JP2007295011A - 半導体ウエハの乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体装置の製造においてウエハ上のウォーターマークの発生を著しく減少させたウエハの乾燥方法及びこの方法を実施する乾燥装置を提供する。
【解決手段】 ウエハの乾燥装置及び乾燥方法に関するものであり、洗浄処理されたウエハ1が乾燥機のチャンバー内に搬入され、乾燥開始前から乾燥終了に至る間、冷却装置8によって冷却を受け続ける。冷却方法としては、チャンバー内に導入される窒素などのパージガス9を供給する個所に冷却装置を付帯させ、パージ窒素を冷却した状態でチャンバー中に導入する。チャンバーに搬入されたウエハに冷却窒素ブローが施されることによりウエハが冷却され、ウエハ上に洗浄工程から残留している水滴も同様に冷却される。そして、乾燥後に出現することのある水ガラスは、残留水滴温度が低いほど水ガラス反応速度は遅くなるため水ガラス出現が抑制されることになって歩留まり低下が防がれる。
【選択図】 図1
【解決手段】 ウエハの乾燥装置及び乾燥方法に関するものであり、洗浄処理されたウエハ1が乾燥機のチャンバー内に搬入され、乾燥開始前から乾燥終了に至る間、冷却装置8によって冷却を受け続ける。冷却方法としては、チャンバー内に導入される窒素などのパージガス9を供給する個所に冷却装置を付帯させ、パージ窒素を冷却した状態でチャンバー中に導入する。チャンバーに搬入されたウエハに冷却窒素ブローが施されることによりウエハが冷却され、ウエハ上に洗浄工程から残留している水滴も同様に冷却される。そして、乾燥後に出現することのある水ガラスは、残留水滴温度が低いほど水ガラス反応速度は遅くなるため水ガラス出現が抑制されることになって歩留まり低下が防がれる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、洗浄後の半導体ウエハの乾燥方法に関するものである。
LSIなどの半導体装置は、半導体基板に形成される集積回路を設計する設計工程、集積回路を形成するために用いられる電子ビームなどを描画するためのマスク作成工程、単結晶インゴットからウエハを形成するウェーハ製造工程、ウェーハに集積回路などの半導体素子を形成するウェーハ処理工程、ウェーハを各半導体基板に分離しパッケージングして半導体装置を形成する組立工程及び検査工程等を経て形成されるのが一般的である。
従来、半導体装置のウエハ処理工程におけるシリコンなどの半導体ウエハ(以下、ウエハという)の乾燥工程において、複数のウェーハを一度に乾燥するバッチ式の回転乾燥装置が広く用いられている。回転による遠心力によりウエハ上の水滴を飛散させてウエハの乾燥を行うものである(以下、スピン乾燥という)。しかし、この場合、除去しきれない水滴がウエハ上に残存する場合がある。スピン乾燥では回転数を増すことにより遠心力は自乗で増大する。したがって、回転数を上げればそれだけ乾燥効率は増すことになる。しかしながら、機械的強度の問題があるので回転数は制限され、またウエハ口径が大きくなるに連れて遠心力も増大するので、この回転数はどこかで頭打ちになる可能性が高い。そこでこの回転数が頭打ちになる回避手段として回転乾燥時間をより長くすることが必要になるが、乾燥時間が延びれば残留水がウエハ上に残っている時間が延びることになる。この時間が延びれば水ガラス形成の可能性が増大することになる。水ガラスはウオーターマークとも呼ばれ、ウエハ中のシリコンが水滴中に溶出して乾燥後に残るシミをいう。ウオーターマークは、ウエハ処理工程中において行われるエッチングなどによりパターニングされたシリコンウエハ表面の凹部などに水が残留して発生する。この残留水とシリコンウエハから溶出したシリコンと雰囲気から残留水に溶存する酸素からウオーターマークが形成される(H2 O+Si+O2 →Si(OH)x )。
半導体装置の製造プロセスにおいては、種々の工程の中で疎水性表面を形成することが必要な工程が存在する。このような工程では、自然酸化膜の除去のために希フッ酸処理を行うが、この工程を通過すると乾燥工程後にウエハ表面にウオーターマークが形成されてしまう可能性がある。ウオーターマーク自体の成分は、水分と水分中の溶存酸素とが反応してできるシリコンの酸化物である。つまりこれがウエハ表面に形成されるとデバイスを形成した際にコンタクト不良を起こすことがあり、これが歩留まりの低下につながる。つまり半導体の製造プロセスにおいては、ウオーターマークをいかに制御するかが乾燥技術の大きな課題となっている。このように、機械的強度が許せる最大の回転数を持ってしてもスピン乾燥では残留水が残存する可能性があり、最終的にウォーターマークが形成される可能性がある。ウォーターマークの形成は、製造プロセスにおける各工程中の最終リンス工程から乾燥工程にいたるまでの経過時間と密接な関係にあるが、これを防ぐために現在では、乾燥工程までの時間短縮が主に行われている。しかし、これら諸工程はクリーンルーム中で行われているため、ある程度量のシリコン溶出及び酸素溶解は避けられず、したがって完全なウォーターマークの抑制は、実現されていない。
