JP2007301487A - オゾン水生成方法、オゾン水及びオゾン水生成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 オゾン水生成を次の工程で行う。原水にオゾンを混合して原オゾン水を生成する原オゾン水生成工程(P1)と、当該原オゾン水に混合用水を混合して当該原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成する濃度調整オゾン水生成工程と(P2)、によりオゾン水生成を行う。濃度調整オゾン水の濃度と同じ濃度で同じ量のオゾン水を生成することに比べ、それよりも濃度が高い原オゾン水を少量生成しておき、この原オゾン水に混合用水を混合するほうが、効率よく濃度調整オゾン水の生成を行うことができる。また、原オゾン水の生成量は少なくて足りるから、原オゾン水の生成装置を小型化することもできる。
【選択図】 図1
Description
杉光英俊著、「オゾンの基礎と応用」P37,株式会社光琳(2004年)
請求項1記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項1の生成方法」という)は、原水にオゾンを混合して原オゾン水を生成する原オゾン水生成工程と、当該原オゾン水に混合用水を混合して当該原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成する濃度調整オゾン水生成工程と、を含むことを特徴とする。原オゾン水を生成するに当たって、pH調整等を行うための添加物は用いない。添加物による人畜、環境等への悪影響を排除するためである。ここで、原水には、たとえば、地下水、水道水、河川水、雨水等の自然水のほか、純水等も含まれる。
請求項2記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項2の生成方法」という)では、請求項1の生成方法を前提として、前記原オゾン水生成工程において、磁力を作用させながらオゾン混合を行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項3の生成方法」という)は、請求項1又は2の生成方法を前提として、前記原オゾン水生成工程において、混合用水をベンチュリ効果によって原オゾン水に混合することを特徴とする。
請求項4記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項4の生成方法」という)は、請求項1乃至3いずれかの生成方法を前提として、前記オゾン水のオゾン濃度が、4〜20ppmであり、濃度調整オゾン水のオゾン濃度が、1〜15ppmであることを特徴とする。
請求項5記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項5の生成方法」という)は、請求項1乃至3いずれかの生成方法を前提として、前記原オゾン水の温度よりも前記混合用水の温度の方が高くなるように、当該混合用水を加熱する加熱工程を含むことを特徴とする。
請求項6記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項6の生成方法」という)は、請求項5の生成方法を前提として、前記原オゾン水の温度が5〜20℃であり、前記混合用水の温度が60℃以上であることを特徴とする。
請求項7記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項7の生成方法」という)は、請求項5の生成方法を前提として、前記原オゾン水の温度が5〜20℃であり、前記濃度調整オゾン水の温度が、30〜60℃であることを特徴とする。
請求項8記載の発明に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「請求項8の生成方法」という)は、請求項2乃至7いずれかの生成方法を前提として、前記原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmであることを特徴とする。
請求項9記載の発明に係るオゾン水(以下、適宜「請求項9のオゾン水」という)は、請求項7のオゾン水生成方法によって生成した濃度調整オゾン水であって、温度30〜50℃であり、かつ、オゾン濃度1〜15ppmであることを特徴とする。
請求項10記載の発明に係るオゾン水(以下、適宜「請求項10のオゾン水」という)は、請求項9のオゾン水であって、前記原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmであることを特徴とする。
