JP2007304156A - 手ぶれ検出装置、手ぶれ検出方法、および手ぶれ検出プログラム - Google Patents

手ぶれ検出装置、手ぶれ検出方法、および手ぶれ検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】撮影画像に生じる被写体の画像のズレ量を抑制するとともに、電池寿命の短命化を抑制する手ぶれ検出装置、手ぶれ検出方法、および手ぶれ検出プログラムを提供する。
【解決手段】設定撮影条件取得部200aは、撮影回路190から、カメラに設定されている設定撮影条件を取得する。手ぶれ量算出部200bは、検出センサー100が検出した回転速度を用いてカメラの手ぶれ量を算出する。補正撮影条件算出部200cは、撮影時において、手ぶれ量に応じて補正すべき撮影条件、つまり実際に撮像素子に被写体画像を取り込む時の撮影条件を算出する。撮影条件記録部200dは、算出された補正すべき撮影条件などを撮影時に記録する。通知部200eは、算出された補正すべき撮影条件などを通知する。撮影条件補正部200fは、カメラに設定されている設定撮影条件を、算出された補正すべき撮影条件に補正する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被写体の撮影時に生じる撮影装置の手ぶれを検出する手ぶれ検出装置、手ぶれ検出方法、および手ぶれ検出プログラムに関する。
近年、電子機器にジャイロ等の動きを検出する検出装置を取り付け、電子機器の動きを検出し、検出した動きにより電子機器の機能に関しての補正や制御をすることが行われるようになった。例えば、電子機器がカメラのような撮影装置の場合では、被写体の撮影時に生じる手ぶれを、ジャイロなどの検出センサーを用いて検出し、検出した手ぶれ量に基づいて撮影時の撮影条件を補正して、撮影画像に生じる縦方向や横方向の被写体の画像のズレ量を抑制することが行われている(例えば、特許文献1または特許文献2)。
また、このようなカメラの手ぶれの検出に際しては、より正確な手ぶれ防止を行うために、通常少なくとも2つの検出センサーを用いて手ぶれを検出することが行われる。例えば、特許文献1では、カメラのグリップ位置に2つの検出センサーを配置して手ぶれを検出する技術が開示され、特許文献2では、ペンタプリズムの近傍位置に2つの検出センサーを配置して手ぶれを検出する技術が開示されている。
特開平5−142613号公報 特開平9−189932号公報
ところで、近年例えばカメラ機能付き携帯電話などのように撮影装置の小型化が進み、これに起因して撮影装置に搭載する電池サイズも小型化している。そのため、電池寿命が短くならない様に、撮影装置の消費電流を少なくする節電対策が必要となる。
一方、手ぶれを検出するための検出センサーは、一般的に圧電振動子などの振動子を用いたジャイロセンサーが採用され、この振動子の振動状態の変化を検知することで所定の軸周りの角速度などを検知する仕組みになっている。このため、手ぶれを検出するためには、圧電振動子を駆動し、常に振動状態にしておく必要があることから、駆動のための電流を常に検出センサーに流しておくことが必要になる。従って、検出センサーは電流を消費し、電池寿命の短命化を招いてしまうことになる。
しかしながら、特許文献1および特許文献2では、2つの検出センサーを用いて手ぶれを検出していること、また、検出に際して消費電流を少なくすることに関する技術の開示が無いことから、検出センサーによって手ぶれを検出して撮影画像に生じる被写体の画像のズレを抑制することが可能であっても、電池寿命が短くなってしまうという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、撮影画像に生じる被写体の画像のズレ量を抑制するとともに、電池寿命の短命化を抑制する手ぶれ検出装置、手ぶれ検出方法、および手ぶれ検出プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の手ぶれ検出装置は、被写体の撮影時に生じる撮影装置の手ぶれを検出する手ぶれ検出装置であって、撮影時に撮影装置に設定されている設定撮影条件を取得する設定撮影条件取得部と、撮影時に前記撮影装置に生じる手ぶれ量を検出センサーを用いて算出する手ぶれ量算出部と、算出した前記手ぶれ量に応じて前記設定撮影条件を補正した補正撮影条件を算出する補正撮影条件算出部と、補正した前記補正撮影条件を通知する通知部と、を備えることを要旨とする。