この課題に対して、乾燥直前のウエハに超純水リンスシャワーを施し、乾燥直前のウエハ上の残留水を清浄な超純水に置き換えた後に乾燥を行うことによりウォーターマークの発生を抑制する提案がある(特願平10−48265号)。これは乾燥工程に運ばれる間にウエハ上の残留水中にウエハから溶け出したシリコン量が増すために、これを乾燥直前に洗い流すことによりウォーターマーク形成に必要な溶解シリコンを低減させている。また、リンス中のチャンバー雰囲気は、酸素濃度低減のために乾燥窒素(N2 )パージを行っている。上記の提案ではシャワー終了時以降のウエハ上の残留水、つまり、シャワーによって置き換えられた純水は、乾燥するまでウエハ上に滞在するため、この間に初期は清浄であった残留水中にウエハからのシリコン溶解が生じることになる。この結果この方法によっても完全なウオーターマークの抑制にはならない。
従来技術において、特許文献1には回転乾燥時ガスを供給する半導体ウエハの乾燥方法が記載され、供給するガスとして炭酸ガスが例示されている。特許文献2には、溶存酸素量の少ない純水でリンスを行う半導体ウエハの処理方法が記載されている。特許文献3にはpH値を計測し、この結果をフィードバックして、処理水のpH値を所望の範囲に調整する技術が開示されている。
特開平08−276163号公報
特開平05−291214号公報
特開平07−263398号公報
従来技術において、特許文献1には回転乾燥時ガスを供給する半導体ウエハの乾燥方法が記載され、供給するガスとして炭酸ガスが例示されている。特許文献2には、溶存酸素量の少ない純水でリンスを行う半導体ウエハの処理方法が記載されている。特許文献3にはpH値を計測し、この結果をフィードバックして、処理水のpH値を所望の範囲に調整する技術が開示されている。
本発明は、半導体装置の製造プロセスにおいて、ウエハ上のウォーターマークの発生を著しく減少させたウエハの乾燥方法を提供する。
本発明は、ウエハの乾燥方法に関するものであり、洗浄処理されたウエハが乾燥機に搬入され、乾燥開始前から乾燥終了に至る間、冷却装置によって冷却を受け続けることを特徴としている。冷却方法としては、例えば、乾燥機内に導入されるパージガス、例えば、窒素等を供給する個所に冷却装置を付帯させ、パージ窒素を冷却した状態で乾燥機中に導入する。乾燥機に搬入されたウエハに冷却窒素ブローが施されることによりウエハが冷却される。ウエハ上に洗浄工程から残留している水滴も同様に冷却される。そして、乾燥後に出現することのある水ガラスは、ウエハ上に残留した水、水滴中の溶存酸素及びウエハからの溶出シリコンが反応することにより形成される。この時、残留水滴温度が低いほど水ガラス反応速度は遅くなるため、同じ乾燥時間内においては冷却された状態での乾燥の方が水ガラス出現が抑制されることになり、その結果、歩留まり低下をもたらす水ガラス形成を効果的に抑制することができる。
また、本発明は、バッチ式回転乾燥装置を用いてウエハを乾燥する方法であり、リンス装置から乾燥装置内部の乾燥機本体に搬送されたウエハは、回転体にセットされた後、搬送時にウエハから溶出したシリコン及び大気中の酸素が溶解したウエハ上の残留水を超純水シャワーで洗い落とし、これらの洗い落とし工程から乾燥工程にかけて、乾燥機本体には常に乾燥炭酸ガス(CO2 )ガスが供給されていることを特徴としている。その高い溶解度によりウエハ上の残留水にはCO2 が溶解し、回転乾燥直前には清浄で溶存シリコン及び酸素量の少ない炭酸溶解超純水(以下、炭酸水という)のみとなる。また、炭酸水は弱酸性を示すため、残留水自体のOH基によるシリコンエッチングも抑制され、ウエハからのシリコン溶出が少なくなる。また炭酸ガスの供給は、乾燥直前から乾燥中にかけて継続的に行われることで、処理前及び処理中にはウエハ上に存在する水滴はウォーターマークのでき難い炭酸溶解水滴のみとなり、結局ウォーターマークは抑制される。また炭酸ガスの継続的な供給により、回転乾燥中に生じる可能性のある静電気による帯電防止にも寄与できる。この発明はバッチ式のみならず、枚葉タイプの洗浄乾燥装置においても乾燥時に炭酸ガスを継続的に導入すれば可能である。この方法において、乾燥工程直前から、乾燥工程中にかけて、ウエハ上に存在するのは溶存シリコン及び酸素量の少ない炭酸ガス溶解超純水(炭酸水)のみとなるため、ウォーターマーク形成反応物質である溶解シリコン及び溶存酸素濃度が低減され、乾燥後のウォーターマーク形成が抑制される。したがって、製造工程での半導体装置の歩留まりが向上する。
本発明のウエハの乾燥方法は、半導体ウエハに素子形成するための処理を施した後の半導体ウエハを洗浄する工程と、前記洗浄された半導体ウエハを回転乾燥する工程とを備え、前記乾燥工程において、乾燥開始前に溶存酸素量の少ない純水もしくは超純水によるリンスシャワーを施して、前記半導体ウエハ表面の残留水の溶存酸素量を抑制することを特徴とする。
