以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るカメラ機能付携帯電話の、カメラ機能の部分のブロック図である。
レンズ鏡筒10は、撮像レンズ群を有しており、撮像手段11は、撮像レンズ群を介して被写体を撮像し、電気信号に変換する。
また、信号処理部12は、撮像手段11から受け取った電気信号を画像データへ変換する。被写体を表示する表示手段14は、表示手段制御部13により制御される。
3つの操作ボタン16_1、16_2、16_3は、それぞれ、押下されたことを検出する信号検出手段16_1a、16_2a、16_3aと、操作ボタン16_1、16_2、16_3を点灯させる点灯手段16_1b、16_2b、16_3bから構成されており、レリーズボタンとして設定された場合に撮像手段11の撮像開始及び撮像終了の制御を行う。
CPU18は、信号処理部12、表示手段制御部13とのデータの授受と制御、操作ボタン16_1、16_2、16_3の制御、及び不揮発性メモリ17からのデータの読み込み、及び不揮発性メモリ17へのデータの書き込みを行う。
なお、3つの操作ボタン16_1、16_2、16_3が、本発明の複数の操作ボタンの一例である。また、CPU18および表示手段14が、それぞれ、本発明の、レリーズボタン設定手段およびレリーズボタン位置伝達手段の一例である。
図2は、本実施の形態1に係るカメラ機能付携帯電話の外観図である。図2(a)は正面図であり、図2(b)は背面図を表している。
図2では、図1のブロック図に示した各ブロックに相当する部分には、図1と同じ符号を用いて示している。20は、本実施の形態1のカメラ機能付携帯電話の筐体である。
次に、以上のように構成されたカメラ機能付携帯電話のカメラ機能の動作について説明する。
カメラ機能のプレビュー時においては、撮像手段11は、撮像レンズ群を介して被写体を撮像して電気信号に変換を行う。そして、信号処理部12は、撮像手段11から得た電気信号を画像データに変換し、随時、表示手段制御部13へ送信する。そして、表示手段制御部13は、信号処理部12より得た画像データを表示手段14へ表示させる。
ここで、CPU18により、レリーズボタンの機能が、操作ボタン16_1に設定されている場合、カメラ機能の撮影時においては、操作ボタン16_1が押下されたことが信号検出手段16_1aにより検出されると、操作ボタン16_1が押下されたという情報が、CPU18を介して信号処理部12に伝えられる。
そして、信号処理部12は、撮像手段11に撮像開始の命令を送る。撮像手段11は、撮像開始の命令を受け取ると、露光開始及び終了を行い、露光時間における電気信号を信号処理部12に送る。信号処理部12は、撮像手段11より得られた電気信号より撮像データを得る。さらに、信号処理部12は、撮像データの不揮発性メモリ17への書き込み、及び表示手段制御部13への送信を行う。表示手段制御部13は、プレビュー時と同様に、信号処理部12より得た撮像データを表示手段14へ表示させる。
次に、図1〜図3を参照しながら、本実施の形態1に係るカメラ機能付携帯電話のレリーズボタン手動設定の処理内容について説明する。
図3は、レリーズボタン手動設定処理の動作フローチャートであり、CPU18にプログラミングされている動作フローを示している。
使用者が、図1および図2に示す撮像制御が可能な操作ボタン16_1、16_2、16_3のうちの一つの操作ボタンにレリーズボタンの機能を設定する場合、ステップ100の、レリーズボタン手動設定処理startから処理を開始する。ここでは、新たにレリーズボタンの機能を、操作ボタン16_1に設定することを想定する。
ステップ101において、CPU18は、新たに設定するレリーズボタンの位置を指定するように要求する旨のメッセージを、表示手段制御部13を介して表示手段14に表示させる。
ステップ102において、CPU18は、操作ボタンの入力待ちを行う。使用者が新たにレリーズボタンとして設定したい操作ボタン16_1を押下したことが信号検出手段16_1aによって検出されると、その情報がCPU18に伝えられ、ステップ103に進む。
ステップ103において、CPU18は、不揮発性メモリ17に、新たなレリーズボタン設定情報として、ステップ102で検出した操作ボタン16_1の情報を書き込む。
ステップ104において、CPU18は、操作ボタン16_1をレリーズボタンとして設定し完了した旨のメッセージを、表示手段制御部13を介して表示手段14に表示させる。
以上説明した手順により、レリーズボタン手動設定を行う。レリーズボタン設定情報を不揮発性メモリ17に書き込むことにより、次回電源投入時においても上記レリーズボタン設定情報は有効となる。
