JP2008000975A - 画像形成装置およびデータ生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録素子列が複数列配され、記録素子列のつなぎ部分でオーバラップするように配置された記録ヘッドを具える記録ヘッドのつなぎ部分の記録素子の温度低下を抑制する。この温度低下を抑制することにより、つなぎ部分の濃度変化の少ない高品位な記録が可能な記録装置を提供する。
【解決手段】記録素子列のオーバラップ部分の記録データを、2つの記録素子列に対し、記録素子の位置について補完するように分配する記録データを作成する。そして、2つの記録素子列のそれぞれにおいて、分配された記録データが無い記録素子に対し、記録に到達しないエネルギを供給するデータを作成する。
【選択図】図9

Description

本発明は画像形成装置およびデータ作成方法に関し、詳しくは、記録素子列を複数列配置し、記録素子列同士がオーバラップして配置されているヘッドを具える画像形成装置およびデータ生成方法に関するものである。
従来から、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体に対して記録を行なう記録装置は、種々の記録方式、例えばワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式が用いられている。
これらの方式のなかで、インクジェット方式はインクを吐出して記録媒体にインクを直接付着させる低騒音なノンインパクト方式の一つである。この中でも、インク滴の形成方法および噴射エネルギの発生方法により、コンティニアス方式(電荷粒子制御方式およびスプレー方式が含まれる)とオンデマンド方式(ピエゾ方式、スパーク方式およびバブルジェット方式が含まれる)とに大きく分類される。コンティニアス方式は、インクを連続的に吐出し、必要な液滴だけ電荷を与える。この方式によると、帯電した液滴が記録媒体に付着し、残りは無駄になる。これに対して、オンデマンド方式は、記録に必要な時だけインクを吐出するため、インクの無駄がなく装置内部が汚れない。また、オンデマンド方式はインクの吐出を開始したり停止したりするため、コンティニアス方式に比べて応答周波数は低い。このため、ノズル数を増やすことで高速化を実現している。したがって、現在市販されている記録装置の多くはオンデマンド方式のものである。このようなインクジェット方式の記録ヘッドを具備した記録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能である。したがって、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末としてのプリンタとして利用され、商品化されている。また、パーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブルプリンタとして利用され、商品化されている。そして、インクジェット記録装置は、これら装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をとる。
一般にインクジェット記録装置は、記録信号に応じて、記録媒体上にインクを吐出させて記録を行うものであり、ランニングコストが安く、静かな記録方式として広く用いられている。この方式の中でも、インクを吐出する多数のノズルを記録媒体の幅に対応させて配置されたいわゆるフルラインタイプの記録ヘッドを用いた方法は、記録ヘッドに対して記録媒体を一回搬送することでノズル数に対応した幅の記録がなされる。そのため、記録動作の高速化を達成することが可能である。
さらに、カラー対応のインクジェット記録装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出されるインク液滴の重ね合わせることによりカラー画像を形成する。一般に、カラー記録を行う場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の3原色またはこれら3原色にブラック(B)を含めた4色が使用される。この場合、これら4色に対応する4種類のフルラインタイプの記録ヘッドが用いられる。昨今ではこのような3〜4色の記録ヘッドを搭載し、フルカラーで画像形成が可能な装置が実用化されている。
インクジェット記録ヘッドにおいてインクを吐出するためのエネルギを発生するエネルギ発生手段としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱させるものなどがある。
その中でも熱エネルギを利用(膜沸騰現象を利用)して液体(インク)を吐出させる方式(いわゆるバブルジェット方式)の記録ヘッドは、上記液体吐出口を高密度に配列することができるために高解像度の記録をすることが可能である。
このようにインクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野(例えば印刷業)で需要が高まっており、高速記録が期待されている。またより一層高品位な画像の提供も求められている。
フルライン記録ヘッドは、複数のノズルを直線状に配置したチップを複数つなげて記録媒体幅を持ったノズル列が構成され、ノズルをインライン(一列方向)配列とするフルライン記録ヘッドでは、複数のチップを直線的につないで構成される。この場合、記録素子のバラツキ等により画像濃度が各記録素子列毎に少しずつ異なることがある。またそれぞれの記録素子列を高精度に一列方向に並べることが実際上困難なために、実際の記録画像では記録素子列のつなぎ部分にスジ状のムラがあらわれて画像品位を劣化させることがある。
これらの画像品位の劣化を防ぐため、例えば特許文献1に開示されているように、つなぎ部の一方の記録素子列の終端部とそれに続くもう一方の記録素子列の先端部の記録データをオーバラップ(重複)させた配列のフルライン記録ヘッドがある。
特許第2980429号明細書
このようなオーバラップさせる構成の記録ヘッドを用いた記録では、オーバラップ部分において、記録データを相互にオーバラップする記録素子列が適宜分担して記録するよう分配されるのが一般的である。
しかしながら、記録データを分配して記録すると、つなぎ部分と非つなぎ部分との記録濃度が異なり、記録ムラやスジが発生することがある。また、つなぎ部分の中で、記録濃度が異なり、記録ムラやスジが発生することがある。
すなわち、オーバラップ部分の記録データを2つの記録素子列に分配して記録を行なうため、それぞれの記録素子列では、オーバラップ部分以外の記録素子列と比べて、記録ドット密度が低下する。その結果、記録素子列全体の温度が低下し、記録濃度も低下する。また、オーバラップ部分は記録素子列の端部であるため、記録素子列の中央寄りに比べ、温度が低く、それによって記録濃度が異なることがある。すなわち、インクジェット記録方式では、熱エネルギを利用してインクを吐出させるため、温度低下により、充分なインクを吐出することができない場合があるためである。
本発明は以上の点を鑑みてなされたものであり、記録ヘッドのつなぎ部分の記録素子の温度低下を低減し、つなぎ部分の濃度変化の少ない高品位な記録が可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
そのために本発明では、画像を形成するための記録素子列が複数配列され、前記記録素子列のつなぎ部分で2つの前記記録素子列が同一部分を記録するためにオーバラップするように配置された記録ヘッドを具える画像形成装置において、前記記録素子列のオーバラップ部分の記録データを、前記2つの記録素子列に対し、当該記録素子の位置について補完するように分配する記録データ作成手段と、前記2つの記録素子列のそれぞれにおいて、前記分配された記録データが無い記録素子に対し、記録に到達しないエネルギを供給するデータを作成するエネルギ供給データ作成手段とを具えることを特徴とする。
以上の構成によれば、記録に使用しないときであっても、適宜、記録素子にエネルギを印加することができる。これにより、記録素子列のつなぎ部分の濃度変化を減少させ、画像品位を向上させることができる。
以下に図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、インクジェット記録方式を用いたインクジェット記録装置を例に挙げ説明する。なお、「記録」(「プリント」ともいう。)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。すなわち、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。さらに、「インク」とは、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、インクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を示す。