また、本発明のウエハの乾燥方法は、半導体ウエハに素子形成するための処理を施した後の半導体ウエハを洗浄する工程と、前記洗浄された半導体ウエハを回転乾燥する工程とを備え、前記乾燥工程において、乾燥開始前に溶存酸素量の少ない純水もしくは超純水によるリンスシャワーを施すと共に、乾燥開始から終了まで炭酸ガスによるパージを続けることにより、前記半導体ウエハ表面の残留水の溶存酸素量及び溶解シリコン量を抑制することを特徴とする。
また、本発明のウエハの乾燥方法は、半導体ウエハに素子形成するための処理を施した後の半導体ウエハを洗浄する工程と、前記洗浄された半導体ウエハを回転乾燥する工程とを備え、前記乾燥工程において、乾燥開始前に溶存酸素量の少ない純水もしくは超純水によるリンスシャワーを施すと共に、乾燥開始から終了まで炭酸ガスによるパージを続けることにより、前記半導体ウエハ表面の残留水の溶存酸素量及び溶解シリコン量を抑制することを特徴とする。
また、本発明のウエハの乾燥方法は、半導体ウエハに素子形成するための処理を施した後の半導体ウエハを洗浄する工程と、前記洗浄された半導体ウエハを回転乾燥する工程とを備え、前記乾燥工程において、乾燥開始前に溶存酸素量の少ない炭酸溶解純水もしくは超純水によるリンスシャワーを施して、搬送中に増加した残留水中の溶存酸素、溶解Si量を抑制した水滴のみに置換し、且つ乾燥中においても残留水のpHを酸性にすることにより前記残留水中へのシリコン溶解を抑制した乾燥を行うことを特徴とする。
また、本発明の乾燥方法に用いるウエハの乾燥装置は、素子形成するための処理を施し、その後洗浄処理した半導体ウエハを搭載させるチャンバーと、前記チャンバーに搭載された半導体ウエハを回転させる手段と、前記チャンバー内部にリンス用の純水もしくは超純水を供給する手段と、前記純水もしくは超純水を冷却するパージガスを前記チャンバー内部に供給する手段とを備え、乾燥開始から乾燥が終了するまで、前記冷却された純水もしくは超純水により前記半導体ウエハ及び前記半導体ウエハ表面の残留水を冷却することを特徴としている。残留水の洗い落としの工程中から乾燥にかけて、乾燥機内部に導入するパージガスは水に溶解後酸性を示す材料であればとくに限定されるものはない。また、シャワー状にウエハに供給する水質は酸性を示す材料であればとくに限定されるものではない。
本発明の乾燥方法によれば、乾燥後のウオ−タ−マ−クの形成が効率良く制御されるので清浄な乾燥表面を有するウエハを得ることができる。また、乾燥状態が良好なために後工程において形成される半導体装置の歩留まりが著しく向上する。
以下、実施例を参照して発明の実施の形態を説明する。
まず、図1及び図2、図17を参照して実施例1を説明する。図1は、本発明の冷却装置を備えた回転式乾燥装置の概略断面図、図2は、ウエハから所定の温度に制御された純水中へ溶出したシリコン原子量と測定のためにウエハを水に浸漬した場合の浸漬時間との関係を示す特性図、図17は、浸漬したウエハから所定の温度に制御された純水中へ溶出したシリコン溶出量と純水の温度との関係を表わす特性図である。複数個の被処理体である半導体ウエハ1は、チャンバー2に搭載されている。チャンバー2の下部にはボトムチャンバー3が設けられており、これは、排気用バルブ4とドレイン用バルブ5に連結されている。チャンバー2は、減圧用ポンプ(図示せず)によって排気用バルブ4から強制的な排気を行われることが可能である。またチャンバー2及びボトムチャンバー3は、飛散した水滴を受ける容器でもあり、容器内壁には飛散した水滴を効果的に排出させるような表面加工、例えば、テフロン(登録商標)加工がなされている。そして、外部の回転サーボモータ6の駆動を回転軸7へ伝達させ、ウエハ1を保持しているウエハホルダ(図示せず)を回転させることによって回転乾燥がなされる。さらにチャンバー2内をパージガスで充填させるためのパージガス供給バルブ8及びパージガス供給ノズル9がチャンバー2に装着されている。
これより乾燥窒素等のパージガスをチャンバー2内に導入することが可能である。乾燥窒素は、供給側からパージガス供給ノズル9までの間に冷却機構(図示せず)によって冷却される。この時の冷却温度及び窒素流量は、ウエハを冷却した際の最適温度、例えば、4℃程度に冷却可能な設定にしておく必要がある。余り低温であると水滴が氷結する危険性があるため、残留水滴の凝固点を越えない温度に制御することが重要である。また供給側からすでに冷却された窒素をノズルを通して直接導入してもよい。しかしこの時にも温度設定を最適にした窒素を導入する必要がある。冷却制御されたウエハ1上では、ウオーターマーク形成反応は進みずらくなるため、乾燥後のウオーターマーク出現を抑制することが可能となる。ここに冷却によって反応速度を低減させることができることの根拠を実験結果より示す。図2は、ウエハから各々所定の温度に制御された純水中へ溶出したシリコン(Si)原子量をICP発光分光分析器により測定した結果である。縦軸は、純水中へ溶出したシリコン原子量を溶出したシリコンの表面積で割った溶出量(atoms/cm2 )であり、横軸は、ウエハを乾燥前のリンス処理のために行われる純水中への浸漬時間(min)を表わす。ウエハは、測定の直前にフッ酸処理よって自然酸化膜を全部剥離しておく。フッ酸処理後は、純水リンスによりウエハ表面のフッ酸濃度を低減しておく。この前処理後すぐに一定量の純水を入れた容器にウエハを一定時間浸漬させ、この浸漬処理した水をICP発光分光分析して溶出シリコン量の定量化を行う。