なお、ステップ102において、レリーズボタンとして設定可能な操作ボタン16_1、16_2、16_3を全て点灯、または点滅させておいてもよい。これにより、使用者が、レリーズボタン選択時に分かり易く、また暗所においても確認し易いといった利便性が向上する。また、デフォルトや前回設定された現在のレリーズボタンのみ点灯または点滅させておく、レリーズボタンの機能が設定されている操作ボタン以外の設定可能な操作ボタンを点灯または点滅させておく、あるいは、レリーズボタンの機能が設定されている操作ボタンのみ点灯または点滅の色を変える、などといった動作も考えられる。
また、ステップ102において、レリーズボタンの機能を設定したい操作ボタンを押下する代わりに、表示手段14にレリーズボタンとして設定可能な操作ボタンの選択肢を表示させておき、その中から使用者に選択させてもよい。
また、ステップ104において、表示手段14にレリーズボタンの位置を表示させるとともに、新たにレリーズボタンとして設定された操作ボタン16_1の点灯手段16_1bを、点灯あるいは点滅させてもよい。これにより、レリーズボタンの位置を、使用者がより一層確認し易くなる。
次に、図1および図4を参照しながら、本実施の形態1に係るカメラ機能付携帯電話のカメラ機能の起動時の動作について、具体的に説明する。
図4は、本実施の形態1に係るカメラ機能付携帯電話のカメラ起動処理の動作フローチャートであり、CPU18にプログラミングされている動作フローを示している。ステップ200の、カメラ起動処理startから処理を開始する。
ステップ201において、CPU18は、通常のカメラ起動に関する処理を行う。
ステップ202において、CPU18は、不揮発性メモリ17からレリーズボタンとして設定されている操作ボタン16_1の位置情報を読み込み、CPU18内に備えられている揮発性メモリに格納する。
ステップ203において、CPU18は、信号処理部12より得た画像データの表示、即ちカメラプレビューの表示を、表示手段14へ表示するように表示手段制御部13に命令する。それとともに、CPU18は、CPU18の持つレリーズボタンの機能が設定されている操作ボタンの位置情報も表示手段14へ表示するように表示手段制御部13に命令する。
表示手段制御部13は、CPU18からの命令を受けて、カメラプレビュー、及びレリーズボタンの機能が設定されている操作ボタンの位置情報の、表示手段14への表示を開始させる。さらに、CPU18は、レリーズボタンの機能が設定されている操作ボタン16_1の点灯手段16_1bを、点灯または点滅させる。
上記説明のようにカメラ起動処理が行われる。先に説明したレリーズボタン手動設定処理と同様に、レリーズボタンの機能が設定された操作ボタンを点灯または点滅させることにより、使用者が通常時はもちろんのこと、暗所において、より一層確認し易くなる。
以上に説明したように、本実施の形態1のカメラ機能付携帯電話は、撮像を制御する複数の操作ボタンのうち一つをレリーズボタンとして設定し、設定されたレリーズボタンの位置を表示する機能を有し、あるいは、設定されたレリーズボタンを点灯する機能をさらに有するものである。撮像制御可能な複数の操作ボタンのうち一つをレリーズボタンとして設定できるため、使用者の操作性を向上させ且つ撮像時の手振れ量を低減できる。
また、設定されたレリーズボタンを点灯することにより、使用者は暗所においても、設定されたレリーズボタンの位置を容易に確認することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るカメラ機能付携帯電話について以下に説明する。
本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話の構成は、図1、図2に示した実施の形態1の構成と同じ構成である。
本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話のカメラ機能は、検出した角速度から手振れ量を算出し、その手振れ量に基づいて、レリーズボタンの機能を設定する操作ボタンを決定する。
まず、図1、図5〜図7を参照しながら、本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話のカメラ機能における、角速度検出による手振れ量評価手段について以下に説明する。
図5は、本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話の、角速度検出による手振れ量検出手段に関する動作説明ブロック図である。
水平回転方向の角速度を検出する角速度センサ(x)31と、垂直回転方向の角速度を検出する角速度センサ(y)32が備えられている。手振れ角度演算手段33は、角速度センサ(x)31及び角速度センサ(y)32から得られた角速度から、撮像時の手振れ量を算出する。なお、角速度センサ(x)31、角速度センサ(y)32、手振れ角度演算手段33の組み合わせが、本発明の手振れ量検出手段の一例である。
また、レリーズボタン判定手段35は、レリーズボタンの機能を設定できる操作ボタンが押された時に、手振れ角度演算手段33から得られる各操作ボタンに対する撮像時の手振れ量を比較し、複数の操作ボタンの中からレリーズボタンとして最適な操作ボタンを判定する。