請求項13記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項13の生成装置」という)には、請求項11又は12の生成装置の基本構成を備えさせた上で、前記気液混合構造が、小径路を有するベンチュリ管と、当該小径路に臨む位置に開口端を有する気体供給パイプと、を含めて構成してあり、当該気体供給パイプの接続端には、前記気体供給構造を接続してある。
請求項14記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項14の生成装置」という)には、請求項13の生成装置の基本構成を備えさせた上で、前記磁石が、前記ベンチュリ管の少なくとも小径路及び/又は小径路の近傍に磁力を作用させられるように構成してある。
請求項15記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項15の生成装置」という)には、請求項12乃至14いずれかの生成装置の基本構成に加え、前記磁石が、一方の磁石片と他方の磁石片とを含む磁気回路によって構成してあり、当該一方の磁石片と当該他方の磁石片とを、前記ベンチュリ管を挟んで対向させてある。
請求項16記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項16の生成装置」という)には、請求項12乃至15いずれかの生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記磁石の磁力が、2000〜20000ガウスに設定してある。
請求項17記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項17の生成装置」という)には、請求項12乃至16何れかの生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記気液混合構造を通過した原水(原オゾン水)を循環させて当該気液混合構造を再度通過させるための循環構造を、さらに含めて構成してあり、当該循環構造が、前記配管を含めて構成してある。
請求項18記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項18の生成装置」という)には、請求項17の生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記循環構造の途中には、循環させる原オゾン水を一旦貯留させるための貯留タンクを設けてある。
請求項19記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項19の生成装置」という)には、請求項18の生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記貯留タンク内の原オゾン水を5〜20℃の範囲に保持するための温度保持構造を設けてある。
請求項20記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項20の生成装置」という)には、請求項18又は19の生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記循環構造途中の前記気液混合構造下流かつ前記貯留タンク上流には、当該循環構造を通過する原オゾン水を一旦貯留してオゾン溶解を促進するための溶解促進槽を設けてある。
請求項21記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項21の生成装置」という)には、請求項20の生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記溶解促進槽の頂部には、貯留してある原オゾン水から脱気したオゾンを排出可能とする脱気構造を設けてある。
請求項22記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項22の生成装置」という)には、請求項11乃至21いずれかの生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記混合用水混合構造が、小径路を有するベンチュリ管と、当該小径路に臨む位置に開口端を有する混合用水供給パイプと、を含めて構成してあり、当該混合用水供給パイプの接続端には、前記オゾン供給構造を接続してある。
請求項23記載の発明に係るオゾン水生成装置(以下、適宜「請求項22の生成装置」という)には、請求項11乃至22いずれかの生成装置の基本的構成を備えさせた上で、前記混合用水混合構造が、前記原オゾン水の温度よりも高い温度まで前記混合用水を加熱するための加熱構造を含めて構成してある。加熱構造は、オゾン水生成装置の本体内又は本体外のいずれでもよい。さらに、内外両者に設けてもよい。たとえば、本体内に設けたヒーターが後二者に該当し、本体外に設けた湯沸かし器(ボイラー)が最前者に該当する。
