JP2015107227A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することのできる、ゴルフクラブヘッドを提供する。【解決手段】フェース面2に複数のスコアライン3と複数の微小溝4を形成した。微小溝4をスコアライン3から離間してスコアライン3と直交する方向に形成した。スコアライン3と平行かつフェース面2に垂直であって微小溝4が形成された部分の断面を観察したときに、微小溝4の断面における平均幅を100μm以下とし、微小溝4の断面における平均ピッチを100μm以下とした。毛細管現象により水分の排出が促進され、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。非降雨時においては、フェース面にボールの削りカスが付着することがなく、バックスピン量の変化を確実に抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフクラブヘッドに関する。
ゴルフボールをゴルフクラブで打球すると、ボールにはバックスピンが付与される。バックスピン量は、ボールの飛距離や弾道に大きな影響を及ぼすため、打球条件によらずにできるだけ一定量となることが望ましい。バックスピン量が打球条件によらずに一定量となれば、常に狙った位置に打球することが可能となるからである。
しかし、降雨などにより、ボールとの接触面であるゴルフクラブヘッドのフェース面が濡れてしまうと、バックスピン量が大きく変化してしまうという問題があった。なお、バックスピン量の変化は、ドライバーでは、乾いた状態よりも濡れた状態で増加し、ウェッジでは、反対に濡れた状態で大きく減少する。
ここで、ゴルフクラブヘッドのフェース面には、バックスピン量を安定させるために、スコアラインと呼ばれる複数本の溝が、ゴルフクラブヘッドのトウ−ヒール方向に施されているのが一般的である。しかし、スコアラインの形状等は厳格にルールで規定されているため、スコアラインの形状等を工夫することによって、降雨時におけるバックスピン量の変化を抑制することには限界があった。
また、このような問題を解決するために、フェース面に200〜800μmの幅を有する細溝を施すことが提案されている(特許文献1)。従来、フェース面に施される細溝は、幅広の方が排水効果が高いと考えられてきた。しかし、このような比較的幅広な細溝を施しても、降雨時におけるバックスピン量の変化を抑制する十分な効果が得られているとはいえないことが実験によって分かった。
そして、上記問題点に鑑み、本発明者らはフェース面に平均幅が100μm以下の微小溝を形成したゴルフクラブヘッドを提案した(特許文献2)。このゴルフクラブヘッドによれば、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができた。しかしながら、非降雨時においては、フェース面にボールの削りカスが付着することによりバックスピン量が変化してしまう、という新たな問題が生じることが分かった。
特開2011−234748号公報 特開2013−169413号公報
そこで本発明では上記問題点に鑑み、降雨時、非降雨時の両方において、バックスピン量の変化を確実に抑制することのできる、ゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
本発明のゴルフクラブヘッドは、フェース面に複数のスコアラインと複数の微小溝が形成されたゴルフクラブヘッドであって、前記微小溝は隣接する前記スコアライン間の平坦な部分に形成されるとともに、前記スコアラインと平行かつ前記フェース面に垂直であって前記微小溝が形成された部分の断面を観察したときに、前記微小溝の前記断面における平均幅が100μm以下であって、前記微小溝の前記断面における平均ピッチが100μm以下であることを特徴とする。
また、前記微小溝は前記スコアラインと略直交する方向に形成されたことを特徴とする。
また、前記微小溝の前記断面における平均幅が50μm以下であって、前記微小溝の前記断面における平均ピッチが50μm以下であることを特徴とする。
また、前記微小溝は、少なくとも前記ゴルフクラブヘッドの重心から前記フェース面に下ろした垂線と前記フェース面との交点の近傍に形成されたことを特徴とする。
