JP2007303063A - 燈明台 - Google Patents

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Abstract

【課題】 風雨の影響を小さく抑えて、ロウソクの点灯状態を安定的に維持するとともに、ロウソクに対し迅速、簡単に点火可能にする。
【解決手段】 開口窓18を持つ筒体15内の底部中央にロウソク立て20を設置し、前記筒体18の上端開口を被うように天蓋17を水平回動可能に設置し、この天蓋17に支持されて、前記筒体15の内周側または外周側に垂下される枠部材23の、前記開口窓18に対応する部位に、耐熱性の透明板29を取り付ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、墓石の前部に設置されて、ロウソクに火を点けて墓前に供えるための燈明台に関する。
周知のように、墓所に建立される墓石の前部には、花を供える花立てとともに燈明を供える燈明台が設置される。この燈明台の形態は、地方ごとの慣習によって異なるものの、一般には墓石の前部中央の、供物台の両隣に設置される。
また、この一般的な燈明台は、燈明の設置部に扉などの防風、防雨手段を持たず、常時外部に晒される構造である。
ところが、このように防風、防雨手段を持たない燈明台にあっては、比較的弱い風が吹いている時にも、内部に備えた燈明(ロウソク)の火が吹き消されてしまうという不都合があった。また、雨が降った場合には、内部が雨により水浸しになり、内部に積もった土埃が汚泥化するという不都合があった。
従って、このような風雨の条件下での法事では、ロウソクが吹き消されたまま、線香に火を点じるのみにて、読経を行っている。
一方、前記のような風による燈明の吹き消しを防止するために、線香立ておよびロウソク立てを持つ基台と本体とからなり、本体を、三方の周側板と、この周側板の前面の一部を透明板として、蝶番で繋いだ前面扉と、背面側周側板の上縁に蝶番で繋いだ上蓋と、から構成した金属板製の燈明台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実公平4‐30292号公報
しかしながら、前記金属板製の燈明台にあっては、前面扉を開いて内部に供えたロウソクの火が、前面扉を閉じることによって外風に晒されないため、消えることはないものの、金属板自体が赤熱まではいかないにしても、ロウソクの燃焼熱により相当の高温に熱せられ、これに身体の一部が触れると火傷を負うという問題があった。また、燈明台の中は狭く、内部のロウソク立てに立てたロウソクに点火する作業が極めて面倒であった。更に、この金属板製の燈明台は、仏具に相応しい重量感や荘重感が得られず、仏具として外観上墓石に馴染まないという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、風雨の影響を小さく抑えて、燈明であるロウソクの点灯状態を安定的に維持できるとともに、ロウソク立てに立てた状態のロウソクに対し迅速、簡単に点火することができ、さらに仏具としての重量感と荘重感が得られる燈明台を得ることを目的とする。
前記目的達成のために、本発明にかかる燈明台は、ロウソクに火を点けて墓前に供えるための燈明台であって、外部から内部を看取可能にする開口窓を持つ有底型の筒体と、この筒体内の底部中央に設置されたロウソク立てと、前記筒体の上端開口を被うように水平回動可能に設置された天蓋と、この天蓋に支持されて、前記筒体の内周側または外周側に垂下され、前記開口窓に対応する部位に耐熱性の透明板が取り付けられた枠部材と、を備えることを特徴とする。
この構成により、筒体の外から内部で点灯中のロウソクを看取できるとともに、天蓋を回動操作することにより、開口窓を開いてロウソク立てに対するロウソクの点灯や交換を容易に実施することができる。また、必要に応じ、天蓋とともに枠部材を上方へ持ち上げて筒体の外へ取り出すことにより、前記ロウソク立てに対するロウソクの装着、交換および点火などを、前記筒体の外で速やかに実施することができる。
また、本発明にかかる燈明台は、前記透明板に、筒体内を換気するための通気孔が設けられていることを特徴とする。
この構成により、筒体内をその通気孔を通じて換気することができ、ロウソクが酸欠で消えることを未然に回避することができる。
また、本発明にかかる燈明台は、前記ロウソク立てが、前記枠部材下端に連設された底板に支持されるようにして前記底部に設置されることを特徴とする。
この構成により、天蓋を持ち上げるだけで、底部に設置されたロウソク立てを、天蓋とともに筒体の外に速やかに取り出すことができる。
また、本発明にかかる燈明台は、前記天蓋と筒体上端との間に、筒体の内外に貫通する通気部を有するリング部材が介在されていることを特徴とする。
この構成により、リング部材の通気部を通じて筒体内に外気を供給することができ、酸欠状態でロウソクの火が消えることを未然に回避することができる。
また、本発明にかかる燈明台は、前記ロウソク立てに、ロウソクを略垂直に支持する弾性支持部材が設けられていることを特徴とする。
この構成により、強い風が吹き込んだり、指が触れたりしてロウソクが傾いても、直ちに、これを垂直状態に安定支持することができる。