図1は、本発明の第1の実施形態に適用されるインクジェット記録装置の構成を示す概略断面図である。3は記録ヘッドを示し、本実施形態ではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)各色のインクを吐出する4つの記録ヘッド31〜34を有している。これらの記録ヘッドは後述する制御部により駆動され対応するインクのインク滴を吐出してカラー記録を行う。
シート状の記録媒体STは、給送部(不図示)から給送され、搬送ベルト2に静電吸着されて移動しつつ、記録ヘッド3の下を通過する際に記録が行われる。搬送装置である搬送ベルト2は円環状の帯部材であって駆動ローラ5、支持ローラ6、7によって張架され、回転駆動することにより記録媒体STを搬送する。8はベルトのクリーニング機構を示し、ベルト上に付着したインクを除去する。
図2は、搬送ベルト2の構造を示す上面図(a)及び断面図(b)である。図2(a)に示されるように、搬送ベルト2はベースとなる誘電体フィルム層9の搬送面と反対側の面に、静電吸着手段を形成する。静電吸着手段は、短冊状の電極を交互に配設した第一電極群であるくし歯電極10、第二電極群であるくし歯電極11から成る。くし歯電極11の各電極はくし歯電極10の各電極間に設置され、すなわち搬送方向に交互に配置されている。
くし歯電極10、11は例えば誘電体フィルム層9の表面に厚み35μm、幅8mmの電極を、8mmの間隔をおいて配置している。図2(b)に示すように、搬送ベルト2の両端には給電手段として導電ブラシ12が設けられている。導電ブラシ12は基材12aに導電性のブラシ12bを植えて構成されている。
図3は搬送ベルト2を搬送方向と直交する方向から見た正面図である。導電ブラシ12のブラシ12bが搬送ベルト2のフィルム層9のくし歯電極10、11に接触することで給電を行っている。
このように構成したくし歯電極10、11に電位差を生じせしめると、静電力により吸着力を得ることができる。本実施形態においてはくし歯電極10、11の一方に接する導電ブラシ12を接地し、他方に接する導電ブラシ12に0.5〜2kv程度の電圧を印加して所定の静電気力を得るように構成している。そして搬送ベルト2が回転するとくし歯電極10、11は導電ブラシ12と摺動接触により給電を受けて静電吸着力を発生させ、シートSTが搬送ベルト2に吸着された状態で搬送される。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。31はブラック用記録ヘッド、32はシアン用記録ヘッド、33はマゼンタ用記録ヘッド、34はイエロー用記録ヘッド、5は搬送ベルト駆動ローラを示す。20は制御部であり、CPU21、プログラムを格納するROM22、制御に必要なワーク用データを保存するRAM23、ゲートアレイ24を含む。このゲートアレイ24は、搬送ベルト駆動ローラ5の駆動制御信号、記録ヘッド3への画像信号および制御信号、クリーニング部8の駆動制御信号などを出力する。25はイメージメモリーであり、ゲートアレイ24は外部から受信した記録データを一時記憶する。
図5はブラック用記録ヘッド31を示す図である。本実施形態において、2つの記録用チップ311および312を搭載している。チップ311のノズル列とチップ312のノズル列はオーバラップして配置されている。本実施形態では、チップ311とチップ312は26ドット重なる構成となっている。
図6は図4で示したゲートアレイ24における本実施形態を行なうための機能部を示す図である。241は記録データ及び短パルスデータの生成部を示し、記録ヘッドへの記録データと短パルスデータを生成する。242は記録パルス生成部を示し、吐出を行なうためのヒートパルスを生成する。243は短パルス生成部を示し、短パルス加熱を行なうためのヒートパルスを生成する。ここで、短パルスとは吐出に至らない程度の短いパルスをいう。すなわち、記録ヘッドからインク滴が吐出されない程度のエネルギをノズル内の吐出ヒータに供給するための手段の一例である。この短パルスを吐出ヒータに印加することで、吐出口(ノズル、記録素子)からインク滴は吐出されないものの、吐出ヒータ付近のインクは温められる。このように、短パルスを吐出ヒータに印加して、インクを温めることを短パルス加熱という。
図7は記録をおこなうためのパルス(以下、記録パルスという)を示している。本実施形態では、吐出ヒータに対する駆動パルスの供給方法として、分割パルス幅変調駆動法を用いる。これは、従来から行なわれている方法であり、まずパルス幅が可変のプレヒートパルスP1を印加し、その後インターバルタイムP2を介してメインヒートパルスP3を印加する駆動方法である。プレヒートパルスは、主にノズル内のインク温度を制御する為のパルスであり、ヘッドの温度センサーを利用した温度検知等によってパルス幅が可変される。インターバルタイムは、プレヒートとメインヒートが相互干渉しないように一定時間の間隔を設けたもので、ノズル内インクの温度分布を均一化する働きがある。メインヒートパルスは、ヒータ上に発泡現象を発生させ、吐出口よりインク液滴を吐出させる。