また、前記微小溝は、前記スコアラインから離間して形成され、前記断面の任意の距離Lの範囲において、前記微小溝により形成される凸の数をn、前記微小溝により形成される凹凸の高度差の平均値をd、表面粗さをRaとしたときに、n>L/100(μm)、0<d<30(μm)、2<Ra<5(μm)の関係を満足することを特徴とする。
また、前記微小溝は、レーザー加工を含む工程により形成されたことを特徴とする。
また、前記ゴルフクラブヘッドは、素地と、前記素地上に施された第1のめっき層と、前記第1のめっき層上に施された第2のめっき層とを備え、前記微小溝は、前記第1のめっき層にレーザー加工により溝を施し、その上に第2のめっき層を施すことで形成されたことを特徴とする。
フェース面に複数のスコアラインと複数の微小溝が形成されたゴルフクラブヘッドであって、前記微小溝は隣接する前記スコアライン間の平坦な部分に形成されるとともに、前記スコアラインと平行かつ前記フェース面に垂直であって前記微小溝が形成された部分の断面を観察したときに、前記微小溝の前記断面における平均幅が100μm以下であって、前記微小溝の前記断面における平均ピッチが100μm以下であることにより、毛細管現象により水分の排出が促進され、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。また、非降雨時においては、前記微小溝の向きとボールのバックスピンの向きがほぼ一致するように構成可能であるため、フェース面にボールの削りカスが付着しにくくなり、バックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝は前記スコアラインと略直交する方向に形成されたことにより、非降雨時において、前記微小溝の向きとボールのバックスピンの向きが略一致することによりフェース面にボールの削りカスが付着しにくくなり、バックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝の前記断面における平均幅が50μm以下であって、前記微小溝の前記断面における平均ピッチが50μm以下であることにより、微小溝を細く密に形成して、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝は、少なくとも前記ゴルフクラブヘッドの重心から前記フェース面に下ろした垂線と前記フェース面との交点の近傍に形成されたことにより、ボールとの接触面に微小溝を形成して、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝は、前記スコアラインから離間して形成され、前記断面の任意の距離Lの範囲において、前記微小溝により形成される凸の数をn、前記微小溝により形成される凹凸の高度差の平均値をd、表面粗さをRaとしたときに、n>L/100(μm)、0<d<30(μm)、2<Ra<5(μm)の関係を満足することにより、毛細管現象により水分の排出が促進され、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝は、レーザー加工を含む工程により形成されたことにより、容易に微小溝を形成することができる。
また、前記ゴルフクラブヘッドは、素地と、前記素地上に施された第1のめっき層と、前記第1のめっき層上に施された第2のめっき層とを備え、前記微小溝は、前記第1のめっき層にレーザー加工により溝を施し、その上に第2のめっき層を施すことで形成されたことにより、フェース表面の美感を向上することができる。
実施例1のゴルフクラブヘッドの正面図である。 実施例1のゴルフクラブヘッドのフェース面の断面図である。 実施例1のゴルフクラブヘッドのバックスピン量を示すグラフである。 実施例1のゴルフクラブヘッドのバックスピン量の変化を示すグラフである。 実施例2のゴルフクラブヘッドの正面図である。 実施例2のゴルフクラブヘッドのフェース面の断面図である。 実施例2のゴルフクラブヘッドのバックスピン量を示すグラフである。 実施例3のゴルフクラブヘッドのバックスピン量を示すグラフである。 実施例4のゴルフクラブヘッドの正面図である。
以下、本発明のゴルフクラブヘッドの実施例について、添付した図面を参照しながら説明する。
本実施例のゴルフクラブヘッドを示す図1において、1はアイアン型のゴルフクラブヘッドであり、ゴルフクラブヘッド1のフェース面2には、複数のスコアライン3が相互に平行に形成されている。また、フェース面2には、スコアライン3と直交する方向に複数の微小溝4が形成されている。この微小溝4は、スコアライン3とは干渉しないように、隣接するスコアライン3間の平坦な部分にスコアライン3から離間して形成されている。すなわち、微小溝4は、スコアライン3内に入り込まないように形成されている。