本発明の燈明台は、開口窓を持つ筒体内の底部中央にロウソク立てを設置し、前記筒体の上端開口を被うように天蓋を水平回動可能に設置し、この天蓋に支持され、前記筒体の内周側または外周側に垂下される連結片を持った枠部材に、耐熱性の透明板を取り付けたことにより、筒体の外から内部で点灯中のロウソクを看取できるとともに、ロウソクの火が風を受けるなどして消えないようにすることができる。また、天蓋を回動操作することにより透明板を移動させ、開口窓を開いてロウソク立てに対するロウソクの点灯や交換を容易に実施することができるという効果が得られる。
以下に、本発明の一実施形態による燈明台を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の燈明台11を供えた墓石を示す斜視図、図2は、この燈明台11の斜視図、図3は、この燈明台11の縦断面図、図4は、この燈明台11の分解斜視図、図5は、この燈明台11の平断面図である。
図1では、燈明台11が、墓石12の前部に、左右対称に一基づつ配置されている。詳しくは、墓石12を載置する基台13上に、線香立てを収納したり、供物を上面に載置したりする供物台14が設置されており、この供物台14の左右に前記燈明台11が一基づつ設置されている。
この燈明台11は、墓石12と同質の石材からなり、有底の筒体(円筒体)15と、この筒体15内の下部に一体に取り付けられた底部材16(図3参照)と、その筒体15の上部開口端に設置された天蓋17とを備えている。これらのうち、筒体15は、前部に筒体15内を外から看取するための開口窓18、つまり筒体15内の燈明を外へ洩らすための開口窓18が形成されている。この開口窓18の形状、サイズは任意に選定できる。
また、この筒体15内の下部には円板状の前記底部材16が嵌め込まれるようにして固定され、この底部材16およびこの底部材16上に載置される底板19の中心部には、取付孔16a、19a(図3、図4参照)が設けられている。これらの取付孔16a、19aにはフランジ20aを持つ金属製のロウソク立て20が嵌挿されている。なお、ロウソク立て20が嵌挿の上端開口部の内周には、ロウソク21を略垂直に支持する耐熱性、難燃性の弾性支持部材22が突設されている。
一方、天蓋17は、前記筒体15の上部開口を被う所定サイズおよびデザインをなし、下面の中心部に取付孔17a(図3、図4参照)が穿設されている。また、前記筒体15内には枠部材23が収納されている。この枠部材23は、金属板の板金加工や溶接によって作られており、図4にも示すように、円板状の天板24と、この天板24の下面に突設されたリング部25と、このリング部25の下方に連接された2本の連結片26と、これらの連結片26の下端に連結された前記底板19と、から構成されている。
前記筒体15の上端にはリング溝15a(図4参照)が形成されており、このリング溝15aに、筒体15の内外に貫通する通気部としての通気切欠28aを持つリング部28が嵌挿されている。このリング部材28上には、図3に示すように、枠部材23の天板24の周辺部が支持されている。
また、前記枠部材23における前記リング部25および連結片26の外周面と底板19の外周縁には、図4または図5に示すように、一枚の円弧状の透明板29が接着剤等により固着されている。この透明板29は耐熱性の樹脂やガラスなどからなる。
本実施形態による燈明台11は、前記のように構成されており、天蓋17の取付孔17aに枠部材23の突子27が嵌まり込んでいる。このため、天蓋17を水平方向に回動操作することによって、枠部材23も筒体15内で回動する。
この回動により透明板29が前記開口窓18に対向した場合には、ロウソク立て20に立てられたロウソク21を、透明板29を通して外部から透視できるとともに、外部から筒体15内に風が吹き込んだり、雨が侵入したりするのを防止できる。
一方、前記回動により、透明板29が設けられない2本の連結片26、26間が前記開口窓18に対向した場合には、開口しこの開口窓18を通して、ロウソク立て20にロウソク21を立てて点火することができるとともに、必要に応じロウソクの交換を行うことができる。
なお、透明板29により開口窓18が塞がれるような状態にあっても、筒体15内はリング部材28の通気切欠28aを通じて換気が行われるため、ロウソク21の火が酸欠によって消えるようなことはない。
また、ロウソク21の下端はロウソク立て20内にあって、周辺の弾性支持部材22により倒れないように保持されており、このため、ロウソク21は常に垂直に起立し、安定した点灯状態が維持されることとなる。
さらに、前記枠部材23を構成する底板19がロウソク立て20のフランジ20aを、図3に示すように支える構造となっている。このため、天蓋17を手で摘んで持ち上げると、枠部材23は筒体15から分離して上昇し、ロウソク立て20を筒体15の外へ取り出すことができる。
この場合には、狭小空間の筒体15内ではなく、たとえば風雨の影響を受け難い外部の所定箇所でロウソク21に点火した上で、再び筒体15内へ戻すようにすることができる。この結果、ロウソク21の点火が確実となる。
図6および図7は、本発明の他の実施形態による燈明台を示す縦断面図および平断面図である。この実施形態の燈明台11Aが、前記燈明台11と大きく異なるところは、天蓋17Aによって回転操作される枠部材23の連結片26を、筒体15Aの外周側に配置した点と、筒体15Aおよび透明板29に、筒体15A内の換気を行う通気孔15b、29aをそれぞれ設けた点である。
