JP2007298151A - ダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 小径室15aと大径室15bとを一体的に連続させるとともに、上記小径室側に底部16を設け、上記大径室側に開口部17を設け、かつ、これら両室の境界部には、軸線に直交する大径室側の壁面15cを形成したケーシング15と、小径室15aに設けた第1のダンパ機構と、大径室15bに設けた第2のダンパ機構とからなり、第2回転体19の軸部25における小径室側端面の直径を上記小径室15aの内径以上とし、第2回転体19を大径室15bに組み込んだ状態で、上記第2回転体の軸部の小径室側端面が上記壁面15cと同一レベル、あるいは上記壁面15cよりも小径室側へ突出するとともに、第2回転体19の羽根部26端面が上記壁面15cに接触する構成にした。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に示す装置は、1つのケーシングの中央部に、ケーシングと一体に隔壁を形成し、この隔壁の両側に別々のダンパ機構を設けている。そして、各ダンパ機構の回転軸をケーシングの両端から、反対方向へ突出させたものである。このようなダンパ装置では、個々のダンパ機構を構成する部品をケーシングの両端の開口から別々に挿入するとともに、両側の開口を閉鎖しなければならない。このように、1つのケーシングに対して部品の挿入や取り付けを両側から行なわなければならず、組み立て作業性が悪いという問題や、さらに、回転軸がケーシングの両側に突出するため、全体として軸方向に大きな装置となってしまうという問題があった。
このダンパ装置は、一方のダンパ機構の回転軸に軸方向に貫通する貫通孔を形成し、この貫通孔に他方のダンパ機構の回転軸を貫通させて2つの回転軸を2重にし、この2重にした2本の回転軸を、ケーシングの一端から突出させている。そして、便座の回転軸と便蓋の回転軸とを2重にし、これら便座側の2重の回転軸とダンパ装置側の2重の回転軸とを接続して用いるようにするものである。
このダンパ装置は、図11のように、筒状のケーシング1の一方を塞いで底部2とし、他方を開口部3とするとともに、上記底部2と開口部3との中間に、軸に直行する面を有する仕切り部材4を設けている。この仕切り部材4は、図12に示すように円盤状の部材であるが、これによって、ケーシング1内を第1流体室1aと第2流体室1bとに区画している。そして、第1流体室1aには第1回転体5を、第2流体室1bには第2回転体6を設けるとともに、ケーシング1内に粘性流体を充填した状態で開口部3を蓋部材7で塞いでいる。
第1に、ケーシング1に対して、第1回転体5、仕切り部材4、第2回転体6を、それぞれ別々に開口部3から組み込む方法である。
まず、開口部3を上にしたケーシング1に、第1流体室1aにおいて必要な分量の流体を入れ、次に、第1回転体5を、その羽根部9が、突部13および突部10と衝突しないように位置合わせをして挿入する。次に、仕切り部材4の切り欠き4aを突部13に一致するようにして、仕切り部材4をケーシング1へ挿入する。さらに、第2流体室1bに必要な量の流体を充填し、第2回転体6を、羽根部12が突部13と衝突しない位置に合わせて挿入する。最後に蓋部材7を取り付ける。
上記の方法では、組み立て時の工数が多く、組み立てに時間がかかってしまう。
部品の挿入にあたって、第1回転体5は、その羽根部9とケーシング1の突部10とによって挿入角度が制限され、第2回転体6は、その羽根部12とケーシング1の突部13とによって挿入角度が制限される。また、特に、仕切り部材4は、上記切り欠き4aをケーシング1側の突部13に合わせなければならないが、これらが一致する位置は1点しかない。そのため、これら第1回転体5、仕切り部材4、第2回転体6の3つの部材を組み立ててからケーシング1に挿入するためには、上記3部材の相対角度位置を極めて厳格に決めて組み付ける必要がある。さらに、組み付け後は、上記3部材の位置関係が変わらないように維持したうえで、ケーシング1との位置も合わせて挿入しなければならない。従って、3つの部材を組み立てるためには、特殊な治具が必要になってしまう。つまり、特殊な治具を用意するために、コストがかかってしまうという問題があった。