なお、本実施例において微小溝4はスコアライン3と直交する方向に形成されているが、これに限らず、スコアライン3と斜めに交差する方向に形成されていてもよい。例えば、微小溝4は、スコアライン3と直交する方向と、スコアライン3と直交する方向からトウ側(シャフトが接続していない側)へ30°傾いた方向の間における、任意の方向に形成することができる。
また、微小溝4が形成される領域において、微小溝4は、隣接するスコアライン3間の平坦部の面積の50%以上の領域を占めるように形成するのが好ましい。なお、50%未満では、バックスピン量の変化を確実に抑制することが困難になるため、好ましくない。
ここで、図1に示すように、スコアライン3と平行かつフェース面2に垂直であって微小溝4が形成された部分の断面をA−A’とする。以下、微小溝4の幅などの形状についての説明は、この断面A−A’に基づくものとする。
この断面A−A’は、図2に示すようになっており、この断面を観察したときに、微小溝4のこの断面における平均幅は100μm以下となっているとともに、微小溝4のこの断面における平均ピッチは100μm以下となっている。より好ましくは、微小溝4のこの断面における平均幅は50μm以下、平均ピッチは50μm以下となっている。そして、微小溝4の凹凸は規則的に形成されている。ここで、微小溝4の平均幅が100μmを超え、平均ピッチが100μmを超えると、フェース面2を水で濡らしたウェット条件において、ボールを打撃したときのボールのバックスピン量が大きく低下するため、微小溝4の平均幅は100μm以下、平均ピッチは100μm以下とするのが好ましい。
なお、本実施例においては、スコアライン3が設けられた領域全体に微小溝4を設けているが、これに限らず、微小溝4は少なくともゴルフクラブヘッド1の重心からフェース面2に下ろした垂線とフェース面2との交点の近傍、すなわち、打撃時のボールとの接触領域に形成されていればよい。
また、より詳細には、図2に示す断面において、任意の距離Lの範囲における微小溝4により形成される凸の数をn、微小溝4により形成される凹凸の高度差の平均値をd、微小溝4が形成された領域における表面粗さをRaとしたときに、n>L/100(μm)、0<d<30(μm)、2<Ra<5(μm)の関係を満足するように微小溝4は形成されている。なお、図中、W1、W2、W3、・・・、Wnは、任意の距離Lの範囲における微小溝4により形成される凸を示し、d1、d2、d3、・・・、dnは、この断面におけるそれぞれの微小溝4により形成される凹凸の高度差を示している。
微小溝4は、レーザー加工を含む工程により形成される。具体的には、まず、ゴルフクラブヘッド1の素地を研磨し、この素地上に第1のめっき層としてのニッケルめっき層を例えば20μmの厚さで形成する。つぎに、このニッケルめっき層にレーザー加工により溝を施す。その後、その上に第2のめっき層としてのクロムめっき層を例えば5μmの厚さで形成する。このような工程により、微小溝4が形成される。なお、本実施例は、ニッケルめっき層にレーザー加工を施したが、これに限らず、素地やクロムメッキ層にレーザー加工を施すことにより、微小溝4を形成するようにしてもよい。すなわち、本実施例では、研磨、ニッケルめっき、レーザー加工による凹凸形成、クロムメッキの順の工程で微小溝が形成されるが、これに限らず、研磨、レーザー加工、ニッケルめっき、クロムめっきの順としてもよく、或いは、研磨、ニッケルめっき、クロムめっき、レーザー加工の順としてもよい。
実際に作成した本実施例のゴルフクラブヘッドについて、打撃時のボールのバックスピン量を評価した。微小溝をスコアラインと直交する方向に形成した本実施例のゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブ(実施例1)と、比較例として微小溝を形成していないゴルフクラブヘッド(比較例1)、微小溝をスコアラインと平行に形成したゴルフクラブヘッド(比較例2)を備えたゴルフクラブをそれぞれ用意した。なお、ゴルフクラブの番手はロフト角56°のウェッジとし、微小溝の有無や向きのほかは、本実施例と比較例において、すべて同じ条件とした。なお、微小溝が形成された領域における表面粗さは、実施例1:Ra=3.8、Rt=16、比較例1:Ra=0.5、Rt=4.8、比較例2:Ra=4.2、Rt=19であった。また、微小溝の幅は50μm、ピッチは50μm、深さは20μm、スコアラインの幅は0.88mm、ピッチは3.5mmであった。そして、それぞれのゴルフクラブについて、フェース面が乾燥したドライ条件と、フェース面を水で濡らしたウェット条件にて、スウィングロボットを用いて評価を行った。その結果を図3に示す。