この構成によれば、撮影時に生じた手ぶれ量を検出センサーを用いて算出し、算出したこの手ぶれ量に応じて、撮影時に設定されている設定撮影条件を補正し、補正した補正撮影条件を通知する。従って、撮影者は、以降の撮影において、シャッタースピードや絞りなどの撮影条件を、通知された補正撮影条件に設定することによって、撮影画像に生じる被写体の画像のズレ量を抑制できる。また、同じく以降の撮影時においては、検出センサーを用いて手ぶれ量を検出しなくてもよいことから、検出センサーを駆動する必要がなく、従って電池寿命の短命化を抑制することも可能となる。
また、本発明の手ぶれ検出装置は、撮影時における前記設定撮影条件と前記補正撮影条件とを記録する撮影条件記録部をさらに備え、前記通知部は、前記補正撮影条件とともに前記設定撮影条件を通知する、こととしてもよい。
撮影者は、例えば人物と花などのように異なる種類の被写体に応じて異なる撮影条件を設定する場合がある。この場合、補正された補正撮影条件とともに設定された設定撮影条件を記録し、これらを例えば、撮影画像を画像ファイルとして記録する際に、撮影画像の付加情報として記録することによって通知する。こうすれば、撮影者は、画像ファイルに記録された付加情報から、撮影時の設定撮影条件に対する補正撮影条件を確認することができる。そして、撮影したい被写体の種類に応じて、確認した補正撮影条件に撮影条件を設定することによって、被写体の画像のズレ量を抑制する最適な撮影条件に設定することが可能となる。
さらに、前記撮影条件記録部は、前期設定撮影条件とともに前記手ぶれ量を記録し、前記通知部は、前記設定撮影条件とともに前記手ぶれ量を通知することとしてもよい。
こうすれば、撮影時に生じる手ぶれ量を設定撮影条件とともに通知する。従って、撮影者は、設定撮影条件で撮影した場合に生ずる手ぶれ量を確認することによって、例えば撮影者が設定した撮影条件では、どのくらい手ぶれが生じるのかを推測することが可能となる。従って、撮影者は被写体に応じて異なる撮影条件を設定する場合、生じる手ぶれ量を勘案して、撮影したい被写体に応じた撮影条件を設定することができる。この結果、撮影画像に生じる被写体の画像のズレ量を抑制することが可能となる。
ここで、前記通知部は、前記撮影装置が有する通知手段を用いて通知することとしてもよい。
こうすれば、撮影装置が液晶モニタなどの表示体を通知手段として有している場合、補正撮影条件などを液晶モニタに表示する。従って、撮影者は、表示された補正撮影条件を撮影時の撮影条件として設定することによって、撮影画像に生じる被写体の画像のズレ量を抑制することが可能となる。
また本発明の手ぶれ検出装置は、撮影時における前記設定撮影条件を、前記補正撮影条件に変更する撮影条件変更部をさらに備えることとしてもよい。
こうすれば、設定された撮影条件を、撮影時の手ぶれ量を考慮した撮影条件に、撮影者が変更作業を行うことなく、自動で変更設定することが可能となる。従って、撮影条件の変更に伴う撮影者の作業負荷を軽減することができる。
また、本発明を手ぶれ検出方法として捉えることもできる。すなわち、被写体の撮影時に生じる撮影装置の手ぶれを検出する手ぶれ検出方法であって、撮影時に撮影装置に設定されている設定撮影条件を取得する設定撮影条件取得工程と、撮影時に前記撮影装置に生じる手ぶれ量を検出センサーを用いて算出する手ぶれ量算出工程と、算出した前記手ぶれ量に応じて前記設定撮影条件を補正した補正撮影条件を算出する補正撮影条件算出工程と、前記補正撮影条件を通知する通知工程とを備えることを要旨とする。
あるいは、本発明を手ぶれ検出プログラムとして捉えることもできる。すなわち、手ぶれ検出被写体の撮影時に生じる撮影装置の手ぶれを検出する手ぶれ検出プログラムであって、撮影時に撮影装置に設定されている設定撮影条件を取得する設定撮影条件取得機能と、撮影時に前記撮影装置に生じる手ぶれ量を検出センサーを用いて算出する手ぶれ量算出機能と、算出した前記手ぶれ量に応じて前記設定撮影条件を補正した補正撮影条件を算出する補正撮影条件算出機能と、前記補正撮影条件を通知する通知機能とをコンピュータに実現させることを要旨とする。
