JP2007301017A - ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールを打撃するフェース面を有し、フェース面が所定のロフト角度に形成されている。フェース面上に深さが200〜600μm、幅が250〜1000μmである第1の溝が複数形成されてなる第1の溝群と、深さが5〜50μm、幅が5〜100μmである第2の溝が複数形成されてなる第2の溝群とを有し、第1の溝の総長さは250〜1200mm、第2の溝の総長さは100〜1200mmである。第1の溝とフェース面上の水平仮想線とのなす角度αが0°〜15°であり、第2の溝と水平仮想線とのなす角度βが45°〜90°である。
【選択図】図4
Description
例えば、ゴルフクラブのフェース面上に、断面が凹状の溝等からなるスコアラインを、ゴルフクラブのトウ−ヒール方向に設けることによって、打球時にフェース面とゴルフボールが受ける摩擦力を大きくしてバックスピン量を増大させることがなされている。
バックスピン量の増大によって、ゴルフボールの飛翔が比較的安定したものとなり結果的に安定した飛距離が得られると考えられている。
特に、打球時に、ゴルフボールとフェース面との間に水分、草、または土等の異物が介入すると、打球時にフェース面とゴルフボールが受ける摩擦力が小さくなる傾向があり、バックスピン量が減少することが分かってきた。
このような状況下においても、ゴルフクラブのトウ−ヒール方向の一方向のみにスコアラインを設けることによって、打球時に介入する異物をある程度排除することが可能であるものの、打球の飛翔に悪影響を与えない程度に軽減することができず、スコアラインだけでは、異物の排除能力は不十分であった。
そこで、打球時に介入する異物を排除する機能を有するゴルフクラブが種々開示されている(例えば、特許文献1〜特許文献3等参照)。
また、特許文献2には、フェース面に放射状のフェース溝が設けられたゴルフクラブが開示されている。この特許文献2のゴルフクラブにおいては、放射状のフェース溝によって、フェース面とボールとの間に水膜が形成されるのを防止し、ハイドロプレーニング現象を防止している。これにより、特許文献2のゴルフクラブにおいては、飛距離と方向性とを安定させることができる。
また、本発明においては、第2の溝における深さは5〜35μmであることが好ましく、より好ましくは、5〜25μmである。
また、本発明においては、第2の溝の幅は5〜60μmであることが好ましく、より好ましくは5〜40μmである。
また、本発明においては、第1の溝群の各第1の溝の長さの総長さは400〜1200mmであることが好ましい。また、第2の溝群の各第2の溝の長さの総長さは200〜1200mmであることがこのましい。
さらに、第1の溝群の第1の溝とフェース面上における水平仮想線とのなす角度αは、0°〜5°であることが好ましい。また、第1の溝群の第1の溝と第2の溝群の第2の溝とのなす角度γは60°〜90°であることが好ましい。
また、本発明においては、前記第2の溝群における前記各第2の溝の配置間隔は、1.0〜6.0mmであることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記第1の溝および前記第2の溝は、曲率半径が500mm以上であることが好ましい。
さらに、本発明においては、前記ロフト角度は、45°以上であることが好ましい。
ゴルフクラブにおいて、深さが200〜600μm、幅が250〜1000μmである第1の溝が複数形成されてなる第1の溝群、および深さが5〜50μm、幅が5〜100μmである第2の溝が複数形成されてなる第2の溝群をフェース面上に形成し、第1の溝群の各第1の溝の長さの総長さを250〜1200mmとし、第2の溝群の各第2の溝の長さの総長さを100〜1200mmとしたものについて、本発明者が鋭意検討した結果、第2の溝群が、上記範囲よりも大きな深さまたは幅を有する場合、つまり、第1の溝群および第2の溝群が比較的大きな溝部である場合には、条件によって飛距離の安定性が損なわれることを知見した。
図1に示すように、ゴルフクラブ10は、ゴルフクラブヘッド12と、ソケット14と、ゴルフクラブシャフト16と、グリップ18とを有するものである。
ゴルフクラブ10は、ゴルフクラブシャフト16がソケット14を介してゴルフクラブヘッド12のホーゼル部24に取り付けられている。また、ゴルフクラブシャフト16は、ゴルフクラブヘッド12が取り付けられる反対側にグリップ18が取り付けられている。
なお、本実施形態のゴルフクラブヘッドにおいては、ロフト角度θ(図6参照)は、45°以上であることが好ましい。このロフト角度については、後に詳細に説明する。
