているか否かを検知するアンプ過熱検知回路32とを設け、制御回路6が、アンプ過熱検知回路32の検知結果に基づいて、アンプ12に入力される音声信号に音声圧縮回路31による音声信号圧縮処理を実行するか否かを制御する。
【選択図】図1
Description
これに対し、特許文献1には、アンプにより増幅後の音声信号が過大である場合に、アンプに入力される音声信号の振幅を抑制する音声出力回路が示されている。これにより、アンプの熱ストレスを許容レベル以下に抑えることができる。
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、音量を維持しながらアンプの過熱状態を解消できる音声出力装置及びそれを具備するテレビジョン受像機を提供することにある。
(1)前記アンプの熱負荷の状態を検知する熱負荷検知手段。
(2)前記アンプに入力される音声信号に心理聴覚分析に基づく音声信号圧縮処理(周波数マスキング効果及び可小可聴限の分析に基づく音声信号圧縮処理がその典型例)を施す音声信号圧縮手段。
(3)前記熱負荷検知手段の検知結果に基づいて、前記アンプに入力される音声信号に前記音声信号圧縮手段による圧縮処理を実行するか否かを制御する圧縮制御手段。
以上に示す構成を備えた音声出力装置は、アンプの熱負荷が大きい場合に、アンプに入力される音声信号について、一般的な人の聴覚ではほとんど知覚できない信号成分を除去する音声信号圧縮処理である心理聴覚分析に基づく音声信号圧縮処理を施すことができる。このように、アンプに入力される音声信号の成分の一部が除去されると、アンプの熱負荷が低減する。その結果、音量(音声信号の振幅)を抑制することなく、また、音質を極力劣化させずに、アンプの過熱状態を解消できる。
なお、周波数マスキング効果及び可小可聴限の分析に基づく音声信号圧縮処理は、いわゆるMP3のアルゴリズムに従った音声信号圧縮処理として周知である。
そこで、前記音声信号圧縮手段が、音声信号における所定の設定周波数未満の低周波数領域の成分について前記音声信号圧縮処理を行う第1音声信号圧縮手段と、音声信号における前記低周波数領域及びそれより高い周波数領域の成分について前記音声信号圧縮処理を行う第2音声信号圧縮手段とを具備するものが考えられる。この場合、前記圧縮制御手段が、前記アンプに入力される音声信号に前記第1音声信号圧縮手段による処理を実行することによって所定の圧縮解除条件が成立しない場合に、前記第2音声信号圧縮手段による処理を実行するよう制御する。
このような構成を備えた音声出力装置は、アンプの熱負荷が大きい場合に、まず、アンプに入力される音声信号から、アンプの過熱状態の解消に特に効果的な低周波数領域の成分についてのみ圧縮処理(信号成分の一部の除去)を行い、それでも十分な熱負荷低減効果が得られない場合(前記圧縮解除条件が成立しない場合)に、他の周波数領域の成分についても圧縮処理を行うという段階的な対応が可能となる。その結果、音質の劣化を最小限に抑えつつ、アンプの過熱状態を解消できる。
なお、本発明は、以上に示した音声出力装置を具備するテレビジョン受像機として構成されることも考えられる。
ここに、図1は本発明の実施形態に係るテレビジョン受像機Xの概略構成を表すブロック図、図2はテレビジョン受像機Xが実行するアンプ熱負荷低減処理の手順を表すフローチャートである。
テレビジョン受像機Xは、アンテナ等により受信されたテレビジョン放送信号からチューナ1によって抽出される放送番組の音声信号(音声信号)を音声として出力するスピーカ13と、そのスピーカ13に入力される音声信号を増幅するアンプ12とを具備する音声出力装置を備えた装置の一例である。さらに、テレビジョン受像機Xは、アンプ12の過熱状態を検知してその過熱状態を解消するアンプ熱負荷低減処理を実行する機能を備えている。