この方法またはプログラムによれば、撮影時に生じた手ぶれ量に応じて、設定されている撮影条件を補正した補正撮影条件を通知する。従って、撮影者は、以降の撮影において、シャッタースピードや絞りなどの撮影条件を、通知された補正撮影条件に設定することによって、撮影画像に生じる被写体の画像のズレ量を抑制できる。また、同じく以降の撮影においては、検出センサーを用いて手ぶれ量を検出しなくてもよいことから、検出センサーを駆動する必要がなく、従って電池寿命の短命化を抑制することが可能となる。
本発明を具体化した実施形態について説明する前に、本発明の手ぶれ検出装置の概要について、図1を用いて説明する。図1は本発明の手ぶれ検出装置の組み込み対象となる撮影装置の一例としてのデジタルカメラ(以降、単にカメラ)について、カメラの手ぶれ量を説明するための説明図である。
図1(a)に示したように、シャッターボタンSBを押してシャッターを切り、被写体を撮影する際、撮影者の身体の動きに起因して少なからずカメラは手ぶれを生ずる。手ぶれは、図示したようにカメラの横方向の軸をX軸、縦方向の軸をY軸、レンズの中心軸をZ軸とすると、それぞれの軸周りの回転として発生する。ここで、X軸周りの回転をピッチ、Y軸周りの回転をロール、Z軸周りの回転をヨーと呼ぶ。
例えば、図1(a)に示した状態でカメラを構えて被写体を撮影した時、カメラにピッチが発生すると、被写体の画像は縦方向にズレを生ずる。この画像ズレ量は、ピッチの回転速度とシャッタースピード、および画角の関係から算出される。これを図1(b)にて説明する。
図1(b)は、カメラをX軸方向から見た状態を示している。図示したように撮影時におけるカメラの画角がGK(度)であったとすると、このとき撮影される画像の範囲はこの画角GKに応じた範囲になる。そして図1(b)は、カメラからの距離Lに位置する被写体を撮影した場合、撮影画像の縦の画面サイズがHになることを示している。
この状態で、撮影時においてX軸周りに角速度PS(度/秒)の回転(ピッチ)が発生すると、カメラはシャッターが開いている間、カメラに内蔵された図示しないCCDなどの撮像素子によって被写体の画像を取り込むことになる。そのため、撮影画像は、シャッタースピードSS(秒)の時間分のピッチ回転量に相当する分だけ被写体の画像が縦方向にズレた画像になってしまう。
ちなみに、この縦方向の画像ズレ量をTZとすると、TZ=H×(PS×SS/GK)で算出される。また、撮影画像は、CCDなどの撮像素子によって取り込まれることから、例えばHを撮像素子の縦の画素数とした場合、画像ズレ量は画素数として算出されることになる。従って、以降説明する手ぶれ量は画素数として表すこととする。
もとより、X軸周りと同様に、Y軸周りにロール回転が発生すると、撮影画像における被写体の画像は横方向にズレて相当の画像ズレ量を生じ、Z軸周りにヨー回転が発生すると、撮影画像における被写体の画像は縦方向と横方向の両方にズレて相当の画像ズレ量を生じる。
そして、通常カメラの手ぶれは、上述したそれぞれの軸まわりの回転が生じることから、回転に伴って生じる縦方向と横方向の手ぶれをベクトル的に合成したものが、手ぶれ量として算出されるのである。
そこで、本発明は、カメラに設定されている撮影条件で撮影した場合に、撮影画像生じる手ぶれ量となる画素数を、回転速度を検出する検出センサーの検出結果とカメラの画角などを用いて算出する。そして、算出した画素数が、撮影者が許容する被写体の画像のズレ量となる画素数以内に収まるように、設定されている撮影条件に対して補正すべき撮影条件を算出し、撮影者に通知するのである。
具体的には、上述したように、カメラのシャッタースピードを速くする。つまりCCDなどの撮像素子が被写体の画像を取り込む時間を短くすることで、画像ズレ量を抑制する。なおシャッタースピードを速くすることで露出時間が短くなることから、所定の撮影条件を変更することになる。そこで、この変更した撮影条件を補正撮影条件として撮影者に通知するのである。撮影者は、通知された撮影条件にて撮影すれば、手ぶれ量を検出することなく、撮影者が許容する被写体の画像のズレ量以内に収まった撮影画像を取得することを可能にしようというものである。
(実施例)
それでは、本発明を具体化した一実施例について説明する。