図8は短パルス加熱を行なうためのヒートパルスを示している。
画像形成のためのインク滴の吐出を行わないため、記録信号がないノズルに対してヒータ上に発泡が起こらない範囲での短いパルスP4を印加する。分割パルス幅変調駆動及び短パルス駆動に関しては、従来から行なわれている方式を用いる。
なお、本実施形態においては、記録素子列の他方の記録用チップの記録素子とオーバラップしていない記録素子に対しては、短パルス加熱を行わないか、オーバラップしている記録素子よりも低い密度、またはより短い短パルス加熱を行なうものとする。これは、インク吐出の記録パルスを印加することで記録素子内の温度が上昇するため、相補的にどちらかの記録素子からインク吐出を行なうオーバラップしている記録素子列の端部では、常に記録に用いられる記録素子列の中央部よりも記録素子の温度が低くなる。また、記録パルスを印加して記録素子内の温度が上昇したときに、記録素子列の端部と中央部では端部の方がより放熱されるため、継続した記録を行なったときには、記録素子列の複数の記録素子のうち、中央部の記録素子の方が温度が高い。記録素子列内で温度分布にムラがあると、インクの吐出量が異なるため、結果として記録画像にムラが生じてしまう。そのため、記録素子列の中央部と端部の記録素子の温度ムラを低減するために、記録素子の温度が低くなると予想される端部の温度を高めるための短パルス加熱を行なう。また、記録画像によっては、記録素子列の中央部でもインク吐出の記録データが無いなどの理由で他の記録素子と温度差が生じる際には、中央部の記録素子にも短パルスを印加することが好ましい。温度分布(推定温度)に応じて、短パルスを印加する密度(周波数)、パルス幅を変更することは可能である。
図9は、図6で示したゲートアレイにおいて、本実施形態にかかる機能部と、機能部が生成した信号のヘッド内での処理を示す。
短パルスデータの生成部241は、マスクパターン発生手段2410、短パルスパターン発生手段2411を有する。マスクパターン発生手段2410では、予め用意されたマスクパターン1301および1305を所定のタイミングで生成する。このマスクパターン1301および1305により、記録用チップ311の記録素子列終端部と記録用チップ312の記録素子列先端部とのオーバラップ部の記録データ1300を、記録用チップ311と記録用チップ312の記録データに分配される。
記録素子列後端部の記録用チップ311の記録データ1302は、記録データ1300と、マスクパターン1301から、AND回路2412により生成する。また、記録素子列先端部の記録用チップ312の記録データ1306は、記録データ1300と、マスクパターン1305から、AND回路2412により生成する。
次に、記録素子列後端部の記録用チップ311の記録データ1302を反転したデータと、短パルスパターン1303から、AND回路2413により、記録素子列後端部の記録用チップ311の短パルスデータ1304を生成する。また、記録素子列先端部の記録用チップ312の記録データ1306を反転したデータと、短パルスパターン1307から、AND回路2413により、記録素子列先端部の記録用チップ312の短パルスデータ1308を生成する。短パルスパターン1303および1307は、短パルスパターン発生手段2411において、予め用意されたパターンを所定のタイミングで生成する。
記録パルス生成部242は、図7で示した記録パルス(分割パルス)2421を生成する。また、短パルス生成部243は、図8で示した短パルス2431を生成する。作成された記録素子列後端部の記録用チップの記録データ1302、短パルスデータ1304、記録パルス信号2421、および短パルス信号2431は、記録ヘッド31の記録素子列後端部の記録用チップ311に送られる。記録データ1302と短パルスデータ1304はクロックによりラッチ3110と3111に、それぞれラッチされ記憶される。そして、記録パルス信号2421が入力されたとき、ラッチ3110に記録データがあれば、AND回路3112によりOR回路3114を通じて記録媒体へ記録がされる。また、短パルス信号2431が入力されたとき、ラッチ3111に短パルスデータがあれば、AND回路3113によりOR回路3114を通じて、吐出のためのヒータのドライバがONとなり、短パルス加熱がなされる。