このフェース部20におけるフェース長さとは、基準面上にゴルフクラブヘッド12を通常のアドレスポジションに設定した状態において、ゴルフクラブヘッド12のヒール部の最後端を基準面から22.23mm上方の位置とし、トウ部の最後端を最も張り出した位置としたときに、シャフト軸を含み基準面に垂直な平面の方向における距離のことである。
このフェース部20におけるフェース高さとは、基準面上にゴルフクラブヘッド12を通常のアドレスポジションに設定した状態において、ゴルフクラブヘッド12のソール部の最後端を、ソール部のソール面が接地している基準面とし、クラウン部またはトップブレード部の最後端を最も張り出した位置とした場合における鉛直方向の距離のことである。
ここで、本発明における水平仮想線HLとは、ゴルフクラブを通常のアドレスポジションにて設定した場合の設置面(水平面H)に平行な平面Hpとフェース面20aとが交わる線のことである。この水平仮想線HLについては、後で詳細に説明する。
本発明においては、第1の溝群32における第1の溝32a〜32fの総長さの80%以上に相当する第1の溝32a〜32fにおいて、水平仮想線HLとのなす角度αが0°〜15°であることが好ましく、より好ましくは100%である。
また、本発明においては、第2の溝群34における第2の溝34aの総長さの80%以上に相当する第2の溝34aにおいて、水平仮想線HLとのなす角度βが45°〜90°であることが好ましく、より好ましくは100%である。
本発明において、角度γは、第1の溝群32の第1の溝溝32a(32b〜32f)と、第2の溝群34の第2の溝34aとのなす角度のうち、小さい方の角度(90°以下の方)とする。また、第1の溝群32の第1の溝32a〜32fと、第2の溝群34の第2の溝34aとがなす角度γは、フェース面20a上において、第1の溝群32と第2の溝群34とがなす角度のことであり、角度γは45°〜90°であることが好ましい。また、角度γは60°〜90°であることがより好ましい。
本発明において、第1の溝群32の第1の溝32a〜32fと、第2の溝群34の第2の溝34aとのなす角度γを45°〜90°とすることにより、より効果的に、打球時にゴルフボールとフェース面との間に介入した水分、草、または土等の異物を排除し、ゴルフボールがおかれた条件に左右されることなく、比較的安定した飛距離を得ることが可能になる。
なお、第2の溝34aの深さh2は、好ましくは5〜35μmであり、より好ましくは、5〜25μmである。
さらに、第2の溝34aの幅W2は、好ましくは5〜60μmであり、より好ましくは、5〜40μmである。
本発明においては、第1の溝32aに第2の溝34aが直交して,第1の溝32aの一部を切欠くようにして、第2の溝34aが形成されている。第1の溝32aの方が第2の溝34aよりも幅が広く、深いものである。
また、本発明の第1の溝32a(32b〜32f)においては、深さh1および幅W1の上限については、特に限定されるものではないものの、本発明においては、より効率良く打球するために、深さh1の上限値を600μmとし、幅W1の上限値を1000μmとする。本発明の第1の溝32a(32b〜32f)は、深さh1が600μm、幅W1が1000μmよりも大きい場合には、フェース面の凹凸がゴルフボールに対して比較的大きくなり、打球時に悪影響を与える可能性がある。
本発明の第2の溝34aは、深さh2が5〜50μm、幅W2が5〜100μmの範囲よりも小さい場合、効果的に、打球時にゴルフボールとフェース面との間に介入した水分、草、または土等の異物を排除することができない。このため、ゴルフボールがおかれた条件に左右されることなく、比較的安定した飛距離を得ることができない。
本発明において、第1の溝32aの幅W1および第2の溝34aの幅W2は、測定器により測定されたチャートに基づいて、R&Aの内規「30度測定法」によって測定したものである。
また、第1の溝32aの深さh1および第2の溝34aの深さh2は、測定器により測定された最大高さとした。
仮想中心線C1は、第1の溝の短辺100b方向の各端部の両縁部の垂直2等分線と端の交わる点を、第1の溝の長手方向の両端部にて求め、両端部を結んだ線で示されるものである。
仮想中心線C2は、第2の溝の短辺102b方向の各端部の両縁部の垂直2等分線と端の交わる点を、第2の溝の長手方向の両端部にて求め、両端部を結んだ線で示されるものである。
さらに、第2の溝34aも第1の溝32a〜32fと同様に、その断面形状が変化しないことが好ましい。この第2の溝34aにおいても、断面形状が変化しないことにより、草、または土等の異物が速やかに排除され、より安定した飛距離を得ることができる。