図2から分かるように、低温の方が溶出量を抑制していることが分かる。すなわち、純水(27〜28℃)及び純水(24〜25℃)を用いてはシリコン溶出量が多く、純水(8〜10℃)を用いると溶出量の抑制効果が大きくなる。本発明の方法では、22〜23℃以下の純水使用が好ましく、とくに、8〜10℃以下が適当である。すなわち、ウオーターマーク形成要因の一つであるウエハからの溶出シリコンが低減されればウオーターマーク出現を抑制できることが可能になる。次に、この実施例の回転式乾燥装置の動作を説明する。まず、開閉用蓋(図示せず)を開け、所定のウエット洗浄工程を通過したウエハ1をチャンバー2に搬入させる。ウエハ1は、バッチ状で搬入され、回転用ホルダ(図示せず)によってチャンバー回転系にセットされる。その後開閉用蓋をしめ、回転乾燥をスタートする。この回転乾燥が行われているチャンバー2内に、所定のタイミングで冷却機構によって冷却された乾燥窒素等のパージガスを必要に応じて導入する。適当な温度に制御された冷却窒素ブローによってウエハは乾燥中常に冷却され続ける。この様な状態で、例えば、3分間処理を行う。処理が終了すると回転が中止される。このとき、導入パージガスの流量を増やすことによって、もしくはリークバルブによってチャンバー2内をリークすることによって大気圧にまで戻した後に、開閉用蓋を開け、ホルダを取り出してウエハ1を搬出する。
ここで純水には、超純水も含む。純水は、イオン、微粒子、微生物有機物などの不純物を殆ど除去した抵抗率が5〜18MΩcm程度の高純度の水である。超純水は、超純水製造装置により水中の懸濁物質、溶解物質及び高効率に取り除いた純水より更に純度の高い極めて高純度の水である。電気伝導度で表現すると、純水の伝導率ρは、10μScmより小さく、超純水の伝導率ρは、0.055μScmより小さい。以上のように、実施例の乾燥後のウエハは、ウォーターマークが形成されない清浄な乾燥表面を有するようになる。
次に、図1及び図15を参照して実施例2を説明する。この実施例は、乾燥前の洗浄工程中の純水リンス工程に特徴がある。図15に示すように、ウエハ処理工程において、エッチングなどのウエハ処理を行った後は、表面に付着した不純物を除去するために洗浄処理を行い、その後ウエハは乾燥される。洗浄のため希フッ酸処理を通過したウエハは、純水に浸漬することによって表面のフッ酸濃度を低減される。その後乾燥のため純水から引き上げられ、乾燥装置に搬入される。すなわち、ウエハ処理が行われたウエハは、洗浄工程の希フッ酸(HF)処理が行われ、ついで洗浄工程のリンス処理が行われ、その後乾燥工程に進むべく乾燥装置に搬入される。このうちリンス処理において、リンス水の温度を工程のはじめから、もしくは後半から低温のものを導入する。その時の温度は、例えば、約4℃に制御されている。このリンス処理によって、引き上げられる直前のウエハ温度は低温純水温度とほぼ同じになるため、引き上げ後乾燥機にセットされるときにウエハ上にリンス処理の残留水があったとしても、低温残留水であるためにウォーターマーク出現が制御されることになる。以上のような実施例の乾燥後のウエハでは、希フッ酸処理後の乾燥後のウエハ上でもウォーターマークの形成されない清浄な乾燥表面を得ることができる。
次に、図3を参照して実施例3を説明する。図3は、回転式乾燥装置の概略断面図である。図に示す乾燥装置は、窒素ガスを供給するパージガス供給バルブ10を有するとともに、リンス用純水供給バルブ11及びシャワー状に低温純水をウエハに供給するリンス用純水供給ノズル12が設けられていることで、図1の乾燥装置とは相違しており、その他の部分は同じである。すなわち、複数個の被処理体である半導体ウエハ1が搭載されているチャンバー2には、その下部に設けられたボトムチャンバー3、ボトムチャンバー3に連結された排気用バルブ4とドレイン用バルブ5、外部の回転サーボモータ6により駆動される回転軸7などを備えており、ウエハ1を保持しているウエハホルダ(図示せず)を回転させることによって回転乾燥がなされるように構成されている。
洗浄工程を終了したウエハ1は、乾燥のため乾燥機に搬入され、チャンバー2内にセットされる。乾燥機にセットされたウエハ1は、その後回転乾燥を施されるが、この回転直前に低温制御された純水、例えば、約4℃程度に冷却された純水をウエハ表面にかかるようにリンス用純水供給ノズル12からシャワー状に供給する。この工程後には、低温制御された純水が洗浄工程から残留していたウエハ表面の残留水滴に起き代わって、ウエハに存在することになる。低温制御された純水を用いれば、ウォーターマーク出現に影響のあるウエハからのシリコン溶出が抑制されるため、乾燥後のウエハ表面にはウォーターマークは形成され難くなる。以上のように、この実施例の乾燥処理後のウエハは、ウォーターマークが形成されない清浄な乾燥表面を有することができる。