同様に、作成された記録素子列前端部の記録用チップの記録データ1306、短パルスデータ1308、記録パルス信号2421、および短パルス信号2431は、記録ヘッド31の記録素子列前端部の記録用チップ312に送られる。記録データ1306と短パルスデータ1308はクロックによりラッチ(不図示)に、それぞれラッチされ記憶される。そして、記録パルス信号2421が入力されたとき、ラッチに記録データがあれば記録媒体へ記録がされる。また、短パルス信号2431が入力されたとき、ラッチに短パルスデータがあれば、吐出のためのヒータのドライバがONとなり、短パルス加熱がなされる。
図10は、本発明の第1の実施形態におけるデータを示す図である。
1300は、記録データのオーバラップ部の記録データ示している。上述したように、オーバラップ部は26ドット分である。この記録データ1300のオーバラップ部の記録データは、記録用チップ311の記録素子列終端部で記録されるデータと、記録用チップ312の記録素子列先端部で記録されるデータとに分配される。1301は、チップ311の記録素子列終端部に分配するためのマスクを示し、1305は、チップ312の記録素子列先端部に分配するためのマスクを示す。
1302は、記録用チップ311の記録素子後端部で記録される記録データを示す。これは、記録データ1300とマスク1301との論理積を取ったデータである。また、1306は、記録用チップ312の記録素子前端部で記録されるデータを示す。これは、記録データ1300とマスク1305との論理積を取ったデータである。
1303および1307は、短パルスパターン発生手段2411で生成された短パルスパターンをそれぞれ示している。また、1304は、記録用チップ311の記録素子後端部で記録される記録データ1302を反転させたデータと短パルスパターン1303との論理積を取った、短パルスデータを示している。さらに、1308は、記録用チップ312の記録素子前端部で記録される記録データ1306を反転させたデータと短パルスパターン1307との論理積を取った、短パルスデータを示している。なお、本実施形態では、チップの端から20ドット分、短パルスデータを入力するマスクとなっている。
31100と31200は、記録用チップ311の記録素子列終端部および記録用チップ312の記録素子列前端部のそれぞれの記録素子におけるヒートするデータを示している。ここで、●は記録のための記録パルスを印加し、ヒートすることを示し、◎は短パルスでヒートすることを示し、○はヒートをしないものを示している。
本実施形態では、記録媒体が搬送されて記録データ1300の次の列の記録データに基づいて、それぞれの記録用チップの各記録素子に印加するパルスデータを生成するときに、マスクパターンを1301と1305と異なるマスクパターンを使用している。例えば、1列ごとに、マスク1301とマスク1305を交互に使用することにより、記録データを分配する。これは、所定の記録素子を連続して記録に用いることを回避することで、記録素子の寿命を延ばすことができる。
なお、本実施形態ではマスクパターン1301、1305を、1ドット置きに振り分けるパターンを用いているが、1ドット置きに振り分けるパターンに限定されず、補完するように分配することができるマスクパターンであればよい。また、短パルスパターン1303、1307も、このようなマスクに限定されず、記録データを振り分けることによる温度低下を低減するような短パルスデータを入力することができるマスクであればよい。
以上により、本実施形態によると、同じインクを吐出し、短部をオーバラップさせつつ所定方向に並べた複数の記録用チップのオーバラップ部分(つなぎ部分)に適宜短パルスを印加することができ、つなぎ部分の温度低下を低減することができる。
なお、本実施形態の記録ヘッド31は、2つの記録用チップを並べた構成であるが、3つ以上の記録用チップを並べた構成としても良い。記録媒体の幅を超えるように記録用チップを並べる(フルライン、ラインヘッド)ことで、記録ヘッドの走査を行なうことなく、記録媒体の搬送を行なうだけで画像を形成することができるので、記録に要する時間を低下させることが可能となる。なお、3つ以上の複数の記録用チップを並べて記録ヘッドの構成においては、それぞれの記録用チップのつなぎ部分に対して、適宜短パルスを印加する構成にすることが好ましい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、短パルスパターン発生手段2411で、短パルスパターン1303および1307を生成したが、本発明は、短パルスパターンはこのような生成方法に限定されない。