フェース面が乾燥したドライ条件において、実施例1のバックスピン量は8541rpm、比較例1では8409rpm、比較例2では8558rpmであり、バックスピン量にほとんど差が見られなかった。
一方、フェース面を水で濡らしたウェット条件において、実施例1のバックスピン量は7410rpm、比較例1では4719rpm、比較例2では6951rpmであり、微小溝を形成していない比較例1においてバックスピン量が56%、微小溝をスコアラインと平行に形成した比較例2においては81%に低下したのに対し、実施例1においてバックスピン量は87%に低下したに過ぎなかった。
また、フェース面が乾燥したドライ条件において、連続して複数のボールを打撃したところ、図4に示すように、比較例2においてボールの打撃数の増加に伴いバックスピン量が徐々に低下する現象がみられた。そこで、フェース面を観察したところ、ボール打撃部分にボールの削りカスが付着していた。一方、実施例1においては、連続して複数のボールを打撃してもバックスピン量が低下することはほとんどなく、フェース面に付着したボールの削りカスの量も少なかった。これは、微小溝の方向とボールのバックスピンの方向がほぼ一致していることにより、フェース面にボールの削りカスが付着しにくくなっているものと思われる。
したがって、本実施例のゴルフクラブヘッド1によれば、降雨時のウェット条件、非降雨時のドライ条件の両方において、バックスピン量の変化を確実に抑制することができることが実証された。
以上のように、本実施例のゴルフクラブヘッドは、フェース面2に複数のスコアライン3と複数の微小溝4が形成されたゴルフクラブヘッド1であって、前記微小溝4は前記スコアライン3から離間して前記スコアライン3と直交する方向に形成されるとともに、前記スコアライン3と平行かつ前記フェース面2に垂直であって前記微小溝4が形成された部分の断面を観察したときに、前記微小溝4の前記断面における平均幅が100μm以下であって、前記微小溝4の前記断面における平均ピッチが100μm以下であることにより、毛細管現象により水分の排出が促進され、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。また、非降雨時においては、前記微小溝の向きとボールのバックスピンの向きが略一致することによりフェース面にボールの削りカスが付着しにくくなり、バックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝4の前記断面における平均幅が50μm以下であって、前記微小溝の前記断面における平均ピッチが50μm以下であることにより、微小溝を細く密に形成して、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝4は、少なくとも前記ゴルフクラブヘッド1の重心から前記フェース面2に下ろした垂線と前記フェース面2との交点の近傍に形成されたことにより、ボールとの接触面に微小溝を形成して、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝4は、隣接する前記スコアライン3間の平坦な部分に形成され、前記断面の任意の距離Lの範囲において、前記微小溝4により形成される凸の数をn、前記微小溝4により形成される凹凸の高度差の平均値をd、表面粗さをRaとしたときに、n>L/100(μm)、0<d<30(μm)、2<Ra<5(μm)の関係を満足することにより、毛細管現象により水分の排出が促進され、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、前記微小溝4は、レーザー加工を含む工程により形成されたことにより、容易に微小溝を形成することができる。
また、前記ゴルフクラブヘッド1は、素地と、前記素地上に施された第1のめっき層としてのニッケルめっき層と、前記ニッケルめっき層上に施された第2のめっき層としてのクロムめっき層を備え、前記微小溝4は、前記ニッケルめっき層にレーザー加工により溝を施し、その上にクロムめっき層を施すことで形成されたことにより、フェース表面の美感を向上することができる。
