JP2007297240A - 砒素含有物の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】砒素含有物質を処理して砒素を効率的且つ容易に回収することができるとともに、再生されるアルカリ液への砒素の混入を防止して再利用可能なアルカリ液を効率的且つ容易に回収することができる、砒素含有物質の処理方法を提供する。
【解決手段】砒素含有物質をアルカリ溶液に加えてpH10以上にして酸化しながらアルカリ浸出した後に固液分離して得られた砒素を含む浸出液を冷却晶析することにより、砒素を回収するとともに、再利用可能なアルカリ液を回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、砒素含有物質の処理方法に関し、特に、非鉄製錬の製錬中間物などの砒素以外の各種の元素を含む砒素含有物質を処理して砒素を回収する方法に関する。
非鉄製錬において生成される各種の製錬中間物や製錬原料には、有価金属が含まれているが、砒素などの好ましくない元素も含まれている。
従来、砒素を含む製錬中間物などから砒素を分離して回収する方法としては、製錬中間物などを焼成することによってAsとして回収する方法が提案されている。しかし、この方法では、CO雰囲気の制御やAsの粉塵の回収などが技術的に容易ではなく、大規模な設備が必要である。
また、砒素を含む製錬中間物から砒素を浸出して分離する方法として、湿式反応により砒素を分離して回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、砒素を含む硫化物態の銅製錬中間物をスラリー化し、これに空気を吹き込みながらアルカリを添加し、スラリーの温度を50℃以上、pH5〜8に保持しながら浸出処理を行って、製錬中間物中の砒素を酸性砒酸塩として含有する溶液を生成し、この溶液と不溶解残渣を分離する第1工程と、この第1工程で得られた水溶液に消石灰を添加して、生成する砒酸カルシウム沈澱とアルカリの水溶液とを分離し、アルカリの水溶液を第1工程に再循環する第2工程と、この第2工程で得られた砒酸カルシウムの沈澱を硫酸に溶解し、得られた砒酸と石膏とを分離する第3工程と、この第3工程で得られた砒酸を亜硫酸ガスで還元し、得られた亜砒酸と硫酸溶液とを分離し、硫酸溶液を第3工程に再循環する第4工程とからなる。この特許文献1では、アルカリとして水酸化ナトリウムを使用した場合に砒素が酸化抽出される反応式として、以下の反応式を推定している。
As+3/2O+HO→2HAsO+3S (1)
HAsO+1/2O+NaOH→NaHAsO (2)
HAsO+1/2O+2NaOH→NaHAsO+HO (3)
As+6O+4HO→2HAsO+3HSO (4)
また、特許文献1には、抽出反応時のpHを高くして上記の反応式(4)に従ってもよいが、この反応式(4)に従うと、原料中の硫黄分が硫酸にまで酸化され、生成する硫酸を中和するために余分なアルカリの消費が行われるが、抽出反応時の水溶液のpHを5〜8に制御して反応式(1)に従って砒素を抽出すると、原料中の硫黄分は硫酸まで酸化されずに元素状態の硫黄でとどまるので、水溶液を中和するための余分なアルカリの消費を避けることができると記載されている。
しかし、反応式(1)の反応は極めて遅い反応であり、また、アルカリ溶液中におけるAsの酸化反応はアルカリ濃度が高いほど速くなるので(例えば、非特許文献1参照)、アルカリ濃度を高くして反応を速くすることが望ましい。
特公昭61−24329号公報(第1−3頁) 日本金属学会誌、第48巻、第3号(1984年)、267−272頁
しかし、上述したように、アルカリ濃度を高くすると反応式(4)に従って原料中の硫黄分が硫酸にまで酸化されて、生成する硫酸を中和するために余分なアルカリが必要になるので、使用したアルカリを効率的に回収することができる方法が望まれている。また、特許文献1の方法では、浸出処理後の溶液中に消石灰を添加してアルカリ溶液を分離回収しているが、消石灰を添加することによって工程が複雑になるため、浸出処理後の溶液中に消石灰などの添加物を添加することなく、砒素とアルカリを容易に分離する方法が望まれている。