次に、図4乃至図6を参照して実施例4を説明する。図4は、回転式乾燥装置の概略断面図、図5は、残留水のpH及び溶存酸素濃度を変数にした場合のウォーターマーク抑制領域を示す特性図、図6は、図4の回転式乾燥装置を用いた乾燥工程を説明する概略断面図である。複数個の被処理体である半導体ウエハ1は、チャンバー2に搭載されている。チャンバー2の下部にはボトムチャンバーが設けられており、これは、排気用バルブ4とドレイン用バルブ5に連結されている。チャンバー2は、減圧用ポンプ(図示せず)によって排気用バルブ4から強制的な排気を行われることが可能である。またチャンバー2及びボトムチャンバーは、飛散した水滴を受ける容器でもあり、容器内壁には飛散した水滴を効果的に排出させるような表面加工、例えば、テフロン(登録商標)加工がなされている。そして、外部の回転サーボモータ6の駆動を回転軸7へ伝達させ、ウエハ1を保持しているウエハホルダ(図示せず)を回転させることによって回転乾燥がなされる。さらにチャンバー2内をパージガスで充填させるためのパージガス供給バルブ15がチャンバー2に装着されている。これより炭酸ガス(CO2 )からなるパージガスをチャンバー2内に導入することが可能である。また、リンス用超純水供給バルブ14及びシャワー状に超純水をウエハに供給するリンス用超純水供給ノズル13が設けられている。
この乾燥方法では、ウエハ1は、洗浄装置のリンス槽から乾燥装置に搬送され、乾燥装置のチャンバー2にセットされるが、チャンバー2内にセットされてから搬送時にウエハ1上に残留していた水分を洗い落とすことを目的として、リンス用超純水供給バルブ14から超純水シャワーをウエハ1にかける。その際、チャンバー雰囲気中に乾燥CO2 ガスを導入する。ウエハ1上の水は、回転乾燥直前にはシャワーリンスによって溶存酸素量及び溶解シリコン(Si)量の超純水のみになり、且つ、導入したCO2 ガスがその高い溶解度のため容易にシャワーリンス後にウエハ1上に残留する水滴に溶解し、その結果弱酸性(pH=4程度)の炭酸水がウエハ1上に残留することになる。残留水中へのSi溶解は、水分子のOH基によるアルカリエッチングを行うことになるので、炭酸ガス溶解によりシャワー後残留水のpHを酸側へ持っていくことになる。したがって、この実施例ではシャワー後の溶解Si量をも抑制し、その結果乾燥後のウォーターマーク抑制が可能となる。pHが酸側という観点から、導入パージガスは、CO2 限らず、水へ溶解した際にpHが酸側へ行くものであればどのような材料を用いても良い。強酸になる場合は、チャンバー内部がより耐酸性構造をとることが必要である。導入するガスの純度は特に清浄度は求めないが、不純物としての酸素濃度は、ウォーターマーク抑制の観点からより低いことが望ましい。
また導入するガスが還元性を示す材料である場合、水中の酸素と反応し溶存酸素量が減じられるため、よりウォーターマーク抑制が可能である。例えば、一酸化炭素(CO)ガスを使用した場合、溶解後水中の酸素と反応してCO2 を生じるので水中の溶存酸素濃度を減ずることになり、且つ水を弱酸性に変えるのでウォーターマーク抑制がさらに優れている。残留水のpH及び酸素濃度を変数にした場合のウォーターマーク抑制領域は、図5のように示される。図に示すように溶存酸素濃度がある程度高い場合でも、水滴中のpHが低ければウォーターマーク抑制は可能であり、逆にpHがある程度大きくとも、溶存酸素濃度が低ければウォーターマーク抑制は可能である。図5は、あるCMOS構造のデバイスが形成されたウエハのウォーターマーク抑制領域を示したが、この図に示す曲線は、ウェーハの基板構造、例えば、不純物濃度や形状によっても変化してくる。つまりそれぞれの被乾燥体に適した条件にまで残留水中のpH及び酸素濃度を低下させることが重要である。
図6は、乾燥工程におけるCO2 ガスの作用を説明する概略断面図である。ウエハは、洗浄工程を終了し搬送されて乾燥装置のチャンバー内にセットされる。セットされた直後は、黒丸(●)で示される、DO値が大きく、溶解Si量が大きい、溶解CO2 量が少ない、pH値がおよそ7の超純水が存在している(図6(a))。次に、このチャンバー内に超純水及びCO2 ガスを供給し続けると白丸(○)で示される、DO値が小さく、溶解Si量が小さい、溶解CO2 量が多い、pH値が7より小さい超純水が増していき(図6(b))、最終的には高い白丸(○)の超純水のみになり、ウォーターマーク抑制効果が上がる。また導入するガスは、溶解して酸性を示す単体ガス導入以外にもこのようなガスが混在したガスでも良い。例えば、パージ用の乾燥N2 にCO2 ガスを混ぜてチャンバーに送るような場合では、混合パージガスによってチャンバー中のO2 濃度を低下させ、且つCO2 が溶解することによりウエハ上の残留水を酸性に変化させることになり、その結果乾燥後のウォーターマーク抑制が可能となる。