このため、枠部材23の天板24には2本の連結片26が一体に垂下連接され、これらの連結片26、26間に透明板29が前記同様にして取り付けられている。また、筒体15Aの上端開口を塞ぐように、金属製の蓋板31がはめ込まれており、この蓋板31の中心部に設けられた軸支持部32に、天板24の上下に突設された突子27a、27bのうち、下部の突子27bが回動自在に挿入されている。なお、この突子27bと軸支持孔32との間に軸受を介在することは任意である。
前記筒体15Aの底部にはロウソク立て設置部33が形成されており、このロウソク立て設置部33内に、金属製の周知形状のロウソク立て34が収納されている。また、天蓋17Aの頂部には、これを回動操作するための摘み30が突設されている。
この実施の形態による燈明台11Aでは、摘み30を回動操作することによって、天蓋17Aとともに天板24が突子27a、27bを中心として蓋板31上で回動する。この回動により、透明板29を筒体15Aの開口窓18に対向させることができ、筒体15A内のロウソク21の灯火が外部から看取可能となる。
このとき、筒体15Aに形成された通気孔15bと透明板29に形成された通気孔29aとを連通させることで、これらの通気孔15b、19aを通じて外気を筒体15A内に導入することができる。これにより、筒体15A内には常時酸素を供給でき、ロウソク21の火が酸欠で消えるという不都合を回避できる。
また、摘み30を回動操作して、透明板29が設けられない側の各連結片26、26間を前記開口窓18に臨ませた場合には、開口しこの連結片26、26間および前記開口窓18を通して、ロウソク立て34へのロウソク21の装着や交換を容易に実施することができる。
このように、本実施の形態によれば、外部から内部を看取可能にする開口窓18を持つ有底型の筒体15、15Aと、この筒体15、15A内の底部中央に設置されたロウソク立て20、34と、前記筒体15、15Aの上端開口を被うように水平回動可能に設置された天蓋17、17Aと、この天蓋17、17Aに支持されて、前記筒体15、15Aの内周側または外周側に垂下され、前記開口窓18に対応する部位に耐熱性の透明板29が取り付けられた枠部材23と、を備えることにより、筒体15、15Aの外から内部で点灯中のロウソク21を看取できるとともに、天蓋17、17Aを回動操作して開口窓18を開くことにより、ロウソク立て20、34に対するロウソク21の点灯や交換を容易に実施することができる。
また、必要に応じ、天蓋17、17Aとともに枠部材23を上方へ持ち上げて、筒体15、15Aの外へ取り出すことにより、前記ロウソク立て20、34に対するロウソク21の装着、交換および点火などの作業を、前記筒体15、15Aの外で速やかに、かつ簡単に実施することができる。
さらに、燈明台は石材を中心として構成されるために、外観的に重量感、荘重感が得られ、仏具としての利用に最適となる。
以上のように、本発明にかかる燈明台は、筒体の外から、内部で点灯中のロウソクを看取できるとともに、天蓋を回動操作することにより、開口窓を開いてロウソク立てに対するロウソクの点灯や交換を容易に実施することができる。また、必要に応じ、天蓋とともに枠部材を上方へ持ち上げて筒体の外へ取り出すことにより、前記ロウソク立てに対するロウソクの装着、交換および点火などを、前記筒体の外で簡単、速やかに実施することができるという効果を有し、墓石の前部に設置されて、ロウソクに火を点けて墓前に供えるための燈明台等として有用である。
本発明の実施形態による燈明台を持った墓石を示す斜視図である。 図1に示す燈明台の斜視図である。 図2に示す燈明台の縦断面図である。 図2に示す燈明台の分解斜視図である。 図2に示す燈明台の平断面図である。 本発明の他の実施形態による燈明台を示す縦断面図である。 図6に示す燈明台の平断面図である。
符号の説明
11、11A 燈明台
12 墓石
13 基台
15、15A 筒体
16 底部材
17、17A 天蓋
18 開口窓
19 底板
20、34 ロウソク立て
21 ロウソク
22 ロウソク支持部材
23 枠部材
26 連結片
28 リング部材
28a 通気切欠(通気部)
29 透明板
30 摘み

Claims (5)

  1. ロウソクに火を点けて墓前に供えるための燈明台であって、外部から内部を看取可能にする開口窓を持つ有底型の筒体と、
    この筒体内の底部中央に設置されたロウソク立てと、
    前記筒体の上端開口を被うように水平回動可能に設置された天蓋と、
    この天蓋に支持されて、前記筒体の内周側または外周側に垂下され、前記開口窓に対応する部位に耐熱性の透明板が取り付けられた枠部材と、
    を備えることを特徴とする燈明台。
  2. 前記透明板には、筒体内を換気するための通気孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燈明台。
  3. 前記ロウソク立てが、前記枠部材下端に連設された底板に支持されるようにして前記底部に設置されることを特徴とする請求項1に記載の燈明台。
  4. 前記天蓋と筒体上端との間に、該筒体の内外に貫通する通気部を有するリング部材が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の燈明台。
  5. 前記ロウソク立てには、ロウソクを略垂直に支持する弾性支持部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燈明台。
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