JP2007296641A - インクジェット記録ヘッド及び、インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェットヘッドのノズル列方向の温度分布による印字濃度ムラの低減。
【解決手段】 HBの裏面よりインクを供給し供給流路はノズル列方向に長く配置する。1ヘッド(1色)で複数のノズル列を構成し、各ノズル列に対応した独立のインク流路を設ける。各流路のインク流れ方向は隣接する流路で逆方向とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 HBの裏面よりインクを供給し供給流路はノズル列方向に長く配置する。1ヘッド(1色)で複数のノズル列を構成し、各ノズル列に対応した独立のインク流路を設ける。各流路のインク流れ方向は隣接する流路で逆方向とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、記録に用いられる液体を記録媒体の記録面に対して吐出動作を行うインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置である。高速な記録と様々な記録メディアに対して記録することが可能であり、記録時における騒音がほとんど生じないといった特徴を持つ。このようなことから、プリンタ、ワードプロセッサ、ファクシミリ、複写機などの記録機構を担う装置として広く採用されている。
最近では記録されるデータ量も増大しており、特にグラフィック等もプリントアウトされるようになるとそのデータ量の多さから一層の高速記録が要求されるようになってきている。被記録材の幅にわたって吐出口及び電気熱変換体を長尺に配列されるいわゆるフルラインタイプのインクジェットヘッドおよび該インクジェットヘッドを備えるインクジェット装置は上述の記録速度を向上させるものとして大いに期待されている。
インクジェット記録は、微小な吐出口から微小な液滴を吐出させ、記録紙に対し記録を行うこともので、代表的な方法としては電気熱変換素子を用いた方法がある。電気熱変換素子を用いたインクジェット記録ヘッドでは、電気熱変換素子をノズル内に設け、これに記録信号となる電気パルスを与えることにより記録液に熱エネルギーを与え、そのときの記録液の相変化により生じる記録液の発泡(沸騰)時の気泡圧力を記録液滴の吐出に利用する。
図10、図11において、記録素子基板201の中央付近の表面側にはインクを吐出するための吐出口202が複数開口しており、各々の吐出口に対応してインクを発泡させるための不図示の加熱ヒーターが記録素子基板201上に形成されている。
図10においては、加熱ヒーターからの配線は、各々、記録素子基板201上の駆動素子205実装部にのびており、ここに実装された駆動素子に電気的に接続されている。駆動素子205は異方性導電フィルムや、半田バンプ等によるCOB(chip on board)接続方法により、記録素子基板201に接続されている。また、駆動素子205には、トランジスタ回路の他にトランジスタを駆動するためのロジック回路が搭載されており、そのロジック回路を駆動する信号は、記録素子基板201を介してフレキシブルフィルム206に接続される。さらにフレキシブルフィルム206は、ガラスエポキシ等の複合材料からなる回路基板207に接続され、回路基板207には、外部から電気的信号を入力するための電気コネクタが搭載されている。
駆動素子205およびフレキシブルフィルム206の電気的接続部は、エポキシ系、フッ素、シリコン系樹脂等の封止性、イオン遮断性に優れた封止剤212により被覆され、封止されている。
記録素子基板201の裏面側には、記録素子基板保持部材211および支持部材212によって形成されるインク流路210がノズル列方向に長く設けられ、記録素子基板201には、この裏面側のインクを表面側に供給するためのスリット219が設けられている。
インク流路210は、不図示のヘッドの外部からのインクの供給を受ける構成になっている。
インクの供給は記録素子基板のノズル列方向にインク流路の上流から下流へと供給される。上流側はインクで冷やされ下流側は温まったインクが供給させる為、特に高duty印字においてはノズル列方向に温度分布が生じ濃度変化等による画像劣化が生じる。
又、別の従来例としては、特許文献1をあげることが出来る。
特開平02-000525号公報
インクの供給は記録素子基板裏面においてノズル列方向の流れを生じるように行われる。このような流路構成において、特に高duty印字では上流側はインクで冷やされ下流側は温まったインクが供給させる為ノズル列方向に温度分布が生じ濃度変化等による画像劣化が生じる。ノズル列方向の温度分布を軽減する必要がある。
インク供給によるヘッド内温度変化を緩和するためにインク流路を複数設けそれぞれ隣接するインク流路でのインク供給方向を逆にした。
本発明は、以上説明してきたように、複数のノズル列を有する構成にし、各ノズル列に対応したインク流路を設け、隣接するインク流路のインク供給方向を対抗する方向にすることで、ヘッドの温度分布を軽減し良好な画像を得ることができる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
図1は本発明実施例のインクジェット記録ヘッドを示す。図1において、本発明のインクジェット記録ヘッドは、記録素子基板101の中央付近の表面側にインクを吐出するための吐出口102が複数開口しており、この吐出口102から吐出されるインク滴によって記録を行うものである。