また、乾燥処理中には継続的にガスを送り込むことが必要である。これは乾燥直前の水滴においても効果的に導入ガスを溶存させ続けるためである。これを怠ると、まさに乾燥直前の水滴中の溶存炭酸濃度が低下する恐れがある。つまり乾燥直前に水分より先に水中の炭酸ガスが気体として抜けた場合、残留水中のpHが上昇する恐れがあるため、つまり水中へのシリコン溶解が進んでウォーターマーク抑制効果の劣化につながるからである。以上は、バッチタイプ乾燥工程に関する説明であるが、枚葉タイプの乾燥装置であっても、乾燥工程中にCO2 等の水に溶解後酸性を示すガスをウエハ近傍に供給することにより乾燥後のウォーターマーク抑制が可能となる。
次に、図7及び図8を参照して実施例5を説明する。図7は、回転式乾燥装置の概略断面図、図8は、残留水のpH及び溶存酸素濃度を変数にした場合のウォーターマーク抑制領域がウエハの種類によって変化する状態を示す特性図である。図に示す乾燥装置は、排水ドレインバルブ5にモニタ水を通すモニタ用パイプ16と、モニタ用パイプ16に接続された溶存酸素及びpH測定器17と、この測定器17に接続され、超純水供給バルブ14及びパージガス(CO2 )供給バルブ15を制御するフィードバック制御回路18を備えていることで、図4の乾燥装置とは相違しており、その他の部分は同じである。すなわち、複数個の被処理体である半導体ウエハ1が搭載されているチャンバー2には、チャンバー2に連結された排気用バルブ4とドレイン用バルブ5、外部の回転サーボモータ6により駆動される回転軸7などを備えており、ウエハ1を保持しているウエハホルダ(図示せず)を回転させることによって回転乾燥がなされるように構成されている。
実施例4においては、ウエハ上の残留水中のpH及び酸素濃度を被乾燥体に適した条件にまで低下させることが重要であった。この実施例では、残留水のpH及び酸素濃度を乾燥機下部の純水ドレインから分岐接続されたモニタ用パイプ、溶存酸素及びpH測定器及びフィードバック制御回路から構成されたモニタ装置によって、シャワーリンス時のドレイン水を逐次計測し、その結果からリンス時間をフィードバック制御することを特徴としている。乾燥処理されるウエハに対するウォーターマーク抑制領域は、各ウエハの種類によって変化する。図5には特定のCMOS構造のデバイスウエハでの最適条件を示したが不順物濃度が変わったりデバイスがより微細化することで基板表面の物理的特性変化に伴いスピン乾燥における水滴の乾燥状態をも変わってくる(図8参照)。そのため、それぞれのウエハ(a)、(b)、(c)に適する残留水中のpH及び酸素濃度を、リンス時のドレイン水を図7に示したモニタ装置で計測することにより逆算して、経験的に得られているウォーターマーク抑制領域に達したことを確認した上で乾燥を開始する。このような系では余分なシャワーリンス時間は必要なくなり、各ウエハに最適な乾燥工程をくみ上げることが可能となる。
次に、図9を参照して実施例6を説明する。図9は、回転式乾燥装置の概略断面図である。図に示す乾燥装置は、超純水供給バルブ14及びパージガス(CO2 )供給バルブ15に代えてCO2 溶解超純水バルブ19及びパージガス(N2 )供給バルブ20を備えていることで、図4の乾燥装置とは相違しており、その他の部分は同じである。すなわち、複数個の被処理体である半導体ウエハ1が搭載されているチャンバー2には、チャンバー2に連結された排気用バルブ4とドレイン用バルブ5、外部の回転サーボモータ6により駆動される回転軸7などを備えており、ウエハ1を保持しているウエハホルダ(図示せず)を回転させることによって回転乾燥がなされるように構成されている。実施例4では、乾燥装置のチャンバーにウエハがセットされた後にCO2 パージをしながら超純水シャワーをウエハにかけることになるが、この実施例ではシャワー水自体にCO2 溶解超純水を用いることを特徴としている。シャワーにより乾燥直前にウエハ上に残留するのは、溶存酸素及び溶解Si量が少なく、且つSiが溶解し難い炭酸水のみになるので、乾燥後のウォーターマーク抑制が可能となる。またシャワーに用いる水質は、酸性を示すものであれば特に限定されない。また溶存酸素量、pHとウォーターマーク抑制の関係は、実施例4と同様である。
次に、図10及び図11を参照して実施例7を説明する。図10及び図11は、回転式乾燥装置の概略断面図である。これらの図に示す乾燥装置は、超純水供給バルブ22及びパージガス(CO2 )供給バルブ21を備えていることで、図4の乾燥装置とは相違しており、その他の部分は同じである。すなわち、複数個の被処理体である半導体ウエハ1が搭載されているチャンバー2には、チャンバー2に連結された排気用バルブとドレイン用バルブ5、外部の回転サーボモータにより駆動される回転軸などを備えており、ウエハ1を保持しているウエハホルダを回転させることによって回転乾燥がなされるように構成されている。