CPU36は、図1におけるCPU18の機能に加え、手振れ角度演算手段33及びレリーズボタン判定手段35とのデータの授受と制御とを行う機能を有している。
なお、上記説明した以外の要素については、実施の形態1における図1の説明と同様であるので、重複部分の説明は省略する。
次に、本実施の形態2に係るカメラ機能付携帯電話の手振れ量検出の処理内容について説明する。
図6は、本実施の形態2に係るカメラ機能付携帯電話の、角速度検出による手振れ量検出処理の動作フローチャートであり、CPU36にプログラミングされている動作フローを示している。
図7は、本実施の形態2の手振れ角度演算手段33によって得られる手振れ角度のグラフである。横軸は時間t[s]であり、縦軸は手振れ角度θ[deg]を表している。37は,手振れ角度演算手段33により演算される手振れ角度を示している。
図6において、ステップ300の、角速度検出手振れ評価処理startから処理を行う。
ステップ301において、角速度センサ(x)31及び角速度センサ(y)32は、カメラプレビュー中に随時、それぞれ、角速度ωx[deg/s]及びωy[deg/s]を検出し、手振れ角度演算手段33に入力する。
ステップ302において、手振れ角度演算手段33は、角速度センサ(x)31及び角速度センサ(y)32より得られた角速度の情報から、(数1)を用いて手振れ角度θx[deg]及びθy[deg]を随時演算し、(数2)を用いてθx及びθyから手振れ量θsを算出する。その結果、図7における手振れ角度37のような信号が得られる。
ステップ303において、CPU36は、操作ボタン16_1、16_2、16_3のそれぞれより得た撮像開始タイミング及び露光時間T[s]を、手振れ角度演算手段33へ与える。手振れ角度演算手段33は、手振れ角度37から手振れ量として、撮像開始タイミングからT[s]後までの間の手振れ角度の最大値と最小値の差の絶対値θs[deg]を演算する。
さらに手振れ角度演算手段33は、演算して得られたθsを手振れ角度演算手段33に内蔵された揮発性メモリに格納、あるいは不揮発性メモリ17に書き込む。なお、手振れ角度演算手段33により得られた撮像時の手振れ量を、CPU36及び表示手段制御部13を介して、表示手段14に表示させることも出来る。
以上、上記の説明のように角速度センサによる手振れ量検出処理を行う。
なお、手振れ角度演算手段33は、手振れ角度を例えばΔT[sec]毎に算出し、それを随時積分して手振れ角度37を求めてもよい。
また、手振れ角度演算手段33及びレリーズボタン判定手段35が一つの構成、あるいはCPU36が、手振れ角度演算手段33またはレリーズボタン判定手段35あるいは両方の機能を含む構成であってもよい。
また、角速度センサは、角速度センサ(x)31及び角速度センサ(y)32の2つであるとは限らず、他に例えばカメラの光軸に対して回転する方向の角速度を検出する角速度センサを追加するなどした構成であってもよい。
また、画角などの撮影時の情報をCPU36から手振れ角度演算手段33に入力させることによって、表示手段14へ手振れ量の点数や3段階評定などを表示させることも可能である。一例として、対角方向の画角θdとした場合、(数2)を用いて算出した手振れ量θsの値から、(数3)を用いて点数P[点]を算出できる。
以上に、本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話における手振れ量検出手段についての説明を述べた。
次に、図1、図5、図15、図16を参照しながら、本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話のカメラ機能における、レリーズボタン自動設定処理について以下に説明する。
図15は、本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話の、レリーズボタン自動設定処理の動作フローチャートであり、CPU36にプログラミングされている動作フローを示す。
図16は、本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話の、撮像テスト処理の動作フローチャートであり、CPU36にプログラミングされている動作フローを示す。この撮像テスト処理は、図15に示すレリーズボタン自動設定処理のサブルーチンである。
図15に示すレリーズボタン自動設定処理は、使用者が、メニューを選択してその処理を要求した場合に、ステップ600のレリーズボタン自動設定処理startから処理を開始する。ここでは、レリーズボタンの機能を設定可能な操作ボタンは16_i(但し、i=1、2、3)であり、現在操作ボタン16_2がレリーズボタンとして設定されていると想定する。
ステップ601において、CPU36の内部で、カウンタ変数iに1がセットされる。