図2、図3に示すように、記録素子基板101上には、各々の吐出口102に対応して加熱ヒーター103が形成されており、この加熱ヒーター103に通電加熱してインクを発泡させ、その運動エネルギで記録液であるインクを吐出口102から吐出させる。
加熱ヒーター103からの配線は、各々、記録素子基板101上の駆動素子105実装部にのびており、ここに実装された駆動素子に電気的に接続されている。駆動素子105は異方性導電フィルムを介してCOB(chip on board)接続方法により、記録素子基板101に接続されている。また、駆動素子105には、トランジスタ回路の他にトランジスタを駆動するためのロジック回路が搭載されており、そのロジック回路を駆動する信号は、記録素子基板101を介してフレキシブルフィルム106に接続される。さらにフレキシブルフィルム106は、ガラスエポキシ等の複合材料からなる回路基板107に接続されている。
駆動素子105およびフレキシブルフィルム106の電気的接続部は封止性、イオン遮断性に優れたエポキシ系、シリコン系、フッ素系などの樹脂封止剤112により被覆され、封止されている。
また、図4に示すようにノズル列は2列で構成されている。たとえばノズルを1列600dpiに配列することにより、1200dpiのヘッドを構成することができる。
記録素子基板101の裏面側には、記録素子基板保持部材108および支持部材111によって形成されるインク流路110a, インク流路110bが前記各ノズル列に対応してノズル列方向に長く設けられており、記録素子基板101には、この裏面側のインクを表面側に供給するためのスリット104が設けられている。
インク流路210は、不図示のヘッドの外部からのインクの供給をそれぞれ受ける構成になっており、それぞれのインク流路におけるインク供給方向は逆向きである。
図5に示すように従来のように同一方向に流した場合、インク供給の上流ではインクにより基板が冷却されるため基板温度は上昇せず、下流側では上流で暖められたインクが流入してくるため基板は冷却されず温度は上昇する。
このように一方向のインク供給を行うとヘッドに温度分布が生じ、温度による吐出量変化に伴う濃度分布等の画像への悪影響が生じる。
本実施例では各インク流路のインク流れ方向を逆向きにすることにより図5に示すように温度分布を軽減することができる。
図9は本発明の記録ヘッドを用いたフルマルチインクジェットプリンターの概略図である。
10はカセット給紙、8は手差し給紙であり給紙方式として、給送ローラーと分離パッドにより記録紙を一枚ずつ分離する方式(デュプロ方式)や、ツメ分離方式、リタード方式などが考えられる。カセット給紙10や手差し給紙9により給紙された記録紙Pは、止まっているレジストローラー対4のニップへ記録紙の先端を突き当て、さらに少し給送ローラーを回転させレジストローラー4と給送ローラー8の間で記録紙Pにたるみをつくらせることにより、記録紙Pの斜送を補正することができ、さらに記録紙Pがレジストローラーのニップへ突き当たったことをフォトセンサーで検地してからレジストローラーを回転させ、レジストローラー4の回転開始をトリガーとして記録ヘッド1の記録タイミングをあわせることにより記録紙P上の所定位置に画像を形成することができる。
レジストローラーにより搬送された記録紙Pは、搬送ベルト5dとピンチローラ対12とで挟持され、さらにピンチローラー12の下ローラー12bには高圧がかけられておりまた上ローラー12aは接地されていることにより、ピンチローラー12を通った記録紙Pは搬送ベルト5dに静電吸着されながら搬送する。そして搬送ベルト上に静電吸着された記録紙Pは不図示のパルスモータである駆動源によって駆動される駆動ローラ5bによって搬送されるベルト5dによって記録ヘッド1K〜1Cの直下の印字開始位置まで搬送される。 搬送ベルト5dは駆動ローラ5bと従動ローラ5a及び圧力ローラ5cとによって張架され、その圧力ローラ5cは一端が図示しない搬送ベルト筐体5eに揺動可能に付けられたアーム(不図示)の他端に回動可能に付けられ、アームがバネによって押圧されることで搬送ベルト5dに張力を加している。
1K、1Y、1M、1Cは記録シートPの記録領域の全幅にわたって複数の記録素子が配列するフルラインタイプの記録ヘッドで、記録紙P搬送方向上流側から1K(黒)、1Y(シアン)、1M(マゼンタ)、1C(イエロー)の順に所定間隔で配置され、記録ヘッド1はヘッドホルダ2に取り付けられている。
以上のような構成において、記録紙Pは静電吸着力よって搬送ベルト5dの上面に吸着され、記録ヘッド1で印字されながら搬送ベルト5dで搬送される。
7は排紙ローラで、不図示の伝達手段によって従動ローラ7bの回転力によって駆動される。
7aは排紙ローラ7と圧接する拍車で、印字後の記録紙Pは、排紙ローラ7bと拍車7aとによって挟持され、排紙トレイ13へ排紙、収容されるようになっており、拍車7bは記録後の印字面を転走するため、印字された画像のインクがなるべく転移しないように先端をとがらせた形状となっている。
図6には他の実施例2を示す。
実施例2に示したものは実施例1に対して4列の構成にしたものである。
フルラインヘッドのように多数のノズルを形成する場合、長いスリット上の供給口を素子基板に設けることは強度的に問題があり、供給口を分割しなければならない。実施例1では記録素子基板に(110)方位のSi基板を使用したため、供給口の異方性エッチング面はヒーター面に対してほぼ垂直になり、分割した隣接インク供給口は細い梁を設けてインク供給口を形成でき、ノズルは1列に形成できる。しかし、(100)方位基板を使用した場合、インク供給口の異方性エッチング部はテーパー形状になる為インク供給口を途中で区切ることができない。