この実施例では、洗浄工程を終了したウエハ1を乾燥装置のチャンバー2内部に搬送しセットする(図10(a))。次に、乾燥CO2 でパージされた環境にあるチャンバー内部に超純水を導入し、この超純水にウエハをディップすることにより溶存酸素、溶存Siの多い残留水分を洗い流す(図10(b))。その後ドレインとして洗い落とす(図11(a))。チャンバーに導入する超純水は、常にオーバーフローされているので、超純水中の溶存酸素濃度は、低く抑えられる。チャンバー内の雰囲気がCO2 ガスでパージされているので、チャンバー内に超純水が導入されるとCO2 ガスが容易に溶解し、ウエハは炭酸水によってディップされることになる。従って、ドレイン後にウエハ上に残留水滴があったとしても、pHが酸側にあるためこの残留水へのSi溶解は進行せず、乾燥後のウォーターマーク出現は抑制されることになる。この際導入するパージガスは、実施例4と同様に水に溶解後に酸性を示すものであればとくに限定はない。また溶存酸素量、pHとウォーターマーク抑制の関係は、実施例4と同様である。次に、チャンバー内部の回転軸をモータにより回転させてウエハ1を乾燥させる(図11(b))。
次に、図12及び図13を参照して実施例8を説明する。図12及び図13は、回転式乾燥装置の概略断面図である。図に示す乾燥装置は、CO2 溶解超純水供給バルブ23を備えていることで、図4の乾燥装置とは相違しており、その他の部分は同じである。すなわち、複数個の被処理体である半導体ウエハ1が搭載されているチャンバー2には、チャンバー2に連結された排気用バルブとドレイン用バルブ5、外部の回転サーボモータにより駆動される回転軸などを備えており、ウエハ1を保持しているウエハホルダを回転させることによって回転乾燥がなされるように構成されている。
この実施例では、洗浄工程を終了したウエハ1を乾燥装置のチャンバー2の内部に搬送し、ウエハ1をセットする(図12(a))。次に、乾燥N2 でパージされた環境にあるチャンバー2の内部にCO2 溶解超純水(炭酸水)を導入し、この炭酸水にウエハをディップすることにより、溶存酸素、溶存Siの多い残留水分を洗い流す(図12(b))。その後にドレインとして洗い落とす(図13(a))。チャンバー2に導入する炭酸水は、常にオーバーフローされており、且つ乾燥N2 によってチャンバー内はパージされ続けているので炭酸水中の溶存酸素濃度は低く抑えられる。したがって、ドレイン後にウエハ上に残留水滴があったとしても、pHが酸側にあるため、この残留水へのSi溶解は進行しないので、乾燥後のウォーターマーク出現は抑制されることになる。この際ウエハのディップのために導入する水質は、実施例4と同様に酸性を示すものであれば特に限定はない。また溶存酸素量、pHとウォーターマーク抑制の関係は実施例4と同様である。次に、チャンバー内部の回転軸7をモータにより回転させてウエハ1を乾燥させる(図13(b))。
次に、図14を参照して実施例9を説明する。図14は、回転乾燥装置へウエハを搬送可能なバッチタイプの洗浄装置の概略断面図である。バッチタイプの洗浄装置の場合、洗浄槽で洗浄工程を終了したウエハは、乾燥のため乾燥ユニットまで移載される。その移載時の雰囲気はとくに閉鎖系で行われてはおらず、通常移載ウエハは、クリーンルーム大気に晒されることになる。先の各実施例においては、この移載時に残留水中に増加してしまう溶解酸素及び溶解Si量を移載後の乾燥工程の中ではじめに純水リンス等の処理で低減させることが要旨であった。この実施例の方法は、移載時の増加O2 及びSi自体を移載時において抑制させることに特徴がある。
洗浄を終了したウエハは、乾燥装置への移載のため、洗浄処理に用いた洗浄槽25からクリーンルーム大気中へリフター26により引き上げられる。ウエハ1上に残留水が存在する場合、この引き上げの瞬間から溶存O2 量及び溶解Si量が増加することになる。この引き上げ時に、洗浄槽25上部に設置したダウンフローユニットであるパージCO2 供給ユニット24によりCO2 ガスブローが行われ、ウエハ1は、CO2 ガス制御エリア27に入ることになる。この際のブローはウエハ引き上げ時の雰囲気制御のために行われている。過度にブローされるとウエハが半乾き状態になってしまう恐れがあるので、適度なブローを行う必要がある。引き上げ時からウエハ残留水にCO2 ガスが溶解するため、残留水へのSi溶解量が抑制され、且つO2 濃度も抑制されてるので、その後の乾燥工程後のウォーターマーク出現を抑制することができる。雰囲気制御のためのガスは、水に溶解後酸性を示す物であれば特に限定はない。
またこのCO2 ブローを冷却CO2 を用いると、ウエハ上の水滴を冷却する作用とあわせてSi溶解を抑制できるため、その効果はさらに向上する。具体的には、洗浄槽25上部のダウンフローユニット24にドライアイスを設置し、これより発する冷却CO2 ガスがクリーンルーム大気との比重差及び低温による大気循環作用により洗浄槽25の水面付近を覆い、酸素濃度の低い冷却CO2 ガス雰囲気を作る。この雰囲気中にウエハ1が引き上げられることにより、引き上げの際にウエハ1上に残留する水滴には容易にCO2 ガスが溶解し、水滴が弱酸性を示すことにより、Si溶解を抑制して乾燥後のウォーターマーク抑制が可能となる。また溶存酸素量、pHとウォーターマーク抑制の関係は実施例4と同様である。