ステップ602において、CPU36は、操作ボタン16_i、即ちここでは操作ボタン16_1について、図16に示すステップ700の、撮像テスト処理startを行う。
ステップ701において、CPU36は、レリーズボタンの位置を、操作ボタン16_1に設定する。
ステップ702において、CPU36は、操作ボタン16_1をレリーズボタンとして用いて撮像するように、使用者へのメッセージを、表示手段制御部13を介して表示手段14へ表示させる。
ステップ703において、信号検出手段16_1aは、操作ボタン16_1が使用者に押下されたことを検出し、その情報をCPU36へ伝える。
ステップ704において、CPU36は、レリーズボタンが押下されたと判断し、撮像処理命令を信号処理部12へ出す。
ステップ705において、CPU36は、図6を用いて説明した前述の角速度検出方法による手振れ評価処理を行う。
ステップ706において、CPU36は、ステップ705において得た手振れ量θSi、即ちθS1を、CPU36内部の揮発性メモリに格納する。
図15に示すステップ603において、カウンタ変数iが3であるかどうかの判断が行われる。ここで、i=3でなければ、ステップ604へ進み、i=3であれば、ステップ605へ進む。
ステップ604において、CPU36は、iを1増加させ、ステップ602に戻って操作ボタン16_iについて上記述べた処理を行う。即ち、ステップ603の処理は、操作ボタン16_1から操作ボタン16_3までのそれぞれについて順次行われ、手振れ量θSi(但し、i=1、2、3)、即ち、θS1からθS3までを得る。
ステップ605において、CPU36は、レリーズボタン位置判定処理を行う。具体的には、上記ステップ604までにより得た手振れ量θSiから最小値を求め、そのときの操作ボタン16_iの情報をCPU36内部の揮発性メモリに格納する。ここでは、θSiの最小値がθS2であったとし、前記揮発性メモリには操作ボタン16_2の情報を格納することとする。
ステップ606において、CPU36は、上記ステップ605で判定した操作ボタン16_2にレリーズボタンの機能を設定することを確認する要求を、表示手段制御部13を介して表示手段14に表示させる。ここで、使用者がYesと判断しCPU36に指示すればステップ608に進み、NOと判断しCPU36に指示すればステップ607に進む。
ステップ607において、CPU36は、使用者にもう一度自動設定を行うかどうかを確認するメッセージを、表示手段制御部13を介して表示手段14に表示させる。そして、使用者がYesと判断しCPU36に指示すればステップ601に戻り、上記説明した処理をもう一度行う。一方、使用者がNoと判断しCPU36に指示すればそのまま処理を終了する。このとき、レリーズボタンの機能が設定される操作ボタンは、レリーズボタン自動設定処理を行う前のままであり変更されない。
ステップ608において、CPU36は、ステップ605において最適なレリーズボタンであると判定した操作ボタン16_2の位置情報を不揮発性メモリ17に書き込み、設定を終了する。以降、カメラ起動時の処理は、実施の形態1で説明した図4と同様の処理が行なわれ、レリーズボタンに設定された操作ボタン16_2のみが、レリーズボタンとして機能するように動作する。
以上説明した手順により、レリーズボタン自動設定処理を行う。使用者は、複数の操作ボタン16_1、16_2、16_3を順次押すだけで、容易にレリーズボタンとして最適な操作ボタンを知ることができ、その操作ボタンをレリーズボタンとして設定することで手振れ量を低減できる。
なお、ステップ605において述べた、手振れ量の最小値に基づいたレリーズボタン位置の判定を行う機能を有するレリーズボタン判定手段35は、本発明におけるレリーズボタン設定手段の一例である。
なお、上記の説明では、使用者に、操作ボタン16_1、16_2、16_3の順に押させることにより、レリーズボタンに設定する操作ボタンを決定させたが、ランダムに操作ボタン16_1、16_2、16_3を押させるようにして、レリーズボタンに設定する操作ボタンを決定させてもよい。
例えば、レリーズボタン自動設定処理の開始の際に、レリーズボタンに設定可能な全ての操作ボタンを点灯させておき、その中から使用者が任意に選んだ操作ボタンを押すと、その操作ボタンに対する手振れ量を算出すると共に、その押された操作ボタンを消灯させる。そして、残っている点灯した状態の操作ボタンの中から使用者が任意の操作ボタンを押す、という動作を繰り返し、各操作ボタンの手振れ量を算出していくようにしてもよい。
また、レリーズボタンの機能を設定できる操作ボタンを、図2に示す3つの操作ボタン16_1、16_2、16_3としたが、テンキーなどのその他の操作ボタンをレリーズボタンの機能を設定できる操作ボタンに含めてもよく、また、3つに限らずいくつの操作ボタンをレリーズボタンの機能を設定できる操作ボタンとしてもよい。また、図2(a)の正面側に配置される操作ボタンに限らず、側面や背面に配置される操作ボタンを、レリーズボタンの機能を設定できる操作ボタンに含めてもよい。