図1に示すように、テレビジョン受像機Xは、チューナ1、外部入力部2、映像切替回路3、映像処理回路4、映像表示部5、制御回路6、リモコンインターフェース(I/F)回路7、音声切替回路10、音声処理回路11、アンプ12、スピーカ13、リモコン20、音声圧縮回路31及びアンプ過熱検知回路32等を具備して構成されている。
なお、制御回路6、音声切替回路10、音声処理回路11、音声圧縮回路31、アンプ12及びスピーカ13により、本発明の実施形態に係る音声出力装置の一例が構成されている。
また、外部入力部2は、外部からコンポジット方式或いはセパレート方式の映像信号及び音声信号等である外部入力映像信号及び外部入力音声信号を入力し、それらを映像切替回路3及び音声切替回路10各々へ伝送するインターフェースである。
映像切替回路3は、前記チューナ1からの映像信号及び外部入力部2からの映像信号を入力し、それらの映像信号のうちの任意の1つの映像信号を制御回路6からの指示に従って選択して出力するものである。
映像処理回路4は、映像切替回路3から出力された映像信号に対して各種信号処理を行うものである。例えば、映像信号から水平及び垂直同期信号の分離、その同期信号に位相同期したクロック信号の生成、映像信号からの輝度信号及び色信号の分離、所定の画質改善処理等を行い、処理後の映像信号を映像表示部5に出力する。さらに、映像処理回路4は、映像切替回路3からの映像信号に、制御回路6から指定された情報の映像をスーパーインポーズする(重ね合わせる)OSD機能も備えている。
映像表示部5は、液晶パネルなどにより構成され、映像処理回路4から出力される映像信号に基づく映像を表示するものである。
音声処理回路11は、音声切替回路10から出力された音声信号に対してイコライズ処理等の所定の音質調節処理を行うものである。
アンプ12は、音声処理回路11による音質調節処理後の音声信号を音声圧縮回路を介して入力し、制御回路6からの指示に従って入力音声信号を増幅或いは減衰させる処理(ボリューム調節処理)を行い、スピーカ13に出力するものである。
制御回路6は、演算手段であるMPU6a、そのMPU6aによって実行される制御プログラムが予め格納される記憶手段であるROM6b(EPROM)、MPU6aが実行する処理において読み書きされる各種情報を記憶するEEPROM6c等を備え、当該テレビジョン受像機X全体を制御するものである。以下に示す制御回路6の処理は、MPU6aがROM6bに記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
一方、リモコンインターフェース回路7は、リモコン20(リモート操作器)から伝送される無線信号(赤外線信号等)を受信し、これを電気信号に変換することにより、リモコン20から伝送される各種情報を取得するとともに、その取得情報を制御回路6に伝送するものである。
例えば、音量調節が行われる場合、リモコン20の音量ボリューム調節キー(操作入力部)に対する操作入力情報に従って、制御回路6からアンプ12に対して出力音量の調節指令が出力される。さらに、アンプ12により、制御回路6からの指令に従ってスピーカ13に対する出力音量が調節される。
アンプ過熱検知回路32は、アンプ12に流れる電流やアンプ12の温度を検出すること等によってアンプ12の熱負荷を検出し、アンプ12の熱負荷が予め定められた設定負荷(設定電流や設定温度)を超えた状態(以下、過熱状態という)になっているか否かを検知する回路である(熱負荷検知手段の一例)。アンプ過熱検知回路32の検知結果は、制御回路6に伝送される。
なお、アンプ12が、前記過熱状態を検知するとともに、その過熱状態を検知した旨を表す信号(温度プロテクト警告信号)を出力する機能を備えるたアンプである実施例も考えられる。
具体的には、音声圧縮回路31は、不図示のサブバンド分析部や心理聴覚分析部、量子化・ハフマン符号化部及びビットストリーム生成部等を備えて構成されている。