図1を参照しながら、本実施形態に係るオゾン水生成方法(以下、適宜「本生成方法」という)について説明する。本生成方法における最初の工程は、原水にオゾンを混合して原オゾン水を生成する工程である(P1)。原水には、図外の水道や井戸水等から供給を受けた自然水を好適に用いることができる。オゾンは、同じく図外のオゾン供給装置から供給を受ける。符号151はエジェクターを、符号153は循環ポンプを、それぞれ示している。エジェクター151は、流体を流す管の一部に小径部(くびれ)を設け、この小径部と大径部との間の流体圧力差が生じるというベンチュリ効果を利用して流体混合を行わせるための装置である。原水がエジェクター151内を通過するときに、上記ベンチュリ効果によってその原水の中にオゾンが吸引混合されるようになっている。循環ポンプ153は、一旦エジェクター151を通過した原水(既に、オゾン水になっている)を循環させて再度エジェクター151を通過させる役目を担っている。エジェクター151を通過する度にオゾンを混合させてオゾン溶解度とオゾン濃度を高めるためである。循環は、オゾン溶解度やオゾン濃度が求める値に達するまで繰り返して行うとよい。循環不要であれば、循環ポンプ153自体を省略してもよい。エジェクター151に磁石(図示を省略)を設けておき、原水(原オゾン水)とオゾンに磁力が作用するように構成すること、さらに、原水(原オゾン水)の温度が5〜20℃の範囲を超えないように温度調整すること、が好ましい。効率よく高溶解度・高濃度オゾン水を生成することができるからである。原オゾン水は、たとえば、4〜20ppm程度の濃度とする。
次に、図2を参照しながら、上記したオゾン水生成方法を実施するためのオゾン水生成装置の構造について説明する。オゾン水生成装置1は、貯留タンク3と、オゾンを生成して供給するためのオゾン供給構造5と、貯留タンク3から取り出した原水(原オゾン水)を貯留タンク3に戻すための循環構造7と、循環構造7の途中に設けた気液混合構造9及び溶解促進槽11と、貯留タンク3の排水側に付設した濃度調整オゾン水生成構造13と、から概ね構成してある。以下の説明は、説明の都合上、貯留タンク3、濃度調整オゾン水生成構造13、オゾン供給構造5、気液混合構造9、溶解促進槽11を行った後、最後に循環構造7について行う。なお、本実施形態におけるオゾン水生成装置は、たとえば、図2に符号101で示す鶏卵洗浄装置に洗浄用の温オゾン水を供給するために使用することができる。さらに、図示は省略するが、食器洗浄装置、搾乳装置の洗浄装置、生物実験用器具等の殺菌消毒装置、衣類等の洗濯装置、人や動物等への殺菌消毒装置等に対するオゾン水供給源としても使用可能である。
図2に示すように、貯留タンク3には取水バルブ3vを介して原水(本実施形態では井戸水)を注入可能に構成してある。貯留タンク3は取水した原水、及び、後述する循環構造7を介して循環させた原オゾン水を貯留するためのものである。貯留タンク3に貯留された原オゾン水は、貯留タンク3に付随させた攪拌ポンプ3aによって循環攪拌されるようになっていて、攪拌ポンプ3aの直下流に設けた冷却構造3bによって、たとえば、5〜15℃の範囲に保持されるようになっている。冷却構造3bを攪拌ポンプ3aの直下流に設けたのは、攪拌ポンプ3aが発生させた熱を、その拡散前に取り除くことにより貯留タンク3内の原オゾン水を上記温度内に効率よく保持するためである。原オゾン水の温度を上記範囲に温度設定したのは、オゾン溶解を効率よく行い、かつ、溶解させたオゾンを容易に脱気させないために適当であると考えられるからである。また、貯留タンク3を設けた理由は、原オゾン水を一旦貯留することによって安定状態に置き、これによって、原オゾン水に対するオゾン溶解を熟成類似の作用によって促進させるためである。なお、たとえば、寒冷地等において原オゾン水が凍結する恐れがある場合は、上記冷却構造3bの代わりに、又は、上記冷却構造3bとともにヒーター装置を用いて原オゾン水を加温するように構成してもよい。