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、砒素含有物質を処理して砒素を効率的且つ容易に回収することができるとともに、再生されるアルカリ液への砒素の混入を防止して再利用可能なアルカリ液を効率的且つ容易に回収することができる、砒素含有物質の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、砒素含有物質をアルカリ溶液に加えてpH10以上にして酸化しながらアルカリ浸出した後に固液分離して得られた砒素を含む浸出液を冷却晶析することにより、砒素含有物質を処理して砒素を効率的且つ容易に回収することができるとともに、再生されるアルカリ液への砒素の混入を防止して再利用可能なアルカリ液を効率的且つ容易に回収することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による砒素含有物質の処理方法は、砒素含有物質をアルカリ溶液に加えてpH10以上にして酸化しながらアルカリ浸出した後に固液分離して砒素を含む浸出液を得る工程と、この浸出液を冷却して析出物を得た後に固液分離して、砒素とアルカリ金属の化合物を得るとともにアルカリ溶液を回収する工程とを備えたことを特徴とする。
この砒素含有物質の処理方法において、アルカリ溶液が水酸化ナトリウム溶液であるのが好ましく、水酸化ナトリウム溶液中の水酸化ナトリウム濃度が150〜300g/Lであるのが好ましい。また、砒素含有物質の酸化および浸出の際の温度が70℃以上であるのが好ましく、70〜98℃であるのがさらに好ましい。また、浸出液の冷却の際の温度が50℃以下であるのが好ましく、10℃以下であるのがさらに好ましい。さらに、浸出液の冷却の際に浸出液を撹拌するのが好ましい。また、砒素含有物質が、銅、亜鉛、鉄、インジウム、ガリウム、錫、アンチモン、鉛、カドミウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの少なくとも一種を含んでもよい。
本発明によれば、砒素含有物質を処理して砒素を効率的且つ容易に回収することができるとともに、再生されるアルカリ液への砒素の混入を防止して再利用可能なアルカリ液を効率的且つ容易に回収することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明による砒素含有物質の処理方法の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による砒素含有物質の処理方法の実施の形態を概略的に示す工程図である。図1に示すように、本発明による砒素含有物質の処理方法の実施の形態は、(1)砒素含有物質をアルカリ溶液に加えてpH10以上、好ましくはpH12以上にして酸化しながらアルカリ浸出した後に固液分離して砒素を含む浸出液を得るアルカリ浸出・酸化工程と、(2)この浸出液の冷却晶析を行った後に固液分離して砒素とアルカリ金属の化合物を得るとともにアルカリ溶液を回収する冷却晶析工程とを備えている。以下、これらの各工程について説明する。
なお、本実施の形態の砒素含有物質の処理方法によって処理する砒素含有物質としては、硫化砒素(As)やFeAsSなどの硫化物のように硫黄と砒素を含む物質を使用することができる。また、亜鉛製錬工程などにより得られる砒化銅(CuAs)を主成分とする残渣なども使用することができる。この砒化銅を主成分とする残渣には、亜鉛や鉄などの他にインジウムやガリウムなどの有価金属も含まれている。また、本実施の形態の砒素含有物質の処理方法によって処理する砒素含有物質は、砒素(As)と硫黄(S)の他に、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)およびカルシウム(Ca)の少なくとも一種を含んでもよい。
(1)アルカリ浸出・酸化工程
まず、上記の砒素含有物質を酸化剤とともにアルカリ溶液に添加してpH10以上、好ましくはpH12以上にし、液温50〜100℃に加熱して撹拌しながら反応させることにより、砒素含有物質を酸化しながら浸出する。このアルカリ浸出・酸化工程における反応は、pH10以上、好ましくはpH12以上の強アルカリ性で起こる反応であり、反応速度は非常に速い。
このアルカリ浸出によって、Cuを浸出させずにAsを浸出させてCuとAsを分離することができる。また、このアルカリ浸出では、In、Pb、CdおよびMgも浸出されず、Fe、Sn、SbおよびCaもほとんど浸出されない。しかし、Gaはほとんど浸出されるので、この段階では、AsとGaは分離されない。
なお、Znは、アルカリ濃度が高いと浸出されるが、アルカリ濃度が低いと浸出されないので、砒素含有物質中のZnの品位、砒素の品位および他の不純物(特にSnとSb)の浸出挙動を勘案してアルカリ濃度を決定すればよい。すなわち、SnやSbの品位が低ければ、残渣中にZnを残しておく方がよいが、SnやSbの品位が高いと、ある程度Znを溶解させた方がよい。