図11は、第2の実施形態における機能部の処理を示す図である。
第1の実施形態と同様に、記録素子列終端部の記録用チップ311と記録素子列先端部の記録用チップ312とのオーバラップ部の記録データ1310を、チップ311とチップ312の記録データに、分配される。記録データの分配は、マスクパターン1311とマスクパターン1315を使用する。
そして、短パルスパターンは、マスクパターン1311とマスクパターン1315のそれぞれを、反転したものを使用する。これらのパターンを使用することにより、一方が記録に供することにより、他方が記録に供しないノズル列のノズルに短パルスを与えることができる。すなわちゲート2413では、マスクパターン1311を反転した短パルスパターン1313と、記録データ1310とのANDをとり、短パルスデータ1314を生成する。元になる記録データとのANDをとることにより、元の記録データが存在するノズル位置に短パルスが印加されることとなる。
図12は、本実施形態における、データを示す図である。
1310は、記録データのオーバラップ部の記録データ示している。記録データ1310のオーバラップ部の記録データは、マスク1311およびマスク1315により分配される。
1312は、記録データ1310とマスク1311との論理積を取ったデータであり、記録用チップ311の記録素子後端部で記録される記録データを示す。また、1316は、記録データ1310とマスク1315との論理積を取ったデータであり、記録用チップ312の記録素子前端部で記録される記録データを示す。
1313は、本実施形態における短パルスパターンを示す。図11にて説明したように、本パターンは、マスクパターン1311を反転したパターンである。同様に、1317は、本実施形態における短パルスパターンを示し、マスクパターン1315を反転したパターンである。
そして、1314は、記録用チップ311の記録素子後端部で記録される記録データ1312と短パルスパターン1313との論理積を取った、短パルスデータを示す。同様に、1318は、記録用チップ312の記録素子前端部で記録される記録データ1316と短パルスパターン1317との論理積を取った、短パルスデータを示す。
31101と31201は、記録用チップ311の記録素子列終端部および記録用チップ312の記録素子列前端部をヒートするデータを示す。
(第3の実施形態)
上述の実施形態では、1ドット置きに振り分けるパターンを用いているが、本発明のマスクパターンはこのようなものに限定されない。
図13は、第3の実施形態における機能部の処理を示す図である。マスクパターン発生手段2414では、ドット密度が除々に減少または増大するマスクパターン1321および1325を生成する。すなわち、記録素子列311の終端部に近い程、記録データの密度が低くなる。そして、短パルスパターンは、マスクパターン1321とマスクパターン1325のそれぞれを、反転したものを使用する。
図14は、本実施形態における、データを示す図である。
1321は、チップ311の記録素子列終端部に分配するためのマスクを示し、1325は、チップ312の記録素子列先端部に分配するためのマスクを示す。本実施形態において、チップ311の記録素子列終端部では、ノズル列の端に行くほど記録密度が減少するように生成する。また、チップ312の記録素子前端部では、チップの端から徐々に記録密度が増大するように生成する。
短パルスパターンはマスクパターン1321および1325の反転データを用いる。これらのパターンを使用することにより、データ振り分けにより、マスクパターンにより振り分けられ、一方が記録に供することにより、他方が記録に供しないノズル列のノズルに短パルスを与えることができる。
(実施形態4)
上述の実施形態では、短パルスデータは、短パルスパターンと記録データを反転したデータ等とのAND回路により作成したが、本発明は、このような作成方法には限定されない。
図15は、第4の実施形態における機能部の処理を示す図である。
記録データ1330を記録用チップ311の記録素子列終端部の記録データ1332に振り分けるためのマスクパターン1331を反転したデータが短パルスパターン1333となる。そして、短パルスパターンが、短パルスデータ1334となる。
図16は、本実施形態における、データを示す図である。
短パルスパターン1333は、マスクパターン1331を反転したものであり、短パルスパターンは、短パルスデータ1334となる。