また、以上の説明では、レリーズボタンの機能を一つの操作ボタンに設定することとして説明したが、使用者が一人に限定されない場合は、一人の使用者が最適な操作ボタンにレリーズボタンの機能を設定したとしても、他の使用者にとっては押し難い位置であることも考えられ、その場合、複数の使用者がそれぞれ、レリーズボタンを押し易い位置に設定し直さなければならず利便性を損なう。また、カメラ付携帯電話等では撮影形態によって筐体形状が変形し、レリーズボタンとして設定した操作ボタンが使用できない位置に移動する場合もある。このような場合にも対応できるように複数の操作ボタンが同時にレリーズボタンの機能を有するように設定してもよい。また、デフォルトのレリーズボタン設定を常に残しておくことも考えられる。
また、上記の説明において、点灯手段はそれぞれの操作ボタンが有するとして説明したが、これは本発明における複数の操作ボタンのそれぞれを点灯させる手段の一例であり、これに限らずそれぞれの操作ボタンの位置を明示できればよい。一例として、全ての操作ボタンを内側から照らす一つの点灯手段を備え、それぞれの操作ボタンは液晶による表示手段を備えることとする。そして、点灯させたい操作ボタン以外の操作ボタンを液晶によって点灯手段による光を隠すことにより、点灯させたい操作ボタンのみを点灯させることができる。なお、操作ボタンが備える液晶によりレリーズボタンの位置を明示することも考えられる。
また、本実施の形態2では、撮像開始タイミングから撮像終了タイミングの期間における角速度から手振れ量を算出することとしたが、この期間に限らず映像を保存しないとき、即ちプレビュー中に手振れ量を算出するようにしてもよい。また、プレビュー中でなくとも、手振れ量検出手段が動作している間の任意の期間に手振れ量を算出するようにしてもよい。
また、本実施の形態2では、角速度センサ(x)31、角速度センサ(y)32、手振れ角度演算手段33の組み合わせを、本発明の手振れ量検出手段の一例として説明したが、角速度センサの代わりに加速度センサを用いてもよい。このとき、加速度センサの出力を2階積分することでカメラの移動量を求めることができ、この移動量を手振れ量とすることができる。
なお、レリーズボタンの機能が設定された操作ボタンを、点灯あるいは点滅させることによる動作及び利点は、上記説明した実施の形態1と同様であり、重複するため説明を省略する。
以上に説明したように、本実施の形態2のカメラ機能付携帯電話は、撮像を制御する複数の操作ボタンが順次押された場合に手振れ量を検出し、検出された手振れ量を比較することにより、レリーズボタンとして最適な操作ボタンを判定することができるものである。
操作ボタンが順次押された場合において、各々の撮像時の手振れ量を検出することにより、複数の操作ボタンのうち、手振れ量の最も低減できるレリーズボタンとして最適な操作ボタンを判定できる。そのため、使用者はそのレリーズボタンとして最適な操作ボタンをレリーズボタンとして容易に選択することができ、また、その最適な操作ボタンをレリーズボタンとして設定することで、容易に手振れ量を低減できる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るカメラ機能付携帯電話について以下に説明する。
本実施の形態3のカメラ機能付携帯電話の構成は、図1、図2に示した実施の形態1の構成と同じ構成である。
本実施の形態3のカメラ機能付携帯電話のカメラ機能は、実施の形態2で説明した図16の手振れ評価処理(ステップ705)として、動きベクトル検出を用いて手振れ量を評価する処理を行なう。
図1、図8〜図10を参照しながら、本実施の形態3のカメラ機能付携帯電話のカメラ機能における、手振れ量を評価する処理について以下に説明する。
図8は、本実施の形態3のカメラ機能付携帯電話の、動きベクトル検出手段に関する動作説明ブロック図である。
CPU42を介して信号処理部12から得られる画像データから動きベクトルを検出し、その検出された動きベクトルから手振れ量を決定する動きベクトル検出手段40を備えている。また、CPU42を介して動きベクトル検出手段40から得た、各操作ボタンに対する撮像時の手振れ量を比較して、複数の操作ボタンの中からレリーズボタンとして最適な操作ボタンを判定する、レリーズボタン判定手段41を備えている。
なお、動きベクトル検出手段40およびレリーズボタン判定手段41が、それぞれ、本発明の、手振れ量検出手段およびレリーズボタン決定手段の一例である。
CPU42は、図1におけるCPU18の機能に加え、動きベクトル検出手段40及びレリーズボタン判定手段41とのデータの授受と制御とを行う機能を備えている。
なお、上記説明した以外の要素については、実施の形態1における図1の説明と同様であるので、重複部分の説明は省略する。
次に、本実施の形態3に係るカメラ機能付携帯電話の動きベクトル検出の処理内容について説明する。