そこで、図6に示すように1つのノズル列を千鳥状に配列する。各ノズルはたとえば300DPIで並べられ、4列分で1200DPIを形成できるヘッド構成である。
各ノズル列に対してインク流路310a〜bが形成され、各インク流路において隣接するインク流路の供給方向は互いに逆方向となるようにする。これにより前記実施例と同じ効果を得ることができる。
つまり、あるインク流路においては上流で温度が低く下流で温度が高くなる傾向にあるが、隣接するインク流路においてインクの流れ方向を逆にすることで温度分布がそれぞれ逆になり、ヘッド全体として温度分布はお互い相殺した濃度分布になる。
本実施例は図8に示すようにひとつの記録ヘッドに記録素子基板401を複数枚並べた構成である。この場合はたとえば1つの記録素子基板を600dpiに配列し、4枚配列することで2400dpiの記録ヘッドを構成できる。
流路の構成は実施例2と同様であり、410a〜dのインク流路が構成され、それぞれのインク流れ方向は隣接するインク流路で反対方向となるようにする。
記録素子基板が分離されている本実施例においても、1つの記録素子基板において前述のようにノズル列方向にインク流れの上流と下流で温度分布を生じるが、それぞれの隣接する記録素子基板で相殺する分布となるため、全体の温度分布としては軽減される方向になる。
1 記録ヘッド
2 ヘッドホルダ
4 レジストローラー
5d 搬送ベルト
5a 従動ローラ
5c 加圧ローラ
5e 搬送ベルト筐体
5b 駆動ローラ
7 排紙ローラ
8 給送ローラー
9 手差し給紙
10 カセット給紙
12 ピンチローラー
13 排紙トレー
101 記録素子基板
102 吐出口
103 加熱ヒーター
104 スリット
105 駆動素子
106 フレキシブルフィルム
107 回路基板
108 支持部材
111 記録素子基板保持部材
112 インク流路
2 ヘッドホルダ
4 レジストローラー
5d 搬送ベルト
5a 従動ローラ
5c 加圧ローラ
5e 搬送ベルト筐体
5b 駆動ローラ
7 排紙ローラ
8 給送ローラー
9 手差し給紙
10 カセット給紙
12 ピンチローラー
13 排紙トレー
101 記録素子基板
102 吐出口
103 加熱ヒーター
104 スリット
105 駆動素子
106 フレキシブルフィルム
107 回路基板
108 支持部材
111 記録素子基板保持部材
112 インク流路
Claims (4)
- 記録液を吐出させるための吐出口と液体に運動エネルギーを印加するための吐出エネルギー発生素子がそれぞれ複数配列され、背面側からインクを供給するためにインク供給口が形成された記録素子基板を備え、該記録素子基板のインク供給口を介して前記吐出口へインクを供給するためのインク流路が設けられたインクジェット記録ヘッドにおいて、1ヘッドに複数のノズル列を構成し、各ノズル列に対応してノズル列方向への流れを生じさせる複数のインク流路を持ち、隣接するインク流路でのインク供給方向が逆方向であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
- 記録液を吐出させるための吐出口と液体に運動エネルギーを印加するための吐出エネルギー発生素子がそれぞれ複数配列され、背面側からインクを供給するためにインク供給口が形成された記録素子基板を備え、該記録素子基板のインク供給口を介して前記吐出口へインクを供給するためのインク流路が設けられたインクジェット記録ヘッドにおいて、1ヘッドを複数の該記録素子基板で構成し、各記録素子基板に対応してノズル列方向への流れを生じさせる複数のインク流路を持ち、隣接するインク流路でのインク供給方向が逆方向であることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
- 前述インクジェット記録ヘッドは、フルラインヘッドであることを特徴とする請求項1又は、請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドが搭載されたことを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006123866A JP2007296641A (ja) | 2006-04-27 | 2006-04-27 | インクジェット記録ヘッド及び、インクジェット記録装置 |
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JP2006123866A JP2007296641A (ja) | 2006-04-27 | 2006-04-27 | インクジェット記録ヘッド及び、インクジェット記録装置 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2007296641A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015168243A (ja) * | 2014-03-10 | 2015-09-28 | 株式会社ミマキエンジニアリング | インクジェットプリンター |
-
2006
- 2006-04-27 JP JP2006123866A patent/JP2007296641A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090707 |