第3の発明は、上記第2の発明を前提とし、小径室側に突出させた第2回転体の軸部と、この軸部に対抗する小径室内周との間に、小径室と大径室とを連通させる連通路を形成した点に特徴を有する。
従って、この発明によれば、ダンパ装置の組み立て工数が少なく、組み立ての作業性もよくなり、製造コストを抑えることができるようになる。
また、ケーシングに部品を挿入するための治具を用いないので、ケーシングに予め充填した流体が、治具に付着して外に出てしまうことがない。そのため、流体量がばらついて、ダンパ効果にばらつきが出てしまうようなこともない。
第3の発明によれば、小径室に第2回転体の軸部を挿入する場合にも、小径室が密閉状態になることがない。そのため、小径室に第2回転体の軸部を挿入して軸受けを構成する場合でも、部品の挿入がスムーズにでき、組み立て時の作業性を落とすことがない。
この第1実施形態のダンパ装置は、図1に示すように、筒状のケーシング15の一方を塞いで底部16とし、他方を開口部17とするとともに、上記底部16側を小径室15aとし、開口部17側を大径室15bとしている。そして、これら小径室15aと大径室15bと境界部には、軸線に直交する壁面15cを設けている。
また、上記小径室15aには第1回転体18を設け、大径室15bには第2回転体19を設けている。そして、ケーシング15内に粘性流体を充填した状態で開口部17を蓋部材20で塞ぐようにしている。
また、軸部21には、流体通路21a,21bを形成している。これらの流体通路21a,21bは、軸部21の軸方向位置をずらすとともに、180度位相をずらして形成されている。どちらの流体通路21a,21bも、大きな開口αと、小さな開口βとを備えた貫通孔である。そして、それぞれ上記羽根部22と突部23とで区画形成される圧力室24aと24b、圧力室24cと24dとの間を連通したり、その連通を遮断したりする機能を果たしている。
このように、流体通路21aによって両圧力室24a,24bが連通し、流体通路21bによって圧力室24cと24dが連通しているときには、回転が軽くなり、連通していないときには回転が重くなる。
そして、上記流体通路21a,21bが、隣り合う圧力室間を連通させていない状態では、圧縮される圧力室内の流体は、上記突部23と軸部21の外周面との隙間や、羽根部22と小径室15aの内周面との隙間を通って拡張する圧力室へ流れ、このときの流動抵抗が回転トルクとなる。
なお、この第1実施形態では、上記突部23と軸部21の外周面とで形成する隙間や、羽根部22と小径室15aの内周面とで形成する隙間が、この発明の圧力室の圧力を制御するダンピング機構を構成する。そして、このダンピング機構と、第1回転体18の羽根部22と、小径室15aの突部23とによってこの発明の第1のダンパ機構を構成している。
そして、この大径室15b内においても、上記小径室15aと同様に、上記羽根部26と突部28とによって区画形成される圧力室31a,31b,31c,31dの圧力が制御され、第2回転体19の回転方向や回転位置に応じてダンパ機能が発揮されるように構成している。
また、上記貫通孔25aには、第1回転体18の軸部21を貫通させている。このように、第1回転体18の軸部21を貫通孔25aに貫通させた状態で、第1、第2回転体18,19をケーシング15に組み込んだとき、図5に示すように、第2回転体19の羽根部26の端面がケーシングの壁面15cに当接し、突出部25cが小径室15a内に挿入され、軸部25が小径室15aで軸受けされるようにしている。
また、軸部25の突出部25cが小径室15aで軸受けされるため、第2回転体19の回転軸が安定する。この第1実施形態では、図1に示したように、軸部25の外周に設けたシール部材14の部分でも軸受けを構成しているが、このように、上記突出部25c以外の部分にも、軸受けを設ければ、2箇所で軸受けされることになり、回転軸がより安定することになる。
なお、図1中符号14は、シール部材であり、符号30は流体を示している。
また、図1において、第1回転体18の軸部21には、アダプタ29を接続し、このアダプタ29を介して、上記軸部21を、例えば、便蓋などの回転体に接続するようにしている。第1回転体の軸部21は、第2回転体19の軸部25の貫通孔25aを貫通するため、貫通孔25aの内径よりも太くできないが、組み付け後に、軸部25から突出した部分にアダプタ29を取り付ければ、回転軸を任意の太さにすることができる。