サブバンド分析部は、入力音声信号を所定の周波数帯域幅のサブバンド信号に分割し、さらにMDCT(Modified Discrete Cosine Transform)を行うことによってサブバンド信号を周波数領域のスペクトル(MDCTスペクトル)に変換するものである。心理聴覚分析部は、入力音声信号について、FFTによる周波数スペクトルの計算を行い、その計算結果に基づいて周波数マスキング効果及び可小可聴限の分析を行うことにより、周波数帯域ごとのマスキング閾値(許容量子化雑音電力)の計算等を行うものである。また、量子化・ハフマン符号化部は、心理聴覚分析部で計算された周波数帯域ごとの許容量子化雑音電力に関する要求に基づいて量子化ステップサイズ、周波数帯域ごとのスケールファクタを決定してMDCTスペクトルを量子化し、量子化インデックスのハフマン符号化を行うものである。ビットストリーム生成部は、量子化されたMDCTスペクトルに基づいて、圧縮後の音声信号のビットストリームを生成するものである。
また、音声圧縮回路31は、入力された音声信号における所定の設定周波数(例えば、3kHz程度)未満の低周波数領域の成分についてのみ音声信号圧縮処理を行う第1処理モード(第1音声信号圧縮手段の処理を実行するモードに相当)と、入力された音声信号における全周波数領域(前記低周波数領域及びそれより高い周波数領域)の成分について音声信号圧縮処理を行う第2処理モード(第2音声信号圧縮手段の処理を実行するモードに相当)ととを切り替え可能に構成されている。
ここで、図2に示す処理は、スピーカ13を通じた音声出力処理が行われている際に実行される。また、図2に示す処理の開始時において、音声圧縮回路31は、アンプ12に入力される音声信号に圧縮処理を行わない状態(音声信号をスルーする状態)となっている。なお、以下に示すS1、S2、…は、処理手順(ステップ)の識別符号を表す。
[ステップS1]
まず、制御回路6は、アンプ過熱検知回路32の検知結果を監視し、その検知結果が、アンプ12が過熱状態(熱負荷が高い状態)となっていること(例えば、アンプ12の温度が所定レベル以上に高い過温状態となっていること)を表しているか否かを判別する(S1)。
そして、制御回路6は、アンプ12が過熱状態となっていると判別すると、音声圧縮回路31によって前記第1処理モードによる音声信号圧縮処理(低周波数領域の成分についての音声信号圧縮処理)が行われている状態であるか、音声信号圧縮処理が行われていない状態であるかを判別する(S2)。ここで、制御回路6は、音声圧縮回路31により前記第1処理モードによる音声信号圧縮処理が行われている状態であると判別すると、処理を後述するステップS7へ移行させ、音声信号圧縮処理が行われていない状態であると判別すると、処理を次のステップS3へ移行させる。
ステップS3では、制御回路6は、アンプ12に入力される音声信号に対し、音声圧縮回路31によって前記第1処理モードによる音声信号圧縮処理(低周波数領域の成分についての音声信号圧縮処理)が開始されるよう制御する(S3)。
さらに、制御回路6は、不図示のタイマ回路に所定時間を設定することにより、タイマ回路による計時を開始させる(S4)。
また、制御回路6は、前記第1処理モードによる音声信号圧縮処理の開始後、ステップS4で計時を開始させたタイマ回路により所定時間の経過が検知されたか否か(タイムアップしたか否か)を監視しながら(S6)、所定の圧縮解除条件が成立するか否かを判別する(S6)。
ここで、圧縮解除条件としては、例えば、アンプ12が過熱状態(熱負荷が高い状態)ではない状態が所定時間以上継続することや、アンプ12の熱負荷(流れる電流や温度等)が所定レベル以下となったこと等が考えられる。
ここで、制御回路6は、タイマ回路により所定時間の経過が検知されるまでに、前記圧縮解除条件が成立したと判別すると、音声圧縮回路31による音声信号圧縮処理を停止させ(S7)、その後、処理を前述したステップS1へ戻す。これにより、前述したステップS1以降の処理が繰り返される。