本発明においては、第1の溝群32の各第1の溝32a〜32fの配置間隔を1.5〜4.0mmとすることにより、より効果的に、打球時にゴルフボールとフェース面との間に介入した水分、草、または土等の異物を排除し、ゴルフボールが置かれた状況(条件)に左右されることなく、比較的安定した飛距離を得ることが可能になる。
なお、第1の溝群32の第1の溝32a〜32fは、それぞれ相互に平行であることが好ましい。これにより、草、または土等の異物をさらに速やかに排除することができる。
また、本発明においては、配置間隔が1.5〜4.0mmである第1の溝が5本以上設けられていることが好ましく、より好ましくは、全ての第1の溝の配置間隔が1.5〜4.0mmである。
本発明においては、第2の溝群34の各第2の溝34aの配置間隔を1.0〜6.0mmとすることにより、より効果的に、打球時にゴルフボールとフェース面との間に介入した水分、草、または土等の異物を排除し、ゴルフボールが置かれた状況(条件)に左右されることなく、比較的安定した飛距離を得ることが可能になる。
なお、第2の溝群34の第2の溝34aもそれぞれ相互に平行であることが好ましい。これにより、草、または土等の異物をさらに速やかに排除することができる。
さらには、第2の溝群34の第2の溝34aは、平行以外にも、相互に重なるように形成してもよい。
また、本発明においては、配置間隔が1.0〜6.0mmである第2の溝が5本以上設けられていることが好ましく、より好ましくは、全ての第2の溝の配置間隔が1.0〜6.0mmである。
また、別の表現を用いると、第1の溝群32の第1の溝32a〜32f、および第2の溝群34の第2の溝34aにおいては、それぞれ真直度が1mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5mm以下であり、最も好ましくは真直度が0mmの直線である。この真直度は、例えば、JIS B0621−1984に規定されるものである。
また、本発明において、曲率半径および真直度は、各溝の長辺方向の縁部を測定することによって決定する。
さらに、本発明においては、第1の溝群32および第2の溝群34に関して、各溝群の総長さの80%以上に相当する溝が、曲率半径(真直度)について上述の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、100%である。
一般的に、比較的草の長い状態で打球した際には、打点位置が上方になる傾向がある。この場合、比較的重心位置が低いゴルフクラブにおいては、重心よりも上の部分で打球する可能性が多くなる。このように重心よりも上の部分で打球すると、ギア効果によりバックスピン量が減少する。前述のように、比較的草の長い状態にて打球した際には、打球時にゴルフボールとフェース面との間に水分、草、または土等の異物が介入する可能性が高くなり、異物が介入した場合にはバックスピン量が減少する。このため、結果的に、よりバックスピン量が減少することになる。これにより、打球がより不安定に飛翔することになり、飛距離が不安定になる可能性が高い。このようなことから、バックスピン量の減少を抑制するために、重心高さFGHが22mm以下であるゴルフクラブにおいては、本発明のゴルフクラブの構成とすることがより好ましい。
なお、本発明において、重心高さFGHにおける下限値は、特に限定されるものではないが、ゴルフクラブヘッドの形状、および質量配分などにより、10mm程度が下限値と考えられる。
なお、本発明においては、ロフト角度の上限値は、特に限定されるものではないが、ゴルフクラブヘッドの形状および要求性能などにより、70°程度が上限値と考えられる。
また、本発明における第1の溝群32の第1の溝32a〜32f、および第2の溝群34の第2の溝34aのいずれの範囲に入らない他の溝または他の溝群を更に形成してもよい。
また、装飾の目的で、第1の溝群32の第1の溝32a〜32f、および第2の溝群34の第2の溝34aを適宜形成してもよい。さらに、例えば、ゴルフ規則内にて規定される範囲内にて効果的に、各溝群を配置する一般的な形態として、直線状の溝部を平行に形成する。この場合、特に、アイアンゴルフクラブの場合には、フェース面が台形状であるため、フェース面のソール部側から一定位置までは同じ長さの平行な溝を形成し、一定位置よりも上部には、溝が上部になるに従って徐々に短くなるように形成することができる。