アルカリ溶液としてNaOH溶液を使用することができ、その場合、NaOH濃度が150〜300g/Lであるのが好ましい。
酸化剤としては、過マンガン酸カリウムなどの固形酸化剤の他、過酸化水素やオゾンなどを使用することができるが、空気や濃度を高めた酸素などを使用してもよく、その場合、液中にガスを吹き込んでバブリングして撹拌することによって酸化反応が容易に進む。
浸出の際の反応温度が高いほど素早く浸出されるが、後に冷却晶析を行うためには50℃以上にする必要があり、また、熱エネルギー消費の増加を防止するためには高過ぎる温度にしない方がよいので、反応温度は70〜98℃であるのが好ましい。
アルカリ浸出後に固液分離を行う。この固液分離は、フィルタプレス、遠心分離、デカンタ、ベルトフィルタなどの一般的なろ過のいずれでもよく、ろ過性、脱水性、洗浄性などを勘案してその種類および条件が決定される。
一方、固液分離後の固形分は、有価なCuやInなどを含む金属性化合物と、一部酸化された化合物であるので、製錬工程において有効に活用することができる。なお、銅製錬では、自溶炉や反射炉に直接投入してアノードを作成することができる。
(2)冷却晶析工程
次に、得られた浸出液の冷却晶析を行う。上述したアルカリ浸出・酸化工程で使用したNaOH溶液のNaOH濃度が高いと、この浸出液中のNaOH濃度が高くなり、砒素の化合物の形態が変化すると考えられる。すなわち、希薄な溶液の場合と、NaOH濃度が若干高くなった場合のNaとAsの形態は、以下の反応式で表される。
4NaOH+2As+5O+2HO → 4NaHAsO+6S
8NaOH+2As+5O → 4NaHAsO+6S+2H
このように、NaOH濃度が高くなると、砒素化合物の形態が変化して、砒素とナトリウムの反応の割合が変化する。さらにNaOH濃度を高くすると、以下の反応が起こる。
12NaOH+2As+5O → 4NaAsO+6S+6H
そのため、冷却晶析によって析出物を得るためには、アルカリ浸出・酸化工程で使用するNaOH溶液のNaOH濃度を高くしておく必要がある。すなわち、アルカリ浸出可能なZnなどもある程度浸出させる程度のNaOH濃度にしなければ、NaHAsOやNaHAsOの形態でAsが浸出されるため、冷却晶析が進行しないので、NaOH濃度をある程度高くする必要がある。また、上記の反応式では、砒素1モルに対してNaOHが2モルまでは、NaHAsOの形態で生成され、砒素の量がそれ以上になると、NaAsOの形態になるので、1モルの砒素に対して3モルのNaOHにすると、砒素とアルカリ金属の化合物が好ましい形態になる。
また、冷却によって析出物を得ることができる冷却温度は50℃以下であり、室温程度まで冷却すれば晶析がほぼ完了するので、冷却温度を25℃以下にするのが好ましいが、冷却温度が低いほど砒素の析出率が上昇するので、冷却温度を10℃以下にするのがさらに好ましい。
また、冷却晶析の際に撹拌するのが好ましい。撹拌しないと、晶析物が溶液内で網目状に析出して固形化し易くなり、固液分離の際に移液できない場合がある。
なお、アルカリ薬品は非常に高価な薬品であるので、前工程に繰返し使用するのが好ましい。また、アルカリ浸出液は、NaとAsの他にGaなどを含んだ液であり、Gaは繰り返しの工程中で濃縮されていくので、Gaがある程度高濃度になった後にアルカリ電解採取を行って、Gaを回収することができる。
以下、本発明による砒素含有物質の処理方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、表1に示す組成の砒素含有物質を用意した。この砒素含有物質80gをNaOH濃度200g/LのNaOH溶液(Na濃度115g/L)800mLに入れ(NaOH溶液1L当りの砒素含有物質100g(パルプ濃度PD=100g/L))、液温98℃に加熱し、0.4L/分の流量で空気(ガス/液比率=0.5)を吹き込んで、撹拌しながら1時間反応させ、砒素含有物質を酸化しながらアルカリ浸出した。なお、砒素含有物質をNaOH溶液に入れた後のpHは約12であった。
Figure 2007297240
次に、液温70℃まで冷却した後、目開き3ミクロンのPTFE(ポリ四フッ化エチレン)からなるメンブランフィルタを用いて、加圧ろ過機によって0.4MPaに加圧して固液分離した。この固液分離後のフィルタを通過したろ液(アルカリ浸出液)についてICPによって組成分析を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表2および表3に示す。