図9は、本実施の形態3に係るカメラ機能付携帯電話の、動きベクトル検出処理の動作フローチャートであり、CPU42にプログラミングされている動作フローを示す。
図10は、本実施の形態3に係るカメラ機能付携帯電話の、動きベクトル検出における動作説明図である。図10の表示手段14には、信号処理部12より得られる撮像開始時における画像データと撮像終了時における画像データを重ねあわせて示している。44aは、撮像開始時のフレームの被写体の画像データであり、44bは撮像終了時のフレームの被写体の画像データである。45は、動きベクトル検出手段40により検出された動きベクトルを示している。
図9において、CPU42が撮像開始命令を信号処理部12及び動きベクトル検出手段40に送信した時に、ステップ400の、動きベクトル検出手振れ評価処理startから処理を行う。
ステップ401において、動きベクトル検出手段40は、撮像開始時におけるフレームの画像データを信号処理部12より得て、動きベクトル検出手段40内の揮発性メモリに格納する。
ステップ402において、動きベクトル検出手段40は、撮像終了時におけるフレームの画像データを信号処理部12より得て、動きベクトル検出手段40内の揮発性メモリに格納する。
ステップ403において、動きベクトル検出手段40は、ステップ401及び402で得られた画像データを比較し、図10における動きベクトル45のような撮像開始から撮像終了までの被写体の移動量、いわゆる動きベクトルVsを検出する。また、動きベクトル検出手段40は、動きベクトルVsをCPU42に内蔵された揮発性メモリに格納、あるいはCPU42を介して不揮発性メモリ17に書き込む。なお、動きベクトル検出手段40により得られた動きベクトルVsを、CPU42を介して、表示手段14に表示させることも出来る。
以上、上記の説明のように動きベクトル検出による手振れ量検出処理を行う。
なお、動きベクトル検出手段40及びレリーズボタン判定手段41が一つの構成、あるいはCPU42が、動きベクトル検出手段40またはレリーズボタン判定手段41あるいは両方の機能を含む構成であってもよい。
また、上記の動きベクトルVsを検出するために用いる画像データは、撮像開始時及び撮像終了時の2つの画像データであるとは限らない。他に例えば、上記2つの画像データの間の撮像時間内のΔT[sec]間隔の時刻における画像データを使用し、動きベクトルの最大値を検出することで、画像ベクトルの検出精度を向上させることも出来る。
また、撮像開始から撮像終了時の間に限らずプレビュー中における画像データでもよい。
なお、この、複数の画像データを使用して動きベクトルの最大値を検出して動きベクトルとする検出方法は、本発明の、複数の画像データに基づいて算出される画像の動きベクトルを手振れ量とする手振れ量検出手段の検出方法の一例である。
また、実施の形態2で説明した角速度検出による手振れ量検出手段と同様に、動きベクトル検出手段40より得た動きベクトルと、CPU42が持つ画像サイズなどの撮影時の情報を用いて、手振れ量を点数表示させることなども可能である。
また、レリーズボタン自動設定処理については、上記説明した実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。ただし、レリーズボタン判定手段41は、実施の形態2の場合のθS1からθS3ではなく、動きベクトルの絶対値|VS1|から|VS3|を比較することにより、レリーズボタンとして最適な操作ボタンを判定する点が異なる。
以上のように、本実施の形態3においては、画像処理のみで手振れ量を検出することが可能であるので、角速度センサを用いないシステムにおいても適用可能である。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係るカメラ機能付携帯電話について以下に説明する。
本実施の形態4のカメラ機能付携帯電話の構成は、図1、図2に示した実施の形態1の構成と同じ構成である。
本実施の形態4のカメラ機能付携帯電話のカメラ機能は、実施の形態2で説明した図16の手振れ評価処理(ステップ705)として、コントラスト検出を用いて手振れ量を評価する処理を行なう。
図1、図11〜図14を参照しながら、本実施の形態4のカメラ機能付携帯電話のカメラ機能における、手振れ量を評価する処理について以下に説明する。
図11は、本実施の形態4のカメラ機能付携帯電話の、コントラスト検出により手振れ量を検出する手振れ量検出手段に関する動作説明ブロック図である。
CPU52を介して信号処理部12から得られる画像データから、コントラスト検出を行うコントラスト検出手段50を備えている。また、CPU52を介してコントラスト検出手段50から得た、各操作ボタンに対する撮像時のコントラストを比較して、複数の操作ボタンの中からレリーズボタンとして最適な操作ボタンを判定する、レリーズボタン判定手段51を備えている。