さらに、本発明のゴルフクラブにおいては、第1の溝群32の第1の溝32a〜32f、および第2の溝群34の第2の溝34a以外にもフェース面に、その他の溝、およびパンチマークを設けてもよい。
また、本発明においては、第1の溝群32の第1の溝32a〜32fの総長さは、好ましくは、400〜1200mmである。さらに、第2の溝群34の第2の溝34aの総長さは、好ましくは、200〜1200mmである。
重心高さFGHは、図6に示すように、重心Gを通るフェース面20aに垂直な垂線Lがフェース面20aと交わる点gを定め、フェース面20aがゴルフクラブヘッド12に設定されている所定のロフト角度θになるように水平面Hに配置したとき、すなわち、ゴルフクラブ10を水平面Hに通常のアドレスポジションに設置したときの水平面Hから点gに至る高さをいう。
なお、図7は、ゴルフクラブをアドレスポジションに設置する状態を説明するための模式図であり、水平面Hの鉛直上方から見た図を示すものである。
なお、ソール部22のラウンドが不明瞭でかつスコアラインが直線状でない等により水平面Hとの平行が判別できない場合は、ライ角度は、ライ角度(度)=(100−クラブ長さ(インチ))にて設定される。例えば、40インチのクラブ長さであれば、ライ角度は100−40=60°になる。
アドレスポジションにおいて、リーディングエッジ13aの方向はフェース面20aが指す方向と直角な方向に設定される。
ロフト角度θの測定は、上述のように、ゴルフクラブによって測定する他、ゴルフクラブヘッド単体にシャフトピンを差し込んで測定することも可能である。ゴルフクラブヘッド単体で測定して得られるロフト角度θの数値は、上述のゴルフクラブによって測定して得られるロフト角度θと実質的に同じである。
図14は、本発明のゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブの第2実施形態を示す模式的平面図であり、図15は、図14に示す第2実施形態のゴルフクラブヘッドの要部拡大図である。図14に示すゴルフクラブ10aにおいては、グリップ18(図1参照)の図示を省略している。
なお、本実施形態においては、図1〜図4に示す第1実施形態のゴルフクラブと同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のゴルフクラブ10a(ゴルフクラブヘッド12a)は、第2の溝群70の第2の溝70aのそれぞれがソール部22から上方に向かうにつれて、ヒール側(ホーゼル部24側)からトウ側に向って斜めに延びるように形成されている。これら第2の溝群70の第2の溝70aのそれぞれが、水平仮想直線HLとのなす角度βが90°未満であり、45°〜90°である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施例においては、下記表1、2に示す実験例1〜実験例36のゴルフクラブについて、打球の飛距離(キャリー飛距離+ロール飛距離のトータルの飛距離(m))を評価項目として、評価試験を行った。評価結果を下記表1、2に示す。
また、評価の基準とする基準例についても、打球の飛距離の評価試験を行った。
なお、下記表2の「※注1」は、角度γが90°の第2の溝と、85°の第2の溝とをヒール部からトウ部側に向かって交互に配置したことを示すものである。
また、下記表2の「※注2」は、第2の溝がソール部側から上部にかけて17.5μm〜22.5μmに徐々に深さが深く形成され、さらにソール部側から上部にかけて17.5μm〜22.5μmと徐々に幅が広く形成されていることを示す。
また、下記表2の「※注3」は、角度βは、角度γ−角度αで表わすことができるものであり、角度γが90°の第2の溝と、85°の第2の溝とをヒール部からトウ部側に向かって交互に配置されたものであるため、角度βも90°と85°との2種類であることを示す。
また、本実施例においては、特に断りがないかぎり、ゴルフボールに横浜ゴム社製 TRX(商品名)ボールを用いた。
また、本実施例においては、第1の溝32aおよび第2の溝34aの幅および深さは、接触式表面粗さ測定機(例えば、株式会社ミツトヨ サーフテストSJ−301)を用いて、第1の溝32aおよび第2の溝34aの各溝を1つずつ、各溝の長辺、または仮想中心線に対する垂直な断面方向について測定した。
実験例10、11は、それぞれ、第1の溝の深さが250、350μmであった。
実験例12、13は、それぞれ、第2の溝の幅が45、80μmであった。
実験例14、15は、それぞれ、第2の溝の深さが35、45μmであった。
実験例26、27は、それぞれ、第2の溝の幅が3、110μmであった。
実験例28、29は、それぞれ、第2の溝の深さが3、60μmであった。