本実施例のゴルフクラブヘッドは、図5、図6に示すように、微小溝4を一定間隔で間引きしたほかは、上記実施例1と同じである。
本実施例の微小溝4は、図6に示すように、連続して15本の微小溝を形成した後、微小溝3本分の間隔を空けて、再び連続して15本の微小溝を形成し、再び微小溝3本分の間隔を空ける、というようにして形成されている。これにより、フェース面2には、一定間隔で微小溝が形成されていない領域が存在している。
実際に作成した本実施例のゴルフクラブヘッドについて、打撃時のボールのバックスピン量を評価した。一定間隔で間引きした微小溝をスコアラインと直交する方向に形成した本実施例のゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブ(実施例2)と、比較例として微小溝を形成していないゴルフクラブヘッド(比較例1)、微小溝をスコアラインと平行に形成したゴルフクラブヘッド(比較例2)を備えたゴルフクラブをそれぞれ用意した。なお、ゴルフクラブの番手はロフト角56°のウェッジとし、微小溝の有無や向きのほかは、本実施例と比較例において、すべて同じ条件とした。なお、微小溝が形成された領域における表面粗さは、実施例2:Ra=2.9、Rt=17、比較例1:Ra=0.5、Rt=4.8、比較例2:Ra=4.2、Rt=19であった。また、微小溝の幅は50μm、ピッチは50μm、深さは20μm、スコアラインの深さは0.88mm、ピッチは3.5mmであった。そして、それぞれのゴルフクラブについて、フェース面が乾燥したドライ条件と、フェース面を水で濡らしたウェット条件にて、スウィングロボットを用いて評価を行った。その結果を図7に示す。
フェース面が乾燥したドライ条件において、実施例2のバックスピン量は8812rpm、比較例1では8409rpm、比較例2では8558rpmであり、バックスピン量にほとんど差が見られなかった。
一方、フェース面を水で濡らしたウェット条件において、実施例2のバックスピン量は7132rpm、比較例1では4719rpm、比較例2では6951rpmであり、微小溝を形成していない比較例1においてバックスピン量が56%に低下したのに対し、実施例2におけるバックスピン量は81%に低下したに過ぎなかった。なお、実施例2は微小溝が間引きされたことで微小溝の密度が低くなっており、これにより、比較例2と同等の数値となったと考えられる。
以上の本実施例のゴルフクラブヘッドは、上記実施例1と同様に、フェース面2に複数のスコアライン3と複数の微小溝4が形成されたゴルフクラブヘッド1であって、前記微小溝4は前記スコアライン3から離間して前記スコアライン3と直交する方向に形成されるとともに、前記スコアライン3と平行かつ前記フェース面2に垂直であって前記微小溝4が形成された部分の断面を観察したときに、前記微小溝4の前記断面における平均幅が100μm以下であって、前記微小溝4の前記断面における平均ピッチが100μm以下であることにより、毛細管現象により水分の排出が促進され、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
また、微小溝4が一定間隔で間引されたことで、微小溝4が設けられた部分と設けられない部分でフェース面2の光沢が変化するため、より意匠性に優れたものとなる。
本実施例のゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッド1の素地にレーザー加工により微小溝4を施し、その後、ニッケルめっき層を20μmの厚さで形成し、その後、その上にクロムめっき層を5μmの厚さで形成したものであり、実施例1とは製造工程が異なるほかは、上記実施例1と同じである。なお、実施例1のゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッド1の素地上にニッケルメッキ層を20μmの厚さで形成し、つぎに、このニッケルめっき層にレーザー加工により溝を施し、その後、その上にクロムめっき層を5μmの厚さで形成したものである。