図2は、カメラに組み込まれた手ぶれ検出装置200の機能構成を説明するブロック図である。図示したように、手ぶれ検出装置200には、CPU150、RAM160、ROM170、入出力インターフェイス(I/F)140、検出センサー100、アナログ/デジタル変換回路(A/D)110が構成され、これらはバスラインを介して相互に接続されている。
検出センサー100は、図1にて説明したように、回転速度を検出するためのセンサーであり、本実施例では角速度センサーであるものとして扱う。もとより、角加速度センサーや加速度センサーなど軸周りの速度が測定できる構成を有するセンサーであれば他のセンサーを用いても良い。A/D110は、検出センサー100からのアナログ出力をCPU150が扱えるデジタル出力に変換する変換回路である。
入出力I/F140は、カメラに設けられている撮影回路190に対して所定のデータをやりとりするための入出力インターフェイスとして、またシャッターボタンSBのシャッター操作に対する入力インターフェイスとして、さらに液晶モニタ120に対する出力インターフェイスとして機能する。液晶モニタ120は、図1に示したようにカメラの背面などに設けられた表示体であり、後述する補正撮影条件などを表示することによって通知する通知手段となる。また、撮影回路190は、撮影時における撮影条件を設定し、設定した撮影条件にて、図示しないカメラの撮像素子に被写体画像を取り込む機能を有する回路である。本実施例では、撮影回路190は、撮影時において、少なくとも撮像素子の縦と横の画素数、シャッタースピード、絞りに関するデータを有しているものとする。
CPU150は、ROM170に格納されたプログラムを必要に応じて読み出し、所定のオペレーティングシステムのもとで実行することによって手ぶれ検出装置として機能する。特に、CPU150は、プログラムを実行する際、必要に応じてデジタルデータをワーキングメモリとしてのRAM160に記録したり、RAM160やROM170から必要なデジタルデータを読み出したり、あるいは所定のデジタルデータを入出力I/F140を介して取得したり、入出力I/F140を介して撮影回路190に出力したりして、図2の右側に示した設定撮影条件取得部200a、手ぶれ量算出部200b、補正撮影条件算出部200c、撮影条件記録部200d、通知部200e、撮影条件補正部200fとして機能する。
各部はそれぞれ以下の処理を司る。設定撮影条件取得部200aは、撮影回路190から、カメラに設定されている設定撮影条件を取得する。手ぶれ量算出部200bは、検出センサー100が検出した回転速度を用いてカメラの手ぶれ量を算出する。補正撮影条件算出部200cは、撮影時において、手ぶれ量に応じて補正すべき撮影条件、つまり実際に撮像素子に被写体画像を取り込む時の撮影条件を算出する。撮影条件記録部200dは、算出された補正すべき撮影条件などを撮影時に記録する。通知部200eは、算出された補正すべき撮影条件などを通知する。撮影条件補正部200fは、カメラに設定されている設定撮影条件を、算出された補正すべき撮影条件に補正する。
それでは、このように機能ブロックが構成された本実施例の手ぶれ検出装置200が行う処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。
この処理が開始されると、まずステップS211にて試し撮りモードか否かの判定処理を行う。本実施例では、図示しないモード選択ボタンによって、撮影者がモード選択したか否かをCPU150が判定するものとする。もとより、電源投入後の1回目の撮影は試し撮りモードにデフォルトで設定されるようにしてもよいし、所定回数分の撮影は試し撮りモードにデフォルトで設定されるようにしてもよい。
次いで、CPU150は、試し撮りモードであると判定すると(S211:YES)、シャッターが切られたか否かを判定する処理(ステップS212)を行う。一方、試し撮りモードでないと判定すると(S211:NO)、ステップS220に進み撮影モード処理を実行する。撮影モード処理については、この後図4および図5を用いて説明する。
次に、ステップS212にて、CPU150が、入出力I/F140を介してシャッターボタンSBのシャッター操作信号を受け取り、シャッターが切られたと判定すると(S212:YES)、ステップS213以降の処理に移る。一方、シャッターが切られていないと判定すると(S212:NO)、ステップS212に戻り、再度ステップS212の処理を繰り返す。