なお、コントラスト検出手段50およびレリーズボタン判定手段51が、それぞれ、本発明の、手振れ量検出手段およびレリーズボタン決定手段の一例である。
CPU52は、図1におけるCPU18の機能に加え、コントラスト検出手段50及びレリーズボタン判定手段51とのデータの授受と制御とを行う機能を備えている。
なお、上記説明した以外の要素については、実施の形態1における図1における説明と同様であるので、重複部分の説明は省略する。
ここで、コントラストAは、高輝度の被写体から低輝度の被写体へ移る境界での輝度の傾きとし、Aが大きいことは手振れ量が少ないことに対応し、Aが小さいことは手振れ量が多いことに対応する。
次に、本実施の形態4に係るカメラ機能付携帯電話の、コントラスト検出による手振れ量検出処理について説明する。
図12は、本実施の形態4に係るカメラ機能付携帯電話の、コントラスト検出による手振れ量検出処理の動作フローチャートであり、CPU52にプログラミングされている動作フローを示している。
図13は、本実施の形態4に係るカメラ機能付携帯電話の、コントラスト検出における動作説明図である。図13に示す表示手段14には、信号処理部12より得られる撮像した画像データを示している。53はコントラスト検出に用いる被写体であり、ここでは説明を分かり易くするために、単純に高輝度の被写体と低輝度の被写体を左右及び上下に隣接させたものを示す。55は、コントラスト検出手段50がコントラスト検出時に画像データを水平方向に左から右へ走査することを示し、また55は、同様に垂直方向に下から上へ走査することを示す。
図14は、本実施の形態4に係るカメラ機能付携帯電話の、コントラスト検出手段50により得られる画像データ断面の輝度分布グラフである。ここでは一例として、横軸は走査ライン54の座標を表し、また、縦軸は走査により得られる画像データの輝度値を表している。また、56は高コントラスト時の分布を示し、57は低コントラスト時の分布を示している。走査ライン55においても同様である。
図12において、CPU52が撮像開始命令を信号処理部12及びコントラスト検出手段50へ送信した時に、ステップ500の、コントラスト検出手振れ評価処理startから処理を行う。
ステップ501において、コントラスト検出手段50は、撮像された画像データを信号処理部12より得て、コントラスト検出手段50内の揮発性メモリに格納する。
ステップ502において、コントラスト検出手段50は、走査ライン54で示す方向へ走査を行い、図14で示すような輝度分布を得ることにより、水平方向のコントラストAxを算出する。
ステップ503において、コントラスト検出手段50は、ステップ503と同様に走査ライン55で示す方向へ走査を行い、図14で示すような輝度分布を得ることにより、垂直方向コントラストAyを算出する。
ステップ504において、コントラスト検出手段50は、ステップ502及び503で得られたコントラストAx及びAyから、(数4)を用いて、撮像された画像における手振れ量ASを算出する。
また、コントラスト検出手段50は、(数4)で算出した手振れ量A
SをCPU52に内蔵された揮発性メモリに格納、あるいはCPU52を介して不揮発性メモリ17に書き込む。なお、コントラスト検出手段50より得られた手振れ量A
Sを、CPU52を介して表示手段14に表示させることも出来る。
以上の説明のように、コントラスト検出による手振れ量検出処理を行う。
なお、コントラスト検出手段50及びレリーズボタン判定手段51が一つの構成となる、あるいはCPU52が、コントラスト検出手段50またはレリーズボタン判定手段51、あるいは両方の機能を含む構成であってもよい。
また、実施の形態2で説明した角速度検出による手振れ量検出手段と同様に、コントラスト検出手段50で算出された手振れ量と、CPU52が持つ画像サイズなどの撮影時の情報を用いて、手振れ量を点数表示させることなども可能である。
また、レリーズボタン自動設定処理については、上記説明した実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。ただし、レリーズボタン判定手段51は、実施の形態2の場合のθS1からθS3ではなく、操作ボタン16_1から16_3までのそれぞれに対応した手振れ量AS1からAS3を比較することにより、レリーズボタンとして最適な操作ボタンを判定する点が異なる。
以上のように本実施の形態4においては、画像処理のみで手振れ量を検出することが可能であるので、角速度センサを用いないシステムにおいても適用可能である。
さらに、実施の形態3においては2フレーム分の画像を格納するメモリが必要であるが、本実施の形態4においては、通常の撮像処理にて保存された画像を用いればよく、実施の形態3で必要とされる2フレーム分の画像を格納するためのメモリが不要となる。