(その他)
上述した実施形態では、チップ311の記録素子列終端部に分配するためのマスクとチップ312の記録素子列先端部に分配するためのマスクを列ごとに異なるマスクを使用したが、全て同じマスクを使用するものであってもよい。また、複数の列ごとに異なるマスクを使用してもよい。
本発明は記録素子列をつなぐ構成のヘッドに適用され、フルラインヘッドだけでなく、シリアル方式のヘッドであっても本発明の範囲内である。また記録素子列が一つのチップ上でつながれている場合でもあっても適用される。
また本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の記録媒体に対し記録を行うプリンタに適用することができる。また、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業用記録装置にも適用することができる。
本発明の第1の実施形態に適用されるインクジェット記録装置の構成を示す概略断面図である。 本発明の第1の実施形態に適用される記録装置の搬送ベルトの構造を示す図である。 図3に示す搬送ベルトを搬送方向と直交する方向から見た正面図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に適用されるブラック用記録ヘッドを示す図である。 図4で示したゲートアレイにおける本実施形態を行なうための機能部を示す図である。 本発明の第1の実施形態における、記録をおこなうためのパルスを示す図である。 本発明の第1の実施形態における、短パルス加熱を行なうためのヒートパルスを示す図である。 本発明の第1の実施形態における機能部と、機能部が生成した信号のヘッド内での処理を示す図である。 本発明の第1の実施形態におけるデータを示す図である。 本発明の第2の実施形態における機能部を示す図である。 本発明の第2の実施形態におけるデータを示す図である。 本発明の第3の実施形態における機能部を示す図である。 本発明の第3の実施形態におけるデータを示す図である。 本発明の第4の実施形態における機能部を示す図である。 本発明の第4の実施形態におけるデータを示す図である。
符号の説明
ST 記録媒体
1 記録装置
2 搬送ベルト
3 記録ヘッド
5 駆動ローラ
6、7 支持ローラ
20 制御部
24 ゲートアレイ
31 記録ヘッド

Claims (5)

  1. 画像を形成するための記録素子列が複数配列され、前記記録素子列のつなぎ部分で2つの前記記録素子列が同一部分を記録するためにオーバラップするように配置された記録ヘッドを具える画像形成装置において、
    前記記録素子列のオーバラップ部分の記録データを、前記2つの記録素子列に対し、当該記録素子の位置について補完するように分配する記録データ生成手段と、
    前記2つの記録素子列のそれぞれにおいて、前記分配された記録データが無い記録素子に対し、記録に到達しないエネルギを供給するデータを作成するエネルギ供給データ生成手段と、
    を具えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記エネルギを供給するデータが作成される記録素子は、前記分配される前に記録データが有る記録素子であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 記録データ作成手段は、前記記録素子列の終端部に近い程、前記記録データの密度を低く分配することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記記録ヘッドはインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 画像を形成するための記録素子列が複数配列され、前記記録素子列のつなぎ部分で2つの前記記録素子列が同一部分を記録するためにオーバラップするように配置された記録ヘッドを具える画像形成装置におけるデータ生成方法において、
    前記記録素子列のオーバラップ部分の記録データを、前記2つの記録素子列に対し、当該記録素子の位置について補完するように分配する記録データ生成工程と、
    前記2つの記録素子列のそれぞれにおいて、前記分配された記録データが無い記録素子に対し、記録に到達しないエネルギを供給するデータを作成するエネルギ供給データ生成工程と、
    を具えることを特徴とするデータ生成方法。
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