実験例31は、第1の溝の深さが180μmであった。
実験例32は、第1の溝の幅が220μmであった。
実験例17〜19、33は、それぞれ、第1の溝の総長さが、300、430、900、230mmであった。
実験例20〜22、34は、それぞれ、第2の溝の総長さが、130、300、800、90mmであった。
実験例23は、第1の溝の総長さが377mmであり、間隔が4.5mmであった。
実験例24は、第2の溝の総長さが240mmであり、間隔が6.5mmであった。
実験例36は、第2の溝の深さがソール部側から上部にかけて17.5μm〜22.5μmと徐々に深くなるよう形成されており、さらに幅がソール部側から上部にかけて17.5μm〜22.5μmと徐々に広くなるように形成したものである。
なお、実験例1〜36および基準例においては、実験例35、36以外は、断面形状が変化するものではなく、所定の寸法で形成された一定の断面形状である。
なお、ゴルフボールを打撃する際の条件は、芝の長さが15mm、45mmの2種類とした。下記表1に芝の長さが15mmの評価結果を標準偏差1に示し、芝の長さが45mmの評価結果を標準偏差2に示す。
さらに、下記表1および表2に示す「指数」は、基準例の割合を、各実験例の割合で除して100を掛けて得られた値である。すなわち、「指数」は、基準例を100として、各実験例について、どの程度の結果が得られているかを示すものである。この「指数」の数値が大きい程、条件(芝の条件)に左右されなることなく比較的安定した飛距離を得ることができると評価した。
実験例1〜実験例4、25は、角度βだけが異なるものであり、実験例1は角度βが90°、実験例2は角度βが80°、実験例3は角度βが65°、実験例4は角度βが50°、実験例25は角度βが40°であった。
実験例25よりも実験例4が、実験例4よりも実験例3が、実験例3よりも実験例2が、実験例2よりも実験例1が角度βにおいて好ましく、また、実験例1〜3は、角度βが好ましい範囲にあるため、実験例4、25よりも割合が小さく、すなわち、指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、実験例25は、角度βが本発明の範囲から外れており、割合が大きく、すなわち、指数が小さく、比較的安定した飛距離が得られなかった。
さらに、実験例30は、角度αが本発明の範囲から外れており、割合が大きく、すなわち、指数が小さく、比較的安定した飛距離が得られなかった。
実験例32よりも実験例7が、実験例7よりも実験例8が、実験例8よりも実験例9が、実験例9よりも実験例1が第1の溝の幅において好ましく、実験例1、8、9は第1の溝の幅が好ましい範囲にあるため、実験例7、32よりも割合が小さく、すなわち、指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、実験例32は、第1の溝の幅が本発明の範囲から外れており、割合が大きく、すなわち、指数が小さく、比較的安定した飛距離が得られなかった。
実験例31よりも実験例10が、実験例10よりも実験例11が、実験例11よりも実験例1が第1の溝の深さにおいて好ましく、実験例1、11は第1の溝の深さが好ましい範囲にあるため、実験例10、31よりも割合が小さく、すなわち、指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、実験例31は、第1の溝の深さが本発明の範囲から外れており、割合が大きく、すなわち、指数が小さく、比較的安定した飛距離が得られなかった。
実験例26、27よりも実験例13が、実験例13よりも実験例12が、実験例12よりも実験例1が第2の溝の幅において好ましく、実験例12は第2の溝の幅が好ましい範囲にあり、実験例1は第2の溝の幅がより好ましい範囲にある。実験例1、12、13、26、27のうち、実験例1が最も割合が小さく、次いで、実験例12の割合が小さく、すなわち、実験例1が最も指数が大きく、次いで、実験例12の指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、実験例26、27は、第2の溝の幅が本発明の範囲から外れており、割合が大きく、すなわち、指数が小さく、比較的安定した飛距離が得られなかった。