Figure 2007297240
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次に、固液分離後のアルカリ浸出液を300rpmで撹拌しながら1時間で10℃まで冷却した後、さらに1時間保持したところ、白色の結晶が塊となって析出した。その後、目開き3ミクロンのPTFEからなるメンブランフィルタを用いて、加圧ろ過機によって0.4MPaに加圧して固液分離した。この冷却晶析によって、砒素を析出させて分離するとともに、NaOH液を再生した。
この固液分離後のフィルタを通過したろ液(冷却晶析后液)とフィルタに残った固形分(冷却晶析物)についてICPによって組成分析を行った。なお、冷却晶析后液の量は718mLであった。また、固液分離後によって固形分として得られたケーキを60℃で乾燥した。なお、この乾燥前後の重量を測定することによって水分値を算出するとともに、冷却晶析による各々の元素の析出率を算出した。これらの条件および分析結果をそれぞれ表4および表5に示し、析出率の計算値を表6に示す。なお、乾燥前の固形分の重量は75gであり、水分は45%であった。
Figure 2007297240
Figure 2007297240
Figure 2007297240
[比較例1]
液温を90℃とし、反応液中に空気を吹き込まなかった以外は、実施例1と同様の方法で、砒素含有物質を酸化しながらアルカリ浸出した後、固液分離し、組成分析を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表2および表3に示す。なお、冷却晶析后液の量は787mLであった。
また、実施例1と同様の方法によって冷却晶析を行った後、固液分離し、組成分析および析出率の算出を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表4および表5に示し、析出率の計算値を表6に示す。なお、乾燥前の固形分の重量は12gであり、水分は54.5%であった。
[実施例2]
砒素含有物質の量を160g(NaOH溶液1L当りの砒素含有物質200g(パルプ濃度PD=200g/L))とした以外は、実施例1と同様の方法で、砒素含有物質を酸化しながらアルカリ浸出した後、固液分離し、組成分析を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表2および表3に示す。なお、冷却晶析后液の量は606mLであった。
また、実施例1と同様の方法によって冷却晶析を行った後、固液分離し、組成分析および析出率の算出を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表4および表5に示し、析出率の計算値を表6に示す。なお、乾燥前の固形分の重量は176.1gであり、水分は37.5%であった。
[実施例3]
砒素含有物質の量を240g(NaOH溶液1L当りの砒素含有物質300g(パルプ濃度PD=300g/L))とした以外は、実施例1と同様の方法で、砒素含有物質を酸化しながらアルカリ浸出した後、固液分離し、組成分析を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表2および表3に示す。なお、冷却晶析后液の量は562mLであった。
また、実施例1と同様の方法によって冷却晶析を行った後、固液分離し、組成分析および析出率の算出を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表4および表5に示し、析出率の計算値を表6に示す。なお、乾燥前の固形分の重量は216.7gであり、水分は46%であった。
実施例1〜3および比較例1から、1時間という短時間でAsを効率的に浸出していることがわかる。また、実施例1〜3のように空気を吹き込まなければ酸化反応が進まないので、比較例1では、浸出が半分しか進んでいないのがわかる。さらに、実施例1〜3のようにNaOH溶液1L当りの砒素含有物質100〜300gであれば、ほぼ全ての砒素を浸出させることができるのがわかる。また、実施例1〜3から、NaOH溶液1L当りの砒素含有物質の量にかかわらず、浸出した砒素の90%以上を冷却晶析によって析出させて除去することができるのがわかる。
[実施例4]
NaOH濃度を150g/Lにした以外は、実施例2と同様の方法で、砒素含有物質を酸化しながらアルカリ浸出した後、固液分離し、組成分析を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表2および表3に示す。なお、冷却晶析后液の量は632mLであった。