シャッターが切られたと判定すると(S212:YES)、次のステップS213にて設定撮影条件を取得する処理を行う。CPU150は、入出力I/F140を介して撮影回路190から設定されている撮影条件を取得する。例えば、カメラには、夜景や花などのように撮影対象となる被写体の種類に応じて、予め複数の撮影条件が用意されている場合がある。このような場合、撮影者は所望する被写体の種類を、図示しない選択手段を用いて選択することによって撮影条件が撮影回路190に設定されることになる。そこで、このように設定された撮影条件を撮影回路から取得する。あるいは、撮影者が所望するシャッタースピードや絞りなどの撮影条件を、図示しない設定手段によって設定した場合、撮影回路190からこの設定された撮影条件を取得する。もとより、カメラが自動で撮影条件を設定する場合は、この自動設定された撮影条件を取得する。
次に、ステップS214にて、撮影時の手ぶれ量を検出する処理を行う。CPU150は、A/D110から検出センサー100が検出した回転速度のデータを取得し、さらに撮影回路190から撮影時におけるカメラの画角およびシャッタースピードと、撮像素子の縦と横の画素数とから、撮影時の手ぶれ量を画素数として算出する。
次いで、ステップS215にて、補正撮影条件を算出する処理を行う。CPU150は、算出した手ぶれ量に基づいて、実際に撮影素子に被写体の画像を取り込む際、設定された撮影条件のうちシャッタースピードおよび絞りを補正する。例えば、撮影画像において被写体の画像に画像ズレが生じていると認識できるようになる時の画素数を基準画素数とし、この基準画素数に対して手ぶれ量として算出された画素数の割合を計算し、その割合に相当する時間分シャッタースピードを速くするように補正する。そして、シャッタースピードが速くなった分露出が不足することになるため、露出不足分を補うように絞りを開放するように補正するのである。
基準画素数は、本実施例では予めROM170に格納されているものとし、CPU150は補正撮影条件を算出する際、ROM170からこの値を読み出して用いる。もとより、図示しない入力手段を用いて、撮影者が所望する画素数を入力し、入力した画素数を基準画素数としてRAM160に格納することとし、CPU150は、RAM160からこの画素数を読み出して用いてもよい。
また、本実施例では、シャッタースピードと絞りの撮影条件について、撮影者が撮影にあたって設定した撮影条件や、カメラが自動で設定した撮影条件を、算出された手ぶれ量に基づいて補正する。もとより、撮影条件はこれ以外に、感度やフラッシュ点灯、または輪郭強調などの画像処理条件、あるいは多ショット撮影なども考えられ、必要に応じて補正対象とするとよい。
次に、ステップS216にて、設定撮影条件と手ぶれ量と補正撮影条件とを記録する処理を行う。CPU150は、RAM160に用意された所定の記録エリアに、これらのデータを格納することで記録する。
その後、ステップS211に戻り、再び試し撮りモードか否かの判定処理以降の処理を繰り返す。前述したように、図示しないモード選択ボタンによって、撮影者がモード選択したか否かをCPU150が判定し、試し撮りモードである場合には、撮影の都度、設定撮影条件と、これを補正した補正撮影条件および手ぶれ量が記録される。もとより、前述したように、所定回数分の撮影が試し撮りモードにデフォルトで設定される場合は、所定回数分の処理が繰り返して行われ、その結果、RAM160には、設定撮影条件と、これを補正した補正撮影条件および手ぶれ量が、所定回数分記録される。
次に、ステップS211:NOの場合に行われる撮影モード処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
この処理が開始されると、まず、ステップS223にて設定撮影条件を取得する処理を行う。CPU150は、入出力I/F140を介して撮影回路190から設定されている撮影条件を取得する。この処理は、図3のステップS213での処理と同じであり、従ってここでは説明を省略する。
次に、ステップS224にて、対応する補正撮影条件を検索する処理を行う。CPU150は、RAM160に記録された設定撮影条件と、ステップS223にて取得した設定撮影条件とを照合する。そして、照合の結果同じとなる設定撮影条件について、これを補正した補正撮影条件を、対応する補正撮影条件として読み出すことで検索する。