図2を参照しながら、濃度調整オゾン水生成構造について説明する。本実施形態における濃度調整オゾン水生成構造13は、図外から取水した井戸水を、貯留タンク3から取り出した原オゾン水に混合するための装置であって、取水管13aの途中に設けた流量調整バルブ13bと、流量調整バルブ13bの下流側に設けたエジェクター13cと、から概ね構成してある。エジェクター13cは、後述する気液混合構造9のベンチュリ管21と略同じ構造に構成してある。ただ、ベンチュリ管21は気液混合を目的とするのに対しエジェクター13cは液液混合を目的とするので、後者のほうが前者よりも各部位の寸法が一般的に大きくなっている。符号13mは、ベンチュリ管21が有する磁気回路25と同様に機能する磁気回路を示している。磁気回路13mは、これが不要であれば省略可能である。エジェクター13cは液液混合に極めて好適なものであるが、エジェクター以外の液液混合構造を採用することを妨げるものではない。なお、本実施形態では、混合用水の温度を原オゾン水の温度よりも高くすることを目的として流量調整バルブ13bの上流にボイラー14を設けてある。ボイラー14は、取水管13a内を流れる混合用水を加熱するための加熱構造として機能する。ボイラー14は比較的多量の混合用水を得るときに便利であるが、それほど多量の混合用水を必要としない場合はこのボイラー14の代わりに、図外の湯沸かし器から混合用水を取水するようにしてもよい。貯留タンク3からの原オゾン水の取り出しは取出管3fの途中に設けた取出ポンプ3cによって行われ、取り出された原オゾン水にはエジェクター13cの中で加熱された混合用水が混合される。混合によって得られたオゾン水が、濃度調整オゾン水である。エジェクター13cを通過した濃度調整オゾン水は、供給管13dによってオゾン水供給先に供給されるようになっている。
本実施形態におけるオゾン供給構造5は、オゾンを生成供給するための装置である。必要なオゾン量を供給可能なものであれば、オゾン供給構造5が採用するオゾン発生原理等に何ら制限はない。オゾン供給構造5によって生成されたオゾンは、オゾン供給管5aの途中に設けた電磁バルブ5bを介して気液混合構造9に供給されるようになっている。
図2乃至7を参照しながら気液混合構造9の詳細について説明する。気液混合構造9は、ベンチュリ管21と、オゾン供給パイプ23と、磁気回路25と、により概ね構成してある。ベンチュリ管21は、上流側(図3の向かって右側)から送られた原水(循環後は原オゾン水)を下流側(図3の向かって左側)へ通過させるためのパイプ状の外観を有している(図3参照)。ベンチュリ管21を長手方向に貫く中空部は、上流側から下流側に向かって上流側大経路21a、絞り傾斜路21b、小径路21c、開放傾斜路21d及び下流側大経路21eの順に連通している。上流側大経路21aは、軸線方向に対して50度前後の急角度をもって絞り方向に傾斜する絞り傾斜路21bを介して小径路21cに繋げられ、その後、開放傾斜路21dによって同じく軸線方向に対して30度前後の緩やかな角度を持って開放される。開放傾斜路21dは、上流側大経路21aと同じ外径の下流側大経路21eに繋がっている。他方、小径路21cには、そこに気体供給パイプ21fの開口端を臨ませてある。気体供給パイプ21fの供給端にはオゾン供給構造5と連通する気体供給管5aが接続してある。小径路21cの中、又は、その近傍は、ベンチュリ効果によって原水(原オゾン水)の圧力変化によって真空又は真空に近い状態になるため、開口端に及んだオゾンは吸引され乱流化した原水(原オゾン水)内に散気(混合)される。なお、図5に示す符号21gは、ベンチュリ管21と気体供給パイプ21fとの間を補強するためのリブを、同じく符号21hは、上流側大経路21aと下流側大経路21eとの間を補強するためのリブを、それぞれ示している。
以上の構成により、上流側大経路21aを通過した原水(原オゾン水)は、絞り傾斜路21bを通過するときに圧縮されて水圧が急激に高まり、同時に通過速度も急激に上昇する。高圧・高速のピークは、小径路21cに達したときである。小径路21cを通過した原オゾン水は、開放傾斜路21dの中で急激に減圧・減速し、後続する原オゾン水との衝突の衝撃等を受け乱流化する。その後、原オゾン水は下流側大経路21eを抜け、気液混合構造9の外へ出る。散気されたオゾンは、原オゾン水の乱流に巻き込まれ大小様々な大きさの気泡となり攪拌作用を受ける。小径路21c及び少なくともその下流を流れる原オゾン水(オゾン)には、上記攪拌作用とともに磁気回路25の働きによる磁力作用を受ける。すなわち、原オゾン水の水圧を圧力頂点(ピーク)に至るまで増圧させ当該圧力頂点に至った直後に減圧させるとともに当該圧力頂点に至った(及び/又は頂点に至った直後の)原オゾン水にオゾンを供給する、ことを磁界の中で行うことになる。攪拌作用と磁界の磁力作用が相乗効果を生み、その結果、原オゾン水にオゾンが溶解し高溶解度を持った高濃度の原オゾン水が生成される。