実際に作成した本実施例のゴルフクラブヘッドについて、打撃時のボールのバックスピン量を評価した。ゴルフクラブヘッドの素地に微小溝をスコアラインと直交する方向に形成した本実施例のゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブ(実施例3)と、比較例として微小溝を形成していないゴルフクラブヘッド(比較例1)を備えたゴルフクラブをそれぞれ用意した。なお、ゴルフクラブの番手はロフト角56°のウェッジとし、微小溝の有無のほかは、本実施例と比較例において、すべて同じ条件とした。なお、微小溝が形成された領域における表面粗さは、実施例3:Ra=3.4、Rt=20、比較例1:Ra=0.5、Rt=4.8であった。また、微小溝の幅は50μm、ピッチは50μm、深さは20μm、スコアラインの深さは0.88mm、ピッチは3.5mmであった。そして、それぞれのゴルフクラブについて、フェース面が乾燥したドライ条件と、フェース面を水で濡らしたウェット条件にて、スウィングロボットを用いて評価を行った。その結果を図8に示す。
フェース面が乾燥したドライ条件において、実施例3のバックスピン量は8868rpm、比較例1では8409rpmであり、バックスピン量にほとんど差が見られなかった。
一方、フェース面を水で濡らしたウェット条件において、実施例3のバックスピン量は6402rpm、比較例1では4719rpmであり、微小溝を形成していない比較例1においてバックスピン量が56%に低下したのに対し、実施例3におけるバックスピン量は72%に低下したに過ぎなかった。
本実施例のゴルフクラブヘッドは、図9に示すように、微小溝4が設けられている領域の外縁が略正三角形になっているほかは、上記実施例1と同じである。なお、この微小溝4が設けられている領域の中心近傍に、ゴルフクラブヘッド1の重心からフェース面2に下ろした垂線とフェース面2との交点が位置している。
以上の本実施例のゴルフクラブヘッドは、前記微小溝4は、少なくとも前記ゴルフクラブヘッド1の重心から前記フェース面2に下ろした垂線と前記フェース面2との交点の近傍に形成されたことにより、ボールとの接触面に微小溝を形成して、降雨時におけるバックスピン量の変化を確実に抑制することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
1 ゴルフクラブヘッド
2 フェース面
3 スコアライン
4 微小溝

Claims (7)

  1. フェース面に複数のスコアラインと複数の微小溝が形成されたゴルフクラブヘッドであって、前記微小溝は隣接する前記スコアライン間の平坦な部分に形成されるとともに、前記スコアラインと平行かつ前記フェース面に垂直であって前記微小溝が形成された部分の断面を観察したときに、前記微小溝の前記断面における平均幅が100μm以下であって、前記微小溝の前記断面における平均ピッチが100μm以下であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記微小溝は前記スコアラインと略直交する方向に形成されたことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記微小溝の前記断面における平均幅が50μm以下であって、前記微小溝の前記断面における平均ピッチが50μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記微小溝は、少なくとも前記ゴルフクラブヘッドの重心から前記フェース面に下ろした垂線と前記フェース面との交点の近傍に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記微小溝は、前記スコアラインから離間して形成され、前記断面の任意の距離Lの範囲において、前記微小溝により形成される凸の数をn、前記微小溝により形成される凹凸の高度差の平均値をd、表面粗さをRaとしたときに、
    n>L/100(μm)、
    0<d<30(μm)、
    2<Ra<5(μm)
    の関係を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記微小溝は、レーザー加工を含む工程により形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 素地と、前記素地上に施された第1のめっき層と、前記第1のめっき層上に施された第2のめっき層とを備え、前記微小溝は、前記第1のめっき層にレーザー加工により溝を施し、その上に第2のめっき層を施すことで形成されたことを特徴とする請求項6記載のゴルフクラブヘッド。
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