次に、図16を参照して実施例10を説明する。図16は、洗浄工程及び乾燥工程を含むウエハ処理システムを説明する洗浄装置の概略断面図である。バッチタイプの洗浄装置の場合、洗浄槽で洗浄工程を終了したウエハは、乾燥ユニットで乾燥された後、ウエハキャリアに収納されて次工程に進む。このとき、キャリアセットの際、一度必ずクリーンルーム大気に晒され、且つ次工程の待ち時間の間にも雰囲気制御されていないキャリア内で保管される。そのため、本発明の乾燥装置においてウオーターマークなどの無い清浄なウエハ表面が形成されても、この搬送から待ち時間の間ににもウエハに有機物などの不純物によって汚染されてしまう危険やDHF処理でシリコン表面が剥き出しになったウエハは、大気に晒されるため自然酸化膜成長が進んでしまう可能性がある。
搬送用キャリアに関しては、発明者は、ケミカルフィルタボックスを提案している(特願平10−341793号)。これは、キャリア内の雰囲気をクリーンに制御することで、ウエハ収納時の汚染などを防止することを目的とするものである。この実施例では、洗浄ユニット(洗浄装置)にケミカルフィルタボックスを配置させている。ウエハは、ローダから処理槽に搬送されて洗浄処理を行い、洗浄処理が終了したウエハは、乾燥装置ないで乾燥される。乾燥装置で乾燥されたウエハは、アンローダを介してケミカルフィルタボックスに洗浄ユニット内において収納される。これにより乾燥後の清浄な表面を維持したままケミカルフィルタボックスにウエハを収納するため、処理後のウエハが処理装置から搬出される時点で既に不純物汚染や大気に汚染される危険のない状態で次工程に進めることができる。
1・・・ウエハ、2・・・チャンバー、3・・・ボトムチャンバー、4・・・排気バルブ、5・・・排水ドレインパイプ、6・・・回転サーボモータ、7・・・回転軸、8・・・冷却用窒素バルブ、9・・・冷却用窒素ノズル、10、15、20、21、24・・・パージガス供給バルブ、11・・・純水供給バルブ、12・・・純水供給ノズル、13・・・超純水供給ノズル、14、22、23・・・超純水供給バルブ、16・・・モニタ用パイプ、17・・・溶存酸素及びpH測定器、18・・・フィードバック制御回路、19・・・CO2 溶解超純水供給バルブ、25・・・洗浄槽、26・・・リフター、27・・・CO2 制御エリア。
Claims (6)
- 半導体ウエハに素子形成するための処理を施した後の半導体ウエハを洗浄する工程と、前記洗浄された半導体ウエハを回転乾燥する工程とを備え、前記乾燥工程において、乾燥開始前に溶存酸素量の少ない純水もしくは超純水によるリンスシャワーを施して、前記半導体ウエハ表面の残留水の溶存酸素量を抑制することを特徴とする半導体ウエハの乾燥方法。
- 半導体ウエハに素子形成するための処理を施した後の半導体ウエハを洗浄する工程と、前記洗浄された半導体ウエハを回転乾燥する工程とを備え、前記乾燥工程において、乾燥開始前に溶存酸素量の少ない純水もしくは超純水によるリンスシャワーを施すと共に、乾燥開始から終了まで炭酸ガスによるパージを続けることにより、前記半導体ウエハ表面の残留水の溶存酸素量及び溶解シリコン量を抑制することを特徴とする半導体ウエハの乾燥方法。
- 前記半導体ウエハ表面の残留水の溶存酸素量を1000ppb以下にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体ウエハの乾燥方法。
- 前記半導体ウエハ表面の残留水のpH値を3〜5にすることを特徴とする請求項3に記載の半導体ウエハの乾燥方法。
- 前記リンスシャワーによって前記半導体ウエハ上から洗い流された前記純水もしくは超純水中の溶存酸素量及びpHを計測し、この結果を前記リンスシャワーにフィードバックし、このフィードバックされた結果を基に前記リンスシャワーをフィードバック制御する工程をさらに備え、前記フィードバック制御により前記半導体ウエハに最適な条件に整えた上で乾燥処理を実施することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の半導体ウエハの乾燥方法。
- 半導体ウエハに素子形成するための処理を施した後の半導体ウエハを洗浄する工程と、前記洗浄された半導体ウエハを回転乾燥する工程とを備え、前記乾燥工程において、乾燥開始前に溶存酸素量の少ない炭酸溶解純水もしくは超純水によるリンスシャワーを施して、搬送中に増加した残留水中の溶存酸素、溶解Si量を抑制した水滴のみに置換し、且つ乾燥中においても残留水のpHを酸性にすることにより前記残留水中へのシリコン溶解を抑制した乾燥を行うことを特徴とする半導体ウエハの乾燥方法。
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