図2及び7を参照しながら、溶解促進槽11について説明する。溶解促進槽11は、天板11aと底板11bとによって上下端を密閉した円筒状の外壁11cによって、その外観を構成してある。天板11aの下面には、その下面から垂下する円筒状の内壁11dを設けてある。内壁11dに囲まれた空間が、原オゾン水を貯留するための貯留室11fとなる。内壁11dの外径は外壁11cの外径よりも小さく設定してあり、これによって、内壁11dと外壁11cとの間に所定幅の壁間通路11gが形成される。他方、内壁11dの下端は、底板11bまで届かず、底板11bとの間に所定幅の間隙を形成する。この間隙は、下端連通路11eとして機能する。すなわち、内壁11dが囲む貯留室11fは、下端連通路11eを介して壁間通路11gと連通している。他方、内壁11dの天板11aの近傍には複数の連通孔11dh,11dh,・・を貫通させてあり、貯留室11fと壁間通路11gとは各連通孔11dhを介しても連通している。底板11bの上面略中央には、細長の揚水管11jを起立させてある。揚水管11jの中空部下端11hは、底板11bを貫通する入水孔11bhと連通し、中空部上端は、揚水管11j上端に形成した多数の小孔11jh,・・を介して貯留室11fと連通している。揚水管11jの上端は、内壁11dが有する連通孔11dhの位置よりも僅か下に位置させてある。外壁11cの高さ方向上から略4分の1付近には、排水孔11chを貫通させてある。つまり、壁間通路11gは、排水孔11chを介して外部と連通している。
図2を参照しながら、循環構造について説明する。循環構造7は、気液混合構造9を通過した原オゾン水(既に原水から原オゾン水になっている)を循環させて再度、気液混合構造9を通過させる機能を有している。再度、気液混合構造9を通過させるのは、既にオゾンを溶解させた原オゾン水に再度オゾンを注入することによって、オゾンの溶解度と濃度をさらに高めるためである。循環構造7は、循環ポンプ7aを駆動源とし、貯留タンク3と溶解促進槽11を主要な構成要素とする。すなわち、循環ポンプ7aは、貯留タンク3から配管7bを介して取り出した原水(原オゾン水)を配管7b途中に設けた気液混合構造9に圧送する。圧送によって気液混合構造9を通過した原水(原オゾン水)は、溶解促進槽11を抜け貯留タンク3に戻される。循環構造7は、上記した工程を必要に応じて繰り返して実施可能に構成してある。循環させる回数は、生成しようとする原オゾン水のオゾン溶解度やオゾン濃度等を得るために自由に設定することができる。なお、符号7cは、循環ポンプ7aが発生した熱を冷却して原水(原オゾン水)の温度上昇を抑えるための冷却構造を示している。
次に、図9を参照しながら、オゾン水生成装置の変形例について説明する。本変形例に係るオゾン水生成装置1´は、前述した本実施形態に係るオゾン水生成装置1を小型・簡略化したものであって、小型化することによって省略可能となった部材を省略したものである。具体的には、オゾン水生成装置1が有している攪拌ポンプ3a、冷却構造3b、溶解促進槽11及び取出ポンプ3cを省略してある。さらに、装置外部から温水(混合用水)の供給を受けるように構成してあるので、変形例に係る濃度調整オゾン水生成構造13´はボイラー14を備えていない。そこで、以下の説明では、オゾン水生成装置1とオゾン水生成装置1´との間で異なる点について説明するとともに、両者共通の点については図2で使用した符号と同じ符号を図9に示すにとめその説明を省略する。
図3及び10を参照しながら、実験例について説明する。ここで、示す実験例は、背景技術の欄において説明した磁石の使用方法と本発明に係る磁石の使用方法の違いによって、オゾンの溶解度や濃度に著しい差が生じることを主として示すためのものである。本実験例では、本件発明に係る気液混合構造として図3に示す気液混合構造(以下、「本件構造」という)を使用し、比較対象となる気液混合構造として図10に示す気液混合構造(以下、「比較構造」という)を使用した。比較構造には、本件構造と基本的に同じ構造を備えさせてあるが、磁気回路25の取付位置のみを異ならせてある。理解し易くするために図10に示す磁気回路には、気液混合構造9の上流側にあるものに符号25´aを、下流側にあるものに符号25´bを、それぞれ付してある。整理すると、図3に示す本件構造は、磁気回路25と一体となった気液混合構造9を備え、図10に示す比較構造は、気液混合構造9の上流側配管に磁気回路25´aを、同じく下流側配管に磁気回路25´bを、それぞれ同時に又は選択的に取り付け取り外しできるように構成してある。
表1及び2を参照しながら、濃度比較実験について説明する。表1は、原オゾン水のオゾン濃度と濃度上昇時間との関係を示している。表2は、表1に示す原オゾン水のオゾン濃度が生成装置の運転停止後にゼロになるまでに要する時間を示している。ゼロになるまでの時間が長ければ長いほどオゾン溶解度が高いことを示す。表1及び2において、記号「□」は本件装置を用いて生成した原オゾン水(以下、「本件オゾン水」という)を、記号「×」は比較装置から磁気回路のみを取り外した気液混合構造を用いて生成した原オゾン水(以下、「磁気なしオゾン水」という)を、記号「△」は比較装置において気液混合構造9と磁気回路25´aとにより生成した原オゾン水(以下、「上流側磁気オゾン水」という)を、記号「○」は比較装置において気液混合構造9と磁気回路25´bとにより生成した原オゾン水(以下、「下流側磁気オゾン水」という)を、そして、記号「◇」は比較装置において気液混合構造9と磁気回路25´a及び磁気回路25´bの双方とにより生成した原オゾン水(以下、「両側磁気オゾン水」という)を、それぞれ示している。原オゾン水の温度は5℃、周囲湿度は36〜43%、周囲温度は17℃であった。