そして、ステップS225にて、補正撮影条件が存在するか否かを判定処理し、存在しない場合(S225:NO)、つまり対応する補正撮影条件が読み出されない場合、補正撮影条件が存在しな旨を通知する処理を行う(ステップS226)。CPU150は、ROM170に格納された所定の文章を読み出し、入出力I/F140を介して液晶モニタ120に表示させることで通知する。表示例を図5(a)に示した。こうすれば、撮影者は、表示を確認することによって、所望する設定撮影条件に対応する補正撮影条件が算出されていないことが解る。そこで、撮影者は、カメラの撮影条件を、所望する設定撮影条件に設定し、試し撮りモードにて撮影を行うことで、改めて所望する設定撮影条件に対応する補正撮影条件を取得することができる。
一方、補正撮影条件が存在する場合(S225:YES)、つまり対応する補正撮影条件が読み出された場合、次のステップS227にて、補正撮影条件に設定するか否かを判定処理する。CPU150は、液晶モニタ120に設定するか否かを撮影者に選択させる選択画面を表示し、撮影者はこの選択画面に従い、図示しない入力手段を用いて補正撮影条件に設定するか否かを選択する。
そして、補正撮影条件に設定しないを選択すると(S227:NO)、ステップS228にて補正撮影条件を通知する処理を行う。CPU150はRAM160から読み出した補正撮影条件を、液晶モニタ120に表示することで通知する。表示例を図5(b)に示した。こうすれば、撮影者は、表示を視認することによって、所望する設定撮影条件に対応する補正撮影条件を確認することができる。そして、撮影者は、必要に応じて撮影条件を補正撮影条件に設定したり、表示された補正撮影条件を参照して、他の撮影条件に設定し直したりすることができる。
一方、補正撮影条件に設定するを選択すると(S227:YES)、ステップS229にて、補正撮影条件に変更処理を行う。CPU150は、RAM160から読み出した補正撮影条件を、入出力I/F140を介して撮影回路190に出力し、カメラに設定された設定撮影条件を補正撮影条件に補正する。なお、このときCPU150は、ROM170に格納された所定の文章を読み出し、入出力I/F140を介して液晶モニタ120に表示させることで変更処理を通知することとしてもよい。表示例を図5(c)に示した。こうすれば、撮影者は、表示を確認することによって、撮影条件が補正撮影条件に変更設定されたことを確認することが可能となる。
以上で、撮影モードでの処理フローを終了し、図3の処理フローに戻ることによって本実施例における手ぶれ検出装置の処理は終了する。図3および図4に示した処理を行うことによって、撮影条件が補正撮影条件に設定された以降の撮影では、補正撮影条件にて被写体の画像を撮影することになるので、撮影者は、被写体の画像ズレが抑制された画像を撮ることが可能になる。また、撮影条件が補正撮影条件に設定された以降の撮影においては、検出センサーを用いて手ぶれ量を検出しなくてもよいことから、検出センサーを駆動する必要がなく、従って電池寿命の短命化を抑制することも可能となる。
上述したように、本発明を具体化した上記実施例によれば、撮影時に生じた手ぶれ量を検出センサーを用いて算出し、算出したこの手ぶれ量に応じて、撮影時に設定されている設定撮影条件を補正し、補正した補正撮影条件を液晶モニタに表示する。従って、撮影者は、以降の撮影において、シャッタースピードや絞りなどの撮影条件を、表示された補正撮影条件に設定することによって、撮影画像に生じる被写体の画像のズレ量を抑制できる。また、同じく以降の撮影においては、検出センサーを用いて手ぶれ量を検出しなくてもよいことから、検出センサーを駆動する必要がなく、従って電池寿命の短命化を抑制することも可能となる。
以上、本発明について一実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
(第1変形例)
上記実施例では、図4のステップS228にて、液晶モニタ120に補正撮影条件のみを表示したが、補正撮影条件と一緒に、設定撮影条件を液晶モニタ120に表示することによって通知することとしてもよい。あるいは、補正撮影条件と一緒に、設定撮影条件と手ぶれ量を液晶モニタ120に表示することによって通知することとしてもよい。あるいは、補正撮影条件と一緒に、設定撮影条件と手ぶれ量と基準画素数を液晶モニタ120に表示することによって通知することとしてもよい。