一方、制御回路6は、前記圧縮解除条件が成立するまでに、タイマ回路により所定時間の経過が検知されたと判別した場合、即ち、アンプ12に入力される音声信号に前記第1処理モードによる音声信号圧縮処理を実行した後、所定時間が経過しても前記圧縮解除条件が成立しないと判別した場合、アンプ12に入力される音声信号に対し、音声圧縮回路31によって前記第2処理モードによる音声信号圧縮処理(低周波数領域及びそれより高い周波数領域を含む全周波数領域の成分についての音声信号圧縮処理)が開始されるよう制御する(S8、圧縮制御手段の一例)。
さらに、制御回路6は、前記第2処理モードによる音声信号圧縮処理の開始後、前記圧縮解除条件が成立するか否かを判別しながら待機する(S9)。
ここで、制御回路6は、前記圧縮解除条件が成立したと判別すると、音声圧縮回路31による高周波数領域についての音声信号圧縮処理を停止させ(S10)、その後、処理を前述したステップS4へ戻す。これにより、音声圧縮回路31により、前記第1処理モードによる音声信号圧縮処理が実行される状態となり、前述したステップS4以降の処理が繰り返される。
以上に示したように、制御回路6は、アンプ過熱検知回路32(熱負荷検知手段の一例)の検知結果に基づいて、アンプ12に入力される音声信号に音声圧縮回路31(音声信号圧縮手段の一例)による音声信号圧縮処理を実行するか否かを制御する(S1、S3、S8:圧縮制御手段の一例)。
また、制御回路6は、アンプ12の熱負荷が大きい場合に、まず、アンプ12の過熱状態の解消に特に効果的な低周波数領域の成分についてのみ圧縮処理を行い(S3)、それでも十分な熱負荷低減効果が得られない場合(前記圧縮解除条件が成立しない場合)に、他の周波数領域の成分についても圧縮処理を行う(S8)という段階的な音声信号圧縮処理が行われるよう音声圧縮回路31を制御する。その結果、音質の劣化を最小限に抑えつつ、アンプの過熱状態を解消できる。
1…チューナ
2…外部入力部
3…映像切替回路
4…映像処理回路
5…映像表示部
6…制御回路
7…リモコンインターフェース回路
10…音声切替回路
11…音声処理回路
12…アンプ
13…スピーカ
20…リモコン
31…音声圧縮回路
32…アンプ過熱検知回路
S1、S2、・・…ステップ(処理手順)
Claims (4)
- 音声信号を増幅するアンプを備えた音声出力装置であって、
前記アンプの熱負荷の状態を検知する熱負荷検知手段と、
前記アンプに入力される音声信号に心理聴覚分析に基づく音声信号圧縮処理を施す音声信号圧縮手段と、
前記熱負荷検知手段の検知結果に基づいて、前記アンプに入力される音声信号に前記音声信号圧縮手段による圧縮処理を実行するか否かを制御する圧縮制御手段と、
を具備してなることを特徴とする音声出力装置。 - 前記音声信号圧縮手段が、周波数マスキング効果及び可小可聴限の分析に基づく音声信号圧縮処理を行うものである請求項1に記載の音声出力装置。
- 前記音声信号圧縮手段が、音声信号における所定の設定周波数未満の低周波数領域の成分について前記音声信号圧縮処理を行う第1音声信号圧縮手段と、音声信号における前記低周波数領域及びそれより高い周波数領域の成分について前記音声信号圧縮処理を行う第2音声信号圧縮手段とを具備し、
前記圧縮制御手段が、前記アンプに入力される音声信号に前記第1音声信号圧縮手段による処理を実行することによって所定の圧縮解除条件が成立しない場合に、前記第2音声信号圧縮手段による処理を実行するよう制御してなる請求項1又は2のいずれかに記載の音声出力装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の音声出力装置を具備してなることを特徴とするテレビジョン受像機。
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