表3及び4を参照しながら、本件オゾン水が含有するオゾン気泡の粒径測定実験について説明する。表3及び4は、本件オゾン水に含まれるオゾン気泡の粒径分布を示す(左側縦軸参照)。本測定実験では、オゾン濃度とオゾン濃度保持時間との関係から4種類の本件オゾン水を測定対象とした。まず、オゾン濃度を3ppmと14ppmの2種類とし、次に、各濃度それぞれ当該濃度に達した直後の原オゾン水(以下、各々「3ppm直後オゾン水」「14ppm直後オゾン水」という)と、当該濃度に達した後その濃度を15分間維持させた原オゾン水(以下、各々「3ppm維持オゾン水」「14ppm維持オゾン水」という)と、に分けた。つまり、「3ppm直後オゾン水」「3ppm維持オゾン水」「14ppm直後オゾン水」「14ppm維持オゾン水」の4種類が、本測定実験に係る測定対象である。ここで、本測定実験に使用した本件オゾン水の原水には、水道水を0.05μm(50nm)の微粒子絶対濾過の逆浸透膜で濾過して得た純水を用いた。本実験で純水を得るために使用した装置は、セナー株式会社製超純水装置(型名:Model・UHP)である。水道水には50nm以上の不純物(たとえば、鉄分やマグネシウム)が含まれているため、濾過してない原水から生成した原オゾン水を測定対象としても、そこに含まれる不純物を測定してしまい測定誤差が生じかねないので、濾過によって予め不純物を取り除いておくことによってオゾンの気泡粒径の正しい測定ができるようにするためである。水道水以外の原水、たとえば、井戸水や河川水についても同じことがいえる。オゾン気泡の粒径測定に使用した測定器は、動的光散乱式粒径分布測定装置(株式会社堀場製作所(HORIBA,Ltd):型式LB500))である。原水から不純物を濾過せずともオゾン気泡の粒径を正しく測定できる手段があれば、その手段を用いて測定可能であることはいうまでもない。
なお、上記4種類の原オゾン水、すなわち、「3ppm直後オゾン水」「3ppm維持オゾン水」「14ppm直後オゾン水」及び「14ppm維持オゾン水」についてpH測定実験を行った。その結果は、表5及び6に線グラフで示してある(右側縦軸参照)。いずれの原オゾン水についても、オゾン溶解の前後においてpH7.3前後を示した。すなわち、オゾン溶解は原水のpHにほとんど変化を与えないことがわかった。井戸水や水道水は概ね中性(pH6.5〜7.5)を示すことから、気液混合方式によって生成した本件オゾン水は、pHを調整するための添加物を添加しなくても中性を示すことがわかった。もっとも、原水がアルカリ性である場合は、オゾン溶解が原オゾン水のpHを変化させないことからアルカリ性の原オゾン水が生成される場合もあり得よう。
次に、原オゾン水に混合用水(温水)を混合して得た濃度調整オゾン水の温度とオゾン濃度の変化についての実験結果について説明する。本混合実験では、原オゾン水と混合用水とを混合して2リットルの濃度調整オゾン水を生成した。ここで、原オゾン水の濃度と、混合用水との混合比率と、を各々変化させることによって濃度調整オゾン水を生成し、この生成した濃度調整オゾン水の温度と濃度とを時系列的に観察した。具体的には、それぞれビーカーに入れた原オゾン水と混合用水とを、用意しておいた空ビーカーに同時に注ぎいれ、注ぎいれたオゾン水の温度とオゾン濃度とを時間を計りながら計測した。このときの、天気は晴れ、室温28℃であった。
3 貯留タンク
3a 攪拌ポンプ
3b 冷却構造
3c 取出ポンプ
5 オゾン供給構造
7 循環構造
7a 循環ポンプ
7c 冷却構造
9 気液混合構造
11 溶解促進槽
13c エジェクター
21 ベンチュリ管
21a 上流側大径路
21b 絞り傾斜路
21c 小径路
21d 開放傾斜路
21e 下流側大径路オゾン
21f 供給パイプ
25 磁気回路
25a 一方の磁石片
25b 他方の磁石片
11k 気液分離装置
Claims (23)
- 原水にオゾンを混合して原オゾン水を生成する原オゾン水生成工程と、
当該原オゾン水に混合用水を混合して当該原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成する濃度調整オゾン水生成工程と、を含む
ことを特徴とするオゾン水生成方法。 - 前記原オゾン水生成工程において、磁力を作用させながらオゾン混合を行う