図6は、液晶モニタ120への表示例を示す説明図である。液晶モニタ120において、左側に設定撮影条件と手ぶれ量、右側に補正撮影条件と基準画素数を表示した様子を示している。図示したように、シャッタースピードは1/125秒から1/250秒へと、スピードが速くなるように補正され、絞りは値11から値8へと、より大きく開放するように補正されている。また撮影時の手ぶれ量は設定撮影条件で撮影した場合20画素であり、一方基準画素数は10画素であることを示している。このように、液晶モニタ120に、設定撮影条件と補正撮影条件とを一緒に表示することによって、撮影者は、設定撮影条件に対してどのように補正すれば、手ぶれの影響を抑制した被写体の画像を撮ることができるかを、表示されたそれぞれの撮影条件を見比べることによって容易に確認することができる。
(第2変形例)
また、上記実施例では、図3にて説明した試し撮りモードにおいて、被写体の種類に応じて複数の設定撮影条件が存在することを説明した。そこで、本変形例では、同じ設定撮影条件で複数回分試し撮りが行われた場合、この複数回分の試し撮りにおいて算出される複数回分の補正撮影条件を用いて、撮影モードに移った以降の撮影における補正撮影条件を算出することとしてもよい。
例えば、撮影者が「花」を被写体に選んだとき、「花」を写すのに最適な撮影条件を設定撮影条件として、カメラは自動的に撮影回路190に設定する。そして、例えば「花」の写真を5回試し撮りする。そうすると、撮影時に生じる手ぶれに起因した補正撮影条件が5回算出されRAM160に記録される。この記録された5回の補正撮影条件を用いて、CPU150は試し撮り以降の「花」の撮影時における補正撮影条件を算出するのである。
こうすれば、設定撮影条件に対して、撮影者によって生じる手ぶれのバラツキに応じた補正をすることができる。この結果、手ぶれのバラツキに対応して、被写体の画像のズレを抑制することができる。なお、試し撮り以降の撮影時における補正撮影条件の算出方法は、例えば頻度の多い補正撮影条件を算出することとしてもよいし、あるいはシャッタースピードが最速である補正撮影条件を算出することとしたり、絞りが最大である補正撮影条件を算出することとしたりしてもよい。また、これらの算出方法を撮影者が選択できるようにしておいてもよい。あるいは、カメラが設定できる撮影条件のうち、複数回分の補正撮影条件の平均値に最も近い撮影条件を算出することとしてもよい。
(第3変形例)
また、上記実施例では、通知対象とする撮影条件などを、カメラに設けられた液晶モニタに表示することで通知することとしたが、表示以外の方法で通知することとしてもよい。例えば、カメラにスピーカなどの発音体が備えられている場合は、音や音声によって通知することとしてもよい。あるいは、カメラにLEDなどの発光体が備えられている場合は、光によって通知することとしてもよい。こうすれば、例えば表示体を備えていないカメラでも撮影条件を変更することが可能となる。
(第4変形例)
あるいは、上記実施例および第3変形例では、液晶モニタなどのカメラに備えられた通知手段を使って、通知対象となる撮影条件などを通知することとしたが、これらを例えば、撮影画像を画像ファイルとして記録する際に、撮影画像の付加情報として記録することによって通知することとしてもよい。こうすれば、撮影者は、画像ファイルに記録された付加情報から、撮影時の設定撮影条件に対する補正撮影条件を確認することができる。そして、撮影したい被写体の種類に応じて、確認した補正撮影条件に撮影条件を設定することによって、被写体の画像のズレ量を抑制する最適な撮影条件に設定することが可能となる。
(その他の変形例)
また、上記実施例では、設定した試し撮りモードにおいて補正撮影条件を算出することとしたが、特に試し撮りモードを設けず、通常の撮影において補正撮影条件を算出することとしてもよい。つまり通常の撮影において、図3に示した処理を行うここととしてもよい。こうすれば、撮影者は試し撮りモードの選択を行うことなく通常の撮影によって補正撮影条件を取得することができる。