また、実施例1と同様の方法によって冷却晶析を行った後、固液分離し、組成分析および析出率の算出を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表4および表5に示し、析出率の計算値を表6に示す。なお、乾燥前の固形分の重量は152.7gであり、水分は36.4%であった。
[比較例2]
NaOH濃度を100g/Lにした以外は、実施例2と同様の方法で、砒素含有物質を酸化しながらアルカリ浸出した後、固液分離し、組成分析を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表2および表3に示す。なお、冷却晶析后液の量は725mLであった。
また、実施例1と同様の方法によって冷却晶析を行った後、固液分離し、組成分析および析出率の算出を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表4および表5に示し、析出率の計算値を表6に示す。なお、乾燥前の固形分の重量は68gであり、水分は47.4%であった。
[比較例3]
NaOH濃度を50g/Lにした以外は、実施例2と同様の方法で、砒素含有物質を酸化しながらアルカリ浸出した後、固液分離し、組成分析を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表2および表3に示す。また、実施例1と同様の方法によって冷却晶析を試みたが、析出物が全くなかったため、その後の固液分離を行わず、組成分析および析出率の計算値も行わなかった。
[比較例4]
NaOH濃度を25g/Lにした以外は、実施例2と同様の方法で、砒素含有物質を酸化しながらアルカリ浸出した後、固液分離し、組成分析を行った。これらの条件および分析結果をそれぞれ表2および表3に示す。また、実施例1と同様の方法によって冷却晶析を試みたが、析出物が全くなかったため、その後の固液分離を行わず、組成分析および析出率の計算値も行わなかった。
実施例4および比較例2〜4から、NaOH溶液1L当りの砒素含有物質200gとしてアルカリ浸出させる場合には、NaOH濃度を100g/L以上にすれば、砒素を完全に浸出させることができるのがわかる。また、実施例4および比較例2〜4から、NaOH溶液1L当りの砒素含有物質200gとしてアルカリ浸出させる場合には、NaOH濃度を50g/Lより高くしなければ、冷却晶析によって析出物を得ることができないのがわかる。
本発明による砒素含有物質の処理方法の実施の形態を概略的に示す工程図である。

Claims (7)

  1. 砒素含有物質をアルカリ溶液に加えてpH10以上にして酸化しながらアルカリ浸出した後に固液分離して砒素を含む浸出液を得る工程と、この浸出液を冷却して析出物を得た後に固液分離して、砒素とアルカリ金属の化合物を得るとともにアルカリ溶液を回収する工程とを備えたことを特徴とする、砒素含有物質の処理方法。
  2. 前記アルカリ溶液が水酸化ナトリウム溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の砒素含有物質の処理方法。
  3. 前記水酸化ナトリウム溶液中の水酸化ナトリウム濃度が150〜300g/Lであることを特徴とする、請求項2に記載の砒素含有物質の処理方法。
  4. 前記砒素含有物質の酸化および浸出の際の温度が70℃以上であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の砒素含有物質の処理方法。
  5. 前記浸出液の冷却の際の温度が50℃以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の砒素含有物質の処理方法。
  6. 前記浸出液の冷却の際に前記浸出液を撹拌することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の砒素含有物質の処理方法。
  7. 前記砒素含有物質が、銅、亜鉛、鉄、インジウム、ガリウム、錫、アンチモン、鉛、カドミウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムの少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の砒素含有物質の処理方法。

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