ことを特徴とする請求項1記載のオゾン水生成方法。 - 前記原オゾン水生成工程において、混合用水をベンチュリ効果によって原オゾン水に混合する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のオゾン水生成方法。 - 前記オゾン水のオゾン濃度が、4〜20ppmであり、
前記濃度調整オゾン水のオゾン濃度が、1〜15ppmである
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のオゾン水生成方法。 - 前記原オゾン水の温度よりも前記混合用水の温度の方が高くなるように、当該混合用水を加熱する加熱工程を含む
ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のオゾン水生成方法。 - 前記原オゾン水の温度が5〜20℃であり、
前記混合用水の温度が60℃以上である
ことを特徴とする請求項5記載のオゾン水生成方法。 - 前記原オゾン水の温度が5〜20℃であり、
前記濃度調整オゾン水の温度が、30〜50℃である
ことを特徴とする請求項5記載のオゾン水生成方法。 - 前記原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmである
ことを特徴とする請求項2乃至7いずれか記載のオゾン水生成方法。 - 請求項7記載のオゾン水生成方法によって生成した
温度30〜50℃であり、かつ、オゾン濃度1〜15ppmである
ことを特徴とするオゾン水。 - 前記原オゾン水が含有するオゾンの気泡粒径Rが、0<R<50nmである
ことを特徴とする請求項9記載のオゾン水。 - 原水を通過させるための配管と、
当該配管の途中に設けた気液混合構造と、
当該気液混合構造にオゾンを供給するためのオゾン供給構造と、により原オゾン水を生成可能に構成してあり、さらに、
当該原オゾン水に混合用水を混合して原オゾン水よりも低濃度のオゾン水を生成するための濃度調整オゾン水生成構造を設けてある
ことを特徴とするオゾン水生成装置。 - 前記気液混合構造には、内部に磁力を作用させるための磁石を設けてある
ことを特徴とする請求項11記載のオゾン水生成装置。 - 前記気液混合構造が、小径路を有するベンチュリ管と、当該小径路に臨む位置に開口端を有するオゾン供給パイプと、を含めて構成してあり、
当該オゾン供給パイプの接続端には、前記オゾン供給構造を接続してある
ことを特徴とする請求項11又は12記載のオゾン水生成装置。 - 前記磁石が、前記ベンチュリ管の少なくとも小径路及び/又は小径路近傍に磁力を作用させられるように構成してある
ことを特徴とする請求項13記載のオゾン水生成装置。 - 前記磁石が、一方の磁石片と他方の磁石片とを含む磁気回路によって構成してあり、
当該一方の磁石片と当該他方の磁石片とを、前記ベンチュリ管を挟んで対向させてある
ことを特徴とする請求項12乃至14いずれか記載のオゾン水生成装置。 - 前記磁石の磁力が、2000〜20000ガウスに設定してある
ことを特徴とする請求項12乃至15いずれか記載のオゾン水生成装置。 - 前記気液混合構造を通過した原水及び/又は原オゾン水を循環させて当該気液混合構造を再度通過させるための循環構造を、さらに含めて構成してあり、
当該循環構造が、前記配管を含めて構成してある
ことを特徴とする請求項12乃至16いずれか記載のオゾン水生成装置。 - 前記循環構造の途中には、循環させる原オゾン水を一旦貯留させるための貯留タンクを設けてある
ことを特徴とする請求項17記載のオゾン水生成装置。 - 前記貯留タンク内の原オゾン水を5〜20℃の範囲に保持するための温度保持構造を設けてある
ことを特徴とする請求項18記載のオゾン水生成装置。 - 前記循環構造途中の前記気液混合構造下流かつ前記貯留タンク上流には、当該循環構造を通過する原オゾン水を一旦貯留してオゾン溶解を促進するための溶解促進槽を設けてある
ことを特徴とする請求項18又は19記載のオゾン水生成装置。 - 前記溶解促進槽の頂部には、貯留してある原オゾン水から脱気したオゾンを排出可能とする脱気構造を設けてある
ことを特徴とする請求項20記載のオゾン水生成装置。 - 前記混合用水混合構造が、小径路を有するベンチュリ管と、当該小径路に臨む位置に開口端を有する混合用水供給パイプと、を含めて構成してあり、
当該混合用水供給パイプの接続端には、前記オゾン供給構造を接続してある
ことを特徴とする請求項11乃至21いずれか記載のオゾン水生成装置。 - 前記混合用水混合構造が、前記原オゾン水の温度よりも高い温度まで前記混合用水を加熱するための加熱構造を含めて構成してある
ことを特徴とする請求項11乃至22いずれか記載のオゾン水生成装置。
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