実験例28、29よりも実験例15が、実験例15よりも実験例14が、実験例14よりも実験例1が第2の溝の深さにおいて好ましく、実験例14は第2の溝の深さが好ましい範囲にあり、実験例1は第2の溝の深さがより好ましい範囲にある。実験例1、14、15、28、29のうち、実験例1が最も割合が小さく、次いで、実験例14の割合が小さく、すなわち、実験例1が最も指数が大きく、次いで、実験例14の指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、実験例28、29は、第2の溝の深さが本発明の範囲から外れており、割合が大きく、すなわち、指数が小さく、比較的安定した飛距離が得られなかった。
実験例33よりも実験例17が、実験例17よりも実験例18が、実験例18よりも実験例1が、実験例1よりも実験例19が第1の溝の総長において好ましく、実験例1、18、19は第1の溝の総長が好ましい範囲にある。実験例1、17、18、19、33のうち、実験例19が最も割合が小さく、次いで、実験例1、実験例18の順で割合が小さく、すなわち、実験例19が最も指数が大きく、次いで、実験例1、実験例18の順で指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、実験例33は、第1の溝の総長が本発明の範囲から外れており、割合が大きく、すなわち、指数が小さく、比較的安定した飛距離が得られなかった。
実験例34よりも実験例20が、実験例20よりも実験例21が、実験例21よりも実験例1が、実験例1よりも実験例22が第2の溝の総長において好ましく、実験例1、21、22は第2の溝の総長が好ましい範囲にある。実験例1、20、21、22、34のうち、実験例22が最も割合が小さく、次いで、実験例1、実験例21の順で割合が小さく、すなわち、実験例1が最も指数が大きく、次いで、実験例22、実験例21の順で指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、実験例34は、第2の溝の総長が本発明の範囲から外れており、割合が大きく、すなわち、指数が小さく、比較的安定した飛距離が得られなかった。
本実施例においては、下記表3に示す実験例40、41のゴルフクラブについて、打球の飛距離(キャリー飛距離+ロール飛距離のトータルの飛距離(m))を評価項目として、評価試験を行った。評価結果を下記表3に示す。
また、評価の基準とする基準例10、11についても、打球の飛距離の評価試験を行った。
また、本実施例においては、特に断りがないかぎり、ゴルフボールに横浜ゴム社製 TRX(商品名)ボールを用いた。
また、本実施例においては、第1の溝および第2の溝の幅および深さは、接触式表面粗さ測定機(例えば、株式会社ミツトヨ サーフテストSJ−301)を用いて、第1の溝および第2の溝の各溝を1つずつ、各溝の長辺、または仮想中心線に対する垂直な断面方向について測定した。
なお、打球の飛距離の評価試験については、上述の実施例1(実験例1等)と同様に実施した。また、上述の実施例1(実験例1等)と同様に、標準偏差1および標準偏差2を求め、下記表3に示す「割合」を求めた。この割合の結果による評価は、上述の実施例1(実験例1等)と同様に行った。
さらに、上述の実施例1(実験例1等)と同様に、下記表3に示す「指数」も求めた。この指数の結果による評価は、上述の実施例1(実験例1等)と同様に行った。
実験例40は、上記実験例1に比して、FGHが21.5mmである点が異なり、それ以外の構成は、実験例1と同様の構成である。
基準例11は、上記基準例に比して、FGHが22.5mmである点が異なり、それ以外の構成は、基準例と同様の構成である。
実験例41は、上記実験例1に比して、FGHが22.5mmである点が異なり、それ以外の構成は、実験例1と同様の構成である。
また、FGHが22.5mmにおいては、基準例11よりも実験例41の方が、第2の溝が形成されており、実験例41は、基準例11よりも割合が小さく、すなわち、指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、実験例41(FGH:22.5mm)と基準例11(FGH:22.5mm)との指数の差よりも実験例40(FGH:21.5mm)と基準例10(FGH:21.5mm)との指数の差が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。このように、本発明においては、特に、重心高さFGHが22mm以下である比較的重心位置が低いゴルフクラブにおいて大きな効果が得られた。
本実施例においては、下記表4に示す実験例50、51のゴルフクラブについて、打球の飛距離(キャリー飛距離+ロール飛距離のトータルの飛距離(m))を評価項目として、評価試験を行った。評価結果を下記表4に示す。
また、評価の基準とする基準例20、21についても、打球の飛距離の評価試験を行った。