なおこの場合、図3のステップ211は、試し撮りモードであるか否かの判定処理の替わりに、撮影モード処理を行うか否かの判定処理とすればよい。そして、撮影モード処理を行う場合(YES)にステップS220に進むこととすればよい。
また、上記実施例では、手ぶれ検出装置をデジタルカメラに組み込んだ一例を示したが、撮影機能を有する電子機器であれば、例えば、カメラ機能を有する携帯電話や双眼鏡など、カメラ以外にも組み込むことができ、このような電子機器にも本発明の手ぶれ検出装置が適用できることは勿論である。
(a)は、カメラの手ぶれについての概要を説明する説明図。(b)は、撮影画像の被写体についての画像ズレ量を説明する説明図。 本実施例の手ぶれ検出装置の機能ブロック構成を説明する説明図。 本実施例の手ぶれ検出装置が行う処理を説明するフローチャート。 本実施例の手ぶれ検出装置が行う撮影モード処理のフローチャート。 (a)は、補正撮影条件が存在しない場合の表示例。(b)は、補正撮影条件の表示例。(c)は、補正撮影条件に変更処理した場合の表示例。 第1変形例での液晶モニタへの表示例を説明する説明図。
符号の説明
100…検出センサー、110…A/D、120…液晶モニタ、140…入出力I/F、150…CPU、160…RAM、170…ROM、190…撮影回路、200…検出装置、200a…設定撮影条件取得部、200b…手ぶれ量算出部、200c…補正撮影条件算出部、200d…撮影条件記録部、200e…通知部、200f…撮影条件補正部。

Claims (7)

  1. 被写体の撮影時に生じる撮影装置の手ぶれを検出する手ぶれ検出装置であって、
    撮影時に撮影装置に設定されている設定撮影条件を取得する設定撮影条件取得部と、
    撮影時に前記撮影装置に生じる手ぶれ量を検出センサーを用いて算出する手ぶれ量算出部と、
    算出した前記手ぶれ量に応じて前記設定撮影条件を補正した補正撮影条件を算出する補正撮影条件算出部と、
    補正した前記補正撮影条件を通知する通知部と、
    を備える手ぶれ検出装置。
  2. 請求項1に記載の手ぶれ検出装置であって、
    撮影時における前記設定撮影条件と前記補正撮影条件とを記録する撮影条件記録部をさらに備え、
    前記通知部は、前記補正撮影条件とともに前記設定撮影条件を通知する、
    ことを特徴とする手ぶれ検出装置。
  3. 請求項2に記載の手ぶれ検出装置であって、
    前記撮影条件記録部は、前期設定撮影条件とともに前記手ぶれ量を記録し、
    前記通知部は、前記設定撮影条件とともに前記手ぶれ量を通知する、
    ことを特徴とする手ぶれ検出装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の手ぶれ検出装置であって、
    前記通知部は、前記撮影装置が有する通知手段を用いて通知することを特徴とする手ぶれ検出装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の手ぶれ検出装置であって、
    撮影時における前記設定撮影条件を、前記補正撮影条件に変更する撮影条件変更部をさらに備えることを特徴とする手ぶれ検出装置。
  6. 被写体の撮影時に生じる撮影装置の手ぶれを検出する手ぶれ検出方法であって、
    撮影時に撮影装置に設定されている設定撮影条件を取得する設定撮影条件取得工程と、
    撮影時に前記撮影装置に生じる手ぶれ量を検出センサーを用いて算出する手ぶれ量検出工程と、
    算出した前記手ぶれ量に応じて前記設定撮影条件を補正した補正撮影条件を算出する補正撮影条件算出工程と、
    前記補正撮影条件を通知する通知工程と、
    を備える手ぶれ検出方法。
  7. 被写体の撮影時に生じる撮影装置の手ぶれを検出する手ぶれ検出プログラムであって、
    撮影時に撮影装置に設定されている設定撮影条件を取得する設定撮影条件取得機能と、
    撮影時に前記撮影装置に生じる手ぶれ量を検出センサーを用いて算出する手ぶれ量検出機能と、
    算出した前記手ぶれ量に応じて前記設定撮影条件を補正した補正撮影条件を算出する補正撮影条件算出機能と、
    前記補正撮影条件を通知する通知機能と、
    をコンピュータに実現させる手ぶれ検出プログラム。

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