なお、本実施の形態4においては、画像データの操作ラインを水平方向及び垂直方向にそれぞれ1ラインとしたが、複数ラインの走査としてもよく、この場合手振れ量を複数ラインから得られたコントラスト値の平均とする、あるいは最小値とすること等が考えられる。また、撮像画像に限らずプレビュー中に撮像手段から得られた画像データを用いてコントラスト検出してもよい。
また、一般にカメラにおいて、コントラストピーク検出方式によるオートフォーカス(AutoFocus:AF)処理が用いられているが、本実施の形態4において、その検出方式で検出されるコントラストを使用することも可能である。したがって、このAF処理を備えたカメラにおいては、本実施の形態4を容易に導入可能である。
なお、実施の形態2及び実施の形態3を組み合わせた構成も可能である。即ち、手振れ評価手段として、角速度検出による手振れ量評価手段及び動きベクトル検出による手振れ量評価手段を兼備し、レリーズボタン自動設定処理を行うものである。
実施の形態3で述べた動きベクトル検出は、レリーズボタン自動設定処理を行う環境が暗所であるなどの被写体の撮影条件によっては手振れを正しく検出できない可能性がある。そこで、角速度検出による手振れ量評価手段を用いる構成にすることで、手振れ量検出が可能となる。
また、実施の形態2及び実施の形態4を組み合わせた構成も可能である。即ち、手振れ評価手段として、角速度検出による手振れ量評価手段及びコントラスト検出による手振れ量評価手段を兼備し、レリーズボタン自動設定処理を行うものである。コントラストピーク検出方式には、一般に水平方向の走査手段のみ備え、垂直方向の走査が行えない場合がある。これは垂直回転方向の手振れ量が得られないことを意味している。そこで、水平方向の走査手段のみ備えるカメラに対して実施の形態2における角速度センサを一つ追加した構成にすることで、垂直回転方向の手振れ量も検出することができ、より精度の高い手振れ量検出が可能となる。
また、各実施の形態において、レリーズボタン位置伝達手段の一例とした図2の表示手段14は、カメラ機能付携帯電話の表示画面であり、これは、本発明の、撮像する被写体を表示する表示手段および撮像した被写体の画像を表示する表示手段の一例である。撮像する被写体や撮像した被写体を表示する表示部分とは別に、その他の情報を表示するような表示部分が備えられている場合に、レリーズボタン位置の情報を、その、その他の情報を表示する表示部分に表示させてもよい。
また、各実施の形態では、本発明の電子機器の一例としてカメラ機能付携帯電話としたが、本発明のカメラの機能を備えていれば、携帯電話以外の電子機器であってもよい。
また、各実施の形態では、カメラ機能付携帯電話で説明したが、ディジタルスチルカメラやディジタルビデオムービーであってもよい。これらの場合、レリーズボタン位置の情報をファインダー内に表示させるようにしてもよい。
また、実施の形態1および実施の形態2で、レリーズボタン位置伝達手段の一例として、設定された操作ボタンを点灯または点滅させる方法を説明したが、その他の方法で、設定されたレリーズボタンの位置を伝達させるようにしてもよい。例えば、聴覚で確認できるように音声出力で伝達したり、触覚で確認できるように、レリーズボタンに設定されている操作ボタンを振動させるようにしてもよい。
なお、本発明に関連する発明のプログラムは、上述した本発明の電子機器のレリーズボタン設定手段およびレリーズボタン位置伝達手段の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
また、本発明に関連する発明の記録媒体は、上述した本発明の電子機器のレリーズボタン設定手段およびレリーズボタン位置伝達手段の機能をコンピュータにより実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、コンピュータにより読み取り可能かつ、読み取られた前記プログラムが前記コンピュータと協働して利用される記録媒体である。
また、本発明に関連する発明のプログラムの一利用形態は、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータと協働して動作する態様であっても良い。
また、記録媒体としては、ROM等が含まれ、伝送媒体としては、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等が含まれる。
また、上述した本発明に関連する発明のコンピュータは、CPU等の純然たるハードウェアに限らず、ファームウェアや、OS、更に周辺機器を含むものであっても良い。
なお、以上説明した様に、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現しても良いし、ハードウェア的に実現しても良い。
なお、以上説明した様に、本発明の構成は、ソフトウェアによる構成、ハードウェアによる構成、あるいは、それらの組み合わせも考えられる。
以上、本発明におけるカメラ及びカメラ機能を備えた電子機器は、上記で説明したような機能及び効果を有する。