また、本実施例においては、特に断りがないかぎり、ゴルフボールに横浜ゴム社製 TRX(商品名)ボールを用いた。
また、本実施例においては、第1の溝および第2の溝の幅および深さは、接触式表面粗さ測定機(例えば、株式会社ミツトヨ サーフテストSJ−301)を用いて、第1の溝および第2の溝の各溝を1つずつ、各溝の長辺、または仮想中心線に対する垂直な断面方向について測定した。
なお、打球の飛距離の評価試験については、上述の実施例1(実験例1等)と同様に実施した。また、上述の実施例1(実験例1等)と同様に、標準偏差1および標準偏差2を求め、下記表3に示す「割合」を求めた。この割合の結果による評価は、上述の実施例1(実験例1等)と同様に行った。
さらに、上述の実施例1(実験例1等)と同様に、下記表3に示す「指数」も求めた。この指数の結果による評価は、上述の実施例1(実験例1等)と同様に行った。
実験例50は、上記実験例1に比して、ロフト角度が46°である点が異なり、それ以外の構成は、実験例1と同様の構成である。
基準例21は、上記基準例に比して、ロフト角度が44°である点が異なり、それ以外の構成は、基準例と同様の構成である。
実験例51は、上記実験例1に比して、ロフト角度が44°である点が異なり、それ以外の構成は、実験例1と同様の構成である。
また、ロフト角度が44°においては、基準例21よりも実験例51の方が、第2の溝が形成されており、実験例51は、基準例21よりも割合が小さく、すなわち、指数が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。
さらに、ロフト角度が44°の実験例51と基準例21との指数の差よりもロフト角度が46°の実験例50と基準例20との指数の差が大きく、比較的安定した飛距離が得られた。このように、本発明においては、特に、ロフト角度が45°以上であるゴルフクラブにおいて大きな効果が得られた。
12、12a ゴルフクラブヘッド
14 ソケット
16 ゴルフクラブシャフト
18 グリップ
20 フェース部
20a フェース面
22 ソール部
24 ホーゼル部
32、36、72 第1の溝群
32a〜32f、72a 第1の溝
34、70 第2の溝群
34a、70a 第2の溝
H 水平面
HL 水平仮想線
Claims (7)
- ゴルフボールを打撃するフェース面を有し、前記フェース面が所定のロフト角度に形成されているゴルフクラブヘッドであって、
前記フェース面上に、深さが200〜600μm、幅が250〜1000μmである第1の溝が複数形成されてなる第1の溝群と、
前記フェース面上に、深さが5〜50μm、幅が5〜100μmである第2の溝が複数形成されてなる第2の溝群とを有し、
前記第1の溝群の各第1の溝の長さの総長さは、250〜1200mmであり、前記第2の溝群の各第2の溝の長さの総長さは、100〜1200mmであり、
さらに、前記第1の溝群の前記第1の溝と前記フェース面上における水平仮想線とのなす角度αが0°〜15°であり、かつ前記第2の溝群の前記第2の溝と前記水平仮想線とのなす角度βが45°〜90°であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記第1の溝群における前記各第1の溝の配置間隔は、1.5〜4.0mmである請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記第2の溝群における前記各第2の溝の配置間隔は、1.0〜6.0mmである請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記第1の溝および前記第2の溝は、曲率半径が500mm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記フェース面が前記所定のロフト角度になるように水平面に配置した際、ゴルフクラブヘッドの重心を通る前記フェース面に垂直な垂線が前記フェース面に交わる点から前記水平面に至る重心高さをFGH(mm)とするとき、前記重心高さFGHが22mm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記ロフト角度は、45°以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
- 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドを有することを特徴とするゴルフクラブ。
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