このダンパ装置を組み立てる時には、図7に示すように、第2回転体19に第1回転体18を組み付けて一体化した部品を予め作成し、ケーシング15に必要な流体の全量を充填してから、その中に上記部品を挿入することができる。
両回転体18,19は、それぞれの羽根部22、26が、ケーシング15内の突部23,28と衝突しないように挿入しなければならないが、ケーシング15内において、上記突部23や突部28以外の部分は、羽根部22,26と比べて十分に大きいので、各羽根部が突部に衝突しないように挿入することは簡単である。
しかし、第1実施形態のダンパ装置では、ケーシング15に溝15dを形成し、流体が小径室15aから大径室15bへ流れるようにしているため、第2回転体19をスムーズに挿入することができる。
なお、上記小径室15aと大径室15bとを連通させる連通路を形成しない場合には、連通路が形成されている場合と比べて、部品の挿入時に、挿入方向の力や時間が必要になるが、その場合でも、組み立て工数が少なく、治具を必要としないメリットは得られる。従って、上記溝15dなどで構成する連通路は必須の構成ではない。
この第2実施形態のダンパ装置も、小径室15a内には第1回転体18を備えた第1のダンパ機構を備えているが、この第1のダンパ機構は、上記第1実施形態の第1のダンパ機構と、構成も作用も同じである。
従って、仕切り部材の分の部品を減らすことができるとともに、第1実施形態と同様に、第1回転体18と第2回転体19とを一体化した部品を、流体を充填したケーシング15に挿入して、ダンパ装置を簡単に組み立てることができる。従って、第2実施形態のダンパ装置も組み立て性がよく、製造コストを低く抑えることができる。
さらに、第1のダンパ機構や第2のダンパ機構は、上記第1、第2実施形態の構成に限らない。軸部外周に設けた羽根部と、ケーシング内周に設けた突部とによって区画形成される圧力室の圧力を利用する構成であれば、どのようなものでもよい。
15a 小径室
15b 大径室
15c 壁面
15d 溝
16 底部
17 開口部
18 第1回転体
19 第2回転体
21 軸部
22 羽根部
23 突部
24a,24b、24c、24d 圧力室
25 軸部
25a 貫通孔
25b 切り欠き
25c 突出部
26 羽根部
27 弁体
28 突部
31a,31b,31c,31d 圧力室
Claims (3)
- 小径室と大径室とを一体的に連続させるとともに、上記小径室側に底部を設け、上記大径室側に開口部を設け、かつ、これら両室の境界部には、軸線に直交する大径室側の壁面を形成したケーシングと、小径室に設けた第1のダンパ機構と、大径室に設けた第2のダンパ機構とからなり、上記第1のダンパ機構は、上記小径室に組み込むとともに、軸部およびこの軸部外周に放射状に設けた羽根部からなり、上記ケーシングに対して相対回転自在にした第1回転体と、小径室内周に形成し、上記第1回転体の軸部外周を摺動する突部と、これら第1回転体の羽根部と小径室の突部とが相まって区画形成された圧力室と、この圧力室の圧力を制御するダンピング制御手段とからなり、第2のダンパ機構は、上記大径室に組み込むとともに、上記第1回転体の軸部が貫通する貫通孔を有する軸部および軸部の外周に放射状に設けた羽根部からなり、上記ケーシングおよび上記第1回転体と相対回転自在にした第2回転体と、上記大径室内周に形成し、第2回転体の軸部外周を摺動する突部と、これら羽根部とケーシングの突部とが相まって区画された圧力室と、この圧力室の圧力を制御するダンピング力制御手段とからなり、しかも、上記第2回転体の軸部における小径室側端面の直径を上記小径室の内径以上とし、第2回転体を大径室に組み込んだ状態で、上記第2回転体の軸部における小径室側端面が上記壁面と同一レベル、あるいは上記壁面よりも小径室側へ突出するとともに、第2回転体の羽根部端面が上記壁面に接触する構成にしたダンパ装置。
- 上記第2回転体の軸部を小径室に挿入して軸受けとする請求項1に記載のダンパ装置。
- 小径室側に突出させた第2回転体の軸部と、この軸部に対抗する小径室内周との間に、小径室と大径室とを連通させる連通路を形成した請求項2に記載のダンパ装置。
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